JP2005042957A - 熱交換器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シェル・アンド・チューブ式熱交換器で、シェル側流体の流れを改善して熱交換性能を向上させる。
【解決手段】筒状のシェル1と、シェルの内部に配置された複数の伝熱管2とを有し、伝熱管の内側を流れる管側流体と伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、シェルに取り付けられてシェル側流体が流入する入口ポート6と、入口ポートからシェルの軸方向に離れた位置のシェルに取り付けられてシェル側流体が流出する出口ポート7と、シェル内に配置されてシェル側流体が入口ポートから出口ポートまでシェル内を旋回して流れるように構成した螺旋状のバッフル板10と、を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】筒状のシェル1と、シェルの内部に配置された複数の伝熱管2とを有し、伝熱管の内側を流れる管側流体と伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、シェルに取り付けられてシェル側流体が流入する入口ポート6と、入口ポートからシェルの軸方向に離れた位置のシェルに取り付けられてシェル側流体が流出する出口ポート7と、シェル内に配置されてシェル側流体が入口ポートから出口ポートまでシェル内を旋回して流れるように構成した螺旋状のバッフル板10と、を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シェル・アンド・チューブ式熱交換器とその製造方法に関し、特にシェル側の流動特性が優れた熱交換器とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱交換器は、化学工業、発電プラント、食品工業など様々な分野において重要な役割を果たしている。熱交換器は種々のタイプがあるが、シェル・アンド・チューブ式の熱交換器は最も一般的であり、ケトル式リボイラ、給水加熱器、蒸発器、換気空調器などとして幅広く利用されている。この熱交換器は、多管式の伝熱管束(チューブ)を円筒胴(シェル)に挿入した形式のもので、管板と胴との取り合い構造により、固定管板形、U字管形、遊動ヘッド形、バヨネット・チューブ形などに分類される。
【0003】
図10に、従来のシェル・アンド・チューブ式の熱交換器の概略図を示す(例えば特許文献1参照)。本図はU字管形を例に取ったものである。主に、円筒型のシェル1と伝熱管2によって構成される。伝熱管2はU字形に成形され、管の両端は管板3に固定されている。伝熱管2は複数で管群を成す。伝熱管2内の流体は入口ヘッダー4から管板3を介して各伝熱管2に分配されてU字部でUターンして出口ヘッダー5で合流する。
一方、シェル1にも流体の入口ポート6と出口ポート7が設けられており、シェル1内にはシェル側流体が流れて、伝熱管2を介して熱交換される。
【0004】
一般的にシェル1内には、バッフル板8が設けられている。バッフル板8は、シェル1の長手方向を分割し、伝熱管群を横切るようにして複数枚設置されている。このバッフル板8は、シェル側流体の流れを規定して伝熱管2との熱交換性能を高めるために設けられている。したがって、バッフル板8には図11に示すように、切り欠き9が設けられており、前後のバッフル板8の切り欠き9の位置は上下交互になるように配されている。これにより、シェル1内流体は概ね図11の矢印に示すように蛇行して流れる。なお、図11では、伝熱管2の図示を省略している。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−147406号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
シェル側流体の流れは、バッフル板8で規定されているとはいえ、実際には図11に示すような単純な流れではなく、伝熱管群に並行な流れ、直交する流れ、斜めに横断する流れ、局部的に流れが滞留する部分などが存在して複雑な流れをしている。このようなシェル内の非均一な流れは、熱交換器の性能を低下させる要因になっていた。
本発明は上記観点に鑑みてなされたもので、シェル側流体の流れを改善して熱交換性能を向上させた熱交換器と、その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的に沿うものであって、請求項1に記載の発明は、筒状のシェルと、このシェルの内部に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、前記シェルに取り付けられて前記シェル側流体が流入する入口ポートと、前記入口ポートからシェルの軸方向に離れた位置のシェルに取り付けられて前記シェル側流体が流出する出口ポートと、前記シェル内に配置されて前記シェル側流体が前記入口ポートから出口ポートまで前記シェル内を旋回して流れるように構成した螺旋状のバッフル板と、を有すること、を特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、筒状のシェルと、このシェルの内部に配置されシェルの軸中心付近で軸方向に延びるように配置される筒状の芯部材と、この芯部材の外側の前記シェル内に配置される螺旋状のバッフル板と、このバッフル板を貫通して前記シェル内に配置される複数の伝熱管とを有する熱交換器の製造方法であって、前記バッフル板の製造工程は、前記シェルの内側寸法と前記芯部材の外側寸法に対応した寸法で切り出したリング状平板を製造する平板製造工程と、前記リング状平板に前記伝熱管が貫通する貫通孔を加工する穴加工工程と、前記リング状平板の一箇所を半径方向に切断するリング切断工程と、前記平板製造工程、穴加工工程およびリング切断工程の後に、前記切断された切断端部を板厚方向に引き離しながら螺旋状になるようにねじるることによりねじり単位部材を作るねじり工程と、ねじり工程により作られたねじり単位部材を複数個直列に互いにつなぎ合わせる接合工程と、を有すること、を特徴とする。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、筒状のシェルと、このシェルの内部に配置されてシェルの軸方向に延びる複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、前記シェルの軸中心付近に配置されてシェルの軸方向に延びる筒状の芯部材と、この芯部材の外周から半径方向に延び、相互に軸方向に間隔をおいて配置され、それぞれに、周方向に偏った位置に切り欠きが設けられた複数のバッフル板と、隣接する前記バッフル板同士の間に軸方向に延びてこれらバッフル板と前記芯部材およびシェルによって囲まれた環状空間を軸方向に仕切る仕切り板と、を有し、前記切り欠きの周方向の位置が、隣接するバッフル板ごとにずれた位置にあり、前記シェル側流体が、軸方向に流れながら、前記バッフル板と仕切り板によって、螺旋状に導かれるように構成されていること、を特徴とする。
【0010】
また、請求項7に記載の発明は、シェルと、このシェルの内部に互いにほぼ平行に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、前記シェル側流体の流路を、少なくとも1本の前記伝熱管が内部に配置された複数の流路に仕切る長手方向バッフル板であって、前記シェル内でかつ前記伝熱管の外側に配置され、前記伝熱管の方向に延びる長手方向バッフル板と、前記長手方向バッフル板と交差し、前記伝熱管が貫通する横方向バッフル板と、を有し、前記横方向バッフル板には前記複数の流路それぞれにシェル側流体を分配する貫通孔が設けられていること、を特徴とする。
【0011】
また、請求項8に記載の発明は、シェルと、このシェルの内部に互いにほぼ平行に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、前記シェル側流体の流路を、少なくとも1本の前記伝熱管が内部に配置された複数の流路に仕切る長手方向バッフル板であって、前記シェル内でかつ前記伝熱管の外側に配置され、前記伝熱管の方向に延びる長手方向バッフル板と、前記複数の流路それぞれにシェル側流体を分配する分配管が前記シェル内に配置されていること、を特徴とする。
【0012】
また、請求項9に記載の発明は、シェルと、このシェルの内部に互いにほぼ平行に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、前記伝熱管の方向に交差する向きに、互いに伝熱管の方向に間隔をおいて配置された複数のバッフル板を有し、これらのバッフル板には第1の切り欠きと、この第1の切り欠きよりも小さな第2の切り欠きとが設けられ、前記第1の切り欠きの位置が、隣接するバッフル板の第1の切り欠きと対応しない位置であること、を特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に関る熱交換器およびその製造方法の実施の形態を説明する。なお、以下の各実施の形態において、従来技術と共通もしくは類似の部分には同一符号を付して、重複説明は省略する。
【0014】
[第1の実施の形態]
図1〜図4は、本発明に係る熱交換器およびその製造方法を示す。図1は、本発明の第1の実施の形態の熱交換器の概略縦断面図であり、図2および図3は伝熱管群を横切る横断面図を示す。このシェル・アンド・チューブ式熱交換器において、シェル1は、細長い円筒形の容器であって、その長手方向(軸方向)に延びる多数の伝熱管2を収容している。図示の伝熱管2はU字管タイプのものであって、シェル1内の一端部(図1では右端)近くでU字形に曲っている。
【0015】
伝熱管2の曲り部の反対側の端部付近のシェル1内には、入口ヘッダー4と出口ヘッダー5が形成されていて、入口ヘッダー4および出口ヘッダー5と伝熱管2の接続部には管板3が配置されている。伝熱管2の内側を流れる管側流体は、入口ヘッダー4から伝熱管2をへて出口ヘッダー5へ流れて、熱交換器外へ流出する。
【0016】
一方、シェル1の側壁の両端近くには入口ポート6と出口ポート7が配置されている。伝熱管2の外側を流れるシェル側流体は、入口ポート6から流入し、伝熱管2の壁を通じて管側流体と熱交換を行なった後に出口ポート7から流出するようになっている。
【0017】
シェル1の軸付近には軸方向に延びる円筒形の芯部材11が配置され、伝熱管2の直線部は芯部材11の外側の環状部に配置されている。また、この環状部には螺旋状に連なる1枚のバッフル板10が配置されている。バッフル板10には、伝熱管2が貫通する穴が設けられている。
【0018】
この実施の形態では、バッフル板10を螺旋状に構成したことにより、伝熱管2の伝熱有効範囲に亘って、シェル1内に螺旋状のシェル側流体流路が形成される。この場合、図10および図11に示す従来技術のような流路の縮小、拡大、蛇行などがなく、一様で均一な流れが形成されるので、熱交換性能が向上する。また、圧力損失も低減される。さらに、芯部材11を設けることによりその周りに沿った流体の螺旋状流れが促進されると共に、一様に流路断面積が小さくなるので流速が速くなり熱伝達率が向上して伝熱特性が良くなる。
【0019】
さらにこの実施の形態では、図2および図3に示すように、シェル1側流体の入口ポート6と出口ポート7を螺旋状バッフル板10のねじれの接線方向に設置している。これによりシェル側流体の流出入を流れ方向と合致させることができるので、流体エネルギー損失を低減することができる。
【0020】
次に、図4を参照してこの実施の形態の螺旋状のバッフル板10の製造工程を説明する。すなわち、初めに、図4(a)に示すように、シェル1の内側寸法と芯部材11の外側寸法に対応した寸法で切り出したリング状平板30を製作し、この状態で伝熱管貫通孔32を加工し、さらにリング状平板30の一箇所の切断部34で半径方向に切断して切り離す。
【0021】
次に図4(b)に示すように、リング状平板30の切断した切断部34を板厚方向に引き離しながらねじり加工を施してねじり単位部材36を作る。
次に図4(c)に示すように、図4(a)、(b)の工程をへて作ったねじり単位部材36を複数個、直列に並べるようにして、隣接するねじり単位部材36の切断部34同士を接合し、1枚の螺旋状のバッフル板を製作する。このようにして、螺旋状のバッフル板を容易に製作することが可能である。
【0022】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明に係る熱交換器の第2の実施の形態を示す。この実施の形態のシェル1、伝熱管2、芯部材11、管板3、入口ヘッダー4、出口ヘッダー5などの構造は第1の実施の形態と共通である。図5ではシェル1、伝熱管2などの記載を省略している。
【0023】
芯部材11の外側には、芯部材11とシェル1の間の環状空間を軸方向に仕切るように複数(図5には3枚示す)のバッフル板14が取り付けられている。バッフル板14はその中心に芯部材11が通る穴が設けられた円板状であって、外周の近くにそれぞれ1箇所の切り欠き17が設けられている。バッフル板14にはさらに、伝熱管2が貫通するための穴が多数設けられている(図5では図示を省略)。
【0024】
互いに隣接する2枚のバッフル板14の間には、2枚のバッフル板14同士を軸方向に連絡する仕切り板16がそれぞれ1枚設けられている。仕切り板16は芯部材11からシェル1内面に向かって半径方向に延び、これにより、芯部材11、シェル1および2枚のバッフル板14で囲まれた環状空間が仕切られている。
【0025】
バッフル板14の切り欠き17および仕切り板16の周方向の位置は、軸方向に順次ずれた位置にあり、これにより、伝熱管2の外側の環状空間をシェル側流体が軸方向に流れるときに、芯部材11の周りを回る旋回流が発生するようになっている。
【0026】
第2の実施の形態の変形例として、バッフル板14を傾斜することもできる(図示省略)。これによって、シェル側流体の流れ方向の変更角度が緩やかになるので、シェル側流体の流動圧力損失が低減される。
【0027】
[第3の実施の形態]
図6は、本発明に係る熱交換器の第3の実施の形態を示す。この実施の形態のシェル1、伝熱管2、管板3、入口ヘッダー4、出口ヘッダー5などの構造は第1の実施の形態と共通である。図5ではシェル1、管板3などの記載を省略している。
【0028】
図6で、この実施の形態では、シェル1内の伝熱管2の間に、熱交換器の長手方向に沿って、すなわち伝熱管2の方向に複数の長手方向バッフル板18が配置され、シェル側流体の流路が伝熱管2の方向に平行に複数に仕切られている。この長手方向バッフル板18で仕切られた各流路には複数の伝熱管2が配置されている。
【0029】
また、シェル側流体が長手方向バッフル板18で仕切られた流路に流入する部分に、伝熱管2を横切る方向に、横方向バッフル板19が配置されている。横方向バッフル板19には、伝熱管2が貫通する穴のほかに、長手方向バッフル板18で仕切られた流路に流入するシェル側流体を分配するための複数の貫通孔20が設けられている。
【0030】
この実施の形態によれば、横方向バッフル板19によって、長手方向バッフル板18で挟まれた長手方向の流路に一様にシェル側流体を並行流として流すことができるので、圧力損失が少なく均一な流れを生じることができる。
【0031】
[第4の実施の形態]
図7は、本発明に係る熱交換器の第4の実施の形態を示す。この実施の形態では、第3の実施の形態と同様に伝熱管2の方向に複数の長手方向バッフル板18が配置され、シェル側流体の流路が伝熱管2の方向に平行に複数に仕切られている。この実施の形態ではさらに、長手方向バッフル板18で挟まれた各流路にシェル側流体を供給する分配管21を設けている。
【0032】
この実施の形態によれば、分配管21によって長手方向バッフル板18で挟まれた長手方向の流路に一様にシェル側流体を並行流として流すことができるので、圧力損失が少なく均一な流れを生じることができる。
【0033】
[第5の実施の形態]
図8は、本発明に係る熱交換器の第5の実施の形態を示す。ただし、図8では、伝熱管2の図示を省略している。
この実施の形態は、図10および図11に示す従来技術のシェル・アンド・チューブ式熱交換器と類似し、伝熱管2に垂直な向きに、シェル側流体の流路を規制するバッフル板22が、熱交換器の長手方向に互いに間隔をおいて複数枚設置されている。各バッフル板22には、相対的に大きな切り欠き23と小さな切り欠き24が設けられていて、大きな切り欠き23と小さな切り欠き24の位置が、隣接するバッフル板22同士で上下逆になるように配置されている。
【0034】
この実施の形態によれば、従来の技術の同様に、大きな切り欠き23により蛇行するシェル側流体の主流を生じせしめる。さらに、小さな切り欠き24によって、従来技術で生じていた滞留部に、伝熱管2に沿った流れを生じせしめることができる。このため、シェル側流体の滞留部がなくなり、熱交換性能が向上する。
【0035】
[第6の実施の形態]
図9は、本発明に係る熱交換器の第6の実施の形態を示す。この実施の形態は第5の実施の形態の変形例であって、各バッフル板22には、第5の実施の形態と同様に、大きな切り欠き23と小さな切り欠き24が設けられている。この実施の形態では、バッフル板22が伝熱管2に垂直な方向に対して傾斜しており、相互に隣接するバッフル板22の傾斜方向が互いに異なるように配置している。これにより、大きな切り欠き23を通過するシェル側流体が、バッフル板22の傾斜に沿って、次のバッフル板22の大きな切り欠き23に向かって滑らかに導かれるように構成されている。
【0036】
この実施の形態によれば、第5の実施の形態の特徴に加えて、バッフル板が傾斜し交互に傾斜方向が異なる形態をしているので、シェル側流体の蛇行する流れの方向変更角度が緩やかになり、圧力損失を低減することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シェル・アンド・チューブ式の熱交換器において、シェル側流体の流れを均一に分布させることにより、チューブ全長に亘って一様に熱交換することができるので、熱交換性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱交換器の第1の実施の形態の全体立断面図。
【図2】図1のII−II線矢視立断面図。
【図3】図1のIII−III線矢視立断面図。
【図4】図1のバッフル板を製造する工程を示す図であって、(a)はリング切断工程終了後の単位部材を示す正面図、(b)はねじり工程におけるねじり単位部材の側面図、(c)は接合工程におけるバッフル板の側面図。
【図5】本発明に係る熱交換器の第2の実施の形態のバッフル板や仕切り板などの構成を示す部分斜視図。
【図6】本発明に係る熱交換器の第3の実施の形態のバッフル板などの構成を示す部分斜視図。
【図7】本発明に係る熱交換器の第4の実施の形態のバッフル板や分配管などの構成を示す部分斜視図。
【図8】本発明に係る熱交換器の第5の実施の形態のバッフル板などの構成を示す模式的部分立断面図。
【図9】本発明に係る熱交換器の第6の実施の形態のバッフル板などの構成を示す模式的部分立断面図。
【図10】従来の熱交換器の全体立断面図。
【図11】図10のバッフル板などを示す模式的部分拡大断面図。
【符号の説明】
1…シェル、2…伝熱管、3…管板、4…入口ヘッダー、5…出口ヘッダー、6…入口ポート、7…出口ポート、8…バッフル板、9…切り欠き、10…バッフル板、11…芯部材、14…バッフル板、16…仕切り板、17…切り欠き、18…バッフル板、19…バッフル板、20…貫通孔、21…分配管、22…バッフル板、23…切り欠き、24…切り欠き、30…リング状平板、32…伝熱管貫通孔、34…切断部、36…ねじり単位部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、シェル・アンド・チューブ式熱交換器とその製造方法に関し、特にシェル側の流動特性が優れた熱交換器とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱交換器は、化学工業、発電プラント、食品工業など様々な分野において重要な役割を果たしている。熱交換器は種々のタイプがあるが、シェル・アンド・チューブ式の熱交換器は最も一般的であり、ケトル式リボイラ、給水加熱器、蒸発器、換気空調器などとして幅広く利用されている。この熱交換器は、多管式の伝熱管束(チューブ)を円筒胴(シェル)に挿入した形式のもので、管板と胴との取り合い構造により、固定管板形、U字管形、遊動ヘッド形、バヨネット・チューブ形などに分類される。
【0003】
図10に、従来のシェル・アンド・チューブ式の熱交換器の概略図を示す(例えば特許文献1参照)。本図はU字管形を例に取ったものである。主に、円筒型のシェル1と伝熱管2によって構成される。伝熱管2はU字形に成形され、管の両端は管板3に固定されている。伝熱管2は複数で管群を成す。伝熱管2内の流体は入口ヘッダー4から管板3を介して各伝熱管2に分配されてU字部でUターンして出口ヘッダー5で合流する。
一方、シェル1にも流体の入口ポート6と出口ポート7が設けられており、シェル1内にはシェル側流体が流れて、伝熱管2を介して熱交換される。
【0004】
一般的にシェル1内には、バッフル板8が設けられている。バッフル板8は、シェル1の長手方向を分割し、伝熱管群を横切るようにして複数枚設置されている。このバッフル板8は、シェル側流体の流れを規定して伝熱管2との熱交換性能を高めるために設けられている。したがって、バッフル板8には図11に示すように、切り欠き9が設けられており、前後のバッフル板8の切り欠き9の位置は上下交互になるように配されている。これにより、シェル1内流体は概ね図11の矢印に示すように蛇行して流れる。なお、図11では、伝熱管2の図示を省略している。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−147406号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
シェル側流体の流れは、バッフル板8で規定されているとはいえ、実際には図11に示すような単純な流れではなく、伝熱管群に並行な流れ、直交する流れ、斜めに横断する流れ、局部的に流れが滞留する部分などが存在して複雑な流れをしている。このようなシェル内の非均一な流れは、熱交換器の性能を低下させる要因になっていた。
本発明は上記観点に鑑みてなされたもので、シェル側流体の流れを改善して熱交換性能を向上させた熱交換器と、その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的に沿うものであって、請求項1に記載の発明は、筒状のシェルと、このシェルの内部に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、前記シェルに取り付けられて前記シェル側流体が流入する入口ポートと、前記入口ポートからシェルの軸方向に離れた位置のシェルに取り付けられて前記シェル側流体が流出する出口ポートと、前記シェル内に配置されて前記シェル側流体が前記入口ポートから出口ポートまで前記シェル内を旋回して流れるように構成した螺旋状のバッフル板と、を有すること、を特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、筒状のシェルと、このシェルの内部に配置されシェルの軸中心付近で軸方向に延びるように配置される筒状の芯部材と、この芯部材の外側の前記シェル内に配置される螺旋状のバッフル板と、このバッフル板を貫通して前記シェル内に配置される複数の伝熱管とを有する熱交換器の製造方法であって、前記バッフル板の製造工程は、前記シェルの内側寸法と前記芯部材の外側寸法に対応した寸法で切り出したリング状平板を製造する平板製造工程と、前記リング状平板に前記伝熱管が貫通する貫通孔を加工する穴加工工程と、前記リング状平板の一箇所を半径方向に切断するリング切断工程と、前記平板製造工程、穴加工工程およびリング切断工程の後に、前記切断された切断端部を板厚方向に引き離しながら螺旋状になるようにねじるることによりねじり単位部材を作るねじり工程と、ねじり工程により作られたねじり単位部材を複数個直列に互いにつなぎ合わせる接合工程と、を有すること、を特徴とする。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、筒状のシェルと、このシェルの内部に配置されてシェルの軸方向に延びる複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、前記シェルの軸中心付近に配置されてシェルの軸方向に延びる筒状の芯部材と、この芯部材の外周から半径方向に延び、相互に軸方向に間隔をおいて配置され、それぞれに、周方向に偏った位置に切り欠きが設けられた複数のバッフル板と、隣接する前記バッフル板同士の間に軸方向に延びてこれらバッフル板と前記芯部材およびシェルによって囲まれた環状空間を軸方向に仕切る仕切り板と、を有し、前記切り欠きの周方向の位置が、隣接するバッフル板ごとにずれた位置にあり、前記シェル側流体が、軸方向に流れながら、前記バッフル板と仕切り板によって、螺旋状に導かれるように構成されていること、を特徴とする。
【0010】
また、請求項7に記載の発明は、シェルと、このシェルの内部に互いにほぼ平行に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、前記シェル側流体の流路を、少なくとも1本の前記伝熱管が内部に配置された複数の流路に仕切る長手方向バッフル板であって、前記シェル内でかつ前記伝熱管の外側に配置され、前記伝熱管の方向に延びる長手方向バッフル板と、前記長手方向バッフル板と交差し、前記伝熱管が貫通する横方向バッフル板と、を有し、前記横方向バッフル板には前記複数の流路それぞれにシェル側流体を分配する貫通孔が設けられていること、を特徴とする。
【0011】
また、請求項8に記載の発明は、シェルと、このシェルの内部に互いにほぼ平行に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、前記シェル側流体の流路を、少なくとも1本の前記伝熱管が内部に配置された複数の流路に仕切る長手方向バッフル板であって、前記シェル内でかつ前記伝熱管の外側に配置され、前記伝熱管の方向に延びる長手方向バッフル板と、前記複数の流路それぞれにシェル側流体を分配する分配管が前記シェル内に配置されていること、を特徴とする。
【0012】
また、請求項9に記載の発明は、シェルと、このシェルの内部に互いにほぼ平行に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、前記伝熱管の方向に交差する向きに、互いに伝熱管の方向に間隔をおいて配置された複数のバッフル板を有し、これらのバッフル板には第1の切り欠きと、この第1の切り欠きよりも小さな第2の切り欠きとが設けられ、前記第1の切り欠きの位置が、隣接するバッフル板の第1の切り欠きと対応しない位置であること、を特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に関る熱交換器およびその製造方法の実施の形態を説明する。なお、以下の各実施の形態において、従来技術と共通もしくは類似の部分には同一符号を付して、重複説明は省略する。
【0014】
[第1の実施の形態]
図1〜図4は、本発明に係る熱交換器およびその製造方法を示す。図1は、本発明の第1の実施の形態の熱交換器の概略縦断面図であり、図2および図3は伝熱管群を横切る横断面図を示す。このシェル・アンド・チューブ式熱交換器において、シェル1は、細長い円筒形の容器であって、その長手方向(軸方向)に延びる多数の伝熱管2を収容している。図示の伝熱管2はU字管タイプのものであって、シェル1内の一端部(図1では右端)近くでU字形に曲っている。
【0015】
伝熱管2の曲り部の反対側の端部付近のシェル1内には、入口ヘッダー4と出口ヘッダー5が形成されていて、入口ヘッダー4および出口ヘッダー5と伝熱管2の接続部には管板3が配置されている。伝熱管2の内側を流れる管側流体は、入口ヘッダー4から伝熱管2をへて出口ヘッダー5へ流れて、熱交換器外へ流出する。
【0016】
一方、シェル1の側壁の両端近くには入口ポート6と出口ポート7が配置されている。伝熱管2の外側を流れるシェル側流体は、入口ポート6から流入し、伝熱管2の壁を通じて管側流体と熱交換を行なった後に出口ポート7から流出するようになっている。
【0017】
シェル1の軸付近には軸方向に延びる円筒形の芯部材11が配置され、伝熱管2の直線部は芯部材11の外側の環状部に配置されている。また、この環状部には螺旋状に連なる1枚のバッフル板10が配置されている。バッフル板10には、伝熱管2が貫通する穴が設けられている。
【0018】
この実施の形態では、バッフル板10を螺旋状に構成したことにより、伝熱管2の伝熱有効範囲に亘って、シェル1内に螺旋状のシェル側流体流路が形成される。この場合、図10および図11に示す従来技術のような流路の縮小、拡大、蛇行などがなく、一様で均一な流れが形成されるので、熱交換性能が向上する。また、圧力損失も低減される。さらに、芯部材11を設けることによりその周りに沿った流体の螺旋状流れが促進されると共に、一様に流路断面積が小さくなるので流速が速くなり熱伝達率が向上して伝熱特性が良くなる。
【0019】
さらにこの実施の形態では、図2および図3に示すように、シェル1側流体の入口ポート6と出口ポート7を螺旋状バッフル板10のねじれの接線方向に設置している。これによりシェル側流体の流出入を流れ方向と合致させることができるので、流体エネルギー損失を低減することができる。
【0020】
次に、図4を参照してこの実施の形態の螺旋状のバッフル板10の製造工程を説明する。すなわち、初めに、図4(a)に示すように、シェル1の内側寸法と芯部材11の外側寸法に対応した寸法で切り出したリング状平板30を製作し、この状態で伝熱管貫通孔32を加工し、さらにリング状平板30の一箇所の切断部34で半径方向に切断して切り離す。
【0021】
次に図4(b)に示すように、リング状平板30の切断した切断部34を板厚方向に引き離しながらねじり加工を施してねじり単位部材36を作る。
次に図4(c)に示すように、図4(a)、(b)の工程をへて作ったねじり単位部材36を複数個、直列に並べるようにして、隣接するねじり単位部材36の切断部34同士を接合し、1枚の螺旋状のバッフル板を製作する。このようにして、螺旋状のバッフル板を容易に製作することが可能である。
【0022】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明に係る熱交換器の第2の実施の形態を示す。この実施の形態のシェル1、伝熱管2、芯部材11、管板3、入口ヘッダー4、出口ヘッダー5などの構造は第1の実施の形態と共通である。図5ではシェル1、伝熱管2などの記載を省略している。
【0023】
芯部材11の外側には、芯部材11とシェル1の間の環状空間を軸方向に仕切るように複数(図5には3枚示す)のバッフル板14が取り付けられている。バッフル板14はその中心に芯部材11が通る穴が設けられた円板状であって、外周の近くにそれぞれ1箇所の切り欠き17が設けられている。バッフル板14にはさらに、伝熱管2が貫通するための穴が多数設けられている(図5では図示を省略)。
【0024】
互いに隣接する2枚のバッフル板14の間には、2枚のバッフル板14同士を軸方向に連絡する仕切り板16がそれぞれ1枚設けられている。仕切り板16は芯部材11からシェル1内面に向かって半径方向に延び、これにより、芯部材11、シェル1および2枚のバッフル板14で囲まれた環状空間が仕切られている。
【0025】
バッフル板14の切り欠き17および仕切り板16の周方向の位置は、軸方向に順次ずれた位置にあり、これにより、伝熱管2の外側の環状空間をシェル側流体が軸方向に流れるときに、芯部材11の周りを回る旋回流が発生するようになっている。
【0026】
第2の実施の形態の変形例として、バッフル板14を傾斜することもできる(図示省略)。これによって、シェル側流体の流れ方向の変更角度が緩やかになるので、シェル側流体の流動圧力損失が低減される。
【0027】
[第3の実施の形態]
図6は、本発明に係る熱交換器の第3の実施の形態を示す。この実施の形態のシェル1、伝熱管2、管板3、入口ヘッダー4、出口ヘッダー5などの構造は第1の実施の形態と共通である。図5ではシェル1、管板3などの記載を省略している。
【0028】
図6で、この実施の形態では、シェル1内の伝熱管2の間に、熱交換器の長手方向に沿って、すなわち伝熱管2の方向に複数の長手方向バッフル板18が配置され、シェル側流体の流路が伝熱管2の方向に平行に複数に仕切られている。この長手方向バッフル板18で仕切られた各流路には複数の伝熱管2が配置されている。
【0029】
また、シェル側流体が長手方向バッフル板18で仕切られた流路に流入する部分に、伝熱管2を横切る方向に、横方向バッフル板19が配置されている。横方向バッフル板19には、伝熱管2が貫通する穴のほかに、長手方向バッフル板18で仕切られた流路に流入するシェル側流体を分配するための複数の貫通孔20が設けられている。
【0030】
この実施の形態によれば、横方向バッフル板19によって、長手方向バッフル板18で挟まれた長手方向の流路に一様にシェル側流体を並行流として流すことができるので、圧力損失が少なく均一な流れを生じることができる。
【0031】
[第4の実施の形態]
図7は、本発明に係る熱交換器の第4の実施の形態を示す。この実施の形態では、第3の実施の形態と同様に伝熱管2の方向に複数の長手方向バッフル板18が配置され、シェル側流体の流路が伝熱管2の方向に平行に複数に仕切られている。この実施の形態ではさらに、長手方向バッフル板18で挟まれた各流路にシェル側流体を供給する分配管21を設けている。
【0032】
この実施の形態によれば、分配管21によって長手方向バッフル板18で挟まれた長手方向の流路に一様にシェル側流体を並行流として流すことができるので、圧力損失が少なく均一な流れを生じることができる。
【0033】
[第5の実施の形態]
図8は、本発明に係る熱交換器の第5の実施の形態を示す。ただし、図8では、伝熱管2の図示を省略している。
この実施の形態は、図10および図11に示す従来技術のシェル・アンド・チューブ式熱交換器と類似し、伝熱管2に垂直な向きに、シェル側流体の流路を規制するバッフル板22が、熱交換器の長手方向に互いに間隔をおいて複数枚設置されている。各バッフル板22には、相対的に大きな切り欠き23と小さな切り欠き24が設けられていて、大きな切り欠き23と小さな切り欠き24の位置が、隣接するバッフル板22同士で上下逆になるように配置されている。
【0034】
この実施の形態によれば、従来の技術の同様に、大きな切り欠き23により蛇行するシェル側流体の主流を生じせしめる。さらに、小さな切り欠き24によって、従来技術で生じていた滞留部に、伝熱管2に沿った流れを生じせしめることができる。このため、シェル側流体の滞留部がなくなり、熱交換性能が向上する。
【0035】
[第6の実施の形態]
図9は、本発明に係る熱交換器の第6の実施の形態を示す。この実施の形態は第5の実施の形態の変形例であって、各バッフル板22には、第5の実施の形態と同様に、大きな切り欠き23と小さな切り欠き24が設けられている。この実施の形態では、バッフル板22が伝熱管2に垂直な方向に対して傾斜しており、相互に隣接するバッフル板22の傾斜方向が互いに異なるように配置している。これにより、大きな切り欠き23を通過するシェル側流体が、バッフル板22の傾斜に沿って、次のバッフル板22の大きな切り欠き23に向かって滑らかに導かれるように構成されている。
【0036】
この実施の形態によれば、第5の実施の形態の特徴に加えて、バッフル板が傾斜し交互に傾斜方向が異なる形態をしているので、シェル側流体の蛇行する流れの方向変更角度が緩やかになり、圧力損失を低減することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シェル・アンド・チューブ式の熱交換器において、シェル側流体の流れを均一に分布させることにより、チューブ全長に亘って一様に熱交換することができるので、熱交換性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱交換器の第1の実施の形態の全体立断面図。
【図2】図1のII−II線矢視立断面図。
【図3】図1のIII−III線矢視立断面図。
【図4】図1のバッフル板を製造する工程を示す図であって、(a)はリング切断工程終了後の単位部材を示す正面図、(b)はねじり工程におけるねじり単位部材の側面図、(c)は接合工程におけるバッフル板の側面図。
【図5】本発明に係る熱交換器の第2の実施の形態のバッフル板や仕切り板などの構成を示す部分斜視図。
【図6】本発明に係る熱交換器の第3の実施の形態のバッフル板などの構成を示す部分斜視図。
【図7】本発明に係る熱交換器の第4の実施の形態のバッフル板や分配管などの構成を示す部分斜視図。
【図8】本発明に係る熱交換器の第5の実施の形態のバッフル板などの構成を示す模式的部分立断面図。
【図9】本発明に係る熱交換器の第6の実施の形態のバッフル板などの構成を示す模式的部分立断面図。
【図10】従来の熱交換器の全体立断面図。
【図11】図10のバッフル板などを示す模式的部分拡大断面図。
【符号の説明】
1…シェル、2…伝熱管、3…管板、4…入口ヘッダー、5…出口ヘッダー、6…入口ポート、7…出口ポート、8…バッフル板、9…切り欠き、10…バッフル板、11…芯部材、14…バッフル板、16…仕切り板、17…切り欠き、18…バッフル板、19…バッフル板、20…貫通孔、21…分配管、22…バッフル板、23…切り欠き、24…切り欠き、30…リング状平板、32…伝熱管貫通孔、34…切断部、36…ねじり単位部材。
Claims (10)
- 筒状のシェルと、このシェルの内部に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、
前記シェルに取り付けられて前記シェル側流体が流入する入口ポートと、
前記入口ポートからシェルの軸方向に離れた位置のシェルに取り付けられて前記シェル側流体が流出する出口ポートと、
前記シェル内に配置されて前記シェル側流体が前記入口ポートから出口ポートまで前記シェル内を旋回して流れるように構成した螺旋状のバッフル板と、
を有すること、を特徴とする熱交換器。 - 請求項1に記載の熱交換器において、前記シェルの軸中心付近に軸方向に延びる芯部材が配置され、前記バッフル板がこの芯部材の外側に配置され、前記伝熱管が前記芯部材の外側で前記バッフル板を貫通するように配置されていること、を特徴とする熱交換器。
- 請求項1に記載の熱交換器において、前記入口ポートおよび出口ポートの少なくとも一方が、前記バッフル板による旋回流の向きに傾斜して配置されていること、を特徴とする熱交換器。
- 筒状のシェルと、このシェルの内部に配置されシェルの軸中心付近で軸方向に延びるように配置される筒状の芯部材と、この芯部材の外側の前記シェル内に配置される螺旋状のバッフル板と、このバッフル板を貫通して前記シェル内に配置される複数の伝熱管とを有する熱交換器の製造方法であって、
前記バッフル板の製造工程は、
前記シェルの内側寸法と前記芯部材の外側寸法に対応した寸法で切り出したリング状平板を製造する平板製造工程と、
前記リング状平板に前記伝熱管が貫通する貫通孔を加工する穴加工工程と、
前記リング状平板の一箇所を半径方向に切断するリング切断工程と、
前記平板製造工程、穴加工工程およびリング切断工程の後に、前記切断された切断端部を板厚方向に引き離しながら螺旋状になるようにねじるることによりねじり単位部材を作るねじり工程と、
ねじり工程により作られたねじり単位部材を複数個直列に互いにつなぎ合わせる接合工程と、
を有すること、を特徴とする熱交換器の製造方法。 - 筒状のシェルと、このシェルの内部に配置されてシェルの軸方向に延びる複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、
前記シェルの軸中心付近に配置されてシェルの軸方向に延びる筒状の芯部材と、
この芯部材の外周から半径方向に延び、相互に軸方向に間隔をおいて配置され、それぞれに、周方向に偏った位置に切り欠きが設けられた複数のバッフル板と、
隣接する前記バッフル板同士の間に軸方向に延びてこれらバッフル板と前記芯部材およびシェルによって囲まれた環状空間を軸方向に仕切る仕切り板と、
を有し、
前記切り欠きの周方向の位置が、隣接するバッフル板ごとにずれた位置にあり、前記シェル側流体が、軸方向に流れながら、前記バッフル板と仕切り板によって、螺旋状に導かれるように構成されていること、
を特徴とする熱交換器。 - 請求項5に記載の熱交換器において、前記バッフル板が前記伝熱管に垂直な方向に対して傾斜していること、を特徴とする熱交換器。
- シェルと、このシェルの内部に互いにほぼ平行に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、
前記シェル側流体の流路を、少なくとも1本の前記伝熱管が内部に配置された複数の流路に仕切る長手方向バッフル板であって、前記シェル内でかつ前記伝熱管の外側に配置され、前記伝熱管の方向に延びる長手方向バッフル板と、
前記長手方向バッフル板と交差し、前記伝熱管が貫通する横方向バッフル板と、
を有し、
前記横方向バッフル板には前記複数の流路それぞれにシェル側流体を分配する貫通孔が設けられていること、
を特徴とする熱交換器。 - シェルと、このシェルの内部に互いにほぼ平行に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、
前記シェル側流体の流路を、少なくとも1本の前記伝熱管が内部に配置された複数の流路に仕切る長手方向バッフル板であって、前記シェル内でかつ前記伝熱管の外側に配置され、前記伝熱管の方向に延びる長手方向バッフル板と、
前記複数の流路それぞれにシェル側流体を分配する分配管が前記シェル内に配置されていること、
を特徴とする熱交換器。 - シェルと、このシェルの内部に互いにほぼ平行に配置された複数の伝熱管とを有し、前記伝熱管の内側を流れる管側流体と前記伝熱管の外側でシェルの内側を流れるシェル側流体との間で熱交換を行なう熱交換器において、
前記伝熱管の方向に交差する向きに、互いに伝熱管の方向に間隔をおいて配置された複数のバッフル板を有し、
これらのバッフル板には第1の切り欠きと、この第1の切り欠きよりも小さな第2の切り欠きとが設けられ、前記第1の切り欠きの位置が、隣接するバッフル板の第1の切り欠きと対応しない位置であること、
を特徴とする熱交換器。 - 請求項9に記載の熱交換器において、前記バッフル板は、前記伝熱管に垂直な方向に対して傾斜して配置されており、しかも、その傾斜の向きが、隣接するバッフル板の傾斜の向きと逆であること、を特徴とする熱交換器。
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