JP7461166B2 - 熱交換コア、熱交換器及び熱交換コアの製造方法 - Google Patents

熱交換コア、熱交換器及び熱交換コアの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、熱交換コア、熱交換器及び熱交換コアの製造方法に関する。
例えば、円筒状のケーシングの内側に流路群が形成されている円筒型熱交換器が知られている。一般的に円筒型熱交換器では、第1流体と第2流体との間で熱交換を行うために、第1流体又は第2流体の何れか一方の流体を円筒状のケーシングの軸方向端部から流入及び流出させ、他方の流体を該ケーシングの側部から径方向に沿って流入及び流出させるように構成されている(例えば特許文献1参照)。
特表2018-519490号公報
上述したような円筒型熱交換器では、径方向に沿ってケーシング内に流入した流体の流れを軸方向に転向させ、ケーシング内を軸方向に沿って流れた流体の流れを径方向に転向させている。そのため、ケーシング内を流れる流体の流量が周方向や径方向の位置によって差が生じるおそれがあり、このような流量の差に起因して熱交換効率が低下するおそれがある。このような流量の差を抑制するためには、流体の流れの向きを転向させるための空間をある程度確保することが望ましい。そのため、比較的高い熱交換効率を確保しつつ円筒型熱交換器を小型化し難かった。
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、比較的高い熱交換効率を確保しつつ小型化できる熱交換コアを提供することを目的とする。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換コアは、
軸方向に沿って延在する複数の軸方向流路を含むコア本体部と、
前記コア本体部の前記軸方向における少なくとも一方の端部に隣接し、前記複数の軸方向流路と連通するヘッダ流路を有するヘッダ部と、を備え、
前記ヘッダ流路は、
径方向に沿って延在する少なくとも一本の径方向流路と、
何れかの前記径方向流路から分岐して1以上の前記軸方向流路にそれぞれ連通する複数本の周方向流路と、
を含み、
前記複数本の周方向流路は、
第1周方向流路と、
前記第1周方向流路よりも径方向内側に位置し、前記第1周方向流路よりも大きい総角度範囲に亘って周方向に配置された第2周方向流路と、
を含む。
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換器は、
上記(1)構成の熱交換コアと、
前記熱交換コアを収容するケーシングと、
を備える。
(3)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換コアの製造方法は、
熱交換コアの製造方法であって、
積層造型によって、軸方向に沿って延在する複数の軸方向流路を含むコア本体部を形成する工程と、
積層造型によって、前記コア本体部の前記軸方向における少なくとも一方の端部に隣接し、前記複数の軸方向流路と連通するヘッダ流路を有するヘッダ部を形成する工程と、を備え、
前記ヘッダ部を形成する工程は、
径方向に沿って延在する少なくとも一本の径方向流路と、
何れかの前記径方向流路から分岐して1以上の前記軸方向流路にそれぞれ連通する複数本の周方向流路と、
を含むように前記ヘッダ流路を形成し、
前記ヘッダ部を形成する工程は、
第1周方向流路と、
前記第1周方向流路よりも径方向内側に位置し、前記第1周方向流路よりも大きい総角度範囲に亘って周方向に配置された第2周方向流路と、
を含むように前記複数本の周方向流路を形成する。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、比較的高い熱交換効率を確保しつつ熱交換コアを小型化できる。
幾つかの実施形態に係る熱交換器に備わる熱交換コアおよびケーシングを示す分解斜視図である。 図1に示す熱交換器のケーシングと、ケーシングに収容された熱交換コアとを示す一部断面図である。 図2のIIIa-IIIa線断面図であり(熱交換コアの第1横断面)、第1流路群および第2流路群を示している。 図3Aの部分拡大図である。本図以外において、区分壁(W2)の図示が省略されている。 図2のIV-IV線断面図である。(熱交換コアの第2横断面) 図2および図6のV-V線断面図である。(熱交換コアの第3横断面) 第1流体および第2流体のそれぞれの流れを示す模式図である。 本開示の変形例に係る熱交換コアの一部を示す断面図である。 一実施形態に係る径方向流路及び周方向流路を説明するための模式的な図である。 他の実施形態に係る径方向流路及び周方向流路を説明するための模式的な図である。 総角度範囲について説明するための模式的な図である。 幾つかの実施形態に係る熱交換コアの製造方法における処理手順を示したフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(熱交換器の概略構成)
図1及び図2に示すように、幾つかの実施形態に係る熱交換器1は、熱交換コア10と、熱交換コア10を収容するケーシング20とを備えている。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1は、例えば、ガスタービン、CO回収装置等の化学プラント、あるいは空気調和機や冷凍庫等の図示しない装置に組み込むことができ、例えば第1流体と第2流体とを熱交換させる。例えば第1流体の温度は相対的に高く、第2流体の温度は相対的に低い。これとは逆に、第1流体の温度が相対的に低く、第2流体の温度が相対的に高くてもよい。
(熱交換コアの構成)
幾つかの実施形態に係る熱交換コア10は、コア本体部13と、コア本体部13の軸方向における一方及び他方の端部に隣接するヘッダ部11A、11Bとを備える。説明の便宜上、コア本体部13の軸方向における一方の端部に隣接するヘッダ部11Aを第1ヘッダ部11Aとも称し、該軸方向における他方の端部に隣接するヘッダ部11Bを第2ヘッダ部11Bとも称する。
図3は、図2のIIIa-IIIa線断面図である。幾つかの実施形態に係るコア本体部13は、後述するように、軸方向に沿って延在する複数の軸方向流路3である複数の第1流路101の一部、及び、複数の第2流路102を含む。
幾つかの実施形態に係るヘッダ部11A、11Bのそれぞれは、後で詳述するように、複数の軸方向流路3と連通するヘッダ流路6を有する(図6参照)。
幾つかの実施形態に係る熱交換コア10は、図1、及び図3Aに示すように、全体として同心円状に配置された第1流路群G1及び第2流路群G2を備えている。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1は、図3Aに示す第1横断面C1、図4に示す第2横断面C2、及び図5に示す第3横断面C3を含んでいる。これらの横断面C1~C3はいずれも、円形状を呈している。熱交換コア10の全体の外形は、円柱状に形成されている。熱交換コア10は、同心円状に配置されて第1流路群G1と第2流路群G2とを隔てる隔壁(第1隔壁)W1と、熱交換コア10の最外周に配置される側壁W0とを含んでいる。
熱交換コア10は、外形のみならず、全体的に、横断面C1~C3の中心、すなわち、円柱形状を有する熱交換コア10の中心軸(軸線AX)に対して対称の形状が与えられていることにより、応力の均一化に加えて、熱交換効率の均一化にも寄与することができる。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第1流路群G1は、第1流体に対応し、第2流路群G2は、第2流体に対応している。各図において、第1流路群G1には網掛けパターンを付している。
幾つかの実施形態に係る第2流路群G2は、熱交換コア10の軸方向D1の一端部10A(図1)から他端部10B(図1)までに亘り延びている。軸方向D1は、横断面C1~C3に対して直交している。すなわち、幾つかの実施形態では、複数の第2流路102は、軸方向流路3に含まれる。
各図には、第1流体の流れを実線の矢印で示し、第2流体の流れを破線の矢印で示している。
幾つかの実施形態では、第1流路群G1を構成する第1流路101は、図3Aに示す第1横断面C1において円環状に配置されている。第2流路群Gを構成する第2流路102も同様である。幾つかの実施形態では、第1流路群G1を流れる第1流体と、第2流路群G2を流れる第2流体とは、図3Aに太線で示す第1隔壁W1を介して間接的に接触することで熱を授受する。
図3Aに示すように、複数の第1流路101と複数の第2流路102とが、熱交換コア10の径方向において、例えば数十層に亘り、交互に積層されていることが好ましい。
第1流路101及び第2流路102は、熱交換コア10の径方向の全体に亘り、つまり、熱交換コア10の軸心近傍、すなわち軸線AXの近傍まで配置されていることが好ましい。図3A、図3B、図4、及び図5では、一部の第1流路101及び一部の第2流路102のみが示されている。「・・・」で示した領域における残りの第1流路101及び第2流路102の図示は省略されている。
本実施形態のように、熱交換コア10の径方向の全体に亘り第1流路101及び第2流路102が配置されることにより、熱交換コア10の全体を熱交換に寄与させることができる。
幾つかの実施形態では、熱交換コア10は、図2に示すIV-IV線とIVx-IVx線との間の範囲に亘り、第1横断面C1(図3A)に相当する一定の断面形状であってよい。当該範囲、つまり、熱交換コア10の一端部10Aの近傍から他端部10Bの近傍までの範囲に亘り、本実施形態では、第1流体と第2流体がそれぞれ、軸方向D1に沿って、逆向きに流れる。つまり、両端部を除いて熱交換コア10の軸方向D1の略全体に亘り、第1流体及び第2流体が対向流(完全向流)をなしている。
第1流体及び第2流体が、同じ向きに軸方向D1に沿って流れていてもよい。その場合、第1流体及び第2流体は並行流をなしている。
幾つかの実施形態に係る熱交換コア10には、必要な熱交換能力や応力等を考慮して軸方向D1及び径方向の適切な寸法、流路断面積、流路101,102の積層数等が与えられている。
図3Bに示すように、各第1流路101及び各第2流路102は、熱交換コア10の円周方向D2において区分壁W2により複数の区画Sに区分されていることが好ましい。区分壁W2の設置によれば、流体の圧力に対する特に径方向の剛性及び強度を向上させることができる。
また、第1流路101及び第2流路102がそれぞれ、区分壁W2により区画Sに細分化されることにより、流体と接触する流路の表面積が増大するため、伝熱効率を向上させることができる。
区画Sは、等しい流路径にて、熱交換コア10の全周に亘り配列されていることが好ましい。さらに、熱交換コア10の最外周から軸心までに亘る全区画Sに、等しい流路径が与えられることが好ましい。そうすると、摩擦損失等の流動状態が全区画Sにおいて均一化される結果、全区画Sについて熱伝達率を均一化することができ、かつ、熱交換コア10に作用する応力が熱交換コア10の横断面の面内方向の全体に均一に分散されることで、応力の均一化を図ることができる。
本明細書における「流路径」は、次式(1)により与えられる等価直径Dに相当する。
D=4A/L ・・・(1)
A:区画Sの断面積
L:円周方向D2における区画Sの長さ(周長)
熱伝達率は流路径の逆数に相当するから、これに基づいて適切な流路径を区画Sに与えることが好ましい。
幾つかの実施形態に係る熱交換コア10は、流体に適した特性を備えた、例えば、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属材料を用いて、積層造形等により、区分壁W2を含めて一体に成形することができる。積層造形によれば、例えば、装置における成形領域への金属粉体の供給、三次元形状の断面を示す二次元データに基づくレーザービームや電子ビームの照射、金属粉体の溶融、及び金属粉体の凝固が繰り返されることで、二次元形状が積層された成形物を得ることができる。
幾つかの実施形態では、金属材料を用いた積層造形により得られた熱交換コア10における壁W1等の厚みは、例えば、0.3~3mmである。
幾つかの実施形態に係る熱交換コア10は、金属材料を用いる積層造形により、第1流路群G1及び第2流路群G2を成形するステップを行うことを経て、製造される。積層造形による成形ステップにより得られた成形物に対して、必要に応じて、研磨等を施すことができる。幾つかの実施形態に係る熱交換コア10の製造方法については、後で詳述する。
なお、幾つかの実施形態に係る熱交換コア10は、積層造形に限らず、切削等により一体に成形することもできる。
幾つかの実施形態に係る熱交換コア10は、金属板材の曲げ加工により形成された複数の第1隔壁W1を組み合わせて構成することもできるが、一体に成形されることが好ましい。熱交換コア10が一体に形成されていると、部材間からの流体の漏れを防ぐガスケットが、熱交換コア10には必要ない。
ガスケットを用いる場合は、部材間を確実に封止するため、適切な弾性変形量をガスケットに与える必要がある。そうすると、流体の漏れを防ぐため、熱交換コアの部材を分解してガスケットを部材間に締め直すといった整備を行う必要がある。ガスケットの公差や組み付け公差、流体の圧力変化やガスケットの経時変化等による変形量の変化、あるいは熱応力等によるガスケットの損傷等が起こり得るため、特にガスケットに関して整備の必要性が高い。
それに対して、幾つかの実施形態に係る一体成形の熱交換コア10によれば、ガスケットを備えていないことで、整備の手間を大幅に低減することができる。
(ケーシング及びヘッダ)
幾つかの実施形態に係るケーシング20は、図1及び図2に示すように、全体として略円筒状に形成されている。ケーシング20は、流体に適した特性を備えた、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム合金等を用いて形成されている。
幾つかの実施形態に係るケーシング20は、熱交換コア10の外径に対応した内径を有し、円形状の横断面を呈するケーシング本体21と、ケーシング本体21に対して径が拡大されている大径部22とを備えている。大径部22は、軸方向D1におけるケーシング本体21の両端に設けられている。これらの大径部22は、第1入口ヘッダ221及び第1出口ヘッダ222として機能する。
これらのヘッダ221,222はそれぞれ、熱交換コア10の側壁W0の周りに、連通空間としての円環状の内部空間221A,222A(図2)を有している。
幾つかの実施形態では、第1入口ヘッダ221には、外部から第1流体が流入する入口ポート22Aが設けられている。幾つかの実施形態では、第1出口ヘッダ222には、外部へと第1流体が流出する出口ポート22Bが設けられている。
幾つかの実施形態では、入口ポート22Aは、1箇所に限らず、円周方向D2における複数箇所に設けられていてもよい。例えば、2つの入口ポート22Aが、第2横断面C2の中心に対して点対称に配置されていてもよい。出口ポート22Bに関しても同様である。
幾つかの実施形態では、ヘッダ221,222のそれぞれの内部空間221A,222Aには、円周方向D2に対して交差する方向の流路断面積が十分に確保されているため、内部空間221A,222Aにおける第1流体の抵抗が、後述する複数の径方向流路61における第1流体の抵抗に対して小さい。そのため、第1入口ヘッダ221から第1流体が径方向流路61に均等に流入し易くなり、第1流体が径方向流路61を通じて第1出口ヘッダ222へと流出する際に該径方向流路61毎の流量のばらつきが抑制される。
幾つかの実施形態では、軸方向D1におけるケーシング20の一端部10Aには、第2入口ヘッダ31が設けられている。軸方向D1におけるケーシング20の他端部10Bには、第2出口ヘッダ32が設けられている。
幾つかの実施形態では、第2入口ヘッダ31のフランジ31Aと、ケーシング20のフランジ231との間は、図示しない円環状のシール部材により封止されている。第2出口ヘッダ32のフランジ32Aと、ケーシング20のフランジ232との間も同様である。
幾つかの実施形態では、第1流路群G1は、第1入口ヘッダ221の内部及び第1出口ヘッダ222の内部に接続されている。
幾つかの実施形態では、第2流路群G2は、第2入口ヘッダ31の内部及び第2出口ヘッダ32の内部に接続されている。第2流路102のそれぞれの始端は、第2入口ヘッダ31の内部で開口している。第2流路102のそれぞれの終端は、第2出口ヘッダ32の内部で開口している。
第1流体及び第2流体がそれぞれ熱交換コア10に流入、流出する方向は、流入及び流出の経路の取り回しや、第1流体及び第2流体のそれぞれのヘッダの干渉等を考慮の上、適宜に定めることができる。
例えば、上述の説明内容とは逆に、第1流体を第2流路群G2に流通させ、第2流体を第1流路群Gに流通させてもよい。
(略円形状、略円環状、略同心円状の定義)
幾つかの実施形態において、ケーシング20の横断面は、必ずしも厳密に円形状である必要はなく、概ね円形状とみなせる「略円形状」であってもよい。なお、「円形状」は、真円に対して公差が許容される。
「略円形状」には、例えば、頂点の多い多角形状(例えば10~20角形)や、n回転対称の形状であって、例えばnが10~20であるもの等が含まれる。その他、円周方向D2のおおよそ全体に亘り円弧が連続しており、円周上の一部において凹凸が存在する形状も、「略円形状」に含まれるものとする。
上記と同様に、幾つかの実施形態に係る熱交換コア10の横断面C1~C3も、厳密に円形状である必要はなく、「略円形状」であってもよい。その場合、第1横断面C1において、第1流路101及び第2流路102は、概ね円環状とみなせる「略円環状」に形成されていれば足り、同様に、第1流路群G1及び第2流路群G2は、概ね同心円状とみなせる略同心円状に配置されていれば足りる。「略円環状」は、上述した略円形状の意味に準じるものとする。
ところで、伝熱面積を増大させるため、図7に示すように、第1隔壁W1に、第1隔壁W1から第1流路101及び第2流路102の少なくとも一方に向けて立ち上がる複数の突起103が設けられていてもよい。なお、突起103は、後述する径方向流路61から第1流路101へと圧力損失を抑えて第1流体をスムーズに流入させ、また、第1流路101から径方向流路61へとスムーズに流出させる観点から、第1流路101の軸方向D1の両端部を避けて第1隔壁W1に設けることが好ましい。
突起103を備えた熱交換コア10は、積層造形のプロセスにより、一体に形成することができる。
径の相違する複数の円形の形状が同心に配置された「同心円状」については、各円形の中心の一致(同心)に対して公差が許容される。つまり、「略同心円状」には、円形の形状が略同心に配置された形態が含まれる。同心円を構成する各円形の要素については、上述した略円形状の意味に準じるものとする。複数の多角形状の中心を一致させて、あるいは、多角形状と回転対称形状との中心を一致させて、「略同心円状」に配置することができる。
ケーシング20や熱交換コア10の横断面が円形状であり、かつ、第1流路101及び第2流路102の横断面が円環状であり、かつ、第1流路群G1及び第2流路群G2が同心円状に配置される場合は、応力及び伝熱面積、流動状態の均一化の観点から、最も好ましい。
但し、ケーシング20や熱交換コア10の横断面が略円形状であったり、第1横断面C1において第1流路101及び第2流路102が略円環状であったり、第1流路群G1及び第2流路群G2が全体として略同心円状に配置されていたりする場合も、本実施形態による後述の効果と同等の効果を得ることができる。
(第2横断面に関する説明)
以下、幾つかの実施形態に係る第2横断面C2及び第2横断面C2に表れる径方向流路61及び周方向流路66の概略について説明する。なお、幾つかの実施形態に係る径方向流路61及び周方向流路66の詳細については、別途説明する。
図2のIV-IV線断面に対応する図4に示すように、熱交換コア10には、第1流路群G1及び第2流路群G2を横断し、第1流路群G1のみと連通した径方向流路61が形成されている。径方向流路61は、図4に示す第2横断面C2において、熱交換コア10の径方向に延び、図2に示すように第1入口ヘッダ221の内部空間221Aと連通している。径方向流路61は、図1及び図2に示すように、側壁W0を厚さ方向に貫通している。
幾つかの実施形態では、複数の第1流路101は、熱交換コア10内で軸方向に延在して、軸方向の一方側及び他方側の径方向流路61と連通している。幾つかの実施形態では、軸方向流路3には、複数の第1流路101のうち、コア本体部13に配置された第1流路101が含まれるものとする。また、幾つかの実施形態では、後述するように、複数の第1流路101のうち、ヘッダ部11A、11Bに配置された第1流路101を周方向流路66とも称する。幾つかの実施形態では、周方向流路66は、径方向に沿って第2流路102と交互に層状に配置されている。なお、幾つかの実施形態に係る周方向流路66の詳細については、別途説明する。
図2のIVx-IVx線断面図は省略されているが、図4と同様である。図2のIVx-IVx線に対応する横断面も、第2横断面C2に相当する。IVx-IVx線に対応する横断面のことを第2横断面C2xと称するものとする。第2横断面C2xに位置している径方向流路61は、第1出口ヘッダ222の内部空間222Aと連通している。
幾つかの実施形態では、第2横断面C2及び第2横断面C2xのそれぞれにおいて、径方向流路61は、少なくとも一本設けられている。なお、第2横断面C2及び第2横断面C2xのそれぞれにおいて、複数(例えば図4に示した実施形態では8つ)の径方向流路61が円周方向D2に分布しているとよい。複数の径方向流路61が円周方向D2に分布していることにより、円周方向D2において熱交換コア10の剛性及び強度の均一化を図ることができるとともに、円周方向D2における第1流体の流れの状態の均一化にも寄与できる。
径方向流路61の数が多いほど、各径方向流路61を流れる第1流体の流量が均一化され易い。そうすると、円周方向D2の全体に亘り均等に流れる第1流体と、第2流体との間で十分に熱の授受が行われる。これを考慮すると、第2横断面C2,C2xのそれぞれにおいて、4以上の径方向流路61が分布していることが好ましい。但し、第2横断面C2,C2xのそれぞれにおいて、径方向流路61の数が3以下(1個を含む)であっても許容される。
幾つかの実施形態では、各径方向流路61を流れる第1流体の流量の均一化に寄与するため、複数の径方向流路61は、円周方向D2に等間隔で分布していることが好ましい。つまり、熱交換コア10は、第2横断面C2,C2xにおいても、横断面の中心に対して対称に形成されることが好ましい。
さらには、幾つかの実施形態では、径方向流路61のそれぞれの流路断面積が等しいことが好ましい。そうすると、第1流体及び第2流体が軸方向D1に沿って対向流で流れる区間の長さを第1流路101及び第2流路102の円周方向D2において均一に確保することができる。なお、径方向流路61のそれぞれにおける流路断面積の公差は許容される。
各径方向流路61の横断面の形状、及び側壁W0における開口の形状は、図1及び図2に示す例では矩形状であるが、円形等の適宜な形状であってよい。側壁W0には、径方向流路61の開口が、円周方向D2に分布している。
加えて、上記と同じく、各径方向流路61を流れる第1流体の流量の均一化に寄与するため、入口ポート22Aと、径方向流路61とのそれぞれの位相が互いにシフトしている、つまり、入口ポート22Aと、径方向流路61とが円周方向D2において互いに異なる位置に配置されていることが好ましい。入口ポート22Aの位相と径方向流路61の位相がシフトしていると、シフトしていない場合(円周方向D2において同じ位置にある)と比べて、径方向流路61をそれぞれ流れる第1流体の流量に偏りが発生することをより確実に防ぐことができる。
幾つかの実施形態では、各径方向流路61は、第2流路102の領域に位置する管状の横断壁W3の集合を含んでいる。径方向流路61は、横断壁W3により、第2流路群G2に対して隔てられている。横断壁W3は、熱交換コア10の径方向に隣接する第1隔壁W1,W1間に、第1隔壁W1と一体に設けられている。横断壁W3のそれぞれの軸線は、同一直線上に位置している。各第1流路101と、横断壁W3の内側とが連通している。
熱交換コア10の外周側に位置する第1流路101から、熱交換コア10の軸心近傍に位置する図示しない第1流路までの全ての第1流路101は、熱交換コア10の軸心近傍から放射状に延びている複数の径方向流路61を通じて第1入口ヘッダ221及び第1出口ヘッダ222のそれぞれの内部空間221A,222Aと連通し、さらに、熱交換コア10の外部とも連通している。
(第3横断面の説明)
図2及び図6のV-V線断面に対応する図5は、軸方向D1において第2横断面C2よりも外側に位置する第3横断面C3を示している。
幾つかの実施形態では、上述の径方向流路61に連通する第1流路群G1には、図6に示すように、軸方向D1における第2横断面C2よりも外側に位置する閉塞壁W4が設けられている。第1流路群G1を流れる第1流体は、軸方向D1に対して交差した閉塞壁W4を軸方向D1に超えては流れない。閉塞壁W4は、隣接する第1隔壁W1,W1間を塞いでいる。
幾つかの実施形態では、閉塞壁W4により、第3横断面C3(図5)において第1流路群G1は閉塞されている。そのため、第3横断面C3には第2流路群G2のみが存在している。図5に格子状のパターンで示す領域には、閉塞壁W4が存在するため、第1流路群G1が存在していない。
第2流路群G2は、熱交換コア10の端部において、第2入口ヘッダ31及び第2出口ヘッダ32にそれぞれ開放されている。
図2のVx-Vx線断面図は省略されているが、図5と同様である。幾つかの実施形態では、図2のVx-Vx線に対応する横断面は、軸方向D1において第2横断面C2xよりも外側に位置する第3横断面C3xに相当する。Vx-Vx線に対応する横断面のことを第3横断面C3xと称するものとする。
幾つかの実施形態では、図6に示すように、閉塞壁W4により、第3横断面C3xにおいて第1流路群G1は閉塞されている。そのため、第3横断面C3xには第2流路群G2のみが存在している。
(第1流体及び第2流体の流れ)
図2、図4、及び図6を参照し、熱交換コア10における第1流体及び第2流体のそれぞれの流れを説明する。図6は、熱交換コア10の縦断面の一部を示している。
幾つかの実施形態では、図6に破線の矢印で示すように、図示しない入口ポートを通じて第2入口ヘッダ31の内部に流入した第2流体は、第2流路群G2の第2流路102のそれぞれの始端に流入する。このとき、第2流路群G2が第3横断面C3の中心、すなわち軸線AXに対して対称に形成されているため、第2流路102のそれぞれに、円周方向D2の全体に亘り第2流体が均一に流入し、第2流路102を軸方向D1に流れる。第2流体は第2流路102の終端から第2出口ヘッダ32の内部へと流出し、さらに図示しない出口ポートを通じて熱交換器1の外部へと流出する。
幾つかの実施形態では、図6に実線の矢印で示すように、入口ポート22Aから第1入口ヘッダ221の内部に流入した第1流体は、側壁W0に開口した径方向流路61を通じて第1入口ヘッダ221から第1流路群G1へと、円周方向D2に亘り均等に流入する。
このとき、入口ポート22Aに近い一部の径方向流路61に偏ることなく、第1入口ヘッダ221から複数の径方向流路61のそれぞれに第1流体が分配され、各径方向流路61において、第1流体は、熱交換コア10の径方向の内側に向けて、図6に二点鎖線で示す横断壁W3の内側を通り、各第1流路101へと分配される。
その後、径方向流路61が位置する第2横断面C2における熱交換コア10の対称性に基づいて、第1流路101を軸方向D1に流れる第1流体の流量が円周方向D2の全体に亘り均等に維持される。そのため、第2流路102を流れる第2流体と、第1流路101を流れる第1流体との間で、流路101,102を流れる間に亘り温度差を大きく確保し易い対向流の下、第2横断面C2が連続している範囲の全体に亘り、十分に熱を授受させることができる。
第1流路101のそれぞれを軸方向D1に流れる第1流体は、第1流路101の終端部に至ると、流れの向きを軸方向D1から径方向に転向し、熱交換コア10の軸心から放射状に配置されている径方向流路61のそれぞれにおいて、横断壁W3の内側を通り、合流しつつ、熱交換コア10の径方向の外側に向けて径方向流路61を流れる。そして、径方向流路61から第1出口ヘッダ222の内部へと流出した第1流体が、出口ポート22Bから熱交換器1の外部へと流出する。
(実施形態の熱交換器による主な効果)
以上で説明した幾つかの実施形態に係る熱交換器1によれば、ケーシング20が軸心に対して対称な形状であるばかりでなく、第1流路群G1及び第2流路群G2が対称で同心円状に積層されてなる熱交換コア10の構成に基づいて、流体の圧力等により作用する応力を熱交換コア10の全体に均一に分散させつつ、第1流体と第2流体との伝熱面積を大きく確保しながら、第1流体及び第2流体が均等に流れる熱交換コア10の全体に亘り効率よく熱交換を行うことができる。
以上より、熱交換コア10の破損を未然に防いで信頼性を向上させることができるとともに、同一の熱交換能力をより小型の熱交換コア10により得ることができる。
(径方向流路及び周方向流路の詳細について)
以下、幾つかの実施形態に係る径方向流路及び周方向流路の詳細について説明する。
図8Aは、一実施形態に係る径方向流路及び周方向流路を説明するための模式的な図であり、第2横断面C2を表す図である。
図8Bは、他の実施形態に係る径方向流路及び周方向流路を説明するための模式的な図であり、第2横断面C2を表す図である。
図9は、総角度範囲について説明するための模式的な図であり、第2横断面C2の一部を表す図に相当する。なお、図9では、図8Bに示した他の実施形態における第2横断面C2の一部を拡大して示している。
幾つかの実施形態に係る熱交換コア10では、第1ヘッダ部11Aと第2ヘッダ部11Bとで同様の構造を有しているので、以下の説明では、第1ヘッダ部11Aと第2ヘッダ部11Bとを区別せずに、符号にアルファベットのA、Bを付さずに、単にヘッダ部11と称して説明を行う。
図8A及び図8Bに示すように、幾つかの実施形態に係るヘッダ部11において、ヘッダ流路6は、径方向に沿って延在する少なくとも一本の径方向流路61を含む。幾つかの実施形態に係るヘッダ部11において、ヘッダ流路6は、何れかの径方向流路61から分岐して1以上の軸方向流路3にそれぞれ連通する複数本の周方向流路66を含む。なお、幾つかの実施形態に係る周方向流路66は、複数の第1流路101のうち、ヘッダ部11において周方向及び軸方向延在する第1流路101である。
ヘッダ流路6に少なくとも一本の径方向流路61と、何れかの径方向流路61から分岐して1以上の軸方向流路3にそれぞれ連通する複数本の周方向流路66とを含めることで、ヘッダ部11を比較的小型化できる。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、ヘッダ流路6は、径方向流路61内を径方向に沿って流入した第1流体を周方向流路66において周方向に流通させつつ流れの向きを軸方向にも転向させてコア本体部13に配置されている第1流路101のそれぞれに分配する。また、幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、コア本体部13内を軸方向に沿って流れた第1流体の流れを周方向流路66及び径方向流路61を流通させる過程で径方向に転向させている。そのため、コア本体部13内を流れる第1流体の流量が周方向や径方向の位置によって差が生じるおそれがあり、このような流量の差に起因して熱交換効率が低下するおそれがある。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、ヘッダ部11の容積拡大を抑制しつつ、第1流体の流量の差を抑制するために、以下で説明するような構成を有している。以下、ヘッダ部11の容積拡大を抑制しつつ、第1流体の流量の差を抑制するための構成を順次説明する。
例えば図9によく示すように、幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、周方向流路66は、開口端であり径方向流路に接続される一方端66aから閉止端である他方端66bまで延在する。
以下の説明では、周方向流路66において一方端66aから他方端66bまでの周方向に沿った長さを流路長Lcと呼ぶ。
また、以下の説明では、径方向に沿って層状に配置された周方向流路66における各層のそれぞれをセグメント流路66sとも称する。
以下の説明では、周方向流路66を一方端66aから他方端66bまで辿ったときの、径方向の中心位置(軸線AX)を中心とする角度範囲の総和を総角度範囲θtと呼ぶ。すなわち、総角度範囲θtは、周方向流路66における一方端66aから他方端66bまで辿ったときに、径方向の中心位置(軸線AX)を中心としたときの角度の変化量の積算値である。総角度範囲θtは、後述するように1本の周方向流路66に含まれる個々のセグメント流路66sが延在している角度範囲の和である。
図9に表れている最外周の周方向流路66-1は、図9に表れている最外層のセグメント流路66sによって構成されている。したがって、該周方向流路66-1における総角度範囲θtは、図9に表れている最外層のセグメント流路66sの角度範囲θ1となる。
例えば、図9に表れている最外周の周方向流路66-1に対して径方向内側で隣り合った周方向流路66-2は、図9に表れている最外層のセグメント流路66sから数えて2層目のセグメント流路66sと3層目のセグメント流路66sとによって構成されている。すなわち、該周方向流路66-2では、2層目のセグメント流路66sは、一方端66aとは反対側の端部において、3層目のセグメント流路66sの端部と径方向に沿って接続されている。該周方向流路66-2は、2層目のセグメント流路66sと3層目のセグメント流路66sとによって1本の周方向流路66として構成されている。
したがって、該周方向流路66-2における総角度範囲θtは、2層目のセグメント流路66sの角度範囲θ2と3層目のセグメント流路66sの角度範囲θ3との和となる。
また、図9に示した例では、図9に表れている最外層のセグメント流路66sから数えて4層目のセグメント流路66sと5層目のセグメント流路66sと6層目のセグメント流路66sとによって1本の周方向流路66-3が構成されている。すなわち、該周方向流路66-3では、4層目のセグメント流路66sは、一方端66aとは反対側の端部において、5層目のセグメント流路66sの端部と径方向に沿って接続されている。該周方向流路66-3では、5層目のセグメント流路66sは、一方端66aと同じ側の端部において、6層目のセグメント流路66sの端部と径方向に沿って接続されている。
したがって、該周方向流路66-3における総角度範囲θtは、4層目のセグメント流路66sの角度範囲θ4と、5層目のセグメント流路66sの角度範囲θ5と、6層目のセグメント流路66sの角度範囲θ6との和となる。
径方向で隣り合うセグメント流路66s同士の接続部分を折り返し部66fと称する。また、1本の周方向流路66における折り返し部66fの数を折り返し数と称する。
折り返し部66fを有する周方向流路66については、後で詳述する。
なお、図9に表れている最外周の周方向流路66では、折り返し部66fが存在しないので、折返し数は0である。
ここで、第1周方向流路661と称する周方向流路66と、第1周方向流路661よりも径方向内側に位置する周方向流路66であって第2周方向流路662と称する周方向流路66とについて考える。
説明の便宜上、第1周方向流路661についての周方向に沿った流路長Lcを第1流路長L1と称し、第2周方向流路662についての周方向に沿った流路長Lcを第2流路長L2と称する。
例えば、図9に表れた範囲で言えば、最外周の周方向流路66-1と、他の周方向流路66-2、66-3との関係では、最外周の周方向流路66-1は第1周方向流路661に該当し、他の周方向流路66-2、66-3は第2周方向流路662に該当する。
また、例えば、図9に表れた範囲において径方向で最も内側の周方向流路66-3と、他の周方向流路66-1、66-2との関係では、径方向で最も内側の周方向流路66-3は第2周方向流路662に該当し、他の周方向流路66-1、66-2は第1周方向流路661に該当する。
なお、図9に表れた範囲における最外周の周方向流路66-1の径方向外側に存在する不図示の周方向流路を含めると、該不図示の周方向流路及び最外周の周方向流路66-1と、他の周方向流路66-2、66-3との関係では、該不図示の周方向流路及び最外周の周方向流路66-1は第1周方向流路661に該当し、他の周方向流路66-2、66-3は第2周方向流路662に該当する。
以上、図9を参照して第1周方向流路661と第2周方向流路662とについて説明したが、図8Bに示した他の実施形態だけはなく、図8Aに示した一実施形態に係る各周方向流路66についても同様である。
同じ総角度範囲θtであっても径方向の位置の違いから、第1周方向流路661における第1流路長L1と第2周方向流路662における第2流路長L2とでは、第1流路長L1の方が長くなるので、流路幅(径方向の幅)が同じであれば、第2周方向流路662よりも第1周方向流路661の方が圧損が大きくなって第1流体が流れにくくなる。
そこで、幾つかの実施形態に係る熱交換コア10では、複数の周方向流路66における等長性を確保して、軸方向流路3における流量偏差を抑制するようにしている。すなわち、幾つかの実施形態に係る熱交換コア10では、複数の周方向流路66のそれぞれにおける流路長Lcの偏差を抑制することで、周方向流路66から軸方向流路3に流入する、及び、軸方向流路3から周方向流路66に流入する第1流体の流量が周方向流路66によってばらつかないようにしている。
具体的には、幾つかの実施形態に係る熱交換コア10では、後述するように、第1周方向流路661と、第1周方向流路661よりも径方向内側に位置し、第1周方向流路661よりも大きい総角度範囲θtに亘って周方向に配置された第2周方向流路662とを含むように複数本の周方向流路66を構成している。
すなわち、幾つかの実施形態に係る熱交換コア10では、後述するように、第1周方向流路661の総角度範囲θtが第2周方向流路662の総角度範囲θtよりも小さくなるようにしている。
これにより、第1周方向流路661と第2周方向流路662とで総角度範囲θtが同じである場合と比べて、第1流路長L1と第2流路長L2との差を抑制できる。そのため、第2周方向流路662よりも第1周方向流路661の方が圧損が大きくなることを抑制して、第1周方向流路661と第2周方向流路662とにおける流速の差を抑制できる。したがって、第1周方向流路661に連なる軸方向流路3における第1流体の流量と第2周方向流路662に連なる軸方向流路3における第1流体の流量との差を抑制して、熱交換コア10における熱交換効率を向上できる。
(一実施形態に係るヘッダ部における径方向流路について)
以下、図8Aに示す一実施形態に係るヘッダ部11における径方向流路61について主に説明する。なお、周方向流路66についての内容であっても、説明の便宜上、径方向流路61との関係で説明した方がよい内容については、周方向流路66についても説明する。
図8Aに示す一実施形態に係るヘッダ部11では、径方向の長さが異なる複数の径方向流路61が周方向に間隔を空けて配置されている。より具体的には、図8Aに示す一実施形態に係るヘッダ部11には、側壁W0から径方向内側の端部までの距離が異なる複数種類の径方向流路61が形成されている。図8Aに示す一実施形態に係る径方向流路61は、径方向長さが一番短い第1種径方向流路611と、径方向長さが2番目に短い第2種径方向流路612と、径方向長さが3番目に短い第3種径方向流路613と、径方向長さが4番目に短い(径方向長さが一番長い)第4種径方向流路614とを含んでいる。
なお、図8Aに示す一実施形態に係るヘッダ部11では、周方向流路66には折り返し部66fは設けられていない。
一実施形態に係る径方向流路61は、何れの種類の径方向流路611、612、613、614であっても、径方向流路61における径方向外側の端部は側壁W0の外周面に位置する。
なお、一実施形態に係る径方向流路61は、図8Aに示した例に限定されず、径方向長さが異なる少なくとも2種類の径方向流路61を含んでいればよい。また、一実施形態に係る径方向流路61は、図8Aに示した例に限定されず、径方向長さが異なる5種類の径方向流路61を含んでいてもよい。
このように、図8Aに示す一実施形態に係るヘッダ部11では、径方向内側の端部の径方向位置が異なる複数の径方向流路61によって段違い径方向流路群が形成されている。
本明細書では、径方向長さが異なる長さが異なる2種類の径方向流路61について説明する場合、該2種類の径方向流路61のうち、径方向長さが短い方の種類の径方向流路61を第1径方向流路601とも称し、径方向長さが長い方の種類の径方向流路61を第2径方向流路602とも称する。
例えば、径方向長さが一番短い第1種径方向流路611と、径方向長さが2番目に短い第2種径方向流路612とについて説明する場合、第1種径方向流路611が第1径方向流路601に該当し、2番目に短い第2種径方向流路612が第2径方向流路602に該当する。
同様に、例えば、径方向長さが2番目に短い第2種径方向流路612と、径方向長さが4番目に短い第4種径方向流路614とについて説明する場合、第2種径方向流路612が第1径方向流路601に該当し、第4種径方向流路614が第2径方向流路602に該当する。
なお、径方向長さが一番短い第1種径方向流路611は、他の何れの種類の径方向流路612、613、614と比較する場合であっても、第1径方向流路601に該当する。また、径方向長さが4番目に短い(径方向長さが一番長い)第4種径方向流路614は、他の何れの種類の径方向流路611、612、613と比較する場合であっても、第2径方向流路602に該当する。径方向長さが2番目に短い第2種径方向流路612及び径方向長さが3番目に短い第3種径方向流路613は、比較対象となる径方向流路61の種類によって、第1径方向流路601に該当する場合もあれば、第2径方向流路602に該当する場合もある。
図8Aに示す一実施形態に係るヘッダ部11では、各径方向流路61は、自身に対して周方向の一方側と他方側とにおいて隣接する周方向流路66の全て又は一部と連通している。
例えば、一実施形態に係る第1種径方向流路611は、自身に対して周方向の一方側と他方側とにおいて隣接する周方向流路66の全てと連通している。第1種径方向流路611と連通する周方向流路66を第1種周方向流路671と称する。
例えば、一実施形態に係る第2種径方向流路612は、第1種径方向流路611が占める径方向範囲よりも径方向内側の範囲に限り、自身に対して周方向の一方側と他方側とにおいて隣接する周方向流路66の全てと連通している。すなわち、一実施形態に係る第2種径方向流路612は、第1種径方向流路611が占める径方向範囲において自身に対して周方向で隣接する周方向流路66とは連通していない。第2種径方向流路612と連通する周方向流路66を第2種周方向流路672と称する。
例えば、一実施形態に係る第3種径方向流路613は、第2種径方向流路612が占める径方向範囲よりも径方向内側の範囲に限り、自身に対して周方向の一方側と他方側とにおいて隣接する周方向流路66の全てと連通している。すなわち、一実施形態に係る第3種径方向流路613は、第2種径方向流路612が占める径方向範囲において自身に対して周方向で隣接する周方向流路66とは連通していない。第3種径方向流路613と連通する周方向流路66を第3種周方向流路673と称する。
例えば、一実施形態に係る第4種径方向流路614は、第3種径方向流路613が占める径方向範囲よりも径方向内側の範囲に限り、自身に対して周方向の一方側と他方側とにおいて隣接する周方向流路66の全てと連通している。すなわち、一実施形態に係る第4種径方向流路614は、第3種径方向流路613が占める径方向範囲において自身に対して周方向で隣接する周方向流路66とは連通していない。第4種径方向流路614と連通する周方向流路66を第4種周方向流路674と称する。
図8Aに示す一実施形態に係るヘッダ部11では、入口ポート22Aから第1入口ヘッダ221の内部に流入した第1流体は、矢印a1で示すように、第1種径方向流路611から第1種周方向流路671へと流通し、第1種周方向流路671において一方端66aから他方端66bまで周方向に沿って流通しながら軸方向に沿って軸方向流路3に向かって流通する。
同様に、入口ポート22Aから第1入口ヘッダ221の内部に流入した第1流体は、矢印a2で示すように、第2種径方向流路612から第2種周方向流路672へと流通し、第2種周方向流路672において一方端66aから他方端66bまで周方向に沿って流通しながら軸方向に沿って軸方向流路3に向かって流通する。
入口ポート22Aから第1入口ヘッダ221の内部に流入した第1流体は、矢印a3で示すように、第3種径方向流路613から第3種周方向流路673へと流通し、第3種周方向流路673において一方端66aから他方端66bまで周方向に沿って流通しながら軸方向に沿って軸方向流路3に向かって流通する。
入口ポート22Aから第1入口ヘッダ221の内部に流入した第1流体は、矢印a4で示すように、第4種径方向流路614から第4種周方向流路674へと流通し、第4種周方向流路674において一方端66aから他方端66bまで周方向に沿って流通しながら軸方向に沿って軸方向流路3に向かって流通する。
例えば、図8Aに示す一実施形態では、第1種周方向流路671と、他の種類の周方向流路672、673、674との関係では、第1種周方向流路671は第1周方向流路661に該当し、他の種類の周方向流路672、673、674は第2周方向流路662に該当する。
また、例えば、図8Aに示す一実施形態では、第1種周方向流路671及び第2種周方向流路672と、第3種周方向流路673及び第4種周方向流路674との関係では、第1種周方向流路671及び第2種周方向流路672は第1周方向流路661に該当し、第3種周方向流路673及び第4種周方向流路674は第2周方向流路662に該当する。
例えば、図8Aに示す一実施形態では、第4種周方向流路674と、他の種類の周方向流路671、672、673との関係では、第4種周方向流路674は第2周方向流路662に該当し、他の種類の周方向流路671、672、673は第1周方向流路661に該当する。
すなわち、図8Aに示す一実施形態では、径方向流路61は、第1径方向流路601と、第2径方向流路602とを含む。第1径方向流路601は、第1周方向流路661に連通している。第2径方向流路602は、第1径方向流路601が占める径方向範囲と、該径方向範囲よりも径方向内側の範囲とに亘って設けられ、第2周方向流路662に連通している。
また、図8Aに示す一実施形態では、第1径方向流路601は、第2周方向流路662と連通しておらず、第2径方向流路602は、第1周方向流路661と連通していない。
図8Aにおいて、各径方向流路61の周方向における配置位置の説明の便宜上、軸線AXを中心とする角度を以下のように規定する。
図8Aに示す一実施形態では、例えば、径方向長さが4番目に短い(径方向長さが一番長い)第4種径方向流路614が2本設けられていて、軸線AXを挟んで互いに180度ずれた位置に配置されているものとする。そして、2本の第4種径方向流路614の一方が90度の角度位置に配置され、他方が270度の角度位置に配置されているものとする。
また、図8Aにおける図示上方を90度の角度位置とし、図示下方を270度の角度位置とし、図示右方を0度の角度位置とし、図示左方を180度の角度位置とする。
図8Aに示す一実施形態では、0度及び180度の角度位置に隔壁(第2隔壁)W5が形成されている。第2隔壁W5は、0度及び180度の角度位置において、第2隔壁W5を挟んで周方向の一方側と他方側とに周方向流路66を隔てている。
なお、図示はしていないが、第2隔壁W5は、さらに、第2隔壁W5を挟んで周方向の一方側と他方側とに第2流路102を隔てるように形成されていてもよい。
図8Aに示す一実施形態では、第2隔壁W5を挟んだ一方側の領域である、角度範囲が0度から180度までの領域を、上半領域Ruとも称し、第2隔壁W5を挟んだ他方側の領域である、角度範囲が180度から360度までの領域を、下半領域Rdとも称する。
図8Aに示す一実施形態では、上半領域Ruと下半領域Rdとが、第2隔壁W5を挟んで対称となるように形成されていてもよい。
図8Aに示す一実施形態では、上半領域Ru及び下半領域Rdのそれぞれにおいて、第4種径方向流路614を除く他の種類の径方向流路61は、径方向流路61の種類毎に前記周方向に沿って均等ピッチで複数本配置されている。また、図8Aに示す一実施形態では、周方向で隣り合う任意の2つの径方向流路61同士の周方向に沿った配置ピッチがそれぞれ等しい。
なお、図8Aに示す一実施形態では、上述したように、2本の第4種径方向流路614の一方が90度の角度位置に配置され、他方が270度の角度位置に配置されているので、周方向に沿って均等ピッチで2本配置されている。
すなわち、図8Aに示す一実施形態では、第1径方向流路601は、2本以上が周方向に沿って均等ピッチで配置されている。第2径方向流路602は、2本以上が周方向に沿って均等ピッチで配置されている。
これにより、第1径方向流路601の配置が不均等ピッチである場合と比べて、接続されている第1径方向流路601によって周方向流路66の流路の長さに差が生じることを抑制でき、周方向流路66において流路毎に流量がばらつくことを抑制できる。同様に、第2径方向流路602の配置が不均等ピッチである場合と比べて、接続されている第2径方向流路602によって周方向流路66の流路の長さに差が生じることを抑制でき、周方向流路66において流路毎に流量がばらつくことを抑制できる。これにより、熱交換効率の低下を抑制できる。
また、均等ピッチに配置することで径方向流路61を効率的に配置でき、径方向流路61の数を抑制できる。これにより、軸方向から見たときのヘッダ部11の断面(第2横断面C2)において径方向流路61が占める領域の割合を抑止して周方向流路66が占める領域の割合を増やすことができる。
図8Aに示す一実施形態では、径方向長さが短いものほど配置本数が多い。具体的には、図8Aに示す一実施形態では、第1種径方向流路611は16本配置され、第2種径方向流路612は8本配置され、第3種径方向流路613は4本配置され、第4種径方向流路614は2本配置されている。したがって、図8Aに示す一実施形態では、径方向長さが短いものほど径方向流路61の周方向に沿った配置ピッチが小さい。
すなわち、図8Aに示す一実施形態では、第1径方向流路601の数は、第2径方向流路602の数よりも多い。
これにより、第1径方向流路601の数が第2径方向流路602の数よりも少ない場合と比べて、周方向で隣り合う2つの第1径方向流路601が周方向に沿って離間する距離を小さくすることができるので、第1周方向流路661の第1流路長L1を抑制できる。これにより、第1周方向流路661の第1流路長L1と第2周方向流路662の第2流路長L2との差を抑制できるので、第2周方向流路662と第1周方向流路661との圧損の差を抑制して、第1周方向流路661と第2周方向流路662とにおける流速の差を抑制できる。
(一実施形態に係るヘッダ部における周方向流路について)
以下、図8Aに示す一実施形態に係るヘッダ11部における周方向流路66について、上述の説明において触れられていない点を主に説明する。
図8Aに示す一実施形態に係るヘッダ11部では、周方向流路66のそれぞれは、上述したように、開口端である一方端66aにおいて何れかの径方向流路61に接続されている。図8Aに示す一実施形態に係る周方向流路66のそれぞれは、他方端66bにおいて該径方向流路61とは異なる他の径方向流路61における横断壁W3によって該他の径方向流路61と隔てられているか、該周方向流路66と周方向で隣接する他の周方向流路66と第2隔壁W5によって隔てられている。
図8Aに示す一実施形態では、例えば、径方向長さが一番短い第1種径方向流路611と、径方向長さが2番目に短い第2種径方向流路612とに着目すると、上述したように、第1種径方向流路611が第1径方向流路601に該当し、2番目に短い第2種径方向流路612が第2径方向流路602に該当する。この場合、第1種径方向流路611と連通する第1種周方向流路671と、第2種径方向流路612と連通する第2種周方向流路672とに着目すると、第1種周方向流路671が第1周方向流路661に該当し、第2種周方向流路672が第2周方向流路662に該当する。
同様に、例えば、径方向長さが2番目に短い第2種径方向流路612と、径方向長さが4番目に短い第4種径方向流路614とに着目すると、上述したように、第2種径方向流路612が第1径方向流路601に該当し、第4種径方向流路614が第2径方向流路602に該当する。この場合、第2種径方向流路612と連通する第2種周方向流路672と、第4種径方向流路614と連通する第4種周方向流路674とに着目すると、第2種周方向流路672が第1周方向流路661に該当し、第4種周方向流路674が第2周方向流路662に該当する。
図8Aに示す一実施形態では、例えば、周方向で隣り合う第1種径方向流路611と第2種径方向流路612とについて着目した場合、第2種径方向流路612と連通する第2種周方向流路672の総角度範囲θt2は、第1種径方向流路611と連通する第1種周方向流路671の総角度範囲θt1よりも大きい。
図8Aに示す一実施形態では、例えば、周方向で隣り合う第2種径方向流路612と第3種径方向流路613とについて着目した場合、第3種径方向流路613と連通する第3種周方向流路673の総角度範囲θt3は、第2種径方向流路612と連通する第2種周方向流路672の総角度範囲θt2よりも大きい。
図8Aに示す一実施形態では、例えば、周方向で隣り合う第3種径方向流路613と第4種径方向流路614とについて着目した場合、第4種径方向流路614と連通する第4種周方向流路674の総角度範囲θt4は、第3種径方向流路613と連通する第3種周方向流路673の総角度範囲θt3よりも大きい。
すなわち、図8Aに示す一実施形態では、第2周方向流路662の総角度範囲θtは、第1周方向流路661の総角度範囲θtよりも大きい。
図8Aに示す一実施形態では、例えば、第2種周方向流路672は、周方向において、第1種径方向流路611を通過して、第2種径方向流路612から第1種径方向流路611を挟んで反対側まで延びている。
同様に、図8Aに示す一実施形態では、例えば、第3種周方向流路673は、周方向において、第2種径方向流路612を通過して、第3種径方向流路613から第2種径方向流路612を挟んで反対側まで延びている。
図8Aに示す一実施形態では、例えば、第4種周方向流路674は、周方向において、第3種径方向流路613を通過して、第4種径方向流路614から第3種径方向流路613を挟んで反対側まで延びている。
すなわち、図8Aに示す一実施形態では、第2周方向流路662は、周方向において、第1径方向流路601を通過して、第2径方向流路602から第1径方向流路601を挟んで反対側まで延びている。
これにより、第1周方向流路661及び第2周方向流路662の形状を複雑化することなく、第1周方向流路661よりも第2周方向流路662の総角度範囲θtを大きくすることができ、第1周方向流路661と第2周方向流路662との流速の差を抑制できる。
図8Aに示す一実施形態では、上述したように、第1径方向流路601は、第2周方向流路662と連通しておらず、第2径方向流路602は、第1周方向流路661と連通していない。
これにより、第1径方向流路601から第1周方向流路661へ第1流体が流れる場合、第1径方向流路601からの第1流体の全てを第1周方向流路661に供給できるので、第1周方向流路661への第1流体の供給量が不足することを抑制でき、熱交換効率の低下を抑制できる。
同様に、第2径方向流路602から第2周方向流路662へ第1流体が流れる場合、第2径方向流路602からの流体の全てを第2周方向流路662に供給できるので、第2周方向流路662への第1流体の供給量が不足することを抑制でき、熱交換効率の低下を抑制できる。
また、第1周方向流路661から第1径方向流路601へ第1流体が流れる場合、第2周方向流路662からの第1流体が第1径方向流路601へ流入しないので、第1径方向流路601を流れる第1流体の流量が第2周方向流路662からの第1流体によって増えることを防止できる。これにより、第1径方向流路601における圧損の上昇を抑制でき、第1周方向流路661における流量低下を抑制して熱交換効率の低下を抑制できる。
同様に、第2周方向流路662から第2径方向流路602へ第1流体が流れる場合、第1周方向流路661からの第1流体が第2径方向流路602へ流入しないので、第2径方向流路602を流れる第1流体の流量が第1周方向流路661からの流体によって増えることを防止できる。これにより、第2径方向流路602における圧損の上昇を抑制でき、第2周方向流路662における流量低下を抑制して熱交換効率の低下を抑制できる。
図8Aに示す一実施形態では、上述したように、径方向流路61は、該径方向流路61に対して周方向の一方側及び他方側にそれぞれ位置する周方向流路66と接続されている。
これにより、径方向流路61が該径方向流路61に対して周方向の一方側又は他方側の何れか一方に位置する周方向流路66とだけ接続されている場合と比べて、径方向流路61の数を抑制できる。これにより、軸方向から見たときのヘッダ部11の断面において径方向流路61が占める領域の割合を抑止して周方向流路66が占める領域の割合を増やすことができる。
なお、図8Aに示す一実施形態では、径方向流路61の本数や、径方向長さのバリエーション数、各種類毎の径方向の長さ、配置パターンによって周方向流路66の流路長Lcを調節できるので、出来るだけ流路長Lcの差が小さくなるようにすることが望ましい。
(他の実施形態に係るヘッダ部における径方向流路について)
以下、図9も参照しつつ、図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11における径方向流路61について主に説明する。
図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、径方向の長さが等しい複数の径方向流路61が周方向に間隔を空けて配置されている。より具体的には、図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11には、側壁W0から径方向内側の端部までの距離が等しい同じ種類の径方向流路61が周方向に均等ピッチで4本形成されている。
このように、複数の径方向流路61が周方向に均等ピッチで配置されることで、径方向流路61の配置が不均等ピッチである場合と比べて、接続されている径方向流路61によって周方向流路66の流路長Lcに差が生じることを抑制でき、周方向流路66において流路毎に流量がばらつくことを抑制できる。
また、均等ピッチに配置することで径方向流路61を効率的に配置でき、径方向流路61の数を抑制できる。これにより、軸方向から見たときのヘッダ部11の断面(第2横断面C2)において径方向流路61が占める領域の割合を抑止して周方向流路66が占める領域の割合を増やすことができる。
他の実施形態に係る径方向流路61は、何れも径方向流路61における径方向外側の端部は側壁W0の外周面に位置する。
他の実施形態に係る径方向流路61は、周方向の一方側と他方側とで隣接する周方向流路66とは、該周方向流路66の一方端66aにおいて連通している。すなわち、図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、第1周方向流路661と第2周方向流路662とが、同一の径方向流路61に連通している。
これにより、第1周方向流路661と第2周方向流路662とが異なる径方向流路61に接続されている場合と比べて、径方向流路61の数を抑制できる。これにより、軸方向から見たときのヘッダ部11の断面(第2横断面C2)において径方向流路61が占める領域の割合を抑止して周方向流路66が占める領域の割合を増やすことができる。
図8Bにおいて、各径方向流路61の周方向における配置位置の説明の便宜上、軸線AXを中心とする角度を以下のように規定する。
図8Bに示す他の実施形態では、例えば、4本の径方向流路61が90度毎に配置されている。4本の径方向流路61は、0度の角度位置、90度の角度位置、180度の角度位置、及び270度の角度位置に配置されているものとする。
また、図8Bにおける図示上方を90度の角度位置とし、図示下方を270度の角度位置とし、図示右方を0度の角度位置とし、図示左方を180度の角度位置とする。
図8Bに示す他の実施形態では、45度、135度、225度、及び315度の角度位置に隔壁(第2隔壁)W5が形成されている。図8Bに示す他の実施形態では、第2隔壁W5は、上記角度位置において、第2隔壁W5を挟んで周方向の一方側と他方側とに周方向流路66を隔てている。
なお、図示はしていないが、第2隔壁W5は、さらに、第2隔壁W5を挟んで周方向の一方側と他方側とに第2流路102を隔てるように形成されていてもよい。
図8Bに示す他の実施形態では、角度範囲が0度から180度までの領域を、上半領域Ruとも称し、角度範囲が180度から360度までの領域を、下半領域Rdとも称する。
図8Bに示す一実施形態では、上半領域Ruと下半領域Rdとが、0度及び180度の角度位置に配置された径方向流路61を挟んで対称となるように形成されていてもよい。また、図8Bに示す一実施形態では、90度及び270度の角度位置に配置された径方向流路61を挟んで対称となるように形成されていてもよい。
(他の実施形態に係るヘッダ部における周方向流路について)
図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、周方向流路66のそれぞれは、上述したように、開口端である一方端66aにおいて何れかの径方向流路61に接続されている(図9参照)。図8Bに示す他の実施形態に係る周方向流路66のそれぞれは、他方端66bにおいて該径方向流路61における横断壁W3によって該径方向流路61と隔てられているか、該周方向流路66と周方向で隣接する他の周方向流路66と第2隔壁W5によって隔てられている。
図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、径方向に沿って複数本配置された複数の周方向流路66のうち、少なくとも径方向において最も外側の周方向流路66は、上述した折り返し部66fを有さない。例えば、図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、径方向外側から径方向に沿って順に、1番目から3番目までの周方向流路66は、上述した折り返し部66fを有さない。
図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11において、複数のセグメント流路66sについて、径方向外側から径方向に沿って順に、第1セグメント流路66s-1、第2セグメント流路66s-2、第3セグメント流路66s-3、第4セグメント流路66s-4、第5セグメント流路66s-5、第6セグメント流路66s-6、第7セグメント流路66s-7、及び第8セグメント流路66s-8と称する。
図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、第1セグメント流路66s-1、第2セグメント流路66s-2、及び第3セグメント流路66s-3のそれぞれが個別に1本の周方向流路66を構成する。これら1本の周方向流路66のそれぞれにおける折り返し数は0である。
また、図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、第4セグメント流路66s-4と第5セグメント流路66s-5とが折り返し部66fで接続されており、第4セグメント流路66s-4と第5セグメント流路66s-5とによって1本の周方向流路66が構成されている。該1本の周方向流路66における折り返し数は1である。
図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、第6セグメント流路66s-6と第7セグメント流路66s-7とが折り返し部66fで接続されており、第7セグメント流路66s-7と第8セグメント流路66s-8とが折り返し部66fで接続されている。そして、第6セグメント流路66s-6と第7セグメント流路66s-7と第8セグメント流路66s-8とによって1本の周方向流路66が構成されている。該1本の周方向流路66における折り返し数は2である。
図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、入口ポート22Aから第1入口ヘッダ221の内部に流入した第1流体は、矢印bで示すように、各径方向流路61から周方向流路66へと流通する。
第1セグメント流路66s-1によって構成された周方向流路66、第2セグメント流路66s-2によって構成された周方向流路66、及び第3セグメント流路66s-3によって構成された周方向流路66では、第1流体は、一方端66aから他方端66bまで周方向に沿って流通しながら軸方向に沿って軸方向流路3に向かって流通する。
第4セグメント流路66s-4と第5セグメント流路66s-5とによって構成された周方向流路66では、第1流体は、第4セグメント流路66s-4に配置された一方端66aから第5セグメント流路66s-5に配置された他方端66bまで周方向及び径方向に沿って蛇行して流通しながら軸方向に沿って軸方向流路3に向かって流通する。
第6セグメント流路66s-6と第7セグメント流路66s-7と第8セグメント流路66s-8とによって構成された周方向流路66では、第1流体は、第6セグメント流路66s-6に配置された一方端66aから第8セグメント流路66s-8に配置された他方端66bまで周方向及び径方向に沿って蛇行して流通しながら軸方向に沿って軸方向流路3に向かって流通する。
図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、径方向内側の周方向流路66ほど、押し返し数が多くなるように構成されている。すなわち、図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、第2周方向流路662は、第1周方向流路661よりも折り返し数が多い。
第1周方向流路661より第2周方向流路662における折り返し数を多くすることで、第2周方向流路662における総角度範囲θtを大きくして第2流路長L2を確保できる。これにより、第1周方向流路661と第2周方向流路662との流速の差を抑制できる。
なお、図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11において、折り返し数は、図8Bの例に限定されず、3以上であってもよい。
図8Bに示す他の実施形態に係るヘッダ部11では、周方向で隣り合う2本の径方向流路61の間には、該2本の径方向流路61の一方から分岐した複数本の周方向流路66と、該2本の径方向流路61の他方から分岐した複数本の周方向流路66とを、周方向に隔てる隔壁である第2隔壁W5が形成されている。
これにより、一方の径方向流路61に接続された周方向流路66が配置される周方向の範囲と、他方の径方向流路61に接続された周方向流路66が配置される周方向の範囲とを第2隔壁W5によって規定できる。
上述した幾つかの実施形態に係る熱交換コア10を備えた熱交換器1では、熱交換器1を比較的小型化できるとともに、熱交換効率を向上できる。
(熱交換コアの製造方法について)
以下、上述した幾つかの実施形態に係る熱交換コア10の製造方法の一例について説明する。
図10は、上述した幾つかの実施形態に係る熱交換コア10の製造方法における処理手順を示したフローチャートである。
上述した幾つかの実施形態に係る熱交換コア10の製造方法は、積層造型によって、軸方向に沿って延在する複数の軸方向流路3を含むコア本体部13を形成するコア本体部形成工程S1と、積層造型によって、コア本体部13の軸方向における少なくとも一方の端部に隣接し、複数の軸方向流路3と連通するヘッダ流路6を有するヘッダ部11を形成するヘッダ部形成工程S3と、を備える。
ヘッダ部形成工程S3は、径方向に沿って延在する少なくとも一本の径方向流路61と、何れかの径方向流路61から分岐して1以上の軸方向流路3にそれぞれ連通する複数本の周方向流路66と、を含むようにヘッダ流路6を形成する。
また、ヘッダ部形成工程S3は、第1周方向流路661と、第1周方向流路661よりも径方向内側に位置し、第1周方向流路661よりも大きい総角度範囲θtに亘って周方向に配置された第2周方向流路662と、を含むように複数本の周方向流路66を形成する。
これにより、積層造形によって熱交換コア10を一体に形成することが可能となるので、部材の組付けや、部材間をガスケットにより封止することが必要ない。そのため、整備の手間を大幅に低減することができる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換コア10は、コア本体部13と、ヘッダ部11とを備える。コア本体部13は、軸方向に沿って延在する複数の軸方向流路3を含む。ヘッダ部11は、コア本体部13の軸方向における少なくとも一方の端部に隣接し、複数の軸方向流路3と連通するヘッダ流路6を有する。
ヘッダ流路6は、径方向に沿って延在する少なくとも一本の径方向流路61を含む。ヘッダ流路6は、何れかの径方向流路61から分岐して1以上の軸方向流路3にそれぞれ連通する複数本の周方向流路66を含む。
複数本の周方向流路66は、第1周方向流路661を含む。複数本の周方向流路66は、第1周方向流路661よりも径方向内側に位置し、第1周方向流路661よりも大きい総角度範囲θtに亘って周方向に配置された第2周方向流路662を含む。
上記(1)の構成によれば、ヘッダ流路6に少なくとも一本の径方向流路61と、何れかの径方向流路61から分岐して1以上の軸方向流路3にそれぞれ連通する複数本の周方向流路66とを含めることで、ヘッダ部11を比較的小型化できる。
なお、単に、ヘッダ流路6に少なくとも一本の径方向流路61と、何れかの径方向流路61から分岐して1以上の軸方向流路3にそれぞれ連通する複数本の周方向流路66とを含めただけでは、同じ総角度範囲θtであっても径方向の位置の違いから、第1周方向流路661における第1流路長L1と第2周方向流路662における第2流路長L2とでは、第1流路長L1の方が長くなるので、流路幅(径方向の幅)が同じであれば、第2周方向流路662よりも第1周方向流路661の方が圧損が大きくなって第1流体が流れにくくなる。
その点、上記(1)の構成の熱交換コア10であれば、第1周方向流路661の総角度範囲θtが第2周方向流路662の総角度範囲θtよりも小さいので、第1周方向流路661と第2周方向流路662とで総角度範囲θtが同じである場合と比べて、第1流路長L1と第2流路長L2との差を抑制できる。これにより、第2周方向流路662よりも第1周方向流路661の方が圧損が大きくなることを抑制して、第1周方向流路661と第2周方向流路662とにおける流速の差を抑制できる。したがって、第1周方向流路661に連なる軸方向流路3における第1流体の流量と第2周方向流路662に連なる軸方向流路3における第1流体の流量との差を抑制して、熱交換コア10における熱交換効率を向上できる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
少なくとも一本の径方向流路61は、第1径方向流路601と、第2径方向流路602とを含む。第1径方向流路601は、第1周方向流路661に連通している。第2径方向流路602は、第1径方向流路601が占める径方向範囲と、該径方向範囲よりも径方向内側の範囲とに亘って設けられ、第2周方向流路662に連通している。第2周方向流路662は、周方向において、第1径方向流路601を通過して、第2径方向流路602から第1径方向流路601を挟んで反対側まで延びている。
上記(2)の構成によれば、第1周方向流路661及び第2周方向流路662の形状を複雑化することなく、第1周方向流路661よりも第2周方向流路662の総角度範囲θtを大きくすることができ、第1周方向流路661と第2周方向流路662との流速の差を抑制できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、第1径方向流路601は、第2周方向流路662と連通しておらず、第2径方向流路602は、第1周方向流路661と連通していない。
上記(3)の構成によれば、第1径方向流路601から第1周方向流路661へ第1流体が流れる場合、第1径方向流路601からの第1流体の全てを第1周方向流路661に供給できるので、第1周方向流路661への第1流体の供給量が不足することを抑制でき、熱交換効率の低下を抑制できる。
同様に、第2径方向流路602から第2周方向流路662へ第1流体が流れる場合、第2径方向流路602からの流体の全てを第2周方向流路662に供給できるので、第2周方向流路662への第1流体の供給量が不足することを抑制でき、熱交換効率の低下を抑制できる。
また、第1周方向流路661から第1径方向流路601へ第1流体が流れる場合、第2周方向流路662からの第1流体が第1径方向流路601へ流入しないので、第1径方向流路601を流れる第1流体の流量が第2周方向流路662からの第1流体によって増えることを防止できる。これにより、第1径方向流路601における圧損の上昇を抑制でき、第1周方向流路661における流量低下を抑制して熱交換効率の低下を抑制できる。
同様に、第2周方向流路662から第2径方向流路602へ第1流体が流れる場合、第1周方向流路661からの第1流体が第2径方向流路602へ流入しないので、第2径方向流路602を流れる第1流体の流量が第1周方向流路661からの流体によって増えることを防止できる。これにより、第2径方向流路602における圧損の上昇を抑制でき、第2周方向流路662における流量低下を抑制して熱交換効率の低下を抑制できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)の構成において、第1径方向流路601は、1本以上配置されている。第2径方向流路602は、周方向に沿って複数本配置されている。第1径方向流路601の数は、第2径方向流路602の数よりも多い。
上記(4)の構成によれば、第1径方向流路601の数が第2径方向流路602の数よりも少ない場合と比べて、周方向で隣り合う2つの第1径方向流路601が周方向に沿って離間する距離を小さくすることができるので、第1周方向流路661の第1流路長L1を抑制できる。これにより、第1周方向流路661の第1流路長L1と第2周方向流路662の第2流路長L2との差を抑制できるので、第2周方向流路662と第1周方向流路661との圧損の差を抑制して、第1周方向流路661と第2周方向流路662とにおける流速の差を抑制できる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(2)乃至(4)の何れかの構成において、第1径方向流路601は、2本以上が周方向に沿って均等ピッチで配置されている。第2径方向流路602は、2本以上が周方向に沿って均等ピッチで配置されている。
上記(5)の構成によれば、第1径方向流路601の配置が不均等ピッチである場合と比べて、接続されている第1径方向流路601によって周方向流路66の流路の長さに差が生じることを抑制でき、周方向流路66において流路毎に流量がばらつくことを抑制できる。同様に、第2径方向流路602の配置が不均等ピッチである場合と比べて、接続されている第2径方向流路602によって周方向流路66の流路の長さに差が生じることを抑制でき、周方向流路66において流路毎に流量がばらつくことを抑制できる。これにより、熱交換効率の低下を抑制できる。
また、均等ピッチに配置することで径方向流路61を効率的に配置でき、径方向流路61の数を抑制できる。これにより、軸方向から見たときのヘッダ部11の断面(第2横断面C2)において径方向流路61が占める領域の割合を抑止して周方向流路66が占める領域の割合を増やすことができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、第1周方向流路661と第2周方向流路662とが、同一の径方向流路61に連通している。第2周方向流路662は、第1周方向流路661よりも折り返し数が多い。
上記(6)の構成によれば、第1周方向流路661と第2周方向流路662とが異なる径方向流路61に接続されている場合と比べて、径方向流路61の数を抑制できる。これにより、軸方向から見たときのヘッダ部11の断面(第2横断面C2)において径方向流路61が占める領域の割合を抑止して周方向流路66が占める領域の割合を増やすことができる。
また、第1周方向流路661より第2周方向流路662における折り返し数を多くすることで、第2周方向流路662における総角度範囲θtを大きくして第2流路長L2を確保できる。これにより、第1周方向流路661と第2周方向流路662との流速の差を抑制できる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、径方向流路61は、周方向に離間して2本以上設けられている。周方向で隣り合う2本の径方向流路61の間には、該2本の径方向流路61の一方から分岐した複数本の周方向流路66と、該2本の径方向流路61の他方から分岐した複数本の周方向流路66とを、周方向に隔てる隔壁である第2隔壁W5が形成されている。
上記(7)の構成によれば、一方の径方向流路61に接続された周方向流路66が配置される周方向の範囲と、他方の径方向流路61に接続された周方向流路66が配置される周方向の範囲とを第2隔壁W5によって規定できる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(6)又は(7)の構成において、径方向流路61は、周方向に沿って均等ピッチで複数本配置されている。
上記(8)の構成によれば、径方向流路61の配置が不均等ピッチである場合と比べて、接続されている径方向流路61によって周方向流路66の流路長Lcに差が生じることを抑制でき、周方向流路66において流路毎に流量がばらつくことを抑制できる。
また、均等ピッチに配置することで径方向流路61を効率的に配置でき、径方向流路61の数を抑制できる。これにより、軸方向から見たときのヘッダ部11の断面(第2横断面C2)において径方向流路61が占める領域の割合を抑止して周方向流路66が占める領域の割合を増やすことができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、径方向流路61は、該径方向流路61に対して周方向の一方側及び他方側にそれぞれ位置する周方向流路66と接続されている。
上記(9)の構成によれば、径方向流路61が該径方向流路61に対して周方向の一方側又は他方側の何れか一方に位置する周方向流路66とだけ接続されている場合と比べて、径方向流路61の数を抑制できる。これにより、軸方向から見たときのヘッダ部11の断面において径方向流路61が占める領域の割合を抑止して周方向流路66が占める領域の割合を増やすことができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、複数の軸方向流路3は、軸方向から見たときに円環状に配置されている。
上記(10)の構成によれば、流体の圧力等により作用する応力を熱交換コア10の全体に均一に分散させることができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れかの構成において、上記少なくとも一本の径方向流路61は、2本以上の径方向流路61である。この2本以上の径方向流路61は、それぞれ等しい流路断面積が与えられている。
上記(11)の構成によれば、2本以上の径方向流路61において異なる流路断面積が与えられている場合と比べて、2本以上の径方向流路61における流体の流量の差を抑制できるので、熱交換効率の低下を抑制できる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(11)の何れかの構成において、複数の軸方向流路3は、それぞれ周方向において複数の区画Sに区分されている。
上記(12)の構成によれば、軸方向流路3を区画を区分する壁が存在することで伝熱効率を向上させることができる。該壁により、熱交換コア10の特に径方向における剛性及び強度を向上できる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)の構成において、複数の軸方向流路3は、複数の区画Sの流路径が均一化されている。
上記(13)の構成によれば、摩擦損失等の流動状態が全区画において均一化されることで全区画について熱伝達率を均一化することができるとともに、応力が熱交換コア10の横断面の面内方向の全体に均一に分散されることで、応力の均一化を図ることができる。
(14)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換器1は、上記(1)乃至(13)の何れかの構成による熱交換コア10と、熱交換コア10を収容するケーシング20と、を備える。
上記(14)の構成によれば、熱交換器1を比較的小型化できるとともに、熱交換効率を向上できる。
(15)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換コアの製造方法は、熱交換コア10の製造方法であって、積層造型によって、軸方向に沿って延在する複数の軸方向流路3を含むコア本体部13を形成するコア本体部形成工程S1と、積層造型によって、コア本体部13の軸方向における少なくとも一方の端部に隣接し、複数の軸方向流路3と連通するヘッダ流路6を有するヘッダ部11を形成するヘッダ部形成工程S3と、を備える。
ヘッダ部形成工程S3は、径方向に沿って延在する少なくとも一本の径方向流路61と、何れかの前記径方向流路61から分岐して1以上の軸方向流路3にそれぞれ連通する複数本の周方向流路66と、を含むようにヘッダ流路6を形成する。ヘッダ部形成工程S3は、第1周方向流路661と、第1周方向流路661よりも径方向内側に位置し、第1周方向流路661よりも大きい総角度範囲θtに亘って周方向に配置された第2周方向流路662と、を含むように複数本の周方向流路66を形成する。
上記(15)の方法によれば、積層造形により、熱交換コア10を一体に形成することが可能となるので、部材の組付けや、部材間をガスケットにより封止することが必要ない。そのため、整備の手間を大幅に低減することができる。
1 熱交換器
3 軸方向流路
6 ヘッダ流路
10 熱交換コア
11 ヘッダ部
11A ヘッダ部(第1ヘッダ部)
11B ヘッダ部(第2ヘッダ部)
13 コア本体部
20 ケーシング
61 径方向流路
66 周方向流路
101 第1流路
102 第2流路
601 第1径方向流路
602 第2径方向流路
661 第1周方向流路
662 第2周方向流路
W0 側壁
W3 横断壁
W5 隔壁(第2隔壁)

Claims (15)

  1. 軸方向に沿って延在する複数の軸方向流路を含むコア本体部と、
    前記コア本体部の前記軸方向における少なくとも一方の端部に隣接し、前記複数の軸方向流路と連通するヘッダ流路を有するヘッダ部と、を備え、
    前記ヘッダ流路は、
    径方向に沿って延在する少なくとも一本の径方向流路と、
    何れかの前記径方向流路から分岐して1以上の前記軸方向流路にそれぞれ連通する複数本の周方向流路と、
    を含み、
    前記複数本の周方向流路は、
    第1周方向流路と、
    前記第1周方向流路よりも径方向内側に位置し、前記第1周方向流路よりも大きい総角度範囲に亘って周方向に配置された第2周方向流路と、
    を含む
    熱交換コア。
  2. 前記少なくとも一本の径方向流路は、
    前記第1周方向流路に連通する第1径方向流路と、
    前記第1径方向流路が占める径方向範囲と、該径方向範囲よりも径方向内側の範囲とに亘って設けられ、前記第2周方向流路に連通する第2径方向流路と、
    を含み、
    前記第2周方向流路は、前記周方向において、前記第1径方向流路を通過して、前記第2径方向流路から前記第1径方向流路を挟んで反対側まで延びている
    請求項1に記載の熱交換コア。
  3. 前記第1径方向流路は、前記第2周方向流路と連通しておらず、
    前記第2径方向流路は、前記第1周方向流路と連通していない、
    請求項2に記載の熱交換コア。
  4. 前記第1径方向流路は、1本以上配置され、
    前記第2径方向流路は、前記周方向に沿って複数本配置されており、
    前記第1径方向流路の数は、前記第2径方向流路の数よりも多い
    請求項2又は3に記載の熱交換コア。
  5. 前記第1径方向流路は、2本以上が前記周方向に沿って均等ピッチで配置され、
    前記第2径方向流路は、2本以上が前記周方向に沿って均等ピッチで配置されている、
    請求項2乃至4の何れか1項に記載の熱交換コア。
  6. 前記第1周方向流路と前記第2周方向流路とが、同一の前記径方向流路に連通しており、
    前記第2周方向流路は、前記第1周方向流路よりも内部を流通する流体の周方向への流れの向きが変更される折り返し数が多い
    請求項1に記載の熱交換コア。
  7. 前記径方向流路は、前記周方向に離間して2本以上設けられ、
    前記周方向で隣り合う2本の前記径方向流路の間には、該2本の前記径方向流路の一方から分岐した複数本の前記周方向流路と、該2本の前記径方向流路の他方から分岐した複数本の前記周方向流路とを、前記周方向に隔てる隔壁が形成されている
    請求項6に記載の熱交換コア。
  8. 前記径方向流路は、前記周方向に沿って均等ピッチで複数本配置されている、
    請求項6又は7に記載の熱交換コア。
  9. 前記径方向流路は、該径方向流路に対して前記周方向の一方側及び他方側にそれぞれ位置する前記周方向流路と接続されている
    請求項1乃至8の何れか1項に記載の熱交換コア。
  10. 前記複数の軸方向流路は、前記軸方向から見たときに円環状に配置されている
    請求項1乃至9の何れか1項に記載の熱交換コア。
  11. 前記少なくとも一本の径方向流路は、2本以上の前記径方向流路であり、
    前記2本以上の前記径方向流路は、それぞれ等しい流路断面積が与えられている
    請求項1乃至10の何れか1項に記載の熱交換コア。
  12. 前記複数の軸方向流路は、それぞれ前記周方向において複数の区画に区分されている
    請求項1乃至11の何れか1項に記載の熱交換コア。
  13. 前記複数の軸方向流路は、前記複数の区画の流路径が均一化されている、
    請求項12に記載の熱交換コア。
  14. 請求項1乃至13の何れか1項に記載の熱交換コアと、
    前記熱交換コアを収容するケーシングと、
    を備える
    熱交換器。
  15. 熱交換コアの製造方法であって、
    積層造型によって、軸方向に沿って延在する複数の軸方向流路を含むコア本体部を形成する工程と、
    積層造型によって、前記コア本体部の前記軸方向における少なくとも一方の端部に隣接し、前記複数の流路と連通するヘッダ流路を有するヘッダ部を形成する工程と、を備え、
    前記ヘッダ部を形成する工程は、
    径方向に沿って延在する少なくとも一本の径方向流路と、
    何れかの前記径方向流路から分岐して1以上の前記軸方向流路にそれぞれ連通する複数本の周方向流路と、
    を含むように前記ヘッダ流路を形成し、
    前記ヘッダ部を形成する工程は、
    第1周方向流路と、
    前記第1周方向流路よりも径方向内側に位置し、前記第1周方向流路よりも大きい総角度範囲に亘って周方向に配置された第2周方向流路と、
    を含むように前記複数本の周方向流路を形成する
    熱交換コアの製造方法。
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