JP7313786B2 - 運転支援装置 - Google Patents

運転支援装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7313786B2
JP7313786B2 JP2020162408A JP2020162408A JP7313786B2 JP 7313786 B2 JP7313786 B2 JP 7313786B2 JP 2020162408 A JP2020162408 A JP 2020162408A JP 2020162408 A JP2020162408 A JP 2020162408A JP 7313786 B2 JP7313786 B2 JP 7313786B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
function
virtual
stopped
collision
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020162408A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022055045A (ja
Inventor
陽介 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2020162408A priority Critical patent/JP7313786B2/ja
Publication of JP2022055045A publication Critical patent/JP2022055045A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7313786B2 publication Critical patent/JP7313786B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、車両の運転を支援する運転支援装置に関する。
最近の自動車などの車両には、車両の運転を支援する運転支援機能の1つとして、前方の物体との衝突を回避または衝突による被害を軽減する機能が搭載されてきている。
この機能では、たとえば、自車両および前方の物体のそれぞれの移動速度および移動方向が検出されて、それらの情報から、自車両と前方の物体との衝突の可能性が予測される。そして、衝突の可能性があると予測される場合に、車両のドライバに注意を喚起する警報が出力され、また、ブレーキが自動的に作動される。
特開2008-132867号公報
ところが、自車両が停車している状態では、自車両の位置に変化がないので、自車両が発進した後の自車両の進路を予測できない。そのため、たとえば、車両が交差点での右折待ちや一旦停止しているときに、発進後の自車両と対向車両や横切り車両との衝突の可能性を予測することができない。
本発明の目的は、車両の停車中に、車両が停車状態から発進した際の車両の進路を予測できる、運転支援装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る運転支援装置は、車両に搭載されて、車両の運転を支援する装置であって、車両の停車状態からの発進を仮想したときの速度に関する情報である仮想速度情報を記憶する記憶手段と、車両の停車中に、記憶手段に記憶されている仮想速度情報に基づいて、停車状態から発進した後の車両の未来位置を予測する位置予測手段とを含む。
この構成によれば、車両の停車中に、仮想速度情報に基づいて、停車状態から発進した後の車両の未来位置が予測される。その未来位置の時系列は、車両の発進後の進路を表す。したがって、交差点での右折待ちや一旦停止などによる停車中に、車両の位置に変化がなくても、車両が発進した際の車両の進路を予測することができる。そのため、その進路上での車両と物体との衝突を予測することができる。
本発明の他の局面に係る運転支援装置は、車両に搭載されて、車両の運転を支援する装置であって、停車中の車両の旋回状態の情報である旋回情報を取得する取得手段と、車両の停車中に、取得手段により取得された旋回情報に基づいて、停車状態から発進した後の車両の旋回方向を予測する旋回予測手段とを含む。
この構成によれば、車両の停車中に、旋回情報に基づいて、停車状態から発進した後の車両の旋回方向が予測される。これにより、交差点での右折待ちや一旦停止などによる停車中に、車両の位置に変化がなくても、車両の発進後の旋回方向から進路を予測することができる。そのため、その進路上での車両と物体との衝突を予測することができる。
本発明のさらに他の局面に係る運転支援装置は、車両に搭載されて、車両の運転を支援する装置であって、車両の停車状態からの発進を仮想したときの速度に関する情報である仮想速度情報を記憶する記憶手段と、車両の運転を支援する装置であって、停車中の車両の旋回状態の情報である旋回情報を取得する取得手段と、車両の停車中に、記憶手段に記憶されている仮想速度情報および取得手段により取得された旋回情報に基づいて、停車状態から発進した後の車両の未来位置を予測する位置予測手段とを含む。
この構成によれば、車両の停車中に、仮想速度情報および旋回情報に基づいて、停車状態から発進した後の車両の未来位置が予測される。未来位置の予測に仮想速度情報および旋回情報が用いられることにより、未来位置を精度よく予測することができる。未来位置の時系列は、車両の発進後の進路を表す。したがって、交差点での右折待ちや一旦停止などによる停車中に、車両の位置に変化がなくても、車両が発進した際の車両の進路を精度よく予測することができる。そのため、その進路上での車両と物体との衝突を予測することができる。
仮想速度情報は、予め定められた車速値であってもよいし、車両の過去の発進の際の加速から学習した車速値であってもよく、一定値であってもよいし、時間の経過に伴って増大する値であってもよい。また、仮想速度情報は、車両の過去の発進の際の車両の加速度の値であってもよい。
旋回情報は、停車中の車両の舵角、車両が停車する直前のヨーレート、方向指示器の作動状況、カメラなどの外界認識手段によって認識および/または地図情報から取得される車両の前方(走行方向)の道路形状のいずれか1つまたは複数であってもよい。
本発明によれば、交差点での右折待ちや一旦停止などによる停車中に、車両が停車状態から発進した際の車両の進路を予測でき、ひいては、その進路上での車両と物体との衝突を予測することができる。
本発明の一実施形態に係る運転支援システムの構成を示すブロック図である。 機能作動処理の流れを示す図である。 未来位置推定処理の流れを示すフローチャートである。 車両とその前方に存在する対象物(他車両)とを示す図である。 車両領域について説明するための図である。 作動機能決定処理の流れを示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<運転支援システム>
図1は、本発明の一実施形態に係る運転支援システム1の構成を示すブロック図である。
運転支援システム1は、車両A(図4参照)に搭載されて、車両Aの運転を支援するシステムである。運転支援システム1は、車両Aと前方の車両などの物標T(図4参照)との衝突を回避または衝突による被害を軽減するための運転支援機能として、自動ブレーキの作動前に衝突の可能性を警報する衝突警報機能と、ドライバに衝突を回避するための行動を促すために、自動ブレーキにより車両Aを1次目標減速度で減速させる1次ブレーキ機能(緩ブレーキ機能)と、衝突の回避および衝突被害の軽減のために、自動ブレーキにより車両Aを1次目標減速度よりも大きい2次目標減速度で減速させる2次ブレーキ機能(強ブレーキ機能)を有している。
運転支援システム1には、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)11が含まれる。ECU11は、マイコン(マイクロコントローラ)12を備えている。マイコン12には、CPU13およびメモリ14が内蔵されている。車両Aには、ECU11以外に、各部を制御するための複数のECUが搭載されており、ECU11は、他のECUとCAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
また、車両Aには、カメラ21が搭載されている。カメラ21は、たとえば、所定のフレームレートで静止画を連続して撮影可能なステレオカメラであり、車両Aの前方を広角で撮像可能なように、たとえば、車室内の前部中央のルームミラーの前方に設置されている。カメラ21では、左右両眼のイメージセンサから入力される一対の画像データから、イメージセンサに撮像された各画像で同一対象物に対応する対象画素が抽出され、その一対の画像間での対象画素の位置のずれ量が検出されて、三角測量の原理で同一対象物までの距離が算出される。カメラ21の出力信号は、ECU11に入力される。
車両Aにはさらに、車速センサ22、舵角センサ23およびヨーレートセンサ24が設けられている。車速センサ22は、車両Aの走行に伴って回転する回転体(たとえば、ドライブシャフト)の回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する。舵角センサ23は、車両Aのステアリング機構(たとえば、ハンドル)の舵角中点に対する舵角(絶対舵角)に応じた検出信号を出力する。その舵角は、舵角中点からステアリング機構が右に切られた状態(ハンドルが右側に回された状態)で正の値をとり、左に切られた状態(ハンドルが左側に回された状態)で負の値をとる。ヨーレートセンサ24は、車両Aの重心点を通る鉛直軸まわりの回転角速度であるヨーレートに応じた検出信号を出力する。車速センサ22、舵角センサ23およびヨーレートセンサ24の検出信号は、ECU11に入力される。
車両Aには、油圧式のブレーキシステムが搭載されている。ブレーキシステムは、ブレーキペダル、ブレーキブースタ、マスタシリンダ、ブレーキアクチュエータ25および各車輪に設けられるブレーキを含む。ブレーキペダルは、運転席に着座した運転者の右足での足踏み操作が便利な位置に配置されている。ブレーキペダルが踏まれると、そのブレーキペダルに入力された踏力がブレーキブースタに伝達される。ブレーキブースタでは、エンジンの吸気系に発生する負圧が利用され、その負圧と大気圧との圧力差によりブレーキペダルの踏力が増幅される。ブレーキブースタで増幅された力がブレーキブースタからマスタシリンダに伝達され、その力に応じた油圧がマスタシリンダから発生する。マスタシリンダの油圧がブレーキアクチュエータ25に伝達され、ブレーキアクチュエータ25から各車輪に設けられたブレーキのホイールシリンダに油圧が供給されて、その油圧により、各ブレーキから車輪に制動力が付与される。また、ブレーキアクチュエータ25には、電動ポンプが内蔵されており、自動ブレーキが作動時には、電動ポンプがバッテリからの電力で駆動されて、電動ポンプで発生した油圧が各ホイールシリンダに供給される。
また、車両Aには、警報器26が備えられている。警報器26は、各種の警報を出力するものであり、その警報は、光により出力されてもよいし、音または音声により出力されてもよい。
<機能作動処理>
図2は、機能作動処理の流れを示す図である。
車両A(図4参照)では、走行中および停車中にかかわらず、ECU11により、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能を選択的に作動させるための機能作動処理が実行される。
機能作動処理では、まず、カメラ21の出力信号から車両Aの前方を移動する物標T(図4参照)が認識されて、その物標Tの移動方向および移動速度などの情報が取得される(ステップS1)。また、車速センサ22、舵角センサ23およびヨーレートセンサ24の検出信号から自車である車両Aの車速、舵角およびヨーレートなどの情報が取得される(ステップS1)。舵角およびヨーレートの情報は、車両Aの旋回状態の情報である旋回情報の一例である。
次に、物標Tおよび車両Aのt秒後(t>0)の位置である未来位置が推定される(ステップS2)。
その後、物標Tおよび車両Aの未来位置に基づいて、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能の機能ごとに、物標Tと車両Aとの衝突が予測される(ステップS3)。
そして、その予測結果から、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能のいずれの機能を作動させるかが決定される(ステップS4)。
衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能のいずれかの機能の作動が決定された場合、ブレーキアクチュエータ25または警報器26に対して、その機能の作動を要求する指令とともに、ブレーキアクチュエータ25または警報器26の動作を制御するための制御指示値が送信される。
<未来位置推定>
図3は、未来位置推定処理の流れを示すフローチャートである。図4は、車両Aとその前方に存在する物標T(他車両)とを示す図である。
物標Tおよび車両Aの未来位置については、具体的には、以下のようにして推定される。
たとえば、現時における車両Aの中心Cを原点とし、車両Aの車幅方向(左右方向)をX軸方向とし、進行方向(前後方向)をY軸方向する直交座標系において、物標Tの現在位置を表す座標を(X’0,Y’0)とする。また、物標Tの移動ベクトル(速度)のX成分およびY成分をそれぞれVX,VYとする。この場合、物標Tの未来位置(t秒後の位置)のX座標X’(t)およびY座標Y’(t)は、
X’(t)=X’0+VX*t ・・・(1)
Y’(t)=Y’0+VY*t ・・・(2)
となる。物標Tの未来位置(X’(t),Y’(t))は、それらの式(1),(2)を用いて推定される(ステップS21)。
車両Aの未来位置のX座標X(t)およびY座標Y(t)は、それぞれ式(3),(4)を用いて推定される。
X(t)=R(1-cos(Δθ))+u(t) ・・・(3)
Y(t)=R*sin(Δθ)+v(t) ・・・(4)
ここで、Rは、車両Aの旋回半径であり、式(5)に従って、車両Aの車速VをヨーレートYrで除することにより求められる。ヨーレートYrは、旋回方向が車両Aの重心点を上方から見て時計回りの方向であるときに正の値をとり、反時計回りの方向であるときに負の値をとる。
R=V/Yr ・・・(5)
Δθは、車両Aの旋回による回転角であり、式(6)に従って、車両AのヨーレートYrに時間tを乗じることにより求められる。
Δθ=Yr*t ・・・(6)
車両Aが停車中でないとき、つまり車両Aの走行中は、車速センサ22の検出信号から車速Vの実測値を取得することができる。また、ヨーレートセンサ24の検出信号からヨーレートYrの実測値を取得することができる。したがって、車両Aの走行中は(ステップS22のNO)、車速VおよびヨーレートYrの実測値が式(5),(6)に代入され、これにより求まる旋回半径Rおよび回転角Δθが式(3),(4)に代入されて(ステップS23)、車両Aの未来位置(X(t),Y(t))が推定される(ステップS24)。
ところが、車両Aの停車中は、車速VおよびヨーレートYrの実測値を取得することができない。そのため、車両Aの停車中は、車両Aの発進後の車速の仮想値である仮想車速が車速Vとされて、その仮想車速が式(5)に代入される。また、車両Aの発進後のヨーレートの仮想値である仮想ヨーレートがヨーレートYrとされて、その仮想ヨーレートが式(6)に代入される。そして、これにより求まる旋回半径Rおよび回転角Δθが式(3),(4)に代入されて(ステップS25)、車両Aの未来位置(X(t),Y(t))が推定される(ステップS24)。
仮想車速は、ECU11のメモリ14に仮想車速情報として記憶されており、予め定められた車速値であってもよいし、車両Aの過去の発進の際の加速から学習した車速値であってもよく、一定値であってもよいし、時間の経過に伴って増大する値であってもよい。
仮想ヨーレートは、たとえば、車両Aの停車中に舵角センサ23の検出信号から舵角が取得されて、その舵角と仮想車速とから演算により設定される。舵角は、舵角中点からステアリング機構が右に切られた状態で正の値をとり、左に切られた状態で負の値をとるので、仮想ヨーレートは、車両Aが右旋回する場合に正の値をとり、左旋回する場合に負の値をとる。したがって、仮想ヨーレートの正負は、車両Aの発進後の旋回方向を表す。
<衝突予測>
図5は、車両領域AA(t)について説明するための図である。
物標Tと車両Aとの衝突を予測するため、ECU11により、未来位置(X(t),Y(t))に位置する車両Aを取り囲む矩形状の車両領域AA(t)が設定される。車両Aの中心Cと車両領域AA(t)の4つの頂点(角)P1,P2,P3,P4との各間の距離をrとし、車両Aの中心Cから車幅方向の右側に延びる直線に対して中心Cと頂点P1とを結ぶ直線がなす角度をθとして、車両領域AA(t)における右前角の頂点P1のX座標P1x(t)およびY座標P1y(t)は、それぞれ式(7),(8)で表される。
P1x(t)=X(t)+rcos(θ-Δθ) ・・・(7)
P1y(t)=Y(t)+rsin(θ-Δθ) ・・・(8)
左前角の頂点P2のX座標P2x(t)およびY座標P2y(t)は、それぞれ式(9),(10)で表される。
P2x(t)=X(t)+rcos(π-θ-Δθ) ・・・(9)
P2y(t)=Y(t)+rsin(π-θ-Δθ) ・・・(10)
左後角の頂点P3のX座標P3x(t)およびY座標P3y(t)は、それぞれ式(11),(12)で表される。
P3x(t)=X(t)+rcos(π+θ-Δθ) ・・・(11)
P3y(t)=Y(t)+rsin(π+θ-Δθ) ・・・(12)
右後角の頂点P4のX座標P4x(t)およびY座標P4y(t)は、それぞれ式(13),(14)で表される。
P4x(t)=X(t)+rcos(2π-θ-Δθ) ・・・(13)
P4y(t)=Y(t)+rsin(2π-θ-Δθ) ・・・(14)
距離rは、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能の各機能に応じて可変に設定される。具体的には、距離rは、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能の各機能を作動させる制御の緊急度の高いものほど小さい値に設定される。2次ブレーキ機能は、衝突の回避および衝突被害の軽減を目的とするため、その作動が遅れると衝突被害が大きくなるおそれがあり、2次ブレーキ機能を作動させる制御は、緊急度が高い。1次ブレーキ機能は、ドライバに衝突を回避するための行動を促すことを目的とするため、その作動の遅れが衝突被害に直結しないので、1次ブレーキ機能を作動させる制御は、2次ブレーキ機能を作動させる制御よりも緊急度が低い。衝突警報機能は、自動ブレーキの作動前に衝突の可能性をドライバに報知することを目的とするため、衝突警報機能を作動させる制御は、1次ブレーキ機能を作動させる制御よりも緊急度が低い。そこで、2次ブレーキ機能に対しては、距離rが予め定める値r1に設定され、1次ブレーキ機能に対しては、距離rが値r1よりも大きい値r2に設定され、衝突警報機能に対しては、距離rが値r2よりもさらに大きい値r3に設定される。
ECU11により、距離rがr1に設定されて、t秒後の未来位置(X(t),Y(t))における車両Aの中心Cからそれぞれ距離r1だけ離れた頂点P1の座標(P1x(t),P1y(t))、頂点P2の座標(P2x(t),P2y(t))、頂点P3の座標(P3x(t),P3y(t))および頂点P4の座標(P4x(t),P4y(t))が求められる。そして、それらの頂点P1~P4で定まる車両領域AA(t)内に物標Tの未来位置(X’(t),Y’(t))が含まれるか否かが判定され、物標Tの未来位置(X’(t),Y’(t))が車両領域AA(t)内に含まれる場合、2次ブレーキ機能について、車両Aと物標Tとの衝突の可能性が予測されるとして、「衝突予測あり(衝突可能性あり)」と判断される。
ECU11により、距離rがr2に設定されて、未来位置(X(t),Y(t))における車両Aの中心Cからそれぞれ距離r2だけ離れた頂点P1の座標(P1x(t),P1y(t))、頂点P2の座標(P2x(t),P2y(t))、頂点P3の座標(P3x(t),P3y(t))および頂点P4の座標(P4x(t),P4y(t))が求められる。そして、それらの頂点P1~P4で定まる車両領域AA(t)内に物標Tの未来位置(X’(t),Y’(t))が含まれるか否かが判定され、物標Tの未来位置(X’(t),Y’(t))が車両領域AA(t)内に含まれる場合、1次ブレーキ機能について、車両Aと物標Tとの衝突の可能性が予測されるとして、「衝突予測あり(衝突可能性あり)」と判断される。
ECU11により、距離rがr3に設定されて、未来位置(X(t),Y(t))における車両Aの中心Cからそれぞれ距離r3だけ離れた頂点P1の座標(P1x(t),P1y(t))、頂点P2の座標(P2x(t),P2y(t))、頂点P3の座標(P3x(t),P3y(t))および頂点P4の座標(P4x(t),P4y(t))が求められる。そして、それらの頂点P1~P4で定まる車両領域AA(t)内に物標Tの未来位置(X’(t),Y’(t))が含まれるか否かが判定され、物標Tの未来位置(X’(t),Y’(t))が車両領域AA(t)内に含まれる場合、衝突警報機能について、車両Aと物標Tとの衝突の可能性が予測されるとして、「衝突予測あり(衝突可能性あり)」と判断される。
<作動機能決定処理>
図6は、作動機能決定処理の流れを示すフローチャートである。
衝突予測の結果に基づいて、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能のいずれの機能を作動させるかを決定するため、ECU11により、作動機能決定処理が実行される。
作動機能決定処理では、距離r=r1のときに「衝突予測あり」と判断された場合(ステップS41のYES)、2次ブレーキ機能の作動が決定される(ステップS42)。
距離r=r1のときに「衝突予測あり」と判断されず(ステップS41のNO)、距離r=r2のときに「衝突予測あり」と判断された場合(ステップS43のYES)、1次ブレーキ機能の作動が決定される(ステップS44)。
距離r=r1,r2のいずれのときにも「衝突予測あり」と判断されず(ステップS43のNO)、距離r=r3のときに「衝突予測あり」と判断された場合(ステップS45のYES)、衝突警報機能の作動が決定される(ステップS46)。
距離r=r1,r2,r3のいずれのときにも「衝突予測あり」と判断されなかった場合には(ステップS45のNO)、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能のいずれの機能も作動対象外であると判断される(ステップS47)。
<作用効果>
以上のように、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能を選択的に作動させるために、車両Aが停車である場合には、仮想車速および仮想ヨーレートに基づいて、停車状態から発進した後の車両Aの未来位置(X(t),Y(t))が予測される。未来位置(X(t),Y(t))の予測に仮想車速および仮想ヨーレートが用いられることにより、未来位置(X(t),Y(t))を精度よく予測することができる。未来位置の時系列は、車両Aの発進後の進路を表す。したがって、交差点での右折待ちや一旦停止などによる停車中に、車両Aの位置に変化がなくても、車両Aが発進した際の車両Aの進路を精度よく予測することができる。そのため、その進路上での車両Aと物標Tとの衝突を予測することができる。
車両Aと物標Tとの衝突を予測するため、具体的には、車両Aの所定時間後の未来位置(X(t),Y(t))が予測されて、その予測された未来位置(X(t),Y(t))の周囲を囲む車両領域AA(t)が設定される。車両領域AA(t)は、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能の個々に応じた大きさに設定される。一方、物標Tの所定時間後の未来位置(X’(t),Y’(t))が予測される。そして、物標Tの未来位置(X’(t),Y’(t))が車両領域AA(t)内に含まれるか否かが判断され、物標Tの未来位置(X’(t),Y’(t))が車両領域AA(t)内に含まれる場合、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能のうち、車両領域AA(t)の大きさに応じた機能が作動される。これにより、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能をそれぞれに適切なタイミングで作動させることができる。
衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能は、作動の緊急度により区分されており、車両領域AA(t)の大きさは、その緊急度が高いほど小さく設定される。これにより、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能をそれぞれの作動の緊急度に応じた適切なタイミングで作動させることができる。すなわち、作動の緊急度が比較的低い機能、つまり衝突警報については、車両領域AA(t)の大きさが大きく設定されるので、車両Aと物標Tとが近づく早期の段階で作動させることができる。一方、作動の緊急度が比較的高い機能、つまり1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能については、車両領域AA(t)の大きさが小さく設定されるので、車両Aと物標Tとの衝突の可能性が高まった段階で作動させることができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、車両Aの中心Cと車両領域AA(t)の4つの頂点(角)P1,P2,P3,P4との各間の距離rが2次ブレーキ機能、1次ブレーキ機能および衝突警報機能の機能ごとにそれぞれ一定値r1,r2,r3に設定される構成を取り上げた。これに限らず、距離rは、車両Aの挙動(旋回状況、加減速状況など)に応じて可変に設定されてもよい。
その例として、車両Aの右旋回時には、車両Aが右方向に進むと考えられるため、中心Cと頂点P1,P4との各間の距離rを相対的に大きい値に設定し、中心Cと頂点P2,P3との各間の距離rを相対的に小さい値に設定してもよい。車両Aの左旋回時には、車両Aが左方向に進むと考えられるため、中心Cと頂点P2,P3との各間の距離rを相対的に大きい値に設定し、中心Cと頂点P1,P4との各間の距離rを相対的に小さい値に設定してもよい。
車両Aの加速時には、中心Cと頂点P1,P2との各間の距離rを相対的に大きい値に設定し、中心Cと頂点P3,P4との各間の距離rを相対的に小さい値に設定してもよい。車両Aの減速時には、中心Cと頂点P3,P4との各間の距離rを相対的に大きい値に設定し、中心Cと頂点P1,P2との各間の距離rを相対的に小さい値に設定してもよい。
また、前述の実施形態では、車両Aの走行中は、車速VおよびヨーレートYrの実測値を用いて、車両Aの未来位置(X(t),Y(t))が推定され、車両Aの停車中は、仮想車速および仮想ヨーレートを用いて、車両Aの未来位置(X(t),Y(t))が推定されるとした。しかしながら、ヨーレートYrおよび仮想ヨーレートを用いなくても、車両Aの旋回方向を実測または予測し、その旋回方向と車両Aの車速とを用いれば、推定の精度は低下するが、たとえば、旋回半径Rおよび回転角Δθをそれぞれ予め定めた固定値として、車両Aの未来位置(X(t),Y(t))を推定することもできる。また、車両Aの舵角の実測値または仮想値と車両Aの車速とを用いて、車両Aの未来位置(X(t),Y(t))を推定することもできる。
また、仮想車速に限らず、たとえば、車両Aの発進後の加速度の仮想値である仮想加速度など、車両Aの発進後の速度に関する仮想値である仮想速度を用いて、車両Aの未来位置(X(t),Y(t))が推定されてもよい。仮想加速度は、車両Aの過去の発進の際の加速度であってもよい。なお、仮想加速度は、車両Aのドライバによる過去のアクセル操作度合いに応じたものであってもよいし、車両Aが停車状態から所定の契機(たとえば、先行車が発進したこと、信号機が赤から青に変わったことなど)に基づいて自動発進する自動発進機能を有するものであれば、アクセル操作度合いとは関係なく、所定の値であってもよい。この所定の値は、予め定められた値であってもよいし、カメラ21などに認識された外界の状況に応じた値であってもよい。
運転支援機能として、衝突警報機能、1次ブレーキ機能および2次ブレーキ機能を例に挙げたが、これら以外にも、車両Aを走行中の車線内に維持して走行させる車線維持支援(LKA:Lane Keeping Assist)機能、車両Aを先行車に追従して走行させるアダプティブクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)機能、車両Aを駐車位置に駐車する際の操舵を支援する駐車支援機能、およびドライバの死角を監視する死角監視(BSM:Blind Spot Monitor)機能を例示することができる。
また、外界認識手段は、車両の前方を認識するものに限られず、例えば車両の後方を認識するものであってもよく、この場合、車両が停車状態から後方に発進した際の衝突予測に適用できる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:運転支援システム
11:ECU(運転支援装置、位置予測手段、旋回予測手段)
14:メモリ(記憶手段)
23:舵角センサ(取得手段)
24:ヨーレートセンサ(取得手段)
A:車両

Claims (1)

  1. 車両に搭載されて、前記車両の運転を支援する装置であって、
    前記車両の停車状態からの発進を仮想したときの速度に関する情報である仮想速度情報を記憶する記憶手段と、
    停車中の前記車両の旋回状態の情報である旋回情報を取得する取得手段と、
    前記車両の停車中に、前記記憶手段に記憶されている前記仮想速度情報および前記取得手段により取得された前記旋回情報に基づいて、停車状態から発進した後の前記車両の未来位置を予測する位置予測手段と、を含み、
    前記仮想速度情報は、前記車両の過去の発進の際の加速から学習した車速値であり、
    前記旋回情報は、停車中の前記車両の舵角であり、
    前記位置予測手段は、前記車両の停車中に、前記記憶手段に記憶されている前記車速値と前記取得手段により取得される前記舵角とから仮想ヨーレートを演算し、前記車速値と前記仮想ヨーレートとから旋回半径を求め、前記仮想ヨーレートから前記車両の旋回による回転角を求めて、その求めた旋回半径および回転角を用いて、前記車両の未来位置を予測する、運転支援装置。
JP2020162408A 2020-09-28 2020-09-28 運転支援装置 Active JP7313786B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020162408A JP7313786B2 (ja) 2020-09-28 2020-09-28 運転支援装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020162408A JP7313786B2 (ja) 2020-09-28 2020-09-28 運転支援装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022055045A JP2022055045A (ja) 2022-04-07
JP7313786B2 true JP7313786B2 (ja) 2023-07-25

Family

ID=80997716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020162408A Active JP7313786B2 (ja) 2020-09-28 2020-09-28 運転支援装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7313786B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011096105A (ja) 2009-10-30 2011-05-12 Toyota Motor Corp 運転支援装置
WO2014192370A1 (ja) 2013-05-31 2014-12-04 日立オートモティブシステムズ株式会社 車両制御装置
JP2017084114A (ja) 2015-10-28 2017-05-18 本田技研工業株式会社 車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラム
JP2020135393A (ja) 2019-02-19 2020-08-31 マレリ株式会社 運転支援装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011096105A (ja) 2009-10-30 2011-05-12 Toyota Motor Corp 運転支援装置
WO2014192370A1 (ja) 2013-05-31 2014-12-04 日立オートモティブシステムズ株式会社 車両制御装置
JP2017084114A (ja) 2015-10-28 2017-05-18 本田技研工業株式会社 車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラム
JP2020135393A (ja) 2019-02-19 2020-08-31 マレリ株式会社 運転支援装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022055045A (ja) 2022-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2685108C1 (ru) Система поддержки рулевого управления
JP6395274B2 (ja) 駐車支援装置
JP6677822B2 (ja) 車両制御装置
JP2023038213A (ja) 車両用制御システムおよび制御方法
JP7032178B2 (ja) 車両制御装置
CN113212425B (zh) 驾驶辅助装置
JP7470588B2 (ja) 衝突回避支援装置
JP2006199233A (ja) 車両用安全制御装置
JPWO2019043915A1 (ja) 車両並びにその制御装置及び制御方法
JP7155993B2 (ja) 車両の走行制御装置
JP2020175795A (ja) 車両制御装置
CN202175009U (zh) 车辆用驾驶辅助装置
JP2022024323A (ja) 衝突回避支援装置
KR101552017B1 (ko) 성능이 개선된 운전보조시스템 및 그 제어방법
JP4961592B2 (ja) 車両の走行支援装置
JP7301483B2 (ja) 運転支援装置
US20230322214A1 (en) Driver assistance system
JP7313786B2 (ja) 運転支援装置
JP2020032963A (ja) 車両制御装置
JP5614031B2 (ja) 運転支援装置
JP5459002B2 (ja) 車両制御装置
JP2022140032A (ja) 運転支援装置及び車両
JP2022113974A (ja) 運転支援装置
JP2022053297A (ja) 車両の走行制御装置
JP7387241B2 (ja) 車両用制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221227

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7313786

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150