JP7312756B2 - 深みでの応力の大きさが大きいガラス系物品 - Google Patents

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Description

関連出願の説明
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2018年1月24日に出願された米国仮特許出願第62/621241号の米国法典第35編第119条の下で優先権の恩恵を主張するものである。
本開示は、深みで応力の大きさが大きいガラス系物品に関し、より詳しくは、イオン交換されたナトリウムおよびカリウムを含有し、深みで応力の大きさが大きい領域を含む深い圧縮深さを有する応力プロファイルを示すガラス系物品に関する。
ガラス系物品は、多くの場合、そのような物品の表面に大きな傷を導入し得る苛酷な衝撃を経験する。そのような傷は、表面から約200マイクロメートルまでの深さまで延在し得る。従来、そのような傷のガラスへの導入により生じる破損を防ぐために、熱的にテンパリングされたガラスが使用されてきた。何故ならば、熱的にテンパリングされたガラスは、多くの場合、大きい圧縮応力(CS)層(例えば、ガラスの全厚の約21%)を示し、これは、傷がガラス中にさらに伝搬するのを防ぐことができ、それゆえ、破損を防ぐことができるからである。熱的テンパリングにより生じる応力プロファイルの一例が、図1に示されている。図1において、熱処理されたガラス系物品100は、第一面101、厚さt、および表面CS110を有する。この熱処理されたガラス系物品100は、第一面101から、ここに定義されるような圧縮深さ(DOC)130まで減少するCSを示し、その深さで、応力が圧縮応力から引張応力に変化する。引張応力は、120で最大中央張力(CT)に到達する。
熱的テンパリングは、現在、厚いガラス系基板(例えば、約3ミリメートル以上の厚さtを有するガラス系基板)に限定されている。何故ならば、熱強化および所望の残留応力を達成するために、そのような物品の中心部と表面との間に十分な温度勾配を形成しなければならないからである。そのような厚い物品は、ディスプレイ(例えば、携帯電話、タブレット、コンピュータ、ナビゲーションシステム、腕時計などを含む家庭用電子機器)、建築(例えば、窓、シャワーパネル、調理台など)、輸送(例えば、自動車、列車、航空機、船舶など)、電化製品、または破壊抵抗が優れているが、薄く軽量の物品の恩恵を受けるであろう任意の用途などの多くの用途において、望ましくないか、または実際的ではない。
化学強化は、熱的テンパリングと同じようには、ガラス系基板の厚さにより制限されないが、公知の化学強化されたガラス系物品は、熱的にテンパリングされたガラス系物品の応力プロファイルを示さない。化学強化(例えば、イオン交換過程による)により生じる応力プロファイルの一例が、図2に示されている。図2において、化学強化されたガラス系物品200は、第一面201、厚さt、および表面CS210を有する。ガラス系物品200は、第一面201からDOC230まで減少するCS、および最大CT220に到達する引張応力を示す。図2に示されるように、そのようなプロファイルは、実質的に平らなCT領域、またはCT領域の少なくとも一部に沿って一定またはほぼ一定の引張応力を有するCT領域を示す。多くの場合、公知の化学強化されたガラス系物品は、図1に示された最大中央値と比べて、より小さい最大CT値を示す。
物品の落下による破壊に対する耐性および安定な亀裂成長などの改善された性質を示す薄いガラス系物品が必要とされている。
本開示の第1の態様は、ガラス系物品において、厚さ(t)を規定する第一面とその第一面と反対の第二面、およびその第一面と第二面との間の中心を有し、そのガラス系物品は、LiO、イオン交換されたカリウム、およびイオン交換されたナトリウムを含有し;第一面(または第一面より下のある地点)から0.001・tと0.1・tの間の範囲にある頂点まで延在する隆起応力領域、25MPaと750MPaの間(または25MPaから500MPa)の範囲にある頂点での圧縮応力、ここで、第一面と頂点の間の隆起応力領域の少なくとも1つの地点は、25MPa/マイクロメートルから500MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含み、その頂点から延在する減少応力領域であって、頂点から中心に向かって延在する減少応力領域の少なくとも1つの地点が、減少応力領域がこのガラス系物品がゼロの応力値を有する圧縮深さに到達するまで、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように減少する減少応力領域、圧縮深さは0.1・tと0.25・tの間の範囲にあり、圧縮深さから最大引張応力まで延在する引張応力領域を含む応力プロファイルを備える、0.01mmから3mmの厚さを有するガラス系物品に関する。
本開示の別の態様は、ガラス系物品を製造する方法において、0.1モル%と20モル%の間の範囲のLiOを含むガラス系基板中にナトリウムおよびカリウムをイオン交換する工程であって、そのガラス系基板は、厚さ(t)(mm)を規定する第一面とその第一面と反対の第二面、およびその第一面と第二面との間の中心を有し;第一面(または第一面より下のある地点)から0.001・tと0.1・tの間の範囲にある頂点まで延在する隆起応力領域を有し、頂点での圧縮応力は、25MPaから750MPa(または25MPaから500MPa)であり、ここで、第一面と頂点の間の隆起応力領域の少なくとも1つの地点は、25MPa/マイクロメートルから500MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含み、その頂点から延在する減少応力領域であって、頂点から中心に向かって延在する減少応力領域の少なくとも1つの地点が、減少応力領域がこのガラス系物品がゼロの応力値を有する圧縮深さに到達するまで、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように減少する減少応力領域を含み、圧縮深さは0.1・tと0.25・tの間の範囲にあり、圧縮深さから最大引張応力まで延在する引張応力領域を含む応力プロファイルを備え、ここで、ガラス系物品は0.01mmから3mmの厚さを有する工程を有してなる方法に関する。
追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者に容易に明白なる、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載されたような実施の形態を実施することによって認識されるであろう。
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、例示に過ぎず、請求項の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供する意図があることが理解されよう。添付図面は、さらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、1つ以上の実施の形態を示しており、説明と共に、様々な実施の形態の原理および作動を説明する働きをする。
公知の熱的にテンパリングされたガラス系物品の厚さに亘る応力プロファイルの断面図 公知の化学強化されたガラス系物品の厚さに亘る応力プロファイルの断面図 本開示の1つ以上の実施の形態による化学強化されたガラス系物品の厚さに亘る応力プロファイルの断面図 実施例1による、本開示の1つ以上の実施の形態による化学強化されたガラス系物品の厚さに亘る応力プロファイルの断面図 実施例1および2並びに比較例3~6に関する研磨紙上の増分面落下試験の結果を示すグラフ 実施例1および2並びに比較例3~6に関する研磨紙上の増分面落下試験の結果を示すグラフ 漸増引っ掻き試験後の試料の画像 漸増引っ掻き試験後の試料の画像 漸増引っ掻き試験後の試料の画像 漸増引っ掻き試験後の試料の画像 漸増引っ掻き試験後の試料の画像 漸増引っ掻き試験後の試料の画像 厚さtを規定する表面上にコーティングを有するガラス系基板の図 ここに記載されたガラス系物品の1つ以上の実施の形態を組み込んだ電子機器の正面平面図
ここで、その例が付随の実施例および図面に示された、様々な実施の形態を詳しく参照する。
以下の記載において、図面に示されたいくつかの図に亘り、同様の参照文字が、同様または対応する部分を指す。それに加え、群が、複数の要素および組合せの群の少なくとも1つを含むと記載されているときはいつでも、その群は、個別または互いの組合せのいずれかで、列挙されたそれらの要素のいくつを含んでも、それからなっても、またはからなってもよいと理解される。同様に、群が、複数の要素または組合せの群の少なくとも1つからなると記載されているときはいつでも、その群は、個別または互いの組合せのいずれかで、列挙されたそれらの要素のいくつからなってもよいと理解される。特に明記のない限り、値の範囲は、列挙された場合、その範囲の上限と下限の両方、並びにそれらの間の任意の範囲を含む。ここに用いられているように、名詞は、特に明記のない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の対象を指す。本明細書および図面に開示された様々な特徴は、いずれと全ての組合せで使用されても差し支えないことも理解される。
ここに用いられているような方向を示す用語-例えば、上、下、右、左、前、後ろ、上部、底部、内側、外側-は、描かれた図面に関してのみ用いられ、絶対的な向きを暗示する意図はない。
ここに用いられているように、「ガラス系」という用語は、ガラス、ガラスセラミック、およびサファイヤを含む、ガラスから少なくとも部分的に製造された任意の材料を含むことが意図されている。「ガラスセラミック」は、ガラスの制御された結晶化により製造された材料を含む。実施の形態において、ガラスセラミックは、約1%から約99%の結晶化度を有する。適切なガラスセラミックの例としては、LiO・Al・SiO系(すなわち、LAS系)ガラスセラミック、MgO・Al・SiO系(すなわち、MAS系)ガラスセラミック、ZnO・Al・nSiO系(すなわち、ZAS系)ガラスセラミック、および/またはβ-石英固溶体、β-スポジュメン、コージエライト、および二ケイ酸リチウムを含む主結晶相を含むガラスセラミックが挙げられるであろう。そのガラスセラミック基板は、ここに開示された化学強化過程を使用して強化されることがある。1つ以上の実施の形態において、MAS系ガラスセラミック基板は、LiSO溶融塩中で強化されることがあり、それによって、Mg2+の2Liによる交換が起こり得る。特に明記のない限り、全ての組成は、モルパーセント(モル%)で表されている。
ここに用いられているように、「約」という用語は、量、サイズ、配合、パラメータ、および他の数量と特徴が、正確ではなく、正確である必要ないが、許容範囲、変換係数、丸め、測定誤差など、および当業者に公知の他の要因を反映して、要望通りに、近似および/またはより大きいかより小さいことがあることを意味する。値または範囲の端点を記載する上で、「約」という用語が使用されている場合、その開示は、言及されているその特定の値または端点を含むと理解すべきである。明細書における数値または範囲の端点に「約」が付いていようとなかろうと、その数値または範囲の端点は、以下の2つの実施の形態:「約」で修飾されているもの、および「約」で修飾されていないものを含むことが意図されている。それらの範囲の各々の端点は、他方の端点に関してと、他方の端点に関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
ここに用いられているような、「実質的」、「実質的に」などの用語、およびその変種は、記載された特徴が、ある値または記載と等しいまたはほぼ等しいことを指摘する意図がある。例えば、「実質的に平らな」表面は、平らまたはほぼ平らである表面を意味する意図がある。さらに、「実質的に」は、2つの値が等しいまたはほぼ等しいことを意味する意図がある。いくつかの実施の形態において、「実質的に」は、互いの約5%以内、または互いの約2%以内など、互いの約10%以内の値を意味することがある。
特に明記のない限り、全ての温度は、セ氏温度(℃)で表されている。
概して図面を参照すると、説明図は、特定の実施の形態を記載する目的のためであり、本開示または付随の特許請求の範囲をそれに限定する意図はないことが理解されよう。図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、図面の特定の特徴および特定の視野は、明瞭さと簡潔さのために、縮尺および図式において誇張されて示されることがある。
ここに用いられているように、「化学深さ」、「層の化学深さ」および「化学層の深さ」という用語は、交換可能に使用されることがあり、電子プローブマイクロアナリシス法(EPMA)またはグロー放電発光分光法(GD-OES)により決定されるような、金属酸化物またはアルカリ金属酸化物のイオン(例えば、金属イオンまたはアルカリ金属イオン)がガラス系物品中に拡散する深さ、およびそのイオンの濃度が最小値に到達する深さを称する。詳しくは、NaO拡散の深さまたはNaイオン濃度は、PEMAおよび表面応力計(下記により詳しく記載されている)を使用して、決定されることがある。
特に明記のない限り、圧縮は、負(<0)の応力と表わされ、引張は、正(>0)の応力と表される。しかしながら、この記載全体に亘り、特に明記のない限り、CSは正のまたは絶対値と表される-すなわち、ここに述べられているように、CS=|CS|である。
アルカリ含有ガラスを含むケイ酸塩ガラスなどのガラス、並びに携帯型電子機器およびタッチ式ディスプレイ用のカバーガラスとして使用されることがあるガラスセラミックを含む、薄い化学強化されたガラス系物品が、ここに記載されている。このガラス系物品は、ディスプレイ(またはディスプレイ物品)(例えば、ビルボード、販売時点管理システム、コンピュータ、ナビゲーションシステム、腕時計、電話など)、建築物品(壁、治具、パネル、窓など)、輸送物品(例えば、自動車用途、列車、航空機、船舶などにおける)、電化製品(例えば、洗濯機、乾燥器、食洗機、冷蔵庫など)、またはある程度の耐破壊性から恩恵を受ける任意の物品にも使用されることがある。
詳しくは、ここに記載されたガラス系物品は、薄いものであり、熱的にテンパリングされた厚いガラス系基板(すなわち、約3mm以上の厚さを有する)により典型的に達成できる応力プロファイルを示す。このガラス系物品は、その厚さに沿って独特な応力プロファイルを示す。ある場合には、ここに記載されたガラス系物品は、テンパリングされたガラス系物品よりも大きい表面CSを示す。1つ以上の実施の形態において、そのガラス系物品は、公知の化学強化されたガラス系物品よりも深くガラス系物品中に延在する圧縮応力層(CSは一層徐々に増減する)を有し、そのようなガラス系物品は、そのガラス系物品またはそれを備えた機器が、硬質表面(例えば、花崗岩)または硬い粗面(例えば、アスファルト)に落とされたときでさえ、相当改善された破壊抵抗を示す。1つ以上の実施の形態のガラス系物品は、いくつかの公知の化学強化されたガラス系物品よりも大きい最大中央張力(CT)値を示す。さらに、1つ以上の実施の形態によれば、ガラス系基板および携帯型電子機器用のカバーガラスとして使用されるガラス系基板を含むガラス系物品は、既存のガラスと比べて安定した亀裂成長を示す。
圧縮応力(表面CSを含む)は、有限会社折原製作所(日本国)により製造されているFSM-6000などの市販の計器を使用する表面応力測定(FSM)によって測定される。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関連する、応力光学係数(SOC)の精密測定に依存する。次に、SOCは、その内容がここに全て引用される、「Standard Test Method for Measurement of Glass Stress-Optical Coefficient」と題する、ASTM基準C770-16に記載された手順C(ガラスディスク法)にしたがって測定される。
屈折近視野(RNF)法または散乱光偏光器(SCALP)を使用して、応力プロファイルを測定してもよい。応力プロファイルを測定するために、RNF法が使用される場合、SCALPにより与えられる最大CT値がRNF法に利用される。詳しくは、RNF法により測定された応力プロファイルは、SCALP測定により与えられる最大CT値に対して力平衡され、較正される。このRNF法は、ここに全てが引用される、「Systems and methods for measuring a profile characteristic of a glass sample」と題する米国特許第8854623号明細書に記載されている。詳しくは、RNF法は、基準ブロックに隣接してガラス物品を配置する工程、1Hzと50Hzの間の速度で直交偏光の間で切り換えられる偏光切替光線を生成する工程、その偏光切替光線の出力量を測定する工程、および偏光切替基準信号を生成する工程を含み、直交偏光の各々の出力の測定量は互いの50%以内にある。この方法は、偏光切替光線を、ガラス試料中の異なる深さについて、ガラス試料および基準ブロックに透過させ、次いで、リレー光学系を使用して、透過した偏光切替光線を信号光検出器に中継する工程をさらに含み、その信号光検出器は偏光切替検出器信号を生成する。この方法は、検出器信号を基準信号で割って、正規化検出器信号を形成する工程、およびその正規化検出器信号からガラス試料の特徴を示すプロファイルを決定する工程も含む。
最大CT値は、SCALPを使用して測定される。ここに用いられているように、圧縮深さ(DOC)は、ここに記載された化学強化されたアルカリアルミノケイ酸塩ガラス物品における応力が圧縮から引張に変化する深さを意味する。DOCは、イオン交換処理に応じてFSMまたはSCALPにより測定することができる。ガラス物品中の応力が、ガラス物品中にカリウムイオンを交換することによって生じている場合、DOCを測定するために、FSMが使用される。応力がガラス物品中にナトリウムイオンを交換することによって生じている場合、DOCを測定するために、SCALPが使用される。ガラス物品中の応力が、ガラス物品中にカリウムイオンとナトリウムイオンの両方を交換することによって生じている場合、DOCはSCALPにより測定される。何故ならば、ナトリウムイオンの交換深さはDOCを表し、カリウムイオンの交換深さは、圧縮応力の大きさの変化(しかし、圧縮から引張への応力の変化ではない)を表すと考えられるからである;そのようなガラス物品中のカリウムイオンの交換深さはFSMにより測定される。
上述したように、ここに記載されたガラス系物品は、イオン交換により化学強化されており、公知の強化されたガラス系物品が示すものと異なる応力プロファイルを示す。本開示において、ガラス系基板は通常、強化されておらず、強化されたガラス系物品は、通常、強化された(例えば、イオン交換により)ガラス系基板を称する。この過程において、そのガラス系物品の表面またはその近くにあるイオンは、同じ価数または酸化状態を有するより大きいイオンにより置換-すなわち、交換-される。そのガラス系物品がアルカリアルミノケイ酸塩ガラスからなる実施の形態において、ガラスの表面層にあるイオンおよびより大きいイオンは、Li(ガラス系物品中に存在する場合)、Na、K、Rb、およびCsなどの一価のアルカリ金属陽イオンである。
イオン交換過程は、一般に、ガラス系基板中のより小さいイオンと交換されるべきより大きいイオンを含有する溶融塩浴(または2つ以上の溶融塩浴)中にガラス系基板を浸漬することによって行われる。水性塩浴を利用してもよいことに留意のこと。それに加え、1つ以上の実施の形態による浴の組成は、複数の種類のより大きいイオン(例えば、NaおよびK)を含む。以下に限られないが、浴の組成と温度、浸漬時間、塩浴(1つまたは複数)中のガラス系物品の浸漬回数、多数の塩浴の使用、徐冷、洗浄などの追加の工程を含む、イオン交換過程のパラメータは、一般に、ガラス系物品の組成(物品の構造および存在する任意の結晶相を含む)、および強化により生じたガラス系物品の所望のDOCおよびCSにより決まることが当業者に認識されるであろう。一例として、ガラス系基板のイオン交換は、以下に限られないが、より大きいアルカリ金属イオンの硝酸塩、硫酸塩、および塩化物などの塩を含有する少なくとも1つの溶融塩浴中へのガラス系基板の浸漬により行われることがある。典型的な硝酸塩としては、KNO3、NaNO3、LiNO、およびその組合せが挙げられる。その溶融塩浴の温度は、典型的に、約350℃から約480℃までの範囲にあり、一方で、浸漬時間は、ガラスの厚さ、浴の温度およびガラス(または一価イオン)の拡散性に応じて、約15分から約100時間に及ぶ。しかしながら、上述したものと異なる温度、および浸漬時間も使用してよい。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス系基板は、ガラスの厚さ、浴の温度およびガラス(または一価イオン)の拡散性に応じて、約15分から約100時間に及ぶ時間に亘り、約350℃から約480℃の温度を有する100%のNaNOまたは100%のKNOの溶融塩浴中に浸漬されることがある。本開示に記載された溶融塩浴において、全ての百分率は質量パーセントである。いくつかの実施の形態において、そのガラス系基板は、ガラスの厚さ、浴の温度およびガラス(または一価イオン)の拡散性に応じて、約15分から約100時間に及ぶ時間に亘り、約350℃から約480℃の温度を有し、約5%から約90%のKNOおよび約10%から約95%のNaNOを含む溶融混合塩浴中に浸漬されることがある。
イオン交換条件は、前記ガラス系物品に隆起領域を提供するために調整することができる。この隆起領域は、ここに記載されたガラス系物品に使用されるガラス組成物の独特な性質のために、単一組成または混合組成を有する、単一浴または多数の浴によって達成することができる。
図3に示されるように、1つ以上の実施の形態によるガラス系物品300は、厚さtを規定する、第一面302およびその第一面と反対の第二面304を有する。1つ以上の実施の形態において、厚さtは、約3ミリメートル以下(例えば、約0.01ミリメートルから約3ミリメートル、約0.1ミリメートルから約3ミリメートル、約0.2ミリメートルから約3ミリメートル、約0.3ミリメートルから約3ミリメートル、約0.4ミリメートルから約3ミリメートル、約0.01ミリメートルから約2.5ミリメートル、約0.01ミリメートルから約2ミリメートル、約0.01ミリメートルから約1.5ミリメートル、約0.01ミリメートルから約1ミリメートル、約0.01ミリメートルから約0.9ミリメートル、約0.01ミリメートルから約0.8ミリメートル、約0.01ミリメートルから約0.7ミリメートル、約0.01ミリメートルから約0.6ミリメートル、約0.01ミリメートルから約0.5ミリメートル、約0.1ミリメートルから約0.5ミリメートル、または約0.3ミリメートルから約0.5リメートルの範囲)であることがある。図3は、厚さtが0.8ミリメートルである実施の形態を示している。
図3において、ガラス系物品300は、第一面302から第二面304まで(または厚さtの全寸法に沿って)延在する応力プロファイル301を有し、その第一面と第二面の間に中心(0.5tにあり、概して、最大CT320の地点に相当する)がある。図3において、引張応力は負として示されており、圧縮応力は正として示されている。図3に示された実施の形態において、ここに記載されたようなSCALPおよびRNFにより測定された応力プロファイル301が示されている。y軸は応力値を表し、x軸はガラス系物品内の厚さまたは深さを表す。さらに、応力プロファイル301は、表面応力310、隆起応力領域315、頂点317、減少応力領域316、応力プロファイル301が圧縮から引張に変化するDOC330、引張応力領域325、および最大引張応力320を含む。図示された実施の形態において、表面応力310は表面CSである。1つ以上の実施の形態において、表面応力310は引張応力であり得る。図3に示されるように、第一面302でのCSは約100MPaである。1つ以上の実施の形態において、第一面302に、-200MPaから0MPa未満の値を有する引張応力があることがある。しかしながら、図3に示された実施の形態において、その第一面に、0MPa超から500MPa、または0MPa超から750MPaの圧縮応力がある。CT層325も、CT領域または層を規定する関連深さまたは長さ327(厚さに沿った)を有する。簡単にするために、反対側(図3に示されるような、右側)は、説明されたものと同じ、同様、または異なることがあることを了解の下で、片側(図3に示されるような、左側)が詳しく説明されている。図の半分のCT層325は、DOC330と最大CT320の間の距離に対応するのに対し、全応力プロファイル(この図に示されるような)について、CT層325は、片側のDOC330から反対側のDOC330までの全距離327を含む。DOCは、0.1・tから0.25・tの範囲にあることがある。このガラス系物品は、0.01mmから3mmの厚さを有する。
隆起応力領域315は、第一面302(または第一面より下のある地点)から頂点317まで延在する。いくつかの実施の形態において、頂点は0.001・tと0.1・tの間の範囲にある。具体的な実施の形態において、その頂点は0.003・tから0.03・tである。ここに用いられているように、「頂点」は、隆起応力領域の最上部または最高部を称し、極大値であることがある(いくつかの実施の形態において、頂点は、表面CSより高いことがあり、それゆえ、全体の最大CSであることがあり、他の実施の形態において、頂点は、表面CSより低いことがあり、全体の最大値ではないことがある)。図3に示されるように、1つ以上の実施の形態において、隆起応力領域315における圧縮応力は、第一面302(または第一面302より下のある地点)から頂点317まで上昇する。同様に、第二面304に関して、第2の隆起応力領域315は、第二面304(または第二面304より下のある地点)から0.999・tと0.9・tの間の範囲にある頂点317まで延在する。具体的な実施の形態において、その頂点は0.997・tから0.97・tである。頂点317は、25MPaから500MPa(または25MPaから500MPa)のCSを有する。1つ以上の実施の形態において、その頂点でのCSは、表面応力より高くなる。具体的な実施の形態において、頂点317でのCSは、100MPaから300MPaである。具体的な実施の形態において、頂点317は、25MPaから750MPa、または25MPaから700MPa、または25MPaから650MPa、または25MPaから600MPa、または25MPaから550MPa、または25MPaから575MPa、25MPaから450MPa、25MPaから400MPa、25MPaから350MPa、25MPaから300MPa、25MPaから250MPa、25MPaから200MPa、25MPaから150MPa、25MPaから100MPa、25MPaから50MPa、50MPaから450MPa、50MPaから400MPa、50MPaから350MPa、50MPaから300MPa、50MPaから250MPa、50MPaから200MPa、50MPaから150MPa、50MPaから100MPa、100MPaから450MPa、100MPaから400MPa、100MPaから350MPa、100MPaから300MPa、100MPaから250MPa、100MPaから200MPa、100MPaから150MPa、150MPaから750MPa、150MPaから700MPa、150MPaから650MPa、150MPaから600MPa、150MPaから550MPa、150MPaから500MPa、150MPaから450MPa、150MPaから400MPa、150MPaから350MPa、150MPaから300MPa、150MPaから250MPa、150MPaから200MPa、200MPaから750MPa、200MPaから700MPa、200MPaから650MPa、600MPaから550MPa、200MPaから500MPa、200MPaから450MPa、200MPaから400MPa、200MPaから350MPa、200MPaから300MPa、または200MPaから250MPaの圧縮応力を有する。
いくつかの実施の形態において、隆起応力領域315の全ての地点は、25MPa/マイクロメートルから500Mpa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。いくつかの実施の形態において、隆起応力領域315の少なくとも1つの地点は、25MPa/マイクロメートルから500Mpa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。ここに用いられているように、応力プロファイルが、「値を持つ勾配を有する正接」を有すると記載されている場合、応力プロファイルを表す数式、または曲線が、その曲線に沿った1つ以上の地点でそのような正接を含むことを理解すべきである。他の実施の形態において、隆起応力領域315は、平らな区分を含まない、または実質的に含まない。
いくつかの実施の形態において、隆起応力領域315は、第一面302と頂点317の間に延在する増加応力領域312を含む。いくつかの実施の形態において、増加応力領域312における応力プロファイルの少なくとも1つの地点は、20MPa/マイクロメートルから200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。いくつかの実施の形態において、増加応力領域312の全ての地点は、20MPa/マイクロメートルから200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。他の実施の形態において、増加応力領域312は平らな区分を含まない。1つ以上の実施の形態において、隆起応力領域315は、第一面302の下に埋まっている、すなわち、隆起応力領域315は、基板の厚さ方向に沿って第一面302の下の位置から延在し、その厚さの中心に向かって延在する。いくつかの実施の形態において、第2の隆起応力領域が、第二面304の下に同様に埋まっている。
減少応力領域316が、頂点317とDOCの間に延在する。いくつかの実施の形態において、減少応力領域316の全ての地点は、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。いくつかの実施の形態において、減少応力領域316の少なくとも1つの地点は、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。他の実施の形態において、減少応力領域316は、平らな区分を含まない、または実質的に含まない。
1つ以上の実施の形態において、頂点317と中心(最大CT320の地点での)の間の応力プロファイルの全ての地点は、べき指数を有するべき乗則プロファイルの形態にあり、そのべき指数は約1.2から3.4である。いくつかの実施の形態において、頂点317と中心の間の応力プロファイルの全ての地点は、べき指数が約1.3から約2.8であるべき乗関数を形成する。ここに用いられているように、「べき乗関数」は、応力が深さまたは厚さに指数関数的に比例する曲線を称する。
図3に示された応力プロファイルは、2段階イオン交換過程により達成することができる。ここに記載され、図3に例示された応力プロファイルは、第一面302および第二面304の下のプロファイルの深い領域で著しく高い応力を与える。1つ以上の実施の形態において、そのような応力プロファイルは、ガラス内の多数のイオンの拡散により向上させることができる。LiOを含有するガラス系基板は、カリウム(K)、ナトリウム(Na)およびリチウム(Li)を同時に交換することができ(例えば、塩浴中のナトリウムを、ガラス系基板中のリチウムとそのガラス系基板中に交換すると同時に、塩浴中のカリウムを-元々ガラス系基板中にある、またはガラス系基板中のリチウムとそのガラス系基板中に交換されたのいずれかの-ナトリウムとガラス系基板中に交換することにより)、ナトリウムガラス系基板中の単一のカリウムイオン交換により達成される妥当なイオン交換時間で得るのが難しいであろう独特な応力プロファイルの生成を可能にする。1つ以上の実施の形態によれば、3種類のイオンを同時にイオン交換すると、独特な応力プロファイルを持つイオン交換されたガラス系物品が製造される。
1つ以上の実施の形態において、従来のイオン交換されたガラス系物品と比べて、より高い圧縮応力を深みで生じることが可能である。それゆえ、応力が、内部よりもガラス系基板の表面で低く、隆起応力領域が表面でよりも高い応力を持つ頂点を有することができる応力プロファイルを有するガラス系物品を提供することが可能である。あるいは、応力は、隆起応力領域の頂点でよりも表面で高いことがあり得、いくつかの実施の形態において、このことは、追加のイオン交換工程により達成することができる。1つ以上の実施の形態において、耐引掻性フイルム/コーティングを、そのガラス系物品の第一面または第二面の一方または両方に堆積させることができる。そのような耐引掻性コーティングを含む実施の形態において、そのガラス系基板の表面での高い応力は、引っ掻き傷を避けるためには必要ない。1つ以上の実施の形態において、第一面の下の深みでの隆起応力領域は、改善された落下性能または他の所望の属性を与えるために使用することができる。1つ以上の実施の形態によれば、ここに与えられた独特な応力プロファイルは、既存のガラス系物品と比べて改善された引っ掻き挙動を与えることができる。
ここで図4を参照すると、図3に示された応力プロファイルと似た領域を持つ応力プロファイル401を有するガラス系物品400のいくつかの実施の形態が示されている。しかしながら、図4に示されたガラス系物品の応力プロファイルにおいて、表面で比較的高い表面応力領域がある。1つ以上の実施の形態によるガラス系物品400は、厚さtを規定する第一面402およびその第一面と反対にある第二面404を備え、その第一面と第二面の間に中心(0.5tであり、概して、最大CT420の地点に相当する)がある。
図4において、ガラス系物品400は、第一面402から第二面404に(または厚さtの全寸法に沿って)延在する応力プロファイル401を含む。図4は、ここに記載されたようなSCALPまたはRNFにより測定される、応力プロファイル401を示す。y軸は応力値を表し、x軸はガラス系物品内の深さまたは厚さを表す。この例において、厚さ(t)は800マイクロメートル(μm)である。
図4に示されるように、応力プロファイル401は、CS層414およびCT領域425(最大CT420を有する)、並びに応力プロファイル401が圧縮から引張に変化するDOC430を含む。CS層414は、表面応力領域413(またはスパイク領域)、移行部421、隆起応力領域415、頂点417、および減少応力領域416を含む。CT層425は、CT領域または層を規定する関連する深さまたは長さ427(厚さに沿った)を有する。簡単にするために、反対側(図4に示されるような、右側)は、説明されたものと同じ、同様、または異なることがあることを了解の下で、片側(図4に示されるような、左側)が詳しく説明されている。図の半分のCT層425は、DOC430と最大CT420の間の距離に対応するのに対し、全応力プロファイル(この図に示されるような)について、CT層425は、片側のDOC430から反対側のDOC430までの全距離427を含む。
第一面402での応力は、0から1500MPaであり得る。1つ以上の実施の形態において、第一面402での表面応力は、約150MPaから1500MPa、または約200MPaから約1500MPa、または約300MPaから約1500MPa、または約400MPaから約1500MPa、または約500MPaから約1500MPa、または約600MPaから約1500MPaである。先の範囲のいずれかの最大表面応力は、800MPa、900MPa、1000MPa、1100MPa、または1200MPaであることがある。1つ以上の実施の形態において、第一面での圧縮応力は、650MPaから1100MPaである。図4において、第一面402でのCSは約1000MPaである。
表面応力領域413は、第一面402と移行部421の間に延在する。表面応力領域413は、表面応力領域の最大値419での第一面402から、移行部421を与える表面応力領域の最小値まで移動して大きさが減少する圧縮応力を有する。いくつかの実施の形態において、表面応力領域413の全ての地点は、-25MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。具体的な実施の形態において、表面応力領域413の全ての地点は、-30MPa/マイクロメートルから-170MPa/マイクロメートル、より具体的な実施の形態において、-35MPa/マイクロメートルから-140MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。いくつかの実施の形態において、表面応力領域413における応力プロファイルの少なくとも1つの地点は、-25MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。具体的な実施の形態において、表面応力領域413における応力プロファイルの少なくとも1つの地点は、-30MPa/マイクロメートルから-170MPa/マイクロメートル、より具体的な実施の形態において、-35MPa/マイクロメートルから-140MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。いくつかの実施の形態において、表面応力領域413は、平らな区分を含まない、または実質的に含まない。表面応力領域413は、スパイク領域と称されることもある。
隆起応力領域415は、増加応力領域412を含む。増加応力領域412は、その増加応力領域412の全ての地点、または少なくとも1つの地点が、20MPa/マイクロメートルから200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、移行部421と頂点417の間に延在する。1つ以上の実施の形態において、隆起応力領域415は、第一面402の下に埋まっている。いくつかの実施の形態において、第2の隆起応力領域415が、第二面404の下に同様に埋まっている。いくつかの実施の形態において、増加応力領域412の全ての地点は、20MPa/マイクロメートルから200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。いくつかの実施の形態において、増加応力領域412における応力プロファイルの少なくとも1つの地点は、20MPa/マイクロメートルから200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。いくつかの実施の形態において、増加応力領域412は、どのような平らな区分も含まない。
頂点417は0.001・tと0.1・tの間の範囲にあることがある。具体的な実施の形態において、頂点417は0.003・tから0.03・tである。同様に、第二面404に関して、いくつかの実施の形態において、第2の隆起応力領域415は、第二面404の地点(または第二面404より下のある地点)から0.999・tと0.9・tの間の範囲にある頂点417まで延在する。具体的な実施の形態において、その頂点は0.997・tから0.97・tである。頂点417は、25MPaから500MPa(または25MPaから750MPa)のCSを有する。1つ以上の実施の形態において、その頂点でのCSは、表面応力より低くなる。具体的な実施の形態において、頂点417でのCSは、100MPaから300MPaである。具体的な実施の形態において、頂点417は、25MPaから750MPa、25MPaから700MPa、25MPaから650MPa、25MPaから600MPa、25MPaから550MPa、25MPaから500MPa、25MPaから450MPa、25MPaから400MPa、25MPaから350MPa、25MPaから300MPa、25MPaから250MPa、25MPaから200MPa、25MPaから150MPa、25MPaから100MPa、25MPaから50MPa、50MPaから450MPa、50MPaから400MPa、50MPaから350MPa、50MPaから300MPa、50MPaから250MPa、50MPaから200MPa、50MPaから150MPa、50MPaから100MPa、100MPaから450MPa、100MPaから400MPa、100MPaから350MPa、100MPaから300MPa、100MPaから250MPa、100MPaから200MPa、100MPaから150MPa、150MPaから750MPa、150MPaから700MPa、150MPaから650MPa、150MPaから600MPa、150MPaから550MPa、150MPaから500MPa、150MPaから450MPa、150MPaから400MPa、150MPaから350MPa、150MPaから300MPa、150MPaから250MPa、150MPaから200MPa、200MPaから750MPa、200MPaから700MPa、200MPaから650MPa、200MPaから600MPa、200MPaから550MPa、200MPaから500MPa、200MPaから450MPa、200MPaから400MPa、200MPaから350MPa、200MPaから300MPa、または200MPaから250MPaの範囲のCSを有する。
図4に示されるように、表面応力領域413および隆起応力領域415により、応力プロファイルが、頂点417まで上昇する前に、表面から中心に向かって減少することができる。
減少応力領域416が、頂点417とDOC430の間に延在する。いくつかの実施の形態において、減少応力領域416の全ての地点は、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。いくつかの実施の形態において、減少応力領域416における応力プロファイルの少なくとも1つの地点は、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む。いくつかの実施の形態において、減少応力領域416は、平らな区分を含まない、または実質的に含まない。DOCは、0.1・tから0.25・tであり、引張応力領域425は、DOC430から最大引張応力420まで延在する。
1つ以上の実施の形態において、頂点417と中心の間の応力プロファイルの全ての地点は、べき指数を有するべき乗関数の形態にあり、そのべき指数は約1.2から約3.4である。いくつかの実施の形態において、頂点417と中心の間の応力プロファイルの全ての地点は、べき指数が約1.3から約2.8であるべき乗関数を形成する。ここに用いられているように、「べき乗関数」は、応力が深さまたは厚さに指数関数的に比例する曲線を称する。
1つ以上の実施の形態において、LiOが、0.1モル%と20モル%の間、より具体的な実施の形態において、0.1モル%から10モル%の範囲で前記ガラス系物品および/またはガラス系基板中に存在する。1つ以上の実施の形態において、Pが、0.1モル%と10モル%の間の範囲でそのガラス系物品および/またはガラス系基板中に存在する。1つ以上の実施の形態において、そのガラス系物品および/またはガラス系基板は、KOを含まない。
1つ以上の実施の形態によれば、図4に示されたプロファイル401を有するガラス系物品は、3段階イオン交換過程を使用して製造される。
ここに記載されたガラス系物品は、2段階イオン交換過程または3段階イオン交換過程により製造されることがあり、1段階イオン交換過程により製造されたガラス系物品と比べて、改善された亀裂成長安定性を示す。ここに記載されたガラス系物品は、第一面と第二面の内の一方または両方の上にコーティング、例えば、耐引掻性コーティングをさらに備えることがある。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス系物品は、深さ方向に、またはガラス系物品の厚さtの少なくとも一部に沿って延在するどのような平らな区分も含まない、または実質的に含まない応力プロファイルを含む。言い換えると、その応力プロファイルは、厚さtに沿って、実質的に連続的に増加または減少する。いくつかの実施の形態において、その応力プロファイルは、約10マイクロメートル以上、約50マイクロメートル以上、または約100マイクロメートル以上、または約200マイクロメートル以上の長さを有する深さ方向のどのような平らな区分も含まない、または実質的に含まない。ここに用いられているように、「平らな」という用語は、その区分に沿って、ゼロ勾配までを含む、約5MPa/マイクロメートル未満、または約2MPa/マイクロメートル未満、または約1MPa/マイクロメートル未満、または0.5MPa/マイクロメートル未満、または0.3MPa/マイクロメートル未満、または0.2MPa/マイクロメートル未満、または0.1MPa/マイクロメートル未満の大きさを有する勾配を称する。いくつかの実施の形態において、深さ方向にどのような平らな区分も含まない、または実質的に含まない応力プロファイルの1つ以上の部分が、第一面または第二面のいずれか一方または両方から、約5マイクロメートル以上(例えば、10マイクロメートル以上、または15マイクロメートル以上)のガラス系物品内の深さに存在する。例えば、第一面から約0マイクロメートルから約5マイクロメートル未満の深さに沿って、その応力プロファイルは、平らな区分を含むことがあるが、第一面から約5マイクロメートル以上の深さからは、その応力プロファイルは、平らな区分を含まない、または実質的に含まないことがある。
いくつかの実施の形態において、前記応力プロファイルは、熱処理によって変えることができる。そのような実施の形態において、熱処理は、いずれのイオン交換過程の前に、イオン交換過程の間に、または全てのイオン交換過程の後に、行われてもよい。いくつかの実施の形態において、その熱処理は、表面またはその近くでの応力プロファイルの勾配を減少させることがある。表面でより急なまたはより大きい勾配が望ましいいくつかの実施の形態において、「スパイク」を提供するために、もしくは表面またはその近くで応力プロファイルの勾配を増加させるために、熱処理後のイオン交換過程が利用されることがある。
1つ以上の実施の形態において、前記応力プロファイルは、厚さの一部に沿って変動する金属酸化物の非ゼロ濃度のために生じる。先に述べたように、金属酸化物濃度の変動は、金属酸化物濃度勾配とここに称されることがある。
金属酸化物の濃度は、複数の金属酸化物(例えば、NaOとKOの組合せ)を含むことがある。いくつかの実施の形態において、2種類の金属酸化物が使用され、それらのイオンの半径が互いに異なる場合、浅い深さでは、半径がより大きいイオンの濃度は、半径がより小さいイオンの濃度より大きく、一方で、より深い深さでは、半径がより小さいイオンの濃度は、半径がより大きいイオンの濃度より大きい。例えば、イオン交換過程で1つのNaおよびK含有浴が使用される場合、浅い深さで、ガラス系物品中のKイオンの濃度は、Naイオンの濃度より大きく、一方で、より深い深さでは、Naイオンの濃度は、Kイオンの濃度より大きい。これは、一部には、より小さい一価イオンの代わりにガラス中に交換される一価イオンのサイズのためである。そのようなガラス系物品において、表面またはその近くの区域は、その表面またはその近くでより大きいイオン(例えば、Kイオン)の量が多いために、より大きいCSを含む。このより大きいCSは、表面またはその近くでより急な勾配(例えば、表面での応力プロファイルのスパイク)を有する応力プロファイルにより示されることがある。
1種類以上の金属酸化物の濃度勾配または変動は、この中に先に記載されたように、ガラス系基板を化学強化することによって生じ、ここで、ガラス系基板中の複数の第1の金属イオンが、複数の第2の金属イオンと交換される。その第1の金属イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、およびルビジウムのイオンであることがある。第2の金属イオンは、この第2のアルカリ金属イオンが第1のアルカリ金属イオンのイオン半径より大きいイオン半径を有するという条件で、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムの内の1つのイオンであることがある。第2の金属イオンは、その酸化物(例えば、NaO、KO、RbO、CsO、またはその組合せ)としてガラス系基板中に存在する。
1つ以上の実施の形態において、前記金属酸化物の濃度勾配は、CT層を含む、ガラス系物品の全厚tまたは厚さtの相当な部分に延在する。1つ以上の実施の形態において、金属酸化物の濃度は、CT層中において約0.5モル%以上である。いくつかの実施の形態において、金属酸化物の濃度は、ガラス系物品の全厚に沿って約0.5モル%以上(例えば、約1モル%以上)であることがあり、第一面および/または第二面で最大であり、第一面と第二面の間の地点での値まで実質的に一定に減少する。この地点で、金属酸化物の濃度は、全厚tに沿って最小である;しかしながら、その濃度は、その地点で非ゼロでもある。言い換えると、その特定の金属酸化物の非ゼロ濃度は、厚さtの相当な部分(ここに記載されるような)または全厚tに沿って延在する。いくつかの実施の形態において、その特定の金属酸化物の最低濃度は、CT層内にある。そのガラス系物品中の特定の金属酸化物の総濃度は、約1モル%から約20モル%の範囲にあることがある。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス系物品は、第1の金属酸化物濃度および第2の金属酸化物濃度を含み、その第1の金属酸化物濃度は、約0tから約0.5tの第1の厚さ範囲に沿って約0モル%から約15モル%の範囲にあり、第2の金属酸化物濃度は、約0マイクロメートルから約25マイクロメートル(または約0マイクロメートルから約12マイクロメートル、または約2マイクロメートルから約25マイクロメートル、または約2マイクロメートルから約22マイクロメートル、または約2マイクロメートルから約20マイクロメートル、または約2マイクロメートルから約19マイクロメートル、または約2マイクロメートルから約18マイクロメートル、または約2マイクロメートルから約17マイクロメートル、または約2マイクロメートルから約16マイクロメートル、または約2マイクロメートルから約15マイクロメートル、または約2マイクロメートルから約14マイクロメートル、または約2マイクロメートルから約12マイクロメートル、または約4マイクロメートルから約22マイクロメートル、または約5マイクロメートルから約20マイクロメートル、または約5マイクロメートルから約18マイクロメートル、または約5マイクロメートルから約16マイクロメートル、または約5マイクロメートルから約14マイクロメートル、または約5マイクロメートルから約12マイクロメートル、または約7マイクロメートルから約12マイクロメートル、または約7マイクロメートルから約14マイクロメートル、または約7マイクロメートルから約15マイクロメートル、または約7マイクロメートルから約16マイクロメートル、または約7マイクロメートルから約17マイクロメートル、または約7マイクロメートルから約18マイクロメートル、または約7マイクロメートルから約19マイクロメートル)の第2の厚さ範囲より、約0モル%から約10モル%の範囲にある;しかしながら、第1の金属酸化物および第2の金属酸化物の一方または両方の濃度は、そのガラス系物品の全厚または相当な部分に沿って非ゼロである。そのガラス系物品は、随意的な第3の金属酸化物濃度を含むことがある。第1の金属酸化物はNaOを含むことがあり、一方で、第2の金属酸化物はKOを含むことがある。金属酸化物の濃度は、そのような金属酸化物の濃度勾配を含むように変更される前に、ガラス系基板中の金属酸化物の基準量から決定されることがある。
いくつかの実施の形態において、前記ガラス系基板は、ダウンドロー技術(例えば、フュージョンドロー法、スロットドロー法、および他の同様の方法)によりガラス系基板の形成を可能にする高い液相粘度を有し、このダウンドロー技術は高精度の表面の平滑さを与えることができる。ここに用いられているように、「液相粘度」という用語は、液相温度での溶融ガラスの粘度を称し、ここで「液相温度」という用語は、溶融ガラスが溶融温度から冷めるときに結晶が最初に現れる温度(または温度が室温から上昇させられるときに、一番最後の結晶が溶け去る温度)を称する。一般に、ここに記載されたガラス系基板(または物品)を製造するために使用されるガラスは、約100キロポアズ(kP)以上の液相粘度を有する。ダウンドロー加工可能性のために、より高い液相粘度が望ましい状況において、そのガラス系基板(または物品)を製造するために使用されるガラスは、約200kP以上(例えば、約300kP以上、または約400kP以上、または約500kP以上、または600kP以上)の液相粘度を示す。その液相粘度は、以下の方法によって決定される。最初に、ガラスの液相温度は、「Standard Practice for Measurement of Liquidus Temperature of Glass by the Gradient Furnace Method」と題するASTM C829-81(2015)にしたがって測定される。次に、その液相温度でのガラスの粘度が、「Standard Practice for Measuring Viscosity of Glass Above the Softening Point」と題するASTM C965-96(2012)にしたがって測定される。
ある場合には、前記ガラス系物品は、ここに記載された概念にしたがう圧縮応力プロファイルを含むときに、同じガラス系物品がここに記載された概念にしたがう圧縮応力プロファイルを含まない場合よりも、改善された落下破壊性能を示す。破壊性能は、ここに記載されたような、落下試験により評価される。
落下試験について、30グリットまたは80グリットいずれかの炭化ケイ素またはアルミナ人工研磨紙の研磨表面を使用する。落下試験のあるバージョンにおいて、コンクリートまたはアスファルトのいずれよりも一貫性のある表面トポグラフィー、および所望のレベルの試験片表面損傷を生じる粒径と鋭さを有するので、30グリットを有する研磨紙が使用される。ここに用いられているように、「破壊」という用語は、基板が落とされたとき、または物体と衝突したときに、基板の全厚および/または全表面に亘り亀裂が伝搬することを意味する。
落下試験を行うために、ガラス系物品をカバーガラスとしてi-phone(登録商標)に取り付ける。次に、このスマートフォンを、上向きの研磨表面(180グリットの研磨紙、または30グリットの研磨紙のいずれかと規定される)上に面落下させる(すなわち、カバーガラスが下向きで)。この研磨紙は、標準アルミニウム試験台上に支持されている。最初に、スマートフォンを20cmの高さから落下させる。ガラス系物品が破壊しない場合、同じ研磨紙上に10cm高い(すなわち、30cmの)高さから同じように、スマートフォンを再び落下させる。スマートフォンが再び、先の落下高さに耐えた場合、高さを10cm増加させ、最大落下高さが得られるまで、そのようにする。最大落下高さは、規定の試験最大値、または破壊によるガラス系物品の破損のいずれかである。試料が特定の落下高さで破損した場合、その落下高さは、黒の点で示され、したがって、その試料は、黒の点で示された高さより10cm低い落下高さに耐えた。試料が最大落下高さに合格した場合、それは、灰色の点で示される。したがって、例えば、図5を見ると、実施例1について、4つの試料が220cmの最大落下高さに合格し、耐えた平均落下高さは、その図に示された10の試料について192cmであった。各試料について、新たな研磨紙を使用し、その同じ研磨紙を、その試料の全ての落下高さに使用する。
図5は、180グリットの研磨紙、および220cmの試験最大高さを使用した、様々な試料(実施例1および2、並びに比較例3~6)に関する落下試験の結果を示している。図6は、30グリットの研磨紙、および220cmの試験最大高さを使用した、様々な試料(実施例1および2、並びに比較例3~6)に関する落下試験の結果を示しており、試料の各々は、図5の落下試験に以前に耐えたものであった、すなわち、各々は、180グリットの研磨紙上への220cmの最大落下高さに耐えた。図6において、試料のいずれも、最大限の220cmの落下高さに耐えられなかったが、例えば、実施例1について、4つの試料の内の4つ(すなわち、100%)が50cm以上の最大高さに耐えたと言える。
ここに記載されたような落下試験を使用して、所定の高さから落とされたときのガラス系物品の生存率を決定するために、ガラス系物品の少なくとも5つの同一の(またはほぼ同一の)試料(すなわち、ほぼ同じ組成、および強化されている場合には、ほぼ同じ圧縮応力および圧縮深さ/層の深さを有する)を試験するが、試験結果の信頼水準を上昇させるために、より多い数(例えば、10、20、30など)の試料に試験を行ってもよい。各試料を、次第に高い高さから落下させ、破壊が生じない場合には、所定の高さに到達するまで落下させ、破壊の証拠(試料の全厚および/または全表面に亘る亀裂の形成および伝搬)について、目視で(すなわち、裸眼で)検査する。所定の高さから落とした後に破壊が観察されない場合、試料は、落下試験に「耐えた」と考えられ、試料が所定の高さ以下の高さから落とされたときに、破壊が観察された場合、試料は「落第した(または耐えられなかった)」と考えられる。生存率は、落下試験に耐えた試料群の割合と決定される。例えば、所定の高さから落とされたときに、10個の群の内の7個が破壊されなかった場合、そのガラスの生存率は70%である。
上述した落下試験を行ったときに、ここに記載されたガラス系物品の実施の形態は、規定の高さから規定のグリットの研磨紙上に落とされたときに、約60%以上の生存率を有する。例えば、ガラス系物品は、5つの同一の(またはほぼ同一の)試料(先に記載されるような)の内の3つが、規定の高さ(ここでは100cm)から落とされたときに破壊されずに落下試験に耐えた場合、所定の高さから落とされたときに60%の生存率を有すると記載される。他の実施の形態において、強化されているガラス系物品の100cmの落下試験(180グリットの研磨紙による)における生存率は、約70%以上、他の実施の形態において、約80%以上、さらに他の実施の形態において、約90%以上である。他の実施の形態において、落下試験(30グリットの研磨紙による)において50cmの高さから落とされた強化されたガラス系物品の生存率は、約60%以上、他の実施の形態において、約70%以上、さらに他の実施の形態において、約80%以上、また他の実施の形態において、約90%以上である。1つ以上の実施の形態において、落下試験(180グリットの研磨紙による)において225cmの高さから落とされた強化されたガラス系物品の生存率は、約50%以上、他の実施の形態において、約60%以上、他の実施の形態において、約70%以上、さらに他の実施の形態において、約80%以上、また他の実施の形態において、約90%以上である。いくつかの実施の形態において、落下試験(180グリットの研磨紙による)に耐える強化されたガラス系物品に関する平均落下高さ(試験した少なくとも10の試料について)は、約150cm以上、いくつかの実施の形態において、約160cm以上、いくつかの実施の形態において、約170cm以上、いくつかの実施の形態において、約180cm以上、いくつかの実施の形態において、約190cm以上である。いくつかの実施の形態において、落下試験(30グリットの研磨紙による)に耐える強化されたガラス系物品に関する平均落下高さ(試験した少なくとも2の試料について)は、約40cm以上、いくつかの実施の形態において、約50cm以上、いくつかの実施の形態において、約60cm以上、いくつかの実施の形態において、約70cm以上である。
ここに記載されたガラス系物品は、透明であることがある。1つ以上の実施の形態において、そのガラス系物品は、約1マイクロメートル以下の厚さを有し、約380nmから約780nmの範囲の波長に亘り約88%以上の透過率を示すことがある。1つ以上の実施の形態において、そのガラス系物品は、0.8mmのガラス系物品が試験される落下試験に、180グリットの研磨紙が使用される場合、平均で100cm超の落下性能を示す。
基板の選択は、陽イオンの拡散性に関して、特に限定されない。ある場合には、ガラス系物品は、イオン交換のために高い陽イオン拡散性を有すると記載されることがある。1つ以上の実施の形態において、ガラスまたはガラスセラミックは、例えば、拡散性が、500μm/時超である、または460℃で450μm/時超と特徴付けられることがある場合、速いイオン交換能を有する。1つ以上の実施の形態において、そのガラスまたはガラスセラミックは、460℃で約450μm/時以上または460℃で約500μm/時以上であるナトリウムイオン拡散性を示す。1つ以上の実施の形態において、そのガラスまたはガラスセラミックは、460℃で約450μm/時以上または460℃で約500μm/時以上であるカリウムイオン拡散性を示す。
前記ガラス系物品は、非晶質基板、結晶基板またはその組合せ(例えば、ガラスセラミック基板)を含むことがある。1つ以上の実施の形態において、そのガラス系基板(ここに記載されたように、ガラス系物品に化学強化される前の)は、モルパーセント(モル%)で表して、約40から約80の範囲のSiO、約10から約30の範囲のAl、約0から約10の範囲のB、約0から約20の範囲のRO、および約0から約15の範囲のROを含むガラス組成を含むことがある。ここに用いられているように、ROは、LiO、NaO、KO、RbO、およびCsOなどのアルカリ金属酸化物の総量を称する。ここに用いられているように、ROは、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnOなどのアルカリ土類金属酸化物の総量を称する。ある場合には、その組成は、約0モル%から約5モル%の範囲のZrOおよび約0から約15モル%の範囲のPのいずれか一方または両方を含むことがある。TiOが、約0モル%から約2モル%で存在し得る。
いくつかの実施の形態において、前記ガラス組成は、モル%で表して、約45から約80、約45から約75、約45から約70、約45から約65、約45から約60、約45から約65、約45から約65、約50から約70、約55から約70、約60から約70、約60から約72、約68から約75、約70から約75、約70から約72、約50から約65、または約60から約65の範囲の量でSiOを含むことがある。
いくつかの実施の形態において、前記ガラス組成は、モル%で表して、約5から約28、約5から約26、約5から約25、約5から約24、約5から約22、約5から約20、約6から約30、約6から約10、約8から約30、約10から約30、約12から約30、約14から約30、15から約30、約12から約18、約6から約28、約6から約26、約6から約25、約6から約24、約6から約22、約6から約20、約6から約19、約7から約18、約7から約17、約7から約16、約7から約15、約7から約28、約7から約26、約7から約25、約7から約24、約7から約22、約7から約20、約7から約19、約7から約18、約7から約17、約7から約16、約7から約15、約8から約28、約8から約26、約8から約25、約8から約24、約8から約22、約8から約20、約8から約19、約8から約18、約8から約17、約8から約16、約8から約15、約9から約28、約9から約26、約9から約25、約9から約24、約9から約22、約9から約20、約9から約19、約9から約18、約9から約17、約9から約16、約9から約15、約10から約28、約10から約26、約10から約25、約10から約24、約10から約22、約10から約20、約10から約19、約10から約18、約10から約17、約10から約16、約10から約15、約11から約28、約11から約26、約11から約25、約11から約24、約11から約22、約11から約20、約11から約19、約11から約18、約11から約17、約11から約16、約11から約15、約12から約28、約12から約26、約12から約25、約12から約24、約12から約22、約12から約20、約12から約19、約12から約18、約12から約17、約12から約16、約12から約15の範囲の量でAlを含むことがある。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス組成は、モル%で表して、約0から約8、約0から約6、約0から約4、約0.1から約10、約0.1から約8、約0.1から約6、約0.1から約4、約0.5から約5、約1から約10、約2から約10、約4から約10、約2から約8、約0.1から約5、または約1から約3の範囲の量でBを含むことがある。ある場合には、そのガラス組成は、Bを含まない、または実質的に含まないことがある。ここに用いられているように、組成の成分に関する「実質的に含まない」または「含まない」という句は、その成分が、最初のバッチ配合中にその組成に能動的にまたは意図的に添加されていないが、約0.001モル%未満の量で不純物として存在することがあることを意味する。
いくつかの実施の形態において、前記ガラス組成は、MgO、CaOおよびZnOなどのアルカリ土類金属酸化物を1種類以上含むことがある。いくつかの実施の形態において、その1種類以上のアルカリ土類金属酸化物の総量は、約15モル%までの非ゼロ量であることがある。1つ以上の具体的な実施の形態において、アルカリ土類金属酸化物のいずれかの総量は、約14モル%まで、約12モル%まで、約10モル%まで、約8モル%まで、約6モル%まで、約4モル%まで、約2モル%まで、または約1.5モル%までの非ゼロ量であることがある。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリ土類金属酸化物のモル%で表された総量は、約0.01から10、約0.01から8、約0.01から6、約0.01から5、約0.05から10、約0.05から2、または約0.05から1の範囲にあることがある。MgOの量は、約0モル%から約5モル%(例えば、約0.001から約1、約0.01から約2、または約2から約4、約1から約4)の範囲にあることがある。CaOの量は、約0モル%から約5モル%(例えば、約0.001から約1、約0.01から約2、または約2から約4、約1から約4)の範囲にあることがある。ZnOの量は、約0から約3モル%、約0から約2モル%(例えば、約1モル%から約2モル%)の範囲にあることがある。CaOの量は、約0モル%から約2モル%(例えば、約1から約2)であることがある。1つ以上の実施の形態において、そのガラス組成は、MgOを含むことがあり、CaOおよびZnOを含まない、または実質的に含まないことがある。1つの変種において、そのガラス組成は、CaOまたはZnOのいずれか一方を含むことがあり、MgO、CaOおよびZnOの他のものを含まない、または実質的に含まないことがある。1つ以上の具体的な実施の形態において、そのガラス組成は、MgO、CaOおよびZnOのアルカリ土類金属酸化物の2つだけを含むことがあり、そのアルカリ土類金属酸化物の第3のものを含まない、または実質的に含まないことがある。いくつかの実施の形態において、MgO+CaO+ZnOの総量は、モル%で表して、約0.1から約14、約0.1から約12、約0.1から約10、約0.1から約9、約0.1から約8、約0.1から約7、約0.1から約6、約0.1から約5である。
前記ガラス組成中のアルカリ金属酸化物ROのモル%で表された総量は、約5から約20、約5から約18、約5から約16、約5から約15、約5から約14、約5から約12、約5から約10、約5から約8、約5から約20、約6から約20、約7から約20、約8から約20、約9から約20、約10から約20、約11から約20、約12から約18、または約14から約18の範囲にあることがある。いくつかの実施の形態において、LiO+NaO+KOの総量は、モル%で表して、約5から約15、約5から約14、約5から約12、約5から約10である。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス組成は、約0モル%から約18モル%、約0モル%から約16モル%、または約0モル%から約14モル%、約0モル%から約12モル%、約0モル%から約10モル%、約0モル%から約8モル%、約0モル%から約6モル%、約0.1モル%から約6モル%、約2モル%から約18モル%、約4モル%から約18モル%、約6モル%から約18モル%、約8モル%から約18モル%、約8モル%から約14モル%、約8モル%から約12モル%、または約10モル%から約12モル%の範囲の量でNaOを含む。いくつかの実施の形態において、その組成は、約4モル%以上のNaOを含むことがある。
いくつかの実施の形態において、LiOおよびNaOの量は、成形性およびイオン交換可能性のバランスをとるために、特定量または比に制御される。例えば、LiOの量が増加するにつれて、液相粘度が低下し、それゆえ、いくつかの成形法を使用するのが妨げられることがある;しかしながら、そのようなガラス組成物は、ここに記載されたように、より深いDOCレベルまでイオン交換される。NaOのその量は、液相粘度を変えることができるが、より深いDOCレベルまでのイオン交換を妨げ得る。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス組成は、約5モル%未満、約4モル%未満、約3モル%未満、約2モル%未満、または約1モル%未満の量でKOを含むことがある。1つ以上の代わりの実施の形態において、そのガラス組成は、KOを含まない、または実質的に含まないことがある。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス組成は、約0モル%から約18モル%、約0モル%から約15モル%、または約0モル%から約10モル%、約0モル%から約8モル%、約0モル%から約6モル%、約0モル%から約4モル%、または約0モル%から約2モル%、約2モル%から約15モル%、約2モル%から約14モル%、約2モル%から約12モル%、約2モル%から約10モル%、約2モル%から約9モル%の量でLiOを含むことがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成は、約1モル%から約20モル%、約2モル%から約10モル%、約4モル%から約10モル%、約5モル%から約15モル%、約5モル%から約10モル%、約6モル%から約10モル%、または約5モル%から約8モル%の量でLiOを含むことがある。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス組成は、Feを含むことがある。そのような実施の形態において、Feは、約1モル%未満、約0.9モル%未満、約0.8モル%未満、約0.7モル%未満、約0.6モル%未満、約0.5モル%未満、約0.4モル%未満、約0.3モル%未満、約0.2モル%未満、約0.1モル%未満、およびそれらの間の全ての範囲と部分的範囲の量で存在することがある。1つ以上の代わりの実施の形態において、そのガラス組成は、Feを含まない、または実質的に含まないことがある。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス組成は、ZrOを含むことがある。そのような実施の形態において、ZrOは、約1モル%未満、約0.9モル%未満、約0.8モル%未満、約0.7モル%未満、約0.6モル%未満、約0.5モル%未満、約0.4モル%未満、約0.3モル%未満、約0.2モル%未満、約0.1モル%未満、および約0.1から約1、約0.1から約0.9、約0.1から約0.8、約0.1から約0.7、約0.1から約0.6、約0.1から約0.5を含む、それらの間の全ての範囲と部分的範囲の量で存在することがある。1つ以上の代わりの実施の形態において、そのガラス組成は、ZrOを含まない、または実質的に含まないことがある。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス組成は、約0モル%から約10モル%、約0モル%から約8モル%、約0モル%から約6モル%、約0モル%から約4モル%、約0.1モル%から約10モル%、約0.1モル%から約8モル%、約2モル%から約8モル%、約2モル%から約6モル%、または約2モル%から約4モル%の範囲のPを含むことがある。ある場合には、そのガラス組成は、Pを含まない、または実質的に含まないことがある。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス組成は、TiOを含むことがある。そのような実施の形態において、TiOは、約6モル%未満、約4モル%未満、約2モル%未満、または約1モル%未満の量で存在することがある。1つ以上の代わりの実施の形態において、そのガラス組成は、TiOを含まない、または実質的に含まないことがある。いくつかの実施の形態において、TiOは、約0.1モル%から約6モル%、または約0.1モル%から約4モル%の範囲の量で存在する。
いくつかの実施の形態において、前記ガラス組成は、様々な組成関係を含むことがある。例えば、そのガラス組成は、約0から約1、約0から約0.5、約0.5から約1、約0から約0.4、約0.4から約1、約0.1から約0.5、または約0.2から約0.4の範囲にあるROの総量(モル%)に対するLiOの量(モル%)の比を含むことがある。
いくつかの実施の形態において、そのガラス組成は、約0から約5(例えば、約0から約4、約0から約3、約0.1から約4、約0.1から約3、約0.1から約2、または約1から約2)の範囲にある、ROの総量(モル%)とAlの量(モル%)の差(RO-Al)を含むことがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成は、約-5から約0の範囲にある、ROの総量(モル%)とAlの量(モル%)の差(RO-Al)を含むことがある。
いくつかの実施の形態において、前記ガラス組成は、約0から約5(例えば、約0から約4、約0から約3、約0.1から約4、約0.1から約3、約1から約3、または約2から約3)の範囲にある、ROの総量(モル%)とAlの量(モル%)の差(RO-Al)を含むことがある。ここに用いられているように、ROは、ここに定義されたような、ROおびROを含む。
いくつかの実施の形態において、そのガラス組成は、約0から約5(例えば、約0から約4、約0から約3、約1から約4、約1から約3、または約1から約2)の範囲にある、Alの量(モル%)に対するROの総量(モル%)の比(RO/Al)を含むことがある。
1つ以上の実施の形態において、そのガラス組成は、約15モル%超(例えば、18モル%超、約20モル%超、または約23モル%超)のAlとNaOの合計量を含む。AlとNaOの合計量は、約30モル%以下、約32モル%以下、または約35モル%以下であることがある。
1つ以上の実施の形態のガラス組成は、約0から約2の範囲にある、ROの総量(モル%)に対するMgOの量(モル%)の比を示すことがある。
いくつかの実施の形態において、前記ガラス組成は、核形成剤を含まない、または実質的に含まないことがある。典型的な核形成剤の例に、TiO、ZrOなどがある。核形成剤は、核形成剤がガラス中の晶子の形成を開始できるガラス中の成分であるという点で機能に関して記載されることがある。
いくつかの実施の形態において、ガラス系基板に使用される組成に、NaSO、NaCl、NaF、NaBr、KSO、KCl、KF、KBr、およびSnOを含む群から選択される少なくとも1種類の清澄剤が約0モル%から約2モル%配合されることがある。1つ以上の実施の形態によるガラス組成が、約0から約2、約0から約1、約0.1から約2、約0.1から約1、または約1から約2の範囲のSnOをさらに含むことがある。ここに開示されたガラス組成は、Asおよび/またはSbを含まない、または実質的に含まないことがある。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、具体的に、約62モル%から約75モル%のSiO、約10.5モル%から約17モル%のAl、約5モル%から約13モル%のLiO、約0モル%から約4モル%のZnO、約0モル%から約8モル%のMgO、約2モル%から約5モル%のTiO、約0モル%から約4モル%のB、約0モル%から約5モル%のNaO、約0モル%から約4モル%のKO、約0モル%から約2モル%のZrO、約0モル%から約7モル%のP、約0モル%から約0.3モル%のFe、約0モル%から約2モル%のMnO、および約0.05モル%から約0.2モル%のSnOを含むことがある。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、約67モル%から約74モル%のSiO、約11モル%から約15モル%のAl、約5.5モル%から約9モル%のLiO、約0.5モル%から約2モル%のZnO、約2モル%から約4.5モル%のMgO、約3モル%から約4.5モル%のTiO、約0モル%から約2.2モル%のB、約0モル%から約1モル%のNaO、約0モル%から約1モル%のKO、約0モル%から約1モル%のZrO、約0モル%から約4モル%のP、約0モル%から約0.1モル%のFe、約0モル%から約1.5モル%のMnO、および約0.08モル%から約0.16モル%のSnOを含むことがある。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、約70モル%から約75モル%のSiO、約10モル%から約15モル%のAl、約5モル%から約13モル%のLiO、約0モル%から約4モル%のZnO、約0.1モル%から約8モル%のMgO、約0モル%から約5モル%のTiO、約0.1モル%から約4モル%のB、約0.1モル%から約5モル%のNaO、約0モル%から約4モル%のKO、約0モル%から約2モル%のZrO、約0モル%から約7モル%のP、約0モル%から約0.3モル%のFe、約0モル%から約2モル%のMnO、および約0.05モル%から約0.2モル%のSnOを含むことがある。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、約52モル%から約65モル%のSiO、約14モル%から約18モル%のAl、約5.5モル%から約7モル%のLiO、約1モル%から約2モル%のZnO、約0.01モル%から約2モル%のMgO、約4モル%から約12モル%のNaO、約0.1モル%から約4モル%のP、および約0.01モル%から約0.16モル%のSnOを含むことがある。いくつかの実施の形態において、その組成は、B、TiO、KOおよびZrOを含まない、または実質的に含まないことがある。
1つ以上の実施の形態において、その組成は、0.5モル%以上のP、NaOおよび必要に応じて、LiOを含むことがあり、ここで、LiO(モル%)/NaO(モル%)<1である。それに加え、それらの組成は、BおよびKOを含まない、または実質的に含まないことがある。いくつかの実施の形態において、その組成は、ZnO、MgO、およびSnOを含むことがある。
いくつかの実施の形態において、その組成は、約58モル%から約65モル%のSiO、約11モル%から約19モル%のAl、約0.5モル%から約3モル%のP、約6モル%から約18モル%のNaO、約0モル%から約6モル%のMgO、および約0モル%から約6モル%のZnOを含むことがある。特定の実施の形態において、その組成は、約63モル%から約65モル%のSiO、約11モル%から約17モル%のAl、約1モル%から約3モル%のP、約9モル%から約20モル%のNaO、約0モル%から約6モル%のMgO、および約0モル%から約6モル%のZnOを含むことがある。
いくつかの実施の形態において、前記組成は、以下の組成関係:RO(モル%)/Al(モル%)<2を含むことがあり、ここで、RO=LiO+NaOである。いくつかの実施の形態において、65モル%<SiO(モル%)+P(モル%)<67モル%である。特定の実施の形態において、RO(モル%)+R’O(モル%)-Al(モル%)+P(モル%)>-3モル%であり、ここで、RO=LiO+NaOであり、R’Oは、その組成中に存在する二価金属酸化物の総量である。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、具体的に、約68モル%から約75モル%のSiO、約0.5モル%から約5モル%のB、約2モル%から約10モル%のLiO、および約1モル%から約4モル%のMgOを含むことがあり、LiO対ROの比は0.5より大きく、1以下であり、ROは、ガラス基板中のLiO、KO、およびNaOの合計(モル%)であり、ガラス基板はTiOを実質的に含まない。この段落のいくつかの実施の形態は、以下:5モル%から約28モル%のAl、0モル%から約6モル%のNaOの内のいずれか1つ以上をさらに含むことがあり;ZrOを実質的に含まず;約-5から約0の、ROとAlの差を有し;約0から約3の、ROとAlの差を有し、ここで、ROは、ガラス基板中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、ZnO、LiO、KO、およびNaOの合計(モル%)であり;約0から約2の、MgO対ROの比を有し、ここで、ROは、ガラス基板中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、およびZnOの合計(モル%)である。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、具体的に、約45モル%から約80モル%のSiO、約5モル%から約28モル%のAl、約0.5モル%から約5モル%のB、約1モル%から約4モル%のMgO、および約2モル%から約10モル%のLiOを含むことがあり、ここで、ROとAlの差は、約-5から約0であり、ここで、ROは、ガラス基板中のLiO、KO、およびNaOの合計(モル%)であり、ガラス基板はTiOを実質的に含まない。この段落のいくつかの実施の形態は、以下のいずれか1つ以上をさらに含むことがある:SiOは、約68モル%から約75モル%の量で存在する;Alは、約5モル%から約20モル%の量で存在する;約0モル%から約6モル%のNaO;このガラスはZrOを実質的に含まず;LiO対ROの比は、0.5超であり、1以下であり;ROとAlの差は、約0から約3であり、ここで、ROは、ガラス基板中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、ZnO、LiO、KO、およびNaOの合計(モル%)であり;MgO対ROの比は、約0から約2であり、ここで、ROは、ガラス基板中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、およびZnOの合計(モル%)である。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、具体的に、約68モル%から約75モル%のSiO、約5モル%から約28モル%のAl、約0.5モル%から約5モル%のB、約1モル%から約4モル%のMgO、および約2モル%から約10モル%のLiOを含むことがあり;ここで、ROとAlの差は、約0から約3であり、ROは、ガラス中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、ZnO、LiO、KO、およびNaOの合計(モル%)であり;このガラスは、TiOを実質的に含まない。この段落のいくつかの実施の形態は、以下のいずれか1つ以上をさらに含むことがある:Alは、約5モル%から約20モル%の量で存在する;約0モル%から約6モル%のNaO;このガラスはZrOを実質的に含まない;ROとAlの差は、約-5から約0であり;MgO対ROの比は、約0から約2であり、ここで、ROは、ガラス基板中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、およびZnOの合計(モル%)であり;LiO対ROの比は、0.5超かつ1以下である。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、具体的に、約68モル%から約75モル%のSiO、約5モル%から約28モル%のAl、約0.5モル%から約5モル%のB、約1モル%から約4モル%のMgO、および約2モル%から約10モル%のLiOを含むことがあり;ここで、MgO対ROの比は、約0から約2であり、ここで、ROは、ガラス中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、およびZnOの合計(モル%)であり;このガラスは、TiOを実質的に含まない。この段落のいくつかの実施の形態は、以下のいずれか1つ以上をさらに含むことがある:Alは、約5モル%から約20モル%の量で存在する;約0モル%から約6モル%のNaO;このガラスはZrOを実質的に含まない;ROとAlの差は、約-5から約0であり;ROとAlの差は、約0から約3であり、ここで、ROは、ガラス中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、ZnO、LiO、KO、およびNaOの合計(モル%)であり;LiO対ROの比は、0.5超かつ1以下である。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、具体的に、約60モル%から約70モル%のSiO、約2モル%から約4モル%のMgO、および約2モル%から約10モル%のLiOを含むことがあり;ここで、LiO対ROの比は、0.5超かつ1以下であり、ここで、ROは、ガラス中のLiO、KO、およびNaOの合計(モル%)であり;このガラスは、TiOを実質的に含まない。この段落のいくつかの実施の形態は、以下のいずれか1つ以上をさらに含むことがある:約5モル%から約28モル%のAl;Alは、約5モル%から約20モル%の量で存在する;約0モル%から約8モル%のB;約0モル%から約6モル%のNaO;約1モル%から約2モル%のCaO;このガラスはZrOを実質的に含まない;ROとAlの差は、約-5から約0であり;MgO対ROの比は、約0から約2であり、ここで、ROは、ガラス中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、およびZnOの合計(モル%)であり;約0モル%から約2モル%のSnO
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、具体的に、約60モル%から約70モル%のSiO、約5モル%から約28モル%のAl、約5モル%未満のMgO、および約2モル%から約10モル%のLiOを含むことがあり、ここで、ROとAlの差は、約0から約3であり、ここで、ROは、ガラス中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、ZnO、LiO、KO、およびNaOの合計(モル%)であり;このガラスはTiOを実質的に含まない。この段落のいくつかの実施の形態は、以下のいずれか1つ以上をさらに含むことがある:約5モル%から約20モル%のAl;約0.1モル%から約4モル%のB;このガラスは、Bを実質的に含まない;約0モル%から約6モル%のNaO;約0モル%から約2モル%のZnO;このガラスはZrOを実質的に含まず;MgO対ROの比は、約0から約2であり、ここで、ROは、ガラス基板中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、およびZnOの合計(モル%)であり;約0モル%から約2モル%のSnO;約0.1モル%から約10モル%のP
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、具体的に、約60から約72の量のSiO、約6から約10の量のAl、MgO+CaO+ZnOの総量は、約0.1から約8である;LiO+NaO+KOの総量は、約5から約15であり;約6から約10の量のLiO、約0から約10の量のNaO、約2未満の量のKO、および約0.1から約1の量のZrOを含むことがあり;このガラス組成は、TiOを実質的に含まず;このガラス組成は、Feを実質的に含まず;LiO対(LiO+NaO+KO)の比は、約0.5から約1である。この段落のいくつかの実施の形態は、以下のいずれか1つ以上をさらに含むことがある:このガラス組成は、Bを実質的に含まず;このガラス組成は、約0.1から約6の量のNaOを含み;そのガラス組成は、約0から約3の量のZnOを含み;そのガラス組成は、約0から約5の量のCaOを含み;MgO(モル%)対ROの総量(モル%)の比は、約0から約2である。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、具体的に、約60から約72の量のSiO、約6から約10の量のAl、MgO+CaO+ZnOの総量は、約0.1から約8であり;LiO+NaO+KOの総量は、約5から約15であり;約6から約10の量のLiO、約0から約10の量のNaO、約2未満の量のKO、および約0.1から約1の量のZrOを含むことがあり;このガラス組成は、TiOを実質的に含まず;このガラス組成は、Feを実質的に含まず;LiO対(LiO+NaO+KO)の比は、約0.5から約1である。この段落のいくつかの実施の形態は、以下のいずれか1つ以上をさらに含むことがある:このガラス組成は、イオン交換可能であり、非晶質であり;このガラス組成は、Bを実質的に含まず;約0.1から約6の量のNaO;約0から約3の量のZnO;約0から約5の量のCaO;MgO(モル%)対ROの総量(モル%)の比は、約0から約2である。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、具体的に、約60から約70の量のSiO、約6から約10の量のAl、MgO+CaO+ZnOの総量は、約15モル%までの非ゼロ量であり;LiO+NaO+KOの総量は、約5から約15であり;約6から約10の量のLiO、約0から約10の量のNaO、約2未満の量のKO、および約0.1から約1の量のZrOを含むことがあり;この組成は、TiOを実質的に含まず;この組成は、Feを実質的に含まず;MgO(モル%)対RO(モル%)の比は、約0から約2であり、ここで、ROは、ガラス中のBaO、CaO、MgO、PbO、SrO、およびZnOの合計(モル%)である。この段落のいくつかの実施の形態は、以下のいずれか1つ以上をさらに含むことがある:このガラスは、イオン交換可能であり、非晶質であり;この組成は、Bを実質的に含まず;約0.1から約6の量のNaO;約0から約3の量のZnO;約0から約5の量のCaO;MgO+CaO+ZnOの総量は、約12モル%までの非ゼロ量である。
1つ以上の実施の形態において、前記組成は、具体的に、約60から約70の量のSiO、約6から約10の量のAl、MgO+CaO+ZnOの総量は、約15モル%までの非ゼロ量であり;LiO+NaO+KOの総量は、約5から約15であり;約6から約10の量のLiO、約0から約10の量のNaO、約2未満の量のKO、および約0.1から約1の量のZrOを含むことがあり;この組成は、TiOを実質的に含まず;この組成は、Feを実質的に含まない。この段落のいくつかの実施の形態は、以下のいずれか1つ以上をさらに含むことがある:NaO濃度は、それから製造されたガラス基板の深さに沿って変動し;このガラスは、イオン交換可能であり、非晶質であり;この組成は、Bを実質的に含まず;約0.1から約6の量のNaO;約0から約3の量のZnO;約0から約5の量のCaO;MgO+CaO+ZnOの総量は、約14モル%までの非ゼロ量である。
1つ以上の具体的な実施の形態において、前記ガラス系基板は、交換の前に、約63.60モル%のSiO、約15.67モル%のAl、約6.24モル%のLiO、約10.81モル%のNaO、約1.16モル%のZnO、約2.48モル%のP、および約0.04モル%のSnOの公称組成を有し得る。
前記ガラス系基板がガラスセラミックを含む場合、その結晶相は、β-スポジュメン、ルチル、亜鉛尖晶石または他の公知の結晶相およびその組合せを含むことがある。適切なガラスセラミックの例としては、LiO・Al・SiO系(すなわち、LAS系)ガラスセラミック、MgO・Al・SiO系(すなわち、MAS系)ガラスセラミック、ZnO・Al・nSiO系(すなわち、ZAS系)ガラスセラミック、および/または例えば、β-石英固溶体、β-スポジュメン、コージエライト、および二ケイ酸リチウムを含む主結晶相を含むガラスセラミックが挙げられるであろう。
前記ガラス系物品および/またはガラス系基板は、実質的に平面であることがあるが、他の実施の形態は、湾曲したか、別のやり方で成形または造形された基板を利用してもよい。ある場合には、そのガラス系物品および/またはガラス系基板は、3Dまたは2.5D形状を有することがある。そのガラス系物品および/またはガラス系基板は、実質的に光学的に透き通り、透明であり、光散乱がない、または実質的にないことがある。そのガラス系物品および/またはガラス系基板は、約1.45から約1.55の範囲の屈折率を有することがある。ここに用いられているように、屈折率値は、550nmの波長に関する。
それに加え、またはそれに代えて、前記ガラス系物品および/またはガラス系基板の厚さは、1つ以上の次元に沿って一定であっても、または審美的および/または機能的理由のために、その次元の1つ以上に沿って変動してもよい。例えば、そのガラス系物品および/またはガラス系基板の縁は、そのガラス系物品および/またはガラス系基板の中央よりの領域と比べて、厚くてもよい。そのガラス系物品および/またはガラス系基板の長さ、幅および厚さの寸法も、物品の用途または使途にしたがって変動してもよい。
前記ガラス系基板は、それを形成する様式によって特徴付けられることがある。例えば、そのガラス系基板は、フロート成形可能(例えば、フロート法により成形される)、圧延可能、ダウンドロー可能、特に、フュージョン成形可能またはスロットドロー可能(例えば、フュージョンドロー法またはスロットドロー法などのダウンドロー法により成形される)と特徴付けられることがある。
フロート成形可能なガラス系基板は、滑らかな表面および均一な厚さにより特徴付けられることがあり、溶融金属、典型的に、スズの床上に溶融ガラスを浮かせることによって製造される。例示の過程において、溶融スズ床の表面上に供給される溶融ガラスが、浮遊するガラスリボンを形成する。そのガラスリボンがスズ浴に沿って流動するにつれて、ガラスリボンがスズからローラ上に持ち上げられる固体のガラス系基板に固化するまで、温度が徐々に低下する。一旦浴から離れたら、そのガラス系基板は、さらに冷却し、徐冷して、内部応力を減少させることができる。そのガラス系基板がガラスセラミックである場合、そのフロート法により形成されたガラス系基板に、1つ以上の結晶相が生成されるセラミック化過程が施されることがある。
ダウンドロー法により、比較的無垢な表面を有する均一な厚さを持つガラス系基板が製造される。そのガラス系基板の平均曲げ強度は表面傷の量とサイズにより制御されるので、接触が最小であった無垢な表面は、より高い初期強度を有する。次いで、この高強度のガラス系基板をさらに強化(例えば、化学的に)すると、得られた強度は、ラップ仕上げされ、研磨された表面を有するガラス系物品の強度よりも高くなり得る。ダウンドロー法により製造されたガラス系基板は、約3mm未満の厚さまで延伸されることがある。その上、ダウンドロー法により製造されたガラス系物品は、費用のかかる研削および研磨を使用せずに、最終用途に使用できる非常に平らで滑らかな表面を有する。そのガラス系物品がガラスセラミックである場合、そのダウンドロー法により形成されたガラス系物品に、1つ以上の結晶相が生成されるセラミック化過程が施されることがある。
フュージョンドロー法は、例えば、溶融ガラス原材料を受け容れるための通路を有する延伸槽を使用する。この通路は、通路の両側で通路の長さに沿って上部で開いた堰を有する。この通路が溶融材料で満たされると、溶融ガラスは堰を溢れる。この溶融ガラスは、重力のために、2つの流動するガラス膜として、延伸槽の外面を流下する。この延伸槽のこれらの外面は、延伸槽の下のエッジで接合するように、下方かつ内方に延在する。2つの流動するガラス膜は、このエッジで接合して、融合し、1つの流動するガラス系基板を形成する。このフュージョンドロー法は、通路を越えて流れる2つのガラス膜が互いに融合するので、得られるガラス系基板の外面のいずれも、装置のどの部分とも接触しないという利点を提示する。それゆえ、フュージョンドロー法により製造されたガラス系基板の表面特性は、そのような接触によって影響を受けない。そのガラス系物品がガラスセラミックである場合、そのフュージョン法により形成されたガラス系基板に、1つ以上の結晶相が生成されるセラミック化過程が施されることがある。
スロットドロー法は、フュージョンドロー法とは異なる。スロットドロー法において、溶融原材料のガラスが延伸槽に供給される。この延伸槽の底部には、開いたスロットであって、そのスロットの長さに延在するノズルを有するスロットがある。溶融ガラスが、スロット/ノズルを通って流れ、連続ガラス系基板として、徐冷領域へと下方に延伸される。
前記ガラス系基板は、表面傷の影響をなくすまたは減少させるために、酸磨きまたは他の様式で処理されることがある。
本開示のいくつかの実施の形態は、ここに記載されたガラス系物品を含む装置に関する。例えば、その装置は、ディスプレイを備えた任意の装置を含むことがある。1つ以上の実施の形態において、その装置は電子機器であり、その例としては、携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレット、mp3プレーヤー、腕時計、ナビゲーション装置などの携帯型装置、またはコンピュータ、電子ディスプレイ、車両情報/娯楽システム、ビルボード、販売時点管理システム、ナビゲーションシステムなどの固定式装置が挙げられる。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラス系物品は、建築物品(壁、固定具、パネル、窓など)、輸送物品(例えば、自動車用途、列車、航空機、船舶などにおける板ガラスまたは内部表面)、電化製品(例えば、洗濯機、乾燥器、食洗機、冷蔵庫など)、またはある程度の耐破壊性の恩恵を受けるであろう任意の物品に組み込まれることがある。図10に示されるように、電子機器1000は、ここに記載された1つ以上の実施の形態によるガラス系物品100を備えることがある。機器1000は、前面1040、背面1060、および側面1080を有する筐体1020;その筐体の少なくとも部分的に内部にあり、または完全に中にあり、少なくとも制御装置、メモリ、およびその筐体の前面またはそれに隣接したディスプレイ1120を含む電気部品(図示せず)を備える。そのガラス系物品100は、ディスプレイ1120の上にあるように、筐体の前面またはその上に配置されたカバーとして示されている。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、背面カバーとして使用されることがある。
本開示のいくつかの実施の形態は、ガラス系物品を形成する方法に関する。この方法は、約3マイクロメートル以下(例えば、約0.01ミリメートルから約3ミリメートル、約0.1ミリメートルから約3ミリメートル、約0.2ミリメートルから約3ミリメートル、約0.3ミリメートルから約3ミリメートル、約0.4ミリメートルから約3ミリメートル、約0.01ミリメートルから約2.5ミリメートル、約0.01ミリメートルから約2ミリメートル、約0.01ミリメートルから約1.5ミリメートル、約0.01ミリメートルから約1ミリメートル、約0.01ミリメートルから約0.9ミリメートル、約0.01ミリメートルから約0.8ミリメートル、約0.01ミリメートルから約0.7ミリメートル、約0.01ミリメートルから約0.6ミリメートル、約0.01ミリメートルから約0.5ミリメートル、約0.1ミリメートルから約0.5ミリメートル、または約0.3ミリメートルから約0.5ミリメートルの範囲)の厚さを規定する、第一面と第二面を有するガラス系基板を提供する工程、およびそのガラス系基板にここに記載されたような(図3または図4に示されるような)応力プロファイルを生成して、耐破壊性ガラス系物品を提供する工程を有してなる。1つ以上の実施の形態において、応力プロファイルを生成する工程は、そのガラス系基板中に複数のアルカリイオンをイオン交換して、厚さの相当な部分(ここに記載されたような)または全厚に沿って変動する非ゼロのアルカリ金属酸化物濃度を形成する工程を含む。一例において、応力プロファイルを生成する工程は、そのガラス系基板を、約350℃以上(例えば、約350℃から約500℃)の温度を有する、Na、K、Rb、Cs、またはその組合せの硝酸塩を含む溶融塩浴中に浸す工程を含む。一例において、その溶融塩浴は、NaNO、KNOまたはその組合せを含むことがあり、約485℃以下の温度を有することがある。別の例において、その浴は、NaNOとKNOの混合物を含むことがあり、約460℃の温度を有することがある。そのガラス系基板は、約2時間以上、約48時間まで(例えば、約2時間から約10時間、約2時間から約8時間、約2時間から約6時間、約3時間から約10時間、または約3.5時間から約10時間)に亘りその浴中に浸漬されることがある。
いくつかの実施の形態において、前記方法は、前記ガラス系基板を、単一浴中において、または複数の浴中の連続浸漬工程を使用した複数の工程で、化学強化またはイオン交換する工程を含むことがある。例えば、2つ以上の浴が連続的に使用されることがある。その1つ以上の浴の組成は、単一の金属(例えば、Ag、Na、K、Rb、Cs)または同じ浴中の金属の組合せを含むことがある。複数の浴が使用される場合、それらの浴は、互いと同じまたは異なる組成および/または温度を有することがある。そのような浴の各々の浸漬時間は、同じであっても、所望の応力プロファイルを提供するように異なってもよい。
前記方法の1つ以上の実施の形態において、より大きい表面CSを生成するために、第2の浴またはその後の浴が利用されることがある。ある場合には、その方法は、層の化学深さおよび/またはDOCに著しく影響を与えずに、より大きい表面CSを生成するために、前記ガラス系基板をその第2のまたはその後の浴中に浸漬する工程を含むことがある。そのような実施の形態において、その第2のまたはその後の浴は、1つの金属(例えば、KNOまたはNaNO)または金属の混合物(KNOおよびNaNO)を含むことがある。第2のまたはその後の浴の温度を調整して、より大きい表面CSを生成することがある。いくつかの実施の形態において、その第2のまたはその後の浴中にガラス系基板の浸漬時間も、層の化学深さおよび/またはDOCに影響を与えずに、より大きい表面CSを生成するために、調整されることがある。例えば、その第2のまたはその後の浴中の浸漬時間は、10時間未満(例えば、約8時間以下、約5時間以下、約4時間以下、約2時間以下、約1時間以下、約30分以下、約15分以下、または約10分以下)であることがある。
1つ以上の代わりの実施の形態において、前記方法は、ここに記載されたイオン交換過程と組み合わせて使用されることがある1つ以上の熱処理工程を含むことがある。その熱処理は、所望の応力プロファイルを得るために、前記ガラス系物品を熱処理する工程を含む。いくつかの実施の形態において、その熱処理は、前記ガラス系基板を、約300℃から約600℃の範囲の温度に徐冷する、テンパリングする、または加熱する工程を含む。その熱処理は、約1分から約18時間までに亘り継続することがある。いくつかの実施の形態において、その熱処理は、1つ以上のイオン交換過程の後、または複数のイオン交換過程の間に使用されることがある。
本開示の実施の形態は、ガラス系物品および前記応力プロファイルの深い領域で著しく高い応力を与えるその製造方法に関する。1つ以上の実施の形態において、K、Li、Naおよびが表面近くで相互作用して、独特の応力プロファイルを与える、4イオン相互作用におけるカリウム(K)およびナトリウム(Na)の拡散、および図3および4に示された応力プロファイルを持たない物品と比べて、落下抵抗が改善されたガラス系物品。カリウム(K)は非常に遅く、より低い拡散係数を有するので、ほとんどが表面近くに存在し、一方で、ナトリウム(Na)は、表面とガラス内部にも存在し、リチウム(Li)は、異なるレベルでガラスに浸透する。1つ以上の実施の形態によれば、改善された応力プロファイルおよび落下誘起破壊性能を提供することに加え、ガラス系物品は、抗菌性も有することがある。
1つ以上の実施の形態によれば、イオン交換工程において、異なるNa/K比およびイオン交換の異なる相対持続時間を使用することによって、応力プロファイル形状をさらに調整することが可能である。具体的な実施の形態において、表面近くの高い圧縮応力は必要ないことがあり、これにより、応力プロファイルをさらに調整して、表面近くの応力を、埋もれたピークの形態で基板のより中心に向かわせることができる。このことは、試料内部の応力がゼロである非常に深いDOCを維持しつつも達成することができる。これが適用できるであろう具体的な場合は、コーティング、特に、厚さを規定する両面または片面に耐引掻性コーティングを有するガラスの場合であろう。そのコーティングはある程度ガラス系基板を保護できるので、表面近くの応力は、今では、ガラス内部のどこかに使用することができる。
それゆえ、1つ以上の実施の形態において、例えば、図9に示されたような、ガラス系物品は、厚さtを規定する第一面702と第二面704を有する基板700、およびコーティング720を含む。このコーティングは、鋭い接触により誘発された破壊および表面傷などの損傷からガラス系物品を保護するために、第一面および/または第二面にあることがある。1つ以上の実施の形態において、容量タッチセンサ、または他の光学的品質などの他の機能のために、1つ以上のコーティングが施されることがある。それゆえ、本開示の実施の形態は、ガラス系物品上に多数の層のコーティングを有するガラス系物品に関する。いくつかの実施の形態において、約2マイクロメートルの厚さを有する多層耐引掻性コーティング(例えば、8層の耐引掻性コーティング)が提供され、これは、唯一のコーティングであり得る、他の反射防止コーティングと組み合わせることができる(コーティングの反射指数を下層のガラス系基板に合わせるために)、または他の機能性コーティングと組み合わされることがある。1つ以上の実施の形態において、その耐引掻性コーティングは、100GPaから300GPaのヤング率値を有する。1つ以上の実施の形態において、その耐引掻性コーティングは、Al、Mn、AlO、Si、SiO、SiAl、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素、Si、Si、ZrO、TiO、およびその組合せから選択される。
1つ以上の実施の形態において、洗浄し易い(ETC)コーティングが、ここに記載されたガラス系物品の第一面および/または第二面上にある。1つ以上の実施の形態において、ETCコーティングは、式(R-SiX4-yのペルフルオロアルキルシランから作られ、ここで、y=1、2または3であり、R基は、ケイ素原子から最長長さでの炭素鎖の端部まで6~130の炭素原子の炭素鎖長を有するペルフルオロアルキル基であり、Xは-Cl、アセトキシ、-OCHまたはOCHである。ETCコーティングは、そのガラス系物品上の汚れおよび/または指紋を最小にするおよび/または防ぐために施される。
下記の実施例1~3、並びにここに記載された組成の範囲を含む、ここに記載されたガラス組成の1つ以上の実施の形態を使用して、ここに記載されたようなガラス系物品を製造することができる。
以下の実施例により、様々な実施の形態をさらに明確にする。実施例において、実施例は、強化される前は、「基板」と称される。強化が施された後、実施例は、「物品」または「ガラス系物品」と称される。
下記の実施例の各々は、約63.60モル%のSiO、約15.67モル%のAl、約6.24モル%のLiO、約10.81モル%のNaO、約1.16モル%のZnO、約2.48モル%のP、および約0.04モル%のSnOの公称組成を有するガラス系基板を利用した。このガラス系基板の厚さは、0.8mmであった。
実施例1
10時間の期間に亘り380℃の温度で、約74質量%のKNOおよび約26質量%のNaNOを含有する浴中に、ガラス基板を浸した。その基板の中心での中央張力測定値は、59.56MPaであった。第2のイオン交換工程において、3時間の期間に亘り380℃の温度で、100質量%のNaNOを含有する浴中に、そのガラス基板を浸した。結果として生じた応力プロファイルが、図3に示されている。この基板の中心での中央張力測定値は、59.41MPaであった。前記混合浴中の第1のイオン交換工程では、KおよびNaの同時の拡散による、図2のプロファイルに似た二重IOXプロファイルが生じた。第2のイオン交換工程では、ガラス基板中へのLiおよびNa拡散による非常に深いDOCを有する埋もれたピークまたは隆起応力領域が生じた。
実施例2
10時間の期間に亘り380℃の温度で、約74質量%のKNOおよび約26質量%のNaNOを含有する浴中に、ガラス基板を浸した。第2のイオン交換工程において、3時間の期間に亘り380℃の温度で、100質量%のNaNOを含有する浴中に、そのガラス基板を浸した。第3のイオン交換工程において、0.2時間の期間に亘り380℃の温度で、100質量%のKNOを含有する浴中に、そのガラス基板を浸した。結果として生じた応力プロファイルが、図4に示されている。この第3のイオン交換工程により、表面近くにスパイク領域が生じた。この基板の中心での中央張力測定値は、64.43MPaであった。
比較例3
3.6時間の期間に亘り380℃の温度で、約15質量%のKNOおよび約85質量%のNaNOを含有する浴中に、ガラス基板を浸した。第2のイオン交換工程において、0.5時間の期間に亘り390℃の温度で、95質量%のKNOおよび5質量%のNaNOを含有する浴中に、そのガラス基板を浸した。
比較例4
3.75時間の期間に亘り380℃の温度で、約51質量%のKNOおよび約49質量%のNaNOを含有する浴中に、ガラス基板を浸した。
比較例5
3時間の期間に亘り390℃の温度で、約80質量%のKNOおよび約20質量%のNaNOを含有する浴中に、ガラス基板を浸した。
比較例6
7.5時間の期間に亘り390℃の温度で、約80質量%のKNOおよび約20質量%のNaNOを含有する浴中に、ガラス基板を浸した。
実施例7-落下試験
実施例1~2および比較例3~6により製造された基板に、先に記載された落下試験を行った。図5は、180グリットの研磨紙に関する結果を示している:実施例1は、少なくとも10の試料について、192cm(190cm超)の平均落下高さを有し、この落下高さは、比較例3~6のものに匹敵する;実施例2は、少なくとも10の試料について、153cm(150cm超)の平均落下高さを有し、これは、比較例3~6のものよりもわずかに低いようである;実施例1は、225cmの最大落下高さの落下試験において、少なくとも10の試料について、50%の生存率を有した;実施例2は、225cmの最大落下高さの落下試験において、少なくとも10の試料について、20%の生存率を有した。図6は、30グリットの研磨紙に関する結果を示している:実施例1は、少なくとも4の試料について、73cm(70cm超)の平均落下高さを有し、この落下高さは、比較例3~6のものに匹敵する;実施例2は、少なくとも2の試料について、45cm(40cm超)の平均落下高さを有し、これは、比較例3~6のものよりもわずかに低い;実施例1は、最大落下高さが50cmである場合、少なくとも4の試料について、100%の生存率を有した。落下性能について、2段階IOX(実施例1)は、非常にうまく機能する一方で、3段階IOX(実施例2)は、この2段階IOXまたは比較例ほど良好に機能しないようである。しかしながら、この3段階IOXは、下記に記載されるような、136°の4面ダイヤモンド先端を使用する第2群の引っかき傷試験において、ずっと良好に(実施例1または比較例3~6のいずれよりも)機能し、したがって、ある用途について、落下抵抗と耐引掻性との間の良好な折り合いである。
実施例7-引っ掻き試験
第1の試験において、比較例4、実施例1および実施例2に、先端が球状の円錐プロファイル先端(円錐球状(conosphere)の球状部分の直径が20マイクロメートル)を使用した漸増引っ掻き試験を行った。先端への荷重を、20秒の試験期間に亘り、0から2Nに線形に漸増させた。先端は0.4mm/秒の速度で8mm移動し、荷重は10秒当たり1Nの速度で線形に漸増させた。比較例4の引っ掻き結果が図7Aに示されており、実施例1の引っ掻き結果が図7Bに示されており、実施例2の引っ掻き結果が図7Cに示されている。実施例1および2は、狭い引っ掻き傷パターンで示されるように、比較例4より優れていた。図7Aにおいて、比較例4は、3つの試料について、345マイクロメートル、406マイクロメートル、および345マイクロメートルの引っ掻き傷「長さ」(引っ掻き傷の最も幅広い部分での、両矢印線で示された、垂線の間の水平距離)を示す。平均引っ掻き傷長さは365マイクロメートルであり、最短の長さは345μmであった。図7Bにおいて、実施例1は、3つの試料について、233マイクロメートル、224マイクロメートル、および294マイクロメートルの引っ掻き傷長さを示す。平均引っ掻き傷長さは250マイクロメートルであり、最短の長さは224μmであった。それゆえ、例えば、いくつかの実施の形態は、300マイクロメートル未満、または275マイクロメートル未満、または250マイクロメートル未満、または225マイクロメートル未満の引っ掻き傷長さを含む。いくつかの実施の形態は、300マイクロメートル未満、または275マイクロメートル未満、または250マイクロメートル以下の平均引っ掻き傷長さ(3以上の試料サイズに関する、先端が球状の円錐プロファイル先端による)を含む。図7Cにおいて、実施例2は、3つの試料について、311マイクロメートル、371マイクロメートル、および319マイクロメートルの引っ掻き傷長さを示す。平均引っ掻き傷長さは334マイクロメートルであり、最短の長さは311μmであった。それゆえ、例えば、いくつかの実施の形態は、340マイクロメートル未満、または325マイクロメートル未満、または320マイクロメートル未満の引っ掻き傷長さを含む。いくつかの実施の形態は、350マイクロメートル未満、または340マイクロメートル未満、または334マイクロメートル以下の平均引っ掻き傷長さ(3以上の試料サイズに関する、先端が球状の円錐プロファイル先端による)を含む。先によれば、実施例1(図7B)が、最良の耐引掻性を与えるようであった。
比較例4、実施例1および実施例2に、136°の4面ダイヤモンド先端を使用して、第2群の引っ掻き試験を行った。先端への荷重を、10秒当たり1Nの力の速度で0から0.5Nまで線形に漸増させた。試験期間は5秒であり、先端は、0.4mm/秒の速度で2mm移動した。比較例4の引っ掻き結果が図8Aに示されており、実施例1の引っ掻き結果が図8Bに示されており、実施例2の引っ掻き結果が図8Cに示されている。図8Aは、比較例4が195マイクロメートルの引っ掻き傷長さを有したことを示す。図8Bは、実施例1が141マイクロメートルの引っ掻き傷長さを有したことを示す。図8Cは、実施例2が、この漸増試験に使用したこれらの荷重下では亀裂を形成しなかったことを示す。ここで、重ねて、埋もれた隆起応力領域を有する実施例1および実施例2の両方とも、より狭い(より短い亀裂「長さ」)亀裂でも明らかなように、比較例4より良好に機能したことを示す。したがって、いくつかの実施の形態は、190マイクロメートル未満、または175マイクロメートル未満、または150マイクロメートル未満、または145マイクロメートル未満、または125マイクロメートル未満、または100マイクロメートル未満、または75マイクロメートル未満、または50マイクロメートル未満、または40マイクロメートル未満、または30マイクロメートル未満、または25マイクロメートル未満、または20マイクロメートル未満、または15マイクロメートル未満、または10マイクロメートル未満、または5マイクロメートル未満、または4マイクロメートル未満、または3マイクロメートル未満、または0から190マイクロメートル未満、もしくは先の値のいずれかの間の任意と全ての部分的範囲の引っ掻き傷長さ(0.4mm/秒のプローブ速度で、5秒の試験期間に亘り、10秒当たり1Nの力の速度で0から0.5Nに漸増させて、136°の4面ダイヤモンド先端で試験した場合)を含む。
本開示の精神または範囲から逸脱せずに、様々な改変および変更を行えることが、当業者には明白であろう。特徴の様々な例示の組合せが、以下の実施の形態に述べられている。
実施の形態1.
ガラス系物品において、
厚さ(t)を規定する第一面と該第一面と反対の第二面、および該第一面と該第二面との間の中心を有し、該ガラス系物品は、LiO、イオン交換されたカリウム、およびイオン交換されたナトリウムを含有し;
応力プロファイルにおいて、前記第一面(または該第一面より下のある地点)から0.001・tと0.1・tの間の範囲にある頂点まで延在する隆起応力領域、25MPaと750MPaの間の範囲にある該頂点での圧縮応力、ここで、前記第一面と前記頂点の間の前記隆起応力領域における該応力プロファイルの少なくとも1つの地点は、25MPa/マイクロメートルから500MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含み、前記頂点から延在する減少応力領域であって、該頂点から前記中心に向かって延在する該減少応力領域における該応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、該減少応力領域が、前記ガラス系物品がゼロの応力値を有する圧縮深さに到達するまで、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように減少する該減少応力領域、該圧縮深さは0.1・tと0.25・tの間の範囲にあり、該圧縮深さから最大引張応力まで延在する引張応力領域を含む応力プロファイルを備える、0.01mmから3mmの厚さを有するガラス系物品。
実施の形態2.
前記頂点での応力が、100MPaから300MPaの圧縮応力である、実施の形態1のガラス系物品。
実施の形態3.
前記第一面に引張応力があり、該引張応力の絶対値が、200MPaから0MPaの範囲にあり、前記隆起応力領域が、前記第一面から前記頂点まで延在する増加応力領域であって、該第一面から該頂点まで延在する該増加応力領域における前記応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、20Mpa/マイクロメートルから200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、該増加応力領域を含み、該増加応力領域において、応力が次第に圧縮になる、実施の形態1または実施の形態2のガラス系物品。
実施の形態4.
前記第一面に圧縮応力があり、該圧縮応力の絶対値が、0MPa超から750MPaまでであり、前記隆起応力領域が、前記第一面から前記頂点まで延在する増加応力領域であって、該第一面から該頂点まで延在する該増加応力領域における前記応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、20Mpa/マイクロメートルから200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、該増加応力領域を含み、該増加応力領域において、応力が次第に圧縮になる、実施の形態1または実施の形態2のガラス系物品。
実施の形態5.
前記隆起応力領域が、前記第一面の下にある地点から延在する、実施の形態1~4のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態6.
前記応力プロファイルが、前記イオン交換されたカリウムおよび前記イオン交換されたナトリウムを含む圧縮応力層をさらに含み、該圧縮応力層が、前記第一面から前記隆起応力領域まで延在する表面応力領域を画成し、該表面応力領域が、該第一面から前記隆起応力領域に関する移行部まで延在する該表面応力領域における該応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、-25MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、該第一面から移行して大きさが減少する圧縮応力を含む、実施の形態1または実施の形態2のガラス系物品。
実施の形態7.
前記第一面から前記隆起応力領域に関する移行部まで延在する前記表面応力領域の前記応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、-30MPa/マイクロメートルから-170MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む、実施の形態6のガラス系物品。
実施の形態8.
前記第一面での圧縮応力が、500MPaから1500MPaである、実施の形態6または実施の形態7のガラス系物品。
実施の形態9.
前記第一面での圧縮応力が、650MPaから1100MPaである、実施の形態8のガラス系物品。
実施の形態10.
LiOが、0.1モル%と20モル%の間の範囲で前記ガラス系物品中に存在する、実施の形態1~9のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態11.
が、0.1モル%と10モル%の間の範囲で前記ガラス系物品中に存在する、実施の形態1~10のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態12.
が、0.1モル%と10モル%の間の範囲で前記ガラス系物品中に存在する、実施の形態1~11のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態13.
前記ガラス系物品がKOを含まない、実施の形態1~12のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態14.
前記頂点と前記中心の間の前記応力プロファイルの全ての地点が、べき指数を有するべき乗則プロファイルの形態にあり、該べき指数は約1.2から3.4である、実施の形態1~13のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態15.
前記ガラス系物品が、180グリットの研磨紙上での、少なくとも10の試料に関する190cm超の平均落下高さ;180グリットの研磨紙上での、少なくとも10の試料に関する192cm以上の平均落下高さ;180グリットの研磨紙上での、225cmの最大落下高さの落下試験における、少なくとも10の試料に関する50%以上の生存率;30グリットの研磨紙上での、少なくとも4の試料に関する70cm超の平均落下高さ;30グリットの研磨紙上での、少なくとも4の試料に関する73cm以上の平均落下高さ;30グリットの研磨紙上での、最大落下高さが50cmである、少なくとも4の試料に関する100%の生存率;のいずれか1つ以上をさらに含む、実施の形態1~14のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態16.
(i)300マイクロメートル未満、または(ii)275マイクロメートル未満、または(iii)250マイクロメートル以下の少なくとも1つの平均引っ掻き傷長さ(3以上の試料サイズに関する、先端が球状の円錐プロファイル先端による)をさらに含む、実施の形態1~15のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態17.
(i)190マイクロメートル未満、または(ii)175マイクロメートル未満、または(iii)150マイクロメートル未満、または(iv)145マイクロメートル未満の少なくとも1つの引っ掻き傷長さ(0.4mm/秒のプローブ速度で、5秒の試験期間に亘り、10秒当たり1Nの力の速度で0から0.5Nに漸増させて、136°の4面ダイヤモンド先端で試験した場合)をさらに含む、実施の形態1~16のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態18.
前記ガラス系物品が、180グリットの研磨紙上での、少なくとも10の試料に関する150cm超の平均落下高さ;180グリットの研磨紙上での、少なくとも10の試料に関する153cm以上の平均落下高さ;180グリットの研磨紙上での、225cmの最大落下高さの落下試験における、少なくとも10の試料に関する20%以上の生存率;30グリットの研磨紙上での、少なくとも2の試料に関する40cm超の平均落下高さ;および30グリットの研磨紙上での、少なくとも2の試料に関する43cm以上の平均落下高さ;の少なくとも1つをさらに含む、実施の形態1~14のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態19.
350マイクロメートル未満、または340マイクロメートル未満、または334マイクロメートル以下の平均引っ掻き傷長さ(3以上の試料サイズに関する、先端が球状の円錐プロファイル先端による)をさらに含む、実施の形態1~14、または18のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態20.
(i)190マイクロメートル未満、または(ii)175マイクロメートル未満、または(iii)150マイクロメートル未満、または(iv)145マイクロメートル未満、または(v)125マイクロメートル未満、または(vi)100マイクロメートル未満、または(vii)75マイクロメートル未満、または(viii)50マイクロメートル未満、または(ix)40マイクロメートル未満、または(x)30マイクロメートル未満、または(xi)25マイクロメートル未満、または(xii)20マイクロメートル未満、または(xiii)15マイクロメートル未満、または(xiv)10マイクロメートル未満、または(xv)5マイクロメートル未満、または(xvi)4マイクロメートル未満、または(xvii)3マイクロメートル未満、または(xviii)0から190マイクロメートル未満の引っ掻き傷長さ(0.4mm/秒のプローブ速度で、5秒の試験期間に亘り、10秒当たり1Nの力の速度で0から0.5Nに漸増させて、136°の4面ダイヤモンド先端で試験した場合)をさらに含む、実施の形態1~14、または18~19のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態21.
前記第一面上にコーティングをさらに備える、実施の形態1~20のいずれか1つのガラス系物品。
実施の形態22.
前記第二面上にコーティングをさらに備える、実施の形態21のガラス系物品。
実施の形態23.
前記コーティングが耐引掻性コーティングを含む、実施の形態21または実施の形態22のガラス系物品。
実施の形態24.
機器において、
前面、背面、および側面を有する筐体、
前記筐体の少なくとも部分的に内部にある電気部品、
前記筐体の前面またはそれに離接するディスプレイ、および
前記ディスプレイの上に配置されたカバー基板であって、実施の形態1~23のいずれか1つのガラス系物品を含む、カバー基板、
を備えた機器。
実施の形態25.
ガラス系物品を製造する方法において、
0.1モル%と20モル%の間の範囲のLiOを含むガラス系基板中にナトリウムおよびカリウムをイオン交換し、よって、該ガラス系基板は、
厚さ(t)(mm)を規定する第一面と該第一面と反対の第二面、および該第一面と該第二面との間の中心を有し、
応力プロファイルにおいて、前記第一面(または該第一面より下のある地点)から0.001・tと0.1・tの間の範囲にある頂点まで延在する隆起応力領域を有し、該頂点での圧縮応力は、25MPaから750MPaであり、ここで、該第一面と該頂点の間の該隆起応力領域の該応力プロファイルの少なくとも1つの地点は、25MPa/マイクロメートルから500MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含み、該頂点から延在する減少応力領域であって、該頂点から前記中心に向かって延在する該減少応力領域の該応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、該減少応力領域が前記ガラス系物品がゼロの応力値を有する圧縮深さに到達するまで、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように減少する該減少応力領域を含み、該圧縮深さは0.1・tと0.25・tの間の範囲にあり、該圧縮深さから最大引張応力まで延在する引張応力領域を含む応力プロファイルを備え、ここで、該ガラス系物品は0.01mmから3mmの厚さを有する工程、
を有してなる方法。
実施の形態26.
前記応力プロファイルが、前記イオン交換されたカリウムおよび前記イオン交換されたナトリウムを含む圧縮応力層をさらに含み、該圧縮応力層が、前記第一面から前記隆起応力領域まで延在する表面応力領域を画成し、該表面応力領域が、該第一面から前記隆起応力領域に関する移行部まで延在する該表面応力領域の応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、-25MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、該第一面から移行して大きさが減少する圧縮応力を含む、実施の形態25の方法。
実施の形態27.
前記ガラス系基板に、2つのイオン交換過程を施す工程をさらに含む、実施の形態25または実施の形態26の方法。
実施の形態28.
前記ガラス系基板に、3つのイオン交換過程を施す工程をさらに含む、実施の形態25または26の方法。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ガラス系物品において、
厚さ(t)を規定する第一面と該第一面と反対の第二面、および該第一面と該第二面との間の中心を有し、該ガラス系物品は、LiO、イオン交換されたカリウム、およびイオン交換されたナトリウムを含有し;
応力プロファイルにおいて、前記第一面または該第一面より下のある地点から0.001・tと0.1・tの間の範囲にある頂点まで延在する隆起応力領域、25MPaと750MPaの間の範囲にある該頂点での圧縮応力、ここで、前記第一面と前記頂点の間の前記隆起応力領域の該応力プロファイルの少なくとも1つの地点は、25MPa/マイクロメートルから500MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含み、前記頂点から延在する減少応力領域であって、該頂点から前記中心に向かって延在する該減少応力領域の該応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、該減少応力領域が、前記ガラス系物品がゼロの応力値を有する圧縮深さに到達するまで、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように減少する該減少応力領域、該圧縮深さは0.1・tと0.25・tの間の範囲にあり、該圧縮深さから最大引張応力まで延在する引張応力領域を含む応力プロファイルを備える、0.01mmから3mmの厚さを有するガラス系物品。
実施形態2
前記頂点での応力が、100MPaから300MPaの圧縮応力である、実施形態1に記載のガラス系物品。
実施形態3
前記第一面に引張応力があり、該引張応力の絶対値が、200MPaから0MPaの範囲にあり、前記隆起応力領域が、前記第一面から前記頂点まで延在する増加応力領域であって、該第一面から該頂点まで延在する該増加応力領域の前記応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、20Mpa/マイクロメートルから200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、該増加応力領域を含み、該増加応力領域において、応力が次第に圧縮になる、実施形態1または2に記載のガラス系物品。
実施形態4
前記第一面に圧縮応力があり、該圧縮応力の絶対値が、0MPa超から750MPaまでであり、前記隆起応力領域が、前記第一面から前記頂点まで延在する増加応力領域であって、該第一面から該頂点まで延在する該増加応力領域の前記応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、20Mpa/マイクロメートルから200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、該増加応力領域を含み、該増加応力領域において、応力が次第に圧縮になる、実施形態1または2に記載のガラス系物品。
実施形態5
前記隆起応力領域が、前記第一面の下にある地点から延在する、実施形態1から4のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態6
前記応力プロファイルが、前記イオン交換されたカリウムおよび前記イオン交換されたナトリウムを含む圧縮応力層をさらに含み、該圧縮応力層が、前記第一面から前記隆起応力領域まで延在する表面応力領域を画成し、該表面応力領域が、該第一面から前記隆起応力領域に関する移行部まで延在する該表面応力領域の該応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、-25MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、該第一面から移行して大きさが減少する圧縮応力を含む、実施形態1または2に記載のガラス系物品。
実施形態7
前記第一面から前記隆起応力領域に関する移行部まで延在する前記表面応力領域の前記応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、-30MPa/マイクロメートルから-170MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含む、実施形態6に記載のガラス系物品。
実施形態8
前記第一面での圧縮応力が、500MPaから1500MPaである、実施形態6または7に記載のガラス系物品。
実施形態9
前記第一面での圧縮応力が、650MPaから1100MPaである、実施形態8に記載のガラス系物品。
実施形態10
LiOが、0.1モル%と20モル%の間の範囲で前記ガラス系物品中に存在する、実施形態1から9のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態11
が、0.1モル%と10モル%の間の範囲で前記ガラス系物品中に存在する、実施形態1から10のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態12
が、0.1モル%と10モル%の間の範囲で前記ガラス系物品中に存在する、実施形態1から11のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態13
前記ガラス系物品がKOを含まない、実施形態1から12のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態14
前記頂点と前記中心の間の前記応力プロファイルの全ての地点が、べき指数を有するべき乗則プロファイルの形態にあり、該べき指数は約1.2から3.4である、実施形態1から13のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態15
前記ガラス系物品が、180グリットの研磨紙上での、少なくとも10の試料に関する190cm超の平均落下高さ;180グリットの研磨紙上での、少なくとも10の試料に関する192cm以上の平均落下高さ;180グリットの研磨紙上での、225cmの最大落下高さの落下試験における、少なくとも10の試料に関する50%以上の生存率;30グリットの研磨紙上での、少なくとも4の試料に関する70cm超の平均落下高さ;30グリットの研磨紙上での、少なくとも4の試料に関する73cm以上の平均落下高さ;30グリットの研磨紙上での、最大落下高さが50cmである、少なくとも4の試料に関する100%の生存率;のいずれか1つ以上をさらに含む、実施形態1から14のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態16
(i)300マイクロメートル未満、または(ii)275マイクロメートル未満、または(iii)250マイクロメートル以下の少なくとも1つの平均引っ掻き傷長さ(3以上の試料サイズに関する、先端が球状の円錐プロファイル先端による)をさらに含む、実施形態1から15のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態17
(i)190マイクロメートル未満、または(ii)175マイクロメートル未満、または(iii)150マイクロメートル未満、または(iv)145マイクロメートル未満の少なくとも1つの引っ掻き傷長さ(0.4mm/秒のプローブ速度で、5秒の試験期間に亘り、10秒当たり1Nの力の速度で0から0.5Nに漸増させて、136°の4面ダイヤモンド先端で試験した場合)をさらに含む、実施形態1から15のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態18
前記ガラス系物品が、180グリットの研磨紙上での、少なくとも10の試料に関する150cm超の平均落下高さ;180グリットの研磨紙上での、少なくとも10の試料に関する153cm以上の平均落下高さ;180グリットの研磨紙上での、225cmの最大落下高さの落下試験における、少なくとも10の試料に関する20%以上の生存率;30グリットの研磨紙上での、少なくとも2の試料に関する40cm超の平均落下高さ;および30グリットの研磨紙上での、少なくとも2の試料に関する43cm以上の平均落下高さ;の少なくとも1つをさらに含む、実施形態1から14のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態19
350マイクロメートル未満、または340マイクロメートル未満、または334マイクロメートル以下の平均引っ掻き傷長さ(3以上の試料サイズに関する、先端が球状の円錐プロファイル先端による)をさらに含む、実施形態1から14、または18のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態20
(i)190マイクロメートル未満、または(ii)175マイクロメートル未満、または(iii)150マイクロメートル未満、または(iv)145マイクロメートル未満、または(v)125マイクロメートル未満、または(vi)100マイクロメートル未満、または(vii)75マイクロメートル未満、または(viii)50マイクロメートル未満、または(ix)40マイクロメートル未満、または(x)30マイクロメートル未満、または(xi)25マイクロメートル未満、または(xii)20マイクロメートル未満、または(xiii)15マイクロメートル未満、または(xiv)10マイクロメートル未満、または(xv)5マイクロメートル未満、または(xvi)4マイクロメートル未満、または(xvii)3マイクロメートル未満、または(xviii)0から190マイクロメートル未満の引っ掻き傷長さ(0.4mm/秒のプローブ速度で、5秒の試験期間に亘り、10秒当たり1Nの力の速度で0から0.5Nに漸増させて、136°の4面ダイヤモンド先端で試験した場合)をさらに含む、実施形態1から14、または18から19のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態21
前記第一面上にコーティングをさらに備える、実施形態1から20のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態22
前記第二面上にコーティングをさらに備える、実施形態21に記載のガラス系物品。
実施形態23
前記コーティングが耐引掻性コーティングを含む、実施形態21または22に記載のガラス系物品。
実施形態24
機器において、
前面、背面、および側面を有する筐体、
前記筐体の少なくとも部分的に内部にある電気部品、
前記筐体の前面またはそれに離接するディスプレイ、および
前記ディスプレイの上に配置されたカバー基板であって、実施形態1から23のいずれか1つに記載のガラス系物品を含む、カバー基板、
を備えた機器。
実施形態25
ガラス系物品を製造する方法において、
0.1モル%と20モル%の間の範囲のLiOを含むガラス系基板中にナトリウムおよびカリウムをイオン交換し、よって、該ガラス系基板は、
厚さ(t)(mm)を規定する第一面と該第一面と反対の第二面、および該第一面と該第二面との間の中心を有し、
応力プロファイルにおいて、前記第一面または該第一面より下のある地点から0.001・tと0.1・tの間の範囲にある頂点まで延在する隆起応力領域を有し、該頂点での圧縮応力は、25MPaから750MPaであり、ここで、該第一面と該頂点の間の該隆起応力領域の応力プロファイルの少なくとも1つの地点は、25MPa/マイクロメートルから500MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含み、該頂点から延在する減少応力領域であって、該頂点から前記中心に向かって延在する該減少応力領域の応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、該減少応力領域が前記ガラス系物品がゼロの応力値を有する圧縮深さに到達するまで、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように減少する該減少応力領域を含み、該圧縮深さは0.1・tと0.25・tの間の範囲にあり、該圧縮深さから最大引張応力まで延在する引張応力領域を含む応力プロファイルを備え、ここで、該ガラス系物品は0.01mmから3mmの厚さを有する工程、
を有してなる方法。
実施形態26
前記応力プロファイルが、前記イオン交換されたカリウムおよび前記イオン交換されたナトリウムを含む圧縮応力層をさらに含み、該圧縮応力層が、前記第一面から前記隆起応力領域まで延在する表面応力領域を画成し、該表面応力領域が、該第一面から前記隆起応力領域に関する移行部まで延在する該表面応力領域の応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、-25MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、該第一面から移行して大きさが減少する圧縮応力を含む、実施形態25に記載の方法。
実施形態27
前記ガラス系基板に、2つのイオン交換過程を施す工程をさらに含む、実施形態25または26に記載の方法。
実施形態28
前記ガラス系基板に、3つのイオン交換過程を施す工程をさらに含む、実施形態25または26に記載の方法。
100、300 ガラス系物品
101、201、302、402、702 第一面
110、210、310 表面CS
130、230、330、430 圧縮深さ(DOC)
200 化学強化されたガラス系物品
220、320 最大CT
301、401 応力プロファイル
304、404、704 第二面
315、415 隆起応力領域
316、416 減少応力領域
317、417 頂点
325 引張応力領域
413 表面応力領域またはスパイク領域
414 CS層
425 CT領域、CT層
700 基板
720 コーティング
1000 電子機器
1020 筐体
1040 前面
1060 背面
1080 側面
1120 ディスプレイ

Claims (14)

  1. ガラス系物品において、
    厚さ(t)を規定する第一面と該第一面と反対の第二面、および該第一面と該第二面との間の中心を有し、該ガラス系物品は、0.1モル%と20モル%のLi2O、イオン交換されたカリウム、およびイオン交換されたナトリウムを含有し;
    前記ガラス系物品に化学強化される前のガラス系基板が、モルパーセント(モル%)で表して、40から80の範囲のSiO2、10から30の範囲のAl23、0から10の範囲のB23、0から20の範囲のR2O、および0から15の範囲のROを含むガラス組成を含み、
    2Oはアルカリ金属酸化物の総量を称し、ROはアルカリ土類金属酸化物の総量を称し、
    前記ガラス組成は0.1モル%から8モル%のNa2Oを含み、
    応力プロファイルにおいて、前記第一面または該第一面より下のある地点から0.001・tと0.1・tの間の範囲にある頂点まで延在する隆起応力領域、25MPaと750MPaの間の範囲にある該頂点での圧縮応力、ここで、前記第一面と前記頂点の間の前記隆起応力領域の該応力プロファイルの少なくとも1つの地点は、25MPa/マイクロメートルから500MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含み、前記頂点から延在する減少応力領域であって、該頂点から前記中心に向かって延在する該減少応力領域の該応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、該減少応力領域が、前記ガラス系物品がゼロの応力値を有する圧縮深さに到達するまで、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように減少する該減少応力領域、該圧縮深さは0.1・tと0.25・tの間の範囲にあり、該圧縮深さから最大引張応力まで延在する引張応力領域を含む応力プロファイルを備える、0.01mmから3mmの厚さを有するガラス系物品。
  2. 前記第一面に引張応力があり、該引張応力の絶対値が、200MPaから0MPaの範囲にあり、前記隆起応力領域が、前記第一面から前記頂点まで延在する増加応力領域であって、該第一面から該頂点まで延在する該増加応力領域の前記応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、20Mpa/マイクロメートルから200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、該増加応力領域を含み、該増加応力領域において、応力が次第に圧縮になる、請求項1記載のガラス系物品。
  3. 前記第一面に圧縮応力があり、該圧縮応力の絶対値が、0MPa超から750Mpaまでであり、前記隆起応力領域が、前記第一面から前記頂点まで延在する増加応力領域であって、該第一面から該頂点まで延在する該増加応力領域の前記応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、20Mpa/マイクロメートルから200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、該増加応力領域を含み、該増加応力領域において、応力が次第に圧縮になる、請求項1記載のガラス系物品。
  4. 前記隆起応力領域が、前記第一面の下にある地点から延在する、請求項1から3いずれか1項記載のガラス系物品。
  5. 前記応力プロファイルが、前記イオン交換されたカリウムおよび前記イオン交換されたナトリウムを含む圧縮応力層をさらに含み、該圧縮応力層が、前記第一面から前記隆起応力領域まで延在する表面応力領域を画成し、該表面応力領域が、該第一面から前記隆起応力領域に関する移行部まで延在する該表面応力領域の該応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、-25MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように、該第一面から移動する、大きさが減少する圧縮応力を含む、請求項1記載のガラス系物品。
  6. 前記第一面での圧縮応力が、500MPaから1500MPaである、請求項5記載のガラス系物品。
  7. 23が、0.1モル%と10モル%の間の範囲で前記ガラス系物品中に存在する、
    25が、0.1モル%と10モル%の間の範囲で前記ガラス系物品中に存在する、または
    前記ガラス系物品がK2Oを含まない、
    の少なくとも1つを特徴とする、請求項1から6いずれか1項記載のガラス系物品。
  8. 前記頂点と前記中心の間の前記応力プロファイルの全ての地点が、べき指数を有するべき乗則プロファイルの形態にあり、該べき指数は約1.2から3.4である、請求項1から7いずれか1項記載のガラス系物品。
  9. 前記ガラス系物品が、180グリットの研磨紙上での、少なくとも10の試料に関する190cm超の平均落下高さ;180グリットの研磨紙上での、少なくとも10の試料に関する192cm以上の平均落下高さ;180グリットの研磨紙上での、225cmの最大落下高さの落下試験における、少なくとも10の試料に関する50%以上の生存率;30グリットの研磨紙上での、少なくとも4の試料に関する70cm超の平均落下高さ;30グリットの研磨紙上での、少なくとも4の試料に関する73cm以上の平均落下高さ;30グリットの研磨紙上での、最大落下高さが50cmである、少なくとも4の試料に関する100%の生存率;のいずれか1つ以上をさらに含む、請求項1から8いずれか1項記載のガラス系物品。
  10. (i)300マイクロメートル未満、または(ii)275マイクロメートル未満、または(iii)250マイクロメートル以下の少なくとも1つの平均引っ掻き傷長さ(3以上の試料サイズに関する、先端が球状の円錐プロファイル先端による)をさらに含む、請求項1から9いずれか1項記載のガラス系物品。
  11. (i)190マイクロメートル未満、または(ii)175マイクロメートル未満、または(iii)150マイクロメートル未満、または(iv)145マイクロメートル未満の少なくとも1つの引っ掻き傷長さ(0.4mm/秒のプローブ速度で、5秒の試験期間に亘り、10秒当たり1Nの力の速度で0から0.5Nに漸増させて、136°の4面ダイヤモンド先端で試験した場合)をさらに含む、請求項1から10いずれか1項記載のガラス系物品。
  12. 前記第一面上にコーティングをさらに備える、請求項1から11いずれか1項記載のガラス系物品。
  13. 機器において、
    前面、背面、および側面を有する筐体、
    前記筐体の少なくとも部分的に内部にある電気部品、
    前記筐体の前面またはそれに離接するディスプレイ、および
    前記ディスプレイの上に配置されたカバー基板であって、請求項1から12いずれか1項記載のガラス系物品を含む、カバー基板、
    を備えた機器。
  14. ガラス系物品を製造する方法において、
    0.1モル%と20モル%の間の範囲のLi2Oを含むガラス系基板中にナトリウムおよびカリウムをイオン交換し、よって、該ガラス系基板は、
    厚さ(t)(mm)を規定する第一面と該第一面と反対の第二面、および該第一面と該第二面との間の中心を有し、
    応力プロファイルにおいて、前記第一面または該第一面より下のある地点から0.001・tと0.1・tの間の範囲にある頂点まで延在する隆起応力領域を有し、該頂点での圧縮応力は、25MPaから750MPaであり、ここで、該第一面と該頂点の間の該隆起応力領域の応力プロファイルの少なくとも1つの地点は、25MPa/マイクロメートルから500MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含み、該頂点から延在する減少応力領域であって、該頂点から前記中心に向かって延在する該減少応力領域の応力プロファイルの少なくとも1つの地点が、該減少応力領域が前記ガラス系物品がゼロの応力値を有する圧縮深さに到達するまで、-20MPa/マイクロメートルから-200MPa/マイクロメートルの値を持つ勾配を有する正接を含むように減少する該減少応力領域を含み、該圧縮深さは0.1・tと0.25・tの間の範囲にあり、該圧縮深さから最大引張応力まで延在する引張応力領域を含む応力プロファイルを備え、ここで、該ガラス系物品は0.01mmから3mmの厚さを有する工程、
    を有し、
    前記ガラス系基板中にナトリウムおよびカリウムをイオン交換することは、
    前記ガラス系基板に、2つのイオン交換過程を施す工程を含み、第1のイオン交換工程において、前記ガラス系基板は、NaNO3、KNO3の組み合わせを含んで485℃以下の温度を有する溶融塩浴に8時間から10時間浸され、第2のイオン交換工程において、第2の浴はaNO3 のみを含み、
    前記ガラス系物品に化学強化される前のガラス系基板が、モルパーセント(モル%)で表して、40から80の範囲のSiO2、10から30の範囲のAl23、0から10の範囲のB23、0から20の範囲のR2O、および0から15の範囲のROを含むガラス組成を含み、
    2Oはアルカリ金属酸化物の総量を称し、ROはアルカリ土類金属酸化物の総量を称し、
    前記ガラス組成は0.1モル%から12モル%の範囲のNa2Oを含んでなる方法。

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