JP7311975B2 - セラミックス部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックス部材の製造方法に関する。
半導体製造装置において、ウエハなどの基板を表面に保持する静電チャックや、表面に載置された基板を加熱するヒータ、サセプタなどは、セラミックス焼結体からなるセラミックス基材を備えている。このようなセラミックス基材においては、熱伝導性に優れた窒化アルミニウム(AlN)焼結体を用いることが多い。
窒化アルミニウム焼結体はホットプレス法により製造されることが一般的であり、通常、窒化アルミニウムを主成分とする原料粉末をカーボン製の成形型の空洞に充填し、原料粉末を加圧しながら焼成している。その際、原料粉末と成形型との間にカーボンシートを介在させることによって、成形型の保護を図ることがある。そして、焼成後に窒化アルミニウム焼結体の表面に固着したカーボンシートを機械加工によって除去している。
なお、特許文献1には、焼成する際に高純度カーボン製の焼成用部材を窒化アルミニウムの未焼成体の少なくとも近傍に設置することによって、窒化アルミニウム焼結体の表面に斑点状の模様が発生することを防止することが開示されている。そして、カーボン中の硫黄(S)の含有量は100ppm以下であることが好ましく、そのために膨張熱処理黒鉛を真空中で2000℃~2200℃で熱処理することにより高純度カーボンを得ることも開示されている。
特開平10-251068号公報
しかしながら、カーボンシートを除去した窒化アルミニウム焼結体の表面に、カーボンシートの影響であると推測される色調むらが発生していた。このような色調むらは、窒化アルミニウム焼結体を例えば半導体製造装置において保持した基板を加熱するヒータの基材として用いる場合、色調むらに起因する放射性の相違によって、基板温度の均一性が悪化するおそれがあった。また、外観不良となるおそれもあった。
そこで、上記特許文献1を参照して、このような色調むらを抑制するために高純度のカーボンシートを用いることが考えられる。しかし、このようなカーボンシートは、例えば上記特許文献1に記載されているように、2000℃~2200℃の高温で熱処理を行う必要があった。
また、高純度化するために熱処理を行うとカーボンシートの可撓性が悪化する。半導体製造装置において用いられる窒化アルミニウム焼結体は円板形状が一般的であり、成形型の円筒形状の内面に沿ってカーボンシートを曲げると、カーボンシートはフレーク状になってクラックが発生するおそれがあり、成形型の保護を十分に図ることができない。さらに、クラックが発生すると、カーボンのパーティクルが窒化アルミニウム焼結体に混入するおそれが生じる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、色調むら及び不純物混入の抑制を図ることが可能なセラミックス部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1のセラミックス部材の製造方法は、カーボンシートを不活性雰囲気で1600℃以上2000℃未満の温度で加熱して熱処理する工程と、容器の空洞を画定する前記容器の内面を前記熱処理したカーボンシートで被覆する工程と、前記容器の内面を被覆する前記カーボンシート上に窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス粉末又は当該セラミックス粉末からなる成形体を配置する工程と、前記カーボンシート上に配置された前記セラミックス粉末又は前記成形体を不活性雰囲気で加圧しながら1700℃以上2000℃以下の温度で加熱して、セラミックス焼結体を得る工程とを備えることを特徴とする。
なお、本発明の成形体には、セラミックス粉末とバインダー等の有機物を含む混合物を成形した後に脱脂した脱脂体や成形体を仮焼した仮焼体も含まれる。
本発明の第1のセラミックスの製造方法によれば、カーボンシートを1600℃以上2000℃未満の温度で加熱して熱処理すれば、硫黄の含有量が600ppm以下程度に減少するので、セラミックス焼結体の表面に目視可能な程度の色調むらが発生することの抑制を図ることが可能となる。これにより、上記特許文献1のように2000℃~2200℃の高温で温度で熱処理する必要がないので、熱処理が簡易化すると共に、熱処理に起因する可撓性の劣化を抑制することができる。そして、これにより、可撓性の劣化に起因するフレーク状のクラックがカーボンシートに発生し、不純物がセラミックス焼結体に混入するなどの不具合が生じるおそれの解消を図ることが可能となる。
本発明の第2のセラミックス部材の製造方法は、カーボンシートを不活性雰囲気で1600℃以上2000℃未満の温度で加熱して熱処理する工程と、保持部材の表面を前記熱処理したカーボンシートで被覆する工程と、前記保持部材の表面を被覆する前記カーボンシート上に窒化アルミニウムを主成分とする複数のセラミックス焼結体を配置する工程と、前記カーボンシート上に配置された前記複数のセラミックス焼結体を不活性雰囲気で加圧しながら1600℃以上1800℃以下の温度で加熱して、前記複数のセラミックス焼結体を接合する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の第2のセラミックスの製造方法によれば、本発明の第1のセラミックスの製造方法と同様に、接合されたセラミックス焼結体の表面に目視可能な程度の色調むらが発生することの抑制を図ることが可能となると共に、カーボンシートに起因する不純物がセラミックス焼結体に混入するなどの不具合が生じるおそれの解消を図ることが可能となる。
本発明の第1及び第2のセラミックス部材の製造方法真空吸引装置において、前記カーボンシートの厚さをd[mm](ただし、0.1[mm]≦d≦1.0[mm])、前記容器又は前記保持部材を半径R[mm](ただし、100[mm]≦R≦200[mm])の内径を有する円筒形状、前記熱処理する工程における加熱温度をT[℃]としたとき、d×R≧75+(T-1650)/4の関係式を満たす
これにより、後述の実施例及び比較例から分かるように、カーボンシートにフレーク状のクラックなどが発生するおそれを確実に抑制することが可能となる。
また、本発明の第1及び第2のセラミックス部材の製造方法において、前記カーボンシートで被覆される前記容器の内面又は前記保持部材の表面は、屈曲又は湾曲した部分を有し、前記熱処理は、前記容器の内面又は前記保持部材の表面の屈曲又は湾曲した部分を被覆する状態と相似形状に、前記カーボンシートを維持した状態で行うことが好ましい。
この場合、カーボンシートが加熱処理時の形状に馴染むので、カーボンシートで容器の内面又は保持部材の表面を被覆する際に、カーボンシートに破損などの不具合が生じることの抑制を図ることが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るセラミックス部材の製造方法を示すフローチャート。 本発明の第1の実施形態に係るセラミックス部材の製造方法を示す模式断面図であり、図2Aは容器を組み合わせた状態を、図2Bは容器の空洞をセラミックス粉末で充填した状態を、図2Cは焼成後の状態をそれぞれ示す。 カーボンシートを曲げ半径Rで維持した状態を示す模式斜視図。 本発明の第2の実施形態に係るセラミックス部材の製造方法を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係るセラミックス部材の製造方法を示す模式断面図であり、図5Aは容器を組み合わせた状態を、図5Bは容器の空洞をセラミックス粉末で充填した状態を、図5Cは焼成後の状態をそれぞれ示す。
本発明の第1の実施形態に係るセラミックス部材10の製造方法について図面を参照して説明する。なお、図2,3,5は、セラミックス部材10,20(図2C及び図5C参照)及びその構成要素などを明確化するためにデフォルメされており、実際の比率を表すものではなく、上下などの方向も単なる例示である。
本発明の第1の実施形態に係るセラミックス部材10の製造方法は、図1に示すように、カーボンシート熱処理工程STEP1、カーボンシート被覆工程STEP2、セラミックス粉末配置工程STEP3、及び焼成工程STEP4を備えている。本製造方法は、図2Aから図2Cを参照して、セラミックス部材10を製造する方法である。
カーボンシート熱処理工程STEP1は、図2Aを参照して、カーボンシート1を不活性雰囲気で1600℃以上2000℃未満の温度で加熱して熱処理する工程である。なお、熱処理は、複数枚のカーボンシート1を重ね合わせた状態で行ってもよい。
カーボンシート1は、東洋炭素社、NeoGraf社、パナソニック社、日立化成社などから市販されている市販品を用いればよい。市販品のカーボンシート1には、例えば、硫黄(S)、カリウム(Ca)、ナトリウム(Na)、鉄(Fe)、珪素(Si)、マグネシウム(Mg)、K(カリウム)、Ti(チタン)などの不純物が含まれており、硫黄の含有量は1000ppm~3000ppm程度、不純物の合計含有量は数千ppm程度である。また、カーボンシート1の厚さdは例えば0.1mm~1.0mmである。
加熱時間は、カーボンシート1の硫黄の含有量が600ppm以下程度となるように、同時に熱処理するカーボンシート1の枚数、面積、厚さdなどに応じて適宜定めればよいが、例えば1時間以上18時間以下である。
カーボンシート被覆工程STEP2は、容器2の空洞(キャビティ)Sを画定する容器2の内面2aを熱処理したカーボンシート1で被覆する工程である。
容器2は、少なくも2つの部材2A,2B、例えば下型2Aと上型(パンチ)2Bとからなり、これらが組み合わされたときに空洞Sが形成される成形型2である。
容器2はカーボン製であることが好ましい。後述するように、セラミックス粉末配置工程STEP3において、容器2とセラミックス粉末3との間にカーボンシート1を介在させており、容器2とセラミックス粉末3とは直接的には接触しない。そのため、容器2に含まれる不純物は、セラミックス粉末3が焼成されてなるセラミックス焼結体からなるセラミックス部材10(図2C参照)に対して悪影響を及ぼさない。よって、容器2は、高純度カーボン製である必要は必ずしもないが、型としての強度の観点から等方性黒鉛材料からなることが好ましい。
加熱処理したカーボンシート1を、容器2の空洞Sを画定する内面2aの全面に亘って被覆させることが好ましい。ただし、セラミックス部材10の表面に色調むらが存在してもよい部分(例えば側面や裏面)が存在する場合には、これに対応する容器2の内面2aの部分には、加熱処理していないカーボンシート1を被覆させてもよい。また、容器2の内面2aにおいてセラミックス粉末3と接しない部分が存在する場合には、この部分はカーボンシート1で被覆していなくてもよい。
また、カーボンシート1は、容器2を構成する部材2A,2Bを組み合わせたときに、これらが当接する部分の内面2aにも被覆することが好ましい。これにより、容器2の保護を図ることが可能となる。
カーボンシート1で被覆される容器2の内面2aは、例えば有底の円筒状であり、円筒の側周面において湾曲した曲面部分や側周面と底面との間に屈曲した屈曲部分を有している。そこで、カーボンシート熱処理工程STEP1における熱処理は、容器2の内面2aの曲面部分又は屈曲部分を被覆する状態と相似形状に、カーボンシート1の形状を維持した状態で行うことが好ましい。なお、有底の円筒状の容器は、例えば複数の部材を組み合わせて構成してもよい。
このようにカーボンシート1を容器2の内面2aを被覆する形状に維持した状態で熱処理を行うと、この状態にカーボンシート1が馴染むので、カーボンシート1で容器2の内面2aを被覆する際に、カーボンシート1に破損などの不具合が生じることを抑制することが可能となる。
なお、熱処理時のカーボンシート1は、容器2の内面2aと完全に同じ形状に保持する必要はなく、相似形状であればよい。例えば、容器2の内面2aが円筒状の場合、平板状のカーボンシート1を曲げることによりカーボンシート1を円筒状に変形させた状態で熱処理を行うことが好ましい。具体的には、図3に示すように、内面2aの半径Rよりも若干大きい半径R´を維持するように、外側面の半径がR´の円筒状体21に巻き付けた状態でカーボンシート1を熱処理することが好ましい。これにより、容器2の内面2aにカーボンシート1を確実に密着させた状態で被覆することが可能となる。
なお、容器2の内面2aの平面状の部分、例えば円筒の上面及び底面などを構成する内面2aの部分を被覆するカーボンシート1に関しては、平面状とした状態で加熱すればよい。
セラミックス粉末配置工程STEP3は、図2Bを参照して、容器2の内面2aを被覆するカーボンシート1上に窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス粉末3を配置する工程である。具体的には、カーボンシート1で被覆された容器2の空洞S内をセラミックス粉末3によって充填する。
セラミックス粉末3は、窒化アルミニウム粉末に焼結助剤などを添加したものである。
ただし、セラミックス粉末3に代えて、図示しないが、セラミックス粉末3を成形してなる成形体をカーボンシート上に配置してもよい。この場合、単に、成形体をカーボンシート1上に配置すればよく、成形体が複数個存在する場合は、成形体を積層してもよい。
成形体は、窒化アルミニウム粉末にバインダー、可塑剤、焼結助剤、分散剤などからなるセラミックス粉末3を冷間等方圧加圧法(CIP:Cold Isostatic Pressing)などを用いて成形することによって、板状などに成形したものである。例えば、具体的には、セラミックス粉末3を溶剤を用いて混合した後、スプレードライ乾燥をすることで、セラミックス顆粒を得て、このセラミックス顆粒をCIP成形して得たインゴットを機械加工して所定の外形に形成することによって成形体を作製すればよい。
また、例えば、セラミックス部材10を、載置した基板を加熱するヒータとして用いる場合、図示しないが、ヒータ用の電極などの電極や電極に電気的に接続する端子接続部材などを、セラミックス粉末3又は成形体の間に配置してもよい。ただし、セラミックス部材10は、ヒータに用いられるものに限定されず、静電チャック、サセプタなどに用いられるものであってもよく、この場合、高周波発生用電極、静電吸着電極などの電極を配置すればよい。
焼成工程STEP4は、カーボンシート1上に配置されたセラミックス粉末3を不活性雰囲気で加圧しながら1700℃以上2000℃以下の温度で加熱して、セラミックス焼結体からなるセラミックス部材10を得る工程である。セラミックス粉末配置工程STEP3において、成形体を配置した場合には、カーボンシート1上に配置された成形体を不活性雰囲気で加圧しながら1700℃以上2000℃以下の温度で加熱して、セラミックス焼結体からなるセラミックス部材10を得ればよい。
不活性雰囲気は、例えば窒素(N)、アルゴン(Ar)、真空雰囲気などの雰囲気である。例えば、上述したように容器2が下型2Aと上型2Bとなる場合、上型2Bを下方に押圧することによってセラミックス粉末3を加圧すればよい。
加熱時間は、従来の焼成工程における加熱時間と同じであってよく、セラミックス粉末3の充填量や成形体の大きさなどに応じて適宜定めればよいが、例えば0.5時間以上6時間以下である。
最後に、焼成工程STEP4の後に容器2から脱型したセラミックス部材10の表面に固着したカーボンシート1を機械加工によって除去する。
上記特許文献1には、高純度カーボンからなる部材を用いることにより、この部材に含有される硫黄(S)に起因して窒化アルミニウムからなるセラミックス部材の表面に生じる色調むらを抑制することが開示されている。具体的には、真空中で2000℃~2200℃の温度で熱処理することによって、硫黄の含有量を100ppm以下としている。
しかし、発明者は、硫黄の含有量が600ppm以下程度であれば、目視で確認可能な程度の色調むらは発生せず、且つ、このような含有量であれば、熱処理の温度は1600℃以上2000℃未満で十分であることを見い出した。
また、2000℃以上の高温で熱処理したカーボンシートは固くなり過ぎ、可撓性が劣る。このようなカーボンシートを使用すると、可撓性の劣化に起因するフレーク状のクラックがカーボンシートに発生し、成形型から不純物がセラミックス焼結体に混入するなどの不具合が生じるおそれがある。
一方、本実施形態では、カーボンシート熱処理工程STEP1において、カーボンシート1を不活性雰囲気で1600℃以上2000℃未満の温度で熱処理している。このような温度で熱処理しても、ホットプレスに用いられる成形型2の内周面2aに沿ってカーボンシート1を良好に被覆することができる程度の可撓性を有する。
さらに、カーボンシート1の厚さをd[mm]、容器2の内面2aを半径R[mm]の内径を有する円筒形状、カーボンシート熱処理工程STEP1における加熱温度をT[℃]としたとき、以下の式(1)の関係を満たすことが好ましい。
d×R≧75+(T-1650)/4 ・・・ (1)
このような式(1)の関係を満たせば、後述の実施例及び比較例から分かるように、カーボンシート1にフレーク状のクラックなどが発生するおそれを確実に抑制することが可能となる。
以上の説明したように、本実施形態は、発明者の新たな知見に基づきなされたものであり、特許文献1に開示された技術と比較して、簡易に色調むらの発生の抑制を図ると共に、カーボンシート1に起因する不純物混入などの不具合の発生の抑制を図ることが可能となる。
以下、本発明の第2の実施形態に係るセラミックス部材20の製造方法について図面を参照して説明する。
本製造方法は、図4に示すように、カーボンシート熱処理工程STEP11、カーボンシート被覆工程STEP12、セラミックス焼結体配置工程STEP13、及び接合工程STEP14を備えている。本製造方法は、図5Aから図5Cを参照して、窒化アルミニウムを主成分とする複数のセラミックス焼結体13(図5B参照)を接合することにより、セラミックス部材20(図5C参照)を製造する方法である。
カーボンシート熱処理工程STEP11は前述したカーボンシート熱処理工程STEP1と、カーボンシート被覆工程STEP12は前述したカーボンシート被覆工程STEP2とそれぞれ同様である。容器12は、容器2と同様にカーボン製であることが好ましい。
ただし、図5Bを参照して、本製造方法において使用される容器12は上述のように成形型2ではなく、複数のセラミックス焼結体13を所定の位置に保持する保持部材である。そのため、容器12は開口などを有していてもよく、カーボンシート被覆工程STEP12においては、容器12の内面12aのうちカーボンシート11を介してセラミックス焼結体13と相対する部分のみ、カーボンシート11で被覆すればよい。なお、保持部材として平板状の部材を採用し、一対の平板状の部材間にカーボンシート11を介して複数のセラミックス焼結体13を挟む構成であってもよい。
セラミックス焼結体配置工程STEP13は、容器12の内面12aを被覆するカーボンシート11上に窒化アルミニウムを主成分とする複数のセラミックス焼結体13を配置する工程である。複数のセラミックス焼結体13は、接合工程STEP14における加圧方向に積層して配置させることが好ましい。セラミックス焼結体13は、上述した成形体を焼成してなるものであればよい。焼成温度は、焼成工程S4における加熱温度と同様に、1700℃以上2000℃以下である。
接合工程STEP14は、カーボンシート11上に配置された複数のセラミックス焼結体13を不活性雰囲気で加圧しながら1600℃以上1800℃以下の温度で加熱して、複数のセラミックス焼結体13を接合し、セラミックス部材20を得る工程である。
加熱時間は、従来の複数のセラミックス焼結体13を接合する際における加熱時間と同じであってよく、セラミックス焼結体の大きさや加圧力などに応じて適宜定めればよいが、例えば0.5時間以上6時間以下である。
最後に、セラミックス部材20の表面に固着したカーボンシート11を機械加工によって除去する。
本の実施形態は、上述した第1の実施形態と同様に、簡易に色調むらの発生の抑制を図ると共に、カーボンシート11に起因する不純物混入などの不具合の発生の抑制を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施例及び比較例を具体的に挙げて、本発明を説明する。
(実施例1から実施例4及び比較例1)
実施例1から実施例4及び比較例1においては、まず、窒化アルミニウム(AlN)粉末95質量%に焼結助剤として酸化イットリウム(Y)を5質量%添加し、バインダー、溶剤を用いて混合した後、スプレードライ乾燥して、セラミックス顆粒を得た。そして、このセラミックス顆粒を、1ton/cmの圧力でCIP成形することにより、セラミックス成形体のインゴットを得た。そして、このインゴットを機械加工して、直径370mm、厚さ20mmの円板状とし、これを大気雰囲気で500℃以上、2時間以上脱脂することによりセラミックス成形体を1枚得た。
次に、セラミックス成形体をカーボン型2内に移設し、これをホットプレス炉内に入れ、積層方向に1MPa以上の圧力で加圧しながらN雰囲気において炉内温度1800℃を2時間維持して焼成し、セラミックス焼結体13を得た。そして、このセラミックス焼結体13の表面を表面粗さRaが0.4μmとなるように研削加工した。
そして、NeoGraf社製のカーボンシート1を複数枚用意した。このカーボンシート1のショアA硬度Aは75であった。
そして、実施例1から4においては、カーボンシート1をN雰囲気の加熱炉内で5枚重ねた状態で加熱して熱処理を行った。加熱温度及び加熱時間は下記の表1のとおりである。
そして、実施例1から4においては、5枚重ねて熱処理したカーボンシート1のうちの上から2枚目のものを用いた。比較例1においては、市販品の熱処理を行っていないカーボンシート1を用いた。
日立製作所社製のエネルギー分散型X線分析(EDX)装置を用いて、各カーボンシート1に含まれるカーボン(C)及び硫黄(S)などの不純物の含有量を測定した。測定結果は表1に示すとおりであった。
表1から、実施例1から実施例4においては、硫黄の含有量が0.03重量%~0.05重量%と、比較例1の0.19重量%と比べて大きく減少していることが分かった。
次に、実施例1から実施例4及び比較例1における各カーボンシート1を、それぞれ上記セラミックス成形体の上面を5等分した扇形状に裁断した。そして、これらの扇状の各カーボンシート1をセラミックス成形体1の上面を隙間なく覆うように配置した。
そして、この状態のセラミックス成形体を、カーボンシート1上に載置した状態で、加熱炉内に配置した。このカーボンシート1は、炉内雰囲気の影響を抑制するために配置したものである。そして、炉内をN雰囲気として、加熱温度を1800℃として2時間加熱してセラミックス成形体を焼成してセラミックス焼結体を得た。なお、ここでは加圧を行わなかったが、加圧を行ってもよい。
その後、セラミックス焼結体を炉内から取り出し、カーボンシート1を機械加工によって除去した後、セラミックス焼結体の表面を1mmだけ研削加工によって除去した。
コニカミノルタジャパン株式会社製の分光測色計CM-700dを用い、光源をD65として、セラミックス焼結体の研削した表面の色度を計測した。計測は、実施例1から実施例4及び比較例1のそれぞれにおいて、扇状のカーボンシート1で被覆された部分に位置する箇所から同じように4か所選んで測定した。
測定結果をCIE1976xyz色空間からCIE1931xy色空間に変換した。その結果、実施例1から実施例4においては、比較例1と比較して、色調むらが減少していることが分かった。また、実施例1から実施例4においては、セラミックス焼結体の研削した表面に色調むらは目視で確認できなったが、比較例1においては、セラミックス焼結体の研削した表面に色調むらが目視で確認された。
(実施例5から実施例15及び比較例2から比較例10)
実施例5から実施例15及び比較例2から比較例10においては、まず、日立化成社製のカーボンシート1を用意した。カーボンシート1の厚さd[mm]及びショアA硬度Aは、下記の表2に示すとおりであった。
そして、これらのカーボンシート1を、幅250mmに裁断して、図3を参照して、半径R[mm]の円筒状体のものの周側面に巻き付けて曲げ半径をR[mm]に維持した状態で、N雰囲気の加熱炉内で加熱温度T[℃]で2時間加熱して熱処理した。
そして、炉内から取り出したカーボンシート1にフレークが発生するなどの不具合がないか目視で確認した。これらの結果を表2に示す。表2から、上記式(1)が成立する場合には、カーボンシート1にフレーク(クラック)が発生するなどの不具合が発生しないことが分かった。
1,11…カーボンシート、 2…容器、 2a…内面、 2A…部材、下型、 2B…部材、上型、 3…セラミックス粉末、 13…セラミックス焼結体、 10…セラミックス部材、セラミックス焼結体、 12…容器(保持部材)、 12a…内面(表面)、 20…セラミックス部材、接合されたセラミックス焼結体、 S…空洞。

Claims (4)

  1. カーボンシートを不活性雰囲気で1600℃以上2000℃未満の温度で加熱して熱処理する工程と、
    容器の空洞を画定する前記容器の内面を前記熱処理したカーボンシートで被覆する工程と、
    前記容器の内面を被覆する前記カーボンシート上に窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス粉末又は当該セラミックス粉末からなる成形体を配置する工程と、
    前記カーボンシート上に配置された前記セラミックス粉末又は前記成形体を不活性雰囲気で加圧しながら1700℃以上2000℃以下の温度で加熱して、セラミックス焼結体を得る工程とを備え
    前記カーボンシートの厚さをd[mm](ただし、0.1[mm]≦d≦1.0[mm])、前記容器を半径R[mm](ただし、100[mm]≦R≦200[mm])の内径を有する円筒形状、前記熱処理する工程における加熱温度をT[℃]としたとき、d×R≧75+(T-1650)/4の関係式を満たすことを特徴とするセラミックス部材の製造方法。
  2. カーボンシートを不活性雰囲気で1600℃以上2000℃未満の温度で加熱して熱処理する工程と、
    保持部材の表面を前記熱処理したカーボンシートで被覆する工程と、
    前記保持部材の表面を被覆する前記カーボンシート上に窒化アルミニウムを主成分とする複数のセラミックス焼結体を配置する工程と、
    前記カーボンシート上に配置された前記複数のセラミックス焼結体を不活性雰囲気で加圧しながら1600℃以上1800℃以下の温度で加熱して、前記複数のセラミックス焼結体を接合する工程とを備え、
    前記カーボンシートの厚さをd[mm](ただし、0.1[mm]≦d≦1.0[mm])、前記保持部材を半径R[mm](ただし、100[mm]≦R≦200[mm])の内径を有する円筒形状、前記熱処理する工程における加熱温度をT[℃]としたとき、d×R≧75+(T-1650)/4の関係式を満たすことを特徴とするセラミックス部材の製造方法。
  3. 前記カーボンシートで被覆される前記容器の内面は、屈曲又は湾曲した部分を有し、
    前記熱処理は、前記容器の内面の屈曲又は湾曲した部分を被覆する状態と相似形状に、前記カーボンシートを維持した状態で行うことを特徴とする請求項記載のセラミックス部材の製造方法。
  4. 前記カーボンシートで被覆される前記保持部材の表面は、屈曲又は湾曲した部分を有し、
    前記熱処理は、前記保持部材の表面の屈曲又は湾曲した部分を被覆する状態と相似形状に、前記カーボンシートを維持した状態で行うことを特徴とする請求項2に記載のセラミックス部材の製造方法。
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