JP7310499B2 - R-t-b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R-t-b系焼結磁石の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はR-T-B系焼結磁石の製造方法に関する。
R-T-B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種であり、Tは主にFeであり、Bは硼素である)は永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)、電気自動車用(EV、HV、PHVなど)モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品などに使用されている。
R-T-B系焼結磁石は、主としてR14B化合物からなる主相と、この主相の粒界部分に位置する粒界相とから構成されている。主相であるR14B化合物は高い飽和磁化と異方性磁界を持つ強磁性材料であり、R-T-B系焼結磁石の特性の根幹をなしている。
R-T-B系焼結磁石は、高温で保磁力HcJ(以下、単に「HcJ」という)が低下するため不可逆熱減磁が起こるという問題がある。そのため、特に電気自動車用モータに使用されるR-T-B系焼結磁石では、高温下でも高いHcJを有する、すなわち室温においてより高いHcJを有することが要求されている。
国際公開第2007/102391号 国際公開第2016/133071号
14B型化合物相中の軽希土類元素(主にNd、Pr)を重希土類元素(主にDy、Tb)で置換すると、HcJが向上することが知られている。しかし、HcJが向上する一方、R14B型化合物相の飽和磁化が低下するために残留磁束密度B(以下、単に「B」という)が低下してしまうという問題がある。
特許文献1には、R-T-B系合金の焼結磁石の表面にDy等の重希土類元素を供給しつつ、重希土類元素を焼結磁石の内部に拡散させることが記載されている。特許文献1に記載の方法は、R-T-B系焼結磁石の表面から内部にDyを拡散させてHcJ向上に効果的な主相結晶粒の外殻部にのみDyを濃化させることにより、Bの低下を抑制しつつ、高いHcJを得ることができる。
特許文献2には、R-T-B系焼結体の表面に特定組成のR-Ga-Cu合金を接触させて熱処理を行うことにより、R-T-B系焼結磁石中の粒界相の組成および厚さを制御してHcJを向上させることが記載されている。
しかし、近年特に電気自動車用モータなどにおいて重希土類元素の使用量を低減しつつ、更に高いHcJを得ることが求められている。
本開示の様々な実施形態は、重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBと高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石の製造方法を提供する。
本開示のR-T-B系焼結磁石の製造方法は、例示的な実施形態において、R-T-B系焼結磁石素材を準備する工程と、RL1-RH-M1系合金を準備する工程と、RL2-M2系合金を準備する工程と、前記R-T-B系焼結磁石素材の表面の少なくとも一部に、前記RL1-RH-M1系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、700℃以上1100℃以下の温度で加熱する第一拡散工程と、前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材の表面の少なくとも一部に、前記RL2-M2系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、400℃以上600℃以下の温度で加熱する第二拡散工程と、を含み、前記第一拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL1-RH-M1系合金の付着量は4mass%以上15mass%以下で、かつ、前記RL1-RH-M1系合金による前記R-T-B系焼結磁石素材へのRHの付着量は0.1mass%以上0.6mass%以下であり、前記第二拡散工程における前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材への前記RL2-M2系合金の付着量は1mass%以上15mass%以下であり、前記R-T-B系焼結磁石素材において、Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、Rの含有量は、R-T-B系焼結磁石素材全体の27mass%以上35mass%以下であり、TはFe、Co、Al、Mn、およびSiからなる群から選択された少なくとも1つであり、Tは必ずFeを含み、T全体に対するFeの含有量が80mass%以上であり、[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下であり、前記RL1-RH-M1系合金において、RL1は軽希土類元素のうちの少なくとも1つであり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、RL1の含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の60mass%以上97mass%以下であり、RHは、Tb、DyおよびHoからなる群から選択された少なくとも1つであり、RHの含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の1mass%以上8mass%以下であり、M1は、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つであり、M1の含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の2mass%以上39mass%以下であり、前記RL2-M2系合金において、RL2は軽希土類元素のうちの少なくとも1つであり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、RL2の含有量は、RL2-M2系合金全体の60mass%以上97mass%以下であり、M2は、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つであり、M2の含有量は、RL2-M2系合金全体の3mass%以上40mass%以下である。
ある実施形態は、前記RL1-RH-M1系合金において、RHの含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の2mass%以上6mass%以下である。
ある実施形態は、前記第一拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL1-RH-M1系合金の付着量は5mass%以上10massmass%以下である。
ある実施形態は、前記第二拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL2-M2系合金の付着量は2mass%以上10mass%以下である。
本開示の実施形態によれば、重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBと高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石の製造方法を提供することができる。
R-T-B系焼結磁石の一部を拡大して模試的に示す断面図である。 図1Aの破線矩形領域内を更に拡大して模式的に示す断面図である。 本開示によるR-T-B系焼結磁石の製造方法における工程の例を示すフローチャートである。
まず、本開示によるR-T-B系焼結磁石の基本構造について説明をする。R-T-B系焼結磁石は、原料合金の粉末粒子が焼結によって結合した構造を有しており、主としてR14B化合物粒子からなる主相と、この主相の粒界部分に位置する粒界相とから構成されている。
図1Aは、R-T-B系焼結磁石の一部を拡大して模試的に示す断面図であり、図1Bは図1Aの破線矩形領域内を更に拡大して模式的に示す断面図である。図1Aには、一例として長さ5μmの矢印が大きさを示す基準の長さとして参考のために記載されている。図1Aおよび図1Bに示されるように、R-T-B系焼結磁石は、主としてR14B化合物からなる主相12と、主相12の粒界部分に位置する粒界相14とから構成されている。また、粒界相14は、図1Bに示されるように、2つのR14B化合物粒子(グレイン)が隣接する二粒子粒界相14aと、3つのR14B化合物粒子が隣接する粒界三重点14bとを含む。典型的な主相結晶粒径は磁石断面の円相当径の平均値で3μm以上10μm以下である。主相12であるR14B化合物は高い飽和磁化と異方性磁界を持つ強磁性材料である。したがって、R-T-B系焼結磁石では、主相12であるR14B化合物の存在比率を高めることによってBを向上させることができる。R14B化合物の存在比率を高めるためには、原料合金中のR量、T量、B量を、R14B化合物の化学量論比(R量:T量:B量=2:14:1)に近づければよい。
また、主相であるR14B化合物のRの一部をDy、Tb、Hoなどの重希土類元素で置換することによって飽和磁化を下げつつ、主相の異方性磁界を高められることが知られている。特に二粒子粒界相と接する主相外殻は磁化反転の起点となりやすいため、主相外殻に優先的に重希土類元素を置換できる重希土類拡散技術は、飽和磁化の低下を抑制しつつ効率的に高いHcJが得られる。
一方、二粒子粒界相14aの磁性を制御することによっても、高いHcJが得られることが知られている。具体的には二粒子粒界相中の磁性元素(Fe、Co、Ni等)の濃度を下げることによって、二粒子粒界相を非磁性に近づけることで、主相同士の磁気的な結合を弱めて磁化反転を抑制することができる。
本開示によるR-T-B系焼結磁石の製造方法では、まず、特定組成のR-T-B系焼結磁石素材とRL1-RH-M1系合金とを付着させて熱処理を実施することで、RL1-RH-M1系合金からRL1、RHおよびM1を磁石素材内部へ拡散させる(第一拡散工程)。次に、前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材とRL2-M2系合金とを付着させて熱処理を実施することで、RL2-M2系合金からRL2およびM2を更に磁石素材内部へ拡散させる(第二拡散工程)。本発明者による検討の結果、第一拡散工程において、RHの含有量を低くした上でR-T-B系焼結磁石素材表面への付着量を比較的多い特定範囲に管理してRH、RL1、M1の全てをR-T-B系焼結磁石素材に拡散させると、少ないRHでも拡散による主相外殻の異方性磁界の向上が顕著に起こり、さらに、RL1およびM1元素の二粒子粒界相への拡散によって二粒子粒界相における磁性元素濃度の低下が顕著に起こることがわかった。これにより、Bの低下を抑制しつつ、高いHcJを得ることができる。そして、さらに検討した結果、このようにして、RHとともにRL1およびM1を第一拡散工程により拡散させた後に、今度はRHではなくRL2およびM2を第一拡散工程とは異なる特定の温度で拡散させる第二拡散工程を行うことより、さらに高いHcJが得られることが分かった。そして、この第二拡散工程による効果は、本開示の特定組成のR-T-B系焼結磁石素材に対して行った時に得られることも分かった。
本開示によるR-T-B系焼結磁石の製造方法は、図2に示すように、R-T-B系焼結磁石素材を準備する工程S10とRL1-RH-M1系合金を準備する工程S20およびRL2-M2系合金を準備する工程S21を含む。R-T-B系焼結磁石素材を準備する工程S10とRL1-RH-M1合金を準備する工程S20およびRL2-M2系合金を準備する工程S21の順序は任意であり、それぞれ、異なる場所で製造されたR-T-B系焼結磁石素材、RL1-RH-M1系合金およびRL2-M2合金を用いてもよい。本開示によるR-T-B系焼結磁石の製造方法は、図2に示すように、更に、R-T-B系焼結磁石素材表面の少なくとも一部にRL1-RH-M1系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、700℃以上1100℃以下の温度で加熱する第一拡散工程S30と第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材の表面の少なくとも一部に、前記RL2-M2系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、400℃以上600℃以下の温度で加熱する第二拡散工程S31を含む。
なお、本開示において、第二拡散工程前および第二拡散工程中のR-T-B系焼結磁石を「R-T-B系焼結磁石素材」と称し、第二拡散工程後のR-T-B系焼結磁石を単に「R-T-B系焼結磁石」と称する。
(R-T-B系焼結磁石素材を準備する工程)
R-T-B系焼結磁石素材において、Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、Rの含有量は、R-T-B系焼結磁石素材全体の27mass%以上35mass%以下である。TはFe、Co、Al、Mn、およびSiからなる群から選択された少なくとも1つであり、Tは必ずFeを含み、T全体に対するFeの含有量が80mass%以上であり、[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下である。
Rが27mass%未満では焼結過程で液相が十分に生成せず、焼結体を充分に緻密化することが困難になる可能性がある。一方、Rが35masss%を超えると焼結時に粒成長が起こりHcJが低下する可能性がある。Rは28mass%以上33mass%以下であることが好ましい。
本開示における[T]/[B]とは、Tを構成する各元素(Fe、Co、Al、MnおよびSiからなる群から選択された少なくとも1つであり、Tは必ずFeを含み、T全体に対するFeの含有量が80mass%以上)の分析値(mass%)をそれぞれの元素の原子量で除したものを求め、それらの値を合計したもの(a)とを、Bの分析値(mass%)をBの原子量で除したもの(b)との比(a/b)である。[T]/[B]のmol比が14.0を超えるという条件は、Bの含有量がR14B化合物の化学量論組成比よりも少ない、すなわち、主相(R14B化合物)形成に使われるT量に対して相対的にB量が少ないことを示している。[T]/[B]のmol比が14.0以下であると第二拡散工程をおこなっても高いHcJ向上効果を得ることができない。一方、[T]/[B]のmol比が15.0を超えるとBが低下する可能性がある。[T]/[B]のmol比は14.3以上15.0以下であることが好ましい。さらに高いBと高いHcJを得ることができる。Bの含有量はR-T-B系焼結体全体の0.9mass%以上1.0mass%未満が好ましい。
R-T-B系焼結磁石素材は例えば、以下の組成範囲を有する。
R:27~35mass%、
B:0.80~1.00mass%、
Ga:0~1.0mass%、
X:0~2mass%(XはCu、Nb、Zrの少なくとも一種)、
T:60mass%以上、
[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下である。
R-T-B系焼結磁石素材は、Nd-Fe-B系焼結磁石に代表される一般的なR-T-B系焼結磁石の製造方法を用いて準備することができる。一例を挙げると、ストリップキャスト法等で作製された原料合金を、ジェットミルなどを用いて3μm以上10μm以下に粉砕した後、磁界中で成形し、900℃以上1100℃以下の温度で焼結することにより準備することができる。
(RL1-RH-M1系合金を準備する工程)
RL1-RH-M1系合金において、RL1は軽希土類元素のうちの少なくとも1つであり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、RL1の含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の60mass%以上97mass%以下である。軽希土類元素は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Euなどが挙げられる。RHは、Tb、DyおよびHoからなる群から選択された少なくとも1つであり、RHの含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の1mass%以上8mass%以下である。M1は、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つであり、M1の含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の2mass%以上39mass%以下である。RL1-RH-M1系合金の典型例は、TbNdPrCu合金、TbNdCePrCu合金、TbNdGa合金、TbNdPrGaCu合金などである。また、RL1―M1合金と共にRHのフッ化物、酸化物、酸フッ化物等を準備してもよい。RHのフッ化物、酸化物、酸フッ化物としては、例えば、TbF、DyF、Tb、Dy、TbOF、DyOFが挙げられる。
RL1-RH-M1系合金は、RL1、RHおよびM1それぞれの含有量を調整することにより、上述した元素以外の元素(例えばSi、Mn等)を少量(例えば合計で2mass%程度)含有してもよい。
RL1が60mass%未満であると、RHおよびM1がR-T-B系焼結磁石素材内部に導入されにくくなり、HcJが低下する可能性があり、97mass%を超えるとRL1-RH-M1系合金の製造工程中における合金粉末が非常に活性になる。その結果、合金粉末の著しい酸化や発火などを生じる可能性がある。好ましくは、RL1の含有量はRL1-RH-M1系合金全体の70mass%以上95mass%以下である。より高いHcJを得ることができる。
RHが1mass%未満であると、RHによるHcJ向上効果が得られない可能性があり、8mass%を超えるとRL1およびM1によるHcJ向上効果が低下する可能性があるため、重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBと高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を得ることができない可能性がある。好ましくは、RHの含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の2mass%以上6mass%以下である。より高いBと高いHcJを得ることができる。
M1が2mass%未満であるとRL1およびRHが二粒子粒界相に導入されにくくなり、HcJが十分に向上しない可能性があり、39mass%を超えるとRL1およびRHの含有量が低下しHcJが十分に向上しない可能性がある。好ましくは、Mの含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の3mass%以上28mass%以下である。より高いHcJを得ることができる。また、M1はGaを含有した方が好ましく、さらにCuを含有した方が好ましい。より高いHcJを得ることができる。
RL1-RH-M1系合金の作製方法は、特に限定されない。ロール急冷法によって作製してもよいし、鋳造法で作製してもよい。また、これらの合金を粉砕して合金粉末にしてもよい。遠心アトマイズ法、回転電極法、ガスアトマイズ法、プラズマアトマイズ法などの公知のアトマイズ法で作製してもよい。
(RL2-M2系合金を準備する工程)
RL2-M2系合金において、RL2は軽希土類元素のうちの少なくとも1つであり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、RL2の含有量は、RL2-M2系合金全体の60mass%以上97mass%以下であり、M2は、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つであり、M2の含有量は、RL2-M2系合金全体の3mass%以上40mass%以下である。RL2-M2系合金の典型例は、NdPrCu合金、NdCePrCu合金、NdGa合金、NdPrGaCu合金などである。
RL2-M2系合金は、RL2およびM2それぞれの含有量を調整することにより、上述した元素以外の元素(例えばSi、Mn等)を少量(例えば合計で2mass%程度)含有してもよい。
RL2が60mass%未満であると、M1がR-T-B系焼結磁石素材内部に導入されにくくなり、HcJが低下する可能性があり、97mass%を超えるとRL2―M2系合金の製造工程中における合金粉末が非常に活性になる。その結果、合金粉末の著しい酸化や発火などを生じる可能性がある。好ましくは、RL2の含有量はRL2-M2系合金全体の70mass%以上95mass%以下である。より高いHcJを得ることができる。
M2が3mass%未満であるとRL2が二粒子粒界相に導入されにくくなり、HcJが十分に向上しない可能性があり、40mass%を超えるとRL2の含有量が低下しHcJが十分に向上しない可能性がある。好ましくは、M2の含有量は、RL2-M2系合金全体の3mass%以上28mass%以下である。より高いHcJを得ることができる。また、M2はGaを含有した方が好ましく、さらにCuを含有した方が好ましい。より高いHcJを得ることができる。
RL2-M2系合金の作製方法は、特に限定されない。ロール急冷法によって作製してもよいし、鋳造法で作製してもよい。また、これらの合金を粉砕して合金粉末にしてもよい。遠心アトマイズ法、回転電極法、ガスアトマイズ法、プラズマアトマイズ法などの公知のアトマイズ法で作製してもよい。
(第一拡散工程)
前記によって準備したR-T-B系焼結磁石素材の表面の少なくとも一部に、前記によって準備したRL1-RH-M1系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、700℃以上1100℃以下の温度で加熱する第一拡散工程を行う。これにより、RL1-RH-M1合金からRL1、RHおよびM1を含む液相が生成し、その液相がR-T-B系焼結磁石素材中の粒界を経由して焼結素材表面から内部に拡散導入される。第一拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL1-RH-M1系合金の付着量を4mass%以上15mass%以下で、かつ、前記RL1-RH-M1系合金による前記R-T-B系焼結磁石素材へのRHの付着量を0.1mass%以上0.6mass%以下とする。これにより、極めて高いHcJ向上効果を得ることができる。R-T-B系焼結磁石素材へのRL1-RH-M1系合金の付着量が4mass%未満であると、磁石素材内部へのRHおよびRL1およびM1の導入量が少なすぎて高いHcJを得ることができない可能性があり、15mass%を超えると、RHおよびRL1およびM1の導入量が多すぎてBが大幅に低下したり、重希土類元素の使用量が増加し過ぎてしまうだけでなく、磁石内部まで拡散しきれないRL1-RH-M1系合金が磁石表面に残存し、耐食性や加工性など別の問題が発生する可能性がある。好ましくは、前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL1-RH-M1系合金の付着量は5mass%以上10mass%以下である。より高いHcJを得ることができる。また、前記RL1-RH-M1系合金による前記R-T-B系焼結磁石素材へのRHの付着量が0.1mass%未満であると、RHによるHcJ向上効果が得られない可能性があり、0.6mass%を超えると重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を得ることができない。好ましくは、前記RL1-RH-M1系合金による前記R-T-B系焼結磁石素材へのRHの付着量が0.1mass%以上0.5mass%以下である。 ここで、RHの付着量は、R-T-B系焼結磁石素材に付着しているRL1-RH-M1系合金が含有するRHの量であり、R-T-B系焼結磁石素材の質量を100mass%としたときの質量比率によって規定される。
第一拡散工程における加熱する温度が700℃未満であると、RH、RL1およびM1を含む液相量が少なすぎて高いHcJを得ることができない可能性がある。一方、1100℃を超えるとHcJが大幅に低下する可能性がある。好ましくは、拡散工程における加熱する温度は800℃以上1000℃以下である。より高いHcJを得ることができる。また、好ましくは、第一拡散工程(700℃以上1100℃以下)が実施されたR-T-B系焼結磁石に対し、第一拡散工程を実施した温度から15℃/分以上の冷却速度で300℃まで冷却した方が好ましい。より高いHcJを得ることができる。
第一拡散工程は、R-T-B系焼結磁石素材表面に、任意形状のRL1-RH-M1合金を配置し、公知の熱処理装置を用いて行うことができる。例えば、R-T-B系焼結磁石素材表面をRL1-RH-M1合金の粉末層で覆い、第一拡散工程を行うことができる。例えば、塗布対象の表面に粘着剤を塗布する塗布工程と、粘着剤を塗布した領域にRL1-RH-M1合金を付着させる工程を行ってもよい。粘着剤としては、PVA(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラール)、PVP(ポリビニルピロリドン)などが挙げられる。粘着剤が水系の粘着剤の場合、塗布の前にR-T-B系焼結磁石素材を予備的に加熱してもよい。予備加熱の目的は余分な溶媒を除去し粘着力をコントロールすること、及び、均一に粘着剤を付着させることである。加熱温度は60~200℃が好ましい。揮発性の高い有機溶媒系の粘着剤の場合はこの工程は省略してもよい。また例えば、RL1-RH-M1合金を分散媒中に分散させたスラリーをR-T-B系焼結磁石素材表面に塗布した後、分散媒を蒸発させRL1-RH-M1合金とR-T-B系焼結磁石素材とを付着させてもよい。なお、分散媒として、アルコール(エタノール等)、アルデヒドおよびケトンを例示できる。またRHは、RL1―M1合金と共にRHのフッ化物、酸化物、酸フッ化物等をR-T-B系焼結磁石素材表面に配置することにより導入してもよい。すなわち、RHと共にRL1およびM1を同時に拡散させることができればその方法は特に問わない。
またRL1-RH―M1合金の少なくとも一部がR-T-B系焼結磁石素材の少なくとも一部に付着していれば、その配置位置は特に問わないが、好ましくは、RL1-RH-M1合金は、少なくともR-T-B系焼結磁石素材の配向方向に対して垂直な表面に付着させるように配置する。より効率よくRL1、RHおよびM1を含む液相を磁石表面から内部に拡散導入させることができる。この場合、R-T-B系焼結磁石素材の配向方向のみにRL1-RH-M1合金を付着させても、R-T-B系焼結磁石素材の全面にRL1-RH-M1合金を付着させてもよい。
(第二拡散工程)
前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材の表面の少なくとも一部に、前記RL2-M2系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、400℃以上600℃以下の温度で加熱する第二拡散工程を行う。これにより、RL2-M2合金からRL2およびM2を含む液相が生成し、その液相がR-T-B系焼結磁石素材中の粒界を経由して焼結素材表面から内部に拡散導入される。第二拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL2-M2系合金の付着量を1mass%以上15mass%以下とする。これにより、極めて高いHcJが得られる。付着量が1mass%未満であると、磁石素材内部へのRL2およびM2の導入量が少なすぎて高いHcJを得ることができない可能性がある。一方、付着量が15mass%を超えるとRL2およびM2の導入量が多すぎてBが大幅に低下したり、磁石内部まで拡散しきれないRL2-M2系合金が磁石表面に残存し、耐食性や加工性など別の問題が発生する可能性がある。好ましくは、前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL2-M2系合金の付着量は2mass%以上10mass%以下である。より高いHcJを得ることができる。また、R-T-B系焼結磁石素材が上述した範囲(Rの含有量は、R-T-B系焼結磁石素材全体の27mass%以上35mass%以下であり、[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下)でないと、第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に対し第二拡散工程をしても高いBと高いHcJを得ることができない。
第二拡散工程における加熱する温度が400℃未満であると、RL2およびM2を含む液相量が少なすぎて高いHcJを得ることができない可能性がある。一方、600℃を超えるとHcJが低下する可能性がある。好ましくは、拡散工程における加熱する温度は450℃以上550℃以下である。より高いHcJを得ることができる。
第二拡散工程は、第一拡散工程と同様に、前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材表面に、任意形状のRL2-M2合金を配置し、公知の熱処理装置を用いて行うことができる。また第一拡散工程と同様に、RL2―M2合金の少なくとも一部がR-T-B系焼結磁石素材の少なくとも一部に付着していれば、その配置位置は特に問わないが、好ましくは、RL2-M2合金は、少なくともR-T-B系焼結磁石素材の配向方向に対して垂直な表面に付着させるように配置する。より効率よくRL2およびM2を含む液相を磁石表面から内部に拡散導入させることができる。この場合、R-T-B系焼結磁石素材の配向方向のみにRL2-M2合金を付着させても、R-T-B系焼結磁石素材の全面にRL2-M2合金を付着させてもよい。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実験例1
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表1の符号1-A~1-Dに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
前記微粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を微粉砕粉100mass%に対して0.05mass%添加、混合した後磁界中で成形し成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交するいわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。
得られた成形体を、真空中、1000℃以上1050℃以下(サンプル毎に焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)で4時間焼結した後急冷し、磁石素材を得た。得られた磁石素材の密度は7.5Mg/m以上であった。得られた磁石素材の成分の結果を表1に示す。なお、表1における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。なお、磁石素材の酸素量をガス融解-赤外線吸収法で測定した結果、すべて0.1mass%前後であることを確認した。また、C(炭素量)は、燃焼-赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した結果、0.1mass%前後であることを確認した。表1における「[T]/[B]」は、Tを構成する各元素(Fe、Co、Al、Si、Mn)に対し、分析値(mass%)をその元素の原子量で除したものを求め、それらの値を合計したもの(a)と、Bの分析値(mass%)をBの原子量で除したもの(b)との比(a/b)である。以下の全ての表も同様である。なお、表1の各組成および酸素量、炭素量を合計しても100mass%にはならない。これは、前記の通り、各成分によって分析方法が異なるためである。その他の表についても同様である。
Figure 0007310499000001
[RL1-RH-M1系合金を準備する工程]
表2の符号1-a1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表2に示す。尚、表2における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000002
[RL2-M2系合金を準備する工程]
表3の符号1-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL2-M2系合金の組成を表3に示す。尚、表3における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000003
[第一拡散工程]
表1の符号1-A~1-DのR-T-B系焼結磁石素材をそれぞれ切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材全面に塗布した。次に表4に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金付着量およびRH付着量は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き38~1000μmの数種類の篩を通過させ、粒度の異なるRL1-RH-M1系合金を用いることにより調整した。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表4の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
[第二拡散工程]
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表4に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表4の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金及び前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した。
[サンプル評価]
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのB及びHcJを測定した。測定結果を表4に示す。表4の通りサンプルNo.1-6~1-10、1-13~1-14の本発明例は、いずれも重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBと高いHcJが得られていることがわかる。これに対し、R-T-B系焼結磁石素材における[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下でないサンプルNo.1-1~1-4は、高いHcJが得られなかった。さらに、RL1-RH-M1系合金の付着量が4mass%未満であるサンプルNo.1-5および1-12は高いHcJが得られなかった。また、サンプルNo.1-11は高いBと高いHcJが得られているが、RL1-RH-M1系合金の付着量が15mass%超で、且つRH付着量が0.6mass%超であり、HcJ向上効果が低い(No.1-10からHcJがあまり向上しておらず、Bが低下している)。そのため、重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBと高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を得ることができない。
Figure 0007310499000004
実験例2
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表5の符号2-A~2-Dに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
前記微粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を微粉砕粉100mass%に対して0.05mass%添加、混合した後磁界中で成形し成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交するいわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。
得られた成形体を、真空中、1000℃以上1050℃以下(サンプル毎に焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)で4時間焼結した後急冷し、磁石素材を得た。得られた磁石素材の密度は7.5Mg/m以上であった。得られた磁石素材の成分の結果を表5に示す。なお、表5における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。なお、磁石素材の酸素量をガス融解-赤外線吸収法で測定した結果、すべて0.1mass%前後であることを確認した。また、C(炭素量)は、燃焼-赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した結果、0.1mass%前後であることを確認した。
Figure 0007310499000005
[RL1-RH-M1系合金を準備する工程]
表6の符号2-a1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表6に示す。尚、表6における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000006
[RL2-M2系合金を準備する工程]
表7の符号2-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL2-M2系合金の組成を表7に示す。尚、表7における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000007
[第一拡散工程]
表5の符号2-A~2-DのR-T-B系焼結磁石素材をそれぞれ切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材全面に塗布した。次に表8に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表8の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
[第二拡散工程]
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表8に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた(但し、サンプルNo.2-1、2-2及び2-6はRL2-M2系合金の付着無し)。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300~1000μmの数種類の篩を通過させ、粒度の異なるRL2-M2系合金を用いることにより調整した。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表8の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金が付着したR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した(但し、サンプルNo.2-1、2-2及び2-6はRL2-M2系合金の付着無しで加熱のみ)。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した。
[サンプル評価]
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのB及びHcJを測定した。測定結果を表8に示す。表8の通りサンプルNo.2-7~2-13、2-15~2-17の本発明例は、いずれも重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBと高いHcJが得られていることがわかる。これに対し、R-T-B系焼結磁石素材における[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下でなく、かつ、R-T-B系焼結磁石素材にRL2-M2合金を付着させなかったサンプルNo.2-1及び2-2や、R-T-B系焼結磁石素材における[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下でないサンプルNo.2-3~2-5は高いHcJが得られなかった。さらに、R-T-B系焼結磁石素材にRL2-M2合金を付着させなかったサンプルNo.2-6は高いHcJが得られなかった。また、RL2-M2系合金の付着量が15mass%超であるサンプルNo.2-14はBが大幅に低下していた。
Figure 0007310499000008
実験例3
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表9の符号3-Aに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
前記微粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を微粉砕粉100mass%に対して0.05mass%添加、混合した後磁界中で成形し成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交するいわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。
得られた成形体を、真空中で4時間焼結(焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)した後急冷し、磁石素材を得た。得られた磁石素材の密度は7.5Mg/m以上であった。得られた磁石素材の成分の結果を表9に示す。なお、表9における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。なお、磁石素材の酸素量をガス融解-赤外線吸収法で測定した結果、すべて0.1mass%前後であることを確認した。また、C(炭素量)は、燃焼-赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した結果、0.1mass%前後であることを確認した。
Figure 0007310499000009
[RL1-RH-M1系合金を準備する工程]
表10の符号3-a1~3-g1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表10に示す。尚、表10における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000010
[RL2-M2系合金を準備する工程]
表11の符号3-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL2-M2系合金の組成を表11に示す。尚、表11における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000011
[第一拡散工程]
表9の符号3-AのR-T-B系焼結磁石素材を切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材全面に塗布した。次に表12に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金付着量およびRH付着量は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き38~1000μmの数種類の篩を通過させ、粒度の異なるRL1-RH-M1系合金を用いることにより調整した。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表12の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
[第二拡散工程]
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表12に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表12の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金及び前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した。
[サンプル評価]
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのB及びHcJを測定した。測定結果を表12に示す。表12の通りサンプルNo.3-2~3-6の本発明例は、いずれも重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBと高いHcJが得られていることがわかる。これに対し、RL1-RH-M1系合金のRH量が1mass%未満であるサンプルNo.3-1は高いHcJが得られなかった。また、サンプルNo.3-7は高いBと高いHcJが得られているが、RH付着量が0.6mass%超でありサンプルNo.3-6に比べてBとHcJがともに低下している。そのため、重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBと高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を得ることができない。
Figure 0007310499000012
実験例4
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表13の符号4-Aに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
前記微粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を微粉砕粉100mass%に対して0.05mass%添加、混合した後磁界中で成形し成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交するいわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。
得られた成形体を、真空中で4時間焼結(焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)した後急冷し、磁石素材を得た。得られた磁石素材の密度は7.5Mg/m以上であった。得られた磁石素材の成分の結果を表13に示す。なお、表13における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。なお、磁石素材の酸素量をガス融解-赤外線吸収法で測定した結果、すべて0.1mass%前後であることを確認した。また、C(炭素量)は、燃焼-赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した結果、0.1mass%前後であることを確認した。
Figure 0007310499000013
[RL1-RH-M1系合金を準備する工程]
表14の符号4-a1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表14に示す。尚、表14における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000014
[RL2-M2系合金を準備する工程]
表15の符号4-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL2-M2系合金の組成を表15に示す。尚、表15における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000015
[第一拡散工程]
表13の符号4-AのR-T-B系焼結磁石素材を切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材全面に塗布した。次に表16に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表16の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
[第二拡散工程]
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表16に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表16の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金及び前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した。
[サンプル評価]
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのB及びHcJを測定した。測定結果を表16に示す。表16の通りサンプルNo.4-2~4-8の本発明例は、いずれも重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBと高いHcJが得られていることがわかる。これに対し、第一拡散工程の処理温度が700℃未満であるサンプルNo.4-1は高いHcJが得られなかった。また、第一拡散工程の処理温度が1100℃超であるサンプルNo.4-9も高いHcJが得られなかった。
Figure 0007310499000016
実験例5
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表17の符号5-Aに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
前記微粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を微粉砕粉100mass%に対して0.05mass%添加、混合した後磁界中で成形し成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交するいわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。
得られた成形体を、真空中で4時間焼結(焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)した後急冷し、磁石素材を得た。得られた磁石素材の密度は7.5Mg/m以上であった。得られた磁石素材の成分の結果を表17に示す。なお、表17における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。なお、磁石素材の酸素量をガス融解-赤外線吸収法で測定した結果、すべて0.1mass%前後であることを確認した。また、C(炭素量)は、燃焼-赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した結果、0.1mass%前後であることを確認した。
Figure 0007310499000017
[RL1-RH-M1系合金を準備する工程]
表18の符号5-a1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表18に示す。尚、表18における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000018
[RL2-M2系合金を準備する工程]
表19の符号5-a2に示すRL-RH-M系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL-RH-M系合金の組成を表19に示す。尚、表19における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000019
[第一拡散工程]
表17の符号5-AのR-T-B系焼結磁石素材を切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材全面に塗布した。次に表19に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表19の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
[第二拡散工程]
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表19に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表19の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金及び前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した
[サンプル評価]
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのB及びHcJを測定した。測定結果を表20に示す。表20の通りサンプルNo.5-2~5-8の本発明例は、いずれも重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBと高いHcJが得られていることがわかる。これに対し、第二拡散工程の処理温度が400℃未満であるサンプルNo.5-1は高いHcJが得られなかった。また、第二拡散工程の処理温度が600℃超であるサンプルNo.5-9も高いHcJが得られなかった。
Figure 0007310499000020
実験例6
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表21の符号6-Aに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
前記微粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を微粉砕粉100mass%に対して0.05mass%添加、混合した後磁界中で成形し成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交するいわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。
得られた成形体を、真空中で4時間焼結(焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)した後急冷し、磁石素材を得た。得られた磁石素材の密度は7.5Mg/m以上であった。得られた磁石素材の成分の結果を表21に示す。なお、表21における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。なお、磁石素材の酸素量をガス融解-赤外線吸収法で測定した結果、すべて0.1mass%前後であることを確認した。また、C(炭素量)は、燃焼-赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した結果、0.1mass%前後であることを確認した。
Figure 0007310499000021
[RL1-RH-M1系合金を準備する工程]
表22の符号6-a1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表22に示す。尚、表22における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000022
[RL2-M2系合金を準備する工程]
表23の符号6-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL2-M2系合金の組成を表23に示す。尚、表23における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000023
[第一拡散工程]
表21の符号6-AのR-T-B系焼結磁石素材を切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材の全面に塗布した。次に表24に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表24の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
[第二拡散工程]
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表24に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表24の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金及び前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した。
[サンプル評価]
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのB及びHcJを測定した。測定結果を表24に示す。表24の通りサンプルNo.6-1の本発明例は、重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBと高いHcJが得られていることがわかる。
Figure 0007310499000024
実験例7
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表25の符号6-Aに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
前記微粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を微粉砕粉100mass%に対して0.05mass%添加、混合した後磁界中で成形し成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交するいわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。
得られた成形体を、真空中、1040℃以下(焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)で4時間焼結した後急冷し、磁石素材を得た。得られた磁石素材の密度は7.5Mg/m3 以上であった。得られた磁石素材の成分の結果を表25に示す。なお、表25における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。なお、磁石素材の酸素量をガス融解-赤外線吸収法で測定した結果、すべて0.1mass%前後であることを確認した。また、C(炭素量)は、燃焼-赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した結果、0.1mass%前後であることを確認した。表25における「[T]/[B]」は、Tを構成する各元素(ここではFe、Al、Si、Mn)に対し、分析値(mass%)をその元素の原子量で除したものを求め、それらの値を合計したもの(a)と、Bの分析値(mass%)をBの原子量で除したもの(b)との比(a/b)である。以下の全ての表も同様である。なお、表25の各組成および酸素量、炭素量を合計しても100mass%にはならない。これは、前記の通り、各成分によって分析方法が異なるためである。その他表についても同様である。
Figure 0007310499000025
[RL1-RH-M1系合金を準備する工程]
表26の符号7-a1~7-n1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られた合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの篩を通過させ、L1-RH-M1系合金を準備した。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表26に示す。尚、表26における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000026
[第一拡散工程]
表25の符号7-AのR-T-B系焼結磁石素材を切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。次に、R-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材の全面に塗布した。粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材にRL1-RH-M1系合金粉末を付着させた。処理容器にRL1-RH-M1系合金粉末を広げ、粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材の全面に付着させた。次に、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表28の第一拡散工程に示す温度で前記RL-RH-M系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱して拡散工程を実施した後、冷却した。
[RL2-M2系合金を準備する工程]
表27の符号7-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られた合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの篩を通過させ、RL2-M2系合金を準備した。得られたRL2-M2系合金の組成を表27に示す。尚、表27における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
Figure 0007310499000027
[第二拡散工程]
第一拡散工程をおこなった後のサンプルに再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、処理容器にRL2-M2系合金粉末を広げ、粘着剤を塗布したサンプルの全面に付着させた。次に、真空熱処理炉を用いて200Paに制御した減圧アルゴン中にて、表28の第二拡散工程に示す温度で前記RL2-M2系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱して拡散工程を実施した後、冷却した。熱処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対を取り付けることにより測定した。
[サンプル評価]
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各試料のBr及びHcJを測定した。測定結果を表28に示す。表28の通りサンプルNo.7-1~7-14の本発明例はいずれも高いBr及び高いHcJが得られていることがわかる。
Figure 0007310499000028
本開示によれば、高残留磁束密度、高保磁力のR-T-B系焼結磁石を作製することができる。本開示の焼結磁石は、高温下に晒されるハイブリッド車搭載用モータ等の各種モータや家電製品等に好適である。
12・・・R14B化合物からなる主相、14・・・粒界相、14a・・・二粒子粒界相、14b・・・粒界三重点

Claims (4)

  1. R-T-B系焼結磁石素材を準備する工程と、
    RL1-RH-M1系合金を準備する工程と、
    RL2-M2系合金を準備する工程と、
    前記R-T-B系焼結磁石素材の表面の少なくとも一部に、前記RL1-RH-M1系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、700℃以上1100℃以下の温度で加熱する第一拡散工程と、
    前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材の表面の少なくとも一部に、前記RL2-M2系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、400℃以上600℃以下の温度で加熱する第二拡散工程と、を含み、
    前記第一拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL1-RH-M1系合金の付着量は4mass%以上15mass%以下で、かつ、前記RL1-RH-M1系合金による前記R-T-B系焼結磁石素材へのRHの付着量は0.1mass%以上0.6mass%以下であり、
    前記第二拡散工程における前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材への前記RL2-M2系合金の付着量は1mass%以上15mass%以下であり、
    前記R-T-B系焼結磁石素材において、
    Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、Rの含有量は、R-T-B系焼結磁石素材全体の27mass%以上35mass%以下であり、
    TはFe、Co、Al、Mn、およびSiからなる群から選択された少なくとも1つであり、Tは必ずFeを含み、T全体に対するFeの含有量が80mass%以上であり、
    [T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下であり、
    前記RL1-RH-M1系合金において、
    RL1は軽希土類元素のうちの少なくとも1つであり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、RL1の含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の60mass%以上97mass%以下であり、
    RHは、Tb、DyおよびHoからなる群から選択された少なくとも1つであり、RHの含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の1mass%以上8mass%以下であり、
    M1は、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つであり、M1の含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の2mass%以上39mass%以下であり、
    前記RL2-M2系合金において、
    RL2は軽希土類元素のうちの少なくとも1つであり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、RL2の含有量は、RL2-M2系合金全体の60mass%以上97mass%以下であり、
    M2は、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つであり、M2の含有量は、RL2-M2系合金全体の3mass%以上40mass%以下である、R-T-B系焼結磁石の製造方法。
  2. 前記RL1-RH-M1系合金において、RHの含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の2mass%以上6mass%以下である、請求項1に記載のR-T-B系焼結磁石の製造方法。
  3. 前記第一拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL1-RH-M1系合金の付着量は5mass%以上10massmass%以下である、請求項1又は2に記載のR-T-B系焼結磁石の製造方法。
  4. 前記第二拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL2-M2系合金の付着量は2mass%以上10mass%以下である、請求項1から3のいずれかに記載のR-T-B系焼結磁石の製造方法。
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