JP7310499B2 - R-t-b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents
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Description
R-T-B系焼結磁石素材において、Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、Rの含有量は、R-T-B系焼結磁石素材全体の27mass%以上35mass%以下である。TはFe、Co、Al、Mn、およびSiからなる群から選択された少なくとも1つであり、Tは必ずFeを含み、T全体に対するFeの含有量が80mass%以上であり、[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下である。
R:27~35mass%、
B:0.80~1.00mass%、
Ga:0~1.0mass%、
X:0~2mass%(XはCu、Nb、Zrの少なくとも一種)、
T:60mass%以上、
[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下である。
RL1-RH-M1系合金において、RL1は軽希土類元素のうちの少なくとも1つであり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、RL1の含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の60mass%以上97mass%以下である。軽希土類元素は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Euなどが挙げられる。RHは、Tb、DyおよびHoからなる群から選択された少なくとも1つであり、RHの含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の1mass%以上8mass%以下である。M1は、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つであり、M1の含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の2mass%以上39mass%以下である。RL1-RH-M1系合金の典型例は、TbNdPrCu合金、TbNdCePrCu合金、TbNdGa合金、TbNdPrGaCu合金などである。また、RL1―M1合金と共にRHのフッ化物、酸化物、酸フッ化物等を準備してもよい。RHのフッ化物、酸化物、酸フッ化物としては、例えば、TbF3、DyF3、Tb2O3、Dy2O3、Tb4OF、Dy4OFが挙げられる。
RL2-M2系合金において、RL2は軽希土類元素のうちの少なくとも1つであり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、RL2の含有量は、RL2-M2系合金全体の60mass%以上97mass%以下であり、M2は、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つであり、M2の含有量は、RL2-M2系合金全体の3mass%以上40mass%以下である。RL2-M2系合金の典型例は、NdPrCu合金、NdCePrCu合金、NdGa合金、NdPrGaCu合金などである。
前記によって準備したR-T-B系焼結磁石素材の表面の少なくとも一部に、前記によって準備したRL1-RH-M1系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、700℃以上1100℃以下の温度で加熱する第一拡散工程を行う。これにより、RL1-RH-M1合金からRL1、RHおよびM1を含む液相が生成し、その液相がR-T-B系焼結磁石素材中の粒界を経由して焼結素材表面から内部に拡散導入される。第一拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL1-RH-M1系合金の付着量を4mass%以上15mass%以下で、かつ、前記RL1-RH-M1系合金による前記R-T-B系焼結磁石素材へのRHの付着量を0.1mass%以上0.6mass%以下とする。これにより、極めて高いHcJ向上効果を得ることができる。R-T-B系焼結磁石素材へのRL1-RH-M1系合金の付着量が4mass%未満であると、磁石素材内部へのRHおよびRL1およびM1の導入量が少なすぎて高いHcJを得ることができない可能性があり、15mass%を超えると、RHおよびRL1およびM1の導入量が多すぎてBrが大幅に低下したり、重希土類元素の使用量が増加し過ぎてしまうだけでなく、磁石内部まで拡散しきれないRL1-RH-M1系合金が磁石表面に残存し、耐食性や加工性など別の問題が発生する可能性がある。好ましくは、前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL1-RH-M1系合金の付着量は5mass%以上10mass%以下である。より高いHcJを得ることができる。また、前記RL1-RH-M1系合金による前記R-T-B系焼結磁石素材へのRHの付着量が0.1mass%未満であると、RHによるHcJ向上効果が得られない可能性があり、0.6mass%を超えると重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を得ることができない。好ましくは、前記RL1-RH-M1系合金による前記R-T-B系焼結磁石素材へのRHの付着量が0.1mass%以上0.5mass%以下である。 ここで、RHの付着量は、R-T-B系焼結磁石素材に付着しているRL1-RH-M1系合金が含有するRHの量であり、R-T-B系焼結磁石素材の質量を100mass%としたときの質量比率によって規定される。
前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材の表面の少なくとも一部に、前記RL2-M2系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、400℃以上600℃以下の温度で加熱する第二拡散工程を行う。これにより、RL2-M2合金からRL2およびM2を含む液相が生成し、その液相がR-T-B系焼結磁石素材中の粒界を経由して焼結素材表面から内部に拡散導入される。第二拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL2-M2系合金の付着量を1mass%以上15mass%以下とする。これにより、極めて高いHcJが得られる。付着量が1mass%未満であると、磁石素材内部へのRL2およびM2の導入量が少なすぎて高いHcJを得ることができない可能性がある。一方、付着量が15mass%を超えるとRL2およびM2の導入量が多すぎてBrが大幅に低下したり、磁石内部まで拡散しきれないRL2-M2系合金が磁石表面に残存し、耐食性や加工性など別の問題が発生する可能性がある。好ましくは、前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL2-M2系合金の付着量は2mass%以上10mass%以下である。より高いHcJを得ることができる。また、R-T-B系焼結磁石素材が上述した範囲(Rの含有量は、R-T-B系焼結磁石素材全体の27mass%以上35mass%以下であり、[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下)でないと、第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に対し第二拡散工程をしても高いBrと高いHcJを得ることができない。
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表1の符号1-A~1-Dに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
表2の符号1-a1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表2に示す。尚、表2における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表3の符号1-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL2-M2系合金の組成を表3に示す。尚、表3における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表1の符号1-A~1-DのR-T-B系焼結磁石素材をそれぞれ切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材全面に塗布した。次に表4に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金付着量およびRH付着量は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き38~1000μmの数種類の篩を通過させ、粒度の異なるRL1-RH-M1系合金を用いることにより調整した。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表4の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表4に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表4の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金及び前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した。
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのBr及びHcJを測定した。測定結果を表4に示す。表4の通りサンプルNo.1-6~1-10、1-13~1-14の本発明例は、いずれも重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBrと高いHcJが得られていることがわかる。これに対し、R-T-B系焼結磁石素材における[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下でないサンプルNo.1-1~1-4は、高いHcJが得られなかった。さらに、RL1-RH-M1系合金の付着量が4mass%未満であるサンプルNo.1-5および1-12は高いHcJが得られなかった。また、サンプルNo.1-11は高いBrと高いHcJが得られているが、RL1-RH-M1系合金の付着量が15mass%超で、且つRH付着量が0.6mass%超であり、HcJ向上効果が低い(No.1-10からHcJがあまり向上しておらず、Brが低下している)。そのため、重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBrと高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を得ることができない。
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表5の符号2-A~2-Dに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
表6の符号2-a1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表6に示す。尚、表6における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表7の符号2-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL2-M2系合金の組成を表7に示す。尚、表7における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表5の符号2-A~2-DのR-T-B系焼結磁石素材をそれぞれ切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材全面に塗布した。次に表8に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表8の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表8に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた(但し、サンプルNo.2-1、2-2及び2-6はRL2-M2系合金の付着無し)。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300~1000μmの数種類の篩を通過させ、粒度の異なるRL2-M2系合金を用いることにより調整した。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表8の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金が付着したR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した(但し、サンプルNo.2-1、2-2及び2-6はRL2-M2系合金の付着無しで加熱のみ)。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した。
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのBr及びHcJを測定した。測定結果を表8に示す。表8の通りサンプルNo.2-7~2-13、2-15~2-17の本発明例は、いずれも重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBrと高いHcJが得られていることがわかる。これに対し、R-T-B系焼結磁石素材における[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下でなく、かつ、R-T-B系焼結磁石素材にRL2-M2合金を付着させなかったサンプルNo.2-1及び2-2や、R-T-B系焼結磁石素材における[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下でないサンプルNo.2-3~2-5は高いHcJが得られなかった。さらに、R-T-B系焼結磁石素材にRL2-M2合金を付着させなかったサンプルNo.2-6は高いHcJが得られなかった。また、RL2-M2系合金の付着量が15mass%超であるサンプルNo.2-14はBrが大幅に低下していた。
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表9の符号3-Aに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
表10の符号3-a1~3-g1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表10に示す。尚、表10における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表11の符号3-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL2-M2系合金の組成を表11に示す。尚、表11における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表9の符号3-AのR-T-B系焼結磁石素材を切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材全面に塗布した。次に表12に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金付着量およびRH付着量は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き38~1000μmの数種類の篩を通過させ、粒度の異なるRL1-RH-M1系合金を用いることにより調整した。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表12の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表12に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表12の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金及び前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した。
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのBr及びHcJを測定した。測定結果を表12に示す。表12の通りサンプルNo.3-2~3-6の本発明例は、いずれも重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBrと高いHcJが得られていることがわかる。これに対し、RL1-RH-M1系合金のRH量が1mass%未満であるサンプルNo.3-1は高いHcJが得られなかった。また、サンプルNo.3-7は高いBrと高いHcJが得られているが、RH付着量が0.6mass%超でありサンプルNo.3-6に比べてBrとHcJがともに低下している。そのため、重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBrと高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を得ることができない。
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表13の符号4-Aに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
表14の符号4-a1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表14に示す。尚、表14における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表15の符号4-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL2-M2系合金の組成を表15に示す。尚、表15における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表13の符号4-AのR-T-B系焼結磁石素材を切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材全面に塗布した。次に表16に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表16の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表16に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表16の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金及び前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した。
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのBr及びHcJを測定した。測定結果を表16に示す。表16の通りサンプルNo.4-2~4-8の本発明例は、いずれも重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBrと高いHcJが得られていることがわかる。これに対し、第一拡散工程の処理温度が700℃未満であるサンプルNo.4-1は高いHcJが得られなかった。また、第一拡散工程の処理温度が1100℃超であるサンプルNo.4-9も高いHcJが得られなかった。
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表17の符号5-Aに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
表18の符号5-a1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表18に示す。尚、表18における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表19の符号5-a2に示すRL-RH-M系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL-RH-M系合金の組成を表19に示す。尚、表19における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表17の符号5-AのR-T-B系焼結磁石素材を切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材全面に塗布した。次に表19に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表19の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表19に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表19の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金及び前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのBr及びHcJを測定した。測定結果を表20に示す。表20の通りサンプルNo.5-2~5-8の本発明例は、いずれも重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBrと高いHcJが得られていることがわかる。これに対し、第二拡散工程の処理温度が400℃未満であるサンプルNo.5-1は高いHcJが得られなかった。また、第二拡散工程の処理温度が600℃超であるサンプルNo.5-9も高いHcJが得られなかった。
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表21の符号6-Aに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
表22の符号6-a1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表22に示す。尚、表22における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表23の符号6-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られたRL2-M2系合金の組成を表23に示す。尚、表23における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表21の符号6-AのR-T-B系焼結磁石素材を切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。加工後のR-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材の全面に塗布した。次に表24に示す作製条件で粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材全面にRL1-RH-M1系合金を付着させた。なお、RL1-RH-M1系合金は、RL1-RH-M1系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表24の第一拡散工程に示す条件で前記RL1-RH-M1系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。
第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材に再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、表24に示す作製条件で、粘着剤が塗布された第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材全面にRL2-M2系合金を付着させた。なお、RL2-M2系合金は、RL2-M2系合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの櫛を通過させたものを用いた。そして、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表24の第二拡散工程に示す条件で前記RL2-M2系合金及び前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材を加熱した後、冷却した。第二拡散処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対により測定した。
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各サンプルのBr及びHcJを測定した。測定結果を表24に示す。表24の通りサンプルNo.6-1の本発明例は、重希土類元素の使用量を低減しつつ、高いBrと高いHcJが得られていることがわかる。
[R-T-B系焼結磁石素材(磁石素材)を準備する工程]
表25の符号6-Aに示す磁石素材の組成となるように、各元素を秤量しストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
表26の符号7-a1~7-n1に示すRL1-RH-M1系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られた合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの篩を通過させ、L1-RH-M1系合金を準備した。得られたRL1-RH-M1系合金の組成を表26に示す。尚、表26における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
表25の符号7-AのR-T-B系焼結磁石素材を切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。次に、R-T-B系焼結磁石素材にディッピング法により粘着剤としてPVAをR-T-B系焼結磁石素材の全面に塗布した。粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材にRL1-RH-M1系合金粉末を付着させた。処理容器にRL1-RH-M1系合金粉末を広げ、粘着剤を塗布したR-T-B系焼結磁石素材の全面に付着させた。次に、真空熱処理炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表28の第一拡散工程に示す温度で前記RL-RH-M系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱して拡散工程を実施した後、冷却した。
表27の符号7-a2に示すRL2-M2系合金の組成となるように、各元素を秤量しそれらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)によりリボンまたはフレーク状の合金を得た。得られた合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き300μmの篩を通過させ、RL2-M2系合金を準備した。得られたRL2-M2系合金の組成を表27に示す。尚、表27における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。
第一拡散工程をおこなった後のサンプルに再度、ディッピング法により粘着剤としてPVAを全面に塗布した。その後、処理容器にRL2-M2系合金粉末を広げ、粘着剤を塗布したサンプルの全面に付着させた。次に、真空熱処理炉を用いて200Paに制御した減圧アルゴン中にて、表28の第二拡散工程に示す温度で前記RL2-M2系合金及び前記R-T-B系焼結磁石素材を加熱して拡散工程を実施した後、冷却した。熱処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて各サンプルの全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。尚、第一拡散工程を実施する工程におけるRL1-RH-M1系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度、並びに第二拡散工程を実施する工程におけるRL2-M2系合金及びR-T-B系焼結磁石素材の加熱温度は、それぞれ熱電対を取り付けることにより測定した。
得られたサンプルを、B-Hトレーサによって各試料のBr及びHcJを測定した。測定結果を表28に示す。表28の通りサンプルNo.7-1~7-14の本発明例はいずれも高いBr及び高いHcJが得られていることがわかる。
Claims (4)
- R-T-B系焼結磁石素材を準備する工程と、
RL1-RH-M1系合金を準備する工程と、
RL2-M2系合金を準備する工程と、
前記R-T-B系焼結磁石素材の表面の少なくとも一部に、前記RL1-RH-M1系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、700℃以上1100℃以下の温度で加熱する第一拡散工程と、
前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材の表面の少なくとも一部に、前記RL2-M2系合金の少なくとも一部を付着させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、400℃以上600℃以下の温度で加熱する第二拡散工程と、を含み、
前記第一拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL1-RH-M1系合金の付着量は4mass%以上15mass%以下で、かつ、前記RL1-RH-M1系合金による前記R-T-B系焼結磁石素材へのRHの付着量は0.1mass%以上0.6mass%以下であり、
前記第二拡散工程における前記第一拡散工程が実施されたR-T-B系焼結磁石素材への前記RL2-M2系合金の付着量は1mass%以上15mass%以下であり、
前記R-T-B系焼結磁石素材において、
Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、Rの含有量は、R-T-B系焼結磁石素材全体の27mass%以上35mass%以下であり、
TはFe、Co、Al、Mn、およびSiからなる群から選択された少なくとも1つであり、Tは必ずFeを含み、T全体に対するFeの含有量が80mass%以上であり、
[T]/[B]のmol比が14.0超15.0以下であり、
前記RL1-RH-M1系合金において、
RL1は軽希土類元素のうちの少なくとも1つであり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、RL1の含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の60mass%以上97mass%以下であり、
RHは、Tb、DyおよびHoからなる群から選択された少なくとも1つであり、RHの含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の1mass%以上8mass%以下であり、
M1は、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つであり、M1の含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の2mass%以上39mass%以下であり、
前記RL2-M2系合金において、
RL2は軽希土類元素のうちの少なくとも1つであり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、RL2の含有量は、RL2-M2系合金全体の60mass%以上97mass%以下であり、
M2は、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つであり、M2の含有量は、RL2-M2系合金全体の3mass%以上40mass%以下である、R-T-B系焼結磁石の製造方法。 - 前記RL1-RH-M1系合金において、RHの含有量は、RL1-RH-M1系合金全体の2mass%以上6mass%以下である、請求項1に記載のR-T-B系焼結磁石の製造方法。
- 前記第一拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL1-RH-M1系合金の付着量は5mass%以上10massmass%以下である、請求項1又は2に記載のR-T-B系焼結磁石の製造方法。
- 前記第二拡散工程における前記R-T-B系焼結磁石素材への前記RL2-M2系合金の付着量は2mass%以上10mass%以下である、請求項1から3のいずれかに記載のR-T-B系焼結磁石の製造方法。
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