JP7308922B2 - レジストパターン形成方法、半導体チップの製造方法 - Google Patents
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Description
その中で、特に、ラインパターンを形成する際にはライン幅のばらつきが少なく、ホールパターンを形成する際には寸法(ホールサイズ)のばらつきが少ないことが求められている。以後、これらの性能が優れることを、単に「パターン形成性に優れる」ともいう。
また、レジストパターンの際には、残渣が少ないことも求められている。
本発明者らは、従来のレジストパターン形成方法においては、上記特性に関して改善の余地があることを見出した。
本発明は、パターン形成性に優れ、かつ、残渣が少ない、レジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、半導体チップの製造方法を提供することも課題とする。
膜を露光する工程Bと、
アルカリ現像液を用いて露光した膜を現像する工程Cと、
水を用いて、現像された膜を洗浄する工程Dと、
アルコール系溶剤を含有する薬液を用いて、工程Dで洗浄された膜を洗浄する工程Eと、を有し、
アルカリ現像液が、第4級アンモニウム塩を含有する、レジストパターン形成方法。
(2) 第4級アンモニウム塩の含有量が、アルカリ現像液全質量に対して、0.75~7.5質量%である、(1)に記載のレジストパターン形成方法。
(3) 工程Eの後に、工程Eで得られたレジストパターンを乾燥する工程Fを更に有する、(1)又は(2)に記載のレジストパターン形成方法。
(4) 工程Aと工程Bとの間に、膜を加熱する工程Gを更に有する、(1)~(3)のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
(5) アルカリ現像液が、界面活性剤及びキレート剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有する、(1)~(4)のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
(6) アルコール系溶剤のClogP値が、-1.00超3.00以下である、(1)~(5)のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
(7) アルコール系溶剤に含まれる炭素数が3~12である、(1)~(6)のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
(8) アルコール系溶剤に含まれる酸素原子数に対する炭素原子数の比が3.0以上である、(1)~(7)のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
(9) アルコール系溶剤の25℃における蒸気圧が、0.01~10.0kPaである、(1)~(8)のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
(10) アルコール系溶剤が、メチルイソブチルカルビノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1-ヘキサノール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-オクタノール、3-メチル-1-ブタノール、2,4-ジメチル-3-ペンタノール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、3,5,5-トリメチル-1-ヘキサノール、2-メチルシクロヘキサノール、1,3-ブタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、及び、トリメチロールプロパンからなる群から選択される、(1)~(9)のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
(11) アルコール系溶剤が、メチルイソブチルカルビノール、3-メチル-1-ブタノール、または、2,4-ジメチル-3-ペンタノールである、(1)~(10)のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
(12) アルコール系溶剤の含有量が、薬液全質量に対して、85.000~99.999質量%である、(1)~(11)のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
(13) 更に、金属成分を含有し、
金属成分の含有量が、薬液全質量に対して、0.10~100質量pptである、(1)~(12)のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
(14) (1)~(13)のいずれかに記載のレジストパターン形成方法を含有する、半導体チップの製造方法。
また、本発明によれば、半導体チップの製造方法を提供することもできる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされる場合があるが、本発明はそのような実施形態に限定されない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明において、「ppm」は「parts-per-million(10-6)」を意味し、「ppb」は「parts-per-billion(10-9)」を意味し、「ppt」は「parts-per-trillion(10-12)」を意味する。
また、本発明における基(原子群)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さない基と共に置換基を含有する基をも包含する。例えば、「炭化水素基」とは、置換基を有さない炭化水素基(無置換炭化水素基)のみならず、置換基を含有する炭化水素基(置換炭化水素基)をも包含する。この点は、各化合物についても同義である。
また、本発明における「放射線」とは、例えば、遠紫外線、極紫外線(EUV;Extreme ultraviolet)、X線、又は、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。本発明中における「露光」とは、特に断らない限り、遠紫外線、X線又はEUV等による露光のみならず、電子線又はイオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本発明のレジストパターン形成方法は、以下の工程A~工程Eを有する。
工程A:酸の作用により極性が増大する樹脂及び光酸発生剤を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する工程
工程B:膜を露光する工程
工程C:アルカリ現像液を用いて露光した膜を現像する工程
工程D:水を用いて現像された膜を洗浄する工程
工程E:アルコール系溶剤を含有する薬液を用いて工程Dで洗浄された膜を洗浄する工程
なお、後述するように、工程Aと、工程Bとの間には加熱工程(PB;Prebake)(工程G)が、工程Bと工程Cとの間には加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を、それぞれ実施してもよい。
また、工程Eの後、工程Eで得られたレジストパターンを乾燥する工程Fを実施してもよい。
上記レジストパターン形成方法は、半導体チップの製造に適用されるのが好ましい。
以下においては、これらの工程について説明する。
工程Aは、酸の作用により極性が増大する樹脂及び光酸発生剤を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する工程である。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物については、後段で詳述する。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。なかでも、膜の厚みの調整がより容易である点から、基板上に感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布して、膜を形成する方法が挙げられる。
なお、塗布の方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。なかでも、半導体製造分野においてはスピンコートが好ましく用いられる。
また、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布後、必要に応じて、溶剤を除去するための乾燥処理を実施してもよい。乾燥処理の方法は特に制限されず、加熱処理または風乾処理等が挙げられる。
更に、必要に応じて有機反射防止膜を膜と基板の間に配置してもよい。
好ましい後退接触角を実現する為には、疎水性樹脂を上記感活性光線性又は放射線性組成物に含ませることが好ましい。あるいは、レジスト膜の上に、疎水性の樹脂組成物によるコーティング層(いわゆる「トップコート」)を形成することにより後退接触角を向上させてもよい。トップコートとしては本分野で公知のものを適宜使用することができる。
また、トップコートとしては、特開2013-061647号公報、特にその実施例表3のOC-5~OC-11に記載されているような、樹脂だけでなく塩基性化合物(クエンチャー)も含有するトップコートを適用することも好ましい。
レジスト膜の厚みは特に制限されないが、より高精度な微細パターンを形成することができる理由から、1~500nmであることが好ましく、1~100nmであることがより好ましい。
レジストパターン形成方法は、工程Aと後述する工程Bとの間に、膜を加熱する工程Gを有していてもよい。
加熱温度は70~130℃が好ましく、80~120℃がより好ましい。加熱時間は30~300秒間が好ましく、30~180秒間がより好ましい。
加熱は通常の露光機及び/又は現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。ベークにより露光部の反応が促進され、感度及び/又はパターンプロファイルが改善する。
工程Bは、工程Aで形成された膜を露光する工程である。より具体的には、所望のパターンが形成されるように、膜を選択的に露光する工程である。これにより、膜がパターン状に露光され、露光された部分のみレジスト膜の溶解性が変化する。
なお、「露光する」とは、活性光線又は放射線を照射することを意図する。
バイナリーマスクは、一般的には石英ガラス基板上に、遮光部としてクロム膜、及び/又は、酸化クロム膜等が形成されたものが用いられる。
ハーフトーン型位相シフトマスクは、一般的には石英ガラス基板上に、遮光部としてMoSi(モリブデン・シリサイド)膜、クロム膜、酸化クロム膜、及び/又は、酸窒化シリコン膜等が形成されたものが用いられる。
なお、本発明では、フォトマスクを介して行う露光に制限されず、フォトマスクを介さない露光、例えば、電子線等による描画により選択的露光(パターン露光)を行ってもよい。
本工程は複数回の露光を含んでいてもよい。
露光の好適な態様として、例えば、液浸露光が挙げられる。液浸露光を用いることで、より微細なパターンを形成できる。なお、液浸露光は、位相シフト法及び変形照明法等の超解像技術と組み合わせることが可能である。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させると共に界面活性力を増大させる添加剤(液体)を僅かな割合で添加してもよい。この添加剤はレジスト膜を溶解させず、かつレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。
このような添加剤としては、例えば、水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、及び、イソプロピルアルコールが挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを液浸液に添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。
使用する水としては、蒸留水が好ましい。更に、イオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
液浸液として用いる水は、電気抵抗が18.3MΩcm以上であることが好ましい。又は、水中のTOC(有機物濃度)が20質量ppb以下であることが好ましい。また、水は、脱気処理されていることが好ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いたりしてもよい。
レジストパターン形成方法は、上記工程Bの後かつ工程Cの前に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を有することが好ましい。
加熱温度は70~130℃で行うことが好ましく、80~120℃で行うことがより好ましい。加熱時間は30~300秒間が好ましく、30~180秒間がより好ましく、30~90秒間が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。ベークにより露光部の反応が促進され、感度又はパターンプロファイルが改善する。
工程Cは、アルカリ現像液を用いて露光した膜を現像する工程である。本工程を実施することにより、所望のパターンが形成される。本方法により、露光強度の強い部分が除去される。
第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドドキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリアミルアンモニウムヒドロキシド、及び、ジブチルジペンチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、並びに、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
アルカリ現像液中における第4級アンモニウム塩の含有量は特に制限されないが、0.1~20質量%が好ましく、パターン形成性により優れる点、及び、残渣がより少なく点の少なくとも一方の効果が得られる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)で、0.75~15質量%がより好ましく、0.75~7.5質量%が更に好ましい。
アルカリ現像液のpHは、10.0~15.0が好ましい。
キレート剤は、金属イオンとキレート化する機能を有する化合物である。中でも、1分子中に金属イオンと配位結合する官能基(配位基)を2つ以上有する化合物が好ましい。
配位基としては、カルボキシル基等が挙げられる。
キレート剤が有する配位基としては、例えば、酸基及びカチオン性基が挙げられる。酸基としては、例えば、カルボキシ基、ホスホン酸基、スルホ基、及び、フェノール性ヒドロキシ基が挙げられる。
有機系キレート剤は、有機化合物からなるキレート剤であり、例えば、配位基としてカルボキシ基を有するカルボン酸系キレート剤、及び、配位基としてホスホン酸基を有するホスホン酸系キレート剤が挙げられ、カルボン酸系キレート剤が好ましい。
無機系キレート剤としては、縮合リン酸塩が挙げられる。
カルボン酸系キレート剤は、分子内に配位基としてカルボキシ基を有するキレート剤であり、例えば、アミノポリカルボン酸系キレート剤(例えば、ブチレンジアミン四酢酸、及び、ジエチレントリアミン五酢酸等)、アミノ酸系キレート剤(例えば、グリシン等)、ヒドロキシカルボン酸系キレート剤(例えば、リンゴ酸、及び、クエン酸等)、及び、脂肪族カルボン酸系キレート剤(例えば、シュウ酸、及び、マロン酸等)が挙げられる。
アルカリ現像液に含有される界面活性剤は特に制限されないが、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、及び、ノニオン系界面活性剤が挙げられ、アニオン系界面活性剤、又は、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の含有量は、アルカリ現像液全質量に対して、0.001~5質量%が好ましく、0.005~2質量%がより好ましく、0.01~0.5質量%が更に好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減できる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm2)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
工程Dは、水を用いて現像された膜を洗浄する工程である。
使用される水の種類は特に制限されず、半導体工程で一般的に使用される超純水が好ましい。
洗浄処理の方法は特に制限されず、例えば、一定速度で回転している基板上に水を吐出しつづける方法(回転塗布法)、水が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、及び、基板表面に水を噴霧する方法(スプレー法)が挙げられる。
この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000~4000rpmの回転数で回転させ、水を基板上から除去する方法が好ましい。
工程Eは、アルコール系溶剤を含有する薬液を用いて工程Dで洗浄された膜を洗浄する工程である。
使用される薬液は、後段で詳述する。
洗浄処理の方法は特に制限されず、例えば、一定速度で回転している基板上に薬液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、薬液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、及び、基板表面に薬液を噴霧する方法(スプレー法)が挙げられる。
なお、上記工程Dの後に、レジストパターンを乾燥する工程Fを実施してもよい。
乾燥処理の方法としては、加熱処理(Post Bake)が挙げられる。
本工程を実施することにより、パターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液等が除去される。
乾燥処理として加熱処理を実施する場合、加熱処理の際の加熱温度は、40~250℃が好ましく、150~220℃がより好ましい。加熱時間は、10秒間~10分間が好ましく、100~360秒間がより好ましい。
薬液は、アルコール系溶剤を含有する。
アルコール系溶剤のClogP値は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、-1.00超3.00以下が好ましく、-0.50~3.00がより好ましく、-0.50~2.50が更に好ましく、0.00~2.00が特に好ましい。
ClogP値とは、1-オクタノールと水への分配係数Pの常用対数logPを計算によって求めた値である。ClogP値の計算に用いる方法及びソフトウェアについては公知の物を使用できるが、特に断らない限り、本発明ではCambridge soft社の ChemBioDraw Ultra 12.0に組み込まれたClogPプログラムを用いる。
アルコール系溶剤は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、環構造を有していてもよい。
アルコール系溶剤に含まれる炭素数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、3~12が好ましく、4~10がより好ましく、5~9が更に好ましい。
アルコール系溶剤に含まれる酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比)は特に制限されず、2.0以上の場合が多く、本発明の効果がより優れる点で、3.0以上が好ましく、4.0以上がより好ましく、5.0以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、10.0以下が好ましく、9.0以下がより好ましく、8.0以下が更に好ましい。
以下、他の成分について詳述する。
薬液は、金属成分を含有してもよい。
本発明において、金属成分としては、金属粒子及び金属イオンが挙げられ、例えば、金属成分の含有量という場合、金属粒子及び金属イオンの合計含有量を示す。
薬液は、金属粒子及び金属イオンのいずれか一方が含有してもよく、両方を含有してもよい。
金属粒子は、単体でも合金でもよい。
金属成分は、薬液に含まれる各成分(原料)に不可避的に含まれている金属成分でもよいし、薬液の製造、貯蔵、及び/又は、移送時に不可避的に含まれる金属成分でもよいし、意図的に添加してもよい。
ここで、SP-ICP-MS法とは、通常のICP-MS法(誘導結合プラズマ質量分析法)と同様の装置を使用し、データ分析のみが異なる。SP-ICP-MS法のデータ分析は、市販のソフトウェアにより実施できる。
ICP-MS法では、測定対象とされた金属成分の含有量が、その存在形態に関わらず、測定される。従って、測定対象とされた金属粒子と、金属イオンとの合計質量が、金属成分の含有量として定量される。
SP-ICP-MS法の装置としては、例えば、アジレントテクノロジー社製、Agilent 8800 トリプル四重極ICP-MS(inductively coupled plasma mass spectrometry、半導体分析用、オプション#200)が挙げられ、実施例に記載した方法により測定できる。上記以外の他の装置としては、PerkinElmer社製 NexION350Sのほか、アジレントテクノロジー社製、Agilent 8900も使用できる。
薬液は、炭素数8以上のアルカン、及び、炭素数8以上のアルケンからなる群から選択される炭化水素を含有していてもよい。
アルカンの炭素数は8以上であり、8~30の場合が多い。
アルケンの炭素数は8以上であり、8~30の場合が多い。
上記薬液の製造方法は特に制限されず、公知の製造方法が挙げられる。
例えば、アルコール系溶剤に任意の成分を所定量添加して薬液を製造してもよいし、市販品を購入して精製処理を施して薬液を製造してもよい。なかでも、薬液の製造方法としては、被精製物を蒸留する工程(蒸留工程)、及び、被精製物をろ過する工程(ろ過工程)の少なくとも一方を含有する方法が挙げられる。なお、被精製物としては、市販品のアルコール系溶剤が挙げられる。市販品には不純物が含まれる場合がある。
以下、上記蒸留工程及びろ過工程の手順について詳述する。
蒸留工程は、被精製物を蒸留して、蒸留済み被精製物を得る工程である。
被精製物を蒸留する方法は特に制限されず、公知の方法が使用できる。典型的には、後述するろ過工程に供される精製装置の一次側に、蒸留塔を配置し、蒸留された被精製物を製造タンクに導入する方法が挙げられる。
このとき、蒸留塔の接液部は特に制限されないが、後述する耐腐食材料で形成されるのが好ましい。
蒸留塔としては、棚段式蒸留塔、及び、減圧棚段式が挙げられる。
また、蒸留時の熱的な安定性と精製の精度とを両立する目的で、減圧蒸留を実施してもよい。
ろ過工程は、フィルターを用いて上記被精製物をろ過する工程である。
フィルターを用いて被精製物をろ過する方法は特に制限されないが、ハウジングと、ハウジングに収納されたフィルターカートリッジと、を有するフィルターユニットに、被精製物を加圧又は無加圧で通過させる(通液する)のが好ましい。
なお、本明細書において、フィルターの細孔径とは、イソプロパノールのバブルポイントによって決定される細孔径を意味する。
中でも、より優れた耐溶剤性を有し、得られる薬液がより優れた欠陥抑制性能を有する点で、ナイロン(中でも、6,6-ナイロンが好ましい)、ポリオレフィン(中でも、ポリエチレンが好ましい)、ポリ(メタ)アクリレート、及び、フッ素系樹脂(中でも、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)が好ましい。)からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これらの重合体は単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
また、樹脂以外にも、ケイソウ土、及び、ガラス等であってもよい。
他にも、ポリオレフィン(後述するUPE(超高分子量ポリエチレン)等)にポリアミド(例えば、ナイロン-6又はナイロン-6,6等のナイロン)をグラフト共重合させたポリマー(ナイロングラフトUPE等)をフィルターの材料としてもよい。
すなわち、フィルターとしては、イオン交換基を有するフィルターを用いてもよい。
イオン交換基としては、カチオン交換基及びアニオン交換基が挙げられ、カチオン交換基として、スルホン酸基、カルボキシ基、及び、リン酸基が挙げられ、アニオン交換基として、4級アンモニウム基が挙げられる。イオン交換基をフィルターに導入する方法は特に制限されないが、イオン交換基と重合性基とを含有する化合物をフィルターと反応させる方法(典型的にはグラフト化する方法)が挙げられる。
イオン交換基を有するフィルターの細孔径は特に制限されないが、1~30nmが好ましく、5~20nmがより好ましい。
例えば、樹脂等の粉末を焼結して形成すれば多孔質膜が得られ、エレクトロスピニング、エレクトロブローイング、及び、メルトブローイング等の方法により形成すれば繊維膜が得られる。これらは、それぞれ細孔構造が異なる。
多孔質膜における細孔の大きさの分布とその膜中における位置の分布は、特に制限されない。大きさの分布がより小さく、かつ、その膜中における分布位置が対称であってもよい。また、大きさの分布がより大きく、かつ、その膜中における分布位置が非対称であってもよい(上記の膜を「非対称多孔質膜」ともいう。)。非対称多孔質膜では、孔の大きさは膜中で変化し、典型的には、膜一方の表面から膜の他方の表面に向かって孔径が大きくなる。このとき、孔径の大きい細孔が多い側の表面を「オープン側」といい、孔径が小さい細孔が多い側の表面を「タイト側」ともいう。
また、非対称多孔質膜としては、例えば、細孔の大きさが膜の厚さ内のある位置においてで最小となる膜(これを「砂時計形状」ともいう。)が挙げられる。
未洗浄のフィルター(又は十分な洗浄がされていないフィルター)を使用する場合、フィルターが含有する不純物が薬液に持ち込まれやすい。
また、同一のフィルターに被精製物を複数回通過させてもよく、同種のフィルターの複数に、被精製物を通過させてもよい。
また、本発明の薬液が製造しやすい点で、フッ素系樹脂を含有するフィルターを用いることが好ましい。なかでも、上記フッ素系樹脂を含有するフィルターは、複数枚使用する多段ろ過が好ましい。上記フッ素系樹脂を含有するフィルターとしては、細孔径が20nm以下のフィルターが好ましい。
なかでも、本発明の薬液が製造しやすい点で、孔径100nm以上のフィルターを用いて被精製物をろ過する第1ろ過工程と、孔径10nm以下のフッ素系樹脂を含有するフィルター(好ましく、PTFEからなるフィルター)を用いて被精製物をろ過する第2ろ過工程とをこの順で実施することが好ましい。第1ろ過工程において、粗大粒子が除去される。
非金属材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン-ポリプロピレン樹脂、並びに、フッ素系樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン-エチレン共重合樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、三フッ化塩化エチレン共重合樹脂、及び、フッ化ビニル樹脂等)からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
金属材料としては、例えば、クロム及びニッケルの含有量の合計が金属材料全質量に対して25質量%超である金属材料が挙げられ、中でも、30質量%以上がより好ましい。金属材料におけるクロム及びニッケルの含有量の合計の上限値は特に制限されないが、一般に90質量%以下が好ましい。
金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、及びニッケル-クロム合金が挙げられる。
ニッケル-クロム合金としては、例えば、ハステロイ(商品名、以下同じ。)、モネル(商品名、以下同じ)、及び、インコネル(商品名、以下同じ)が挙げられる。より具体的には、ハステロイC-276(Ni含有量63質量%、Cr含有量16質量%)、ハステロイ-C(Ni含有量60質量%、Cr含有量17質量%)、及び、ハステロイC-22(Ni含有量61質量%、Cr含有量22質量%)が挙げられる。
また、ニッケル-クロム合金は、必要に応じて、上記した合金の他に、更に、ホウ素、ケイ素、タングステン、モリブデン、銅、及び、コバルト等を含有していてもよい。
なお、金属材料はバフ研磨されていてもよい。バフ研磨の方法は特に制限されず、公知の方法を使用できる。バフ研磨の仕上げに用いられる研磨砥粒のサイズは特に制限されないが、金属材料の表面の凹凸がより小さくなりやすい点で、#400以下が好ましい。なお、バフ研磨は、電解研磨の前に行われるのが好ましい。
上記薬液は、容器に収容されて使用時まで保管してもよい。このような容器と、容器に収容された薬液とをあわせて薬液収容体という。保管された薬液収容体からは、薬液が取り出され使用される。
使用可能な容器は特に制限されないが、例えば、アイセロ化学(株)製の「クリーンボトル」シリーズ、及び、コダマ樹脂工業製の「ピュアボトル」等が挙げられる。
なお、上記空隙率は、式(1)に従って計算される。
式(1):空隙率={1-(容器内の薬液の体積/容器の容器体積)}×100
上記容器体積とは、容器の内容積(容量)と同義である。
空隙率をこの範囲に設定することで、不純物等のコンタミを制限する事で保管安定性を確保できる。
上記パターン形成方法で用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)には、酸の作用により極性が増大する樹脂(A)と、光酸発生剤(P)とが少なくとも含有される。
以下、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に含有され得る成分について詳述する。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、酸の作用により極性が増大する樹脂(A)を含有する。
樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位(A-a)(以下、単に「繰り返し単位(A-a)」とも記載する)を有する。
酸分解性基とは、酸の作用により分解し、極性基を生じる基をいう。酸分解性基は、酸の作用により脱離する脱離基で極性基が保護された構造を有することが好ましい。つまり、樹脂(A)は、酸の作用により分解し、極性基を生じる基を有する繰り返し単位(A-a)を有する。この繰り返し単位(A-a)を有する樹脂は、酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤に対する溶解度が減少する。
中でも、極性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、又は、スルホン酸基が好ましい。
式(Y1):-C(Rx1)(Rx2)(Rx3)
式(Y2):-C(=O)OC(Rx1)(Rx2)(Rx3)
式(Y3):-C(R36)(R37)(OR38)
式(Y4):-C(Rn)(H)(Ar)
中でも、Rx1~Rx3は、それぞれ独立に、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表すことが好ましく、Rx1~Rx3は、それぞれ独立に、直鎖状のアルキル基を表すことがより好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して、単環又は多環を形成してもよい。
Rx1~Rx3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及び、t-ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
Rx1~Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5~6の単環のシクロアルキル基がより好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
式(Y1)又は式(Y2)で表される基は、例えば、Rx1がメチル基又はエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、ヘテロ原子を有していてもよいアルキル基、ヘテロ原子を有していてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を有していてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基、アルデヒド基、又は、これらを組み合わせた基(例えば、アルキル基とシクロアルキル基とを組み合わせた基)を表す。
アルキル基及びシクロアルキル基は、例えば、メチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
なお、L1及びL2のうち一方は水素原子であり、他方はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アルキレン基とアリール基とを組み合わせた基であることが好ましい。
Q、M、及び、L1の少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員もしくは6員環)を形成してもよい。
パターンの微細化の点では、L2が2級又は3級アルキル基であることが好ましく、3級アルキル基であることがより好ましい。2級アルキル基としては、イソプロピル基、シクロヘキシル基又はノルボルニル基が挙げられ、3級アルキル基としては、tert-ブチル基又はアダマンタン環基が挙げられる。これらの態様では、Tg(ガラス転移温度)及び活性化エネルギーが高くなるため、膜強度の担保に加え、かぶりの抑制ができる。
L1は、フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい2価の連結基を表す。フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい2価の連結基としては、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい炭化水素基(例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基等)、及び、これらの複数が連結した連結基等が挙げられる。中でも、L1としては、-CO-、-アリーレン基-フッ素原子又はヨウ素原子を有するアルキレン基-が好ましい。
アリーレン基としては、フェニレン基が好ましい。
アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルキレン基の炭素数は特に制限されないが、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
フッ素原子又はヨウ素原子を有するアルキレン基に含まれるフッ素原子及びヨウ素原子の合計数は特に制限されないが、2以上が好ましく、2~10がより好ましく、3~6が更に好ましい。
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
フッ素原子又はヨウ素原子を有するアルキル基に含まれるフッ素原子及びヨウ素原子の合計数は特に制限されないが、1以上が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が更に好ましい。
上記アルキル基は、ハロゲン原子以外の酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい。
中でも、脱離基としては、式(Z1)~(Z4)で表される基が挙げられる。
式(Z1):-C(Rx11)(Rx12)(Rx13)
式(Z2):-C(=O)OC(Rx11)(Rx12)(Rx13)
式(Z3):-C(R136)(R137)(OR138)
式(Z4):-C(Rn1)(H)(Ar1)
Rx11~Rx13は、フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい点以外は、上述した(Y1)、(Y2)中のRx1~Rx3と同じであり、アルキル基及びシクロアルキル基の定義及び好適範囲と同じである。
なお、上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び、アラルキル基には、フッ素原子及びヨウ素原子以外に、酸素原子等のヘテロ原子が含まれていてもよい。つまり、上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び、アラルキル基は、例えば、メチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
M1は、単結合又は2価の連結基を表す。
Q1は、フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を有していてもよいアルキル基;フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を有していてもよいシクロアルキル基;フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群より選択されるアリール基;アミノ基;アンモニウム基;メルカプト基;シアノ基;アルデヒド基;又は、これらを組み合わせた基(例えば、フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を有していてもよい、アルキル基とシクロアルキル基とを組み合わせた基)を表す。
Xa1は、水素原子、又は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
Tは、単結合、又は、2価の連結基を表す。
Rx1~Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖状、又は、分岐鎖状)、又は、シクロアルキル基(単環、又は、多環)を表す。ただし、Rx1~Rx3の全てがアルキル基(直鎖状、又は、分岐鎖状)である場合、Rx1~Rx3のうち少なくとも2つはメチル基であることが好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して、シクロアルキル基(単環もしくは多環)を形成してもよい。
Tは、単結合又は-COO-Rt-基が好ましい。Tが-COO-Rt-基を表す場合、Rtは、炭素数1~5のアルキレン基が好ましく、-CH2-基、-(CH2)2-基、又は、-(CH2)3-基がより好ましい。
Rx1~Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基が好ましく、その他にも、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、炭素数5~6の単環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
一般式(AI)で表される繰り返し単位は、例えば、Rx1がメチル基又はエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
繰り返し単位(A-a)の含有量(2種以上の繰り返し単位(A-a)が存在する場合は合計含有量)は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、15~80モル%が好ましく、20~70モル%がより好ましい。
また、樹脂(A)中において、酸の作用によって分解して、カルボキシ基を生じる繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、25~70モル%が好ましい。
一般式(A-IX)中、R6及びR7は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基等が挙げられる。
一般式(A-X)中、pは、1又は2を表す。
一般式(A-X)~(A-XII)中、R8は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、R9は、炭素数1~3のアルキル基を表す。
一般式(A-XII)中、R10は、炭素数1~3のアルキル基又はアダマンチル基を表す。
樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位を有してもよい。
酸基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(B)で表される繰り返し単位が好ましい。
L3は、(n+m+1)価の芳香族炭化水素環基、又は、(n+m+1)価の脂環式炭化水素環基を表す。芳香族炭化水素環基としては、ベンゼン環基、及び、ナフタレン環基が挙げられる。脂環式炭化水素環基としては、単環であっても、多環であってもよく、例えば、シクロアルキル環基が挙げられる。
R6は、水酸基、又は、フッ素化アルコール基(好ましくは、ヘキサフルオロイソプロパノール基)を表す。なお、R6が水酸基の場合、L3は(n+m+1)価の芳香族炭化水素環基であることが好ましい。
R7は、ハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子が挙げられる。
mは、1以上の整数を表す。mは、1~3の整数が好ましく、1~2の整数が好ましい。
nは、0又は1以上の整数を表す。nは、1~4の整数が好ましい。
なお、(n+m+1)は、1~5の整数が好ましい。
R41、R42及びR43は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R42はAr4と結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す。
X4は、単結合、-COO-、又は-CONR64-を表し、R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
L4は、単結合又はアルキレン基を表す。
Ar4は、(n+1)価の芳香環基を表し、R42と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
nは、1~5の整数を表す。
一般式(I)におけるR41、R42、及び、R43のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
一般式(I)におけるR41、R42、及び、R43のアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R41、R42、R43におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
X4により表わされる-CONR64-(R64は、水素原子又はアルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、及び、ドデシル基等の炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、炭素数8以下のアルキル基が好ましい。
X4としては、単結合、-COO-、又は、-CONH-が好ましく、単結合、又は、-COO-がより好ましい。
Ar4としては、炭素数6~18の芳香環基が好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、及び、ビフェニレン環基がより好ましい。
樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位として、ヒドロキシスチレンに由来する繰り返し単位(A-1)を有することが好ましい。
ヒドロキシスチレンに由来する繰り返し単位(A-1)としては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
Rは、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表し、複数個ある場合には同じであっても異なっていてもよい。複数のRを有する場合には、互いに共同して環を形成していてもよい。Rとしては水素原子が好ましい。
aは1~3の整数を表し、bは0~(5-a)の整数を表す。
樹脂(A)は、ラクトン構造、カーボネート構造、スルトン構造、及びヒドロキシアダマンタン構造からなる群より選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位(A-2)を有していてもよい。
ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位におけるラクトン構造又はスルトン構造は、特に制限されないが、5~7員環ラクトン構造又は5~7員環スルトン構造が好ましく、5~7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているもの、又は5~7員環スルトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものがより好ましい。下記一般式(LC1-1)~(LC1-21)のいずれかで表されるラクトン構造、又は下記一般式(SL1-1)~(SL1-3)のいずれかで表されるスルトン構造を有する繰り返し単位を有することが更に好ましい。また、ラクトン構造又はスルトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましい構造としては一般式(LC1-1)、一般式(LC1-4)、一般式(LC1-5)、一般式(LC1-8)、一般式(LC1-16)、一般式(LC1-21)、又は、一般式(SL1-1)である。
また、酸分解性基を有する繰り返し単位を有する樹脂は、焦点深度の許容度及びパターン直線性の観点から、下記式IIIで表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Aは、エステル結合(-COO-で表される基)又はアミド結合(-CONH-で表される基)を表す。
nは、-R0-Z-で表される構造の繰り返し数であり、0~5の整数を表し、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。nが0である場合、-R0-Z-は存在せず、AとR8とが単結合により結合される。
R0は、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。R0は、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。
R8は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基を表す。
R7は、水素原子、フッ素原子以外のハロゲン原子又は1価の有機基(好ましくはメチル基)を表す。
Zは好ましくは、エーテル結合、又はエステル結合であり、より好ましくはエステル結合である。
R2は、炭素数1~4のアルキル基、シアノ基、又は、-CO-O-R21を表す。R21は、炭素数1~4のアルキル基を表す。
X1は、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、又は、-R3-CO-O-を表し、R3は、炭素数1~3のアルキレン基を表す。
mは、0又は1を表す。
樹脂(A)は、カーボネート構造を有する繰り返し単位を有していてもよい。カーボネート構造は、環状炭酸エステル構造であることが好ましい。
環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位は、下記式A-1で表される繰り返し単位であることが好ましい。
X1は、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、又は、-R3-CO-O-を表し、R3は、炭素数1~3のアルキレン基を表す。
樹脂(A)は、ヒドロキシアダマンタン構造を有する繰り返し単位を有していてもよい。ヒドロキシアダマンタン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)で表される繰り返し単位が挙げられる。
上記繰り返し単位(A-2)としては、ラクトン構造、カーボネート構造、スルトン構造及びヒドロキシアダマンタン構造からなる群より選択される少なくとも1種を含有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位が好ましい。
中でも、繰り返し単位(A-1)が、上述の一般式(A-I)で表される繰り返し単位であり、かつ、繰り返し単位(A-2)が、上述の一般式(A-II)~(A-VII)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
繰り返し単位(A-1)、繰り返し単位(A-2)及び一般式(A-I)~(A-VII)で表される繰り返し単位については、その好ましい態様も含めて、上述のとおりである。
樹脂(A)は、上述した酸分解性基を有する繰り返し単位(A-a)、酸基を有する繰り返し単位、及び繰り返し単位(A-2)以外の繰り返し単位を有していてもよい。
樹脂(A)は、フッ素原子又はヨウ素原子を有する繰り返し単位を有していてもよい。但し、フッ素原子又はヨウ素原子を有する繰り返し単位には、上述した酸分解性基を有する繰り返し単位(A-a)、酸基を有する繰り返し単位、及び繰り返し単位(A-2)は含まれない。
R9は、水素原子、又は、フッ素原子もしくはヨウ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。
R10は、水素原子、フッ素原子もしくはヨウ素原子を有していてもよいアルキル基、フッ素原子もしくはヨウ素原子を有していてもよいシクロアルキル基、フッ素原子もしくはヨウ素原子を有していてもよいアリール基、又は、これらを組み合わせた基を表す。
樹脂(A)は、上記以外の繰り返し単位として、放射線の照射により酸を発生する基(以下「光酸発生基」とも言う)を有する繰り返し単位を有していてもよい。
この場合、この光酸発生基を有する繰り返し単位が、光酸発生剤(P)にあたると考えることができる。
このような繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(4)で表される繰り返し単位が挙げられる。
樹脂(A)は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有していてもよい。
アルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子吸引性基で置換された脂肪族アルコール(例えば、ヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基が好ましい。樹脂(A)がアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有することにより、コンタクトホール用途での解像性が増す。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸及びメタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、又は、連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位が挙げられる。なお、連結基は、単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸又はメタクリル酸による繰り返し単位が好ましい。
樹脂(A)は、更に、酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位を有してもよい。酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位は、脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、5~40モル%が好ましく、5~30モル%がより好ましく、5~25モル%が更に好ましい。
樹脂(A)としては、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系モノマーに由来する繰り返し単位で構成されることが好ましい。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系モノマーに由来するもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系モノマーに由来するもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系モノマー及びアクリレート系モノマーに由来するもののいずれの樹脂でも用いることができる。アクリレート系モノマーに由来する繰り返し単位が、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して50モル%以下であることが好ましい。
また、組成物がArF露光用であるとき、樹脂(A)は、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましく、また、フッ素原子及び珪素原子のいずれも含まないことが好ましい。
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては、上記ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位(A-1)、及び、ヒドロキシスチレン(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を挙げることができる。
また、組成物が、KrF露光用、EB露光用又はEUV露光用であるとき、樹脂(A)は、フェノール性水酸基の水素原子が酸の作用により分解し脱離する基(脱離基)で保護された構造を有する繰り返し単位を有することも好ましい。
組成物が、KrF露光用、EB露光用又はEUV露光用であるとき、樹脂(A)に含まれる芳香族炭化水素基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、30~100モル%が好ましく、40~100モル%がより好ましく、50~100モル%が更に好ましい。
樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、1,000~200,000が好ましく、3,000~20,000がより好ましく、5,000~15,000が更に好ましい。樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)を、1,000~200,000とすることにより、耐熱性及びドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、更に、現像性の劣化、及び、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。なお、樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、上述のGPC法により測定されたポリスチレン換算値である。
樹脂(A)の分散度(分子量分布)は、通常1~5であり、1~3が好ましく、1.1~2.0がより好ましい。分散度が小さいものほど、解像度、及び、レジスト形状が優れ、更に、パターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
また、樹脂(A)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、光酸発生剤(P)を含有する。光酸発生剤(P)は、放射線の照射により酸を発生する化合物であれば特に制限されない。
光酸発生剤(P)は、低分子化合物の形態であってもよく、重合体の一部に組み込まれた形態であってもよい。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用してもよい。
光酸発生剤(P)が、低分子化合物の形態である場合、重量平均分子量(Mw)が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
光酸発生剤(P)が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、樹脂(A)の一部に組み込まれてもよく、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。
本発明において、光酸発生剤(P)は、低分子化合物の形態であることが好ましい。
光酸発生剤(P)としては、公知のものであれば特に制限されないが、放射線の照射により、有機酸を発生する化合物が好ましく、分子中にフッ素原子又はヨウ素原子を有する光酸発生剤がより好ましい。
上記有機酸として、例えば、スルホン酸(脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸、及び、カンファースルホン酸等)、カルボン酸(脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、及び、アラルキルカルボン酸等)、カルボニルスルホニルイミド酸、ビス(アルキルスルホニル)イミド酸、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチド酸等が挙げられる。
上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求める。上記体積の値の計算にあたっては、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM(Molecular Mechanics)3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM(Parameterized Model number)3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessible volume」を計算できる。
極性基としては、例えば、エーテル基、エステル基、アミド基、アシル基、スルホ基、スルホニルオキシ基、スルホンアミド基、チオエーテル基、チオエステル基、ウレア基、カーボネート基、カーバメート基、ヒドロキシル基、及び、メルカプト基が挙げられる。
発生する酸が有する極性基の数は特に制限されず、1個以上であることが好ましく、2個以上であることがより好ましい。ただし、過剰な現像を抑制する観点から、極性基の数は、6個未満であることが好ましく、4個未満であることがより好ましい。
R201、R202及びR203は、それぞれ独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、1~30が好ましく、1~20がより好ましい。
また、R201~R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又は、カルボニル基を有していてもよい。R201~R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、又は、ペンチレン基等)を挙げることができる。
Z-は、非求核性アニオン(求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を表す。
また、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおけるアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。これにより、酸強度が増加する。
Xfは、それぞれ独立に、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR1及びR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、二価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状の有機基を表す。
xは1~20の整数を表し、yは0~10の整数を表し、zは0~10の整数を表す。
Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~4がより好ましい。また、Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。
Xfとしては、フッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基が好ましい。Xfの具体的としては、フッ素原子、CF3、C2F5、C3F7、C4F9、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2C2F5、CH2CH2C2F5、CH2C3F7、CH2CH2C3F7、CH2C4F9、及び、CH2CH2C4F9等が挙げられ、中でも、フッ素原子、又は、CF3が好ましい。特に、両者のXfがフッ素原子であることが好ましい。
R1及びR2としては、フッ素原子又はCF3が好ましい。
yは0~4の整数が好ましく、0がより好ましい。
zは0~5の整数が好ましく、0~3の整数がより好ましい。
Lの2価の連結基としては特に制限されず、-COO-、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、及び、これらの複数が連結した連結基等が挙げられ、総炭素数12以下の連結基が好ましい。中でも、-COO-、-OCO-、-CO-、又は、-O-が好ましく、-COO-、又は、-OCO-がより好ましい。
脂環基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が好ましく、その他にも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、露光後加熱工程での膜中拡散性を抑制でき、MEEF(Mask Error Enhancement Factor)向上の観点から好ましい。
芳香環基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環、及び、アントラセン環等が挙げられる。
複素環基としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及び、ピリジン環等由来の基が挙げられる。中でも、フラン環、チオフェン環、及び、ピリジン環由来の基が好ましい。
R201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、及び、ナフチル基等の他に、インドール残基、及び、ピロール残基等のヘテロアリール基も可能である。
R201~R203のアルキル基としては、炭素数1~10の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、又は、n-ブチル基がより好ましい。
R201~R203のシクロアルキル基としては、炭素数3~10のシクロアルキル基が好ましく、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、又は、シクロへプチル基がより好ましい。
これらの基が有してもよい置換基としては、ニトロ基、フッ素原子等のハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~15)、アリール基(好ましくは炭素数6~14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2~7)、アシル基(好ましくは炭素数2~12)、及び、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2~7)等が挙げられる。
R204~R205は、それぞれ独立に、アリール基、アルキル基、又は、シクロアルキル基を表す。
R204~R205のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、前述の化合物(ZI)におけるR201~R203のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
一般式(B-II)中、qは、1~5の整数を表す。qは、2~4の整数が好ましく、2又は3が好ましい。
一般式(B-III)中、X2は、-CO-O-、-CH2-CO-O-、又は、-CH2-O-CO-を表す。
一般式(B-III)中、rは、0~2の整数を表す。rは、0又は1が好ましい。
一般式(B-III)中、sは、1~3の整数を表す。sは、1又は2が好ましい。
一般式(B-IV)中、R14は、置換基を有していてもよい1価の多環基を表す。1価の多環基としては、複数の環構造からなる基であれば特に制限されず、例えば、上述の一般式(AN1)においてAで表される環状の有機基のうち多環構造を有する基が挙げられる。より具体的には、ノルボルナン環基、テトラシクロデカン環基、テトラシクロドデカン環基、及び、アダマンタン環基等の多環のシクロアルキル基が挙げられ、ノルボルナン環基又はアダマンタン環基が好ましい。
一般式(B-V)中、R15は、1価の有機基を表す。R15で表される1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びアルケニル基が挙げられ、炭素数1~6のアルキル基が好ましい。
一般式(B-V)中、X3は、-O-CO-O-、-SO2-又は-SO2-NR16-を表す。R16は、水素原子もしくはアルキル基を表すか、又は、R15と結合して環構造を形成するアルキレン基を表す。
一般式(B-V)で表される化合物においては、X3が-SO2-NR16-を表し、R15及びR16が結合して形成された炭素数4~6のアルキレン基と、-NR16-基中の窒素原子とで、置換基を有してもよいヘテロ環を形成することが好ましい。
光酸発生剤(P)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。光酸発生剤(P)を2種以上併用する場合は、その合計量が上記範囲内であることが好ましい。
組成物は、酸拡散制御剤(Q)を含有していてもよい。
酸拡散制御剤(Q)は、露光時に光酸発生剤(P)等から発生する酸をトラップし、余分な発生酸による、未露光部における酸分解性樹脂の反応を抑制するクエンチャーとして作用するものである。酸拡散制御剤(Q)としては、例えば、塩基性化合物(DA)、放射線の照射により塩基性が低下又は消失する塩基性化合物(DB)、光酸発生剤(P)に対して相対的に弱酸となるオニウム塩(DC)、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(DD)、及び、カチオン部に窒素原子を有するオニウム塩化合物(DE)等が使用できる。
組成物においては、公知の酸拡散制御剤を適宜使用できる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167号明細書の段落[0627]~[0664]、米国特許出願公開2015/0004544号明細書の段落[0095]~[0187]、米国特許出願公開2016/0237190号明細書の段落[0403]~[0423]、及び、米国特許出願公開2016/0274458号明細書の段落[0259]~[0328]に開示された公知の化合物を、酸拡散制御剤(Q)として好適に使用できる。
組成物において、酸拡散制御剤(Q)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
組成物は、疎水性樹脂(E)として、上記樹脂(A)とは異なる疎水性の樹脂を含有していてもよい。
疎水性樹脂(E)は、レジスト膜の表面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性物質及び非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂(E)を添加することの効果として、水に対するレジスト膜表面の静的及び動的な接触角の制御、並びに、アウトガスの抑制等が挙げられる。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、及び、ナフチル基等のアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子又は珪素原子を有する繰り返し単位の例としては、US2012/0251948の段落[0519]に例示されたものが挙げられる。
ここで、疎水性樹脂中の側鎖部分が有するCH3部分構造は、エチル基、及び、プロピル基等を有するCH3部分構造を含む。
一方、疎水性樹脂(E)の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα-メチル基)は、主鎖の影響により疎水性樹脂(E)の表面偏在化への寄与が小さいため、本発明におけるCH3部分構造に含まれないものとする。
組成物は、溶剤(F)を含有してもよい。
組成物がEUV用の感放射線性樹脂組成物である場合、溶剤(F)は、(M1)プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、並びに、(M2)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、アルコキシプロピオン酸エステル、鎖状ケトン、環状ケトン、ラクトン、及び、アルキレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも1つの少なくとも一方を含有していることが好ましい。この場合の溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含有していてもよい。
成分(M1)又は(M2)を含有する溶剤は、上述した樹脂(A)とを組み合わせて用いると、組成物の塗布性が向上すると共に、現像欠陥数の少ないパターンが形成可能となるため、好ましい。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME:propylene glycol monomethylether)、又は、プロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
乳酸エステルとしては、乳酸エチル、乳酸ブチル、又は、乳酸プロピルが好ましい。
酢酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソアミル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、又は、酢酸3-メトキシブチルが好ましい。
また、酪酸ブチルも好ましい。
アルコキシプロピオン酸エステルとしては、3-メトキシプロピオン酸メチル(MMP:methyl 3-Methoxypropionate)、又は、3-エトキシプロピオン酸エチル(EEP:ethyl 3-ethoxypropionate)が好ましい。
鎖状ケトンとしては、1-オクタノン、2-オクタノン、1-ノナノン、2-ノナノン、アセトン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、1-ヘキサノン、2-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、又は、メチルアミルケトンが好ましい。
環状ケトンとしては、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、又は、シクロヘキサノンが好ましい。
ラクトンとしては、γ-ブチロラクトンが好ましい。
アルキレンカーボネートとしては、プロピレンカーボネートが好ましい。
組成物は、界面活性剤、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び/又は、現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、重量平均分子量(Mw)が1000以下であるフェノール化合物、又はカルボキシル基を有する脂環族もしくは脂肪族化合物)を更に含有していてもよい。
重量平均分子量(Mw)が1000以下であるフェノール化合物は、例えば、特開平4-122938号公報、特開平2-28531号公報、米国特許第4,916,210号明細書、欧州特許第219294号明細書等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成できる。
カルボキシル基を有する脂環族又は脂肪族化合物の具体例としては、コール酸、デオキシコール酸、及び、リトコール酸等のステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
フィルターとしては、以下のフィルターを使用した。
・「PP 200nm」:ポリプロピレン製フィルター、ポール社製、孔径200nm
・「IEX 50nm」:イオン交換樹脂フィルター、Entegris社製、孔径50nm
・「PTFE 30nm」:ポリテトラフルオロエチレン製フィルター、Entegris社製、孔径30nm
・「PTFE 50nm」:ポリテトラフルオロエチレン製フィルター、Entegris社製、孔径50nm
・「UPE 1nm」:超高分子量ポリエチレン製フィルター、Pall社製、孔径1nm
・「UPE 3nm」:超高分子量ポリエチレン製フィルター、Pall社製、孔径3nm
実施例、及び、比較例で使用される薬液の製造のために、表1の「原料」欄の「溶剤種類」欄に記載の溶剤を被精製物として使用した。なお、各溶剤は、市販品を使用した。
上記被精製物に対して、表1に記載の精製処理を行った。
なお、表1中の「蒸留」欄の「条件1」は蒸留塔(理論段数:15段)を用いた常圧蒸留を1回実施したことを表す。
次に、後述する表1に示すように、「第1循環」欄が「あり」の実施例においては、貯蔵タンクに貯蔵された被精製物を、表1に記載のフィルター4~5(フィルター4のみの場合は、フィルター4)でろ過して、フィルター5でろ過した後(フィルター4のみの場合は、フィルター4でろ過した後)の被精製物をフィルター4の上流側に循環し、再度フィルター4~5でろ過する循環ろ過処理を実施した。循環ろ過処理の後、容器に薬液を収容した。
なお、後述する表1に示すように、「第1循環」欄が「なし」の実施例においては、上記循環処理を実施せずに、貯蔵タンクに貯蔵された被精製物を、表1に記載のフィルター4でろ過した。
薬液中の金属成分(金属イオン、金属含有粒子)の含有量は、ICP-MS及びSP-ICP-MSを用いる方法により測定した。
装置は以下の装置を使用した。
・メーカー:PerkinElmer
・型式:NexION350S
解析には以下の解析ソフトを使用した。
・“SP-ICP-MS”専用Syngistix ナノアプリケーションモジュール
・Syngistix for ICP-MS ソフトウェア
(残渣評価)
まず、直径300mmのシリコン基板に有機反射防止膜形成用組成物ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した。
塗布性の改良のため、反射防止膜を形成したシリコン基板の反射防止膜側の表面にプリウェット液(FFEM製、シクロヘキサノン)を滴下し、スピン塗布を実施した。
次いで、反射防止膜上に、後述する組成物1~4のいずれかを塗布し、表1に記載の「プリベーク」欄に記載の条件に従ってプリベークを行い、膜厚50nmの塗膜を形成した。
次に、ArFエキシマレーザースキャナー(NA0.75)を用い、塗膜に対して25[mJ/cm2]でパターン露光を行った。その後、120℃で60秒間加熱した。次いで、表1に記載のアルカリ現像液を用いて、30秒間パドルして現像した。次いで、4000rpmの回転数で30秒間シリコン基板を回転させることにより、ポジ型レジストパターンを形成した。次に、表1中の「水リンス」欄が「あり」の実施例及び比較例に関しては、ポジ型レジストパターンを水で洗浄した。次に、各実施例及び比較例に記載の薬液(アルコール系溶剤)を用いて、ポジ型レジストパターンを洗浄した。その後、得られたポジ型レジストパターンを、200℃で300秒間ポストベークした。上記の工程を経て、ライン/スペースが1:1のL/Sパターンを得た。なお、ライン幅は65nmであった。
なお、比較例1においては、「水リンス」欄が「なし」であり、ポリ型レジストパターンの水洗浄を実施しなかった。
「A」:残渣物欠陥の数が5個/ウエハ以下だった。
「B」:残渣物欠陥の数が5個/ウエハを超え、10個/ウエハ以下だった。
「C」:残渣物欠陥の数が10個/ウエハを超え、20個/ウエハ以下だった。
「D」:残渣物欠陥の数が20個/ウエハを超え、30個/ウエハ以下だった。
「E」:残渣物欠陥の数が30個/ウエハを超えた。
シリコンウエハ上に有機反射防止膜形成用組成物ARC29SR(Brewer Science社製)を塗布し、有機反射防止膜形成用組成物が塗布されたシリコンウエハを205℃で60秒間ベークして、膜厚98nmの反射防止膜を形成した。
次に、反射防止膜上に後述する組成物1~4のいずれかを塗布し、100℃で60秒間ベークして、膜厚50nmの塗膜(レジスト膜)を形成した。
得られた塗膜に対して、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、C-Quad、アウターシグマ0.730、インナーシグマ0.630、XY偏向)を用いて、線幅75nmの1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを介して露光した。液浸液は、超純水を使用した。露光後の塗膜を120℃で60秒間ベークした後、表1に記載のアルカリ現像液で30秒間現像して、次に、水洗浄し、その後、表1に示す各実施例及び比較例に記載の薬液で30秒間リンスした。その後、スピン乾燥を行い、ポジ型のライン状のパターンを得た。
得られた線幅75nm(1:1)のラインアンドスペースのパターンに対して、測長走査型電子顕微鏡(SEM((株)日立製作所S-9380II))を使用してパターン上部から観察する際、線幅を任意のポイント(160点)で観測し、その測定ばらつきを3σで評価した。LWRは、値が小さいほどパターン線幅の揺らぎが少なく、良好な性能である。
「A」:3σが4nm以下
「B」:3σが4nm超5nm以下
「C」:3σが5nm超6nm以下
「D」:3σが6nm超7nm以下
「E」:3σが7nm超
シリコンウエハ上に有機反射防止膜形成用組成物ARC29SR(Brewer Science社製)を塗布し、有機反射防止膜形成用組成物が塗布されたシリコンウエハを205℃で60秒間ベークして、膜厚98nmの反射防止膜を形成した。
次に、反射防止膜上に後述する組成物1~4のいずれかを塗布し、100℃で60秒間ベークして、膜厚50nmの塗膜(レジスト膜)を形成した。
得られたウエハをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、C-Quad、アウターシグマ0.810、インナーシグマ0.65、XY偏向)を用い、ホール部分が80nmであり、かつ、ホール間のピッチが480nmである正方配列のハーフトーンマスクを介して、パターン露光を行った。液浸液としては超純水を用いた。その後、100℃で60秒間加熱した。次いで、表1に記載のアルカリ現像液で30秒間現像して、次に、水洗浄し、その後、表1に示す各実施例及び比較例に記載の薬液で30秒間リンスした。その後、スピン乾燥を行い、ポジ型のホール状のパターンを得た。
得られたパターンに対して、測長走査型電子顕微鏡(SEM((株)日立製作所S-9380II))を使用してパターン上部から観察する際、計500個のホールサイズを測定し、これらの標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど寸法のばらつきが小さく、良好な性能であることを示す。
「A」:3σが5nm以下
「B」:3σが5nm超6nm以下
「C」:3σが6nm超7nm以下
「D」:3σが7nm超8nm以下
「E」:3σが8nm超
酸分解性樹脂(下記式で表される樹脂(重量平均分子量(Mw):7500):各繰り返し単位に記載される数値はモル%を意味する。):100質量部
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):3質量部
シクロヘキサノン:600質量部
γ-BL(γ-ブチロラクトン):100質量部
酸分解性樹脂(下記式で表される樹脂(重量平均分子量(Mw):8000):各繰り返し単位に記載される数値はモル%を意味する。):100質量部
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):3質量部
シクロヘキサノン:600質量部
γ-BL(γ-ブチロラクトン):100質量部
酸分解性樹脂(下記式で表される樹脂(重量平均分子量(Mw):8000):各繰り返し単位に記載される数値はモル%を意味する。):100質量部
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):50質量部
PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル):100質量部
2-ヘプタノン:100質量部
γ-BL(γ-ブチロラクトン):500質量部
酸分解性樹脂(下記式で表される樹脂(重量平均分子量(Mw):6500):各繰り返し単位に記載される数値はモル%を意味する。):80質量部
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):70質量部
HBM(メチル-2-ヒドロキシブチラート):100質量部
シクロヘキサノン:700質量部
「TMAH」:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
「EDTA」:エチレンジアミン四酢酸
「DTPA」:ジエチレントリアミン5酢酸
「DBSA」:p-ドデシルベンゼンスルホン酸
「Surfynol 440」:サーフィノール 440
「Surfynol 480」:サーフィノール 480
「アルカリ現像液」欄の濃度は、各化合物のアルカリ現像液全量に対する濃度を表す。
なお、各アルカリ現像液において、表1に記載の成分以外は、水が含有される。
また、表1に記載の「蒸気圧(kPa)」は、使用される溶剤の25℃における蒸気圧を表す。ただし、実施例23に関しては、「イソプロピルアルコール」の25℃における蒸気圧を表す。
また、表1に記載の「炭素数」は、使用される溶剤に含有される炭素数を表す。ただし、実施例23に関しては、「イソプロピルアルコール」の炭素数を表す。
また、表1に記載の「C/O比」は、使用される溶剤に含有される酸素原子の数に対する炭素原子の数の比を表す。ただし、実施例23に関しては、「イソプロピルアルコール」の上記比を表す。
また、表1に記載の「溶剤濃度(質量%)」欄は、各実施例及び比較例の薬液における、薬液全質量に対する溶剤の含有量(質量%)を表す。ただし、実施例23に関しては、「イソプロピルアルコール」の含有量を表す。
また、表1に記載の「金属成分(質量ppt)」欄は、各実施例及び比較例の薬液における、薬液全質量に対する金属成分の含有量(質量ppt)を表す。
例えば、実施例1においては、表1(その1)に示すように、メチルイソブチルカルビノールを使用し、表1(その2)に示すように、蒸留の条件は「条件1」であり、表1(その3)に示すように、薬液の溶剤濃度(質量%)は99.95質量%であり、表1(その4)に示すように、アルカリ現像液の種類は「TMAH」であり、表1(その5)に示すように、残渣の評価は「A」である。その他実施例及び比較例についても同様である。
なかでも、実施例1~4の比較より、金属成分の含有量が、薬液全質量に対して、0.10~100質量pptである場合、より効果が優れることが確認された。
また、実施例5~8の比較より、第4級アンモニウム塩の含有量が、アルカリ現像液全質量に対して、0.75~7.5質量%である場合、より効果が優れることが確認された。
また、実施例17~21の比較より、工程G(プリベーク)の加熱温度が80~120℃で、加熱時間が30~180秒間である場合、より効果が優れることが確認された。
また、実施例23と24との比較より、アルコール系溶剤の含有量が、薬液全質量に対して、85.000~99.999質量%である場合、より効果が優れることが確認された。
また、実施例34および38と、他の実施例との比較より、アルコール系溶剤に含まれる酸素原子数に対する炭素原子数の比が3.0以上である場合(アルコール系溶剤のClogP値が-0.50~3.00である場合)、より効果が優れることが確認された。
上記表1より、アルコール系溶剤が、メチルイソブチルカルビノール、3-メチル-1-ブタノール、または、2,4-ジメチル-3-ペンタノールである場合、より効果が優れることが確認された。
Claims (15)
- 酸の作用により極性が増大する樹脂及び光酸発生剤を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて、有機反射防止膜が配置されていてもよい基板上に膜を形成する工程A、
任意の工程である、前記膜を加熱する工程G、
前記膜を露光する工程B、
任意の工程である、露光後加熱工程、
アルカリ現像液を用いて露光した膜を現像する工程C、
水を用いて、前記現像された膜を洗浄する工程D、
アルコール系溶剤を含有する薬液を用いて、工程Dで洗浄された膜を洗浄する工程E、及び、
任意の工程である、前記工程Eで得られたレジストパターンを乾燥する工程F、のみを有し、
前記アルカリ現像液が、第4級アンモニウム塩を含有し、
前記アルコール系溶剤の含有量が、前記薬液全質量に対して、85.000~99.999質量%である、レジストパターン形成方法。 - 前記薬液は、異なる2種以上のフィルターにアルコール系溶剤を通過させる、多段ろ過工程を含む製造方法によって得られた薬液であって、
前記異なる2種以上のフィルターの少なくとも1つが、孔径1~200nmであり、且つ、ナイロン、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、及びパーフルオロアルコキシアルカンからなる群から選択される樹脂を含むフィルターであり、
前記異なる2種以上のフィルターの少なくとも1つが、イオン交換基を有するフィルターであり、
前記金属成分の含有量が、前記薬液全質量に対して、0.10~100質量pptである、請求項1に記載のレジストパターン形成方法。 - 酸の作用により極性が増大する樹脂及び光酸発生剤を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する工程Aと、
前記膜を露光する工程Bと、
アルカリ現像液を用いて露光した膜を現像する工程Cと、
水を用いて、前記現像された膜を洗浄する工程Dと、
アルコール系溶剤と金属成分を含有する薬液を用いて、工程Dで洗浄された膜を洗浄する工程Eと、を有し、
前記アルカリ現像液が、第4級アンモニウム塩を含有し、
前記薬液は、異なる2種以上のフィルターにアルコール系溶剤を通過させる、多段ろ過工程を含む製造方法によって得られた薬液であって、
前記異なる2種以上のフィルターの少なくとも1つが、孔径1~200nmであり、且つ、ナイロン、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、及びパーフルオロアルコキシアルカンからなる群から選択される樹脂を含むフィルターであり、
前記異なる2種以上のフィルターの少なくとも1つが、イオン交換基を有するフィルターであり、
前記金属成分の含有量が、前記薬液全質量に対して、0.10~100質量pptである、レジストパターン形成方法。 - 前記アルコール系溶剤の含有量が、前記薬液全質量に対して、85.000~99.999質量%である、請求項3に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記第4級アンモニウム塩の含有量が、前記アルカリ現像液全質量に対して、0.75~7.5質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記工程Eの後に、前記工程Eで得られたレジストパターンを乾燥する工程Fを更に有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記工程Aと前記工程Bとの間に、前記膜を加熱する工程Gを更に有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記アルカリ現像液が、界面活性剤及びキレート剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記アルコール系溶剤のClogP値が、-1.00超3.00以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記アルコール系溶剤に含まれる炭素数が3~12である、請求項1~9のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記アルコール系溶剤に含まれる酸素原子数に対する炭素原子数の比が3.0以上である、請求項1~10のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記アルコール系溶剤の25℃における蒸気圧が、0.01~10.0kPaである、請求項1~11のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記アルコール系溶剤が、メチルイソブチルカルビノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1-ヘキサノール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-オクタノール、3-メチル-1-ブタノール、2,4-ジメチル-3-ペンタノール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、3,5,5-トリメチル-1-ヘキサノール、2-メチルシクロヘキサノール、1,3-ブタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、及び、トリメチロールプロパンからなる群から選択される、請求項1~12のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記アルコール系溶剤が、メチルイソブチルカルビノール、3-メチル-1-ブタノール、または、2,4-ジメチル-3-ペンタノールである、請求項1~13のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 請求項1~14のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法を含有する、半導体チップの製造方法。
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