JP7308734B2 - 防塵樹脂サッシ及び防塵樹脂サッシ用の押出成形物の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、樹脂サッシは帯電しやすく、表面に塵埃が付着しやすいという問題を有する。
しかしながら、導電性物質をより多く分散させると、硬質ポリ塩化ビニル系樹脂を押出しにくくなり、成形金型のわずかな隙間や傷に導電性物質を含む樹脂組成物が滞留あるいは付着しやすくなる。成形金型の滞留物や付着物によって防塵樹脂サッシの外観が悪化する原因ともなり得る。このため、成形金型の頻繁な清掃が必要となり、生産性の低下を招く。
図1に示す防塵樹脂サッシ1は、基層10と、基層10の一方の面に位置する表層20とを有する押出成形物である。
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートのいずれか一方を意味する。(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸のいずれか一方を意味する。
第一の樹脂組成物において、樹脂と添加剤との合計量は、100質量%を超えない。
本明細書において、導電性樹脂粒子の体積平均粒子径は、ふるい分け法によって測定されるメジアン径(D50)である。ふるい分け法としては、例えば、ロータップ式自動ふるい器を用いた測定法、エアジェットシーブ(減圧吸引型ふるい分け機)を用いた測定法が挙げられる。ふるい分け法に用いられるふるいとしては、例えば、JIS Z8801-1:2019「試験用ふるい-第1部:金属製網ふるい」に規定されるふるいが挙げられる。
導電性樹脂粒子の体積平均粒子径は、後述する粉砕工程での粉砕条件及びふるいの目開きの大きさによって調整できる。
導電性樹脂粒子の最大粒子径は、ふるい分け法によって測定できる。
導電性樹脂粒子の最大粒子径は、後述する粉砕工程での粉砕条件及びふるいの目開きの大きさによって調整できる。
第二の樹脂組成物において、樹脂と導電性樹脂粒子と任意成分との合計量は、100質量%を超えない。
表層20の表面抵抗率は、JIS K6911:1995「熱硬化性プラスチック一般試験方法」の「5.13 抵抗率」の記載に準拠して測定できる。
粉砕工程は、導電性樹脂を含む成形物を粉砕して導電性樹脂粒子を得る工程である。導電性樹脂を含む成形物を粉砕する方法は特に限定されず、公知の粉砕機を用いて粉砕できる。公知の粉砕機としては、例えば、ハンマーミル等のハンマー式衝撃粉砕機、乾式微粉砕機、シリンダー粉砕機、ローラー粉砕機等が挙げられる。
本明細書において、「粉砕された導電性樹脂粒子」とは、粉砕工程を経て、体積平均粒子径が1000μm以下となった導電性樹脂粒子を意味する。
表層の表面抵抗率は、JIS K6911:1995「熱硬化性プラスチック一般試験方法」の「5.13 抵抗率」の記載に準拠して測定できる。
導電性樹脂粒子の体積平均粒子径は、ふるい分け法によって測定できる。
導電性樹脂粒子の最大粒子径は、ふるい分け法によって測定できる。
第一の樹脂組成物は、硬質ポリ塩化ビニル系樹脂と、必要に応じて添加剤とをヒートミキサー等を用いて混合することにより得られる(第一の混合工程)。第一の樹脂組成物は粉状でもよく、ペレット状でもよい。第一の樹脂組成物は、取扱い性に優れることから、ペレット状が好ましい。
第二の樹脂組成物は、硬質ポリ塩化ビニル系樹脂と、粉砕された導電性樹脂粒子と、必要に応じて任意成分とをヒートミキサー等を用いて混合することにより得られる(第二の混合工程)。第二の樹脂組成物は粉状でもよく、ペレット状でもよい。第二の樹脂組成物は、取扱い性に優れることから、ペレット状が好ましい。
加えて、本実施形態の防塵樹脂サッシ用の押出成形物の製造方法によれば、導電性樹脂粒子の体積平均粒子径を小さくできるため、導電性樹脂粒子の添加量を低減できる。このため、第二の樹脂組成物の粘度を低減でき、第二の樹脂組成物を押出やすくできる。その結果、押出成形物の生産性をより高められる。
さらに、本実施形態の防塵樹脂サッシ用の押出成形物の製造方法によれば、導電性樹脂粒子の体積平均粒子径を小さくできるため、導電性樹脂粒子の添加量を低減できる。このため、押出成形機の成形金型が汚れることを抑制しやすい。その結果、成形金型の頻繁な清掃が不要となり、押出成形物の生産性をより高められる。
・条件I:粉砕工程なし。
・条件II:粉砕工程あり。上記の高分子剤100gを10分間粉砕。
・条件III:粉砕工程あり。上記の高分子剤100gを10分間粉砕し、16メッシュ(Me)のふるいにて分級。
・条件VI:粉砕工程あり。上記の高分子剤100gを10分間粉砕し、30メッシュ(Me)のふるいにて分級。
硬質ポリ塩化ビニル系樹脂を主成分とする第一の樹脂組成物と、硬質ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、上記の各条件で粉砕した導電性樹脂粒子を表2に示す添加量で配合した第二の樹脂組成物とを共押出成形して、基層と表層とを有する防塵樹脂サッシを得た。基層の厚さは1.5mmであった。表層の厚さは0.2mmであった。共押出成形する際の表層の成形温度は、150℃とした。得られた各例の防塵樹脂サッシについて、JIS K6911:1995「熱硬化性プラスチック一般試験方法」の「5.13 抵抗率」の記載に準拠して表面抵抗率を測定した。測定器は、株式会社三菱ケミカルアナリテック製のハイレスタ(登録商標)UXを用いた。
《評価基準》
A:表面抵抗率1011Ω/□以下。
B:表面抵抗率1011Ω/□超1012Ω/□以下。
C:表面抵抗率1012Ω/□超。
《評価基準》
A:表層の表面に変色や汚れが見られない。
B:表層の表面に若干の変色が認められる。
C:表層の表面に変色及び汚れが認められる。
3 押出成形物
10 基層
20 表層
100 押出成形機
110 基層押出機
112,122 ホッパー
120 表層押出機
130 ダイス
140 冷却機
Claims (6)
- 硬質ポリ塩化ビニル系樹脂を含有する第一の樹脂組成物と、硬質ポリ塩化ビニル系樹脂及び粉砕された導電性樹脂粒子を含有する第二の樹脂組成物との押出成形物であり、
前記第一の樹脂組成物が基層を形成し、前記第二の樹脂組成物が前記基層の一方の面に位置する表層を形成し、
前記表層の表面抵抗率が1012Ω/□以下である、防塵樹脂サッシ。 - 硬質ポリ塩化ビニル系樹脂を含有する第一の樹脂組成物と、硬質ポリ塩化ビニル系樹脂及び導電性樹脂粒子を含有する第二の樹脂組成物との押出成形物であり、
前記導電性樹脂粒子の体積平均粒子径が1000μm以下であり、
前記第一の樹脂組成物が基層を形成し、前記第二の樹脂組成物が前記基層の一方の面に位置する表層を形成し、
前記表層の表面抵抗率が1012Ω/□以下である、防塵樹脂サッシ。 - 前記導電性樹脂粒子の最大粒子径が1000μm以下である、請求項2に記載の防塵樹脂サッシ。
- 硬質ポリ塩化ビニル系樹脂を含有する第一の樹脂組成物と、硬質ポリ塩化ビニル系樹脂及び導電性樹脂粒子を含有する第二の樹脂組成物との押出成形物であり、
前記導電性樹脂粒子の添加量が、前記第二の樹脂組成物に含まれる硬質ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、1.2質量部以上3.0質量部未満であり、
前記第一の樹脂組成物が基層を形成し、前記第二の樹脂組成物が前記基層の一方の面に位置する表層を形成し、
前記表層の表面抵抗率が1012Ω/□以下である、防塵樹脂サッシ。 - 前記導電性樹脂粒子の体積平均粒子径が1000μm以下である、請求項4に記載の防塵樹脂サッシ。
- 導電性樹脂を含む成形物を粉砕して導電性樹脂粒子を得る粉砕工程と、
硬質ポリ塩化ビニル系樹脂を含有する第一の樹脂組成物と、硬質ポリ塩化ビニル系樹脂及び前記導電性樹脂粒子を含有する第二の樹脂組成物とを押出成形し、前記第一の樹脂組成物で基層を形成し、前記第二の樹脂組成物で前記基層の一方の面に位置する表層を形成する押出成形工程とを有する、防塵樹脂サッシ用の押出成形物の製造方法。
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JP2005226031A (ja) | 2004-02-16 | 2005-08-25 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 機械加工用素材及びその製造方法 |
JP2012031568A (ja) | 2010-07-28 | 2012-02-16 | Lixil Corp | 防塵樹脂サッシ及びこれに用いる押出樹脂材の成形方法 |
JP2012122213A (ja) | 2010-12-07 | 2012-06-28 | Lixil Corp | 防塵樹脂サッシ及びその成形方法 |
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