JP7307907B2 - cBN膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本明細書の技術分野は、基材に形成したcBN膜の製造方法に関する。
立方晶窒化ホウ素(cBN)は、高硬度、低摩擦性、耐摩擦性、高耐熱性を有する。そのため、cBNの技術は種々の機械への応用が期待されている。例えば、ドリルやエンドミル等の工具の表面にcBNを成膜するとよい。また、ピストンリングやボア等の相手部材と摺動する摺動部品の表面にcBNを成膜することが考えられる。
これまで、cBNを成膜するために、プラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、HCD法等が検討されてきた。これらの従来技術においては、反応に寄与する粒子の粒子密度(例えば、プラズマ密度)がそれほど高くなかった。そのため、成膜反応性が低かったり、成膜速度が遅いという課題があった(特許文献1の段落[0003]参照)。したがって、特許文献1には、電子ビーム励起プラズマによって、低温かつ高プラズマ密度の環境下でcBNを成膜する技術が開示されている。
特開2014-227593号公報 特開2018-066041号公報
しかし、高効率にcBN膜を成膜できたとしても、cBN膜の内部には大きな内部応力が残留している。cBN膜の成膜に、イオンボンバードを用いているためである。その結果、cBN膜と基材との密着性が十分ではない。そのため、基材とcBN膜との間の密着性の高いcBN膜を高効率に成膜することが好ましい。
そこで本発明者らは、特許文献2に記載の技術を研究開発した。特許文献2では、BNの混合層を形成し、密着力を高めている(特許文献2の段落[0008])。特許文献2におけるcBN膜のcBN比率は、0.7から0.8の程度である。ここでcBN比率はcBN/(cBN+hBN)である。より高い硬度を備えるcBN膜を成膜するためには、cBN比率をより高くする必要があると考えられる。
また、工具または摺動部品の表面に成膜されるcBN膜の膜厚は厚いほうが好ましい。特許文献2に記載の技術を用いてcBN膜の成膜時間を長くすると、成膜時間に応じた膜厚のcBN膜が得られる。しかし、cBN膜の膜厚を厚くすると、cBN膜の硬度が低下するという新たな課題が生じた。
本明細書の技術が解決しようとする課題は、基材とcBN膜との間の十分な密着性と高い硬度と厚い膜厚とを備えるcBN膜の製造方法を提供することである。
第1の態様におけるcBN膜の製造方法は、基材の上にホウ素層を形成するホウ素層形成工程と、ホウ素層の上にホウ素原子と窒素原子とを含有する混合層を形成する混合層形成工程と、混合層の上にcBN膜を形成するcBN膜形成工程と、を有する。ホウ素層形成工程および混合層形成工程およびcBN膜形成工程では、それぞれ、前記ホウ素層、前記混合層、および前記cBN膜の原料となるガスを励起させて、プラズマを発生させた状態で成膜を行う。混合層形成工程では、ホウ素原子を含むガスと窒素ガスと希ガスとを基材に供給する。そして、窒素ガスの流量と希ガスの流量との合計の流量を一定としつつ窒素ガスの流量を増加させ、基材から遠ざかるほど窒素原子の割合の多い混合層を形成する。cBN膜形成工程は、基材の温度を上昇させながらcBN膜を成膜する温度上昇期間を有する。
このcBN膜の製造方法は、基材の温度を上昇させながらcBN膜を成膜する温度上昇期間を有する。そのため、高い硬度を備えるcBN膜を成膜することができる。また、基材とcBN膜との間の密着性は十分に高い。また、cBN膜を効率よく製造することができる。そして、基材の形状によらず、cBN膜を成膜することができる。さらに、膜厚の厚いcBN膜を成膜することができる。
本明細書では、基材とcBN膜との間の十分な密着性と高い硬度と厚い膜厚とを備えるcBN膜の製造方法が提供されている。
第1のcBN形成体の概略構成を示す図である。 第2のcBN形成体の概略構成を示す図である。 第1の実施形態におけるcBN膜の製造方法に用いられるプラズマ処理装置の概略構成を示す図である。 cBN膜形成工程における基板の温度を例示する温度プロファイルである。 cBN膜を成膜する際の基板の温度を示す温度プロファイルである。 温度プロファイルとcBN膜の物性値との関係を示す表である。 cBN膜の成膜温度(第2の温度)とcBN膜の硬度との関係を示すグラフである。 cBN膜の成膜温度(第2の温度)とcBN膜の密着力との関係を示すグラフである。 cBN膜の成膜温度(第2の温度)とcBN膜のcBN比率との関係を示すグラフである。
以下、具体的な実施形態について、cBN膜の製造方法を例に挙げて図を参照しつつ説明する。本明細書において、cBN形成体は、cBNを表面に形成されたドリルおよびエンドミル等の工具と、cBNを表面に形成されたシリンダー等の摺動部品と、を含む。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について説明する。
1.cBN形成体
1-1.第1のcBN形成体
図1は、第1のcBN形成体100の概略構成を示す図である。cBN形成体100は、基板110と、下地層120と、ホウ素層130と、混合層140と、cBN膜150と、を有する。
基板110は、上層を支持するための基材である。基板110の材質は、例えば、鉄鋼、超硬合金等の金属もしくは合金である。
下地層120は、基板110に含有される原子がホウ素層130より上層に拡散することを防止するための層である。下地層120は、例えば、TiN層である。下地層120の膜厚は、例えば、500nm以上5000nm以下である。
ホウ素層130は、ホウ素から成る層である。ホウ素層の膜厚は、例えば、200nm以上500nm以下である。
混合層140は、ホウ素原子(B)と窒素原子(N)とが混合した状態で積層されたBN混合層である。つまり、混合層140は、ホウ素原子と窒素原子とを含有する。混合層140においては、基板110から遠ざかるほど窒素原子(N)の割合が多い。混合層における窒素原子の増加の割合は、1nmあたり0.3at%以上0.6at%以下の範囲内であるとよい。混合層140の膜厚は、例えば、20nm以上200nm以下である。
cBN膜150は、立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜である。cBN膜150は、実際には、混合層140から遠ざかるほどcBNの成分が多い膜である。cBN膜150における混合層140の付近においては、hBNの成分がある程度混じっている。cBN膜150の膜厚は、例えば、100nm以上1000nm以下である。もちろん、これ以外の膜厚であってもよい。
1-2.第2のcBN形成体
図2は、第2のcBN形成体200の概略構成を示す図である。cBN形成体200は、基板210と、ホウ素層130と、混合層140と、cBN膜150と、を有する。基板210はSi基板である。基板210は、もちろん金属を含有していない。そのため、cBN形成体200は、金属原子の拡散を防止する下地層120を形成しなくてもよい。
2.cBN形成体の製造装置
図3は、本実施形態のcBN膜の製造方法に用いられるプラズマ処理装置1000の概略構成を示す図である。プラズマ処理装置1000は、電子ビーム励起プラズマ発生装置である。プラズマ処理装置1000は、電子ビームを用いて原子および分子を励起させてプラズマを発生させるとともに、電子ビームの電圧値および電流値を調整することによりプラズマを制御する。そして、プラズマ処理装置1000は、基板110等の上にcBN膜150等を成膜する。
プラズマ処理装置1000は、放電部1100と、加速部1200と、プラズマ処理部1300と、を有する。放電部1100と、加速部1200と、プラズマ処理部1300とは、プラズマ処理装置1000の内部に配置されている。
放電部1100は、放電により1次プラズマを発生させるためのものである。この1次プラズマは、成膜に直接用いられることはない。放電部1100は、第1室1101と、第2室1102と、を有する。第1室1101は、プラズマ処理部1300から最も遠い位置に配置されている。第2室1102は、第1室1101と加速部1200との間の位置に配置されている。
第1室1101は、LaB6 カソード1110と、タングステンフィラメント1120と、希ガス供給口1130と、を有している。LaB6 カソード1110は、電子を放出させるための電子源である。タングステンフィラメント1120は、LaB6 カソード1110を加熱するためのものである。希ガス供給口1130は、Ar等の希ガスを第1室1101に導入するためのものである。
また、放電部1100は、直流電源1140と、定電流電源1150と、を有する。直流電源1140は、タングステンフィラメント1120に電圧を印加するためのものである。このタングステンフィラメント1120への電圧の印加により、タングステンフィラメント1120は発熱する。そして、その熱がLaB6 カソード1110に伝達され、LaB6 カソード1110は熱電子を放出する。定電流電源1150は、後述する第1電極E1および第2電極E2に電位を付与するためのものである。定電流電源1150による電位の付与の結果、LaB6 カソード1110と第1電極E1との間に電圧が印加される。これにより、LaB6 カソード1110と第1電極E1との間で放電が生じ、1次プラズマが発生する。また、定電流電源1150と第1の電極E1との間には抵抗1151があるため、第1電極E1と第2電極E2との間に電圧が印加される。そのため、LaB6 カソード1110と第2電極E2との間で放電が生じる。すなわち、第1室1101で生じたプラズマは、速やかに第2室1102にも移行する。
加速部1200は、後述する第2電極E2と第3電極E3との間に電圧を印加することにより、1次プラズマから電子を引き出すとともに電子を加速するためのものである。加速部1200は、第3室1201と、排気口1210と、コイル1220と、定電圧電源1230と、を有する。第3室1201は、電子を加速する部屋である。排気口1210は、第3室1201からガスを排気するためのものである。そして、プラズマ処理部1300の原料ガスが、放電部1100へ逆流しないようにするためのものである。コイル1220は、電子ビームを収束させるためのものである。定電圧電源1230は、電子を加速する加速電圧を調整するためのものである。定電圧電源1230は、プラズマ処理部1300で発生させるプラズマのガスと反応しやすいエネルギーまで電子を加速する。プラズマのガスと反応しやすいエネルギーとは、プラズマのガスに対して、衝突断面積が最大となる電子のエネルギーおよびそのエネルギーに近いエネルギーである。そのため、プラズマ処理部1300の内部のガスの種類に応じて、定電圧電源1230は電圧を調整する。
プラズマ処理装置1000は、第1電極E1と、第2電極E2と、第3電極E3と、を有する。第1電極E1と、第2電極E2と、第3電極E3とは、その中心付近に貫通孔を有している。そのため、電子等の粒子は、これらの貫通孔を通過することができる。第1電極E1および第2電極E2は、第1室1101および第2室1102の内部に1次プラズマを発生させるためのものである。第2電極E2および第3電極E3は、第3室1201において電子を加速するためのものである。第1電極E1は、第1室1101と第2室1102とを区画している。第2電極E2は、第2室1102と第3室1201とを区画している。第3電極E3は、第3室1201とプラズマ処理部1300との間に位置している。
プラズマ処理部1300は、基板110等の上に各層を成膜するためのものである。プラズマ処理部1300は、反応室1301と、載置台1310と、加熱器1320と、チャンバーコイル1330と、原料ガス供給口1340と、排気口1350と、電圧印加部1360と、を有する。
反応室1301は、内部でプラズマを発生させるとともに基板110等に各層を成膜するためのものである。載置台1310は、基板110等を載置するためのサセプターである。加熱器1320は、載置台1310を加熱するためのものである。これにより、基板110は加熱される。チャンバーコイル1330は、反応室1301の内部で好適なプラズマを維持するためのものである。原料ガス供給口1340は、反応室1301の内部に原料ガスを供給するためのものである。排気口1350は、反応室1301からガスを排気するためのものである。高周波電源1360は、載置台1310にバイアスを印加するためのものである。これにより、基板110等に電位が付与されることとなる。高周波電源1360は、例えば、13.56MHzのサイン波を載置台1310に印加することができる。この高周波バイアスにより、プラズマ中のイオンは、基材に向かって突入する。
また、加速部1200で加速された電子は、反応室1301のプラズマにある程度吸収されるものの、基板110に到達する。つまり、電子ビームの一部は、基板110に照射されることとなる。
3.cBN膜の製造方法(cBN形成体の製造方法)
ここで、cBN膜の製造方法について説明する。本実施形態のcBN膜の製造方法は、下地層形成工程と、ホウ素層形成工程と、混合層形成工程と、cBN膜形成工程と、を有する。ホウ素層形成工程および混合層形成工程およびcBN膜形成工程では、プラズマ処理装置1000の内部でプラズマを発生させた状態で成膜を実施する。cBN膜形成工程では、基板の中心の直上20mmの位置におけるプラズマの電子密度を2×1011cm-3以上とする。本実施形態では、この基板の中心の真上20mmの位置はプラズマの中心である。また、その電子密度は3×1011cm-3以下であるとよい。また、ホウ素層形成工程および混合層形成工程およびcBN膜形成工程では、0.01Pa以上1Pa以下の内圧下でプラズマを発生させる。
3-1.基材準備工程
まず、基材を準備する。基材は基板110または基板210である。もしくはこれら以外の材料であってもよい。ここでは、基材として基板110を用いる場合について説明する。
3-2.下地層形成工程
次に、基板110の上に下地層120を形成する。ここでは下地層120としてTiN層を形成する。そのために、例えば、反応性スパッタリング法を用いるとよい。もちろん、その他の方法を用いてもよい。この段階では、基板110は、プラズマ処理装置1000の外部にある。
3-3.ホウ素層形成工程
次に、下地層120を形成済みの基板110をプラズマ処理装置1000の載置台1310の上に配置する。プラズマ処理装置1000の内圧は0.01Pa以上1Pa以下の範囲内である。このときの基板110の温度は250℃以上400℃以下である。基板110はプラズマにより加熱されているためである。そして、N2 を供給せずにB2 6 を供給する。これにより、基板110の上の下地層120の上にホウ素層130を形成する。そして、ホウ素層130の膜厚を、200nm以上500nm以下とする。
3-4.混合層形成工程(BN混合層形成工程)
次に、ホウ素層130の上にホウ素原子と窒素原子とを含有する混合層140を形成する。このとき、B2 6 とN2 とArとを基板に向けて供給する。窒素ガスの流量とArの流量との合計の流量を一定としつつ窒素ガスの流量を増加させる。これにより、好適な混合層140を成膜することができる。このようにして、基板110から遠ざかるほど窒素原子の割合が多い混合層140を形成する。ホウ素原子を含むガス(B2 6 )の流量を一定としつつ窒素ガスの流量を増加させるとよい。混合層140を好適に成膜することができるからである。なお、N2 の供給量は、供給開始時から時間の経過とともにステップ状に増やしていく。基板110の温度は300℃以上450℃以下である。
3-5.cBN膜形成工程
次に、混合層140の上にcBN膜150を形成する。cBN膜形成工程は、基板110の温度を上昇させながらcBN膜を成膜する温度上昇期間を有する。温度上昇期間の経過後の基板110の温度は、500℃以上900℃以下である。
図4は、cBN膜形成工程における基板110の温度を例示する温度プロファイルである。cBN膜形成工程は、第1の期間T1と第2の期間T2と第3の期間T3とを有する。第2の期間T2は、第1の期間T1の直後の期間である。第3の期間T3は、第2の期間T2の直後の期間である。
第1の期間T1では、基板110の温度を第1の温度で保持しつつcBN膜を成膜する。第2の期間T2では、基板110を第1の温度から第2の温度に単調に上昇させながらcBN膜を成膜する。ここで、第2の温度は第1の温度よりも高い。第3の期間T3では、基板110の温度を第2の温度で保持しつつcBN膜を成膜する。なお、基板110の温度を保持する場合であっても、実際には基板110の温度はある程度揺らいでしまう。
第1の温度は350℃以上500℃以下である。第2の温度は500℃以上900℃以下である。図4において、第1の温度は450℃であり、第2の温度は700℃である。図4は、温度プロファイルの例示であり、第1の温度および第2の温度等は図4と異なっていてもよい。
4.第1の実施形態の効果
本実施形態では、ホウ素層130および混合層140を好適なプラズマ密度で成膜する。また、混合層140におけるホウ素原子と窒素原子との割合を成膜するにつれて徐々に変化させている。そのため、基材からcBN膜150にかけて残留応力が緩和されている。そして、cBN膜150が基材に十分強固に密着しているcBN形成体100が製造される。
このcBN膜の製造方法は、基材の温度を上昇させながらcBN膜を成膜する温度上昇期間を有する。そのため、高い硬度を備えるcBN膜を成膜することができる。また、基材とcBN膜との間の密着性は十分に高い。また、cBN膜を効率よく製造することができる。そして、基材の形状によらず、cBN膜を成膜することができる。さらに、膜厚の厚いcBN膜を成膜することができる。
5.変形例
5-1.チタン
ホウ素層130は、2at%以上6at%以下のチタンを含有してもよい。そのため、ホウ素層形成工程では、2at%以上6at%以下のチタンを含有するホウ素層を形成する。混合層140は、2at%以上6at%以下のチタンを含有してもよい。そのため、混合層形成工程では、2at%以上6at%以下のチタンを含有する混合層を形成する。
5-2.混合層
混合層140では、窒素原子の組成が、基板110から1nm遠ざかるごとに0.3at%以上0.6at%以下の割合で増加している。そのため、混合層形成工程では、1nmあたり0.3at%以上0.6at%以下の割合で窒素原子の組成を上昇させて混合層を形成する。
5-3.基材
本実施形態の基材は、基板110もしくは基板210である。基材の形状は平面形状でなくともよい。基材は、もちろん、工具や摺動部材そのものであってもよい。つまり、本実施形態の技術を用いることにより、ドリルやエンドミル等の工具の表面にcBN膜を成膜することができる。また、ピストンリングやボア等の摺動部材の表面にcBN膜を成膜することができる。つまり、cBN形成体100、200は、工具および摺動部品を含む。
5-4.下地層形成工程
本実施形態の製造方法は、基板110の上にcBN膜150を成膜する方法である。しかし、基板210の上にcBN膜150を成膜してもよい。基板210はSi基板であるため、金属原子の拡散を防止する下地層120を成膜する必要はない。つまりこの場合、下地層形成工程については実施しなくてよい。
5-5.希ガス
プラズマ処理装置1000の内部に供給するガスは、Arの他にその他の希ガスを用いることができる。
5-6.組み合わせ
上記の変形例を自由に組み合わせてもよい。
(実験)
1.基材の種類
基材として、超硬合金(H10(JIS))の基板を用いた。
2.プラズマ処理装置における製造条件
プラズマ処理装置1000における条件は次のようであった。定電流電源1150における放電電流は15Aから20Aの間であった。加速部1200における加速電圧は85Vから105Vの間であった。その周波数は50kHzであった。デューティー比は60%から80%の間であった。混合層形成時における反応室1301の内圧は0.09Paであった。cBN膜形成時における反応室1301の内圧は0.13Paであった。チャンバーコイル1330に15Aから60Aまでの範囲の電流を流した。反応室1301の内部で発生するプラズマの電子温度は、基板の中心の直上20mmの位置で5.0eV以上6.1eV以下であった。そのプラズマの電子密度は、基板の中心の直上20mmの位置で2×1011cm-3以上3×1011cm-3以下であった。ここで、プラズマの電子密度は、加速部1200で加速された電子からの寄与を含んでいない。加速部1200で加速された電子は、プラズマ内の電子に比べて十分に運動量が高いため、プラズマ内の電子と明確に区別できるからである。
3.実験1(温度プロファイル)
3-1.サンプルの製作
まず、ホローカソード型イオンプレーティング法により超硬合金(H10:使用分類記号)の上にTiN層を成膜した。この後、TiN層を成膜済みの超硬合金をプラズマ処理装置1000の載置台1310の上に載置した。
次に、超硬合金にArプラズマ処理を実施した。超硬合金に与えたバイアス電圧は-102Vであった。その際の高周波電力は20Wであった。これにより、超硬合金のTiN層の表面は洗浄される。
次に、TiN層の上にホウ素層を成膜した。B2 6 をH2 で10%に希釈した混合ガスを30sccmの流量で超硬合金に供給した。放電を安定させるためのArの流量は20sccmであった。チャンバーコイル1330に流した電流は15Aであった。超硬合金に与えたバイアス電圧は-109Vであった。その高周波電力は20Wであった。超硬合金の温度は371℃であった。処理時間は10分であった。
次に、ホウ素層の上に混合層を成膜した。前述のB2 6 を含む混合ガスの流量を30sccmとしつつ、N2 の流量を1分あたり1sccmずつ上昇させた。一方、Arの流量を20sccmから1分あたり1sccmずつ減少させた。つまり、窒素ガスの流量とArガスの流量との合計の流量を一定としつつ窒素ガスの流量を増加させた。また、ホウ素原子を含むガスの流量を一定としつつ窒素ガスの流量を増加させた。なお、上記のガスの流量については時間の経過に対してステップ状に変化させている。チャンバーコイル1330の電流値は15Aであった。超硬合金のバイアス電圧は-144Vから-142Vの間であった。その高周波電力は40Wであった。超硬合金の温度は403℃であった。処理時間は5分であった。
そして、混合層の上にcBN膜を成膜した。前述のB2 6 を含む混合ガスの流量は30sccmであった。N2 の流量は60sccmであった。チャンバーコイル1330の電流値は50Aであった。超硬合金のバイアス電圧は-112Vであった。その高周波電力は40Wであった。処理時間は30分であった。基板温度については、次のように種々の温度プロファイルを用いた。なお、基板の加熱には加熱器1320を使用した。
3-2.温度プロファイル
図5は、cBN膜を成膜する際の基板の温度を示す温度プロファイルである。図5に示すように、温度プロファイルPr1からPr6までの6通りを実施した。図5の温度プロファイルPr5が、図4の温度プロファイルに相当する。図5では、第1の温度が450℃であり、第2の温度が700℃である。なお、基板等の温度を測定するために放射温度計(チノー社製 IR-CAP3CN)を用いた。そのため、cBN膜等の温度は実際の測定値である。
温度プロファイルPr1は、加熱器1320により基板を加熱しないプロファイルである。温度プロファイルPr2は、加熱器1320を使用して基板を700℃で保持するプロファイルである。温度プロファイルPr3は、加熱器1320を使用して基板の温度を単調増加させるプロファイルである。温度プロファイルPr4は、加熱器1320を使用して基板の温度を単調増加させた後に基板の温度を700℃で保持するプロファイルである。温度プロファイルPr5は、基板を加熱器1320で加熱せずに成膜を開始し、その後に加熱器1320を使用して基板温度を単調増加させ、その後に基板の温度を700℃で保持する。温度プロファイルPr6は、温度プロファイルPr4よりも加熱速度を上げたプロファイルである。
3-3.測定結果
図6は、温度プロファイルとcBN膜の物性値との関係を示す表である。硬度の測定にはナノインデンター(エリオニクス社製 ENT-1100a)を用いた。cBNの剥離強度(密着力)は、スクラッチ試験機(CSM Instruments社製 Revetest)により測定した。
図6に示すように、温度プロファイルPr1で製造したcBN膜の硬度は28GPaと低かった。温度プロファイルPr2で製造したcBN膜は剥離した。温度プロファイルPr3からPr6までで製造したcBN膜の硬度は50GPa程度と高かった。
温度プロファイルPr1、Pr3からPr6までで製造したcBN膜の密着力はいずれも50N以上であった。
また、温度プロファイルPr1、Pr3からPr6までで製造したcBN膜の膜厚はいずれも500nmであった。
図6の全ての温度プロファイルのうち温度プロファイルPr5で製造したcBN膜が、最大の硬度と最大の密着力とを備えている。したがって、温度プロファイルPr1からPr6までのうちで、温度プロファイルPr5が、最も好ましい。
4.実験2(成膜温度)
4-1.サンプルの製作
cBN膜の成膜温度(第2の温度)を変えることを除いて、実験1と同様にサンプルを製作した。実験1の温度プロファイルPr5を採用し、成膜温度(第2の温度)を500℃から900℃までの範囲で変えて実験を行った。
4-2.cBN膜の硬度
図7は、cBN膜の成膜温度とcBN膜の硬度との関係を示すグラフである。図7の横軸はcBN膜の成膜温度(第2の温度)である。図7の縦軸はcBN膜の硬度である。
図7に示すように、cBN膜の成膜温度(第2の温度)が高いほど、cBN膜の硬度は高い傾向にある。cBN膜の成膜温度(第2の温度)が700℃以上の場合に、cBN膜の硬度は、ほとんどのサンプルの硬度が50GPaを越える。したがって、cBN膜の硬度の観点から、cBN膜の成膜温度(第2の温度)は700℃以上900℃以下であると好ましい。
4-3.cBN膜の密着力
図8は、cBN膜の成膜温度とcBN膜の密着力との関係を示すグラフである。図8の横軸はcBN膜の成膜温度(第2の温度)である。図8の縦軸はcBN膜の密着力である。
図8に示すように、cBN膜の密着力は、cBN膜の成膜温度(第2の温度)によらずほぼ一定である。cBN膜の密着力は、成膜温度(第2の温度)によらず65N以上という高い値を維持している。
4-4.cBN膜のcBN比率
cBN比率はcBN/(cBN+hBN)である。cBN比率についてはFTIRにより測定した。
図9は、cBN膜の成膜温度とcBN膜のcBN比率との関係を示すグラフである。図9の横軸はcBN膜の成膜温度(第2の温度)である。図9の縦軸はcBN膜のcBN比率である。
図9に示すように、cBN膜の成膜温度(第2の温度)が高いほど、cBN比率は高い傾向にある。特に、cBN膜の成膜温度(第2の温度)が600℃以上900℃以下の場合には、cBN比率は、0.85以上1以下である。cBN膜の成膜温度(第2の温度)が800℃以上900℃以下の場合には、cBN比率はおよそ0.9以上1以下である。したがって、cBN比率の観点から、cBN膜の成膜温度(第2の温度)は600℃以上900℃以下であると好ましい。より好ましくは、700℃以上900℃以下である。さらに好ましくは、800℃以上900℃以下である。
5.実験のまとめ
図6に示すように、温度プロファイルPr3からPr6のように温度上昇期間を設定すると、cBN膜の硬度は高くなる。
また、図7および図9に示すように、cBN膜の成膜温度(第2の温度)を高くするほど、cBN膜の硬度およびcBN比率は高くなる。このようにcBN膜の硬度は、cBN比率と高い相関関係を有する。
一方、図8に示すように、cBN膜の密着力は、cBN膜の成膜温度(第2の温度)によらずほぼ一定である。cBN膜の密着力は、成膜温度(第2の温度)によらず65N以上という高い値を維持している。
(付記)
第1の態様におけるcBN膜の製造方法は、基材の上にホウ素層を形成するホウ素層形成工程と、ホウ素層の上にホウ素原子と窒素原子とを含有する混合層を形成する混合層形成工程と、混合層の上にcBN膜を形成するcBN膜形成工程と、を有する。ホウ素層形成工程および混合層形成工程およびcBN膜形成工程では、プラズマを発生させた状態で成膜を行う。混合層形成工程では、ホウ素原子を含むガスと窒素ガスと希ガスとを基材に供給する。そして、窒素ガスの流量と希ガスの流量との合計の流量を一定としつつ窒素ガスの流量を増加させ、基材から遠ざかるほど窒素原子の割合の多い混合層を形成する。cBN膜形成工程は、基材の温度を上昇させながらcBN膜を成膜する温度上昇期間を有する。
第2の態様におけるcBN膜の製造方法においては、温度上昇期間の経過後の基材の温度は、500℃以上900℃以下である。
第3の態様におけるcBN膜の製造方法においては、cBN膜形成工程は、第1の期間と、第1の期間の後の第2の期間と、第2の期間の後の第3の期間と、を有する。第1の期間では、基材の温度を第1の温度としてcBN膜を成膜する。第2の期間では、基材の温度を第1の温度から第1の温度より高い第2の温度に上昇させながらcBN膜を成膜する。第3の期間では、基材の温度を第2の温度としてcBN膜を成膜する。
100…第1のcBN形成体
110、210…基板
120…下地層
130…ホウ素層
140…混合層
150…cBN膜
200…第2のcBN形成体

Claims (3)

  1. 基材の上にホウ素層を形成するホウ素層形成工程と、
    前記ホウ素層の上にホウ素原子と窒素原子とを含有する混合層を形成する混合層形成工程
    と、
    前記混合層の上にcBN膜を形成するcBN膜形成工程と、
    を有し、
    前記ホウ素層形成工程および前記混合層形成工程および前記cBN膜形成工程では、
    それぞれ、前記ホウ素層、前記混合層、および前記cBN膜の原料となるガスを励起させて、 プラズマを発生させた状態で成膜を行い、
    前記混合層形成工程では、
    ホウ素原子を含むガスと窒素ガスと希ガスとを前記基材に供給し、
    窒素ガスの流量と希ガスの流量との合計の流量を一定としつつ窒素ガスの流量を増加
    させ、
    前記基材から遠ざかるほど窒素原子の割合の多い前記混合層を形成し、
    前記cBN膜形成工程は、
    前記基材の温度を上昇させながら前記cBN膜を成膜する温度上昇期間を有すること
    を含むcBN膜の製造方法。
  2. 請求項1に記載のcBN膜の製造方法において、
    前記温度上昇期間の経過後の前記基材の温度は、
    500℃以上900℃以下であること
    を含むcBN膜の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のcBN膜の製造方法において、
    前記cBN膜形成工程は、
    第1の期間と、前記第1の期間の後の第2の期間と、前記第2の期間の後の第3の期間と、を有し、
    前記第1の期間では、
    前記基材の温度を第1の温度として前記cBN膜を成膜し、
    前記第2の期間では、
    前記基材の温度を前記第1の温度から前記第1の温度より高い第2の温度に上昇させながら前記cBN膜を成膜し、
    前記第3の期間では、
    前記基材の温度を第2の温度として前記cBN膜を成膜すること
    を含むcBN膜の製造方法。
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