JP7306921B2 - 圧力検出装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧力検出装置の製造方法に関する。
内燃機関等の燃焼室内の圧力を検出する圧力検出装置として、圧電性を有する圧電素子を使用したものが提案されている。
特許文献1には、筒状のハウジングと、ハウジングの先端側に設けられるダイアフラムと、ハウジング内の軸方向であってダイアフラムの後端側に配置され、ダイアフラムを介して作用する圧力を検知する圧電素子と、ハウジング内の軸方向であってダイアフラムと圧電素子との間にて圧電素子に当接して設けられ、ダイアフラムを介して作用する圧力を圧電素子に伝達する圧力伝達部と、圧力伝達部をハウジングの軸方向に向けて加圧するようにハウジングに固定されることで圧電素子に荷重を作用させる加圧部材と、を備えた圧力検出装置が記載されている。
また、特許文献2には、燃焼圧センサの外周面を構成する外筒部及び内周面を構成する内筒部からなるハウジングユニットと、ハウジングユニットの燃焼室側の前方に設けられ、前面が受圧面となる受圧リングブロック部と、ハウジングユニット内に配置され受圧リングブロック部からの圧力を検出する複数の圧電素子と、ハウジングユニットの後方に設けられ、圧電素子を支持する支持リングブロック部と、圧電素子に対して予荷重を加える予荷重手段とを備えた燃焼圧センサの製造方法において、支持リングブロック部を圧力軸方向にスライドさせることにより圧電素子に加える予荷重を調整する予荷重調整工程と、予荷重の調整後にハウジングユニットに対して支持リングブロック部を固定する固定工程とを有し、予荷重調整工程は、受圧リングブロック部の受圧部にセッチング処理を行うセッチング処理工程を有していることが記載されている。
特開2013-205307号公報 特開2014-163919号公報
しかしながら、受圧部材に対しセッチングを施すという手法、換言すれば、受圧部材を塑性変形させるために必要な力を加えるという手法を採用したのみでは、圧力の感度バラツキを抑制できないことがあった。
本発明は、圧電素子を含む圧力検出装置の製造において、圧力の感度バラツキを抑制することを目的とする。
本発明の圧力検出装置の製造方法は、一端側から他端側に向かう軸方向に沿って延びる加圧部材に対し、当該加圧部材を伸長させる力を加えることで、当該加圧部材をセッチングするセッチング工程と、外部から受けた圧力に応じた電気信号を出力する圧電素子を、前記加圧部材を用いて前記一端側と前記他端側とから挟み込むことで、当該圧電素子に予荷重を付与する付与工程とを含んでいる。
このような圧力検出装置の製造方法において、前記加圧部材は、前記軸方向に沿って貫通孔が設けられることで筒状を呈しており、前記付与工程では、前記圧電素子を、前記加圧部材における前記貫通孔の内部に収容した状態で、当該加圧部材を用いて前記一端側と前記他端側とから挟み込むことを特徴とすることができる。
また、前記付与工程では、前記圧電素子の前記一端側を、前記加圧部材の内周面に突き当てるとともに、当該圧電素子の前記他端側を突当部材に突き当てるようにし、前記付与工程の後に、前記圧電素子に予荷重を付与した状態で前記加圧部材および前記突当部材を固定する固定工程とをさらに含むことを特徴とすることができる。
また、前記セッチング工程では、前記加圧部材とともに、当該加圧部材の前記一端側に配置され、前記圧電素子に伝達する圧力を外部から受ける受圧部材をセッチングすることを特徴とすることができる。
また、前記圧電素子は、無機単結晶からなる圧電体を有することを特徴とすることができる。
また、前記圧電体は、ランガサイト系単結晶であることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明の圧力検出装置の製造方法は、一端側から他端側に向かう軸方向に沿って延びる加圧部材を配置するとともに、当該加圧部材の当該一端側に、外部から圧力を受ける受圧部材を配置する配置工程と、前記加圧部材および前記受圧部材を、前記他端側から前記一端側に向かって押すことで、当該加圧部材および当該受圧部材の両者をセッチングするダブルセッチング工程と、外部から受けた圧力に応じた電気信号を出力する圧電素子を、前記加圧部材を用いて前記一端側と前記他端側とから挟み込むことで、当該圧電素子に予荷重を付与するとともに、前記受圧部材と当該圧電素子とを、直接または他の部材を介して間接的に接触させることで、当該圧電素子を位置決めする位置決め工程とを含んでいる。
このような圧力検出装置の製造方法において、前記ダブルセッチング工程では、先に前記加圧部材をセッチングし、当該加圧部材に続いて前記受圧部材をセッチングすることを特徴とすることができる。
また、前記加圧部材および前記受圧部材が、同じ材料で構成されていることを特徴とすることができる。
本発明によれば、圧電素子を含む圧力検出装置の製造において、圧力の感度バラツキを抑制することができる。
実施の形態に係る圧力検出システムの概略構成図である。 圧力検出装置の側面図である。 圧力検出装置の断面図(図2のIII-III断面図)である。 圧力検出装置の先端側(図3のIV領域)の拡大断面図である。 圧力検出装置を構成する第1内部筐体、第2内部筐体、加圧部材、第1絶縁部材および第2絶縁部材の分解断面図である。 (a)は圧力検出装置に設けられた第1収容部材の斜視図であり、(b)は圧力検出装置に設けられた第2収容部材の斜視図である。 圧力検出装置に設けられた回路内蔵部材の斜視図である。 回路内蔵部材に設けられた回路基板の概略構成図である。 (a)は圧力検出装置に設けられた圧電モジュールの上面図であり、(b)は(a)のIXB-IXB断面図である。 圧力検出装置の製造手順を説明するための図である。 セッチング装置の概略構成を示す図である。 (a)、(b)は、セッチング装置に設けられるピストンの構造を説明するための図である。 第2構造体の製造手順を示すフローチャートである、 ステップ10の「仮組立工程」で用いられる第1構造体の構成を示す断面図である。 ステップ10の「仮組立工程」を説明するための断面図である。 ステップ20の「設置工程」を説明するための図である。 ステップ30の「挿入工程」を説明するための図である。 ステップ40の「加圧工程」を説明するための図である。 ステップ50の「引抜工程」を説明するための図である。 ステップ60の「取外工程」およびステップ70の「溶接工程」を経て得られた、第2構造体の構成を示す断面図である。 第4構造体の構成を示す断面図である。 (a)は、加圧部材を単体でセッチングしたときの、加圧部材の変位量とかかる荷重との関係を示すグラフ図であり、(b)は、ダイアフラムヘッド32を単体でセッチングしたときの、ダイアフラムヘッドの変位量とかかる荷重との関係を示すグラフ図である。 加圧部材およびダイアフラムヘッドの両者をまとめてセッチングしたときの、ダイアフラムヘッドの変位量とかかる荷重との関係を示すグラフ図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[圧力検出システムの構成]
図1は、実施の形態に係る圧力検出システム1の概略構成図である。
この圧力検出システム1は、内燃機関10における燃焼室C内の圧力(燃焼圧)を検出する圧力検出装置20と、圧力検出装置20に対する給電を行うとともに圧力検出装置20が検出した圧力に基づいて内燃機関10の動作を制御する制御装置100と、圧力検出装置20と制御装置100とを電気的に接続する接続ケーブル80とを備えている。
ここで、圧力の検出対象となる内燃機関10は、内部にシリンダが形成されたシリンダブロック11と、シリンダ内を往復運動するピストン12と、シリンダブロック11に締結されてピストン12等とともに燃焼室Cを構成するシリンダヘッド13とを有している。また、シリンダヘッド13には、燃焼室Cと外部とを連通する連通孔13aが設けられている。そして、この連通孔13aに圧力検出装置20の先端側を挿入するとともに、圧力検出装置20をシリンダヘッド13に固定することで、内燃機関10に対して圧力検出装置20を取り付けている。ここで、内燃機関10を構成するシリンダブロック11、ピストン12およびシリンダヘッド13は、鋳鉄やアルミニウム等、導電性を有する金属材料で構成されている。
[圧力検出装置の構成]
図2は、圧力検出装置20の側面図である。また、図3は、圧力検出装置20の断面図(図2のIII-III断面図)である。さらに、図4は、圧力検出装置20の先端側(図3のIV領域)の拡大断面図である。さらにまた、図5は、圧力検出装置20を構成する第1内部筐体35、第2内部筐体36、加圧部材49、第1絶縁部材51および第2絶縁部材52(それぞれの詳細については後述する)の分解断面図である。
圧力検出装置20は、全体として筒状を呈するとともに外部に露出するように設けられる筐体部30と、圧力を検出するための各種機構を含み、ほぼ全体が筐体部30の内部に収容されるとともに一部が外部に露出するように設けられる検出機構部40と、筐体部30の外周面に取り付けられるシール部70とを有している。そして、圧力検出装置20は、図1に示す内燃機関10に対し、図2における左側が燃焼室C(図1では下側)を向くとともに、図2における右側が外部(図1では上側)を向くように取り付けられる。なお、以下の説明では、図2において、図中左に向かう側を圧力検出装置20の「先端側」と称し、図中右に向かう側を圧力検出装置20の「後端側」と称する。また、以下の説明では、図2等に一点鎖線で示す圧力検出装置20の中心線方向を、単に「中心線方向」と称する。
ここで、本実施の形態では、「先端側」が「一端側」に、「後端側」が「他端側」に、それぞれ対応している。また、本実施の形態では、「中心線方向」が「軸方向」に対応している。
(筐体部の構成)
筐体部30は、先端外部筐体31と、先端外部筐体31の先端側に取り付けられたダイアフラムヘッド32と、先端外部筐体31の後端側に取り付けられた中間外部筐体33と、中間外部筐体33の後端側に取り付けられた後端外部筐体34とを備えている。また、筐体部30は、先端外部筐体31の内側であってダイアフラムヘッド32の後端側に取り付けられた第1内部筐体35と、先端外部筐体31の内側であって第1内部筐体35の後端側に取り付けられた第2内部筐体36とをさらに備えている。
〔先端外部筐体〕
先端外部筐体31は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。先端外部筐体31は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス鋼等の金属材料によって構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金)等を採用することができる。
〔ダイアフラムヘッド〕
受圧部材の一例としてのダイアフラムヘッド32は、全体として円板状を呈する部材である。ダイアフラムヘッド32は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、ダイアフラムヘッド32を、先端外部筐体31と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。
ダイアフラムヘッド32は、特に図4に示すように、先端側における中央部に表面中央凹部32bが形成されるとともに、外部(燃焼室C側)に露出することで圧力を受ける圧力受面(表面)32aを有している。また、ダイアフラムヘッド32は、圧力受面32aの裏側となる裏面を環状に切り欠くことによって形成された裏面環状凹部32cと、裏面環状凹部32cの存在により、結果として圧力受面32aの中央部(表面中央凹部32bの形成部位)から後端側に突出する裏面中央凸部32dとを有している。さらに、ダイアフラムヘッド32は、圧力受面32aの裏面における周縁部を環状に切り欠くことによって形成された裏面環状平坦部32eと、裏面環状凹部32cおよび裏面環状平坦部32eの存在により、結果として裏面中央凸部32dの周囲から後端側に突出する裏面環状凸部32fとを有している。
ダイアフラムヘッド32は、先端外部筐体31における先端側の開口部を塞ぐように設けられている。より具体的に説明すると、ダイアフラムヘッド32の裏面環状平坦部32eに、先端外部筐体31の先端側が突き当たっている。そして、ダイアフラムヘッド32と先端外部筐体31との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている。
ここで、本実施の形態のダイアフラムヘッド32は、最も薄手となる裏面環状凹部32cの周辺が外力に応じて伸縮することにより、ばねとして機能するようになっている。そして、ダイアフラムヘッド32は、燃焼室C等から受けた圧力(外圧)に伴って振動するようになっている。
〔中間外部筐体〕
中間外部筐体33は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。中間外部筐体33は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料で構成されている。このような金属材料としては、例えばフェライト系のステンレス鋼として知られるSUS430LXを例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金)等を採用することができる。なお、この例では、中間外部筐体33を、先端外部筐体31とは異なる材料(例えばSUS430LX)で構成している。
中間外部筐体33の先端側は、先端外部筐体31の後端側にはめ込まれるようになっている。そして、中間外部筐体33と先端外部筐体31との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている。
〔後端外部筐体〕
後端外部筐体34は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。後端外部筐体34は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料で構成されている。このような金属材料としては、例えばフェライト系のステンレス鋼として知られるSUS430LXを例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、後端外部筐体34を、中間外部筐体33と同じ材料(例えばSUS430LX)で構成している。
後端外部筐体34の先端側は、中間外部筐体33の後端側にはめ込まれるようになっている。そして、後端外部筐体34と中間外部筐体33との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている。
〔第1内部筐体〕
第1内部筐体35は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。第1内部筐体35は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料で構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、第1内部筐体35を、ダイアフラムヘッド32と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。また、第1内部筐体35とダイアフラムヘッド32とを、異なる材料により構成してもよい。
第1内部筐体35は、特に図5に示すように、最も先端側に位置する第1先端筒状部351と、第1先端筒状部351の後端側に位置する第1後端筒状部352とを有している。第1内部筐体35では、第1先端筒状部351よりも第1後端筒状部352の外径が大きくなっており、両者の境界部には、第1外側段差部353が設けられている。また、第1内部筐体35の内部に設けられた貫通孔は、先端側から後端側に向かって段階的に内径が増加するようになっており、第1後端筒状部352の内側となる部位には、第1内側段差部354が設けられている。
第1内部筐体35の先端側は、ダイアフラムヘッド32の後端側に突き当たるようになっている。より具体的に説明すると、第1内部筐体35における第1外側段差部353の先端側の面が、ダイアフラムヘッド32における裏面環状凸部32fの後端側の面に突き当たるようになっている。このとき、第1内部筐体35における第1先端筒状部351は、ダイアフラムヘッド32における裏面環状凹部32cの内部に位置している。そして、第1内部筐体35とダイアフラムヘッド32との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている(詳細には、後述する第1溶接部W1(図14参照))。
〔第2内部筐体〕
第2内部筐体36は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。第2内部筐体36は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料で構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、第2内部筐体36を、第1内部筐体35と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。
第2内部筐体36は、特に図5に示すように、最も先端側に位置する第2先端筒状部361と、第2先端筒状部361の後端側に位置する第2後端筒状部362とを有している。第2内部筐体36では、第2先端筒状部361よりも第2後端筒状部362の外径が大きくなっており、両者の境界部には、第2外側段差部363が形成されている。また、第1内部筐体35の内部に設けられた貫通孔は、その内径が略一定となっている。
第2内部筐体36の先端側すなわち第2先端筒状部361の先端側は、第1内部筐体35における第1後端筒状部352の内部に収容されるようになっている。また、第2内部筐体36の先端側の面が、第2絶縁部材52(詳細は後述する)の後端側の面に突き当たるようになっている。このとき、第2先端筒状部361の後端側および第2後端筒状部362は、第1内部筐体35の後端側に露出するようになっている。そして、第2内部筐体36と第1内部筐体35との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている(詳細には、後述する第2溶接部W2(図20参照))。このレーザ溶接は、例えば第2内部筐体36と第1内部筐体35との境界部における外周面の一周にわたって、所定間隔をもった複数個のレーザスポットを形成したスポット溶接により行うことができる。なお、スポット溶接ではなく、外周面の一周にわたるシーム溶接により行ってもよい。
(検出機構部の構成)
検出機構部40は、圧電素子41と、先端電極部材42と、先端絶縁部材43と、後端電極部材44と、後端絶縁部材45とを備えている。また、検出機構部40は、第1コイルバネ46と、伝導部材47と、保持部材48と、加圧部材49と、絶縁チューブ50とを備えている。さらに、検出機構部40は、第1絶縁部材51と、第2絶縁部材52と、支持部材53と、第2コイルバネ54とを備えている。さらにまた、検出機構部40は、第1収容部材55と、第2収容部材56と、回路内蔵部材57と、接続部材58と、閉塞部材59と、第3絶縁部材60とを備えている。
〔圧電素子〕
圧電素子41は、全体として円柱状を呈する部材である。圧電素子41は、圧電縦効果の圧電作用を示す圧電体を備えている。圧電素子41は、先端外部筐体31(および第1内部筐体35)の内側に配置されている。
ここで、圧電縦効果とは、圧電体の電荷発生軸と同一方向の応力印加軸に外力を加えると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生することをいう。したがって、この例では、中心線方向に沿う圧力の変化に応じて、圧電素子41の先端側の面と後端側の面とに、発生した電荷による信号(電荷信号)が出力されることになる。
次に、圧電素子41に圧電横効果を利用した場合を例示する。圧電横効果とは、圧電体の電荷発生軸に対して直交する位置にある応力印加軸に外力を加えると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生することをいう。薄板状に薄く形成した圧電体を複数枚積層して構成しても良く、このように積層することで、圧電体に発生する電荷を効率的に集めてセンサの感度を上げることができる。圧電素子41で使用可能な圧電体としては、圧電縦効果及び圧電横効果を有するランガサイト系結晶(ランガサイト、ランガテイト、ランガナイト、LTGA)や水晶、ガリウムリン酸塩などを使用することを例示することができる。また、圧電素子41で用いる圧電体としては、上述した無機材料で構成された単結晶(無機単結晶)を用いるとよく、特にランガサイト系単結晶を用いることが望ましい。
〔先端電極部材〕
先端電極部材42は、全体として円柱状を呈する部材である。先端電極部材42は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、先端電極部材42を、ダイアフラムヘッド32と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。先端電極部材42は、先端外部筐体31の内側且つ圧電素子41の先端側に配置されており、先端電極部材42の後端側の面が、圧電素子41の先端側の面と接触するようになっている。この例において、先端電極部材42の先端側の面、後端側の面および外周面には、特に金めっき等は施されておらず、先端電極材料を構成する金属材料の地肌がそのまま露出している。また、先端電極部材42の外径は、圧電素子41の外径よりも大きくなっている。
〔先端絶縁部材〕
他の部材の一例としての先端絶縁部材43は、全体として円柱状を呈する部材である。先端絶縁部材43は、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。先端絶縁部材43は、先端外部筐体31の内側且つ先端電極部材42の先端側に配置されており、先端絶縁部材43の後端側の面が、先端電極部材42の先端側の面と接触するようになっている。一方、先端絶縁部材43の先端側の面は、ダイアフラムヘッド32に設けられた裏面中央凸部32dの後端側の面と接触するようになっている。また、先端絶縁部材43の外径は、先端電極部材42の外径よりも小さく、且つ、ダイアフラムヘッド32における裏面中央凸部32dの外径よりも大きくなっている。
〔後端電極部材〕
後端電極部材44は、全体として円柱状を呈する部材である。後端電極部材44は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、後端電極部材44を、先端電極部材42と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。後端電極部材44は、先端外部筐体31の内側且つ圧電素子41の後端側に配置されており、後端電極部材44の先端側の面が、圧電素子41の後端側の面と接触するようになっている。この例において、後端電極部材44の後端側の面および外周面には、金めっきが施されている。これに対し、後端電極部材44の先端側の面すなわち圧電素子41の後端側と接する面には、特に金めっき等は施されておらず、後端電極部材44を構成する金属材料の地肌がそのまま露出している。また、後端電極部材44の外径は、圧電素子41の外径よりも大きくなっている。
〔後端絶縁部材〕
後端絶縁部材45は、中空構造を有し且つ全体として環状(円筒状)を呈する部材である。後端絶縁部材45は、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。後端絶縁部材45は、先端外部筐体31の内側且つ後端電極部材44の後端側に配置されており、後端絶縁部材45の先端側の面が、後端電極部材44の後端側の面と接触するようになっている。また、後端絶縁部材45の外径は、圧電素子41の外径よりも大きくなっている。なお、この例では、後端絶縁部材45を、先端絶縁部材43と同じ材料(例えばアルミナセラミックス)で構成している。
〔第1コイルバネ〕
第1コイルバネ46は、全体として螺旋状を呈する部材であって、中心線方向に伸縮するようになっている。第1コイルバネ46は、導電性を有するとともに耐熱性が高いリン青銅等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。第1コイルバネ46は、先端外部筐体31の内側に配置されている。より具体的に説明すると、第1コイルバネ46の先端側は、後端絶縁部材45に設けられた貫通孔の内部に配置されており、その先端が、後端電極部材44の後端側の面と接触するようになっている。一方、第1コイルバネ46の後端側は、後端絶縁部材45の後端側に飛び出している。また、第1コイルバネ46の外径は、後端絶縁部材45に設けられた貫通孔の内径よりも小さくなっている。
〔伝導部材〕
伝導部材47は、全体として棒状を呈する部材である。伝導部材47は、導電性を有する真ちゅう等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。伝導部材47は、最も先端側に位置する先端棒状部471と、先端棒状部471の後端側に位置する中間棒状部472と、中間棒状部472の後端側に位置する後端棒状部473とを有している。また、伝導部材47では、先端棒状部471、中間棒状部472および後端棒状部473の順で、外径が大きくなっている。伝導部材47は、先端外部筐体31の内側に配置されている。より具体的に説明すると、伝導部材47の先端側すなわち先端棒状部471の先端側は、第1コイルバネ46の後端側に挿入されており、後端絶縁部材45の内部に配置されている。ただし、先端棒状部471の先端は、第1コイルバネ46とは異なり、後端電極部材44の後端側の面と接触していない。このとき、第1コイルバネ46の後端は、伝導部材47における先端棒状部471と中間棒状部472との境界部(段差部)に突き当たっている。なお、この例では、第1コイルバネ46と伝導部材47とが、レーザ溶接によって接合され、一体化している。以上の手順により、第1コイルバネ46は、後端電極部材44と伝導部材47とに挟まれることで、中心線方向に圧縮された状態となっている。一方、伝導部材47のうちの中間棒状部472および後端棒状部473は、後端絶縁部材45の後端側に飛び出している。また、先端棒状部471の外径は、第1コイルバネ46の内径よりも小さくなっており、中間棒状部472の外径は、第1コイルバネ46の内径よりも大きくなっている。
〔保持部材〕
保持部材48は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。保持部材48は、絶縁性を有するPPS(Polyphenylenesulfide:ポリフェニレンサルファイド)あるいはPPT(Polypropylene Terephthalate:ポリプロピレンテレフタレート)等の合成樹脂材料によって構成されている。保持部材48は、最も先端側に位置する先端部と、先端部の後端側に位置する中間部と、中間部の後端側に位置する後端部とを有している。保持部材48では、先端部、中間部および後端部の順で、外径が大きくなっている。保持部材48は、先端外部筐体31の内側と中間外部筐体33の内側とに跨がって配置されている。そして、保持部材48の内部には、上記伝導部材47が収容され、保持されている。より具体的に説明すると、保持部材48は、伝導部材47の後端側すなわち後端棒状部473の後端側を内部に収容している。以上の手順により、伝導部材47のうち、先端棒状部471および中間棒状部472と、後端棒状部473の先端側とが、保持部材48の先端側に飛び出している。一方、保持部材48の後端には、後端側から先端側に向かう凹部が形成されている。また、保持部材48に設けられた孔の内径は、伝導部材47における後端棒状部473の外径よりもわずかに大きくなっており、伝導部材47と保持部材48とは、圧入(すきまばめ)により一体化している。
〔加圧部材〕
加圧部材49は、中空構造(貫通孔)を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。加圧部材49は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料で構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、加圧部材49を、ダイアフラムヘッド32と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。加圧部材49は、先端外部筐体31の内側であって、第1内部筐体35の内側と第2内部筐体36の内側とに跨がって配置されている。
加圧部材49は、特に図5に示すように、最も先端側に位置する第1筒状部491と、第1筒状部491の後端側に位置する第2筒状部492と、第2筒状部492の後端側に位置する第3筒状部493と、第3筒状部493の後端側に位置する第4筒状部494とを有している。加圧部材49では、第1筒状部491よりも第2筒状部492の外径が大きくなっており、両者の境界部には、第1段差部495が形成されている。また、第2筒状部492よりも第3筒状部493の外径が大きくなっており、両者の境界部には、第2段差部496が形成されている。さらに、第3筒状部493よりも第4筒状部494の外径が小さくなっており、両者の境界部には、第3段差部497が形成されている。なお、この例では、第2筒状部492および第4筒状部494の外径が、略同一に設定されている。また、加圧部材49の内部に設けられた貫通孔は、先端側から後端側に向かって段階的に内径が増加するようになっており、第1筒状部491の内側となる部位には、第4段差部498が設けられている。
また、別の観点からみると、加圧部材49は、第1の内径を有し相対的に後端側に配置される筒部49aと、筒部49aの先端側に延出して設けられ、第1の内径よりも小さい(狭い)第2の内径を有する延出部49bとを備えたもの、として把握することもできる。すなわち、加圧部材49のうち、第4段差部498よりも後端側となる部位が筒部49aであり、第4段差部498よりも先端側となる部位が延出部49bである。
加圧部材49に設けられた貫通孔の内部には、圧電素子41、先端電極部材42、後端電極部材44、後端絶縁部材45、第1コイルバネ46等が収容されている。そして、加圧部材49に設けられた第4段差部498の後端側の面が、先端電極部材42の先端側の面と接触するようになっている。また、加圧部材49に設けられた貫通孔の先端側の開口部には、先端絶縁部材43が配置されている。
加圧部材49における第1筒状部491の外径は、第1内部筐体35の第1内側段差部354から先端側の内径よりも小さくなっている。また、第2筒状部492、第3筒状部493および第4筒状部494の各外径は、第1内部筐体35の第1内側段差部354から後端側の内径よりも小さくなっている。さらに、第4筒状部494の外径は、第2内部筐体36の内径よりも小さくなっている。
一方、加圧部材49に設けられた貫通孔のうち、後端側となる筒部49aの内径は、圧電素子41、先端電極部材42、後端電極部材44および後端絶縁部材45の各外径よりも大きくなっている。また、加圧部材49に設けられた貫通孔のうち、先端側となる延出部49bの内径は、先端絶縁部材43の外径よりも大きくなっている。
ここで、本実施の形態の加圧部材49は、最も薄手となる第1筒状部491が外力に応じて伸縮することにより、ばねとして機能するようになっている。そして、加圧部材49は、後述するように、支持部材53等とともに圧電素子41に予荷重を付与するようになっている。
〔絶縁チューブ〕
絶縁チューブ50は、中心線方向に沿って2つの開口部が設けられることによる中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。また、本実施の形態の絶縁チューブ50は、絶縁性を有する材料によって構成されている。そして、本実施の形態の絶縁チューブ50は、先端側から順に、先端電極部材42、圧電素子41、後端電極部材44および後端絶縁部材45を、自身の内側に収容し且つ接触しながら固定することで、自身とともにこれらを一体化(モジュール化)する機能を有している。なお、以下の説明においては、先端電極部材42、圧電素子41、後端電極部材44および後端絶縁部材45と、絶縁チューブ50とを、まとめて「圧電モジュール400」と称することがある。
ここで、絶縁チューブ50を構成する材料としては、絶縁性を有するものであれば有機、無機を問わず各種材料から選定して差し支えないが、圧電モジュール400の製造を容易にするという観点からすれば、熱収縮性を有する有機材料(例えば合成樹脂材料)すなわち熱収縮チューブを用いることが望ましい。また、各種合成樹脂材料の中でも、ポリアミド(例えば各種ナイロン)等と比べて、耐熱性、絶縁性および高周波特性に優れるフッ素樹脂材料を用いることが望ましい。そして、フッ素樹脂材料の中でも、連続使用温度260℃と優れた熱安定性を持つPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)を用いることができる。また、圧電モジュール400の使用環境温度が200℃以下の場合は、PTFEやPFAと比べて連続使用温度が低いものの、熱溶融成形が容易なFEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)を用いることが望ましい。
絶縁チューブ50は、先端外部筐体31の内側であって、加圧部材49の内側に配置されている。そして、絶縁チューブ50の先端側の面が、加圧部材49に設けられた第4段差部498の後端側の面と、空隙を介して対峙するようになっている。絶縁チューブ50の内部には、先端電極部材42の後端側と、圧電素子41および後端電極部材44と、後端絶縁部材45の先端側とが収容されている。換言すれば、先端電極部材42の先端側は、絶縁チューブ50の先端よりも先端側に突出しており、後端絶縁部材45の後端側は、絶縁チューブ50の後端よりも後端側に突出している。絶縁チューブ50の外径は、加圧部材49に設けられた貫通孔の内径よりも小さく、且つ、この貫通孔の先端側に設けられた開口部の内径よりも大きくなっている。また、絶縁チューブ50の内径は、圧電素子41、先端電極部材42、後端電極部材44および後端絶縁部材45の各外径と、それぞれ略等しくなっている。なお、絶縁チューブ50を含む圧電モジュール400の詳細については後述する。
〔第1絶縁部材〕
第1絶縁部材51は、全体として環状を呈する部材である。第1絶縁部材51は、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。第1絶縁部材51は、先端外部筐体31の内側であって、第1内部筐体35の内側且つ加圧部材49の外側に配置されている。そして、第1絶縁部材51における先端側の面が、第1内部筐体35における第1内側段差部354の後端側の面と接触し、第1絶縁部材51における後端側の面が、加圧部材49における第2段差部496の先端側の面と接触するようになっている。第1絶縁部材51の外径は、第1内部筐体35の第1内側段差部354よりも後端側の内径と比べて小さくなっている。また、第1絶縁部材51の内径は、加圧部材49における第2筒状部492の外径よりも大きくなっている。なお、この例では、第1絶縁部材51を、後端絶縁部材45と同じ材料(例えばアルミナセラミックス)で構成している。
〔第2絶縁部材〕
第2絶縁部材52は、全体として環状を呈する部材である。第2絶縁部材52は、上記第1絶縁部材51と同様に、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。第2絶縁部材52は、先端外部筐体31の内側であって、第1内部筐体35の内側且つ加圧部材49の外側に配置されている。また、第2絶縁部材52は、第1絶縁部材51の後端側に配置される。そして、第2絶縁部材52における先端側の面が、加圧部材49における第3段差部497の後端側の面と接触し、第2絶縁部材52における後端側の面が、第2内部筐体36における第2先端筒状部361の先端側の面と接触するようになっている。第2絶縁部材52の外径は、第1内部筐体35の第1内側段差部354よりも後端側の内径と比べて小さくなっている。また、第2絶縁部材52の内径は、加圧部材49における第4筒状部494の外径よりも大きくなっている。なお、本実施の形態では、第2絶縁部材52として、上記第1絶縁部材51と同一寸法のものを用いている。また、この例では、第2絶縁部材52を、第1絶縁部材51と同じ材料(例えばアルミナセラミックス)で構成している。
〔支持部材〕
突当部材の一例としての支持部材53は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。支持部材53は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、支持部材53を、加圧部材49と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。支持部材53は、先端外部筐体31の内側であって、その先端側が加圧部材49の内側に配置されている。ただし、支持部材53の後端側は、加圧部材49の後端から飛び出した状態となっている。そして、支持部材53の先端側の面が、後端絶縁部材45の後端側の面と接触するようになっている。また、支持部材53と加圧部材49との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている(詳細には、後述する第3溶接部W3(図22参照))。このレーザ溶接は、例えば支持部材53と加圧部材49との境界部における外周面の一周にわたって、所定間隔をもった複数個のレーザスポットを形成したスポット溶接により行うことができる。なお、スポット溶接ではなく、外周面の一周にわたるシーム溶接により行ってもよい。支持部材53の内部には、第1コイルバネ46の後端側と、伝導部材47および保持部材48の各先端側とが収容されている。支持部材53の外径は、加圧部材49に設けられた貫通孔の内径よりもわずかに小さい。また、支持部材53に設けられた貫通孔の内径は、保持部材48における先端部の外径よりもわずかに大きい。
〔第2コイルバネ〕
第2コイルバネ54は、全体として螺旋状を呈する部材であって、中心線方向に伸縮するようになっている。第2コイルバネ54は、導電性を有するとともに耐熱性が高いリン青銅等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。なお、この例では、第2コイルばね54を、第1コイルばね46と同じ材料(例えばリン青銅)で構成している。第2コイルバネ54は、先端外部筐体31の内側に配置されている。より具体的に説明すると、第2コイルバネ54の先端側は、支持部材53の後端側且つ外周面の外側に配置されており、その先端が、加圧部材49における第4筒状部494の後端側の面と接触するようになっている。第2コイルバネ54の内側には、伝導部材47、保持部材48および支持部材53と、第1収容部材55の先端側とが配置されている。第2コイルバネ54の外径は、先端外部筐体31の内径よりも小さくなっている。また、第2コイルバネ54の内径は、支持部材53の外径よりも大きくなっている。
〔第1収容部材〕
図6(a)は、圧力検出装置20に設けられた第1収容部材55の斜視図を示している。図6(a)では、図中左下側が先端側であり、図中右上側が後端側である。ここでは、図2乃至図5に加えて図6(a)も参照しながら、第1収容部材55に関する説明を行う。
第1収容部材55は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。第1収容部材55は、導電性を有する真ちゅうやステンレス等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。
第1収容部材55は、最も先端側に位置する第1先端部551と、第1先端部551の後端側に位置する第1中間部552と、第1中間部552の後端側に位置する第1後端部553とを有している。第1収容部材55では、第1先端部551よりも第1中間部552の外径が大きくなっており、両者の境界部には、第1先端段差部554が形成されている。また、第1中間部552よりも第1後端部553の外径が大きくなっており、両者の境界部には、第1後端段差部555が形成されている。第1収容部材55は、先端外部筐体31の内側に配置されている。より具体的に説明すると、第1収容部材55の先端側すなわち第1先端部551の先端側は、支持部材53の後端側と対峙しており、第1先端部551の外周面の外側には、第2コイルバネ54が対峙している。そして、第1収容部材55における第1先端段差部554の先端側の面には、第2コイルバネ54の後端が突き当たっている。以上の手順により、第2コイルバネ54は、加圧部材49と第1収容部材55とに挟まれることで、中心線方向に圧縮された状態となっている。第1収容部材55に設けられた貫通孔の内部には、伝導部材47および保持部材48の先端部が収容されている。第1収容部材55における第1先端部551、第1中間部552および第1後端部553の各外径は、先端外部筐体31の内径よりも小さくなっている。また、第1先端部551の外径は、第2コイルバネ54の内径よりも小さくなっており、第1中間部552の外径は、第2コイルバネ54の内径よりも大きくなっている。さらに、第1収容部材55の内径は、保持部材48の外径よりも大きくなっている。
〔第2収容部材〕
図6(b)は、圧力検出装置20に設けられた第2収容部材56の斜視図を示している。図6(b)では、図中左下側が先端側であり、図中右上側が後端側である。ここでは、図2乃至図5に加えて図6(b)も参照しながら、第2収容部材56に関する説明を行う。
第2収容部材56は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。第2収容部材56は、上記第1収容部材55と同様に、導電性を有する真ちゅうやステンレス等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。
第2収容部材56は、最も先端側に位置する第2先端部561と、第2先端部561の後端側に位置する第2中間部562と、第2中間部562の後端側に位置する第2後端部563とを有している。第2収容部材56では、第2先端部561よりも第2中間部562の外径が大きくなっており、両者の境界部には、第2先端段差部564が形成されている。また、第2中間部562よりも第2後端部563の外径が大きくなっており、両者の境界部には、第2後端段差部565が形成されている。さらに、第2後端部563には、その外周面と内周面とを貫く円形状の丸穴566が形成されている。第2収容部材56は、先端外部筐体31の内側と中間外部筐体33の内側とに跨がって配置されている。より具体的に説明すると、第2収容部材56の先端側すなわち第2先端部561の先端側は、第1収容部材55の第1後端部553内に収容されており、第2先端段差部564の先端側の面が、第1後端部553の後端側の面と接触するようになっている。また、第2収容部材56に設けられた貫通孔の内部には、保持部材48の中間部および後端部が収容されている。第2収容部材56における第2先端部561、第2中間部562および第2後端部563の各外径は、それぞれに対峙する先端外部筐体31および中間外部筐体33の内径よりも小さくなっている。また、第2収容部材56の内径は、保持部材48の外径よりも大きくなっている。さらに、第2収容部材56における第2先端部561の外径は、第1収容部材55における第1後端部553の内径よりもわずかに大きくなっており、第1収容部材55と第2収容部材56とは、圧入(しまりばめ)およびレーザ溶接により一体化している。
〔回路内蔵部材〕
回路内蔵部材57は、特に図3に示すように、圧電素子41が出力する微弱な電荷による電気信号に、電子回路を用いた各種処理を施す回路基板91と、回路基板91を内部に収容することで回路基板91を封止する封止部92とを備えている。回路内蔵部材57は、中間外部筐体33の内側であって、後端側の一部を除くほぼ全域が、第2収容部材56の内側に配置されている。特に、回路基板91は、その全域が第2収容部材56の内側に配置されている。また、回路内蔵部材57の先端側は、保持部材48の後端側に設けられた凹部にはめ込まれるようになっている。そして、回路内蔵部材57の先端側に設けられた金属板(後述する入力信号板93:図7参照)が、伝導部材47の後端側と接触するようになっている。また、回路内蔵部材57の外周面に設けられた金属板(後述する入力接地板94:図7参照)が、第2収容部材56の内周面と接触するようになっている。なお、回路内蔵部材57の詳細については後述する。
〔接続部材〕
接続部材58は、全体として柱状を呈する部材である。接続部材58は、絶縁性を有するPPSあるいはPPT等の合成樹脂材料によって構成された基材と、導電性を有する銅等の金属材料で構成された配線および端子等を含んでいる。接続部材58は、中間外部筐体33の内側と後端外部筐体34の内側とに跨がって配置されている。なお、接続部材58のうち、中間外部筐体33あるいは後端外部筐体34と対峙する部位(外周面)は、合成樹脂材料で構成されており、この部位に金属材料を露出させないようにしている。接続部材58の先端側には、回路内蔵部材57の後端側が対峙しており、回路内蔵部材57に設けられた金属板(後述する受電板95、出力信号板96および出力接地板97:図7参照)が、接続部材58に設けられた端子にはめ込まれるようになっている。また、接続部材58の後端側には、接続ケーブル80を構成する電源線81、信号線82および接地線83(これらの詳細は後述する)の先端側に露出するそれぞれの導体部が挿入されている。接続部材58の外径は、中間外部筐体33の後端側の内径よりもわずかに大きくなっており、中間外部筐体33と接続部材58とは、圧入(しまりばめ)により一体化している。
〔閉塞部材〕
閉塞部材59は、全体として柱状を呈する部材である。ただし、閉塞部材59には、中心線方向に沿って3つの貫通孔が形成されている。閉塞部材59は、絶縁性を有するゴム材料で構成されている。閉塞部材59は、その先端側が後端外部筐体34の内側に配置され、その後端側が後端外部筐体34の後端よりも外側に飛び出している。閉塞部材59の先端側は、接続部材58の後端側と対峙している。また、閉塞部材59に設けられた3つの貫通孔には、上述した電源線81、信号線82および接地線83が挿入されている。閉塞部材59の外径は、後端外部筐体34の後端側の内径よりもわずかに大きくなっており、後端外部筐体34と閉塞部材59とは、圧入(しまりばめ)により一体化している。
〔第3絶縁部材〕
第3絶縁部材60は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。ただし、第3絶縁部材60は、先端側に設けられた円筒状の部位と、後端側に設けられた円環状部の部位とを一体化した構造を有している。第3絶縁部材60は、絶縁性を有するPPS等の合成樹脂材料によって構成されている。第3絶縁部材60は、先端外部筐体31の内側と中間外部筐体33の内側とに跨がって配置されている。より具体的に説明すると、第3絶縁部材60の先端側は、先端外部筐体31の内側に配置されており、第3絶縁部材60の後端側は、中間外部筐体33の内側に配置されている。そして、第3絶縁部材60における円筒状の部位の外周面は、先端外部筐体31における後端側の内周面と対峙している。また、第3絶縁部材60における円環状の部位の先端側の面は、先端外部筐体31の後端側の面と接触するようになっている。一方、第3絶縁部材60における円筒状部の部位の内周面は、第1収容部材55における第1後端部553の外周面と、第2収容部材56における第2中間部562の外周面とに対峙している。また、第3絶縁部材60における円環状の部位の後端側の面は、第2収容部材56における第2後端段差部565の先端側の面と接触するようになっている。第3絶縁部材60における円筒状の部位の外径は、先端外部筐体31における後端側の内径よりも小さくなっている。また、第3絶縁部材60における円環状の部位の外径は、中間外部筐体33の先端側の内径よりも小さくなっている。一方、第3絶縁部材60における円筒状の部位の内径は、第1収容部材55における第1後端部553の外径および第2収容部材56における第2中間部562の外径よりも大きくなっている。また、第3絶縁部材60における円環状の部位の内径は、第2収容部材56における第2中間部562の外径よりも大きくなっている。
(シール部の構成)
シール部70は、特に図2および図3に示すように、相対的に先端側に位置する第1シール部材71と、相対的に後端側に位置する第2シール部材72とを備えている。
〔第1シール部材〕
第1シール部材71は、全体として環状を呈する部材であり、この例では、断面が四角形状を呈する角リングで構成されている。第1シール部材71は、耐熱性および耐酸性が高い、表面に錫めっきを施した銅材によって構成されている。そして、第1シール部材71は、筐体部30を構成する先端外部筐体31の外周面に取り付けられている。
〔第2シール部材〕
第2シール部材72は、全体として環状を呈する部材であり、この例では、断面が円形状を呈するOリングで構成されている。第2シール部材72は、機械的な復元性が高いフッ素ゴム等の合成ゴム材料によって構成されている。そして、第2シール部材72は、筐体部30を構成する後端外部筐体34の外周面に取り付けられている。この第2シール部材72は、内燃機関10の外部から水等が侵入することを防止するシール部材の役割を持つとともに、内燃機関10の動作時や取付環境の振動等に伴って圧力検出装置20が振動し、シリンダヘッド13における連通孔13aの内面に衝突するのを防止する防振部材としての役割も持つ。そのため、第2シール部材72には、機械的な復元性が高い材料の中でも特に、復元性の耐熱特性が高く、振動抑制の機能が長寿命であるフッ素ゴム材料が適している。
[接続ケーブルの構成]
接続ケーブル80は、特に図2および図3に示すように、撚り合わせられた電源線81、信号線82および接地線83と、これら電源線81、信号線82および接地線83の外周を覆う被覆部材(図示せず)とを備えている。ここで、電源線81、信号線82および接地線83は、それぞれ、錫メッキ軟銅撚り線で構成された導体部と、電子線等を用いて架橋構造を強化してなるポリエチレン(架橋ポリエチレン)等で構成されるとともに導体部の外周を被覆して絶縁する絶縁部とを有している。また、被覆部材は、絶縁性を有するゴム材料または樹脂材料で構成されている。なお、接続ケーブル80には、必要に応じて、電源線81、信号線82および接地線83を遮へいする遮へい体を設けてもかまわない。
[回路内蔵部材の構成]
次に、上述した回路内蔵部材57の詳細について説明を行う。
図7は、圧力検出装置20に設けられた回路内蔵部材57の斜視図である。なお、図7では、図中左下側が先端側であり、図中右上側が後端側である。
回路内蔵部材57は、上述したように、回路基板91と封止部92とを備えている。また、回路内蔵部材57は、入力信号板93と、入力接地板94と、受電板95と、出力信号板96と、出力接地板97とをさらに備えている。
(回路基板)
図8は、回路内蔵部材57に設けられた回路基板91の概略構成図である。ただし、図8は、回路基板91と、入力信号板93、入力接地板94、受電板95、出力信号板96および出力接地板97との接続関係も、併せて示している。以下では、図7および図8を参照しながら、回路基板91の説明を行う。
回路基板91は、全体として矩形の板状を呈する部材である。回路基板91は、各種電子部品(回路素子)を実装するための配線パターンが形成されたプリント配線基板911と、プリント配線基板911に実装された処理回路912とを有している。
本実施の形態では、プリント配線基板911として、ガラス布基材エポキシ樹脂をベースとした所謂ガラエポ基板を用いている。そして、プリント配線基板911には、入出力用の端子として、入力信号端子91a、入力接地端子91b、受電端子91c、出力信号端子91dおよび出力接地端子91eが設けられている。
ここで、入力信号端子91aには、入力信号板93を介して、圧力検出装置20における正の経路(詳細は後述する)が接続され、入力接地端子91bには、入力接地板94を介して、圧力検出装置20における負の経路(詳細は後述する)が接続される。これに対し、受電端子91cには、受電板95を介して電源線81が接続され、出力信号端子91dには、出力信号板96を介して信号線82が接続され、出力接地端子91eには、出力接地板97を介して接地線83が接続される。なお、プリント配線基板911では、入力接地端子91bと出力接地端子91eとが、内部で接続されている。
また、処理回路912は、圧電素子41から入力信号端子91aを介して入力されてくる電荷信号を積分して電圧信号に変換する積分回路912aと、変換後の電圧信号を増幅して出力信号端子91dに出力する増幅回路912bとを有している。ここで、積分回路912aおよび増幅回路912bには、それぞれ演算増幅器(図示せず)が設けられており、受電端子91cを介して、これらを動作させるための電源電圧が供給される。また、積分回路912aおよび増幅回路912bのグランドは、入力接地端子91bおよび出力接地端子91eに接続される。なお、この例において、処理回路912は、所謂集積回路(IC)で構成されている。
(封止部)
今度は、図7を参照しつつ、封止部92の説明を行う。
封止部92は、全体として柱状を呈する部材である。封止部92は、絶縁性を有するエポキシ等の合成樹脂材料によって構成されている。封止部92は、最も先端側に位置する小径部921と、小径部921の後端側に位置する中径部922と、中径部922の後端側に位置する大径部923とを備えている。封止部92では、小径部921、中径部922および大径部923の順で、外径が大きくなっている。また、小径部921、中径部922および大径部923は、それぞれ、多角形状(例えば八角形)の断面形状を有している。ここで、本実施の形態では、封止部92における中径部922の内部に、回路基板91が収容されている。
(入力信号板)
入力信号板93は、全体として板状(短冊状)を呈する部材である。入力信号板93は、導電性および弾性を有する真ちゅう等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。入力信号板93は、封止部92における小径部921の先端側の面から、先端側に突出して配置されている。ただし、入力信号板93の後端側は、封止部92の内部に配置され、封止部92を用いて固定されている。そして、入力信号板93の先端側は、図7において上方を向くように折り曲げられている。この入力信号板93は、伝導部材47の後端側と接触するようになっている。
(入力接地板)
入力接地板94は、全体として板状(F字状)を呈する部材である。入力接地板94も、導電性および弾性を有する真ちゅう等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。入力接地板94は、封止部92における中径部922の外周面から外側に突出し、且つ、この外周面に沿って折り曲げられることによって構成されている。ただし、入力接地板94の一端側は、封止部92の内部に配置され、封止部92を用いて固定されている。この入力接地板94は、第2収容部材56の内周面と接触するようになっている。
(受電板)
受電板95は、全体として板状(短冊状)を呈する部材である。受電板95も、導電性および弾性を有する真ちゅう等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。受電板95は、封止部92における大径部923の後端側の面から、後端側に突出して配置されている。ただし、受電板95の先端側は、封止部92の内部に配置され、封止部92を用いて固定されている。そして、受電板95の後端側は、図7において上方を向くように折り曲げられている。受電板95は、接続部材58を介して電源線81と接続されるようになっている。
(出力信号板)
出力信号板96は、全体として板状(短冊状)を呈する部材である。出力信号板96も、導電性および弾性を有する真ちゅう等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。出力信号板96は、封止部92における大径部923の後端側の面から、後端側に突出して配置されている。ただし、出力信号板96の先端側は、封止部92の内部に配置され、封止部92を用いて固定されている。また、出力信号板96は、受電板95に隣接して配置されている。そして、出力信号板96の後端側は、図7において下方を向くように折り曲げられている。出力信号板96は、接続部材58を介して信号線82と接続されるようになっている。
(出力接地板)
出力接地板97は、全体として板状(短冊状)を呈する部材である。出力接地板97も、導電性および弾性を有する真ちゅう等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。出力接地板97は、封止部92における大径部923の後端側の面から、後端側に突出して配置されている。ただし、出力接地板97の先端側は、封止部92の内部に配置され、封止部92を用いて固定されている。また、出力接地板97は、出力信号板96に隣接して配置されている。そして、出力接地板97の後端側は、図7において上方を向くように折り曲げられている。出力接地板97は、接続部材58を介して接地線83と接続されるようになっている。
[圧電モジュールの構成]
次に、上述した圧電モジュール400の詳細について、説明を行う。
図9(a)は、圧力検出装置20に設けられた圧電モジュール400の上面図を示しており、図9(b)は、図9(a)のIXB-IXB断面図(圧電モジュール400の縦断面図)を示している。ここで、図9(b)では、図中における上下方向が中心線方向となっており、図中上側が先端側となっている。
上述したように、本実施の形態の圧電モジュール400では、先端側から、先端電極部材42、圧電素子41、後端電極部材44および後端絶縁部材45が、この順で配列されている。そして、特に図9(b)に示すように、これら先端電極部材42、圧電素子41、後端電極部材44および後端絶縁部材45の外周面を覆うように、絶縁チューブ50が配置されている。ここで、絶縁チューブ50は、中心線方向の中間に位置する圧電素子41および後端電極部材44については、それぞれの外周面の全体を覆うようになっている。一方、絶縁チューブ50は、中心線方向の先端側に位置する先端電極部材42については、外周面の後端側を覆うものの、外周面の先端側は覆わないようになっている。他方、絶縁チューブ50は、中心線方向の後端側に位置する後端絶縁部材45については、外周面の先端側を覆うものの、外周面の後端側は覆わないようになっている。
ここで、本実施の形態の圧電モジュール400では、先端電極部材42、圧電素子41、後端電極部材44および後端絶縁部材45の中心線方向と交差(直交)する方向(以下では「径方向」と称する)の中心が、ほぼ重なる(ほぼ一致する)ようになっている。これは、圧電モジュール400を構成する絶縁チューブ50の熱収縮に起因するものである。
[圧力検出装置における電気的な接続構造]
ここで、圧力検出装置20における電気的な接続構造について説明を行う。
(正の経路)
圧力検出装置20において、圧電素子41の後端側の端面(正極)は、後端電極部材44、第1コイルバネ46および伝導部材47と電気的に接続される。また、伝導部材47は、回路内蔵部材57に設けられた入力信号板93と電気的に接続される。そして、入力信号板93は、同じ回路内蔵部材57に設けられた回路基板91の入力信号端子91aと電気的に接続される。以下では、圧電素子41の後端側の面から、後端電極部材44、第1コイルバネ46、伝導部材47および入力信号板93を介して、回路基板91の入力信号端子91aに至る電気的な経路を、『正の経路』と称する。
(負の経路)
一方、圧力検出装置20において、圧電素子41の先端側の端面(負極)は、先端電極部材42、加圧部材49および支持部材53と電気的に接続される。また、加圧部材49は、第2コイルバネ54、第1収容部材55、第2収容部材56および回路内蔵部材57に設けられた入力接地板94と電気的に接続される。そして、入力接地板94は、同じ回路内蔵部材57に設けられた回路基板91の入力接地端子91bと電気的に接続される。以下では、圧電素子41の先端側の面から、先端電極部材42、加圧部材49、支持部材53、第2コイルバネ54、第1収容部材55、第2収容部材56および入力接地板94を介して、回路基板91の入力接地端子91bに至る電気的な経路を、『負の経路』と称する。
(筐体経路)
他方、圧力検出装置20において、ダイアフラムヘッド32は、先端外部筐体31、中間外部筐体33および後端外部筐体34と電気的に接続される。また、ダイアフラムヘッド32は、第1内部筐体35および第2内部筐体36と電気的に接続される。以下では、第2内部筐体36から、第1内部筐体35、ダイアフラムヘッド32、先端外部筐体31、中間外部筐体33および後端外部筐体34に至る電気的な経路を、『筐体経路』と称する。なお、圧力検出装置20を、図1に示す内燃機関10のシリンダヘッド13に取り付けた場合、例えば先端外部筐体31が、連通孔13aの内周面に接触する。このとき、シリンダヘッド13(およびシリンダブロック11)と筐体経路とは、略同電位となる。
(正の経路と負の経路との関係)
ここで、本実施の形態の圧力検出装置20では、正の経路の外側に負の経路が存在している。換言すれば、負の経路の内部に正の経路が収容されている。そして、正の経路と負の経路とは、後端絶縁部材45、保持部材48、絶縁チューブ50および両経路の間に形成されるエアギャップによって、電気的に絶縁されている。
(負の経路と筐体経路との関係)
また、圧力検出装置20では、負の経路の外側に筐体経路が存在している。換言すれば、筐体経路の内部に負の経路が収容されている。そして、負の経路と筐体経路とは、先端絶縁部材43、第1絶縁部材51、第2絶縁部材52、第3絶縁部材60および両経路の間に形成されるエアギャップによって、電気的に絶縁されている。
(筐体経路と正の経路との関係)
さらに、圧力検出装置20では、結果として、正の経路の外側に筐体経路が存在している。換言すれば、筐体経路の内部に正の経路が収容されている。そして、上述したように、正の経路と負の経路とが電気的に絶縁され、且つ、負の経路と筐体経路とが電気的に絶縁されることにより、筐体経路と正の経路とが、電気的に絶縁されていることになる。
[圧力検出装置による圧力検出動作]
では、圧力検出装置20による圧力検出動作について説明を行う。
内燃機関10が動作しているとき、ダイアフラムヘッド32の圧力受面32aに、燃焼室C内で発生した圧力(燃焼圧)が付与される。ダイアフラムヘッド32では、圧力受面32aが受けた圧力が裏側の裏面中央凸部32dに伝達され、さらに裏面中央凸部32dから先端絶縁部材43を介して先端電極部材42へと伝達される。そして、先端電極部材42に伝達された圧力は、先端電極部材42と後端電極部材44とに挟まれた圧電素子41に作用し、圧電素子41では、受けた圧力に応じた電荷が生じる。圧電素子41に生じた電荷は、正の経路および負の経路を介して、回路基板91の入力信号端子91aおよび入力接地端子91bに電荷信号として供給される。回路基板91に供給された電荷信号は、回路基板91に実装された処理回路912にて各種処理が施されることで出力信号とされる。そして、回路基板91の出力信号端子91dから出力された出力信号は、接続部材58および接続ケーブル80を介して、制御装置100に送信される。
[圧力検出装置の製造手順]
図10は、本実施の形態の圧力検出装置20(実際には、圧力検出装置20および接続ケーブル80を一体化してなる接続体)の製造手順を説明するための図である。以下では、図10に加え、上述した図2乃至図9も参照しながら、上記接続体の製造手順について説明を行う。
(第1構造体の組立)
最初に、ダイアフラムヘッド32の裏面すなわち後端側と、第1内部筐体35の先端側とを対峙させる。続いて、ダイアフラムヘッド32における裏面環状凸部32fの後端側の面に、第1内部筐体35における第1外側段差部353の先端側の面を突き当てる。これに伴い、第1内部筐体35の第1先端筒状部351は、ダイアフラムヘッド32の裏面環状凹部32c内に配置される。そして、この状態で、ダイアフラムヘッド32と第1内部筐体35との境界部に、一周にわたってレーザ溶接を行う(第1溶接部W1を形成する)ことで、第1構造体が得られる。
(第2構造体の組立)
次に、第1構造体の第1内部筐体35に、後端側から、第1絶縁部材51を挿入する。このとき、第1絶縁部材51の先端側の面が、第1内部筐体35における第1内側段差部354の後端側の面に突き当たる。これにより、第1絶縁部材51の外周面は、第1内部筐体35における後端側の内周面と対峙する。
続いて、第1内部筐体35に、後端側から、第1筒状部491を先端側として加圧部材49を挿入する。このとき、第1絶縁部材51の後端側の面に、加圧部材49における第2段差部496の先端側の面が突き当たる。なお、このとき、加圧部材49における先端側(第1筒状部491側)の外周面と、ダイアフラムヘッド32および第1内部筐体35の各内周面との間には、エアギャップが形成される。また、このとき、加圧部材49における第1段差部495の先端側の面と、第1内部筐体35における第1内側段差部354の後端側の面との間にも、エアギャップが形成される。さらに、このとき、加圧部材49における第3筒状部493の外周面と、第1内部筐体35の内周面との間にも、エアギャップが形成される。さらにまた、このとき、加圧部材49における第4筒状部494の後端側は、第1内部筐体35の後端よりも外側(後端側)に飛び出している。
それから、第1内部筐体35と加圧部材49との間に、後端側から、第2絶縁部材52を挿入する。このとき、第2絶縁部材52の先端側の面が、加圧部材49における第3段差部497の後端側の面に突き当たる。これにより、第2絶縁部材52の内周面は、加圧部材49における第4筒状部494の外周面と対峙する。また、第2絶縁部材52の外周面は、第1内部筐体35における後端側の内周面と対峙する。
次に、第1内部筐体35内に、後端側から、第2先端筒状部361を先端側として第2内部筐体36を挿入する。このとき、第2内部筐体36における第2先端筒状部361の先端側の面が、第2絶縁部材52の後端側の面に突き当たる。これにより、第2内部筐体36の内周面は、エアギャップを介して、加圧部材49における第4筒状部494の外周面と対峙する。また、第2内部筐体36における先端側の外周面は、第1内部筐体35における後端側の内周面と対峙する。さらに、第2内部筐体36の第2後端筒状部362は、第1内部筐体35の後端よりも外側(後端側)に飛び出している。これにより、第2内部筐体36における第2外側段差部363の先端側の面は、第1内部筐体35における第1後端筒状部352の後端側の面と、エアギャップを介して対峙する。それから、この状態で、加圧部材49および第1構造体を構成するダイアフラムヘッド32の両者に対し、「セッチング処理」を施す。そして、この状態で、第1内部筐体35と第2内部筐体36との境界部に、一周にわたってレーザ溶接を行う(第2溶接部W2を形成する)ことで、第2構造体が得られる。なお、第2構造体の具体的な製造手順については後述する。
(第3構造体の組立)
また、上述した第1構造体および第2構造体の組立とは別工程にて、絶縁チューブ50に、後端側から、先端電極部材42、圧電素子41、後端電極部材44および後端絶縁部材45をこの順で挿入し、その後絶縁チューブ50を熱収縮させることで、第3構造体(圧電モジュール400)を得る(図9参照)。
(第4構造体の組立)
次に、上述した第2構造体の加圧部材49に、後端側から、先端絶縁部材43を挿入する。このとき、先端絶縁部材43における先端側の面が、ダイアフラムヘッド32における裏面中央凸部32dの後端側の面に突き当たる。
続いて、加圧部材49に、後端側から、先端電極部材42を先端側として第3構造体(圧電モジュール400)を挿入する。このとき、先端電極部材42の先端側の面が、先端絶縁部材43の後端側の面に突き当たる。また、このとき、絶縁チューブ50の外周面は、加圧部材49の先端側の内周面と対峙する。
次いで、加圧部材49に対し、後端側から、支持部材53を挿入する。このとき、支持部材53の先端側の面が、後端絶縁部材45の後端側の面に突き当たる。これにより、支持部材53の先端側の外周面は、加圧部材49の内周面と対峙する。また、支持部材53の後端側は、加圧部材49の後端よりも外側(後端側)に飛び出している。
それから、加圧部材49に対し、中心線方向に沿って支持部材53を移動(進退)させることで、各部材を介して圧電素子41にかかる荷重を調整する、「予荷重付与処理」を施す。そして、荷重の調整がなされた状態で、加圧部材49と支持部材53との境界部に、一周にわたってレーザ溶接を行う(第3溶接部W3を形成する)ことで、第4構造体が得られる。ただし、この説明では、第4構造体の組み立てを行う際に、先端絶縁部材43を初めて登場させているが、後述するように第2構造体の組み立てを行うときに、第2構造体の内部に先端絶縁部材43を予め設置しておいてもかまわない。
なお、第4構造体の組み立てにおいて、圧電素子41に加えられる予荷重の大きさは、上記第2構造体の組み立てにおいて、ダイアフラムヘッド32および加圧部材49の両者をセッチングするために加えられる降伏荷重(セッチング応力)の大きさよりも小さく、例えば半分程度である。
(第5構造体の組立)
また、上述した第1構造体乃至第4構造体の組立とは別工程にて、先端外部筐体31に、後端側から、第3絶縁部材60を挿入する。このとき、第3絶縁部材60の後端側に設けられた円環状部の部位の先端側の面が、先端外部筐体31の後端側の面に突き当たる。これにより、第3絶縁部材60の先端側に設けられた円筒状の部位の外周面は、先端外部筐体31の内周面と対峙する。以上の手順により、先端外部筐体31と第3絶縁部材60とを有する第5構造体が得られる。
(第6構造体の組立)
さらに、上述した第5構造体の組立とは別工程にて、第1先端部551を先端側とする第1収容部材55に、後端側から、第2先端部561を先端側として第2収容部材56を挿入する。このとき、第2収容部材56の先端側に位置する第2先端部561は、第1収容部材55の後端側に設けられた第1後端部553の内部にはまり込む。そして、この状態で、第1収容部材55と第2収容部材56との境界部に、一周にわたってレーザ溶接を行う。
それから、第2コイルバネ54に、後端側から、第1収容部材55を先端側として第1収容部材55および第2収容部材56の溶接物を挿入する。このとき、第1収容部材55の第1先端部551は、第2コイルバネ54の後端側の内部に収容され、第1先端段差部554の先端側の面に、第2コイルバネ54の後端が突き当たる。そして、この状態で、第2コイルバネ54と第1収容部材55との境界部に、一周にわたってレーザ溶接を行うことで、第6構造体が得られる。
(第7構造体の組立)
次に、上述した第5構造体の先端外部筐体31に、後端側から、第2コイルバネ54を先端側として第6構造体を挿入(圧入)する。このとき、第2収容部材56における第2後端段差部565の先端側の面が、第3絶縁部材60における円環状の部位の後端側の面に突き当たる。また、このとき、第2収容部材56における第2中間部562の外周面が、第3絶縁部材60における円筒状部の部位の内周面と対峙する。以上の手順により、第5構造体と第6構造体とを有する第7構造体が得られる。
(第8構造体の組立)
次に、上述した第4構造体に対し、後端側から、先端外部筐体31を先端側として第7構造体を挿入する。このとき、先端外部筐体31における先端側の面が、ダイアフラムヘッド32における裏面環状平坦部32eの後端側の面に突き当たる。また、このとき、第4構造体におけるダイアフラムヘッド32以外の各構成要素は、先端外部筐体31の内部に収容される。また、このとき、第4構造体に設けられた加圧部材49の後端側の面に、第7構造体に設けられた第2コイルバネ54の先端側が突き当たる。これに伴い、第2コイルバネ54は、中心線方向に圧縮される。さらに、このとき、第4構造体における第1内部筐体35および第2内部筐体36の外周面は、エアギャップを介して、先端外部筐体31の内周面と対峙する。さらにまた、このとき、ダイアフラムヘッド32は、圧力受面32aおよび表面中央凹部32bを外側に向けた状態で、先端外部筐体31とともに外部に露出する。そして、この状態で、先端外部筐体31とダイアフラムヘッド32との境界部に、一周にわたってレーザ溶接を行うことで、第8構造体が得られる。
(第9構造体の組立)
また、上述した第1構造体乃至第8構造体の組立とは別工程にて、保持部材48内に、後端側から、先端棒状部471を先端側として伝導部材47を挿入(圧入)する。このとき、伝導部材47における先端棒状部471および中間棒状部472と、後端棒状部473の先端側とが、保持部材48の先端側に飛び出すようにする。これにより、伝導部材47における後端棒状部473の後端側は、保持部材48の内周面と対峙する。
それから、第1コイルバネ46に、後端側から、伝導部材47における先端棒状部471を先端側として伝導部材47および保持部材の一体化物を挿入する。このとき、伝導部材47における先端棒状部471は、第1コイルバネ46の後端側の内部に収容され、伝導部材47における先端棒状部471および中間棒状部472の境界となる面に、第1コイルバネ46の後端が突き当たる。そして、この状態で、第1コイルバネ46と伝導部材47との境界部に、一周にわたってレーザ溶接を施すことで、第9構造体が得られる。
(第10構造体の組立)
さらに、上述した第9構造体の組立とは別工程にて、回路基板91と、入力信号板93、入力接地板94、受電板95、出力信号板96および出力接地板97(図10には、「各種板93~97」と記載)とを、封止部92を用いて封止(ここではトランスファモールド)することで、第10構造体(回路内蔵部材57)を得る。
(第11構造体の組立)
次に、上述した第9構造体の保持部材48の後端側に設けられた凹部に対し、後端側から、第10構造体(回路内蔵部材57)をはめ込むことで、第11構造体が得られる。このとき、伝導部材47における後端棒状部473の後端には、回路内蔵部材57の先端側に設けられた入力信号板93が接触し且つ接続される。
(第12構造体の組立)
次に、上述した第8構造体の支持部材53に対し、後端側から、第1コイルバネ46を先端側として第11構造体を挿入する。このとき、第1コイルバネ46の先端は、後端絶縁部材45に設けられた貫通孔を介して、後端電極部材44における後端側の面に突き当たる。これに伴い、第1コイルバネ46は中心線方向に圧縮される。また、このとき、伝導部材47および保持部材48の先端側は、支持部材53の内部に収容され、これらの後端側は、第1収容部材55および第2収容部材56の内部に収容される。さらに、このとき、第10構造体(回路内蔵部材57)は、第2収容部材56の内部に収容され、第10構造体(回路内蔵部材57)の外周面に設けられた入力接地板94は、第2収容部材56の内周面に対峙し且つ接触する。ここで、本実施の形態では、第8構造体に第11構造体を挿入した状態で、第2収容部材56に設けられた丸穴566に、第10構造体(回路内蔵部材57)に設けられた入力接地板94を対峙させるようにする。換言すれば、外側からみたときに、第2収容部材56に設けられた丸穴566に第10構造体(回路内蔵部材57)に設けられた入力接地板94が見える状態とする。そして、この状態で、丸穴566の形成部位にて、丸穴566を介して、第2収容部材56の第2後端部563(より具体的には、丸穴566の内周面)と、入力接地板94とをはんだ付けすることで、第12構造体が得られる。
(第13構造体の組立)
次に、第12構造体に、後端側から、接続部材58を挿入する。このとき、接続部材58には、第10構造体(回路内蔵部材57)の後端側に設けられた受電板95、出力信号板96および出力接地板97が接触し且つ接続される。
続いて、接続部材58が取り付けられた第12構造体に、後端側から、接続ケーブル80を接続する。このとき、接続部材58の後端側には、接続ケーブル80を構成する電源線81、信号線82および接地線83のそれぞれが挿入される。これにより、受電板95は、接続部材58を介して電源線81と接続され、出力信号板96は、接続部材58を介して信号線82と接続され、出力接地板97は、接続部材58を介して接地線83と接続される。以上の手順により、第12構造体と接続部材58と接続ケーブル80とを有する第13構造体が得られる。
(第14構造体の組立)
また、上述した第1構造体乃至第13構造体の組立とは別工程にて、中間外部筐体33に、後端側から、後端外部筐体34を挿入する。このとき、中間外部筐体33の後端側と後端外部筐体34の先端側とが、はめ合うようにする。そして、この状態で、中間外部筐体33と後端外部筐体34との境界部に、一周にわたってレーザ溶接を行うことで、第14構造体が得られる。
(第15構造体の組立)
次に、上述した第13構造体に、後端側から、第14構造体を挿入する。このとき、先端外部筐体31の後端側と中間外部筐体33の先端側とが、はめ合うようにする。また、このとき、第14構造体の内部に、電源線81、信号線82および接地線83を貫通させるようにする。
続いて、第13構造体と第14構造体との連結体に対し、後端側から、閉塞部材59を挿入する。このとき、閉塞部材59に設けられた3つの貫通孔に対し、電源線81、信号線82および接地線83を、それぞれ貫通させるようにする。また、このとき、閉塞部材59の先端側(ほぼ全域)は、後端外部筐体34の後端部の内部に押し込まれ、固定される。そして、この状態で、先端外部筐体31と中間外部筐体33との境界部に、一周にわたってレーザ溶接を施すことで、第15構造体が得られる。
(第16構造体の組立)
次に、第15構造体に、先端側から、第2シール部材72を挿入する。このとき、第2シール部材72は、後端外部筐体34の外周面に設けられた段差部に突き当たって位置決めされる。
続いて、第2シール部材72が取り付けられた第15構造体に、先端側から、第1シール部材71を挿入する。このとき、第1シール部材71は、先端外部筐体31の外周面に設けられた段差部に突き当たって位置決めされる。以上の手順により、第15構造体とシール部70(第1シール部材71および第2シール部材72)とを有する第16構造体(圧力検出装置20および接続ケーブル80の接続体)が得られる。
[第2構造体]
では次に、上述した圧力検出装置20の製造手順のうちの第2構造体の製造手順について、より具体的な説明を行う。
(セッチング装置)
図11は、第2構造体の製造に用いられる、セッチング装置600の概略構成を説明するための図である。なお、本実施の形態では、図11に示すセッチング装置600が、第2構造体を構成するダイアフラムヘッド32および加圧部材49の両者に対するセッチングを行う。そして、第2構造体における第1内部筐体35および第2内部筐体36の溶接は、セッチング装置600とは異なる装置(図示しないレーザ溶接装置)を用いて行われる。
図11に示すセッチング装置600は、セッチングの対象物(例えば第2構造体)を積載可能な台座610と、台座610の上方に配置され、上下方向に移動自在に設けられたピストン620とを備えている。また、セッチング装置600は、台座610のうち、ピストン620の下側端部と対向する部位に設けられた貫通孔を貫通して設けられ、上下方向に移動自在に設けられた変位検知針630を備えている。なお、この変位検知針630には、図示しないばねが取り付けられており、初期状態において、変位検知針630の上方の端部が、台座610の積載面よりも上方に突出した状態で静止するように位置決めが行われている。なお、変位検知針630の位置決めは、ばねに代えて空気圧で行う構成としてもかまわない。そして、セッチング装置600は、変位検知針630による検知結果に基づき、ピストン620の動作を制御する動作制御部640を備えている。
ここで、セッチング装置600で用いられる台座610およびピストン620は、ダイアフラムヘッド32および加圧部材49よりも剛性が高い材料(例えば工具鋼)で構成されている。
図12は、図11に示すセッチング装置600で用いられるピストン620の構成を説明するための図である。ここで、図12(a)はピストン620の斜視図であり、図12(b)は図12(a)のXIIB-XIIB断面図である。なお、図12(a)においては、図中左下側が図11における下方側に対応しており、図中右上側が図11における上方側に対応している。また、図12(a)においては、図中左下側が第2構造体における先端側に対応しており、図中右上側が第2構造体における後端側に対応している。
ピストン620は、略円柱状を呈するピストン本体621と、ピストン本体621の長手方向に沿ってその内部を貫通して設けられた穿孔622とを有している。また、ピストン620は、ピストン本体621の先端側に略平面となるように設けられるとともにその中央部には穿孔622の一端が形成された先端面623と、ピストン本体621の側部に設けられた側面624と、先端面623と側面624との境界部に設けられた傾斜面625とを有している。
ここで、ピストン620のうち、側面624が設けられる部位の外径は、加圧部材49における筒部49a(図5参照)の内径よりもわずかに小さくなっている。また、ピストン620のうち、先端面623が設けられる部位の外径は、先端絶縁部材43(図4参照)の外径よりも大きく、且つ、加圧部材49における筒部49aの内径よりも小さくなっている。さらに、先端面623に設けられた穿孔622の内径は、先端絶縁部材43の外径よりも小さくなっている。
(第2構造体の製造手順)
図13は、第2構造体の製造手順を示すフローチャートである。なお、この例では、第1構造体(ダイアフラムヘッド32および第1内部筐体35)、加圧部材49、第1絶縁部材51、第2絶縁部材52および第2内部筐体36を含む第2構造体を製造するに際して、後に第4構造体を構成する先端絶縁部材43を、製造用の部品として利用している。
図14は、後述するステップ10の「仮組立工程」で用いられる第1構造体の構成を示す断面図である。図15は、後述するステップ10の「仮組立工程」を説明するための断面図である。図16は、後述するステップ20の「設置工程」を説明するための図である。図17は、後述するステップ30の「挿入工程」を説明するための図である。図18は、後述するステップ40の「加圧工程」を説明するための図である。図19は、後述するステップ50の「引抜工程」を説明するための図である。図20は、後述するステップ60の「取外工程」およびステップ70の「溶接工程」を経て得られた、第2構造体の構成を示す断面図である。以下では、図13を基本としつつ、適宜図14~図20を参照しながら、第2構造体の製造手順に関する説明を行う。
〔仮組立工程〕
まず、第2構造体の基本となる第1構造体は、図14に示すように、相対的に先端側(図中では下側)に位置するダイアフラムヘッド32と、相対的に後端側(図中では上側)に位置する第1内部筐体35と、これらダイアフラムヘッド32と第1内部筐体35とを、外周面の一周にわたって溶接(レーザ溶接)してなる第1溶接部W1とを有している。
そして、最初に、上述した第1構造体を含む第2構造体の各構成部材と、第4構造体を構成する先端絶縁部材43とを、仮組み立てする仮組立工程を実行する(ステップ10、図15参照)。
ステップ10では、まず、上記第1構造体を、自身の後端側(第1内部筐体35側)が上方を向くように仮置きする。次に、第1構造体の上方すなわち後端側から、第1絶縁部材51、加圧部材49、第2絶縁部材52および第2内部筐体36を、この順で挿入する。これにより、第2構造体が仮組みされた状態となる。続いて、仮組みされた第2構造体に対し、第1構造体の上方すなわち後端側から、先端絶縁部材43を挿入する。このとき、先端絶縁部材43が、加圧部材49の延出部49bに設けられた開口部にはまり込むようにし、且つ、この先端絶縁部材43の先端側の面が、ダイアフラムヘッド32における裏面中央凸部32dの後端側の面に突き当たるようにする。
なお、以下では、ステップ10で得られた、第2構造体の各構成部材および先端絶縁部材43を仮組み立てしたものを、仮組立体と称する。
〔設置工程〕
次に、ステップ10で得られた仮組立体を、セッチング装置600の台座610の上に設置する設置工程を実行する(ステップ20、図16参照)。
ステップ20では、セッチング装置600の台座610の上に、上記仮組立体を積載する。具体的に説明すると、仮組立体のダイアフラムヘッド32に設けられた表面中央凹部32bが、台座610の上面から上方に突出する変位検知針630に接触するように、台座610上に仮組立体を積載する。このとき、仮組立体における後端側は、鉛直上方を向くことになる。そして、台座610に仮設置された仮組立体は、図示しない治具によって台座610上に固定される。
なお、ここでは、セッチング装置600の外部で仮組立体を組み立てたのち、得られた仮組立体をセッチング装置600の台座610の上に設置しているが、これに限られるものではなく、セッチング装置600の台座610の上で、仮組立体を組み立ててもよい。また、本実施の形態では、ステップ10の仮組立工程およびステップ20の設置工程が、配置工程に対応している。
〔挿入工程〕
続いて、台座610の上に設置された上記仮組立体に対し、ピストン620を挿入する挿入工程を実行する(ステップ30、図17参照)。
ステップ30では、まず、動作制御部640が、台座610に仮設置された仮組立体の後端側に、ピストン620を配置させる。より具体的に説明すると、動作制御部640は、台座610から突出する変位検知針630の鉛直上方であって、仮組立体の後端側端部よりも上側となる位置に、ピストン620の先端面623が位置するように、ピストン620を移動させる。そして、この状態で、動作制御部640は、ピストン620を鉛直下方に向けて移動させることにより、台座610に設置された仮組立体の後端部側からその内部へと、ピストン620を挿入させる。このとき、動作制御部640は、ピストン620の先端面623が、加圧部材49における延出部49bの後端側の面(第4段差部498)に接触するまで、ピストン620を挿入していく。
本実施の形態の場合、ピストン620の先端面623は、先に加圧部材49に接触し、加圧部材49に接触してからさらに先端絶縁部材43に接触するようになっている。そして、本実施の形態では、この順番でピストン620が接触していくように、加圧部材49の初期寸法および初期形状(セッチング前の状態)が定められている。
なお、このようにして、仮組立体の内部にピストン620を挿入していくことに伴い、仮組立体の内部(より具体的には加圧部材49の内側)に存在していた空気は、例えばピストン620に設けられた穿孔622を介して、仮組立体の外部へと排出される。
〔加圧工程〕
次いで、台座610とピストン620とを用いて、上記仮組立体を加圧する加圧工程を実行する(ステップ40、図18参照)。
ステップ40では、まず、動作制御部640が、ピストン620に対し、予め決められた大きさの力を加えるための制御を行う。これに伴い、まず、加圧部材49には、ピストン620と、台座610、ダイアフラムヘッド32、第1内部筐体35および第1絶縁部材51とを介した加圧が行われる。また、加圧部材49が加圧された後、加圧部材49に続いて、ダイアフラムヘッド32には、ピストン620および先端絶縁部材43と、台座610とを介した加圧が行われる。すなわち、この例では、仮組立体に対して、ピストン620および台座610を用いた加圧を行うことに伴い、先に加圧部材49がセッチングされ、後からダイアフラムヘッド32がセッチングされるようになっている。
このとき、加圧部材49では、厚さが最も小さい(薄い)部位である第1筒状部491(図5参照)に、加えられた力が集中することによって、この部位で塑性変形が生じる。そして、この部位が塑性変形することにより、加圧部材49にはセッチングが施されることになる。なお、加圧部材49における第1筒状部491は、上述したように、加圧部材49が圧電素子41に予加重を付与する際に、ばねとして機能する部位となっている。
これに対し、ダイアフラムヘッド32では、厚さが最も小さい(薄い)部位である裏面環状凹部32cの近傍に、加えられた力が集中することによって、この部位で塑性変形が生じる。そして、この部位が塑性変形することにより、ダイアフラムヘッド32にはセッチングが施されることになる。なお、ダイアフラムヘッド32のうち裏面環状凹部32cの近傍となる部位は、上述したように、ダイアフラムヘッド32が圧力検知を行う際に、ばねとして機能する部位となっている。
ステップ40の加圧工程では、ピストン620の先端面623と、加圧部材49における延出部49bの後端側の面および先端絶縁部材43の後端側の面とが接触することになる。そして、この例では、ピストン620の先端面の面積と、加圧部材49に挿入され加圧部材49の延出部49bの後端側と接触する先端電極部材42の先端側の面積とが略等しくなるよう、ピストン620の先端面623の形状が定められている。
このようにして、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32の両者が塑性変形する(セッチングされる)と、ダイアフラムヘッド32の圧力受面32aのうち、裏面環状凹部32cよりも中央部側に位置する表面中央凹部32bは、塑性変形が生じる前よりも先端側へと突出する。すると、これに伴い、ダイアフラムヘッド32の表面中央凹部32bに接触する変位検知針630は、ダイアフラムヘッド32によって押し込まれることになり、台座610に対し沈み込む側(図中において下側)へと移動する。そして、動作制御部640は、変位検知針630の移動量が予め定められた閾値に到達すると、ピストン620を用いた加圧を停止させる。このとき、かかる力の大きさは、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32の両者の降伏荷重の大きさに基づいて定められる。なお、かかる力の大きさは、通常、対象となる部材の降伏荷重の1.1倍程度である。
ここで、ステップ40の加圧工程において、先に加圧部材49をセッチングし、これに続いてダイアフラムヘッド32をセッチングしているのは、次の理由による。本実施の形態の場合、加圧部材49(実際には第1筒状部491)の剛性は、ダイアフラムヘッド32(実際には裏面環状凹部32cの周辺)の剛性よりも高くなっている。このため、加圧部材49をセッチングするのに必要な力は、ダイアフラムヘッド32をセッチングするのに必要な力よりも大きい(この詳細については後述する)。したがって、加圧部材49よりも先にダイアフラムヘッド32がセッチングされるような構成を採用した場合、加圧部材49を必要なだけセッチングした状態では、ダイアフラムヘッド32が必要以上にセッチングされることになってしまう。このため、本実施の形態では、1工程(ステップ40の加圧工程)内において、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32の順でセッチングを行うこととしている。
なお、本実施の形態の加圧工程では、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32をセッチングすること以外に、接触する2つの部材(例えば、第1内部筐体35-第1絶縁部材51、第1絶縁部材51-加圧部材49)の接触部位に存在する、各部材の表面の微小な凹凸を潰す、という処理も行っている。また、本実施の形態では、ステップ40の加圧工程が、セッチング工程およびダブルセッチング工程の両者に対応している。
〔引抜工程〕
次に、台座610上に設置された仮組立体(加圧部材49およびダイアフラムヘッド32の両者がセッチングされたもの)から、ピストン620を引き抜く引抜工程を実行する(ステップ50、図19参照)。
ステップ50では、まず、動作制御部640が、ピストン620を、ステップ30の挿入工程とは逆方向(鉛直上方)に移動させる。これに伴い、ピストン620の先端面623は、先端絶縁部材43の後端側の面と加圧部材49における延出部49bの後端側の面とから離れる。
また、ステップ50では、ピストン620を鉛直上方に移動させる前から、動作制御部640が、図示しないコンプレッサを用いて、外部からピストン620の穿孔622に空気を送り込ませる。これに伴い、仮組立体の内部(より具体的には加圧部材49の内側)には、ピストン620に設けられた穿孔622を介して、外部から空気が導入される。これにより、仮組立体において、加圧部材49の内側に存在し、ステップ40の加圧工程でピストン620の先端面623に密着していた先端絶縁部材43が、ピストン620にくっついたまま上方へと移動する、という事態を生じにくくしている。換言すれば、先端絶縁部材43は、ピストン620が鉛直上方へと移動しても、ダイアフラムヘッド32の裏面中央凸部32dの上に積載されたままの状態を維持できるようになっている。
そして、動作制御部640は、ピストン620の先端面623が集合体の後端から抜けた後、ピストン620の鉛直上方への移動を停止させ、且つ、コンプレッサを用いた空気の送り込みを停止させる。
〔取外工程〕
続いて、セッチング装置600から集合体を取り外す取外工程を実行する(ステップ60)。
ステップ60では、セッチング装置600の台座610から、図示しない治具を用いて固定されていた仮組立体(加圧部材49およびダイアフラムヘッド32の両者がセッチングされたもの)を取り外す。このとき、この仮組立体は、上述したように、第2構造体の構成部材に加えて、先端絶縁部材43を備えたものとなっている。
〔溶接工程〕
最後に、セッチング装置600から取り外された仮組立体(加圧部材49およびダイアフラムヘッド32の両者がセッチングされたもの)に対し、溶接を行うことで第2構造体を得る溶接工程を実行する(ステップ70、図20参照)。
ステップ70では、上記仮組立体を、図示しないレーザ溶接装置に設置する。そして、上記仮組立体のうちの、第1内部筐体35および第2内部筐体36の境界部に、外周面の一周にわたってレーザ溶接を施すことで、第2溶接部W2を形成する。このようにして第2溶接部W2を形成することにより、上記仮組立体は、第1溶接部W1を介してダイアフラムヘッド32および第1内部筐体35を一体化した第1構造体と、第1絶縁部材51と、加圧部材49と、第2絶縁部材52と、第1内部筐体35とを一体化してなる、第2構造体となる。
ただし、この例では、このようにして得られた第2構造体の内部に、セッチングで使用した先端絶縁部材43が取り付けられたままとなっている。この先端絶縁部材43については、後の第4構造体の製造でそのまま使用してもよいし、一旦第2構造体から取り外すようにしてもかまわない。ただし、先端絶縁部材43にある程度の寸法公差が許容されていることを考慮すると、得られた第2構造体から先端絶縁部材43を取り外すことなく、そのまま後の第4構造体の製造に流用することが望ましい。
[第4構造体]
では、上述した第2構造体(図20参照)と、上述した第3構造体(圧電モジュール400:図9参照)とを含む、第4構造体について説明を行う。
図21は、第4構造体の構成を示す断面図である。
この第4構造体は、第2構造体と、第2構造体の後端側から第2構造体の内部に挿入されてなる先端絶縁部材43と、第2構造体の後端側から第2構造体の内部且つ先端絶縁部材43の後端側に挿入されてなる第3構造体(圧電モジュール400)と、第2構造体の後端側から第2構造体の内部且つ第3構造体の後端側に挿入されてなる支持部材53とを備えている。また、第4構造体は、支持部材53と、第2構造体を構成する加圧部材49とが、外周面の一周にわたってレーザ溶接されることで形成された第3溶接部W3により一体化している。
本実施の形態では、第4構造体を製造するに際して、既に先端絶縁部材43が仮取り付けされた第2構造体に対し、第3構造体すなわち圧電素子41を含む圧電モジュール400と、支持部材53とを、この順に挿入する。そして、第2構造体の先端側と、支持部材53の後端側との間に、予め定められた力を加えることで、圧電モジュール400に設けられた圧電素子41に所定の予荷重を付与する。なお、このときに加えられる力の大きさは、上記第2構造体の製造手順において、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32の両者をセッチングするために加えた力よりも小さくてよく、得られた圧力検出装置20において、圧電素子41にがたつきが生じない程度の大きさで十分である。そして、このようにして圧電素子41に予荷重を付与した状態で、支持部材53と加圧部材49とをレーザ溶接して第3溶接部W3を形成することで、第1構造体を含む第2構造体、第3構造体(圧電モジュール400)、先端絶縁部材43および支持部材53を一体化してなる、第4構造体が得られる。
このようにして得られた第4構造体では、ダイアフラムヘッド32および加圧部材49の両者にセッチングが施されており、また、セッチングが施された加圧部材49等を介して、圧電素子41に所望とする予荷重が付与されていることになる。なお、本実施の形態では、第2構造体等を用いて第4構造体を製造する手順が、付与工程、固定工程および位置決め工程の三者に対応している。
[セッチングについて]
ここで、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32のセッチングについて、具体例を挙げて説明を行っておく。
(加圧部材単体でのセッチング)
図22(a)は、本実施の形態で用いた加圧部材49を単体でセッチングしたときの、加圧部材49の変位量とかかる荷重との関係を示すグラフ図である。図22(a)において、横軸は加圧部材49の中心線方向の変位量(μm)であり、縦軸は加圧部材49にかかる荷重(N)である。また、図22(a)には、加圧部材49のセッチング前の特性とセッチング後の特性とを併せて示している。
図22(a)から明らかなように、この例において、加圧部材49に適切なセッチングを施すためには、加圧部材49の変位量を40(μm)~60(μm)程度にすることが必要であることがわかる。また、このときに加圧部材49にかかる荷重は、およそ400(N)~600(N)程度であることもわかる。
(ダイアフラムヘッド単体でのセッチング)
図22(b)は、本実施の形態で用いたダイアフラムヘッド32を単体でセッチングしたときの、ダイアフラムヘッド32の変位量とかかる荷重との関係を示すグラフ図である。図22(b)において、横軸はダイアフラムヘッド32の中心線方向の変位量(μm)であり、縦軸はダイアフラムヘッド32にかかる荷重(N)である。また、図22(b)には、ダイアフラムヘッド32のセッチング前の特性とセッチング後の特性とを併せて示している。
図22(b)から明らかなように、この例において、ダイアフラムヘッド32に適切なセッチングを施すためには、ダイアフラムヘッド32の変位量を40(μm)~60(μm)程度にすることが必要であることがわかる。また、このときにダイアフラムヘッド32にかかる荷重は、およそ100(N)~150(N)程度であることもわかる。
したがって、図22(a)および図22(b)から、加圧部材49をセッチングするために必要な力は、ダイアフラムヘッド32をセッチングするために必要な力よりも大きいことがわかる。より具体的に説明すると、加圧部材49をセッチングするために必要な力は、ダイアフラムヘッド32をセッチングするために必要な力の4倍程度となっていることがわかる。このため、本実施の形態では、上述したステップ40の加圧工程(図13参照)において、先に加圧部材49をセッチングし、後からダイアフラムヘッド32をセッチングするようにしている。
(加圧部材およびダイアフラムヘッドの両者をまとめてセッチング)
図23は、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32の両者をまとめてセッチングしたときの、ダイアフラムヘッド32の変位量とかかる荷重との関係を示すグラフ図である。したがって、図23は、本実施の形態で採用した手法を用いてセッチングを行った場合に対応している。図23において、横軸はダイアフラムヘッド32の中心線方向の変位量(μm)であり、縦軸はダイアフラムヘッド32にかかる荷重(N)である。
この例では、図中に座標(A)で示す位置が、セッチングを開始する前(ステップ40の加圧工程の前)の状態に対応している。このとき、変位量は略0(μm)であり、荷重も略0(N)である。
そして、ステップ40の加圧工程が開始され、ピストン620が押し込まれることにより、図中において座標(A)から座標(B)へと位置が移動していく。この間は、ピストン620と加圧部材49とが接触する一方、ピストン620と先端絶縁部材43とはほとんど接触しない状態となっている。そして、この間は、ピストン620によって加圧部材49が押し込まれることに伴い、加圧部材49が塑性変形することにより、加圧部材49がセッチングされる。なお、座標(B)において、加圧部材49にかかる力の大きさは、約580(N)となっており、加圧部材49がセッチングされるのに十分な大きさとなっている(図22(a)も参照)。
ステップ40の加圧工程の途中で、図中に座標(B)に示す位置に到達すると、ピストン620は、加圧部材49に接触するのに加えて、先端絶縁部材43にも接触する状態へと移行する。そして、ステップ40の加圧工程が続行され、ピストン620がさらに押し込まれることにより、図中において座標(B)から座標(C)へと位置が移動していく。この間は、ピストン620と加圧部材49とが接触し、且つ、ピストン620と先端絶縁部材43とが接触する状態となっている。そして、この間は、ピストン620によって先端絶縁部材43が押し込まれることに伴い、先端絶縁部材43を介して押されるダイアフラムヘッド32が塑性変形することにより、ダイアフラムヘッド32がセッチングされる。また、この間、加圧部材49にかかる力の大きさは、座標(B)にあったときより増加し、加圧部材49も塑性変形する。座標(C)において、ダイアフラムヘッド32にかかる力の大きさは、約100(N)以上となっており、ダイアフラムヘッド32がセッチングされるのに十分な大きさとなっている(図22(b)も参照)。なお、図中において座標(C)に到達すると、ステップ40の加圧工程は終了する。
続いて、ステップ50の引抜工程が開始され、ピストン620が引き抜かれることにより、図中において座標(C)から座標(D)へと位置が移動していく。この間は、ピストン620と、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32とが接触しない状態となっている。そして、この間は、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32に対する加圧が解除されることに伴い、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32が、弾性変形によって元の状態に戻ろうとする。ただし、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32が延びきることで最終地点となる座標(D)は、これら加圧部材49およびダイアフラムヘッド32に、セッチングに伴う塑性変形が生じているために、原点である座標(A)とは異なる位置になる。この例では、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32をセッチングしたことに伴い、ダイアフラムヘッド32の中心線方向の位置が5(μm)程度ずれていることがわかる。
[その他]
なお、本実施の形態では、セッチング装置600ではダイアフラムヘッド32および加圧部材49の両者のそれぞれに対するセッチングのみを行い、第1内部筐体35および第2内部筐体36の溶接(第2溶接部W2の形成)は別のレーザ溶接装置で行うようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、セッチング装置600にレーザ溶接ヘッド(図示せず)を設け、ダイアフラムヘッド32および加圧部材49のセッチングと、第1内部筐体35および第2内部筐体36の溶接とを連続的に行ってもかまわない。
また、本実施の形態では、先端絶縁部材43等を設けることにより、正の経路と筐体経路とを電気的に絶縁するようにしていたが、これに限られるものではなく、正の経路と筐体経路とを電気的に接続する構成を採用してもかまわない。
また、本実施の形態では、棒状の圧力検出装置20を例として説明を行ったが、これに限られるものではなく、例えば特許文献2に記載したようなリング状の装置(燃焼圧センサ)に適用してもかまわない。
また、本実施の形態では、筒状を呈する加圧部材49を用い、この加圧部材49の内部に圧電素子41を収容するとともに、加圧部材49、圧電モジュール400の構成要素および支持部材53を用いて、圧電素子41に予荷重を付与するようにしていたが、これに限られるものではない。すなわち、圧電素子41を先端側および後端側から挟み込んで予荷重を付与できる構成であれば、加圧部材49の形状については適宜設計変更して差し支えない。
また、本実施の形態では、ステップ40の加圧工程(図13参照)において、加圧部材49およびダイアフラムヘッド32の両者を、まとめてセッチングするようにしていたが、これに限られるものではない。ステップ40の加圧工程では、少なくとも加圧部材49のセッチングを行えばよい。
また、本実施の形態では、加圧部材49の内部に挿入したピストン620を押し込むことにより、加圧部材49を中心線方向に沿って延伸させて、加圧部材49のセッチングを行うようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、加圧部材49の先端側および後端側をそれぞれクランプで把持し、各クランプを中心線方向に沿って離れる方向にそれぞれ引っ張ることにより、加圧部材49を中心線方向に沿って延伸させて、加圧部材49のセッチングを行うようにしてもかまわない。
1…圧力検出システム、10…内燃機関、20…圧力検出装置、30…筐体部、31…先端外部筐体、32…ダイアフラムヘッド、33…中間外部筐体、34…後端外部筐体、35…第1内部筐体、36…第2内部筐体、40…検出機構部、41…圧電素子、42…先端電極部材、43…先端絶縁部材、44…後端電極部材、45…後端絶縁部材、46…第1コイルバネ、47…伝導部材、48…保持部材、49…加圧部材、50…絶縁チューブ、51…第1絶縁部材、52…第2絶縁部材、53…支持部材、54…第2コイルバネ、55…第1収容部材、56…第2収容部材、57…回路内蔵部材、58…接続部材、59…閉塞部材、60…第3絶縁部材、70…シール部、80…接続ケーブル、100…制御装置、400…圧電モジュール、600…セッチング装置、610…台座、620…ピストン、630…変位検知針、640…動作制御部

Claims (9)

  1. 一端側から他端側に向かう軸方向に沿って延びる加圧部材に対し、当該加圧部材を伸長させる力を加えることで、当該加圧部材を塑性変形させるセッチングを行うセッチング工程と、
    外部から受けた圧力に応じた電気信号を出力する圧電素子を、前記加圧部材を用いて前記一端側と前記他端側とから挟み込むことで、当該圧電素子に予荷重を付与する付与工程と
    を含む圧力検出装置の製造方法。
  2. 前記加圧部材は、前記軸方向に沿って貫通孔が設けられることで筒状を呈しており、
    前記付与工程では、前記圧電素子を、前記加圧部材における前記貫通孔の内部に収容した状態で、当該加圧部材を用いて前記一端側と前記他端側とから挟み込むこと
    を特徴とする請求項1記載の圧力検出装置の製造方法。
  3. 前記付与工程では、前記圧電素子の前記一端側を、前記加圧部材の内周面に突き当てるとともに、当該圧電素子の前記他端側を突当部材に突き当てるようにし、
    前記付与工程の後に、前記圧電素子に予荷重を付与した状態で前記加圧部材および前記突当部材を固定する固定工程と
    をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の圧力検出装置の製造方法。
  4. 前記セッチング工程では、前記加圧部材とともに、当該加圧部材の前記一端側に配置され、前記圧電素子に伝達する圧力を外部から受ける受圧部材をセッチングすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の圧力検出装置の製造方法。
  5. 前記圧電素子は、無機単結晶からなる圧電体を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の圧力検出装置の製造方法。
  6. 前記圧電体は、ランガサイト系単結晶であることを特徴とする請求項5記載の圧力検出装置の製造方法。
  7. 一端側から他端側に向かう軸方向に沿って延びる加圧部材を配置するとともに、当該加圧部材の当該一端側に、外部から圧力を受ける受圧部材を配置する配置工程と、
    前記加圧部材および前記受圧部材を、前記他端側から前記一端側に向かって押すことで、当該加圧部材および当該受圧部材の両者をセッチングするダブルセッチング工程と、
    外部から受けた圧力に応じた電気信号を出力する圧電素子を、前記加圧部材を用いて前記一端側と前記他端側とから挟み込むことで、当該圧電素子に予荷重を付与するとともに、前記受圧部材と当該圧電素子とを、直接または他の部材を介して間接的に接触させることで、当該圧電素子を位置決めする位置決め工程と
    を含む圧力検出装置の製造方法。
  8. 前記ダブルセッチング工程では、先に前記加圧部材をセッチングし、当該加圧部材に続いて前記受圧部材をセッチングすることを特徴とする請求項7記載の圧力検出装置の製造方法。
  9. 前記加圧部材および前記受圧部材が、同じ材料で構成されていることを特徴とする請求項7または8記載の圧力検出装置の製造方法。
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