JP2013174552A - 圧力検出装置の製造方法、圧力検出装置 - Google Patents

圧力検出装置の製造方法、圧力検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電素子に作用する予荷重を精度高く所定値となるようにすることができる技術を提供する。
【解決手段】筒状のハウジングと、ハウジングの先端側に設けられるダイアフラムヘッド40と、ハウジング内の軸方向であってダイアフラムヘッド40の後端側に配置され、ダイアフラムヘッド40を介して作用する圧力を検出する圧電素子10と、を備えた圧力検出装置の製造方法であって、圧電素子10、圧電素子10を加圧する支持部材を順に挿入する工程と、圧電素子10をハウジングの軸方向に向けて加圧して圧電素子10に荷重を作用させる工程と、圧電素子10に荷重を作用させた状態で荷重の作用に関わる部材同士を固定する工程と、部材同士を固定した後にダイアフラムヘッド40の中央部を歪ませることで圧電素子に作用する荷重を小さくする工程と、を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、圧力検出装置の製造方法、圧力検出装置に関する。
従来、圧電素子と受圧用のダイアフラムとを備える圧力検出装置における圧電素子に対して予め与える荷重である予荷重を高精度に設定する製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、以下の圧力検出装置の製造方法が記載されている。すなわち、印加された圧力に応じた電気信号を出力するセンシング部としての検出素子を有する第1の部材と、受圧用ダイアフラムを有する第2の部材との間に、圧力伝達部材を介在させ、第1の部材と第2の部材とを接合してなる圧力検出装置の製造方法において、受圧用ダイアフラムから検出素子へ与えられる荷重を、検出素子からの電気信号としてモニターし、このモニターされた電気信号に基づいて前記荷重を決める。つまり、この製造方法においては、受圧用ダイアフラムから検出素子へ与えられる荷重を、検出素子からの電気信号としてモニターし、このモニターされた電気信号に基づいて決めることができる。そして、この決められた荷重を与えた状態で、第1の部材と第2の部材との溶接を行う。
特開2006−208043号公報
圧電素子(検出素子)に作用している予荷重が所定値である状態で、この圧電素子を収納するハウジングと、圧電素子を加圧する部材とを固定するべく溶接するとしても、その溶接処理によっては、溶接終了後の予荷重が所定値からずれてしまうおそれがある。溶接処理の際に、ハウジングまたは圧電素子を加圧する部材の体積が増加または減少する可能性があるからである。
本発明は、圧電素子に作用する予荷重を精度高く所定値となるようにすることができる圧力検出装置の製造方法、および圧力検出装置を提案することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、筒状のハウジングと、当該ハウジングの先端側に設けられるダイアフラムと、当該ハウジング内の軸方向であって当該ダイアフラムの後端側に配置され、当該ダイアフラムを介して作用する圧力を検出する圧電素子と、を備えた圧力検出装置の製造方法であって、前記圧電素子、当該圧電素子を加圧する加圧部材を順に挿入する工程と、前記圧電素子を前記ハウジングの軸方向に向けて加圧して当該圧電素子に荷重を作用させる工程と、前記圧電素子に前記荷重を作用させた状態で当該荷重の作用に関わる部材同士を固定する工程と、前記部材同士を固定した後に前記ダイアフラムの中央部を歪ませることで前記圧電素子に作用する荷重を小さくする工程と、を有することを特徴とする圧力検出装置の製造方法である。
ここで、前記ダイアフラムの中央部を歪ませる工程は、前記ダイアフラムの中央部を加熱することで当該ダイアフラムの中央部を熱収縮させるとよい。これにより、ハウジングと加圧部材とを固定した後であってもダイアフラムの中央部を歪ませることができる。
また、前記ダイアフラムの中央部を歪ませる工程は、前記ダイアフラムの中央部に対して、先端側からレーザビームを照射するとよい。これにより、ハウジングと加圧部材とを固定した後でも、簡便にダイアフラムの中央部を歪ませることができる。
また、前記部材同士を固定した後に前記ハウジングの側部を歪ませることで前記圧電素子に作用する荷重を大きくする工程を更に有するとよい。
また、前記部材同士を固定する工程の後、前記圧電素子に作用する前記荷重が所定値よりも小さい場合に、前記ハウジングの側部を歪ませることで当該圧電素子に作用する荷重を大きくする工程を行い、その結果、当該圧電素子に作用する荷重が当該所定値よりも大きくなった場合に、前記ダイアフラムの中央部を歪ませるとよい。これにより、予荷重を大きくするための処理を施した結果、所定値よりも大きくなり過ぎた場合でも予荷重を所定値にすることが可能となる。
また、他の観点から捉えると、本発明は、筒状のハウジングと、前記ハウジングの先端側に設けられるダイアフラムと、前記ハウジング内の軸方向であって前記ダイアフラムの後端側に配置され、当該ダイアフラムを介して作用する圧力を検出する圧電素子と、を備え、前記ダイアフラムは、中央部に、前記圧電素子に作用する荷重を調整する際に形成された調整部を有することを特徴とする圧力検出装置である。
ここで、前記調整部は、先端側から前記ダイアフラムの中央部にレーザビームが照射されることで形成されるとよい。これにより、ハウジングと加圧部材とを固定した後でも、簡便にダイアフラムの中央部を歪ませることができる。
本発明によれば、圧電素子に作用する予荷重を精度高く所定値となるようにすることができる。
実施の形態に係る内燃機関の概略構成図である。 図1のII部の拡大図である。 圧力検出装置の概略構成図である。 図3のIV−IV部の断面図である。 図4のV部の拡大図である。 予荷重増加処理によって形成された増加側熱収縮部を示す図である。 予荷重低下処理によって形成された低下側熱収縮部を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る内燃機関1の概略構成図である。
図2は、図1のII部の拡大図である。
内燃機関1は、シリンダ2aを有するシリンダブロック2と、シリンダ2a内を往復動するピストン3と、シリンダブロック2に締結されてシリンダ2aおよびピストン3などとともに燃焼室Cを形成するシリンダヘッド4と、を備えている。また、内燃機関1は、シリンダヘッド4に装着されて燃焼室C内の圧力を検出する圧力検出装置5と、圧力検出装置5が検出した圧力に基づいて内燃機関1の作動を制御する制御装置6と、圧力検出装置5とシリンダヘッド4との間に介在して燃焼室C内の気密性を保つためのシール部材7と、圧力検出装置5と制御装置6との間で電気信号を伝送する伝送ケーブル8と、を備えている。
シリンダヘッド4には、燃焼室Cと外部とを連通する連通孔4aが形成されている。連通孔4aは、燃焼室C側から、第1の孔部4bと、第1の孔部4bの孔径から徐々に径が拡大している傾斜部4cと、第1の孔部4bの孔径よりも孔径が大きい第2の孔部4dと、を有している。第2の孔部4dを形成する周囲の壁には、圧力検出装置5に形成された後述するハウジング30の雄ねじ332aがねじ込まれる雌ねじ4eが形成されている。
以下に、圧力検出装置5について詳述する。
図3は、圧力検出装置5の概略構成図である。図4は、図3のIV−IV部の断面図である。図5は、図4のV部の拡大図である。
圧力検出装置5は、燃焼室C内の圧力を電気信号に変換する圧電素子10を有するセンサ部100と、センサ部100からの電気信号を処理する信号処理部200と、信号処理部200を保持する保持部材300と、を備えている。この圧力検出装置5をシリンダヘッド4に装着する際には、センサ部100の後述するダイアフラムヘッド40の方から先に、シリンダヘッド4に形成された連通孔4aに挿入していく。以下の説明において、図4の左側を圧力検出装置5の先端側、右側を圧力検出装置5の後端側とする。
先ずは、センサ部100について説明する。
センサ部100は、受けた圧力を電気信号に変換する圧電素子10と、筒状であってその内部に圧電素子10などを収納する円柱状の孔が形成されたハウジング30と、を備えている。以下では、ハウジング30に形成された円柱状の孔の中心線方向を、単に中心線方向と称す。
また、センサ部100は、ハウジング30における先端側の開口部を塞ぐように設けられて、燃焼室C内の圧力が作用するダイアフラムヘッド40と、ダイアフラムヘッド40と圧電素子10との間に設けられた第1の電極部50と、圧電素子10に対して第1の電極部50とは反対側に配置された第2の電極部55と、を備えている。
また、センサ部100は、第2の電極部55を電気的に絶縁するアルミナセラミック製の絶縁リング60と、絶縁リング60よりも後端側に設けられて、信号処理部200の後述する覆い部材23の端部を支持する支持部材65と、第2の電極部55と後述する伝導部材22との間に介在するコイルスプリング70と、を備えている。
圧電素子10は、圧電縦効果の圧電作用を示す圧電体を有している。圧電縦効果とは、圧電体の電荷発生軸と同一方向の応力印加軸に外力を作用させると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生する作用をいう。本実施形態に係る圧電素子10は、中心線方向が応力印加軸の方向となるようにハウジング30内に収納されている。
次に、圧電素子10に圧電横効果を利用した場合を例示する。圧電横効果とは、圧電体の電荷発生軸に対して直交する位置にある応力印加軸に外力を作用させると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生する作用をいう。薄板状に薄く形成した圧電体を複数枚積層して構成しても良く、このように積層することで、圧電体に発生する電荷を効率的に集めてセンサの感度を上げることができる。圧電単結晶としては、圧電縦効果及び圧電横効果を有するランガサイト系結晶(ランガサイト、ランガテイト、ランガナイト、LGTA)や水晶、ガリウムリン酸塩などを使用することを例示することができる。なお、本実施形態の圧電素子10には、圧電体としてランガサイト単結晶を用いている。
ハウジング30は、先端側に設けられた第1のハウジング31と、後端側に設けられた第2のハウジング32と、を有する。
第1のハウジング31は、内部に、先端側から後端側にかけて段階的に径が異なるように形成された円柱状の孔310が形成された薄肉円筒状の部材である。外周面には、中心線方向の中央部に、外周面から突出する突出部315が周方向の全域に渡って設けられている。
孔310は、先端側から後端側にかけて順に形成された、第1の孔311と、第1の孔311の孔径よりも大きな孔径の第2の孔312と、から構成される。突出部315は、先端部に、先端側から後端側にかけて徐々に径が大きくなる傾斜面315aを有し、後端部に、中心線方向に垂直な垂直面315bを有している。
第2のハウジング32は、内部に、先端側から後端側にかけて段階的に径が異なるように形成された円柱状の孔320が形成された筒状の部材であり、外部に、先端側から後端側にかけて段階的に径が異なるように形成された外周面330が設けられている。
孔320は、先端側から後端側にかけて順に形成された、第1の孔321と、第1の孔321の孔径よりも小さな孔径の第2の孔322と、第2の孔322の孔径よりも大きな孔径の第3の孔323と、第3の孔323の孔径よりも大きな孔径の第4の孔324と、第4の孔324の孔径よりも大きな孔径の第5の孔325と、から構成される。
第2のハウジング32における先端部は、第1のハウジング31における後端部にしまりばめで嵌合(圧入)されるように、第1の孔321の孔径は、第1のハウジング31の外周面の径以下となるように設定されている。
外周面330は、先端側から後端側にかけて、第1の外周面331と、第1の外周面331の外径よりも大きな外径の第2の外周面332と、第2の外周面332の外径よりも大きな外径の第3の外周面333と、第3の外周面333の外径よりも大きな外径の第4の外周面334と、第4の外周面334の外径よりも小さな外径の第5の外周面335と、から構成される。第2の外周面332における先端部には、シリンダヘッド4の雌ねじ4eにねじ込まれる雄ねじ332aが形成されている。第3の外周面333には、後述する第1のシール部材71がすきまばめで嵌め込まれ、第3の外周面333の外径と第1のシール部材71の内径との寸法公差は、例えば零から0.2mmとなるように設定される。第4の外周面334における後端部は、周方向に等間隔に6つの面取りを有する正六角柱に形成されている。この正六角柱に形成された部位が、圧力検出装置5をシリンダヘッド4に締め付ける際に、締付用の工具が嵌め込まれ、工具に付与された回転力が伝達される部位となる。第5の外周面335における中心線方向の中央部には、外周面から凹んだ凹部335aが全周に渡って形成されている。
また、第2のハウジング32は、第4の孔324から第5の孔325への移行部分であり、第5の孔325における先端部には、信号処理部200の後述する覆い部材23の基板被覆部232における先端側の端面が突き当たる突当面340が設けられている。突当面340には、後述する信号処理部200のプリント配線基板210の第2の接続ピン21bが差し込まれるピン用凹部340aが形成されている。
第1のハウジング31および第2のハウジング32は、燃焼室Cに近い位置に存在するため、少なくとも、−40〜350〔℃〕の使用温度環境に耐える材料を用いて製作することが望ましい。具体的には、耐熱性の高いステンレス鋼材、例えば、JIS規格のSUS630、SUS316、SUS430等を用いることが望ましい。
ダイアフラムヘッド40は、円筒状の円筒状部41と、円筒状部41の内側に形成された内側部42と、を有している。
円筒状部41における後端部は、ハウジング30の第1のハウジング31における先端部としまりばめで嵌合(圧入)されて、この先端部の内部に入り込む進入部41aと、この先端部における端面31aと同形状に形成され、嵌合された際にこの端面31aが突き当たる突当面41bと、を有している。
内側部42は、円筒状部41における先端側の開口を塞ぐように設けられた円盤状の部材であり、後端側の面における中央部にはこの面から圧電素子10側に突出する突出部42aが設けられている。また、内側部42の、先端側の面における中央部にはこの面から圧電素子10側に凹んだ凹部42bが設けられている。
ダイアフラムヘッド40の材料としては、高温でありかつ高圧となる燃焼室C内に存在するため、弾性が高く、かつ耐久性、耐熱性、耐触性等に優れた合金製であることが望ましく、例えばSUH660であることを例示することができる。
第1の電極部50は、先端側から後端側にかけて段階的に径が異なるように形成された円柱状の部材であり、第1の円柱部51と、第1の円柱部51の外径よりも大きな外径の第2の円柱部52と、から構成される。第1の円柱部51の外径はダイアフラムヘッド40の進入部41aの内径よりも小さく、第2の円柱部52の外径は第1のハウジング31の第1の孔311の孔径と略同じである。そして、第1の円柱部51における先端側の端面がダイアフラムヘッド40の内側部42の突出部42aと、第2の円柱部52における後端側の端面が圧電素子10における先端側の面とに接触するように配置される。第2の円柱部52の外周面が第1のハウジング31の内周面と接触すること、および/または第1の円柱部51における先端側の端面がダイアフラムヘッド40と接触することによって、圧電素子10における先端部は、ハウジング30と電気的に接続される。
第1の電極部50は、燃焼室C内の圧力を圧電素子10に作用させるものであり、圧電素子10側の端面である第2の円柱部52における後端側の端面が圧電素子10の端面の全面を押すことが可能な大きさに形成される。また、第1の電極部50は、ダイアフラムヘッド40から受ける圧力を均等に圧電素子10に作用させることができるように、中心線方向の両端面が平行(中心線方向に直交)かつ平滑面に形成されている。
第1の電極部50の材質としては、ステンレスであることを例示することができる。
第2の電極部55は、円柱状の部材であり、先端側の端面が圧電素子10における後端側の端面に接触し、一方の端部側の端面が絶縁リング60に接触するように配置される。第2の電極部55における後端側の端面には、この端面から後端側に突出する円柱状の突出部55aが設けられている。突出部55aは、端面側の基端部と、この基端部の外径よりも小さな外径の先端部と、を有する。突出部55aの外径は絶縁リング60の内径よりも小さく設定されるとともに、突出部55aの長さは絶縁リング60の幅(中心線方向の長さ)よりも長く設定され、突出部55aの先端が絶縁リング60から露出している。この第2の電極部55は、第1の電極部50との間で圧電素子10に対して一定の荷重を加えるように作用する部材であり、圧電素子10側の端面は、圧電素子10の端面の全面を押すことが可能な大きさに形成されるとともに平行かつ平滑面に形成されている。第2の電極部55の外径は第1のハウジング31の第2の孔312の孔径よりも小さくなるように設定されており、第2の電極部55の外周面と第1のハウジング31の内周面との間には隙間がある。
第2の電極部55の材質としては、ステンレスであることを例示することができる。
絶縁リング60は、アルミナセラミックス等により形成された円筒状の部材であり、内径(中央部の孔径)は、第2の電極部55の突出部55aの基端部の外径よりもやや大きく、外径は、第1のハウジング31の第2の孔312の孔径と略同じに設定されている。第2の電極部55は、突出部55aが絶縁リング60の中央部の孔に挿入されて配置されることで、中心位置と第1のハウジング31の第2の孔312の中心とが同じになるように配置される。
支持部材65は、先端側から後端側にかけて、内部に、径が異なる複数の円柱状の孔650が形成され、外周面が同一の、筒状の部材である。
孔650は、先端側から後端側にかけて順に形成された、第1の孔651と、第1の孔651の孔径よりも大きな孔径の第2の孔652と、第2の孔652の孔径よりも大きな孔径の第3の孔653と、から構成される。第1の孔651の孔径は、第2の電極部55の突出部55aの基端部の外径よりも大きく、この突出部55aが支持部材65の内部まで露出する。第2の孔652の孔径は、後述する信号処理部200の伝導部材22における先端部の外径よりも大きい。第3の孔653の孔径は、後述する信号処理部200の覆い部材23の端部の外径よりも小さく、この覆い部材23が第3の孔653を形成する周囲の壁にしまりばめで嵌合される。これにより、支持部材65は、覆い部材23の端部を支持する部材として機能する。
コイルスプリング70は、内径が、第2の電極部55の突出部55aの先端部の外径以上で基端部の外径より小さく、外径が、後述する伝導部材22の挿入孔22aの径よりも小さい。コイルスプリング70の内側に第2の電極部55の突出部55aの先端部が挿入されるとともに、コイルスプリング70は、後述する伝導部材22の挿入孔22aに挿入される。コイルスプリング70の長さは、第2の電極部55と伝導部材22との間に圧縮した状態で介在することができる長さに設定されている。コイルスプリング70の材質としては、弾性が高く、かつ耐久性、耐熱性、耐触性等に優れた合金を用いるとよい。また、コイルスプリング70の表面に金メッキを施すことで、電気伝導を高めるとよい。
次に、信号処理部200について説明する。
信号処理部200は、センサ部100の圧電素子10から得られる微弱な電荷である電気信号を少なくとも増幅処理する回路基板部21と、圧電素子10に生じた電荷を回路基板部21まで導く棒状の伝導部材22と、これら回路基板部21、伝導部材22などを覆う覆い部材23と、回路基板部21などを密封するOリング24と、を備えている。
回路基板部21は、センサ部100の圧電素子10から得られる微弱な電荷を増幅するための回路を構成する電子部品などが実装されたプリント配線基板210を有する。プリント配線基板210における先端部には、伝導部材22における後端部を電気的に接続するための第1の接続ピン21aと、接地用および位置決め用の第2の接続ピン21bとが半田付けなどにより接続されている。また、プリント配線基板210における後端部には、伝送ケーブル8の先端部のコネクタ8aを介して制御装置6と電気的に接続する第3の接続ピン21cが3つ、半田付けなどにより接続されている。3つの第3の接続ピン21cは、それぞれ、制御装置6からプリント配線基板210への電源電圧およびGND電圧の供給、プリント配線基板210から制御装置6への出力電圧の供給に用いられる。
伝導部材22は、棒状(円柱状)の部材であり、先端部には、第2の電極部55の突出部55aの先端部が挿入される挿入孔22aが形成されている。伝導部材22における後端部は、回路基板部21のプリント配線基板210に、導線を介して電気的に接続される。伝導部材22の材質としては、真鍮及びベリリウム銅等を例示することができる。この場合、加工性およびコストの観点からは、真鍮が望ましい。これに対して、電気伝導性、高温強度、信頼性の観点からは、ベリリウム銅が望ましい。
覆い部材23は、伝導部材22の外周を覆う伝導部材被覆部231と、回路基板部21のプリント配線基板210の側面および下面を覆う基板被覆部232と、プリント配線基板210に接続された第3の接続ピン21cの周囲を覆うとともに伝送ケーブル8の先端部のコネクタ8aが嵌め込まれるコネクタ部233と、を有している。
伝導部材被覆部231は、中心線方向には、伝導部材22における先端部を露出するように覆っており、先端側から後端側にかけて段階的に径が異なるように形成された外周面240が設けられている。外周面240は、先端側から後端側にかけて、第1の外周面241と、第1の外周面241の外径よりも大きな外径の第2の外周面242と、第2の外周面242の外径よりも大きな外径の第3の外周面243と、第3の外周面243の外径よりも大きな外径の第4の外周面244と、から構成される。第1の外周面241の径は、支持部材65の第3の孔653の孔径よりも大きく、伝導部材被覆部231における先端部が、支持部材65の第3の孔653を形成する周囲の壁にしまりばめで嵌合(圧入)される。第2の外周面242の径は、第2のハウジング32の第2の孔322の孔径よりも小さく形成され、第3の外周面243の径は、第2のハウジング32の第3の孔323の孔径よりも小さく形成されている。また、第4の外周面244の径は、第2のハウジング32の第4の孔324の孔径よりも大きく、伝導部材被覆部231における後端部が、第2のハウジング32の第4の孔324を形成する周囲の壁にしまりばめで嵌合(圧入)される。これらにより、伝導部材被覆部231は、少なくとも中心線方向の両端部が、それぞれ支持部材65、第2のハウジング32に接触することで支持されているので、劣悪な振動環境であっても、伝導部材22に与える悪影響を抑制することができ、振動に起因して伝導部材22の接続部の断線や接触不良等を回避することが可能になっている。
基板被覆部232は、基本的には円筒状の部位であり、その側面には、プリント配線基板210を内部に設置するための矩形の開口部232aが設けられている。また、基板被覆部232における後端側には、ハウジング30内およびプリント配線基板210設置部を密封するためのOリング24用のリング溝232bが形成されている。
コネクタ部233は、基板被覆部232における後端側の端面232cから突出し、プリント配線基板210に接続された3つの第3の接続ピン21cの周囲を覆うように形成された薄肉の部位である。コネクタ部233における後端部は開口しており、内部に伝送ケーブル8の先端部に設けられたコネクタ8aを受け入れることが可能になっている。また、コネクタ部233における後端側には、内部と外部とを連通する孔233aが形成されており、伝送ケーブル8のコネクタ8aに設けられたフックがこの孔233aに引っ掛ることで、伝送ケーブル8のコネクタ8aがコネクタ部233から脱落することが抑制される。
以上のように構成された覆い部材23は、樹脂などの絶縁性を有する材料にて成形されている。また、覆い部材23は、伝導部材22、第1の接続ピン21a、第2の接続ピン21bおよび3つの第3の接続ピン21cとともに一体成形されている。より具体的には、覆い部材23は、これら伝導部材22、第1の接続ピン21a、第2の接続ピン21bおよび3つの第3の接続ピン21cをセットした金型に加熱した樹脂が押し込まれることで成形される。
信号処理部200をユニット化するにあたっては、成形された覆い部材23の開口部232aから、回路基板部21のプリント配線基板210を挿入し、基板被覆部232の中央部に設置する。プリント配線基板210を設置する際、板厚方向に貫通されたスルーホールに、第1の接続ピン21a、第2の接続ピン21bおよび3つの第3の接続ピン21cの先端を通し、半田付けする。その後、第1の接続ピン21aと伝導部材22とを導線を用いて接続する。また、覆い部材23の基板被覆部232のリング溝232bにOリング24を装着する。Oリング24は、フッ素系ゴムからなる周知のO状のリングである。
次に、保持部材300について説明する。
保持部材300は、薄肉円筒状の部材であり、後端部に内周面から内側に突出した突出部300aが設けられている。保持部材300は、第2のハウジング32に装着された後、外部から、第5の外周面335に設けられた凹部335aに対応する部位が加圧されることでかしめられる。これにより、保持部材300は、ハウジング30に対して移動し難くなり、信号処理部200がハウジング30に対して移動することを抑制する。
次に、上述した圧力検出装置5における電気的な接続構造について説明する。
先ず、圧電素子10における先端側の端面は、金属製の第1の電極部50およびダイアフラムヘッド40を介して、金属製のハウジング30と電気的に接続される。
これに対し、圧電素子10における後端側の端面は、金属製の第2の電極部55と電気的に接続され、第2の電極部55は、突出部55aを介して金属製のコイルスプリング70と電気的に接続される。また、コイルスプリング70は、金属製の伝導部材22と電気的に接続され、伝導部材22は、プリント配線基板210と電気的に接続される。他方、第2の電極部55の突出部55aの外径は支持部材65の第1の孔651の孔径よりも小さく、伝導部材22における先端部の外径は支持部材65の第2の孔652の孔径よりも小さい。つまり、第2の電極部55、コイルスプリング70および伝導部材22は、支持部材65と電気的に接続されていない。それゆえ、第2の電極部55からコイルスプリング70および伝導部材22を介してプリント配線基板210へと至る電荷信号の伝送経路は、それぞれが絶縁体で構成された、絶縁リング60および覆い部材23によって、金属製のハウジング30と電気的に絶縁される。
以上のように構成された圧力検出装置5をシリンダヘッド4に装着する際には、センサ部100のダイアフラムヘッド40の方から先にシリンダヘッド4に形成された連通孔4aに挿入していき、ハウジング30の第2のハウジング32に形成された雄ねじ332aをシリンダヘッド4の連通孔4aに形成された雌ねじ4eにねじ込む。
圧力検出装置5をシリンダヘッド4に装着することにより、ハウジング30は、金属製のシリンダヘッド4と電気的に接続される。このシリンダヘッド4は、電気的に接地された状態にあるため、圧力検出装置5では、ハウジング30を介して、圧電素子10における先端部が接地される。ここで、この例では、圧電素子10の側面とハウジング30の内壁面とが接触し得る構造になっているが、圧電素子10が絶縁体で構成されていることにより抵抗値が極めて大きいことと、圧力変化に伴って発生する電荷が、圧電素子10における中心線方向の両端部に発生することとにより、特に問題とはならない。
そして、内燃機関1の作動時には、センサ部100のダイアフラムヘッド40の内側部42に燃焼圧が付与する。ダイアフラムヘッド40に付与された燃焼圧が、第1の電極部50と第2の電極部55とによって挟まれた圧電素子10に作用することにより、この圧電素子10に燃焼圧に応じた電荷が生じる。そして、圧電素子10に生じた電荷は、第2の電極部55、コイルスプリング70、伝導部材22を介して回路基板部21に付与される。回路基板部21に付与された電荷は、回路基板部21にて増幅処理がなされた後、その電荷に応じた電圧が、回路基板部21に接続された第3の接続ピン21c、伝送ケーブル8を介して制御装置6に供給される。
次に、シール部材7について説明する。
シール部材7は、シリンダヘッド4における連通孔4aを形成する周囲の壁の圧力検出装置5締め付け方向の端面4fと、圧力検出装置5のハウジング30の第4の外周面334が設けられた円柱状の部位の先端側の端面334aとの間に配置され、シリンダヘッド4と圧力検出装置5との間をシールする第1のシール部材71を有している。また、シール部材7は、シリンダヘッド4の連通孔4aの傾斜部4cと、圧力検出装置5のハウジング30の第1のハウジング31の傾斜面315aとの間に配置され、シリンダヘッド4と圧力検出装置5との間をシールする第2のシール部材72を有している。
第1のシール部材71は、銅、ステンレス、アルミなどの金属板を打ち抜いて成形されたメタルガスケットであることを例示することができる。断面形状はS字状、または略矩形に形成されているとよい。第1のシール部材71は、圧力検出装置5がシリンダヘッド4に締め付けられる際に、締め付け方向の力を受けて、締め付け方向の長さが短くなるように変形し、燃焼室C内の気密性を高める。すなわち、圧力検出装置5がシリンダヘッド4にねじ込まれることで、第1のシール部材71とシリンダヘッド4との間に生じる接触圧力、および第1のシール部材71と圧力検出装置5のハウジング30との間に生じる接触圧力が高まる。これにより、第1のシール部材71とシリンダヘッド4との間、および第1のシール部材71と圧力検出装置5のハウジング30との間から燃焼ガスが漏れることが抑制される。
第2のシール部材72は、材質がフッ素ゴム(FKM)の、断面が円形であるリング状のOリングであることを例示することができる。第2のシール部材72は、圧力検出装置5がシリンダヘッド4に締め付けられる際に、シリンダヘッド4の連通孔4aの傾斜部4cと、ハウジング30の第1のハウジング31の傾斜面315aとにより、締め付け方向とは交差する方向の力を受けて変形し、燃焼室C内の気密性を高める。すなわち、圧力検出装置5がシリンダヘッド4にねじ込まれることで、第2のシール部材72とシリンダヘッド4の連通孔4aの傾斜部4cとの間に生じる接触圧力、および第2のシール部材72とハウジング30の第1のハウジング31の傾斜面315aとの間に生じる接触圧力が高まる。これにより、第2のシール部材72とシリンダヘッド4との間、および第2のシール部材72と圧力検出装置5のハウジング30との間から燃焼ガスが漏れることが抑制される。
次に、圧力検出装置5の製造方法について説明する。
先ず、第1のハウジング31の端面31aとダイアフラムヘッド40の突当面41bとが接触するまで、第1のハウジング31とダイアフラムヘッド40とを嵌合(圧入)する。その後、第1のハウジング31の端面31aとダイアフラムヘッド40の突当面41bとが接触している部位に、中心線方向に交差する方向(例えば中心線方向に直交する方向)からレーザビームを照射して、第1のハウジング31とダイアフラムヘッド40とを溶接(接合)する。
その後、第1のハウジング31における後端側の開口部から、第1の電極部50および圧電素子10を挿入する。その後、第2の電極部55の突出部55aの先端部にコイルスプリング70を装着するとともに、第2の電極部55の突出部55aに絶縁リング60を挿入した状態の物を、第1のハウジング31における後端側の開口部から挿入する。その後、支持部材65を第1のハウジング31における後端側の開口部から挿入する。
その後、圧電素子10の感度および直線性を高めるべく、第1のハウジング31内の圧電素子10に、予め荷重(予荷重)を作用させる。すなわち、支持部材65における後端部に装着した専用治具で、この支持部材65を、後端側から先端側に向けて中心線方向に加圧する。そして、ダイアフラムヘッド40の内側部42における先端側の端面の中心線方向の変位量が、支持部材65を加圧する前から予め定められた量(所定量)となるまで加圧する。そして、ダイアフラムヘッド40の内側部42の先端側の端面が所定量変位したところで、支持部材65と第1のハウジング31とを固定する。固定方法としては、第1のハウジング31の外部から、中心線方向に交差する方向(例えば中心線方向に直交する方向)から、レーザビームを照射することを例示することができる。レーザビームは、円周方向の全周に照射してもよいし、円周方向に等間隔に部分的に照射してもよい。支持部材65と第1のハウジング31とを固定した後に、上記専用治具を取り外す。これにより、第1のハウジング31内の圧電素子10に予荷重が作用した状態となる。
上述した、ダイアフラムヘッド40の先端側の端面の支持部材65を加圧する前からの変位量として予め定められる所定量は、圧電素子10に作用する予荷重が予め定めた値(所定値)となるように設定される。
なお、圧電素子10へ予荷重を作用させる処理は、支持部材65における後端部に装着した専用治具により加圧される荷重を機械的に測定し、その測定値に基づいて設定してもよい。
支持部材65と第1のハウジング31とを固定した後、第1のハウジング31の突出部315の垂直面315bと第2のハウジング32における先端側の端面とが接触するまで、第1のハウジング31と第2のハウジング32とを嵌合(圧入)する。その後、第1のハウジング31の垂直面315bと第2のハウジング32の端面とが接触している部位に、中心線方向に交差する方向(例えば中心線方向に直交する方向)からレーザビームを照射して、第1のハウジング31と第2のハウジング32とを溶接する。
その後、信号処理部200の覆い部材23の基板被覆部232における先端側の端面が第2のハウジング32の突当面340に突き当たるまで、信号処理部200を、第2のハウジング32における後端側の開口部から挿入する。その際、信号処理部200の伝導部材22の挿入孔22aに、第2の電極部55の突出部55aに装着されたコイルスプリング70が入り込むとともに、第2のハウジング32の突当面340に形成されたピン用凹部340aに、プリント配線基板210に接続された第2の接続ピン21bが入り込むように、信号処理部200を挿入する。
その後、信号処理部200の基板被覆部232の端面232cに保持部材300の突出部300aが突き当たるまで、保持部材300を、後端側から信号処理部200に嵌め込んでいく。信号処理部200の端面232cと保持部材300の突出部300aとが接触した状態で、保持部材300における、第2のハウジング32の第5の外周面335の凹部335aに対応する部位が加圧されることで、保持部材300が第2のハウジング32にかしめられる。これにより、保持部材300がハウジング30に対して移動し難くなり、信号処理部200がハウジング30に対して移動し難くなる。
以上説明した方法で組み立てられた状態では、圧電素子10には予荷重が作用する。
ただし、部品の寸法ばらつき、組み付け誤差などにより、圧電素子10に作用する予荷重が所定値からずれてしまうおそれがある。例えば、第1のハウジング31と支持部材65とを固定する際に、これら第1のハウジング31、支持部材65の体積が増加または減少する可能性があることから、圧電素子10に作用する予荷重が所定値からずれてしまうおそれがある。予荷重が所定値から大きくずれると、検出誤差が生じることになってしまう。
そこで、本実施の形態に係る圧力検出装置5の製造方法においては、上述した方法にてセンサ部100と、信号処理部200と、保持部材300とを組み付けた後、信号処理部200からの出力値に基づいて、圧電素子10に作用している予荷重が所定値からずれているか否かを判別する。この際、所定値にプラスマイナスαの幅を持たせてもよく、圧電素子10に作用している予荷重が所定値プラスαより大きい場合に所定値よりも大きいと判断し、予荷重が所定値マイナスαより小さい場合に所定値よりも小さいと判断してもよい。
そして、圧電素子10に作用している予荷重が所定値である場合には、この圧力検出装置5は完成品となる。他方、圧電素子10に作用している予荷重が所定値より小さい場合には、以下に述べる予荷重増加処理を実行する。また、圧電素子10に作用している予荷重が所定値より大きい場合には、以下に述べる予荷重低下処理を実行する。
次に、予荷重増加処理について説明する。
予荷重増加処理は、ハウジング30の第1のハウジング31に増加側熱収縮部316(図6参照)を設ける処理である。増加側熱収縮部316は、第1のハウジング31の母材が加熱されて溶融した後に縮むことで形成される。言い換えれば、増加側熱収縮部316は、第1のハウジング31が歪むことで形成される。予荷重増加処理は、第1のハウジング31の側部を歪ませる工程である。第1のハウジング31の母材を加熱する方法としては、レーザビーム(レーザ光線)、電子ビーム(電子線)、プラズマ、ガス、電気抵抗、アーク放電などで加熱することを例示することができる。増加側熱収縮部316を設ける箇所としては、第1のハウジング31の先端部から、第1のハウジング31と支持部材65との固定部位までの間である。第1のハウジング31と支持部材65との固定部位が突出部315よりも後端側である場合には、第1のハウジング31の先端部から突出部315の間の部位であることが望ましい。
図6は、予荷重増加処理によって形成された増加側熱収縮部316を示す図である。
図6に示した増加側熱収縮部316は、レーザビームが、第1のハウジング31の外部から、中心線方向に直交する方向に照射されることで形成された状態を示しており、実際にレーザビームが照射された照射部316aと、照射部316aが照射されることによって加熱された周辺部位316bと、から構成されている。この予荷重増加処理を行うにあたっては、レーザビームを、第1のハウジング31の全周に照射することや、部分的に照射することを例示することができる。その際、レーザビームが第1のハウジング31を貫通しない強さにするとともに、このレーザビームによって溶融する程に加熱される範囲が第1のハウジング31の壁内に留まるようにする。具体的には、図6に示すように、内部に圧電素子10が設けられた部位にレーザビームを照射する際には、圧電素子10が破損するほどの高温にならないようにする。または、内部に第1の電極部50が設けられた部位にレーザビームを照射する際には、第1の電極部50が溶融するほどの高温にならないようにする。
そして、第1のハウジング31の母材が溶融した後に収縮することで(照射部316aと周辺部位316bとが形成されることで)、第1のハウジング31が中心線方向に縮む。他方、第1のハウジング31内に収容されている第1の電極部50、圧電素子10、第2の電極部55、絶縁リング60および支持部材65の大きさは不変である。その結果、圧電素子10に生じている予荷重が大きくなる。
次に、予荷重低下処理について説明する。
予荷重低下処理は、ダイアフラムヘッド40の内側部42の中央部に低下側熱収縮部43(図7参照)を設ける処理である。低下側熱収縮部43は、ダイアフラムヘッド40の母材が加熱されて溶融した後に縮むことで形成される。言い換えれば、低下側熱収縮部43は、ダイアフラムヘッド40の中央部が歪むことで形成される。予荷重低下処理は、ダイアフラムヘッド40の中央部を歪ませる工程である。ダイアフラムヘッド40の母材を加熱する方法としては、上述した、第1のハウジング31の母材を加熱する方法と同様に、レーザビーム(レーザ光線)、電子ビーム(電子線)、プラズマ、ガス、電気抵抗、アーク放電などで加熱することを例示することができる。
図7は、予荷重低下処理によって形成された低下側熱収縮部43を示す図である。
図7に示した低下側熱収縮部43は、レーザビームが、ダイアフラムヘッド40の外部から、中心線方向に照射されることで形成された状態を示しており、実際にレーザビームが照射された照射部43aと、照射部43aが照射されることによって加熱された周辺部位43bと、から構成されている。この予荷重低下処理を行うにあたっては、レーザビームをダイアフラムヘッド40の内側部42を貫通しない強さにするとともに、このレーザビームによって溶融する程に加熱される範囲がダイアフラムヘッド40の内側部42内に留まるようにする。つまり、ダイアフラムヘッド40の後端側に配置された第1の電極部50が溶融するほどの高温にならないようにする。
そして、ダイアフラムヘッド40の母材が溶融した後に収縮することで(照射部43aと周辺部位43bとが形成されることで)、ダイアフラムヘッド40が中心線方向に縮む。他方、第1のハウジング31およびこの第1のハウジング31内に収容されている第1の電極部50、圧電素子10、第2の電極部55、絶縁リング60および支持部材65の大きさは不変である。その結果、圧電素子10に生じている予荷重が小さくなる。
これら予荷重増加処理あるいは予荷重低下処理を行うことにより、たとえ、センサ部100と、信号処理部200と、保持部材300とを組み付けた後に、予荷重が所定値からずれているとしても、予荷重が所定値となるようにすることが可能となる。したがって、上述した製造方法を用いて圧力検出装置5を製造することで、圧電素子10に作用する予荷重を制度高く所定値となるようにすることができ、検出誤差を抑制することが可能となる。
なお、これら予荷重増加処理と予荷重低下処理とを重ねて行ってもよい。例えば、センサ部100と、信号処理部200と、保持部材300とを組み付けた後、圧電素子10に作用している予荷重が所定値より小さい場合に予荷重増加処理を行い、この予荷重増加処理を行った結果、予荷重が所定値より大きくなった場合には予荷重低下処理を行ってもよい。また、センサ部100と、信号処理部200と、保持部材300とを組み付けた後、圧電素子10に作用している予荷重が所定値より大きい場合に予荷重低下処理を行い、この予荷重低下処理を行った結果、予荷重が所定値より小さくなった場合には予荷重増加処理を行ってもよい。
これら予荷重増加処理と予荷重低下処理とを重ねて行うことで、圧電素子10に作用する予荷重を制度高く所定値となるようにすることができる。
少なくとも上記予荷重低下処理が実行されて製造された圧力検出装置5は、筒状のハウジング30と、ハウジング30の先端側に設けられるダイアフラムヘッド40と、ハウジング30内の軸方向であってダイアフラムヘッド40の後端側に配置され、ダイアフラムヘッド40を介して作用する圧力を検出する圧電素子10と、圧電素子10の後端側に配置され、圧電素子10を加圧するとともに圧電素子10に所定値の荷重を作用させた状態でハウジング30に固定される支持部材65とを備える。そして、この圧力検出装置5におけるダイアフラムヘッド40は、中央部に、圧電素子10に作用する荷重を調整する調整部の一例としての低下側熱収縮部43を有することとなる。そして、このように構成された圧力検出装置5は、圧電素子10に作用する予荷重が所定値となっているので、燃焼室C内の圧力を精度高く検出することができる。
1…内燃機関、2…シリンダブロック、3…ピストン、4…シリンダヘッド、5…圧力検出装置、6…制御装置、7…シール部材、8…伝送ケーブル、10…圧電素子、21…回路基板部、22…伝導部材、23…覆い部材、24…Oリング、30…ハウジング、40…ダイアフラムヘッド、50…第1の電極部、55…第2の電極部、60…絶縁リング、65…支持部材、70…コイルスプリング、71…第1のシール部材、72…第2のシール部材、100…センサ部、200…信号処理部、300…保持部材

Claims (7)

  1. 筒状のハウジングと、当該ハウジングの先端側に設けられるダイアフラムと、当該ハウジング内の軸方向であって当該ダイアフラムの後端側に配置され、当該ダイアフラムを介して作用する圧力を検出する圧電素子と、
    を備えた圧力検出装置の製造方法であって、
    前記圧電素子、当該圧電素子を加圧する加圧部材を順に挿入する工程と、
    前記圧電素子を前記ハウジングの軸方向に向けて加圧して当該圧電素子に荷重を作用させる工程と、
    前記圧電素子に前記荷重を作用させた状態で当該荷重の作用に関わる部材同士を固定する工程と、
    前記部材同士を固定した後に前記ダイアフラムの中央部を歪ませることで前記圧電素子に作用する荷重を小さくする工程と、
    を有することを特徴とする圧力検出装置の製造方法。
  2. 前記ダイアフラムの中央部を歪ませる工程は、前記ダイアフラムの中央部を加熱することで当該ダイアフラムの中央部を熱収縮させることを特徴とする請求項1に記載の圧力検出装置の製造方法。
  3. 前記ダイアフラムの中央部を歪ませる工程は、前記ダイアフラムの中央部に対して、先端側からレーザビームを照射することを特徴とする請求項2に記載の圧力検出装置の製造方法。
  4. 前記部材同士を固定した後に前記ハウジングの側部を歪ませることで前記圧電素子に作用する荷重を大きくする工程を更に有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の圧力検出装置の製造方法。
  5. 前記部材同士を固定する工程の後、前記圧電素子に作用する前記荷重が所定値よりも小さい場合に、前記ハウジングの側部を歪ませることで当該圧電素子に作用する荷重を大きくする工程を行い、その結果、当該圧電素子に作用する荷重が当該所定値よりも大きくなった場合に、前記ダイアフラムの中央部を歪ませることで前記圧電素子に作用する荷重を小さくする工程を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の圧力検出装置の製造方法。
  6. 筒状のハウジングと、
    前記ハウジングの先端側に設けられるダイアフラムと、
    前記ハウジング内の軸方向であって前記ダイアフラムの後端側に配置され、当該ダイアフラムを介して作用する圧力を検出する圧電素子と、
    を備え、
    前記ダイアフラムは、中央部に、前記圧電素子に作用する荷重を調整する際に形成された調整部を有する
    ことを特徴とする圧力検出装置。
  7. 前記調整部は、先端側から前記ダイアフラムの中央部にレーザビームが照射されることで形成されることを特徴とする請求項6に記載の圧力検出装置。
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