JP7429513B2 - 圧力検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧力検出装置に関する。
内燃機関等の燃焼室内の圧力を検出する圧力検出装置として、圧電性を有する圧電体を使用したものが提案されている。
特許文献1には、筒状のハウジングと、ハウジングの先端側すなわち燃焼室側に設けられるダイアフラムヘッドと、ハウジング内の軸方向であってダイアフラムヘッドの後端側に配置され、ダイアフラムを介して作用する圧力を検知する圧電素子とを備えた圧力検出装置が記載されている。
また、特許文献2には、ダイアフラムヘッドの後端側に圧力センサを設けるとともに、ダイアフラムヘッドの先端側には複数の薄板を並べてなる熱保護素子を設け、熱保護素子を構成する薄板間の隙間(長孔)を介してダイアフラムヘッドに燃焼ガスを供給することで、ダイアフラムヘッドに対する熱入力を低減することが記載されている。
特開2006-350801号公報 米国特許第8919203号明細書
ここで、外部からの圧力を受けるダイアフラムヘッド(受圧部材)に対するガスの熱量(温度)を低減するための部材を設ける構成を採用した場合、この部材自体が、供給されるガスの温度変化に応じて熱膨張したり熱収縮したりすることになる。そして、熱膨張および熱収縮に伴ってこの部材に塑性変形が生じた場合には、内燃機関等の測定対象に対する圧力検出装置の取り付け精度が低下するおそれがあった。
本発明は、測定対象に対する取り付け精度の低下を抑制することが可能な圧力検出装置を提供することを目的とする。
本発明の圧力検出装置は、一端側から他端側へと向かって移動する流体の圧力を受ける受圧部材と、前記受圧部材の前記他端側に設けられ、当該受圧部材が受けた前記圧力に応じた電気信号を出力する圧電素子と、前記受圧部材の前記一端側で当該受圧部材と非接触に設けられ、外部から供給される前記流体の温度を低減させながら当該受圧部材に供給する温度低減部材と、前記受圧部材の前記一端側且つ前記温度低減部材の前記他端側で当該受圧部材および当該温度低減部材の両者に接触して設けられ、当該温度低減部材の塑性変形を抑制する変形抑制部材とを含んでいる。
このような圧力検出装置において、前記変形抑制部材は、前記温度低減部材よりも熱膨張率が低いことを特徴とすることができる。
また、前記変形抑制部材は、前記温度低減部材よりもヤング率が小さいことを特徴とすることができる。
また、前記温度低減部材は、金属で構成されるとともに、前記一端側から前記他端側へと向かう複数の貫通孔を有しており、前記変形抑制部材は、金属で構成されるとともに、前記受圧部材の周縁部および前記温度低減部材の周縁部と接触する枠状を呈していることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明の圧力検出装置は、一端側から他端側へと向かって移動する流体の圧力を受ける受圧部材と、前記受圧部材の前記他端側に設けられ、当該受圧部材が受けた前記圧力に応じた電気信号を出力する圧電素子と、前記受圧部材の前記一端側に設けられ、外部から供給される前記流体の温度を低減させながら当該受圧部材に供給する供給部材とを備え、前記供給部材は、前記流体が通過する孔が設けられるとともに、対象となる被突当部材に突き当てられる突当部が設けられた本体部と、前記突当部の前記他端側と前記受圧部材の前記一端側との間で当該受圧部材に接触して設けられ、前記本体部の塑性変形を抑制する抑制部とを有することを特徴としている。
本発明によれば、測定対象に対する取り付け精度の低下を抑制することが可能な圧力検出装置を提供することができる。
実施の形態に係る圧力検出システムの概略構成図である。 圧力検出装置の側面図である。 圧力検出装置の断面図(図2のIII-III断面図)である。 圧力検出装置の先端側(図3のIV領域)の拡大断面図である。 緩衝機構部の分解斜視図である。 (a)~(c)は、第1緩衝部材の構成を説明するための図である。 (a)~(c)は、第2緩衝部材の構成を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[圧力検出システムの構成]
図1は、実施の形態に係る圧力検出システム1の概略構成図である。
この圧力検出システム1は、内燃機関10における燃焼室C内の圧力(燃焼圧)を検出する圧力検出装置20と、圧力検出装置20に対する給電を行うとともに圧力検出装置20が検出した圧力に基づいて内燃機関10の動作を制御する制御装置100と、圧力検出装置20と制御装置100とを電気的に接続する接続ケーブル90とを備えている。
ここで、圧力の検出対象となる内燃機関10は、内部にシリンダが形成されたシリンダブロック11と、シリンダ内を往復運動するピストン12と、シリンダブロック11に締結されてピストン12等とともに燃焼室Cを構成するシリンダヘッド13とを有している。また、シリンダヘッド13には、燃焼室Cと外部とを連通する連通孔13aが設けられている。そして、この連通孔13aに圧力検出装置20の先端側を挿入するとともに、圧力検出装置20をシリンダヘッド13に固定することで、内燃機関10に対して圧力検出装置20を取り付けている。ここで、内燃機関10を構成するシリンダブロック11、ピストン12およびシリンダヘッド13は、鋳鉄やアルミニウム等、導電性を有する金属材料で構成されている。
[圧力検出装置の構成]
図2は、圧力検出装置20の側面図である。また、図3は、圧力検出装置20の断面図(図2のIII-III断面図)である。さらに、図4は、圧力検出装置20の先端側(図3のIV領域)の拡大断面図である。なお、図4には、圧力検出装置20の取付対象となるシリンダヘッド13の要部を、併せて示している。さらにまた、図5は、圧力検出装置20を構成する緩衝機構部80(詳細は後述する)の分解斜視図である。ただし、図5には、緩衝機構部80とともに圧力検出装置20を構成するダイアフラムヘッド32(詳細は後述する)も、併せて示している。
圧力検出装置20は、全体として筒状を呈するとともに外部に露出するように設けられる筐体部30と、圧力を検出するための各種機構を含み、ほぼ全体が筐体部30の内部に収容されるとともに一部が外部に露出するように設けられる検出機構部40と、筐体部30の外周面に取り付けられるシール部70と、筐体部30の一端側(図2においては筐体部30の左側)に取り付けられる緩衝機構部80とを有している。そして、圧力検出装置20は、図1に示す内燃機関10に対し、図2における左側(緩衝機構部80側)が燃焼室C(図1では下側)を向くとともに、図2における右側(接続ケーブル90側)が外部(図1では上側)を向くように取り付けられる。なお、以下の説明では、図2において、図中左に向かう側を圧力検出装置20の「先端側」と称し、図中右に向かう側を圧力検出装置20の「後端側」と称する。また、以下の説明では、図2等に一点鎖線で示す圧力検出装置20の中心線方向を、単に「中心線方向」と称する。
ここで、本実施の形態では、「先端側」が「一端側」に、「後端側」が「他端側」に、それぞれ対応している。
(筐体部の構成)
筐体部30は、先端外部筐体31と、先端外部筐体31の先端側に取り付けられたダイアフラムヘッド32と、先端外部筐体31の後端側に取り付けられた中間外部筐体33と、中間外部筐体33の後端側に取り付けられた後端外部筐体34とを備えている。また、筐体部30は、先端外部筐体31の内側であってダイアフラムヘッド32の後端側に取り付けられた第1内部筐体35と、先端外部筐体31の内側であって第1内部筐体35の後端側に取り付けられた第2内部筐体36とをさらに備えている。
〔先端外部筐体〕
先端外部筐体31は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。先端外部筐体31は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス鋼等の金属材料によって構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金)等を採用することができる。
ここで、先端外部筐体31の外周面には雄ねじ(図示せず)が形成されている。また、図1に示すシリンダヘッド13に設けられた連通孔13aの内壁には、先端外部筐体31に設けられた上記雄ねじと締結可能な雌ねじ(図示せず)が設けられている。なお、連通孔13aのうち、上述した雌ねじが設けられている部位よりも先端側となる領域には、特に図4に示すように段差部13b(被突当部材の一例)が設けられている。その結果、連通孔13a内では、段差部13bよりも先端側となる部位の内径が、段差部13bよりも後端側となる部位の内径よりも小さく(狭く)なっている。
〔ダイアフラムヘッド〕
受圧部材の一例としてのダイアフラムヘッド32は、全体として円板状を呈する部材である。ダイアフラムヘッド32は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、ダイアフラムヘッド32を、先端外部筐体31と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。
ダイアフラムヘッド32は、特に図4および図5に示すように、先端側における中央部に表面中央凹部32bが形成されるとともに、外部(燃焼室C側)に露出することで圧力を受ける圧力受面(表面)32aを有している。また、ダイアフラムヘッド32は、圧力受面32aの裏側となる裏面を環状に切り欠くことによって形成された裏面環状凹部32cと、裏面環状凹部32cの存在により、結果として圧力受面32aの中央部(表面中央凹部32bの形成部位)から後端側に突出する裏面中央凸部32dとを有している。さらに、ダイアフラムヘッド32は、圧力受面32aの裏面における周縁部を環状に切り欠くことによって形成された裏面環状平坦部32eと、裏面環状凹部32cおよび裏面環状平坦部32eの存在により、結果として裏面中央凸部32dの周囲から後端側に突出する裏面環状凸部32fとを有している。さらにまた、ダイアフラムヘッド32は、凹状の圧力受面32aを設けた結果として、圧力受面32aの全周縁から先端側に突出する表面環状凸部32gを有している。この表面環状凸部32gは、裏面環状平坦部32eの反対側(表側)に位置している。なお、別の観点からみれば、ダイアフラムヘッド32の先端側は、その中央部を円形状に切り欠くことによって形成された表面環状凸部32gおよび圧力受面32aと、圧力受面32aの中央部をさらに切り欠くことによって形成された表面中央凹部32bとを有しているもの、とみなすこともできる。
ダイアフラムヘッド32は、先端外部筐体31における先端側の開口部を塞ぐように設けられている。より具体的に説明すると、ダイアフラムヘッド32の裏面環状平坦部32eに、先端外部筐体31の先端側が突き当たっている。そして、ダイアフラムヘッド32と先端外部筐体31との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている。
ここで、本実施の形態のダイアフラムヘッド32は、最も薄手となる裏面環状凹部32cの周辺が外力に応じて伸縮することにより、ばねとして機能するようになっている。そして、ダイアフラムヘッド32は、燃焼室C等から受けた圧力(外圧)に伴って振動するようになっている。
〔中間外部筐体〕
中間外部筐体33は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。中間外部筐体33は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料で構成されている。このような金属材料としては、例えばフェライト系のステンレス鋼として知られるSUS430LXを例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金)等を採用することができる。なお、この例では、中間外部筐体33を、先端外部筐体31とは異なる材料(例えばSUS430LX)で構成している。
中間外部筐体33の先端側は、先端外部筐体31の後端側にはめ込まれるようになっている。そして、中間外部筐体33と先端外部筐体31との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている。
〔後端外部筐体〕
後端外部筐体34は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。後端外部筐体34は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料で構成されている。このような金属材料としては、例えばフェライト系のステンレス鋼として知られるSUS430LXを例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、後端外部筐体34を、中間外部筐体33と同じ材料(例えばSUS430LX)で構成している。
後端外部筐体34の先端側は、中間外部筐体33の後端側にはめ込まれるようになっている。そして、後端外部筐体34と中間外部筐体33との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている。
〔第1内部筐体〕
第1内部筐体35は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。第1内部筐体35は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料で構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、第1内部筐体35を、ダイアフラムヘッド32と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。また、第1内部筐体35とダイアフラムヘッド32とを、異なる材料により構成してもよい。
第1内部筐体35の先端側は、ダイアフラムヘッド32の後端側に突き当たるようになっている。より具体的に説明すると、第1内部筐体35の先端側に位置する面が、ダイアフラムヘッド32における裏面環状凸部32fの後端側の面に突き当たるようになっている。このとき、第1内部筐体35における先端側の一部の領域は、ダイアフラムヘッド32における裏面環状凹部32cの内部に位置している。そして、第1内部筐体35とダイアフラムヘッド32との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている。
〔第2内部筐体〕
第2内部筐体36は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。第2内部筐体36は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料で構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、第2内部筐体36を、第1内部筐体35と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。
第2内部筐体36の先端側は、第1内部筐体35における後端側の内部に収容されるようになっている。また、第2内部筐体36の先端側の面が、第2絶縁部材52(詳細は後述する)の後端側の面に突き当たるようになっている。このとき、第2内部筐体36の後端側は、第1内部筐体35の後端側に露出するようになっている。そして、第2内部筐体36と第1内部筐体35との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている。
(検出機構部の構成)
検出機構部40は、圧電素子41と、先端電極部材42と、先端絶縁部材43と、後端電極部材44と、後端絶縁部材45とを備えている。また、検出機構部40は、第1コイルバネ46と、伝導部材47と、保持部材48と、加圧部材49と、絶縁チューブ50とを備えている。さらに、検出機構部40は、第1絶縁部材51と、第2絶縁部材52と、支持部材53と、第2コイルバネ54とを備えている。さらにまた、検出機構部40は、第1収容部材55と、第2収容部材56と、回路内蔵部材57と、接続部材58と、閉塞部材59と、第3絶縁部材60とを備えている。
〔圧電素子〕
圧電素子41は、全体として円柱状を呈する部材である。圧電素子41は、圧電縦効果の圧電作用を示す圧電体を備えている。圧電素子41は、先端外部筐体31(および第1内部筐体35)の内側に配置されている。
ここで、圧電縦効果とは、圧電体の電荷発生軸と同一方向の応力印加軸に外力を加えると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生することをいう。したがって、この例では、中心線方向に沿う圧力の変化に応じて、圧電素子41の先端側の面と後端側の面とに、発生した電荷による信号(電荷信号)が出力されることになる。
次に、圧電素子41に圧電横効果を利用した場合を例示する。圧電横効果とは、圧電体の電荷発生軸に対して直交する位置にある応力印加軸に外力を加えると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生することをいう。薄板状に薄く形成した圧電体を複数枚積層して構成しても良く、このように積層することで、圧電体に発生する電荷を効率的に集めてセンサの感度を上げることができる。圧電素子41で使用可能な圧電体としては、圧電縦効果及び圧電横効果を有するランガサイト系結晶(ランガサイト、ランガテイト、ランガナイト、LTGA)や水晶、ガリウムリン酸塩などを使用することを例示することができる。また、圧電素子41で用いる圧電体としては、上述した無機材料で構成された単結晶(無機単結晶)を用いるとよく、特にランガサイト系単結晶を用いることが望ましい。
〔先端電極部材〕
先端電極部材42は、全体として円柱状を呈する部材である。先端電極部材42は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、先端電極部材42を、ダイアフラムヘッド32と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。先端電極部材42は、先端外部筐体31の内側且つ圧電素子41の先端側に配置されており、先端電極部材42の後端側の面が、圧電素子41の先端側の面と接触するようになっている。この例において、先端電極部材42の先端側の面、後端側の面および外周面には、特に金めっき等は施されておらず、先端電極材料を構成する金属材料の地肌がそのまま露出している。
〔先端絶縁部材〕
先端絶縁部材43は、全体として円柱状を呈する部材である。先端絶縁部材43は、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。先端絶縁部材43は、先端外部筐体31の内側且つ先端電極部材42の先端側に配置されており、先端絶縁部材43の後端側の面が、先端電極部材42の先端側の面と接触するようになっている。一方、先端絶縁部材43の先端側の面は、ダイアフラムヘッド32に設けられた裏面中央凸部32dの後端側の面と接触するようになっている。
〔後端電極部材〕
後端電極部材44は、全体として円柱状を呈する部材である。後端電極部材44は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、後端電極部材44を、先端電極部材42と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。後端電極部材44は、先端外部筐体31の内側且つ圧電素子41の後端側に配置されており、後端電極部材44の先端側の面が、圧電素子41の後端側の面と接触するようになっている。この例において、後端電極部材44の後端側の面および外周面には、金めっきが施されている。これに対し、後端電極部材44の先端側の面すなわち圧電素子41の後端側と接する面には、特に金めっき等は施されておらず、後端電極部材44を構成する金属材料の地肌がそのまま露出している。
〔後端絶縁部材〕
後端絶縁部材45は、中空構造を有し且つ全体として環状(円筒状)を呈する部材である。後端絶縁部材45は、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。後端絶縁部材45は、先端外部筐体31の内側且つ後端電極部材44の後端側に配置されており、後端絶縁部材45の先端側の面が、後端電極部材44の後端側の面と接触するようになっている。なお、この例では、後端絶縁部材45を、先端絶縁部材43と同じ材料(例えばアルミナセラミックス)で構成している。
〔第1コイルバネ〕
第1コイルバネ46は、全体として螺旋状を呈する部材であって、中心線方向に伸縮するようになっている。第1コイルバネ46は、導電性を有するとともに耐熱性が高いリン青銅等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。第1コイルバネ46は、先端外部筐体31の内側に配置されている。より具体的に説明すると、第1コイルバネ46の先端側は、後端絶縁部材45に設けられた貫通孔の内部に配置されており、その先端が、後端電極部材44の後端側の面と接触するようになっている。一方、第1コイルバネ46の後端側は、後端絶縁部材45の後端側に飛び出している。
〔伝導部材〕
伝導部材47は、全体として棒状を呈する部材である。伝導部材47は、導電性を有する真ちゅう等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。伝導部材47は、最も先端側に位置する先端棒状部471と、先端棒状部471の後端側に位置する中間棒状部472と、中間棒状部472の後端側に位置する後端棒状部473とを有している。また、伝導部材47では、先端棒状部471、中間棒状部472および後端棒状部473の順で、外径が大きくなっている。伝導部材47は、先端外部筐体31の内側に配置されている。より具体的に説明すると、伝導部材47の先端側すなわち先端棒状部471の先端側は、第1コイルバネ46の後端側に挿入されており、後端絶縁部材45の内部に配置されている。ただし、先端棒状部471の先端は、第1コイルバネ46とは異なり、後端電極部材44の後端側の面と接触していない。このとき、第1コイルバネ46の後端は、伝導部材47における先端棒状部471と中間棒状部472との境界部(段差部)に突き当たっている。なお、この例では、第1コイルバネ46と伝導部材47とが、レーザ溶接によって接合され、一体化している。以上の手順により、第1コイルバネ46は、後端電極部材44と伝導部材47とに挟まれることで、中心線方向に圧縮された状態となっている。一方、伝導部材47のうちの中間棒状部472および後端棒状部473は、後端絶縁部材45の後端側に飛び出している。
〔保持部材〕
保持部材48は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。保持部材48は、絶縁性を有するPPS(Polyphenylenesulfide:ポリフェニレンサルファイド)あるいはPPT(Polypropylene Terephthalate:ポリプロピレンテレフタレート)等の合成樹脂材料によって構成されている。保持部材48は、最も先端側に位置する先端部と、先端部の後端側に位置する中間部と、中間部の後端側に位置する後端部とを有している。保持部材48では、先端部、中間部および後端部の順で、外径が大きくなっている。保持部材48は、先端外部筐体31の内側と中間外部筐体33の内側とに跨がって配置されている。そして、保持部材48の内部には、上記伝導部材47が収容され、保持されている。より具体的に説明すると、保持部材48は、伝導部材47の後端側すなわち後端棒状部473の後端側を内部に収容している。以上の手順により、伝導部材47のうち、先端棒状部471および中間棒状部472と、後端棒状部473の先端側とが、保持部材48の先端側に飛び出している。一方、保持部材48の後端には、後端側から先端側に向かう凹部が形成されている。また、伝導部材47と保持部材48とは、圧入(すきまばめ)により一体化している。
〔加圧部材〕
加圧部材49は、中空構造(貫通孔)を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。加圧部材49は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料で構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、加圧部材49を、ダイアフラムヘッド32と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。加圧部材49は、先端外部筐体31の内側であって、第1内部筐体35の内側と第2内部筐体36の内側とに跨がって配置されている。
加圧部材49に設けられた貫通孔の内部には、圧電素子41、先端電極部材42、後端電極部材44、後端絶縁部材45、第1コイルバネ46等が収容されている。そして、加圧部材49に設けられた貫通孔の先端側の内側且つ後端側の面が、先端電極部材42の先端側の面と接触するようになっている。また、加圧部材49に設けられた貫通孔の先端側の開口部には、先端絶縁部材43が配置されている。
ここで、本実施の形態の加圧部材49は、最も薄手となる先端側の側部が外力に応じて伸縮することにより、ばねとして機能するようになっている。そして、加圧部材49は、支持部材53等とともに圧電素子41に予荷重を付与するようになっている。
〔絶縁チューブ〕
絶縁チューブ50は、中心線方向に沿って2つの開口部が設けられることによる中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。また、本実施の形態の絶縁チューブ50は、絶縁性を有する材料によって構成されている。そして、本実施の形態の絶縁チューブ50は、先端側から順に、先端電極部材42、圧電素子41、後端電極部材44および後端絶縁部材45を、自身の内側に収容し且つ接触しながら固定することで、自身とともにこれらを一体化(モジュール化)する機能を有している。
ここで、絶縁チューブ50を構成する材料としては、絶縁性を有するものであれば有機、無機を問わず各種材料から選定して差し支えないが、モジュール化を容易にするという観点からすれば、熱収縮性を有する有機材料(例えば合成樹脂材料)すなわち熱収縮チューブを用いることが望ましい。
絶縁チューブ50は、先端外部筐体31の内側であって、加圧部材49の内側に配置されている。そして、絶縁チューブ50の先端側の面が、加圧部材49に設けられた貫通孔の先端側の内側且つ後端側の面と、空隙を介して対峙するようになっている。絶縁チューブ50の内部には、先端電極部材42の後端側と、圧電素子41および後端電極部材44と、後端絶縁部材45の先端側とが収容されている。換言すれば、先端電極部材42の先端側は、絶縁チューブ50の先端よりも先端側に突出しており、後端絶縁部材45の後端側は、絶縁チューブ50の後端よりも後端側に突出している。
〔第1絶縁部材〕
第1絶縁部材51は、全体として環状を呈する部材である。第1絶縁部材51は、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。第1絶縁部材51は、先端外部筐体31の内側であって、第1内部筐体35の内側且つ加圧部材49の外側に配置されている。そして、第1絶縁部材51における先端側の面が、第1内部筐体35の内側に設けられた段差部の後端側の面と接触し、第1絶縁部材51における後端側の面が、加圧部材49の外周面に全周にわたって設けられた突起(リブ)の先端側の面と接触するようになっている。なお、この例では、第1絶縁部材51を、後端絶縁部材45と同じ材料(例えばアルミナセラミックス)で構成している。
〔第2絶縁部材〕
第2絶縁部材52は、全体として環状を呈する部材である。第2絶縁部材52は、上記第1絶縁部材51と同様に、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。第2絶縁部材52は、先端外部筐体31の内側であって、第1内部筐体35の内側且つ加圧部材49の外側に配置されている。また、第2絶縁部材52は、第1絶縁部材51の後端側に配置される。そして、第2絶縁部材52における先端側の面が、加圧部材49の外周面に全周にわたって設けられた突起(リブ)の後端側の面と接触し、第2絶縁部材52における後端側の面が、第2内部筐体36の先端側の面と接触するようになっている。なお、本実施の形態では、第2絶縁部材52として、上記第1絶縁部材51と同一寸法のものを用いている。また、この例では、第2絶縁部材52を、第1絶縁部材51と同じ材料(例えばアルミナセラミックス)で構成している。
〔支持部材〕
支持部材53は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。支持部材53は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。このような金属材料としては、例えば析出硬化系のステンレス鋼として知られるSUS630や、例えばオーステナイト系の耐熱鋼(耐熱合金)として知られるSUH660を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種金属または各種合金(各種ステンレス鋼、各種耐熱鋼あるいは各種耐熱合金等)を採用することができる。なお、この例では、支持部材53を、加圧部材49と同じ材料(例えばSUS630)で構成している。支持部材53は、先端外部筐体31の内側であって、その先端側が加圧部材49の内側に配置されている。ただし、支持部材53の後端側は、加圧部材49の後端から飛び出した状態となっている。そして、支持部材53の先端側の面が、後端絶縁部材45の後端側の面と接触するようになっている。また、支持部材53と加圧部材49との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている。支持部材53の内部には、第1コイルバネ46の後端側と、伝導部材47および保持部材48の各先端側とが収容されている。
〔第2コイルバネ〕
第2コイルバネ54は、全体として螺旋状を呈する部材であって、中心線方向に伸縮するようになっている。第2コイルバネ54は、導電性を有するとともに耐熱性が高いリン青銅等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。なお、この例では、第2コイルバネ54を、第1コイルバネ46と同じ材料(例えばリン青銅)で構成している。第2コイルバネ54は、先端外部筐体31の内側に配置されている。より具体的に説明すると、第2コイルバネ54の先端側は、支持部材53の後端側且つ外周面の外側に配置されており、その先端が、加圧部材49の後端側の面と接触するようになっている。第2コイルバネ54の内側には、伝導部材47、保持部材48および支持部材53と、第1収容部材55の先端側とが配置されている。
〔第1収容部材〕
第1収容部材55は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。第1収容部材55は、導電性を有する真ちゅうやステンレス等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。
第1収容部材55は、先端外部筐体31の内側に配置されている。より具体的に説明すると、第1収容部材55の先端側は、支持部材53の後端側と対峙しており、その外周面の外側には、第2コイルバネ54が対峙している。そして、第1収容部材55における先端側の段差部の先端側の面には、第2コイルバネ54の後端が突き当たっている。以上の手順により、第2コイルバネ54は、加圧部材49と第1収容部材55とに挟まれることで、中心線方向に圧縮された状態となっている。第1収容部材55に設けられた貫通孔の内部には、伝導部材47および保持部材48の先端部が収容されている。
〔第2収容部材〕
第2収容部材56は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。第2収容部材56は、上記第1収容部材55と同様に、導電性を有する真ちゅうやステンレス等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。
第2収容部材56は、先端外部筐体31の内側と中間外部筐体33の内側とに跨がって配置されている。より具体的に説明すると、第2収容部材56の先端側は、第1収容部材55内に収容されている。また、第2収容部材56に設けられた貫通孔の内部には、保持部材48の中間部および後端部が収容されている。そして、第1収容部材55と第2収容部材56とは、圧入(しまりばめ)およびレーザ溶接により一体化している。
〔回路内蔵部材〕
回路内蔵部材57は、特に図3に示すように、圧電素子41が出力する微弱な電荷による電気信号に、電子回路を用いた各種処理を施す回路基板571と、回路基板571を内部に収容することで回路基板571を封止する封止部572とを備えている。回路内蔵部材57は、中間外部筐体33の内側であって、後端側の一部を除くほぼ全域が、第2収容部材56の内側に配置されている。特に、回路基板571は、その全域が第2収容部材56の内側に配置されている。また、回路内蔵部材57の先端側は、保持部材48の後端側に設けられた凹部にはめ込まれるようになっている。そして、回路内蔵部材57の先端側に設けられた金属板(電極端子)が、伝導部材47の後端側と接触するようになっている。また、回路内蔵部材57の外周面に設けられた金属板(電極端子)が、第2収容部材56の内周面と接触するようになっている。
〔接続部材〕
接続部材58は、全体として柱状を呈する部材である。接続部材58は、絶縁性を有するPPSあるいはPPT等の合成樹脂材料によって構成された基材と、導電性を有する銅等の金属材料で構成された配線および端子等を含んでいる。接続部材58は、中間外部筐体33の内側と後端外部筐体34の内側とに跨がって配置されている。なお、接続部材58のうち、中間外部筐体33あるいは後端外部筐体34と対峙する部位(外周面)は、合成樹脂材料で構成されており、この部位に金属材料を露出させないようにしている。接続部材58の先端側には、回路内蔵部材57の後端側が対峙しており、回路内蔵部材57に設けられた金属板(電極端子)が、接続部材58に設けられた端子にはめ込まれるようになっている。また、接続部材58の後端側には、接続ケーブル90を構成する電源線91、信号線92および接地線93(これらの詳細は後述する)の先端側に露出するそれぞれの導体部が挿入されている。そして、中間外部筐体33と接続部材58とは、圧入(しまりばめ)により一体化している。
〔閉塞部材〕
閉塞部材59は、全体として柱状を呈する部材である。ただし、閉塞部材59には、中心線方向に沿って3つの貫通孔が形成されている。閉塞部材59は、絶縁性を有するゴム材料で構成されている。閉塞部材59は、その先端側が後端外部筐体34の内側に配置され、その後端側が後端外部筐体34の後端よりも外側に飛び出している。閉塞部材59の先端側は、接続部材58の後端側と対峙している。また、閉塞部材59に設けられた3つの貫通孔には、上述した電源線91、信号線92および接地線93が挿入されている。そして、後端外部筐体34と閉塞部材59とは、圧入(しまりばめ)により一体化している。
〔第3絶縁部材〕
第3絶縁部材60は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。ただし、第3絶縁部材60は、先端側に設けられた円筒状の部位と、後端側に設けられた円環状部の部位とを一体化した構造を有している。第3絶縁部材60は、絶縁性を有するPPS等の合成樹脂材料によって構成されている。第3絶縁部材60は、先端外部筐体31の内側と中間外部筐体33の内側とに跨がって配置されている。より具体的に説明すると、第3絶縁部材60の先端側は、先端外部筐体31の内側に配置されており、第3絶縁部材60の後端側は、中間外部筐体33の内側に配置されている。そして、第3絶縁部材60における円筒状の部位の外周面は、先端外部筐体31における後端側の内周面と対峙している。また、第3絶縁部材60における円環状の部位の先端側の面は、先端外部筐体31の後端側の面と接触するようになっている。一方、第3絶縁部材60における円筒状部の部位の内周面は、第1収容部材55の外周面と、第2収容部材56の外周面とに対峙している。また、第3絶縁部材60における円環状の部位の後端側の面は、第2収容部材56と接触するようになっている。
(シール部の構成)
シール部70は、特に図2および図3に示すように、相対的に先端側に位置する第1シール部材71と、相対的に後端側に位置する第2シール部材72とを備えている。
〔第1シール部材〕
第1シール部材71は、全体として環状を呈する部材であり、この例では、断面が四角形状を呈する角リングで構成されている。第1シール部材71は、耐熱性および耐酸性が高い、表面に錫めっきを施した銅材によって構成されている。そして、第1シール部材71は、筐体部30を構成する先端外部筐体31の外周面に取り付けられている。
〔第2シール部材〕
第2シール部材72は、全体として環状を呈する部材であり、この例では、断面が円形状を呈するOリングで構成されている。第2シール部材72は、機械的な復元性が高いフッ素ゴム等の合成ゴム材料によって構成されている。そして、第2シール部材72は、筐体部30を構成する後端外部筐体34の外周面に取り付けられている。この第2シール部材72は、内燃機関10の外部から水等が侵入することを防止するシール部材の役割を持つとともに、内燃機関10の動作時や取付環境の振動等に伴って圧力検出装置20が振動し、シリンダヘッド13における連通孔13aの内面に衝突するのを防止する防振部材としての役割も持つ。そのため、第2シール部材72には、機械的な復元性が高い材料の中でも特に、復元性の耐熱特性が高く、振動抑制の機能が長寿命であるフッ素ゴム材料が適している。
(緩衝機構部の構成)
供給部材の一例としての緩衝機構部80は、特に図4および図5に示すように、先端側に配置された第1緩衝部材81と、第1緩衝部材81の後端側且つダイアフラムヘッド32の先端側に配置された第2緩衝部材82とを備えている。
〔第1緩衝部材〕
図6は、第1緩衝部材81の構成を説明するための図である。ここで、図6(a)は、第1緩衝部材81を先端側からみた正面図を示している。また、図6(b)は、第1緩衝部材81を後端側からみた背面図を示している。さらに、図6(c)は、図6(a)のVIC-VIC断面図である。ここでは、図4および図5に加えて図6も参照しながら、第1緩衝部材81に関する説明を行う。
温度低減部材あるいは本体部の一例としての第1緩衝部材81は、全体として円盤状を呈する部材である。この第1緩衝部材81は、円柱状を呈する基部811と、円柱状を呈すると共に基部811の先端側に設けられ、基部811よりも大きな直径を有するフランジ部812とを有している。その結果、フランジ部812は、全周にわたって基部811よりも外側に突出している。また、フランジ部812の先端側となる第1緩衝部材81の表面の中央部には、円形状且つ凹状を呈する表面凹部813が設けられており、表面凹部813の周囲には、全周にわたって表面凹部813を取り囲む表面壁部814(突当部の一例)が設けられている。これに対し、基部811の後端側となる第1緩衝部材81の裏面には、円形状且つ平坦状を呈する平坦部815が設けられている。そして、第1緩衝部材81には、先端側となる表面凹部813から後端側となる平坦部815を貫通する、9つの貫通孔816が形成されている。これら9つの貫通孔816は、3行3列(3×3)に並べて設けられている。
第1緩衝部材81は、導電性を有するとともに耐熱性がダイアフラムヘッド32よりも高い金属材料(超耐熱合金)によって構成されている。このような金属材料としては、例えば鉄基合金系であって、ガンマプライム析出強化型超耐熱合金の一種を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種超耐熱合金を採用することができる。そして、使用可能な超耐熱合金としては、マトリックス強化型超耐熱合金、炭化物析出強化型超耐熱合金、ガンマプライム析出強化型超耐熱合金を挙げることができる。なお、使用可能な超耐熱合金については、鉄基合金系、ニッケル基合金系、コバルト合金系のいずれであってもよい。
〔第2緩衝部材〕
図7は、第2緩衝部材82の構成を説明するための図である。ここで、図7(a)は、第2緩衝部材82を先端側からみた正面図を示している。また、図7(b)は、第2緩衝部材82を後端側からみた背面図を示している。さらに、図7(c)は、図7(a)のVIIC-VIIC断面図である。ここでは、図4および図5に加えて図7も参照しながら、第2緩衝部材82に関する説明を行う。
変形抑制部材あるいは抑制部の一例としての第2緩衝部材82は、全体として円筒状を呈する部材である。この第2緩衝部材82は、最も先端側に位置する先端部821と、最も後端側であって先端部821の裏側に位置する後端部822とを有しており、その中央部には、先端側から後端側へと抜ける中空部823が設けられている。
第2緩衝部材82は、導電性を有するとともに耐熱性がダイアフラムヘッド32よりも高い金属材料(超耐熱合金)によって構成されている。このような金属材料としては、例えば鉄基合金系であって、ガンマプライム析出強化型超耐熱合金の一種を例示することができる。ただし、要求される特性を満たすものであれば、これ以外の各種超耐熱合金を採用することができる。そして、使用可能な超耐熱合金としては、マトリックス強化型超耐熱合金、炭化物析出強化型超耐熱合金、ガンマプライム析出強化型超耐熱合金を挙げることができる。なお、使用可能な超耐熱合金については、鉄基合金系、ニッケル基合金系、コバルト合金系のいずれであってもよい。なお、この例では、第2緩衝部材82を、第1緩衝部材81と同じ材料で構成している。
〔第1緩衝部材と第2緩衝部材との関係〕
ここで、図6に示すように、第1緩衝部材81における基部811の外径を第1基部外径D11と称し、第1緩衝部材81におけるフランジ部812の外径を第1フランジ部外径D12と呼ぶことにする。そして、この例では、『第1基部外径D11<第1フランジ部外径D12』である。また、第1緩衝部材81の軸方向長さ(高さ)を第1高さH10と称し、第1緩衝部材81における基部811の高さを第1基部高さH11と称し、第1緩衝部材81におけるフランジ部812の高さを第1フランジ部高さH12と呼ぶことにする。そして、この例では、『第1高さH10=第1基部高さH11+第1フランジ部高さH12』であり、『第1基部高さH11>第1フランジ部高さH12』である。
これに対し、図7に示すように、第2緩衝部材82の内径を第2内径D21と称し、第2緩衝部材82の外径を第2外径D22と呼ぶことにする。そして、この例では、『第2内径D21<第2外径D22』である。また、第2緩衝部材82の軸方向長さ(高さ)を第2高さH20と呼ぶことにする。
そして、この例では、第1緩衝部材81の第1フランジ部外径D12と、第2緩衝部材82の第2外径D22とが、『第1フランジ部外径D12≒第2外径D22』なる関係を有している。これに対し、この例では、第1緩衝部材81の第1基部外径D11と、第2緩衝部材82の第2内径D21とが、『第1基部外径D11<第2内径D21』なる関係を有している。ただし、第1基部外径D11と第2内径D21との差分は、1mm以下程度となっている。
また、この例では、第1緩衝部材81の第1高さH10と、第2緩衝部材82の第2高さH20とが、『第1高さH10>第2高さH20』なる関係を有しており、第1緩衝部材81の第1基部高さH11と第2緩衝部材82の第2高さH20とが、『第1基部高さH11>第2高さH20』なる関係を有している。ただし、第1基部高さH11と第2高さH20との差分は、1mm以下程度となっている。
本実施の形態では、第2緩衝部材82の先端側に、第1緩衝部材81の後端側を挿入することで、第1緩衝部材81を第2緩衝部材82にはめ込んでいる。そして、第2緩衝部材82に設けられた先端部821と、第1緩衝部材81に設けられたフランジ部812の後端側とを突き当てた状態で、これら先端部821とフランジ部812との境界部に対し、外周面の一周にわたってレーザ溶接を施すことで、これらを一体化している。ただし、レーザ溶接が施された状態で、第1緩衝部材81における基部811の外周面と、第2緩衝部材82の内周面との間には、全周にわたって隙間が存在している(図4も参照)。また、緩衝機構部80では、第1緩衝部材81におけるフランジ部812の外周面と、第2緩衝部材82の外周面とが、全周にわたって略面一に近い状態となっている(図4も参照)。
〔緩衝機構部とダイアフラムヘッドとの関係〕
また、本実施の形態では、第2緩衝部材82における後端部822と、ダイアフラムヘッド32における表面環状凸部32gとを突き当てた状態で、これら後端部822と表面環状凸部32gとの境界部に対し、外周面の一周にわたってレーザ溶接を施すことで、これらを一体化している。したがって、この例では、ダイアフラムヘッド32と第2緩衝部材82とが接触した状態で固定(溶接)されているとともに、第2緩衝部材82と第1緩衝部材81とが接触した状態で固定(溶接)されている。ただし、このとき、第1緩衝部材81は、ダイアフラムヘッド32とは直接に接触しないようになっている。より具体的に説明すると、第1緩衝部材81は、第2緩衝部材82を介してダイアフラムヘッド32と一体化しており、第1緩衝部材81の後端側に設けられた平坦部815と、ダイアフラムヘッド32の先端側に設けられた圧力受面32aおよび表面中央凹部32bとは、空間を隔てて対峙している(図4も参照)。
そして、圧力検出装置20をシリンダヘッド13に装着した状態において、第1緩衝部材81の表面壁部814は、連通孔13aに設けられた段差部13b(図4参照)に突き当てられるようになっている。
ではここで、緩衝機構部80(第1緩衝部材81および第2緩衝部材82)を構成する材料と、ダイアフラムヘッド32を構成する材料との関係について説明しておく。
本実施の形態では、緩衝機構部80およびダイアフラムヘッド32が、ともに合金材料で構成される。すなわち、第1緩衝部材81とダイアフラムヘッド32とが、異なる合金材料で構成され、第2緩衝部材82とダイアフラムヘッド32とが、異なる合金材料で構成される。ただし、第1緩衝部材81、第2緩衝部材82およびダイアフラムヘッド32には、鉄基合金(鋼)を用いることが望ましい。また、ダイアフラムヘッド32については、Crを10.5%以上含むステンレス鋼を用いることが望ましい。一方、第1緩衝部材81および第2緩衝部材82については、ステンレス鋼ではない鉄基合金(超耐熱合金)を用いることが望ましい。
また、第1緩衝部材81および第2緩衝部材82を構成する合金材料については、ダイアフラムヘッド32を構成する合金材料と比べて、熱膨張率が低いことが望ましく、熱膨張率が半分以下であることがより望ましい。また、第1緩衝部材81および第2緩衝部材82を構成する合金材料については、ダイアフラムヘッド32を構成する合金材料と比べて、ヤング率が小さいことが望ましい。なお、第1緩衝部材81および第2緩衝部材82に鉄基合金系であって、ガンマプライム析出強化型超耐熱合金の一種を用い、且つ、ダイアフラムヘッド32にSUS630(あるいはSUH660)を用いた場合、これら熱膨張率およびヤング率が、上述した関係を満たすことになる。
[接続ケーブルの構成]
接続ケーブル90は、特に図2および図3に示すように、撚り合わせられた電源線91、信号線92および接地線93と、これら電源線91、信号線92および接地線93の外周を覆う被覆部材(図示せず)とを備えている。ここで、電源線91、信号線92および接地線93は、それぞれ、錫メッキ軟銅撚り線で構成された導体部と、電子線等を用いて架橋構造を強化してなるポリエチレン(架橋ポリエチレン)等で構成されるとともに導体部の外周を被覆して絶縁する絶縁部とを有している。また、被覆部材は、絶縁性を有するゴム材料または樹脂材料で構成されている。なお、接続ケーブル90には、必要に応じて、電源線91、信号線92および接地線93を遮へいする遮へい体を設けてもかまわない。
[圧力検出装置における電気的な接続構造]
ここで、圧力検出装置20における電気的な接続構造について説明を行う。
(正の経路)
圧力検出装置20において、圧電素子41の後端側の端面(正極)は、後端電極部材44、第1コイルバネ46および伝導部材47と電気的に接続される。また、伝導部材47は、回路内蔵部材57に設けられた入力信号端子と電気的に接続される。以下では、圧電素子41の後端側の面から、後端電極部材44、第1コイルバネ46および伝導部材47を介して、回路基板571の入力信号端子に至る電気的な経路を、『正の経路』と称する。
(負の経路)
一方、圧力検出装置20において、圧電素子41の先端側の端面(負極)は、先端電極部材42、加圧部材49および支持部材53と電気的に接続される。また、加圧部材49は、第2コイルバネ54、第1収容部材55、第2収容部材56および回路内蔵部材57に設けられた入力接地端子と電気的に接続される。以下では、圧電素子41の先端側の面から、先端電極部材42、加圧部材49、支持部材53、第2コイルバネ54、第1収容部材55および第2収容部材56を介して、回路基板571の入力接地端子に至る電気的な経路を、『負の経路』と称する。
(筐体経路)
他方、圧力検出装置20において、ダイアフラムヘッド32は、先端外部筐体31、中間外部筐体33および後端外部筐体34と電気的に接続される。また、ダイアフラムヘッド32は、第1内部筐体35および第2内部筐体36と電気的に接続される。さらに、ダイアフラムヘッド32は、第2緩衝部材82を介して第1緩衝部材81と電気的に接続される。以下では、第2内部筐体36から、第1内部筐体35、ダイアフラムヘッド32、先端外部筐体31、中間外部筐体33および後端外部筐体34に至り、また、ダイアフラムヘッド32から、第2緩衝部材82および第1緩衝部材81に至る電気的な経路を、『筐体経路』と称する。なお、圧力検出装置20を、図1に示す内燃機関10のシリンダヘッド13に取り付けた場合、例えば先端外部筐体31に設けられた雄ねじ(図示せず)が、連通孔13aの内周面に設けられた雌ねじ(図示せず)に接触し、また、例えば第1緩衝部材81に設けられたフランジ部812(表面壁部814)が、連通孔13aに設けられた段差部13bに接触する。このとき、シリンダヘッド13(およびシリンダブロック11)と筐体経路とは、略同電位となる。
(正の経路と負の経路との関係)
ここで、本実施の形態の圧力検出装置20では、正の経路の外側に負の経路が存在している。換言すれば、負の経路の内部に正の経路が収容されている。そして、正の経路と負の経路とは、後端絶縁部材45、保持部材48、絶縁チューブ50および両経路の間に形成されるエアギャップによって、電気的に絶縁されている。
(負の経路と筐体経路との関係)
また、圧力検出装置20では、負の経路の外側に筐体経路が存在している。換言すれば、筐体経路の内部に負の経路が収容されている。そして、負の経路と筐体経路とは、先端絶縁部材43、第1絶縁部材51、第2絶縁部材52、第3絶縁部材60および両経路の間に形成されるエアギャップによって、電気的に絶縁されている。
(筐体経路と正の経路との関係)
さらに、圧力検出装置20では、結果として、正の経路の外側に筐体経路が存在している。換言すれば、筐体経路の内部に正の経路が収容されている。そして、上述したように、正の経路と負の経路とが電気的に絶縁され、且つ、負の経路と筐体経路とが電気的に絶縁されることにより、筐体経路と正の経路とが、電気的に絶縁されていることになる。
[内燃機関に対する圧力検出装置の取付手順]
ではここで、内燃機関10に対する圧力検出装置20の取付手順について説明を行う。
まず、内燃機関10のシリンダヘッド13に設けられた連通孔13aに、内燃機関10の外部から、その先端側すなわち緩衝機構部80側を対峙させるように、圧力検出装置20を配置する。これに続いて、連通孔13aの内部に、圧力検出装置20の先端側を挿入していく。
それから、内燃機関10のシリンダヘッド13に対し、圧力検出装置20を、軸方向に対し右回りに回転させる。なお、この操作は、トルクレンチを介して行うことが望ましい。これに伴って、シリンダヘッド13における連通孔13aの内周面に設けられた雌ねじと、圧力検出装置20における先端外部筐体31の外周面に設けられた雄ねじとが噛み合うようになり、シリンダヘッド13に対して圧力検出装置20がねじ込まれていく。その結果、圧力検出装置20の先端側に設けられた緩衝機構部80は、内燃機関10に設けられた燃焼室Cに向かって移動していく。
また、このようなねじ込みに伴い、圧力検出装置20に設けられた緩衝機構部80のうち、第1緩衝部材81に設けられた表面壁部814の先端側の面が、内燃機関10におけるシリンダヘッド13の連通孔13a内に設けられた段差部13bの後端側の面に突き当たる。これに伴い、圧力検出装置20は、基本的にこれ以上ねじ込めない状態となるが、トルクレンチを用いてさらに増し締めを行うことにより、圧力検出装置20およびシリンダヘッド13には、軸方向に沿って予め定められた軸力(締結軸力)が加えられた状態となる。以上により、内燃機関10に対する圧力検出装置20の取り付け、換言すれば、シリンダヘッド13に対する圧力検出装置20の締結が完了する。
[圧力検出装置による圧力検出動作]
続いて、圧力検出装置20による圧力検出動作について説明を行う。
内燃機関10が動作しているとき、ダイアフラムヘッド32の圧力受面32aに、燃焼室C内で発生した圧力(燃焼圧)が付与される。ここで、本実施の形態の圧力検出装置20では、ダイアフラムヘッド32の先端側に緩衝機構部80が設けられており、燃焼室C内で発生した燃焼ガス(流体の一例)は、第1緩衝部材81に設けられた9つの貫通孔816を通ってから、ダイアフラムヘッド32の圧力受面32aに到達することになる。
すると、ダイアフラムヘッド32では、圧力受面32aで受けた圧力が裏側の裏面中央凸部32dに伝達され、さらに裏面中央凸部32dから先端絶縁部材43を介して先端電極部材42へと伝達される。そして、先端電極部材42に伝達された圧力は、先端電極部材42と後端電極部材44とに挟まれた圧電素子41に作用し、圧電素子41では、受けた圧力に応じた電荷が生じる。圧電素子41に生じた電荷は、正の経路および負の経路を介して、回路基板571に電荷信号として供給される。回路基板571に供給された電荷信号は、回路基板571に実装された処理回路(図示せず)にて各種処理が施されることで出力信号とされる。そして、回路基板571から出力された出力信号は、接続部材58および接続ケーブル90を介して、制御装置100に送信される。
本実施の形態の場合、燃焼室C内で発生した燃焼ガスは、第1緩衝部材81に設けられた9つの貫通孔816を通過する間に、第1緩衝部材81によって熱が奪われることになる。このため、第1緩衝部材81を通過した後の燃焼ガスは、通過する前の燃焼ガスよりも、温度が低下している。その結果、本実施の形態では、圧力検出装置20に緩衝機構部80を設けることにより、緩衝機構部80を設けない場合と比較して、ダイアフラムヘッド32の圧力受面32aに到達する燃焼ガスの温度を、例えば100℃以上低下させることができる。
例えば燃焼室C内で発生する燃焼ガスの温度が非常に高い場合、この高温の燃焼ガスをそのままダイアフラムヘッド32の圧力受面32aに付与すると、高温の燃焼ガスによってダイアフラムヘッド32が過熱され、結果としてダイアフラムヘッド32に熱による劣化が生じる懸念がある。なお、本実施の形態でダイアフラムヘッド32の原材料として使用されるSUS630やSUH660の場合、ダイアフラムヘッド32に付与される燃焼ガスの温度が例えば700℃を超えるような環境下で長時間使用されるようなことがあると、ダイアフラムヘッド32自身の強度が次第に低下してしまうことになる。
これに対し、本実施の形態では、上述したようにダイアフラムヘッド32の先端側に緩衝機構部80を設け、第1緩衝部材81を用いて燃焼ガスの温度を低下させた状態で、ダイアフラムヘッド32に付与するようにした。これにより、長期的な観点からみたダイアフラムヘッド32の強度の低下を抑制することができる。
また、本実施の形態の圧力検出装置20は、内燃機関10に取り付けられる。例えば4サイクルの内燃機関10では、「吸入」、「圧縮」、「燃焼・膨張」、「排気」の4行程で動作する。このため、圧力検出装置20の先端側に取り付けられた緩衝機構部80には、相対的に低温となる未燃焼ガスと相対的に高温となる燃焼ガスとが、交互に供給されることになる。そして、本実施の形態では、上述したように、燃焼ガスの温度が通常よりも高温となる内燃機関10に、圧力検出装置20を取り付けることを想定している。このため、圧力検出装置20の先端側に位置する緩衝機構部80は、供給されるガスの温度の変化に応じて、熱膨張および熱収縮を繰り返すことになる。
また、本実施の形態の場合、圧力検出装置20を内燃機関10(実際にはシリンダヘッド13)に取り付ける際に、連通孔13aに設けられた段差部13bに緩衝機構部80を突き当てることで、軸方向に締結軸力(例えば2000N程度)を作用させている。
そして、供給されるガスの温度変動に伴う緩衝機構部80の熱膨張および熱収縮のよる力と、緩衝機構部80に加えられる締結軸力とのバランスが崩れると、緩衝機構部80が塑性変形してしまう懸念がある。
ここで、緩衝機構部80に塑性変形が生じると、上記締結軸力が変化し、例えば締結軸力が著しく低下してしまうような場合には、内燃機関10(シリンダヘッド13)に対し、圧力検出装置20のがたつきが発生することがあり得る。すると、圧力検出装置20による圧力の測定結果における誤差が増加したり、連通孔13aを介してガスの漏出が生じたり、内燃機関10(シリンダヘッド13)から圧力検出装置20が外れたりするおそれがある。
これに対し、本実施の形態では、緩衝機構部80を、径方向の中央部に位置する第1緩衝部材81と第1緩衝部材81の周縁部にて第1緩衝部材81を支持する第2緩衝部材82とで構成し、両者の間に隙間(スリット)を設けるようにした。このような構成を採用することにより、燃焼ガスおよび未燃焼ガスを、主として第1緩衝部材81に突き当てさせるようにした。これにより、第1緩衝部材81を、第2緩衝部材82よりも熱膨張および熱収縮しやすくした。逆にみれば、第2緩衝部材82を、第1緩衝部材81よりも熱膨張および熱収縮しにくくした。
このため、ダイアフラムヘッド32と第1緩衝部材81とを接続する第2緩衝部材82での塑性変形が生じにくくなり、上記締結軸力の変化を生じにくくすることが可能となる。また、このような構成を採用することにより、第2緩衝部材82は、軸方向に伸縮するばねとして機能することとなるため、第1緩衝部材81の熱膨張および熱収縮に伴って生じる塑性変形させようとする力を、第2緩衝部材82のばね力により吸収することが可能になる。その結果、測定対象である内燃機関10(シリンダヘッド13)に対する取付精度の低下を抑制することが可能な、緩衝機構部80を備えた圧力検出装置20を提供することができる。
[その他]
なお、本実施の形態では、第1緩衝部材81と第2緩衝部材82とを、溶接(レーザ溶接)にて一体化することにより、緩衝機構部80を構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1緩衝部材81における基部811の外周面と、第2緩衝部材82における中空部823の内周面との間に、全周にわたって隙間(スリット)を形成できるのであれば、例えば耐熱性合金製のブロック材に各種機械加工を施すことによって、一体化した緩衝機構部80を構成してもかまわない。
また、本実施の形態では、第1緩衝部材81に円柱状の貫通孔816を9箇所設けることで、第1緩衝部材81を構成していたが、これに限られるものではない。すなわち、第1緩衝部材81を燃焼ガスが通過することで、この燃焼ガスの温度を低減できるものであれば、貫通孔816の形状、数、寸法および配置等については、適宜変更してかまわない。
また、本実施の形態では、円筒状(環状)を呈する第2緩衝部材82を用いていたが、これに限られるものではなく、第1緩衝部材81およびダイアフラムヘッド32の両者を、非接触に保ちながら支持するものであれば、形状等については適宜変更してかまわない。また、本実施の形態では、第2緩衝部材82の径方向の厚さを、軸方向に対し略一定としていたが、これに限られるものではなく、例えば先端側に比べて後端側を薄くしたり、逆に、先端側に比べて後端側を厚くしたりしてもかまわない。
また、本実施の形態では、圧力検出装置20において、負の経路と筐体経路とを電気的に分離(絶縁)していたが、これに限られるものではなく、筐体経路を負の経路として機能させるようにしてもよい。この場合は、例えば、ダイアフラムヘッド32と先端電極部材42とを直接に接触させるようにし、中間外部筐体33の内周面に、回路内蔵部材57に設けられた金属板(電極端子)の外周面を突き当てるようにすればよい。なお、この場合は、第1収容部材55および第2収容部材56は不要となる。
1…圧力検出システム、10…内燃機関、11…シリンダブロック、12…ピストン、13…シリンダヘッド、13a…連通孔、13b…段差部、20…圧力検出装置、30…筐体部、31…先端外部筐体、32…ダイアフラムヘッド、33…中間外部筐体、34…後端外部筐体、35…第1内部筐体、36…第2内部筐体、40…検出機構部、41…圧電素子、42…先端電極部材、43…先端絶縁部材、44…後端電極部材、45…後端絶縁部材、46…第1コイルバネ、47…伝導部材、48…保持部材、49…加圧部材、50…絶縁チューブ、51…第1絶縁部材、52…第2絶縁部材、53…支持部材、54…第2コイルバネ、55…第1収容部材、56…第2収容部材、57…回路内蔵部材、58…接続部材、59…閉塞部材、60…第3絶縁部材、70…シール部、71…第1シール部材、72…第2シール部材、80…緩衝機構部、81…第1緩衝部材、811…基部、812…フランジ部、813…表面凹部、814…表面壁部、815…平坦部、816…貫通孔、82…第2緩衝部材、821…先端部、822…後端部、823…中空部、90…接続ケーブル、91…電源線、92…信号線、93…接地線、100…制御装置

Claims (4)

  1. 一端側から他端側へと向かって移動する流体の圧力を受ける受圧部材と、
    前記受圧部材の前記他端側に設けられ、当該受圧部材が受けた前記圧力に応じた電気信号を出力する圧電素子と、
    前記受圧部材の前記一端側で当該受圧部材と非接触に設けられ、外部から供給される前記流体の温度を低減させながら当該受圧部材に供給する温度低減部材と、
    前記受圧部材の前記一端側且つ前記温度低減部材の前記他端側で当該受圧部材および当該温度低減部材の両者に接触して設けられ、当該温度低減部材を塑性変形させようとする力を吸収することで当該温度低減部材の塑性変形を抑制する変形抑制部材とを含み、
    前記変形抑制部材は、前記受圧部材よりも熱膨張率が低いことを特徴とする圧力検出装置。
  2. 一端側から他端側へと向かって移動する流体の圧力を受ける受圧部材と、
    前記受圧部材の前記他端側に設けられ、当該受圧部材が受けた前記圧力に応じた電気信号を出力する圧電素子と、
    前記受圧部材の前記一端側で当該受圧部材と非接触に設けられ、外部から供給される前記流体の温度を低減させながら当該受圧部材に供給する温度低減部材と、
    前記受圧部材の前記一端側且つ前記温度低減部材の前記他端側で当該受圧部材および当該温度低減部材の両者に接触して設けられ、当該温度低減部材を塑性変形させようとする力を吸収することで当該温度低減部材の塑性変形を抑制する変形抑制部材とを含み、
    前記変形抑制部材は、前記受圧部材よりもヤング率が小さいことを特徴とする圧力検出装置。
  3. 前記変形抑制部材は、前記受圧部材よりもヤング率が小さいことを特徴とする請求項1記載の圧力検出装置。
  4. 前記温度低減部材は、金属で構成されるとともに、前記一端側から前記他端側へと向かう複数の貫通孔を有しており、
    前記変形抑制部材は、金属で構成されるとともに、前記受圧部材の周縁部および前記温度低減部材の周縁部と接触する枠状を呈していること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の圧力検出装置。
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