JP7304500B1 - 熱分解装置および熱分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケミカルリサイクルにおける消費エネルギーをより低減し、さらにはコストをより低減する。【解決手段】熱分解装置1は、(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップを熱分解してガス化する熱分解部10であって、スクラップを投入するための投入部12と、熱分解されたガスを抜き出すためのガス抜き出し部14とを有している熱分解部と、ガスを導出するための第1ガス導出用配管21と、ガスに含まれる(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーと前記ガスに含まれうる(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い不純物を主成分とする高沸点不純物とを分離する分縮器30と、一端側が分縮器に接続されている第2ガス導出用配管22と、モノマーを精製するための精製器、またはモノマーを冷却するための冷却器であるガス処理装置40とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、熱分解装置および熱分解方法に関し、より具体的には(メタ)アクリル酸エステルを再生するための熱分解装置および熱分解方法に関する。
(メタ)アクリル酸エステルである例えば(メタ)アクリル酸メチル(MMA)を重合した重合体であるポリ(メタ)アクリル酸メチル(PMMA)は、透明性に優れており、さらには耐候性にも優れている。よって、ポリ(メタ)アクリル酸メチルは、自動車用部品、看板標識、表示装置等を構成する部材の材料として、広く用いられている。
そして、近年の資源価格の高騰、さらには環境問題に対する意識の高まりに伴って、上記のとおりの種々の用途に用いられたポリ(メタ)アクリル酸メチルを含む製品(成形体)は回収されてリサイクル(再資源化)が図られている。
ポリ(メタ)アクリル酸メチルのリサイクルの方法としては、例えば、回収された成形体に対し、再度、成形工程を実施して新たな成形体を製造するマテリアルリサイクル、回収された成形体を熱処理して、ポリ(メタ)アクリル酸メチルを熱分解(解重合)することにより(メタ)アクリル酸メチルを回収し、回収された(メタ)アクリル酸メチル(再生MMAという場合がある。)を用いて新たな成形体を製造するケミカルリサイクル、および回収された成形体を燃料として燃焼させ、燃焼エネルギーを直接的に熱源として、さらには燃焼エネルギーを用いて発電して利用するサーマルリサイクルが挙げられる。
ポリ(メタ)アクリル酸メチルは、300℃程度の比較的低い温度で加熱することによって、(メタ)アクリル酸メチルを高収率で回収することができ、不純物の低減が可能であるため、ケミカルリサイクルによりリサイクルされることが好ましい。
ケミカルリサイクルにおいて、例えば、密閉されたシリンダを有する2軸押出機にアクリル樹脂のスクラップを供給し、400~600℃に加熱して熱分解し、2軸押出機の先端部から吐出される分解ガスを残渣タンクを介してクーラーの負圧効果と真空ポンプによって吸引し、クーラーで分解ガスを凝縮して液状モノマーとする態様が知られており(特許文献1参照。)、さらには合成高分子材料をシリンダに供給して、シリンダ内で連続的に加熱することにより得られた低分子量の気体状熱分解物をシリンダ外に導出して濃縮する態様が知られている(特許文献2参照。)。
特開平11-106427号公報 米国特許第3959357号明細書
しかしながら、上記特許文献1および2にかかる技術によっては、特に(メタ)アクリル酸エステルを再生するためのケミカルリサイクルにかかる熱分解装置における熱分解工程において、原料として用いられるスクラップに含まれうる染料などに起因する高沸点不純物が含まれうることから、例えば、後続の精製工程および当該精製工程を実施するための装置に対する要求が過大となってしまう場合があり、このような場合には、さらに精製工程にエネルギーを投入する必要が生じ、また、さらなるコストを負担する必要が生じる場合がある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を進めたところ、熱分解装置が所定の構成を備えることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記〔1〕~〔27〕を提供する。
〔1〕 (メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップを熱分解してガス化する熱分解部であって、前記スクラップを投入するための投入部と、熱分解されたガスを抜き出すためのガス抜き出し部とを有している熱分解部と、
前記ガス抜き出し部に一端側が接続されている、前記ガスを導出するための第1ガス導出用配管と、
前記第1ガス導出用配管の他端側に接続されており、前記ガスに含まれる(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーと前記ガスに含まれうる(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い不純物を主成分とする高沸点不純物とを分離する分縮器と、
一端側が前記分縮器に接続されている第2ガス導出用配管と、
前記第2ガス導出用配管の他端側に接続されているガス処理装置であって、前記モノマーを精製するための精製器、または前記モノマーを冷却するための冷却器である前記ガス処理装置と
を含む、熱分解装置。
〔2〕 前記熱分解部が、押出機、ニーダーまたは流動床加熱機である、〔1〕に記載の熱分解装置。
〔3〕 前記熱分解部が押出機である、〔2〕に記載の熱分解装置。
〔4〕 前記分縮器が、前記ガスを前記モノマーの沸点以上、発火点未満の温度に調節し、かつ、前記高沸点不純物の沸点未満、融点以上の温度に調節する第1温度調節部をさらに有している、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の熱分解装置。
〔5〕 前記モノマーを回収して貯蔵する回収モノマー貯蔵タンクと、
一端側が前記ガス処理装置に接続されている第1モノマー導出用配管であって、他端側が前記回収モノマー貯蔵タンクと接続されている第1モノマー導出用配管と
をさらに含む、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の熱分解装置。
〔6〕 前記回収モノマー貯蔵タンクが、第1重合禁止剤供給部をさらに有している、〔5〕に記載の熱分解装置。
〔7〕 一端側が前記回収モノマー貯蔵タンクに接続されている第2モノマー導出用配管であって、他端側が前記分縮器と接続されている第2モノマー導出用配管をさらに含み、
前記第2モノマー導出用配管の他端側は、前記分縮器の外壁を貫通して、前記分縮器内に延在しており、前記分縮器内に位置する他端側の端部には噴霧ノズルが接続されている、〔5〕に記載の熱分解装置。
〔8〕 前記高沸点不純物を貯蔵する高沸点不純物貯蔵タンクと、一端側が前記分縮器に接続されている高沸点不純物導出用配管であって、他端側が前記高沸点不純物貯蔵タンクと接続されている高沸点不純物導出用配管をさらに含む、〔1〕~〔7〕のいずれか1つに記載の熱分解装置。
〔9〕 前記高沸点不純物貯蔵タンクが第2重合禁止剤供給部をさらに有している、〔8〕に記載の熱分解装置。
〔10〕 前記高沸点不純物導出用配管が、高沸点不純物を(メタ)アクリル酸エステルの沸点以上、発火点未満の温度に調節し、かつ、(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い高沸点不純物の沸点未満、融点以上の温度に調節する第2温度調節部をさらに有しており、
一端側が前記分縮器と前記第2温度調節部との間に接続されており、他端側が前記第2ガス導出用配管または前記ガス処理装置と接続されている第1接続配管をさらに含む、〔8〕に記載の熱分解装置。
〔11〕 前記第2温度調節部が、二重管熱交換器、多管式熱交換器および電気ヒーターからなる群から選ばれる少なくとも1つを用いる機能部である、〔10〕に記載の熱分解装置。
〔12〕 前記二重管熱交換器または多管式熱交換器が、水蒸気を熱媒体として用いる熱交換器である、〔11〕に記載の熱分解装置。
〔13〕 前記高沸点不純物導出用配管には、第3重合禁止剤投入部および第1シールガス供給部がさらに接続されている、〔10〕に記載の熱分解装置。
〔14〕 前記第1シールガス供給部が、シールガスとして窒素ガスを供給して、前記貯蔵タンク内の雰囲気を窒素ガスを90~95体積%と酸素ガスを5~10体積%とを含む雰囲気に調節することができる機能部である、〔13〕に記載の熱分解装置。
〔15〕 前記高沸点不純物導出用配管に接続されている液面計と開閉弁とをさらに含む、〔8〕に記載の熱分解装置。
〔16〕 前記高沸点不純物導出用配管がU字管により構成されている、〔8〕に記載の熱分解装置。
〔17〕 前記高沸点不純物貯蔵タンクに設けられており、前記高沸点不純物貯蔵タンクに貯蔵されている高沸点不純物を冷却するための冷却部と、前記高沸点不純物貯蔵タンクに接続されており、前記高沸点不純物貯蔵タンク内にシールガスを供給するための第2シールガス供給部と、前記高沸点不純物貯蔵タンク外にシールガスを含む気体を排出するための気体排出部とをさらに含んでいるか、または、前記高沸点不純物貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク内に冷却水を供給するための冷却水供給部をさらに含む、〔8〕に記載の熱分解装置。
〔18〕 前記冷却部が、前記高沸点不純物貯蔵タンクの外表面に接触するように設けられているジャケットである、〔17〕に記載の熱分解装置。
〔19〕 前記ジャケットが水を冷媒体として用いるジャケットである、〔18〕に記載の熱分解装置。
〔20〕 前記高沸点不純物貯蔵タンクと、
一端側が高沸点不純物貯蔵タンクに接続されており、他端側が前記第2ガス導出用配管または前記ガス処理装置と接続されている第2接続配管とをさらに含み、
前記高沸点不純物貯蔵タンクに貯蔵されている高沸点不純物を加熱するための加熱部と、前記高沸点不純物貯蔵タンクに設けられており、前記高沸点不純物貯蔵タンク内にシールガスを供給するための第2シールガス供給部とを有している、〔8〕に記載の熱分解装置。
〔21〕 前記加熱部が、前記高沸点不純物貯蔵タンクの外表面に接触するように設けられている、ジャケットおよび電気ヒーターからなる群から選ばれる少なくとも1つである、〔20〕に記載の熱分解装置。
〔22〕 前記ジャケットが、水蒸気を熱媒体として用いるジャケットである、〔21〕に記載の熱分解装置。
〔23〕 前記第2シールガス供給部が、前記高沸点不純物貯蔵タンクの頂部側からシールガスを供給する機能部であり、
前記気体排出部が、前記高沸点不純物貯蔵タンクの頂部側からシールガスを含む気体を抜き出す機能部である、〔20〕に記載の熱分解装置。
〔24〕 前記第2シールガス供給部が、シールガスとして窒素ガスを供給して、前記高沸点不純物貯蔵タンク内の雰囲気を、窒素ガスを90~95体積%と、酸素ガスを5~10体積%とを含む混合ガスとするための機能部である、〔20〕に記載の熱分解装置。
〔25〕 〔1〕~〔24〕のいずれか1つに記載の熱分解装置を用いて、前記スクラップを熱分解する工程を含む、熱分解方法。
〔26〕 前記高沸点不純物が、前記スクラップに含まれる着色成分に由来する、〔25〕に記載の熱分解方法。
〔27〕 〔7〕に記載の熱分解装置を用いて、回収された前記モノマーを前記噴霧ノズルから噴霧しながら、前記分縮器により分別凝縮する分縮工程を含む、熱分解方法。
本発明によれば、熱分解装置において高沸点不純物を効率的に除去することができ、結果として、ケミカルリサイクルにおける消費エネルギーをより低減し、さらにはコストをより低減することができる。
図1は、第1実施形態の熱分解装置の構成例を示す概略的な図である。 図2は、第2実施形態の熱分解装置の構成例を示す概略的な図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。なお、各図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、それぞれの構成要素は本発明の要旨から逸脱しない範囲で改変可能である。複数の図面において、同一の構成要素に用いられる符号については重複する説明を省略する場合がある。
<第1実施形態>
1.熱分解装置
図1を参照して、第1実施形態の熱分解装置について説明する。図1は、第1実施形態の熱分解装置の構成例を示す概略的な図である。
図1に示されるように、第1実施形態の熱分解装置1は、
(メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップを熱分解してガス化する熱分解部10であって、前記スクラップを投入するための投入部12と、熱分解されたガスを抜き出すためのガス抜き出し部14とを有している熱分解部10と、
前記ガス抜き出し部14に一端側が接続されている、前記ガスを導出するための第1ガス導出用配管21と、
前記第1ガス導出用配管21の他端側に接続されており、前記ガスに含まれる(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーと前記ガスに含まれうる(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い不純物を主成分とする高沸点不純物とを分離する分縮器30と、
一端側が前記分縮器30に接続されている第2ガス導出用配管22と、
前記第2ガス導出用配管22の他端側に接続されているガス処理装置40であって、前記モノマーを精製するための精製器、または前記モノマーを冷却するための冷却器である前記ガス処理装置40とを含む。
(1)用語の説明
ここで、まず本明細書において用いられる用語について説明する。
「(メタ)アクリル」には、アクリル、メタクリルおよびこれらの組み合わせが含まれる。
「(メタ)アクリル系重合体組成物」は、(メタ)アクリル系重合体を主成分として含み、さらにその他の成分を含みうる組成物である。
「(メタ)アクリル酸エステル」には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸(2-エチルヘキシル)、(メタ)アクリル酸(tert-ブチルシクロヘキシル)、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸(2,2,2-トリフルオロエチル)が含まれる。
「(メタ)アクリル系重合体」は、(メタ)アクリル基を有するモノマーに由来する単量体単位を有する重合体である。
ここで、(メタ)アクリル系重合体としては、例えば、炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルに由来する単量体単位のみを含む(メタ)アクリル単独重合体;炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルに由来する単量体単位を、85質量%以上100質量%未満と、炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルに由来する単量体単位と共重合可能な他のビニル単量体に由来する単量体単位を0質量%を超えて15質量%以下とを有する(メタ)アクリル共重合体が挙げられる。
炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル」とは、例えばCH=C(CH)COOR(Rは炭素原子数1~4のアルキル基である。)で表される化合物である。
炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルと共重合可能なビニル単量体とは、炭素原子数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルと共重合可能であり、かつビニル基を有する単量体である。
炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸sec-ブチル、およびメタクリル酸イソブチルが挙げられる。炭素原子数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルは、好ましくはメタクリル酸メチルである。
炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルと共重合可能なビニル単量体としては、例えば、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸モノグリセロールなどのメタクリル酸エステル(ただし、炭素原子数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルを除く。);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸モノグリセロール等のアクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸又はこれらの酸無水物;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の窒素含有モノマー;アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有単量体;スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン系単量体が挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体の製造方法としては、例えば、炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルと、必要に応じて、炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルと共重合可能なビニル単量体とを、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法で重合されていてよい。
(メタ)アクリル系重合体組成物が含みうる「その他の成分」には、例えば、所定の特性を有する成形体を製造するために添加されうる従来公知の任意好適な、離型剤、重合調節剤、重合開始剤、紫外線吸収剤および着色剤が含まれる。
「スクラップ」とは、通常、(メタ)アクリル系重合体組成物を従来公知の任意好適な射出成形工程などにより種々の形状に成形して製造され、所定の用途に使用された後に廃材として回収された使用済みの成形体であって、本発明において原料として用いることができる形状、サイズに調整された成形体である。また、「スクラップ」は、成形時の不良品を回収し、本発明において原料として用いることができる形状、サイズに調整された成形体であってもよいし、成形時や研磨加工など後工程で発生する端材を回収し、原料として用いることができる形状、サイズに調整された成形体であってもよい。
「高沸点不純物」とは、(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い不純物を主成分とする不純物であって、大気圧における沸点の範囲が例えば150℃~450℃である化合物を含む不純物を意味しており、高沸点不純物には、例えば、染料、熱分解されたビニル単量体の二量体、および熱分解されたビニル単量体の三量体が含まれうる。ここで、高沸点不純物は、主として、スクラップに含まれる着色成分に由来する成分である。
以下、本実施形態の熱分解装置1を構成しうる構成要素について具体的に説明する。
(2)熱分解部
熱分解装置1は、熱分解部10を含む。熱分解部10は、(メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した成形体のスクラップを熱分解して、(メタ)アクリル酸エステルを含むガス(さらに高沸点不純物を含みうる)を生成することができることを条件として、従来公知の任意好適な構成を有する装置を適用することができる。
熱分解部10の例としては、押出機、ニーダー、および流動床加熱器が挙げられる。
熱分解部10は、押出機であることが好ましい。熱分解部10である押出機の好適な例としては、二軸同方向回転押出機および二軸異方向回転押出機などの二軸押出機が挙げられる。
熱分解部10として好適に適用できるニーダーとしては、例えば、米国特許第10301235号明細書に記載の装置が挙げられる。
熱分解部10として好適に適用できる流動床加熱器としては、例えば、特開2009-112902号公報に記載の装置が挙げられる。
以下、熱分解部10の構成例について、二軸押出機の構成を例にとって説明する。
二軸押出機である場合の熱分解部10は、原料を二軸押出機内における延在方向に移動させつつ内部において加熱処理を行うためのシリンダと、シリンダの内部に配置されたスクリューとを備えている。
熱分解部10には、原料であるスクラップを熱分解部10の内部に供給するための投入部12が設けられている。投入部12は二軸押出機におけるホッパー(フィーダー)に相当する構成である。投入部12であるホッパーは、通常、シリンダの上流側の端部近傍において、シリンダ内に原料を供給できるように設けられている。
熱分解部10には、熱分解されて生成したガスを抜き出すための1以上のガス抜き出し部(ベント)14が設けられている。1以上のガス抜き出し部14の配置(位置)は特に限定されず、設計に対応した任意好適な配置とすることができる。ガス抜き出し部14は、例えば、生成したガスの抜き出し効率を向上させる観点から、既に説明した投入部12とは反対側の熱分解部10の下流側の端部近傍であって、熱分解部10の上端側に設けられていることが好ましい。ガス抜き出し部14が2以上設けられる場合には、熱分解部10の上端側に所定の間隔(例えば等間隔)で整列するように配置することが好ましい。
熱分解部10は、図示されていない残渣排出部を有しうる。残渣排出部は、熱分解部10において生成した、例えば未分解成分を含む残渣を排出するための機能部である。残渣排出部は、既に説明した熱分解部10のガス抜き出し部14側の端部近傍に設けることが好ましい。
(3)分縮器
熱分解装置1は、熱分解部10のガス抜き出し部14に一端側が接続されている、熱分解されて生成した(メタ)アクリル酸エステルを含むガスを導出するための第1ガス導出用配管21の他端側に接続されており、当該ガスに含まれる(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーと当該ガスに含まれうる(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い不純物(化合物)を主成分とする高沸点不純物とを分離する分縮器30を備えている。
分縮器30は、分別凝縮により、熱分解部10において発生した(メタ)アクリル酸エステルを含むガスから、(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い高沸点不純物を凝縮して液化して除去し、結果として(メタ)アクリル酸エステルを精製するための機能部である。
分縮器30としては、導入されるガスの流量、組成等に対応した従来公知の任意好適な構成を備える分縮器を採用することができる。
分縮器30は、第1温度調節部32を含んでいる。第1温度調節部32は、熱分解されて生成した(メタ)アクリル酸エステルを含むガスを(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーの沸点以上、発火点未満の温度に調節し、かつ、高沸点不純物の沸点未満、融点以上の温度に調節する機能部である。
第1温度調節部32としては、従来公知の任意好適な構成を適用することができる。第1温度調節部32としては、具体的には、内部に媒体(特に熱媒体)を流通させることができる、ジャケット、二重管熱交換器、多管式熱交換器、電気ヒーターおよび保温材からなる群から選ばれる少なくとも1つを適用することができる。
第1温度調節部32は、例えば、分縮器30の外表面に接触するように設けられていても、分縮器30の内部を貫通するように設けられていてもよい。
なお、ジャケットおよび保温材の組み合わせといった2種以上の部材により第1温度調節部32が構成される場合には、例えば、少なくとも1種の部材が分縮器30の外表面に接触するように設けることができ、換言すると、2種以上の部材は、分縮器30の外表面に積層するように設けられていてもよい。
第1温度調節部32の設置態様は、分縮器30に導入されるガスの温度を効果的に調節できることを条件として特に限定されない。
本実施形態において、第1温度調節部32としては、二重管熱交換器または多管式熱交換器を用いることが好ましい。当該二重管熱交換器または多管式熱交換器としては、水蒸気を熱媒体または冷媒体として用いる二重管熱交換器または多管式熱交換器であるか、または水、水およびメタノールの混合物、ならびに、エチレングリコールからなる群を冷媒体として用いる二重管熱交換器または多管式熱交換器であることが好ましい。
また、第1温度調節部32が保温材を含む場合には、当該保温材が、ロックウール、グラスウール、珪酸カルシウムおよび撥水性パーライトからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
第1ガス導出用配管21は、熱分解部10にて熱分解により生成したガスを熱分解部10から導出して、分縮器30に導入するための配管である。
第1ガス導出用配管21は、上記の機能を実現できることを条件として、その形状、サイズ、構成材料等は特に限定されない。第1ガス導出用配管21としては、例えば、従来公知の任意好適なステンレス鋼製の配管を適用することができる。
(4)ガス処理装置
熱分解装置1は、ガス処理装置40を備えている。ガス処理装置40は、一端側が分縮器30に接続されている第2ガス導出用配管22の他端側に接続されている。
ガス処理装置40としては、分縮器30から導出されたガスの組成、温度等を勘案して決定される必要な処理に対応して選択された従来公知の任意好適な装置を適用することができる。
ガス処理装置40としては、例えば、分縮器30から導出された(メタ)アクリル酸エステルを含むガスを導入して、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーをさらに精製するための精製器、分縮器30から導出されたガス、すなわち(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを冷却するための冷却器、不純物を吸着除去するための吸着器などが挙げられる。ガス処理装置40としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを精製するための精製器、または(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを冷却するための冷却器を適用することが好ましい。
第2ガス導出用配管22は、分縮器30により処理されて高沸点不純物が除去またはその量がより低減されたガスを分縮器30から導出して、ガス処理装置40に導入するための配管である。
第2ガス導出用配管22は、上記の機能を実現できることを条件として、その形状、サイズ、構成材料等は特に限定されない。第2ガス導出用配管22としては、例えば、従来公知の任意好適なステンレス鋼製の配管を適用することができる。
(5)回収モノマー貯蔵タンク
熱分解装置1は、回収モノマー貯蔵タンク50を備えている。回収モノマー貯蔵タンク50は、例えば25℃および1気圧の条件下で液体状のモノマー((メタ)アクリル酸エステル)を回収して貯蔵することができ、内部を気密状態で維持することができる容器状の形態を有しており、既に説明したガス処理装置40により処理された(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする液体状のモノマーを回収して貯蔵することができる機能部である。
回収モノマー貯蔵タンク50は、一端側がガス処理装置40に接続されている第1モノマー導出用配管24の他端側に接続されている。
第1モノマー導出用配管24は、ガス処理装置40により処理されて高沸点不純物が除去またはその量がさらに低減された液体状のモノマーをガス処理装置40から導出して、回収モノマー貯蔵タンク50に導入して回収するための配管である。
第1モノマー導出用配管24は、上記の機能を実現できることを条件として、その形状、サイズ、構成材料等は特に限定されない。第1モノマー導出用配管24としては、例えば、従来公知の任意好適なステンレス鋼製の配管を適用することができる。
回収モノマー貯蔵タンク50は、第1重合禁止剤供給部52をさらに有していることが好ましい。
第1重合禁止剤供給部52は、回収モノマー貯蔵タンク50内に回収されて貯蔵されているモノマーの重合反応を阻害してモノマーの状態を経時的に維持することができる重合禁止剤を回収モノマー貯蔵タンク50内に供給することができる機能部である。
第1重合禁止剤供給部52としては、ブランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプなどの定量ポンプといった従来公知の任意好適な構成を採用することができる。
第1重合禁止剤供給部52により供給されうる、好適な重合禁止剤の例としては、tert-ブチルヒドロキノン、2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、4-メトキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、フェノチアジン、4-tert-ブチルピロカテコール、1,4-ベンゾキノン、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、6-tert-ブチル-2,4-キシレノール、ヒドロキノン、1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル フリーラジカル、ジブチルジチオカルバミン酸銅(II)、アクリル酸2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルが挙げられる。
回収モノマー貯蔵タンク50には、第2モノマー配管25が接続されている。
具体的には、第2モノマー導出用配管25は、一端側が回収モノマー貯蔵タンク50に接続されており、他端側が分縮器30と接続されている。
第2モノマー導出用配管25は、回収モノマー貯蔵タンク50に貯蔵されているモノマーを導出して、分縮器30に還流させるための配管である。
第2モノマー導出用配管25は、上記の機能を実現できることを条件として、その形状、サイズ、構成材料等は特に限定されない。第2モノマー導出用配管25は、通常、モノマーを確実に還流させるために、図示されていない従来公知の任意好適なポンプ、開閉弁、流量計など構成を備えている。第2モノマー導出用配管25には、第2モノマー導出用配管25としては、例えば、従来公知の任意好適なステンレス鋼製の配管を適用することができる。
熱分解装置1が第2モノマー導出用配管25を有していれば、分縮器30にモノマーを還流させることにより、分縮器30内を冷却することができ、結果として、分縮器30における分別凝縮の効率を向上させることができ、さらには第1温度調節部32を用いることなく分縮器30を機能させることができる。
還流させたモノマーによる第2モノマー導出用配管25の他端側は、分縮器30の外壁を貫通して、分縮器30内に延在しており、分縮器30内に位置する他端側の端部には、図示されていない従来公知の任意好適な噴霧ノズルが接続されていることが好ましい。
そして、熱分解装置1による熱分解方法を実施するにあたり、回収されたモノマーを噴霧ノズルから噴霧しながら、分縮器30により分別凝縮することが好ましい。
第2モノマー導出用配管25が噴霧ノズルをさらに有する構成とすれば、分縮器30内をより効率的に冷却することができるので分別凝縮の効率を向上させることができる。
また、第2モノマー導出用配管25が噴霧ノズルをさらに有する構成とすれば、重合禁止剤を含んだモノマーが分縮器30内に噴霧されて全体に行き渡ることとなる結果として、分縮器30の後段に接続されている配管におけるモノマーの重合による閉塞を効果的に抑制することができる。
(6)高沸点不純物導出用配管及び高沸点不純物貯蔵タンク
熱分解装置1は、高沸点不純物を貯蔵する高沸点不純物貯蔵タンク60と、一端側が分縮器30に接続されている高沸点不純物導出用配管26であって、他端側が高沸点不純物貯蔵タンク60と接続されている高沸点不純物導出用配管26をさらに含む。
高沸点不純物導出用配管26は、分縮器30において、分別凝縮された液体状の高沸点不純物を導出して高沸点不純物貯蔵タンク60へと導入する(流通させる)機能部である。
高沸点不純物導出用配管26は、分縮器30において分離された高沸点不純物を分縮器30から導出して、高沸点不純物貯蔵タンク60に導入できることを条件として、その形状、サイズ、構成材料等は特に限定されない。高沸点不純物導出用配管26としては、従来公知の任意好適なステンレス鋼製の配管等を適用することができる。
高沸点不純物導出用配管26のうちの高沸点不純物貯蔵タンク60の近傍の一部領域は、従来公知の任意好適なU字管により構成することが好ましい。このようにすれば、U字管の下端部において液体状の高沸点不純物を配管をシールするように常に存在させることができるので、系内に滞留する可燃性ガスである分解ガスの高沸点不純物貯蔵タンク60を通じての漏洩を効果的に予防することができる。また、U字管の代わりに開閉弁を高沸点不純物導出用配管26のうちの高沸点不純物貯蔵タンク60の近傍に設けることによっても、開閉弁の開閉により系外への可燃性ガスの漏洩を予防することができる。
本実施形態において、高沸点不純物導出用配管26は、高沸点不純物導出用配管26の外表面に接触するように設けられている第2温度調節部26Aをさらに備えている。第2温度調節部26Aは、分縮器30から導出された高沸点不純物の温度を調節するための機能部である。
第2温度調節部26Aは、高沸点不純物を(メタ)アクリル酸エステルの沸点以上、かつ、(メタ)アクリル酸エステルよりも沸点の高い高沸点不純物の沸点未満、融点以上の温度に調節することができる機能部である。すなわち、第2温度調節部26Aは、通常、高沸点不純物導出用配管26内を流通する高沸点不純物を加熱することができる機能部である。
第2温度調節部26Aとしては、従来公知の任意好適な構成を適用することができる。第2温度調節部26としては、具体的には、内部に媒体(熱媒体、冷媒体)を流通させることができる、二重管熱交換器、多管式熱交換器および電気ヒーターからなる群から選ばれる少なくとも1つを適用することができる。
第2温度調節部26Aである二重管熱交換器または多管式熱交換器は、水蒸気を熱媒体として用いる熱交換器であることが好ましい。
第2温度調節部26Aの設置態様は、高沸点不純物導出用配管26内を流通する高沸点不純物の温度を効果的に調節できることを条件として特に限定されない。第2温度調節部26は、例えば高沸点不純物導出用配管26の外周を一周して途切れなく覆うように設けることができる。
高沸点不純物導出用配管26ののうちの温度調節部26Aと高沸点不純物貯蔵タンク60との間の領域に、第3重合禁止剤投入部26Bおよび第1シールガス供給部26Cがさらに接続されていることが好ましい。
シールガス供給部26Cにより供給されうるシールガスは、重合禁止剤を活性化させるため、酸素を含む必要がある。シールガスが含みうる酸素の濃度は爆発限界濃度未満であり、シールガスにおける酸素以外の成分は不活性ガスであることが好ましい。当該不活性ガスは特に限定されない。シールガスは、シールガス以外の機能性の成分を含んでいてもよい。本実施形態において、シールガスは、窒素ガスを90~95体積%と、酸素ガスを5~10体積%とを含む混合ガスとすることが好ましい。
第3重合禁止剤供給部26Bは、温度調節部26Aで高温とされた高沸点不純物に含まれうる重合性化合物の重合反応を阻害することができる重合禁止剤を温度調節部26Aに供給することができ、また、高沸点不純物貯蔵タンク60内に回収されて貯蔵されている高沸点不純物に含まれうる重合性化合物の重合反応を阻害することができる重合禁止剤を高沸点不純物導出用配管26を介して高沸点不純物貯蔵タンク60内に供給することができる機能部である。
第3重合禁止剤供給部26Bとしては、ブランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプなどの定量ポンプといった従来公知の任意好適な構成を採用することができる。
第3重合禁止剤供給部26Bにより供給されうる、好適な重合禁止剤の例としては、tert-ブチルヒドロキノン、2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、4-メトキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、フェノチアジン、4-tert-ブチルピロカテコール、1,4-ベンゾキノン、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、6-tert-ブチル-2,4-キシレノール、ヒドロキノン、1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル フリーラジカル、ジブチルジチオカルバミン酸銅(II)、アクリル酸2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルが挙げられる。
第1シールガス供給部26Cは、温度調節部26Aにシールガスを供給することができる機能部である。また、高沸点不純物が収容されて貯蔵されている高沸点不純物貯蔵タンク60内に高沸点不純物導出用配管26を介してシールガスを供給することができる機能部である。
第1シールガス供給部26Cは、高沸点不純物導出用配管26、さらには高沸点不純物貯蔵タンク60にシールガスを供給できる機能を有することを条件として、ボンベ、ポンプおよび配管などを含む従来公知の任意好適な構成を採用することができる。
高沸点不純物導出用配管26において、第1シールガス供給部26Cが設けられる態様は特に限定されない。
高沸点不純物導出用配管26が第3重合禁止剤供給部26B及び第1シールガス供給部26Cを備えることにより、高沸点不純物導出用配管26内を流通する高沸点不純物(高沸点不純物に含まれる(メタ)アクリル酸エステルなどの重合性化合物)の重合および固着を効果的に防止することができる。
高沸点不純物導出用配管26には、液面計26Dと開閉弁26Eとがさらに設けられている。すなわち、熱分解装置1は、高沸点不純物導出用配管26に設けられている液面計26Dと開閉弁26Eとをさらに含む。
高沸点不純物導出用配管26にさらなる配管等により接続されうる液面計26Dは、高沸点不純物貯蔵タンク60内に貯蔵された高沸点不純物の液面の位置(高さ)を検出するための機能部である。液面計26Dは、従来公知の任意好適な装置を適用することができる。
高沸点不純物導出用配管26の中途に設けられている開閉弁26Eは、高沸点不純物導出用配管26内を流通する高沸点不純物の流量を調整することができる機能部である。開閉弁26Eとしては、例えばステンレス鋼製のボールバルブ、グローブバルブ、バタフライバルブ、ゲートバルブ、ニードルバルブ、ダイヤフラムバルブといった従来公知の任意好適な開閉弁(バルブ)を採用することができる。
熱分解装置1は、一端側が高沸点不純物導出用配管26に接続されており、他端側がガス処理装置40と接続されている第1接続配管27Aを備えている。第1接続配管27Aは、一端側が分縮器30と第2温度調節部26Aとの間に接続されている。
第1接続配管27Aは、分縮器30から高沸点不純物導出用配管26に導出され、第2温度調節部26Aにて加熱されることにより高沸点不純物に残存していた(メタ)アクリル酸エステルを含むガスをガス処理装置40に導出し、さらにガス処理装置40による処理に供するための配管である。
第1接続配管27Aは、上記の機能を発揮できることを条件として、その形状、サイズ、構成材料等は特に限定されない。第1接続配管27Aとしては、例えば従来公知の任意好適なステンレス鋼製の配管等を適用することができる。
熱分解装置1が第1接続配管27Aを有すれば、再生される(メタ)アクリル酸エステルの収率をより向上させることができる。
高沸点不純物貯蔵タンク60は、分縮器30における分別凝縮により生じた液体状の高沸点不純物を導入して貯蔵する機能部である。
高沸点不純物貯蔵タンク60の構成、材料、サイズ等は、高沸点不純物を収容して貯蔵できることを条件として特に限定されない。高沸点不純物貯蔵タンク60としては、例えば、市場にて入手可能であって密閉可能である従来公知の任意好適な容器状部材によって構成することができる。
高沸点不純物貯蔵タンク60は、高沸点不純物貯蔵タンク60に貯蔵されている液体状の高沸点不純物を冷却するための冷却部64と、高沸点不純物貯蔵タンク60に接続されており、高沸点不純物貯蔵タンク60内にシールガスを供給することができる第2シールガス供給部66Aと、高沸点不純物貯蔵タンク60に接続されており、高沸点不純物貯蔵タンク60外に気体を排出するための気体排出部66Bとを有しているか、または高沸点不純物貯蔵タンク60に接続されており、高沸点不純物貯蔵タンク60内に冷却水を供給するための冷却水供給部69を有している。
高沸点不純物貯蔵タンク60は、冷却部64と第2シールガス供給部66Aと気体排出部66Bとを有しているか、または冷却水供給部69を有していることが好ましく、冷却部64と第2シールガス供給部66Aと気体排出部66Bとに加えて、さらに冷却水供給部69を有していてもよい。
高沸点不純物貯蔵タンク60は、冷却部64と第2シールガス供給部66Aと気体排出部66Bとを有していることが好ましい。
冷却部64は、高沸点不純物貯蔵タンク60に貯蔵されている高沸点不純物を冷却するための機能部である。
冷却部64は、具体的には、内部に媒体(冷媒体)を流通させることができ、高沸点不純物貯蔵タンク60の外表面に接触するように設けられており、冷媒体として例えば水を用いる従来公知の任意好適なジャケットにより構成することができる。
第2シールガス供給部66Aは、高沸点不純物が収容されて貯蔵されている高沸点不純物貯蔵タンク60内にシールガスを供給することができる機能部である。
第2シールガス供給部66Aは、シールガスとして窒素ガスを供給して、高沸点不純物貯蔵タンク60内の雰囲気を、窒素ガスを90~95体積%と、酸素ガスを5~10体積%とを含む混合ガスとするための機能部であることが好ましい。
第2シールガス供給部66Aは、高沸点不純物貯蔵タンク60にシールガスを供給できる機能を有することを条件として、ボンベ、ポンプおよび配管などを含む従来公知の任意好適な構成を採用することができる。
高沸点不純物貯蔵タンク60において、第2シールガス供給部66Aが設けられる態様は特に限定されない。第2シールガス供給部66Aは、高沸点不純物貯蔵タンク60の頂部、底部、側部等のいずれの領域からシールガスを供給することができる態様であってもよい。第2シールガス供給部66Aは、高沸点不純物貯蔵タンク60の頂部からシールガスを供給することができる態様とすることが好ましい。
気体排出部66Bは、高沸点不純物が収容されて貯蔵されている高沸点不純物貯蔵タンク60外に内部に充満している気体を排出するための機能部である。
ここで「気体」には、引火性、発火性、爆発性を有するガスが含まれ、具体的には、高沸点不純物貯蔵タンク60内に貯蔵された高沸点不純物に起因するガス、熱分解により生成した(メタ)アクリル酸エステルなどを含むガスであって、熱分解部10のガス抜き出し部14から取り出せなかったガス、第2不活性ガス供給部66Aにより高沸点不純物貯蔵タンク60内に供給された不活性ガスが含まれうる。
気体排出部66Bは、高沸点不純物貯蔵タンク60から気体を排出できる機能を有することを条件として、ポンプおよび配管などを含む従来公知の任意好適な構成を採用することができる。
気体排出部66Bは、高沸点不純物貯蔵タンク60の頂部、底部、側部等のいずれの領域から内部の気体を排出することができる態様であってもよい。気体排出部66Bは、高沸点不純物貯蔵タンク60の頂部から気体を排出することができる機能部であることが好ましい。
気体排出部66Bには、配管を介して、さらに導出された気体を処理するための図示されていない焼却炉、フレアスタック、希釈設備が接続されうる。
ここで「気体」には、引火性、発火性、爆発性を有するガスが含まれ、具体的には、高沸点不純物貯蔵タンク60内に貯蔵された高沸点不純物に起因するガス、熱分解により生成した(メタ)アクリル酸エステルなどを含むガスであって、熱分解部10のガス抜き出し部14から取り出せなかったガス、第2シールガス供給部66Aにより高沸点不純物貯蔵タンク60内に供給された不活性ガスが含まれうる。
気体排出部66Bは、高沸点不純物貯蔵タンク60から気体を排出できる機能を有することを条件として、ポンプおよび配管などを含む従来公知の任意好適な構成を採用することができる。
気体排出部66Bは、高沸点不純物貯蔵タンク60の頂部、底部、側部等のいずれの領域から内部の気体を排出することができる態様であってもよい。気体排出部66Bは、高沸点不純物貯蔵タンク60の頂部から気体を排出することができる機能部であることが好ましい。
気体排出部66Bには、配管を介して、さらに導出された気体を処理するための図示されていない焼却炉、フレアスタック、希釈設備が接続されうる。
既に説明したとおり高沸点不純物貯蔵タンク60は、冷却水供給部69を備えていてもよい。冷却水供給部69は、高沸点不純物貯蔵タンク60内に貯蔵された高沸点不純物に冷却水(水)を直接的に接触させて冷却するために、高沸点不純物貯蔵タンク60内に冷却水を供給することができる機能部である。
冷却水供給部69は、高沸点不純物貯蔵タンク60に冷却水を供給できることを条件として、ポンプおよび配管などを含む従来公知の任意好適な構成を採用することができる。
高沸点不純物貯蔵タンク60は、既に説明した冷却部64、第2シールガス供給部66Aおよび気体排出部66Bを有していることが好ましい。
本発明の熱分解装置1によれば、熱分解部10により熱分解されて生じた染料などに由来する高沸点不純物を含む(メタ)アクリル酸エステル(モノマー)ガスを、熱分解装置10に直接的に接続されている分縮器30に導入して染料などに由来する高沸点不純物を分離することができるので、より後段に配置されている、精製工程および当該精製工程を実施するための精留塔などの装置における負担を軽減することができ、結果として、精製工程に投入されるエネルギーを低減することができ、コストを低減することができる。さらには分縮器30により高沸点不純物を除去することができるので精製工程をスキップすることもできる。
2.熱分解方法
第1実施形態の熱分解方法((メタ)アクリル酸エステルの再生方法)は、既に説明した第1実施形態の熱分解装置1を用いて、スクラップを熱分解する工程を含む。
なお、本実施形態の再生方法により再生され回収される(メタ)アクリル酸エステル(再生(メタ)アクリル酸エステルまたは回収(メタ)アクリル酸エステルという場合がある。)には、イソ酪酸メチル、プロピオン酸メチル、アクリル酸メチルといった不純物が不可避的に含まれうる。このような不純物を含みうる(精製工程等の実施前の)再生(メタ)アクリル酸エステルを(メタ)アクリル酸エステル生成物という場合がある。
以下、第1実施形態の熱分解方法に含まれうる工程について具体的に説明する。
(1)熱分解工程
熱分解工程は、熱分解装置1が備える熱分解部10によりスクラップを熱分解(解重合)して(メタ)アクリル酸エステルを含むガス(不可避的に生じる高沸点不純物をさらに含みうる。)を生成する工程である。なお、ここでは熱分解部10として押出機を採用した例を想定して説明する。
熱分解工程の実施条件(例えば、シリンダ温度(℃)、スクリュー回転数(rpm)、スクラップ供給量(原料供給速度)(kg/時間))は特に限定されない。熱分解工程の実施条件は、例えば、処理対象のスクラップの性状、組成等を考慮して、任意好適な実施条件とすることができる。
熱分解工程におけるシリンダ温度は、通常400℃~500℃とすればよく、例えばスクラップが純粋なポリ(メタ)アクリル酸メチルからなる場合には、好ましくは450℃~470℃である。
熱分解工程におけるスクリュー回転数は、通常500rpm~1500rpmとすればよく、例えばスクラップが純粋なポリ(メタ)アクリル酸メチルからなる場合には、好ましくは500rpm~1000rpmである。
熱分解工程におけるスクラップ供給量は、シリンダー径によって異なり、通常10kg/時間~5000kg/時間とすればよく、例えばシリンダー径が47mmである場合には、好ましくは40kg/時間~90kg/時間である。
(2)分縮工程
分縮工程は、熱分解部10のガス抜き出し部14から抜き出された(メタ)アクリル酸エステル(および高沸点不純物)を含むガスを第1ガス導出用配管21を介して分縮器30に導入し、分別凝縮する工程である。
具体的には、分縮工程は、第1温度調節部32により(メタ)アクリル酸エステルを含むガスを(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーの沸点以上、かつ、高沸点不純物の沸点未満、融点以上の温度に調節することにより、(メタ)アクリル酸エステルと高沸点不純物とを分別凝縮する工程である。
分縮工程において、第1温度調節部32によって調整される温度は、分別凝縮される(メタ)アクリル酸エステル、高沸点不純物の種類等、熱分解により生じたガスの組成に対応した任意好適な温度とすることができる。
例えば(メタ)アクリル酸エステルが(メタ)アクリル酸メチルである場合には、第1の温度調節部32において「(メタ)アクリル酸メチルを含むガスの「沸点以上、かつ、高沸点不純物の沸点未満、融点以上の温度」に調整された後の(メタ)アクリル酸メチルを含むガスの温度は、具体的には、例えば100℃~420℃とすることが好ましく、100℃~300℃とすることがより好ましく、100℃~200℃とすることがさらに好ましい。
分縮工程は、後述する回収工程により回収モノマー貯蔵タンク50に回収されたモノマーを第2モノマー導出用配管25により分縮器30に還流させて、さらに噴霧ノズルから分縮器30内に噴霧しながら、分縮器30により分別凝縮する分縮工程とすることが好ましい。
(3)ガス処理工程
ガス処理工程は、分縮器30における分縮工程により分別されて分縮器30から第2ガス導出用配管22を介して、さらには第2温度調節部26Aにより分離されて第1接続配管27Aを介してガス処理装置40に導入して処理する工程である。
ガス処理工程において、ガス処理装置40に導入された「(メタ)アクリル酸エステルを含むガス」は、例えば、ガス処理装置40が精製器である場合には(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマー(単に「モノマー」という場合がある。)をさらに精製して液体状とされ、またはガス処理装置40が冷却器である場合には(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを冷却して液体状とされる。
ガス処理工程において、温度、圧力などの実施条件は、ガス処理装置40により処理される(メタ)アクリル酸エステルの種類等、導入されるガスの組成に対応した任意好適な実施条件とすることができる。
(4)(メタ)アクリル酸エステル回収工程
(メタ)アクリル酸エステル回収工程は、ガス処理装置40による処理工程にて生成した液体状の(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを第1モノマー導出用配管24を介して回収モノマー貯蔵タンク50に導入して回収する回収工程である。
(メタ)アクリル酸エステル回収工程の実施条件は特に限定されない。(メタ)アクリル酸エステル回収工程は、重合性化合物であるモノマーの重合、さらには固着を防止するために、回収モノマー貯蔵タンク50に接続されている第1重合禁止剤供給部52により回収モノマー貯蔵タンク50内に重合禁止剤を供給しつつ実施することが好ましい。第1重合禁止剤供給部52による重合禁止剤の供給のタイミングは特に限定されない。重合禁止剤は、回収モノマー貯蔵タンク50に予め供給してもよいし、モノマーを導入しつつ供給してもよいし、モノマーの導入後に供給してもよい。
(5)高沸点不純物貯蔵工程
高沸点不純物貯蔵工程は、分縮器30により分縮凝縮されることにより生成した高沸点不純物を高沸点不純物導出用配管26により導出して、高沸点不純物貯蔵タンク60に導入して、貯蔵する工程である。
具体的には、高沸点不純物導出用配管26に導出された高沸点不純物は、高沸点不純物の高沸点不純物排出用配管26内における重合、固着をより効果的に防止することができるので、第2温度調節部26Aにより温度を調整しつつ高沸点不純物導出用配管26を流通させて高沸点不純物貯蔵タンク60に導入することが好ましい。
具体的には、例えば、想定される高沸点不純物の融点の温度は100℃程度であるので、この温度を上回るように第2温度調節部26Aによる温度調節の条件(媒体の温度、流速等)を調整すればよい。
高沸点不純物を高沸点不純物排出用配管26に流通させるにあたり、高沸点不純物の高沸点不純物排出用配管26内における重合、固着をより効果的に防止することができるので、第3重合禁止剤供給部26Bにより重合禁止剤を高沸点不純物排出用配管26に供給しつつ、さらには第1不活性ガス供給部26Cにより不活性ガスを高沸点不純物排出用配管26に供給しつつ高沸点不純物を流通させることが好ましい。
高沸点不純物を高沸点不純物排出用配管26に流通させるにあたり、高沸点不純物の流量、すなわち高沸点不純物貯蔵タンク60への導入速度は、開閉弁26Eにより任意好適な流量または導入速度に調節することができ、さらには開閉弁26Eにより流通を停止させることもできる。開閉弁26Eは、高沸点不純物排出用配管26のうちの高沸点不純物貯蔵タンク60のより近傍の領域に設けられていることが好ましい。
高沸点不純物を高沸点不純物排出用配管26に流通させるにあたり、液面計26Dにより高沸点不純物排出用配管26内の液面の位置を検出して確認して、既に説明した開閉弁26Eにより流量を調節しつつ流通させることが好ましい。このようにすれば、高沸点不純物排出用配管26内を流通する高沸点不純物を、より安全に高沸点不純物貯蔵タンク60内に導入することができ、高沸点不純物貯蔵タンク60からのガスの流出を防止することができるため、流出したガスによる発火爆発を効果的に防止することができる。
高沸点不純物貯蔵タンク60内に収容された高沸点不純物を貯蔵するにあたっては、高沸点不純物の高沸点不純物貯蔵タンク60内における重合、固着をより効果的に防止することができるので、第2重合禁止剤供給部62により重合禁止剤を高沸点不純物貯蔵タンク60内に供給しつつ、さらには第2シールガス供給部66Aによりシールガスを高沸点不純物貯蔵タンク60内に供給しつつ高沸点不純物を貯蔵することが好ましい。
また、高沸点不純物貯蔵タンク60内に収容された高沸点不純物を貯蔵するにあたっては、さらには発火爆発を効果的に防止する観点から、第1実施形態では冷却部64により発火点未満の温度に冷却しつつ、および/または冷却水供給部69により高沸点不純物貯蔵タンク60内に冷却水を供給して高沸点不純物と冷却水とを直接的に接触させて冷却しつつ貯蔵することが好ましい。
高沸点不純物貯蔵タンク60内に収容された高沸点不純物を貯蔵するにあたっては、高沸点不純物が収容されて貯蔵されている高沸点不純物貯蔵タンク60外に内部に充満している気体を気体排出部66Bから排出しつつ貯蔵することが好ましい。なお。気体排出部66Bから排出された気体は、配管を介して、例えば、焼却炉、フレアスタック、希釈設備などに導入して無害化すればよい。
<第2実施形態>
1.熱分解装置
図2を参照して、第2実施形態の熱分解装置について説明する。なお、既に説明した第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図2は、第2実施形態の熱分解装置の構成例を示す概略的な図である。
図2に示されるように、第2実施形態の熱分解装置1は、
前記高沸点不純物貯蔵タンク60と前記第2ガス導出用配管22または前記ガス処理装置40とを連結している第2接続配管27Bと、前記高沸点不純物貯蔵タンク60に設けられており、前記高沸点不純物貯蔵タンク60に貯蔵されている高沸点不純物を加熱するための加熱部68と、前記高沸点不純物貯蔵タンク60に設けられており、前記高沸点不純物貯蔵タンク60内にシールガスを供給するための第2シールガス供給部66Aと、前記高沸点不純物貯蔵タンク60外にシールガスを含む気体を排出するための気体排出部66Bを有している。以下、本実施形態の熱分解装置1を構成しうる構成要素について具体的に説明する。
(1)熱分解部
熱分解装置1は、熱分解部10を含む。熱分解部10は、(メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した成形体のスクラップを熱分解して、(メタ)アクリル酸エステルを含むガス(さらに高沸点不純物を含みうる)を生成することができることを条件として、従来公知の任意好適な構成を有する装置を適用することができる。
以下、熱分解部10の構成例について、二軸押出機の構成を例にとって説明する。
二軸押出機である場合の熱分解部10は、原料を二軸押出機内における延在方向に移動させつつ内部において加熱処理を行うためのシリンダと、シリンダの内部に配置されたスクリューとを備えている。
熱分解部10には、原料であるスクラップを熱分解部10の内部に供給するための投入部12が設けられている。投入部12は二軸押出機におけるホッパー(フィーダー)に相当する構成である。投入部12であるホッパーは、通常、シリンダの上流側の端部近傍において、シリンダ内に原料を供給できるように設けられている。
熱分解部10には、熱分解されて生成したガスを抜き出すための1以上のガス抜き出し部(ベント)14が設けられている。
熱分解部10は、図示されていない残渣排出部を有しうる。残渣排出部は、既に説明した熱分解部10のガス抜き出し部14側の端部近傍に設けることが好ましい。
(2)分縮器
熱分解装置1は、熱分解部10のガス抜き出し部14に一端側が接続されている、熱分解されて生成した(メタ)アクリル酸エステルを含むガスを導出するための第1ガス導出用配管21の他端側に接続されており、当該ガスに含まれる(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーと当該ガスに含まれうる(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い不純物(化合物)を主成分とする高沸点不純物とを分離する分縮器30を備えている。
分縮器30は、第1温度調節部32を含んでいる。第1温度調節部32としては、具体的には、内部に媒体(特に熱媒体)を流通させることができる、ジャケット、二重管熱交換器、多管式熱交換器、電気ヒーターおよび保温材からなる群から選ばれる少なくとも1つを適用することができる。
第1温度調節部32は、例えば、分縮器30の外表面に接触するように設けられていても、分縮器30の内部を貫通するように設けられていてもよい。
第1温度調節部32としては、二重管熱交換器または多管式熱交換器を用いることが好ましい。当該二重管熱交換器または多管式熱交換器としては、水蒸気を熱媒体または冷媒体として用いる熱交換器であるか、または水、水およびメタノールの混合物、ならびに、エチレングリコールからなる群から選ばれる媒体を冷媒体として用いる熱交換器であることが好ましい。
また、第1温度調節部32が保温材を含む場合には、当該保温材が、ロックウール、グラスウール、珪酸カルシウムおよび撥水性パーライトからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
第1ガス導出用配管21としては、例えば、従来公知の任意好適なステンレス鋼製の配管を適用することができる。
(3)ガス処理装置
熱分解装置1は、ガス処理装置40を備えている。ガス処理装置40は、一端側が分縮器30に接続されている第2ガス導出用配管22の他端側に接続されている。
ガス処理装置40としては、例えば、分縮器30から導出された(メタ)アクリル酸エステルを含むガスを導入して、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーをさらに精製するための精製器、分縮器30から導出されたガス、すなわち(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを冷却するための冷却器、不純物を吸着除去するための吸着器などが挙げられる。ガス処理装置40としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを精製するための精製器、または(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを冷却するための冷却器を適用することが好ましい。
第2ガス導出用配管22は、分縮器30により処理されて高沸点不純物が除去またはその量がより低減されたガスを分縮器30から導出して、ガス処理装置40に導入するための配管である。
第2実施形態のガス処理装置40には、高沸点貯蔵タンク60の気体排出部66Bと接続するための第2接続配管27Bがさらに接続されている(詳細については後述する。)。
(4)回収モノマー貯蔵タンク
熱分解装置1は、回収モノマー貯蔵タンク50を備えている。回収モノマー貯蔵タンク50は、例えば25℃および1気圧の条件下で液体状のモノマー((メタ)アクリル酸エステル)を回収して貯蔵することができ、内部を気密状態で維持することができる容器状の形態を有しており、既に説明したガス処理装置40により処理された(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする液体状のモノマーを回収して貯蔵することができる機能部である。
回収モノマー貯蔵タンク50は、一端側がガス処理装置40に接続されている第1モノマー導出用配管24の他端側に接続されている。
第1モノマー導出用配管24は、ガス処理装置40により処理されて高沸点不純物が除去またはその量がさらに低減された液体状のモノマーをガス処理装置40から導出して、回収モノマー貯蔵タンク50に導入して回収するための配管である。
回収モノマー貯蔵タンク50は、第1重合禁止剤供給部52をさらに有していることが好ましい。
回収モノマー貯蔵タンク50には、第2モノマー配管25が接続されている。
具体的には、第2モノマー導出用配管25は、一端側が回収モノマー貯蔵タンク50に接続されており、他端側が分縮器30と接続されている。
第2モノマー導出用配管25は、回収モノマー貯蔵タンク50に貯蔵されているモノマーを導出して、分縮器30に還流させるための配管である。
熱分解装置1が第2モノマー導出用配管25を有していれば、分縮器30にモノマーを還流させることにより、分縮器30内を冷却することができ、結果として、分縮器30における分別凝縮の効率を向上させることができる。
還流させたモノマーによる第2モノマー導出用配管25の他端側は、分縮器30の外壁を貫通して、分縮器30内に延在しており、分縮器30内に位置する他端側の端部には、図示されていない従来公知の任意好適な噴霧ノズルが接続されていることが好ましい。
そして、熱分解装置1による熱分解方法を実施するにあたり、回収されたモノマーを噴霧ノズルから噴霧しながら、分縮器30により分別凝縮することが好ましい。
第2モノマー導出用配管25が噴霧ノズルをさらに有する構成とすれば、分縮器30内をより効率的に冷却することができるので分別凝縮の効率を向上させることができる。
(5)高沸点不純物導出用配管及び高沸点不純物貯蔵タンク
熱分解装置1は、高沸点不純物を貯蔵する高沸点不純物貯蔵タンク60と、一端側が分縮器30に接続されている高沸点不純物導出用配管26であって、他端側が高沸点不純物貯蔵タンク60と接続されている高沸点不純物導出用配管26をさらに含む。
高沸点不純物導出用配管26は、従来公知の任意好適なU字管により構成することが好ましい。このようにすれば、U字管の下端部において液体状の高沸点不純物を配管をシールするように常に存在させることができるので、系内に滞留する可燃性ガスである分解ガスの高沸点不純物貯蔵タンク60を通じての漏洩を効果的に予防することができる。また、U字管の代わりに開閉弁を高沸点不純物導出用配管26のうちの高沸点不純物貯蔵タンク60の近傍に設けることによっても、開閉弁の開閉により系外への可燃性ガスの漏洩を予防することができる。
本実施形態において、高沸点不純物導出用配管26は、高沸点不純物導出用配管26の外表面に接触するように設けられている第2温度調節部26Aをさらに備えている。第2温度調節部26Aは、分縮器30から導出された高沸点不純物の温度を調節するための機能部である。
第2温度調節部26Aは、高沸点不純物を(メタ)アクリル酸エステルの沸点以上、発火点未満の温度に調節し、かつ、(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い高沸点不純物の沸点未満、融点以上の温度に調節することができる機能部である。すなわち、第2温度調節部26Aは、通常、高沸点不純物導出用配管26内を流通する高沸点不純物を加熱することができる機能部である。
第2温度調節部26Aとしては、従来公知の任意好適な構成を適用することができる。第2温度調節部26としては、具体的には、内部に媒体(熱媒体、冷媒体)を流通させることができる、二重管熱交換器および電気ヒーターからなる群から選ばれる少なくとも1つを適用することができる。
第2温度調節部26Aである二重管熱交換器または多管式熱交換器は、水、水およびメタノールの混合物、ならびに、エチレングリコールからなる群から選ばれる媒体を冷媒体として用いる二重管熱交換器または多管式熱交換器であることが好ましい。
高沸点不純物導出用配管26には、第3重合禁止剤投入部26Bおよび第1シールガス供給部26Cがさらに接続されていることが好ましい。
高沸点不純物導出用配管26が第3重合禁止剤供給部26B及び第1シールガス供給部26Cを備えることにより、高沸点不純物導出用配管26内を流通する高沸点不純物(高沸点不純物に含まれる(メタ)アクリル酸エステルなどの重合性化合物)の重合および固着を効果的に防止することができる。
高沸点不純物導出用配管26は、液面計26Dと開閉弁26Eとをさらに含む。
熱分解装置1は、一端側が高沸点不純物導出用配管26に接続されており、他端側がガス処理装置40と接続されている第1接続配管27Aを備えている。第1接続配管27Aは、一端側が分縮器30と第2温度調節部26Aとの間に接続されている。
第1接続配管27Aは、分縮器30から高沸点不純物導出用配管26に導出された高沸点不純物が第2温度調節部26Aにて加熱されることにより、ガス化されて取り出された(メタ)アクリル酸エステルを含むガスをガス処理装置40に導出して、当該ガスをガス処理装置40による処理に供するための配管である。
第1接続配管27Aは、上記の機能を発揮できることを条件として、その形状、サイズ、構成材料等は特に限定されない。第1接続配管27Aとしては、例えば従来公知の任意好適なステンレス鋼製の配管等を適用することができる。
第2実施形態の熱分解装置1は、一端側が高沸点不純物貯蔵タンク60の好ましくは上端側に設けられている気体排出部66Bに接続されており、他端側がガス処理装置40と接続されている第2接続配管27Bをさらに備えている。
第2接続配管27Bは、高沸点不純物貯蔵タンク60の気体排出部66Bから導出される高沸点不純物に残存していた(メタ)アクリル酸エステルを含むガス(および第1シールガス供給部26C、さらには第2シールガス供給部66Aにより供給されたシールガス)をガス処理装置40に導出し、さらにガス処理装置40による処理に供するための配管である。
第2接続配管27Bは、上記の機能を発揮できることを条件として、その形状、サイズ、構成材料等は特に限定されない。第2接続配管27Bとしては、例えば従来公知の任意好適なステンレス鋼製の配管等を適用することができる。
熱分解装置1が第2接続配管27Bを備える場合には、第1接続配管27Aを有しない構成としてもよい。
熱分解装置1が第1接続配管27Aおよび第2接続配管27B、または第2接続配管27Bを有すれば、再生される(メタ)アクリル酸エステルの収率をより向上させることができる。
高沸点不純物貯蔵タンク60は、分縮器30における分別凝縮により生じた液体状の高沸点不純物を導入して貯蔵する機能部である。
第2実施形態の高沸点不純物貯蔵タンク60は、高沸点不純物貯蔵タンク60に貯蔵されている液体状の高沸点不純物を加熱するための加熱部68と、高沸点不純物貯蔵タンク60に接続されており、高沸点不純物貯蔵タンク60内にシールガスを供給することができる第2シールガス供給部66Aと、高沸点不純物貯蔵タンク60に接続されており、高沸点不純物貯蔵タンク60外に気体を排出するための気体排出部66Bとを有している。
加熱部68は、高沸点不純物貯蔵タンク60に貯蔵されている高沸点不純物を加熱するための機能部であって、高沸点不純物に残存している(メタ)アクリル酸エステルを揮発させるための機能部である。
加熱部68は、高沸点不純物貯蔵タンク60の外表面に接触するように設けられている、ジャケットおよび電気ヒーターからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。ここで、当該ジャケットは水蒸気を熱媒体として用いるジャケットでであることが好ましい。
第2不活性ガス供給部66Aは、高沸点不純物が収容されて貯蔵されている高沸点不純物貯蔵タンク60内にシールガスを供給することができる機能部である。
第2不活性ガス供給部66Aは、高沸点不純物貯蔵タンク60の頂部からシールガスを供給することができる態様とすることが好ましい。
第2シールガス供給部66Aは、不活性ガスとして窒素ガスを供給して、高沸点不純物貯蔵タンク60内の雰囲気を、窒素ガスを90~95体積%と、酸素ガスを5~10体積%とを含む混合ガスとするための機能部であることが好ましい。
気体排出部66Bは、高沸点不純物が収容されて貯蔵されている高沸点不純物貯蔵タンク60外に内部に充満している気体を排出するための機能部である。
気体排出部66Bは、高沸点不純物貯蔵タンク60の頂部から気体を排出することができる機能部であることが好ましい。
気体排出部66Bには、既に説明したとおり、他端側がガス処理装置40に接続される第2接続配管27Bが接続されている。
熱分解装置1が第1接続配管27Aおよび第2接続配管27Bを有すれば、再生される(メタ)アクリル酸エステルの収率をより向上させることができる。
第2実施形態の熱分解装置1によれば、熱分解部10により熱分解されて生じた(メタ)アクリル酸エステル(モノマー)を含むガスを、熱分解装置10に直接的に接続されている分縮器30に導入して処理することができるので、より後段に配置されている、精製工程および当該精製工程を実施するための精留塔などの装置における負担を軽減することができ、さらには1接続配管27Aに加えて、加熱部68と第2接続配管27Bとを有するので、再生される(メタ)アクリル酸エステルの収率をより向上させることができる。結果として、精製工程に投入されるエネルギーを低減することができ、コストを低減することができる。
2.熱分解方法
第2実施形態の熱分解方法((メタ)アクリル酸エステルの再生方法)は、既に説明した第2実施形態の熱分解装置1を用いて、スクラップを熱分解する工程を含む。
以下、第2実施形態の熱分解方法に含まれうる工程について具体的に説明する。
(1)熱分解工程
熱分解工程は、熱分解装置1が備える熱分解部10によりスクラップを熱分解(解重合)して(メタ)アクリル酸エステルを含むガス(不可避的に生じる高沸点不純物をさらに含みうる。)を生成する工程である。
(2)分縮工程
分縮工程は、熱分解部10のガス抜き出し部14から抜き出された(メタ)アクリル酸エステル(および高沸点不純物)を含むガスを第1ガス導出用配管21を介して分縮器30に導入し、分別凝縮する工程である。
分縮工程は、後述する回収工程により回収モノマー貯蔵タンク50に回収されたモノマーを第2モノマー導出用配管25により分縮器30に還流させて、さらに噴霧ノズルから分縮器30内に噴霧しながら、分縮器30により分別凝縮する分縮工程とすることが好ましい。
(3)ガス処理工程
ガス処理工程は、分縮器30における分縮工程により分別されて分縮器30から第2ガス導出用配管22を介して、第2温度調節部26Aにより分離されて第1接続配管27Aを介してガス処理装置40に導入して、さらには高沸点不純物貯蔵タンク60内において加熱部68により加熱されることにより揮発した(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを、気体排出部66Bおよび第2接続配管27Bを介してガス処理装置40に導入して処理する工程である。
ガス処理工程において、ガス処理装置40に導入された「(メタ)アクリル酸エステルを含むガス」は、例えば、ガス処理装置40が精製器である場合には(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーをさらに精製して液体状とされ、またはガス処理装置40が冷却器である場合には(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを冷却して液体状とされる。
(4)(メタ)アクリル酸エステル回収工程
(メタ)アクリル酸エステル回収工程は、ガス処理装置40による処理工程にて生成した液体状の(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを第1モノマー導出用配管24を介して回収モノマー貯蔵タンク50に導入して回収する回収工程である。
(メタ)アクリル酸エステル回収工程は、重合性化合物であるモノマーの重合、さらには固着を防止するために、回収モノマー貯蔵タンク50に接続されている第1重合禁止剤供給部52により回収モノマー貯蔵タンク50内に重合禁止剤を供給しつつ実施することが好ましい。
(5)高沸点不純物貯蔵工程
高沸点不純物貯蔵工程は、分縮器30により分縮凝縮されることにより生成した高沸点不純物を高沸点不純物導出用配管26により導出して、高沸点不純物貯蔵タンク60に導入して、貯蔵する工程である。
具体的には、高沸点不純物導出用配管26に導出された高沸点不純物は、高沸点不純物の高沸点不純物排出用配管26内における重合、固着をより効果的に防止することができるので、第2温度調節部26Aにより温度を調整しつつ高沸点不純物導出用配管26を流通させて高沸点不純物貯蔵タンク60に導入することが好ましい。
高沸点不純物を高沸点不純物排出用配管26に流通させるにあたり、高沸点不純物の高沸点不純物排出用配管26内における重合、固着をより効果的に防止することができるので、第3重合禁止剤供給部26Bにより重合禁止剤を高沸点不純物排出用配管26に供給しつつ、さらには第1シールガス供給部26Cにより不活性ガスを高沸点不純物排出用配管26に供給しつつ高沸点不純物を流通させることが好ましい。
高沸点不純物を高沸点不純物排出用配管26に流通させるにあたり、高沸点不純物の流量、すなわち高沸点不純物貯蔵タンク60への導入速度は、開閉弁26Eにより任意好適な流量または導入速度に調節することができ、さらには開閉弁26Eにより流通を停止させることもできる。開閉弁26Eは、高沸点不純物排出用配管26のうちの高沸点不純物貯蔵タンク60のより近傍の領域に設けられていることが好ましい。
高沸点不純物を高沸点不純物排出用配管26に流通させるにあたり、液面計26Dにより高沸点不純物排出用配管26内の液面の位置を検出して確認して、既に説明した開閉弁26Eにより流量を調節しつつ流通させることが好ましい。このようにすれば、高沸点不純物排出用配管26内を流通する高沸点不純物を、より安全に高沸点不純物貯蔵タンク60内に導入することができ、高沸点不純物貯蔵タンク60からのガスの流出を防止することができるため、流出したガスによる発火爆発を効果的に防止することができる。
高沸点不純物貯蔵タンク60内に収容された高沸点不純物を貯蔵するにあたっては、高沸点不純物の高沸点不純物貯蔵タンク60内における重合、固着をより効果的に防止することができるので、第2重合禁止剤供給部62により重合禁止剤を高沸点不純物貯蔵タンク60内に供給しつつ、さらには第2シールガス供給部66Aにより不活性ガスを高沸点不純物貯蔵タンク60内に供給しつつ高沸点不純物を貯蔵することが好ましい。
1 熱分解装置
10 熱分解部
12 投入部
14 ガス抜き出し部
21 第1ガス導出用配管
22 第2ガス導出用配管
23 第3ガス導出用配管
24 第1モノマー導出用配管
25 第2モノマー導出用配管
26 高沸点不純物導出用配管
26A 第2温度調節部
26B 第3重合禁止剤供給部
26C 第1不活性ガス供給部
26D 液面計
26E 開閉弁
27A 第1接続配管
27B 第2接続配管
30 分縮器
32 第1温度調節部
40 ガス処理装置
50 回収モノマー貯蔵タンク
52 第1重合禁止剤供給部
60 高沸点不純物貯蔵タンク
62 第2重合禁止剤供給部
64 冷却部
66A 第2不活性ガス供給部
66B 気体排出部
68 加熱部
69 冷却水供給部

Claims (28)

  1. (メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップを熱分解してガス化する熱分解部であって、前記スクラップを投入するための投入部と、熱分解されたガスを抜き出すためのガス抜き出し部とを有している熱分解部と、
    前記ガス抜き出し部に一端側が接続されている、前記ガスを導出するための第1ガス導出用配管と、
    前記第1ガス導出用配管の他端側に接続されており、前記ガスに含まれる(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーと前記ガスに含まれうる(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い不純物を主成分とする高沸点不純物とを分離する分縮器と、
    一端側が前記分縮器に接続されている第2ガス導出用配管と、
    前記第2ガス導出用配管の他端側に接続されているガス処理装置であって、前記モノマーを精製するための精製器、または前記モノマーを冷却するための冷却器である前記ガス処理装置とを含
    前記分縮器が、前記ガスを前記モノマーの沸点以上、発火点未満の温度に調節し、かつ、前記高沸点不純物の沸点未満、融点以上の温度に調節して高沸点不純物を液化する第1温度調節部をさらに有している、熱分解装置。
  2. 前記熱分解部が、押出機、ニーダーまたは流動床加熱機である、請求項1に記載の熱分解装置。
  3. 前記熱分解部が押出機である、請求項2に記載の熱分解装置。
  4. 前記モノマーを回収して貯蔵する回収モノマー貯蔵タンクと、
    一端側が前記ガス処理装置に接続されている第1モノマー導出用配管であって、他端側が前記回収モノマー貯蔵タンクと接続されている第1モノマー導出用配管と
    をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱分解装置。
  5. 前記回収モノマー貯蔵タンクが、第1重合禁止剤供給部をさらに有している、請求項に記載の熱分解装置。
  6. 一端側が前記回収モノマー貯蔵タンクに接続されている第2モノマー導出用配管であって、他端側が前記分縮器と接続されている第2モノマー導出用配管をさらに含み、
    前記第2モノマー導出用配管の他端側は、前記分縮器の外壁を貫通して、前記分縮器内に延在しており、前記分縮器内に位置する他端側の端部には噴霧ノズルが接続されている、請求項に記載の熱分解装置。
  7. 前記高沸点不純物を貯蔵する高沸点不純物貯蔵タンクと、一端側が前記分縮器に接続されている高沸点不純物導出用配管であって、他端側が前記高沸点不純物貯蔵タンクと接続されている高沸点不純物導出用配管をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱分解装置。
  8. 前記高沸点不純物貯蔵タンクが第2重合禁止剤供給部をさらに有している、請求項に記載の熱分解装置。
  9. 前記高沸点不純物導出用配管が、高沸点不純物を(メタ)アクリル酸エステルの沸点以上、発火点未満の温度に調節し、かつ、(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い高沸点不純物の沸点未満、融点以上の温度に調節する第2温度調節部をさらに有しており、
    一端側が前記分縮器と前記第2温度調節部との間に接続されており、他端側が前記第2ガス導出用配管または前記ガス処理装置と接続されている第1接続配管をさらに含む、請求項に記載の熱分解装置。
  10. 前記第2温度調節部が、二重管熱交換器、多管式熱交換器および電気ヒーターからなる群から選ばれる少なくとも1つを用いる機能部である、請求項に記載の熱分解装置。
  11. 前記二重管熱交換器または多管式熱交換器が、水蒸気を熱媒体として用いる熱交換器である、請求項10に記載の熱分解装置。
  12. 前記高沸点不純物導出用配管には、第3重合禁止剤投入部および第1シールガス供給部がさらに接続されている、請求項に記載の熱分解装置。
  13. 前記第1シールガス供給部が、シールガスとして窒素ガスを供給して、前記貯蔵タンク内の雰囲気を窒素ガスを90~95体積%と酸素ガスを5~10体積%とを含む雰囲気に調節することができる機能部である、請求項12に記載の熱分解装置。
  14. 前記高沸点不純物導出用配管に設けられている液面計と開閉弁とをさらに含む、請求項に記載の熱分解装置。
  15. 前記高沸点不純物導出用配管がU字管により構成されている、請求項に記載の熱分解装置。
  16. 前記高沸点不純物貯蔵タンクに設けられており、前記高沸点不純物貯蔵タンクに貯蔵されている高沸点不純物を冷却するための冷却部と、前記高沸点不純物貯蔵タンクに接続されており、前記高沸点不純物貯蔵タンク内にシールガスを供給するための第2シールガス供給部と、前記高沸点不純物貯蔵タンク外にシールガスを含む気体を排出するための気体排出部とをさらに含んでいるか、または、前記高沸点不純物貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク内に冷却水を供給するための冷却水供給部をさらに含む、請求項に記載の熱分解装置。
  17. 前記冷却部が、前記高沸点不純物貯蔵タンクの外表面に接触するように設けられているジャケットである、請求項16に記載の熱分解装置。
  18. 前記ジャケットが水を冷媒体として用いるジャケットである、請求項17に記載の熱分解装置。
  19. 前記高沸点不純物貯蔵タンクと、
    一端側が高沸点不純物貯蔵タンクに接続されており、他端側が前記第2ガス導出用配管または前記ガス処理装置と接続されている第2接続配管とをさらに含み、
    前記高沸点不純物貯蔵タンクに貯蔵されている高沸点不純物を加熱するための加熱部と、前記高沸点不純物貯蔵タンクに設けられており、前記高沸点不純物貯蔵タンク内にシールガスを供給するための第2シールガス供給部とを有している、請求項に記載の熱分解装置。
  20. 前記加熱部が、前記高沸点不純物貯蔵タンクの外表面に接触するように設けられている、ジャケットおよび電気ヒーターからなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項19に記載の熱分解装置。
  21. 前記ジャケットが、水蒸気を熱媒体として用いるジャケットである、請求項20に記載の熱分解装置。
  22. 前記第2シールガス供給部が、前記高沸点不純物貯蔵タンクの頂部側からシールガスを供給する機能部であり、
    前記気体排出部が、前記高沸点不純物貯蔵タンクの頂部側からシールガスを含む気体を抜き出す機能部である、請求項19に記載の熱分解装置。
  23. 前記第2シールガス供給部が、シールガスとして窒素ガスを供給して、前記高沸点不純物貯蔵タンク内の雰囲気を、窒素ガスを90~95体積%と、酸素ガスを5~10体積%とを含む混合ガスとするための機能部である、請求項19に記載の熱分解装置。
  24. 請求項1~3のいずれか一項に記載の熱分解装置を用いて、前記スクラップを熱分解する工程を含む、熱分解方法。
  25. 前記高沸点不純物が、前記スクラップに含まれる着色成分に由来する、請求項24に記載の熱分解方法。
  26. 請求項に記載の熱分解装置を用いて、回収された前記モノマーを前記噴霧ノズルから噴霧しながら、前記分縮器により分別凝縮する分縮工程を含む、熱分解方法。
  27. (メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップを熱分解してガス化する熱分解部であって、前記スクラップを投入するための投入部と、熱分解されたガスを抜き出すためのガス抜き出し部とを有している熱分解部と、
    前記ガス抜き出し部に一端側が接続されている、前記ガスを導出するための第1ガス導出用配管と、
    前記第1ガス導出用配管の他端側に接続されており、前記ガスに含まれる(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーと前記ガスに含まれうる(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い不純物を主成分とする高沸点不純物とを分離する分縮器と、
    一端側が前記分縮器に接続されている第2ガス導出用配管と、
    前記第2ガス導出用配管の他端側に接続されているガス処理装置であって、前記モノマーを精製するための精製器、または前記モノマーを冷却するための冷却器である前記ガス処理装置と、
    前記モノマーを回収して貯蔵する回収モノマー貯蔵タンクと、
    一端側が前記ガス処理装置に接続されている第1モノマー導出用配管であって、他端側が前記回収モノマー貯蔵タンクと接続されている第1モノマー導出用配管と、
    一端側が前記回収モノマー貯蔵タンクに接続されている第2モノマー導出用配管であって、他端側が前記分縮器と接続されている第2モノマー導出用配管とを含み、
    前記第2モノマー導出用配管の他端側は、前記分縮器の外壁を貫通して、前記分縮器内に延在しており、前記分縮器内に位置する他端側の端部には噴霧ノズルが接続されている、熱分解装置。
  28. (メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップを熱分解してガス化する熱分解部であって、前記スクラップを投入するための投入部と、熱分解されたガスを抜き出すためのガス抜き出し部とを有している熱分解部と、
    前記ガス抜き出し部に一端側が接続されている、前記ガスを導出するための第1ガス導出用配管と、
    前記第1ガス導出用配管の他端側に接続されており、前記ガスに含まれる(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーと前記ガスに含まれうる(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い不純物を主成分とする高沸点不純物とを分離する分縮器と、
    一端側が前記分縮器に接続されている第2ガス導出用配管と、
    前記第2ガス導出用配管の他端側に接続されているガス処理装置であって、前記モノマーを精製するための精製器、または前記モノマーを冷却するための冷却器である前記ガス処理装置と、
    前記高沸点不純物を貯蔵する高沸点不純物貯蔵タンクと、一端側が前記分縮器に接続されている高沸点不純物導出用配管であって、他端側が前記高沸点不純物貯蔵タンクと接続されている高沸点不純物導出用配管とを含み、
    前記高沸点不純物導出用配管が、高沸点不純物を(メタ)アクリル酸エステルの沸点以上、発火点未満の温度に調節し、かつ、(メタ)アクリル酸エステルより沸点の高い高沸点不純物の沸点未満、融点以上の温度に調節する第2温度調節部をさらに有しており、
    一端側が前記分縮器と前記第2温度調節部との間に接続されており、他端側が前記第2ガス導出用配管または前記ガス処理装置と接続されている第1接続配管をさらに含み、
    前記第2温度調節部が、二重管熱交換器、多管式熱交換器および電気ヒーターからなる群から選ばれる少なくとも1つを用いる機能部である、熱分解装置。
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