JP7304473B2 - 複合成形体、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
製造方法(又は成形方法)に関する。
る方法として、両者の相溶性を利用する方法、成形体の反応基とゴム部材の反応基とを反
応させる方法、ゴム組成物の架橋剤としての過酸化物から発生するラジカルを利用する方
法などが知られている。
1)には、アクリロニトリル含有熱可塑性樹脂と、アクリロニトリル含有ゴムとを加熱密
着させて複合部材を得ることが提案されている。また、オレフィン系樹脂とゴム(EPDM)
とを共押し出し成形し、オレフィン系樹脂部材とゴム部材とを相溶化させて複合化するこ
とも知られている。しかし、これらの方法では、ゴム組成物をシート状に成形することは
可能であっても、厚みの薄いゴム層を形成することが困難である。すなわち、ゴム層の厚
みを小さくするため、押出成形しても、ゴム組成物の流動性が低く脈動するため、厚みが
50μm以下であり、かつ均一なゴム層を形成することは困難である。しかも、熱可塑性
樹脂とゴムとが相溶性を有する成分に限定されるため、汎用性に乏しく、広い範囲で、熱
可塑性樹脂と薄膜ゴム層とを接合させることが困難である。
特許文献2)には、末端アミノ基を有するポリアミド系樹脂と、カルボキシル基又は酸無
水物基含有ゴム組成物(過酸化物と加硫活性化剤とアルコキシシラン化合物とを含む)と
を加硫させて複合体を製造することが記載されている。特開2005-36147号公報
(特許文献3)には、アミノ基を有する樹脂エレメントと、酸変性ゴムを含む加硫ゴム部
材に、アミノ基を有する樹脂組成物を射出成形し、樹脂エレメントと加硫ゴム部材とを直
接接合させることが記載されている。しかし、これらの方法も、前記相溶性を利用する方
法と同様の課題があるだけでなく、さらに、アミノ基とカルボキシル基又は酸無水物基と
の反応を利用するため、樹脂及びゴムの種類が大きく制約される。
)には、ラジカル発生剤を含む未加硫ゴム部材と、半経験的分子軌道法により算出される
軌道相互作用エネルギー係数Sが0.006以上の水素原子を所定の濃度で含む熱可塑性
樹脂(末端アミノ基を含む熱可塑性樹脂など)を含む樹脂部材とを接触させ、未加硫ゴム
部材をラジカル発生剤で加硫し、加硫ゴム部材と樹脂部材とが直接接合した複合体が記載
されている。特開2011-110105号公報(特許文献5)には、ポリアミド樹脂シ
ートを介して、スタッドとしての架橋ゴム層と、ソールとしての熱可塑性エラストマー層
とが積層された靴底用複合成形体に関し、金型内に所定のアミノ基濃度及び引張り弾性率
を有するポリアミド樹脂シートを配置し、このシートの一方の面に、未架橋ゴムと過酸化
物と架橋助剤とを含む未架橋ゴム組成物を溶融して接触させ、この未架橋ゴム組成物を加
熱して架橋させて前記複合成形体を形成することが記載されている。しかし、これらの方
法でも、前記と同様に、予めゴム組成物を成形して加硫させるため、薄膜のゴム層を樹脂
部材に形成することができない。
られるものの、ゴムの粘度や成形性、金型の構造などの点から、薄膜のゴム層を形成する
ことは実質的に不可能である。
レンダー成形による薄肉成形の限界は50μm程度であり、しかも均一なゴムの薄膜を樹
脂成形体に形成することは困難であり、特に、前記厚みよりも薄いゴム層を樹脂成形体と
複合化することが不可能である。
成された複合成形体、及びその製造方法を提供することにある。
で密着して、耐久性に優れた複合成形体及びその製造方法を提供することにある。
結果、ゴムラテックスに有機過酸化物を添加して、樹脂成形体に塗布すると、未架橋ゴム
層の厚みを大きく低減できること、未架橋ゴム層を架橋させると、有機過酸化物から発生
するラジカルの作用により、樹脂成形体との密着性が大きく向上し、均一で厚みの薄い架
橋ゴム層が樹脂成形体と一体化した複合成形体が得られることを見いだした。さらに、架
橋ゴム層の厚みが小さくなると、剥離力を架橋ゴム層の厚みで吸収できなくなるためか、
樹脂成形体に対する架橋ゴム層の密着力が低下することも見いだした。本発明はこのよう
な知見に基づき、さらに検討を加え、完成したものである。
ム層とを含んでおり、前記成形体には薄膜(例えば、厚み1~30μm、好ましくは5~
25μm程度)の架橋ゴム層(又は塗膜状の架橋ゴム層)が接合している。薄膜の架橋ゴ
ム層は、通常、接着剤を用いることなく、前記成形体の表面に直接的に接合している。
するポリアミド系樹脂を含んでいてもよい。このポリアミド系樹脂は、例えば、脂肪族ポ
リアミド、脂環族ポリアミド、芳香族ポリアミド、及びポリアミドエラストマーから選択
された少なくとも一種であってもよく、アミノ基濃度5~300mmol/kgを有して
いてもよい。例えば、ポリアミド系樹脂は、C8-18アルキレン鎖を含み、アミノ基濃
度は、20~250mmol/kg程度であってもよい。
形状の成形体(すなわち、線状、面状又は立体形状の成形体)であってもよい。
ム、クロロプレン系ゴム、ブタジエン系ゴム、アクリル系ゴム、これらのカルボキシル基
変性ゴム並びに(メタ)アクリル酸エステル変性ゴムから選択された少なくとも一種のゴ
ム成分を含んでいてもよい。また、架橋ゴム層は、少なくとも過酸化物で架橋された過酸
化物架橋ゴム層であってもよく、さらに共架橋剤で架橋されていてもよい。
組成物(分散状又は溶液状の形態の塗布組成物)を適用し、前記成形体に形成された未架
橋ゴム層(被覆層)を架橋させることにより製造できる。
、ゴム成分は、ゴムラテックスのゴム成分であってもよい。ゴム成分100質量部に対す
る過酸化物の割合は0.3~3質量部、好ましくは0.5~3質量部程度であってもよい
。前記液状組成物(又は塗布組成物)は、さらに、共架橋剤、例えば、アルキレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、アル
カンポリオールポリ(メタ)アクリレート、トリアリル(イソ)シアヌレート、アレーン
ビスマレイミド、(メタ)アクリル酸多価金属塩から選択された少なくとも一種を含んで
いてもよい。このような共架橋剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1~
3質量部、好ましくは0.2~2.5質量部程度であってもよい。架橋剤と共架橋剤との
質量割合は、前者/後者=0.5/1~5/1程度であってもよい。
ゴム層を形成でき、過酸化物からのラジカル反応を利用して架橋ゴム層を樹脂成形体に対
して密着して形成できる。特に、未架橋ゴム層の架橋においてラジカルを作用させるため
、架橋ゴム層の厚みが小さくても、樹脂成形体に対して高い密着性で架橋ゴム層を形成で
きる。
可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物のいずれで形成してもよく、通常、熱可塑性樹脂組
成物で形成される。
脂、ポリプロピレン系樹脂、変性又は共重合オレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂な
ど)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン系樹脂(AS樹脂)
などのスチレン系単量体の単独又は共重合体、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、アクリロニ
トリル-スチレン-ブタジエン系樹脂(ABS樹脂)などのゴム強化スチレン系樹脂など
)、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂(又はその誘導体、例えば、ポリビニル
アルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂など)、塩化ビニル系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポ
リエチレンナフタレート系樹脂などのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレート
系樹脂など)、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ケトン系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポ
リフェニレンエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン
系樹脂など)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン樹
脂、ポリエーテルスルホン系樹脂など)、液晶プラスチック(液晶性芳香族ポリエステル
系樹脂など)、熱可塑性エラストマー(オレフィン系エラストマー、スチレン系エラスト
マー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラス
トマー、フッ素系エラストマーなど)などが例示できる。これらの熱可塑性樹脂は単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。
125℃~350℃(例えば、-50℃~300℃)程度の範囲から選択でき、100~
300℃(例えば、125~280℃)、好ましくは150~275℃(例えば、170
~270℃)、さらに好ましくは180~260℃(例えば、200~250℃)程度で
あってもよい。
)を有していてもよく、例えば、末端にカルボキシル基を有していてもよい芳香族ポリエ
ステル樹脂(ポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレート系樹脂など)などを含ん
でいてもよい。好ましい熱可塑性樹脂は、ラジカルに対する活性部位(硫黄原子、アレー
ン環に置換していてもよいメチル基、メチン基、カルボニル基又はアミノ基に隣接する活
性メチレン基、アミノ基など)を有していてもよく、例えば、メチル基を有する樹脂(ポ
リプロピレン系樹脂など)、フェニレン基に隣接して硫黄原子を有する樹脂(ポリフェニ
レンスルホン系樹脂などのポリスルホン系樹脂)、フェニレン基に置換したメチル基を有
する樹脂(ポリフェニレンエーテル系樹脂(ポリ(2,5-ジメチルフェニレン)エーテ
ル)などのポリエーテル系樹脂)、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有するポリアミ
ド系樹脂、特に、アミノ基及び/又はアミノ基に隣接するメチレン基を有するポリアミド
系樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂は、アミノ基を有する熱可塑性樹脂、例えば、
少なくともアミノ基を有するポリアミド系樹脂を含んでいるのが好ましい。
ミドエラストマー(ポリアミドブロック共重合体)とが含まれ、下記(a)~(c)のい
ずれかのアミド形成成分で形成できる。
ミド形成成分;
(b)ラクタム成分及びアミノカルボン酸成分のうち少なくとも一方の成分からなる第
2のアミド形成成分;
(c)第1のアミド形成成分及び第2のアミド形成成分。
のアミド形成成分;第2のアミド形成成分;第1のアミド形成成分と第2のアミド形成成
分との組み合わせ)で形成でき、ポリアミドエラストマーは上記(a)~(c)のいずれ
かのアミド形成成分で形成されたポリアミドを用いて調製できる。なお、炭素数及び分岐
鎖構造が共通するラクタム成分及びアミノカルボン酸成分は、互いに等価な成分とみなす
ことができる。
ずれかであってもよいが、通常、脂肪族ポリアミドである場合が多い。また、コポリアミ
ド樹脂(共重合ポリアミド樹脂)は、例えば、炭素数の異なる第1のアミド形成成分で形
成されたコポリアミド樹脂;炭素数の異なる第2のアミド形成成分で形成されたコポリア
ミド樹脂;第1のアミド形成成分と、第2のアミド形成成分とのコポリアミド樹脂などで
あってもよい。なお、炭素数の異なる第1のアミド形成成分及び/又は第2のアミド形成
成分で形成されたコポリアミド樹脂を第1のコポリアミド樹脂と称し、前記第1及び/又
は第2のアミド形成成分若しくはこれらのアミド形成成分を形成する成分と、共重合成分
(脂環族又は芳香族成分)とのコポリアミド樹脂を第2のコポリアミド樹脂と称する場合
がある。
レンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカンジ
アミン、ドデカンジアミン、テトラデカンジアミン、オクタデカンジアミンなどのC4-
18アルキレンジアミンなどが例示できる。これらのジアミン成分は単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。好ましいジアミン成分は、少なくともC6-18アルキレンジ
アミン(好ましくはC8-16アルキレンジアミン、特に、ドデカンジアミンなどのC1
0-14アルキレンジアミン)を含んでいる。
、ドデカン二酸、オクタデカン二酸などのC4-36アルカン-ジカルボン酸(例えば、
C8-36アルカン-ジカルボン酸)などが挙げられる。これらのジカルボン酸成分は単
独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいジカルボン酸成分は、C8-18ア
ルカンジカルボン酸(例えば、C10-16アルカンジカルボン酸、好ましくはC12-
14アルカンジカルボン酸など)を含んでいる。
.8~1.2モル、好ましくは0.9~1.1モル程度の範囲で使用できる。
カンラクタム、ω-ウンデカンラクタム、ω-ラウロラクタム(又はω-ラウリンラクタ
ム若しくはドデカンラクタム)、ω-トリデカンラクタムなどのC8-20ラクタムなど
が例示できる。アミノカルボン酸成分としては、例えば、ω-アミノデカン酸、ω-アミ
ノウンデカン酸、ω-アミノドデカン酸、ω-アミノトリデカン酸などのC8-20アミ
ノカルボン酸などが例示できる。これらのラクタム成分及びアミノカルボン酸成分も単独
で又は二種以上組み合わせて使用できる。
タム(例えば、C10-15ラクタム)、さらに好ましくはC10-14ラクタム(例え
ば、C11-13ラクタム)であり;好ましいアミノカルボン酸成分も上記好ましいラク
タム成分と同様の炭素数を有している。特に、ラクタム成分及び/又はアミノカルボン酸
成分は、少なくともC11-12ラクタム成分及び/又はアミノカルボン酸成分(ウンデ
カンラクタム、ラウロラクタム(又はラウリンラクタム)、アミノウンデカン酸、アミノ
ドデカン酸など)、例えば、炭素数12のラクタム成分及び/又はアミノカルボン酸を含
んでいる場合が多い。
の割合(モル比)は、前者/後者=100/0~0/100の範囲から選択でき、例えば
、90/10~0/100(例えば、80/20~5/95)、好ましくは75/25~
10/90(例えば、70/30~15/85)、さらに好ましくは60/40~20/
80程度であってもよい。
C8-18アルキレン鎖(又は直鎖状アルキレン鎖)、例えば、C8-16アルキレン鎖
(例えば、C9-15アルキレン鎖)、好ましくはC10-14アルキレン鎖(例えば、
C11-14アルキレン鎖)、さらに好ましくはC11-13アルキレン鎖(例えば、C
11-12アルキレン鎖)を有する成分を含んでいる。
は直鎖状アルキレン鎖)を有する成分を用いたポリアミド樹脂は、ホモポリアミド樹脂、
又は少なくとも前記C8-18アルキレン鎖を有する成分の共重合体である第1のコポリ
アミド樹脂(例えば、C8-18アルキレン鎖を有し、炭素数の異なる複数の成分の共重
合体;前記C8-18アルキレン鎖を有する成分と、短鎖(前記C4-6アルキレン鎖の
第1及び/又は第2のアミド形成成分との共重合体)であってもよい。
共重合可能な共重合成分との共重合体(第2のコポリアミド樹脂)であってもよく、共重
合成分としてのジアミン成分は、脂環族ジアミン成分(ジアミノシクロヘキサンなどのジ
アミノC5-10シクロアルカン;ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4
-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシ
ル)プロパンなどのビス(アミノC5-8シクロアルキル)C1-3アルカンなど;水添
キシリレンジアミンなど)、芳香族ジアミン成分(メタキシリレンジアミンなど)などで
あってもよい。また、共重合成分としてのジカルボン酸成分は、脂環族ジカルボン酸成分
(シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸など
のC5-10シクロアルカン-ジカルボン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸
、イソフタル酸など)などであってもよい。なお、脂環族ジアミン成分及び/又は脂環族
ジカルボン酸成分を用い、透明ポリアミドなどの脂環族ポリアミド樹脂を形成してもよい
。また、芳香族ジアミン成分(キシリレンジアミンなど)を用い、芳香族ポリアミド樹脂
(例えば、ポリアミドMXD-6)を形成してもよく、芳香族ジカルボン酸成分(テレフ
タル酸など)を用い、芳香族ポリアミド樹脂(テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンを
反応成分とした非結晶性ポリアミドなどのポリアミド樹脂を形成してもよい。
成形体の表面に均一かつ強靱な架橋ゴム層を形成するのに有用である。
100モル%、好ましくは80~100モル%(例えば、85~97モル%)、さらに好
ましくは90~100モル%程度であってもよい。好ましいポリアミド樹脂は、C8-1
8アルキレン鎖(好ましくはC8-16アルキレン鎖、さらに好ましくはC10-14ア
ルキレン鎖、特にC11-13アルキレン鎖)を有する成分の割合が、第1及び第2のア
ミド形成成分の総量に対して、70~100モル%(例えば、75~98モル%)、好ま
しくは80~100モル%(例えば、85~95モル%)、さらに好ましくは90~10
0モル%(例えば、95~100モル%)程度のホモポリアミド樹脂又はコポリアミド樹
脂を含む。特に好ましいポリアミド樹脂は、例えば、C11-13ラクタム及び/又はC
11-13アミノカルボン酸(例えば、ラウロラクタム、アミノウンデカン酸及びアミノ
ドデカン酸)から選択された少なくとも一種をアミド形成成分とするホモ又はコポリアミ
ド樹脂を含む。
、分岐鎖構造を導入したポリアミドなどの変性ポリアミドであってもよい。
ってもよいが、アルキレン鎖の長いポリアミド樹脂であるのが好ましい。このようなポリ
アミド樹脂としては、例えば、ホモポリアミド樹脂(ポリアミド8、ポリアミド9、ポリ
アミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド13、ポリアミド610、ポ
リアミド611、ポリアミド612、ポリアミド911、ポリアミド912、ポリアミド
1010、ポリアミド1012など)、コポリアミド(ポリアミド6/10、ポリアミド
6/11、ポリアミド6/12、ポリアミド10/10、ポリアミド10/12、ポリア
ミド11/12、ポリアミド12/13、ポリアミド12/18、ポリアミド14/18
など)などが例示できる。これらのポリアミド樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使
用できる。なお、ポリアミド樹脂において、スラッシュ「/」で分離された成分は第1又
は第2のアミド形成成分を示している。特に、アルキレン鎖の長いポリアミド樹脂、例え
ば、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/10、ポリアミド6/11、
ポリアミド6/12、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド10、ポリ
アミド11、ポリアミド12などを利用する場合が多い。
(又はハードブロック)としてのポリアミドセグメント(前記ポリアミド樹脂、例えば、
ポリアミド11,ポリアミド12などに対応するポリアミドセグメント)とソフトセグメ
ント(又はソフトブロック)とで形成されたポリアミドブロック共重合体が挙げられ、ソ
フトセグメントは、例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートなどで形成
できる。代表的なポリアミドエラストマーは、ポリアミド-ポリエーテルブロック共重合
体であり、例えば、ポリエーテルアミド[例えば、ジカルボキシル末端のポリアミドブロ
ックとジアミン末端のポリC2-6アルキレングリコールブロック(又はポリオキシアル
キレンブロック)とのブロック共重合体など]などが挙げられる。なお、ポリアミドエラ
ストマーは、エステル結合を有していてもよい。
マトグラフィー(GPC)で測定したとき、例えば、100~10000程度の範囲から
選択でき、500~5000(例えば、500~3000)、好ましくは1000~20
00程度であってもよい。ポリアミドセグメントと、ソフトセグメントとの割合(質量比
)は、例えば、前者/後者=75/25~10/90、好ましくは70/30~15/8
5程度であってもよい。
アミド系樹脂のうち、前記ポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマーが好ましい。
ノ基)を有しているのが好ましい。ポリアミド系樹脂のアミノ基濃度(単位:mmol/
kg)は、5~300(例えば、20~250)程度の範囲から選択でき、例えば、25
~225(例えば、30~200)、好ましくは40~180(例えば、50~150)
、さらに好ましくは55~150(例えば、60~125)程度であってもよい。ポリア
ミド系樹脂のアミノ基濃度が高いと、樹脂成形体と架橋ゴム層との密着性を大きく向上で
きる。
。ポリアミド系樹脂のカルボキシル基に対するアミノ基の割合(NH2/COOH:モル比)は
、例えば、55/45~100/0(例えば、60/40~95/5)、好ましくは65
/35~100/0(例えば、70/30~90/10)程度であってもよく、60/4
0~85/15程度であってもよい。
きる。例えば、アミノ基濃度は、ポリアミド樹脂(試料)を、フェノールとエタノールと
の体積比で10:1の混合溶媒に溶解して1質量%溶液を調製し、1/100規定HCl
水溶液で中和滴定することにより測定できる。また、カルボキシル基濃度は、ポリアミド
樹脂(試料)をベンジルアルコールに溶解して、1質量%ベンジルアルコール溶液を調製
し、1/100規定KOH水溶液で中和滴定することにより測定できる。
。ポリアミド系樹脂の結晶化度は、例えば、1~50%(例えば、1~30%)、好まし
くは5~25%、さらに好ましくは10~20%程度であってもよい。なお、結晶化度は
、慣用の方法、例えば、密度や融解熱に基づく測定法、X線回折法、赤外吸収法などによ
り測定できる。
、好ましくは165~230℃(例えば、170~220℃)程度であってもよく、17
0~235℃(例えば、175~225℃)程度であってもよい。なお、結晶性のポリア
ミド系樹脂の融点は、示差走査熱量計(DSC)により測定できる。なお、ポリアミド系
樹脂の融点は、DSCで複数のピークが生じる場合、複数のピークのうち高温側のピーク
に対応する温度を意味する。
ば、0.7~15)程度の範囲から選択でき、0.8~10(例えば、0.9~8)、好
ましくは1~7(例えば、1~5)程度であってもよい。ポリアミド系樹脂の分子量は、
HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)を溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィにより、ポリメタクリル酸メチル換算で測定できる。
、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、着色剤、充填剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止
剤、シランカップリング剤などを含んでいてもよい。また、樹脂組成物は、補強剤、例え
ば、粉粒状補強剤(炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、シリカ、アルミナ、マ
イカ、クレー、タルク、カーボンブラック、フェライトなど)、繊維状補強剤(レーヨン
、ナイロン、ビニロン、アラミドなどの有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ウ
ィスカーなどの無機繊維など)を含んでいてもよい。好ましい補強剤はガラス繊維などの
繊維状補強剤である。補強剤の含有量は、例えば、樹脂組成物の樹脂100質量部に対し
て、5~50質量部、好ましくは10~40質量部程度であってもよい。添加剤は、単独
で又は2種以上組み合わせて使用できる。
三次元的形状の成形体(すなわち、繊維状又は糸状、棒状などの線状体、フィルム、シー
トなどの面状又は板状体、ケーシングなどの立体形状の成形体)であってもよい。また、
線状成形体は、必要であれば、撚り糸などであってもよく、二次元的形状の成形体は、布
帛(織布又は不織布)であってもよい。また、成形体は、種々の成形手段により成形され
た一次成形体(射出成形体、押出成形体、紡糸成形体など)を加工した二次成形体(前記
布帛など)であってもよい。
生するラジカルの作用(水素引き抜き反応など)により前記成形体の表面に直接的に又は
共有結合により接合又は接着しているためか、樹脂成形体に対して架橋ゴム層を極めて高
い密着力で接合でき、通常、架橋ゴム層を樹脂成形体から剥離することは困難である。
オレフィン系ゴム、フッ素ゴム、シリコーン系ゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロス
ルホン化ポリエチレン、プロピレンオキシドゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EA
M)、ポリノルボルネンゴム、これらの変性ゴムなどが例示できる。これらのゴム成分は
単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ン-イソプレンゴム(ブチルゴム)(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエン
ゴム(BR)などのジエン系単量体の重合体;スチレン-ブタジエンゴム(SBR、例え
ば、SBランダム共重合体、SBブロック共重合体など)、スチレン-クロロプレンゴム
(SCR)、スチレン-イソプレンゴム(SIR)などのスチレン-ジエン共重合ゴム;
例えば、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(ニトリルゴム)(NBR)、ニトリル-ク
ロロプレンゴム(NCR)、ニトリル-イソプレンゴム(NIR)などのアクリロニトリ
ル-ジエン共重合ゴムなどが含まれる。ジエン系ゴムには、水添ゴム、例えば、水素添加
ニトリルゴム(HNBR)なども含まれる。
リル酸アルキルエステルと塩素含有架橋性単量体との共重合体ACM、アクリル酸アルキ
ルエステルとアクリロニトリルとの共重合体ANM、アクリル酸アルキルエステルとカル
ボキシル基及び/又はエポキシ基含有単量体との共重合体、エチレン-アクリルゴムなど
が例示できる。
-プロピレン-ジエンゴム(EPDMなど)、ポリオクテニレンゴムなどが例示できる。
ーフルオロプロペンと必要により四フッ化エチレンとの共重合体FKM、四フッ化エチレ
ンとプロピレンとの共重合体、四フッ化エチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルと
の共重合体FFKMなどが例示できる。
ゴム(VMQ)、フェニルシリコーンゴム(PMQ)、フェニルビニルシリコーンゴム(
PVMQ)、フッ化シリコーンゴム(FVMQ)などが含まれる。
エンゴム(X-SBR)、カルボキシル化ニトリルゴム(X-NBR)、カルボキシル化
エチレンプロピレンゴム(X-EPM)などのカルボキシル基又は酸無水物基を有するゴ
ム;(メタ)アクリル酸エステル変性ゴム、例えば、(メタ)アクリル酸メチル共重合ス
チレンブタジエンゴムなどが含まれる。
溶媒としては、ゴム成分の種類に応じて、例えば、炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭
化水素)、エステル系溶媒(酢酸エチルなど)、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなど)、エーテル系溶媒(テトラヒドロフランなど)、スルホキシ
ド系溶媒(ジメチルスルホキシドなど)、アミド系溶媒(ジメチルアセトアミド、N-メ
チルピロリドンなど)などが例示できる。これらの有機溶媒は単独で又は二種以上組み合
わせて使用できる。
テックスのゴム成分である。従来、ゴムラテックスを用いて薄いゴム成形品が作製されて
きたが、過酸化物(有機過酸化物など)を用いてゴムラテックスのゴム成分を架橋させる
ことは知られていない。ましてや、有機過酸化物から発生するラジカルの働きにより、ゴ
ムラテックスを樹脂成形体と複合一体化させた例も知られていない。
、スチレン-ブタジエン系ゴム、アクリロニトリル-ブタジエン系ゴム、クロロプレン系
ゴム、ブタジエン系ゴム、アクリル系ゴム、これらのカルボキシル基変性ゴム並びに(メ
タ)アクリル酸エステル変性ゴムなどであってもよい。ラテックスは、乳化剤を使用する
ことなく調製されたソープフリーラテックスであってもよい。これらのゴム成分は単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。
質量%未満の)低スチレンラテックス、スチレン含量の高い(50質量%以上の)レジン
ラテックスのいずれであってもよく、レジンラテックスは、スチレン含量が70~80質
量%程度の高スチレンラテックスであってもよく、スチレン含量が50~70質量%程度
の中スチレンラテックスであってもよい。樹脂成形体に架橋ゴム層を形成して摩擦抵抗を
大きくするためには、低スチレンラテックスが有利である。
わない限り、1nm~3μm程度の範囲から選択でき、通常、5nm~1μm(例えば、
10~700nm)、好ましくは20~500nm(例えば、50~400nm)程度で
あってもよい。
70質量%、好ましくは35~55質量%、さらに好ましくは40~50質量%程度であ
ってもよい。
おり、架橋ゴム層は、硫黄加硫により形成してもよいが、通常、過酸化物で架橋して形成
され、過酸化物加硫ゴム層を形成している。
酸化物、例えば、過酸化水素、過硫酸塩(過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなど)で
あってもよく、有機過酸化物であってもよい。過酸化物(架橋剤)としては、非水溶性の
過酸化物(有機過酸化物)を用いる場合が多い。
過クロロ安息香酸など);ハイドロパーオキサイド類(例えば、t-ブチルハイドロパー
オキサイド、t-アミル ハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチ
ル ハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなど);ジアルキルパーオ
キサイド類(例えば、2,2-ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド
、ジt-アミルパーオキサイド、t-ブチル-クミルパーオキサイド、2,5-ジメチル
-2,5-ジ(t-ブチル パーオキシ)ヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブ
チル パーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチル パーオキシ イソプロピル)
ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジベンゾイルパーオキシヘキサンなど);ジアシ
ルパーオキサイド類(例えば、ジt-ブチル パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサ
イド、ジクミル パーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、
ジt-アミル パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4-クロロベンゾイ
ル)パーオキサイド、ジ(2,4-ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイルト
ルイルパーオキサイド、ジトルイルパーオキサイド(ジ(o-メチルベンゾイル)パーオ
キサイド)など);ケトンパーオキサイド類(例えば、メチルエチルケトンパーオキサイ
ドなど);パーオキシカーボネート類(例えば、ジ(2-エチルヘキシル パーオキシ)
ジカーボネート、ジ(イソプロピル パーオキシ)ジカーボネート、t-ブチル パーオキ
シ イソプロピルカーボネート、t-ブチル パーオキシ 2-エチルヘキシルカーボネー
ト、1,6-ビス(t-ブチル パーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、t-アミル パ
ーオキシイソプロピルカーボネート、t-アミル パーオキシ2-エチルヘキシルカーボ
ネート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネートなど);パーオキシケター
ル類(例えば、2,2-ビス(t-ブチル パーオキシ)ブタン、2,2-ビス(4,4
-ジt-ブチルパーオキシ シクロヘキシル)プロパン、1,1-ビス(t-ブチルパーオ
キシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-アミルパーオキシ)シクロヘキサンなど);ア
ルキルパーエステル類(又はアルキルパーオキシエステル)(例えば、t-ブチル パー
オキシ アセテート、t-ブチル パーオキシイソブチレート、t-ブチル パーオキシ 2
-エチルヘキサノエート、t-ブチル パーオキシ 3,5,5-トリメチルヘキサノエー
ト、t-ブチル パーオキシ ネオヘプタノエート、t-ブチル パーオキシ ネオデカノエ
ート、t-ブチル パーオキシ ピバレート,t-ブチル パーオキシイソナノエート、t-
ブチル パーオキシ ベンゾエート、ジt-ブチル パーオキシ ヘキサハイドロテレフタレ
ート、t-アミル パーオキシアセテート、t-アミル パーオキシ 2-エチルヘキサノ
エート、t-アミル パーオキシ3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-アミル パ
ーオキシビバレート、t-アミル パーオキシネオデカノエート、t-アミル パーオキシ
イソノナノエート、t-アミル パーオキシベンゾエート、クミル パーオキシ ネオデカ
ノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチル パーオキシ 2-エチルヘキサノエート
、1,1,3,3-テトラメチルブチル パーオキシ ネオデカノエート、3-ハイドロキ
シ-1,1-ジメチルブチル パーオキシネオデカノエートなど)などが例示できる。
ドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パー
オキシカーボネート類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類などを用いる場
合が多い。
く、例えば、ゴム成分(未架橋ゴム成分)100質量部に対して、0.3~3質量部(例
えば、0.5~3質量部)質量部程度の範囲から選択でき、0.6~2.5質量部(例え
ば、0.7~2.2質量部)、好ましくは0.75~2質量部(例えば、0.8~1.7
質量部)程度であってもよく、0.8~3質量部(例えば、1~3質量部、好ましくは1
~2.5質量部)程度であってもよい。架橋剤(過酸化物など)の使用量が少なすぎると
、樹脂成形体に対する密着性が低下しやすく、多すぎると、架橋ゴム層の硬度が高くなり
すぎるためか、樹脂成形体に対する密着性が低下しやすくなる。
は、さらに共架橋剤で架橋されていてもよい。
えば、多官能性ビニル系又はアリル系単量体(例えば、ジアリルフタレート(DAP)、ト
リアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルトリ
メリテートなど)、多官能性(メタ)アクリル系単量体、多官能性マレイミド系化合物、
(メタ)アクリル酸多価金属塩(亜鉛、マグネシウム塩、カルシウム、バリウム、ストロ
ンチウム、ニッケル、銅、アルミニウム、ネオジウムなどの多価金属と、この多価金属の
価数に対応した複数のメタクリル酸との塩、例えば、ジンクメタクリレート(MAAZn)な
ど)、1,2-ポリブタジエン(1,2-PB)、含硫黄フェノール系化合物(例えば、三新化
学工業(株)製「サンセラーAP」など)などが挙げられる。これらの共架橋剤は単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。
類[エチレングリコールジ(メタ)アクリレート(EGDMA)、プロピレングリコールジ(
メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレートなどのブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BDDMA
)などのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ
)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGDMA)、ジプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アク
リレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAの
C2-4アルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレートなど]、三官能性又は多
官能性(メタ)アクリレート類[グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
エタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(
TMPTMA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのア
ルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート]などが例示できる。
レイミド(N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレン
ジマレイミドなどのフェニレンジマレイミド(PBM)、N,N’-3-メチル-1,4-
フェニレンジマレイミド、ナフタレンジマレイミドなどのアレーンビスマレイミド;4,
4’-ビス(N,N’-マレイミド)ジフェニルメタン、4,4’-ビス(N,N’-マ
レイミド)ジフェニルスルホン、4,4’-ビス(N,N’-マレイミド)ジフェニルエ
ーテルなど)、脂肪族ビスマレイミド(N,N’-1,2-エチレンビスマレイミド、N
,N’-1,3-プロピレンビスマレイミド、N,N’-1,4-テトラメチレンビスマ
レイミドなど)などが例示できる。
)、EGDMA、BDDMAなどのC2-10アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(好ま
しくはC2-6アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、PEGDMAなどのポリ
C2-4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(ジ又はトリC2-4アルキレン
グリコールジ(メタ)アクリレートなど)、TMPTMAなどのC3-10アルカンポリオール
ポリ(メタ)アクリレート(例えば、C4-8アルカントリ乃至ヘキサオールポリ(メタ
)アクリレート、好ましくC4-6アルカントリ乃至ヘキサオールトリ又はヘキサ(メタ
)アクリレート)、MAAZnなどの(メタ)アクリル酸多価金属塩)、PBMなどのC6-10
アレーンビスマレイミド(例えば、フェニレンビスマレイミドなど)などが例示できる。
特に、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTMA)、フェニレンビスマ
レイミド(PBM)は、架橋ゴム層の密着性及び耐熱性を高めるのに有用である。
き、例えば、ゴム成分100質量部に対して、0.1~3質量部(例えば、0.2~2.
5質量部)、好ましくは0.25~2.3質量部(例えば、0.25~2.2質量部)程
度であってもよく、0.2~2質量部(例えば、0.25~1.5質量部)、好ましくは
0.3~1.2質量部(例えば、0.35~1質量部)程度であってもよい。共架橋剤を
併用すると、架橋ゴム層が薄くても、樹脂成形体に対する架橋ゴム層の密着性を改善でき
る。
例えば、0.5/1~4/1)、好ましくは0.7/1~4/1(0.8/1~3.5/
1)、さらに好ましくは0.9/1~3/1程度であってもよく、0.7/1~3.5/
1(例えば、0.75/1~2.5/1)程度であってもよく、0.5/1~2/1(例
えば、0.6/1~1.8/1)程度であってもよい。
フィラー又は補強剤(マイカ、クレー、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、カーボンブラック、ホワイトカーボン、フェライトなど)、繊維状フィラー又は補
強剤(レーヨン、ナイロン、ビニロン、アラミドなどの有機繊維、炭素繊維、ガラス繊維
などの無機繊維など)など]、軟化剤(リノール酸、オレイン酸、ひまし油、パーム油な
どの植物油;パラフィン、プロセスオイル、エキステンダーなどの鉱物油など)、可塑剤
(フタル酸エステル、脂肪族ジカルボン酸エステル、硫黄含有可塑剤、ポリエステル系高
分子可塑剤など)、共架橋剤として機能してもよい金属酸化物(酸化亜鉛、酸化チタンな
どの多価金属酸化物など)、老化防止剤(熱老化防止剤、オゾン劣化防止剤、酸化防止剤
、紫外線吸収剤など)、粘着付与剤、加工助剤、滑剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属
塩、ワックスなど)、難燃剤、帯電防止剤、着色剤などを含んでいてもよい。これらの添
加剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
~50μm(例えば、3~40μm)程度の範囲から選択でき、例えば、1~30μm(
例えば、2~27μm)、好ましくは5~25μm(例えば、7~20μm)、さらに好
ましくは10~15μm程度であってもよく、通常、3~25μm(例えば、4~12μ
m、好ましくは5~10μm)程度であってもよい。
成形体に接着している。また、架橋ゴム層は、通常、塗膜状の形態(コーティング膜の形
態)を有している。
このような複合成形体は、前記樹脂成形体の表面に、少なくともゴム成分と過酸化物と
必要により共架橋剤とを含む液状組成物(溶液状又は分散体の形態の塗布組成物)を塗布
し(又は前記液状組成物で未加硫ゴム層を形成し)、前記成形体に形成された未加硫ゴム
層を架橋又は加熱することにより製造できる。前記液状組成物は、ゴム成分が有機溶媒に
溶解した溶液又は分散体の形態であってもよく、ゴム成分の粒子が分散した分散体の形態
であってもよい。すなわち、液状組成物(又は塗布組成物)は、溶媒の存在下、ゴム成分
と、架橋剤(過酸化物など)と、必要により共架橋剤とを混合することにより調製でき、
溶液状の組成物は、有機溶媒と混合してゴム成分を溶解することにより調製でき、水性分
散体の形態の組成物は、水性ゴムラテックスと上記成分とを混合することにより調製でき
る。好ましい液状組成物は、少なくともゴムラテックス及び過酸化物を含む水性分散体の
形態である。
部分をコーティングすればよく、樹脂成形体の表面全体をコーティングしてもよく、部分
的にコーティングしてもよい。表面の部分的コーティングにおいては、1又は複数の所定
部位だけをコーティングしてもよく、例えば、平行な線状、交差する線状(格子状など)
の形態、千鳥状に散在した形態などの任意の形態でコーティングしてもよい。
布回数などにより調整できる。また、塗布には、慣用の方法、例えば、デイップコーティ
ング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印
刷などの種々の方式が利用できる。
して架橋(又は加硫)させることにより架橋ゴム層(塗膜状の薄膜の架橋ゴム層)を形成
できる。加熱温度は、過酸化物の分解温度に応じて選択でき、例えば、50~200℃、
好ましくは80~180℃、さらに好ましくは100~170℃程度であってもよい。ま
た、加熱時間は、例えば、1~30分、好ましくは2~25分、さらに好ましくは3~2
0分程度であってもよい。
るラジカルが、樹脂成形体と未加硫ゴム層との界面で作用し、この界面で水素引き抜き反
応、活性化反応などが生じるためか、架橋ゴム層の厚みが薄くても樹脂成形体に対して強
固に密着している。しかも、流動性の低いゴム組成物であっても、液状組成物(塗布組成
物)の形態でコーティングするため、架橋ゴム層は、均一な表面を形成してもよく、表面
も含め均一な厚みに形成できる。
よって限定されるものではない。
PA1:ナイロン12エラストマー(ダイセル・エボニック(株)製、アミノ基濃度6
0mmol/kg、カルボキシル基濃度17mmol/kg、融点178℃)
PA2:ナイロン612(ダイセル・エボニック(株)製、アミノ基濃度82mmol
/kg、カルボキシル基濃度23mmol/kg、融点215℃)
PA3:ナイロン612(ダイセル・エボニック(株)製、アミノ基濃度100mmo
l/kg、カルボキシル基濃度22mmol/kg、融点215℃)
PA2GF20:ナイロン612(アミノ基濃度81mmol/kg、カルボキシル基
濃度21mmol/kg、融点215℃)、ガラス繊維20質量%含有)(ダイセル・エ
ボニック(株)製)
、融点は示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。
L1:スチレン-ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン(株)製「Nipol C4850A」、平
均粒径;300nm、ガラス転移温度Tg:-47℃、固形分70質量%)
L2:カルボキシ変性スチレン-ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン(株)製「Nipo
l LX433C」、平均粒径:100nm、Tg:50℃、固形分50質量%)
L3:アクリロニトリル-ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン(株)製「Nipol 1562
」、平均粒径:50nm、Tg:-21℃、固形分41質量%)
L4:カルボキシ変性アクリロニトリル-ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン(株)
製「Nipol 1571H」、平均粒径:120nm、Tg:-8℃、固形分40質量%)
L5:アクリル酸エステル系ラテックス(日本ゼオン(株)製「Nipol LX811H」
、Tg:1℃、固形分50質量%)
L6:ソープフリースチレン-ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン(株)製「Nipol
SX1503A」、平均粒径:50nm、Tg:-20℃、固形分42質量%)
架橋剤A:ジクミルパ-オキサイド(化薬アクゾ(株)製「パーカドックスBC-FF
」過酸化物含有量:100質量%)
架橋剤B:1,1-ビス(t-ブチル パーオキシ)シクロヘキサン(化薬アクゾ(株
)製「トリゴノックス22-40D」過酸化物含有量:40質量%)
架橋剤C:ジ(o-メチルベンゾイル)パーオキサイド(化薬アクゾ(株)製「パーカ
ドックス20-50S」過酸化物含有量:50質量%)
TMPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレート(精工化学(株)製「ハイ
クロスM」)
PBM:N,N’-m-フェニレンビスマレイミド(デュポン社製「HVA-2」)
[複合成形体の調製]
表2及び表3に示す割合で各成分を容器内に投入し、60℃で10分間撹拌し、液状組
成物を調製した。なお、表2及び表3において各成分の使用量は質量部である。
0℃に加温したオーブン中で10分間保持し、ゴム層(加硫ゴム層)を形成した。なお、
板状樹脂成形体として、厚み3mm、幅70mm、及び長さ100mmの射出成形体を用
いた。
そして、実施例及び比較例で得られた複合成形体を基盤目試験に供し、樹脂成形体に対
するゴム層の接着性又は密着性を調べた。なお、碁盤目試験において、鋭利なカッターで
ゴム層を縦横方向1mm間隔にカットして碁盤目を形成し、粘着テープ(ニチバン(株)
製「セロテープ(登録商標)」)を前記碁盤目に密着させた後、急激に剥離させた。
)にも剥がれがない
1:カットの交差点における塗膜の小さな剥がれがあるものの、クロスカット部での影
響(剥がれの面積割合)は明確に5%を上回ることはない
2:塗膜がカットの縁に沿って及び/又は交差点において剥がれがあり、クロスカット
部での影響(剥がれの面積割合)は明確に5%を超えるが15%を上回ることはない
3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的な大きな剥がれ、及び/又はいくつ
か格子部において、部分的又は全面的な剥がれが生じており、クロスカット部での影響(
剥がれの面積割合)は明確に15%を超えるが35%を上回ることはない
4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大きな剥がれ、及び/又は多くの
格子部において、部分的又は全面的な剥がれが生じており、クロスカット部での影響(剥
がれの面積割合)は明確に65%を上回ることはない
5:分類4を超える弱い接着を示し、クロスカット部での影響(剥がれの面積割合)が
明確に65%を超える。
くても、樹脂成形体に対する密着性が高い。また、共架橋剤を併用することにより、架橋
ゴム層の厚みが薄くなっても、樹脂成形体に対する密着性を改善できる。
脂成形体の機械的特性などの物理的特性と共に、加硫ゴム層の摩擦抵抗、ゴム弾性、粘着
性などの特性を利用した種々の用途、例えば、高い剛性及び寸法精度のみならず、高いグ
リップ性(高い摩擦抵抗性)が要求される精密ローラや送り部材(紙送りローラなど)、
スポーツ用品などの把持部材、加硫ゴム層の粘着性を利用して被着体に対して仮止めして
着脱可能な樹脂製粘着フィルム又はシート、静音性が必要なギア、耐熱性及び粘着性など
が必要とされ、回路部品などの精密部品を固定するのに有用な固定用フィルム(例えば、
モバイル型電子機器内の回路部品などを固定する固定用フィルムなど)、埃等の塵芥が屋
内へ侵入するのを防止するための粘着シートや防塵フィルタなどとして利用できる。
Claims (6)
- 樹脂成形体と、この樹脂成形体の表面に接合した架橋ゴム層とを含む複合成形体であって、
前記樹脂成形体が、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物で形成され、
前記熱可塑性樹脂が少なくともアミノ基を有するポリアミド系樹脂であり、
前記樹脂成形体に厚み1~50μmの前記架橋ゴム層が接合しており、
前記架橋ゴム層が、ゴムラテックスを含む液状組成物の架橋物であり、かつ
前記架橋ゴム層が、過酸化物及び共架橋剤で架橋されている複合成形体。 - 少なくともアミノ基を有するポリアミド系樹脂が、脂肪族ポリアミド、脂環族ポリアミド、芳香族ポリアミド、及びポリアミドエラストマーから選択された少なくとも一種であって、アミノ基濃度5~300mmol/kgを有する請求項1記載の複合成形体。
- 少なくともアミノ基を有するポリアミド系樹脂が、C8-18アルキレン鎖を含み、アミノ基濃度20~250mmol/kgを有する請求項1又は2記載の複合成形体。
- 架橋ゴム層が、スチレン-ブタジエン系ゴム、アクリロニトリル-ブタジエン系ゴム、クロロプレン系ゴム、ブタジエン系ゴム、アクリル系ゴム、これらのカルボキシル基変性ゴム並びに(メタ)アクリル酸エステル変性ゴムから選択された少なくとも一種のゴム成分を含む請求項1~3のいずれかに記載の複合成形体。
- 架橋ゴム層が、厚み1~30μmに形成されている請求項1~4のいずれかに記載の複合成形体。
- 樹脂成形体が、一次元、二次元又は三次元的形状の成形体である請求項1~5のいずれかに記載の複合成形体。
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