JP2003320618A - 複合体及びその製造方法 - Google Patents

複合体及びその製造方法

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JP2003320618A
JP2003320618A JP2002131932A JP2002131932A JP2003320618A JP 2003320618 A JP2003320618 A JP 2003320618A JP 2002131932 A JP2002131932 A JP 2002131932A JP 2002131932 A JP2002131932 A JP 2002131932A JP 2003320618 A JP2003320618 A JP 2003320618A
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JP2002131932A
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Tatsu Ikuta
達 生田
Hajime Komada
肇 駒田
Mitsuteru Rokuta
充輝 六田
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Daicel Evonik Ltd
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Daicel Degussa Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤を用いることなく、幅広い組合せにお
いて樹脂とゴムとを直接的かつ強固に接合し、ゴム部材
と樹脂部材との複合体を得る。 【解決手段】 (a)未架橋の架橋性樹脂で構成された
樹脂組成物、又は(b)少なくとも未架橋の架橋性樹脂
を含有する予備成形体と、少なくとも未加硫ゴムを含
み、かつ成形樹脂材との接触面において加硫剤(ラジカ
ル発生剤など)が活性なゴム組成物又はその予備成形体
とを接触させ、未加硫ゴムを加硫して樹脂部材とゴム部
材との複合体を製造する。前記架橋性樹脂としては、不
飽和結合を有する熱可塑性樹脂、架橋性官能基を有する
熱硬化性樹脂が使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋性樹脂とゴム
とが一体に接合し、かつ機械部品、自動車部品などとし
て有用な複合体(又は複合部材)及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】樹脂成形部とゴム成形部とを複合一体化
する方法として、接着剤を用いて樹脂成形体とゴム成形
体とを接着する方法が知られている。しかし、接着剤を
用いる方法は、工程が複雑で工程管理が煩雑であり、コ
ストが高くなるだけでなく、必ずしも十分な接着性を得
られない。
【0003】一方、樹脂とゴムとが直接接合した複合体
が提案されている。例えば、特開昭50−25682号
公報には、ポリホルムアルデヒドやオレフィン重合体な
どの熱可塑性プラスチック成分と、この熱可塑性プラス
チック成分と相溶性の加硫したゴム成分(ポリブタジエ
ン、ニトリルなど)とを摩擦接触させてプラスチック表
面を溶融し、プラスチック成分とゴム成分とを接触させ
たまま凝固させるゴム−プラスチック複合体の製造方法
が開示されている。しかし、この方法では、複合体の接
合部位の形状が制限され、複雑な形状の熱可塑性樹脂成
形体とゴム成形体との複合体を得ることが困難であるだ
けでなく、複合体の生産性を高めることも困難である。
【0004】ポリフェニレンエーテル−ゴム複合体に関
し、特開昭61−204260号公報には、ポリアルケ
ニレン、スチレン系重合体や添加剤を含んでいてもよい
ポリフェニレンエーテル系樹脂と、SBR,BR,I
R,IIRなどの二重結合含有ゴムで構成された合成ゴ
ムとを加硫系の存在下に熱処理することにより複合体を
製造する方法が開示されている。この文献には、ゴム成
分は硫黄加硫可能な二重結合含有ゴムが適しているこ
と、加硫活性化剤として硫黄含有化合物を用いることが
開示されている。さらに、この文献の比較例(表2)に
は、ゴム成分として、E−SBRゴム又はBRゴムと過
酸化物加硫剤又は硫黄加硫剤系とを含むゴム組成物を用
いた例が記載されている。しかし、この方法は、特定の
加硫剤の存在下で、かつ特定の樹脂及びゴムの組合せに
しか適用できず、幅広い範囲の組合せで樹脂/ゴム複合
体を得ることができない。
【0005】ABS樹脂−ゴム複合体に関し、特開平5
−301973号公報には、ABS樹脂の成形部材と、
臨界表面張力が37〜39mN/mのゴム成分を含有す
る未加硫ゴムシートを積層した後加熱して接着一体化す
る複合体の製造方法が開示されている。特開平9−12
4803号公報には、アクリロニトリル含有熱可塑性樹
脂(AS,ABS樹脂など)と、シアン化ビニル、特に
アクリロニトリル含有ゴムとを加熱密着させて複合部材
を得ることが提案されている。しかし、これらの方法で
は、熱可塑性樹脂とゴムとの相溶性を利用して接合して
いるため、樹脂およびゴムの種類が大きく制限され、実
用性がかなり狭くなる。
【0006】ポリアミド−ゴム複合体に関し、特開平2
−150439号公報、特開平3−133631号公
報、特開平3−138114号公報には、ポリアミド系
樹脂とゴム成分とを加硫系の存在下で加硫することによ
り複合体を製造する方法において、ゴム成分として、カ
ルボキシル基又は酸無水物基含有ゴムと過酸化物と加硫
活性化剤(エチレングリコールジメタクリレート、トリ
アリルイソシアヌレートなど)とアルコキシシラン化合
物とを含むゴム成分を用いることが提案されている。こ
れらの文献では、脂肪族ポリアミド系樹脂として主に末
端カルボキシル基よりも末端アミノ基の多いポリアミド
系樹脂が使用されている。これらの文献に記載の方法で
は、アミノ基とカルボキシル基又は酸無水物基との反応
を利用するため、樹脂及びゴムの種類が大きく制約さ
れ、幅広く樹脂/ゴム複合体を得ることが困難である。
【0007】特開平7−11013号公報には、ポリア
ミドと加硫ゴムとが強固に結合した部材の製造におい
て、ポリアミド成形体と、過酸化物加硫剤とシラン化合
物とを含むゴムコンパウンドとを接触させて加硫する方
法が開示されている。この文献には、ゴムコンパウンド
に必要により加硫活性剤などを含有させてもよいことが
記載されているとともに、比較例(第2表)には、ポリ
アミド系樹脂と、過酸化物(perkadox 14/40)とブタン
ジオールジメタクリレート(BDMA)とを含むEPDMゴ
ムとを接触させて加硫しても、樹脂とゴムとが接着しな
かったことが記載されている。そのため、高価なシラン
化合物を用いることなく、複合部材を製造することが困
難である。
【0008】特開平8−156188号公報には、エポ
キシ基含有樹脂部材と、カルボキシル基又は酸無水物基
含有ゴム部材とを密着させて加硫することにより複合部
材を得ることが提案されている。しかし、この方法もエ
ポキシ基とカルボキシル基との反応を利用して複合化し
ているため、樹脂及びゴムの種類が大きく制約され、幅
広く複合体を得ることが困難である。
【0009】ポリエステル−ゴム複合体に関し、硬質成
分としての熱可塑性ポリエステルと軟質成分としての加
硫ゴムとの複合体の製造において、(1)二官能又は多
官能性マレイミドを含み、かつ主鎖に脂肪族二重結合を
有していてもよい熱可塑性ポリエステルと、ゴムとを組
み合わせて用いること、(2)主鎖に脂肪族二重結合を
有していてもよい熱可塑性ポリエステルと、カルボキシ
ル基又は酸無水物基を有するゴムとを組み合わせて用い
ること(特開平7−304880号公報)、脂肪族二重
結合を有していてもよい熱可塑性ポリエステルと、シラ
ン化合物(ビニルトリメトキシシランなど)を含むゴム
とを組み合わせて用いること(特開平7−166043
号公報)、主鎖に脂肪族二重結合を有する熱可塑性ポリ
エステルと、ゴム100重量部に対して、二官能性又は
多官能性化合物(1,4−ブタンジオールジメチルアク
リレート、トリメチルプロパントリメタクリレートなど
の加硫活性剤)を4重量部以上の割合で含有し、かつカ
ルボキシル基又は酸無水物基を有するゴムとを組み合わ
せて用いること(特開平9−124751号公報)が提
案されている。しかし、これらの方法では、マレイミド
化合物、シラン化合物などの添加剤や多量の加硫活性剤
が必要であったり、ゴム変性が必要であるため、ポリエ
ステルと幅広い範囲のゴムとの組合せで樹脂/ゴム複合
体を得ることができないばかりか、ポリエステルとゴム
とを高い接着強度で接合して一体化することが困難であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、接着剤を用いることなく、幅広い組合せにおいて、
架橋性樹脂とゴムとを直接的かつ強固に接合できる複合
体及びその製造方法を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、架橋性樹脂とゴムと
の接着強度に優れた複合体及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、架橋性樹脂と加硫剤
を含有するゴムとを組み合わせると、成形過程でゴムの
加硫と樹脂の架橋又は硬化とを行うことができ、ゴム部
材と樹脂部材とが強固に接合した複合体(樹脂/ゴム複
合体)が得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明の複合体は、加硫剤によ
り未加硫ゴムが加硫又は架橋した加硫ゴムで構成された
ゴム部材と、架橋した架橋性樹脂で構成された樹脂部材
とで構成されている。なお、前記未加硫ゴムと前記架橋
性樹脂との組合せは、(1)カルボキシル基又は酸無水
物基含有未加硫ゴム又はシラン化合物含有未加硫ゴム
と、主鎖に脂肪族二重結合を有する熱可塑性ポリエステ
ル系樹脂又はエポキシ基含有樹脂との組合せ、(2)未
加硫ゴムと、二官能性又は多官能性マレイミド化合物を
含有し、かつ主鎖に脂肪族二重結合を有する熱可塑性ポ
リエステル系樹脂との組合せ、(3)二重結合を含有す
る未加硫ゴムと、ポリフェニレンエーテル系樹脂及びポ
リアルケニレンで構成されたポリマーブレンドとの組合
せを含まない。
【0014】前記架橋性樹脂は、不飽和結合を有する熱
可塑性樹脂および架橋性官能基を有する熱硬化性樹脂か
ら選択された少なくとも1種であってもよい。前記不飽
和結合を有する熱可塑性樹脂は、下記(1)〜(3)の
いずれかの態様であってもよい。
【0015】(1)反応性基(A)及び不飽和結合を有
する重合性化合物と、前記反応性基(A)に対して反応
性の反応性基(B)を有する熱可塑性樹脂との反応によ
り生成した樹脂 (2)共重合又は共縮合により不飽和結合を導入した熱
可塑性樹脂 (3)不飽和結合を有する樹脂と樹脂とで形成されたポ
リマーブレンド 前記不飽和結合の濃度は、樹脂1kgに対して0.00
1〜6.6モル程度であってもよい。
【0016】前記不飽和結合を有する熱可塑性樹脂に
は、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ(チ
オ)エーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイ
ミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ハロゲン含有ビニル系樹
脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、熱可塑
性エラストマーなどが含まれ、前記架橋性官能基を有す
る熱硬化性樹脂には、フェノール樹脂、アミノ系樹脂、
エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、熱硬化性ポ
リウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステ
ル系樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂などが含まれる。
また、前記ゴムには、ジエン系ゴム、オレフィン系ゴ
ム、アクリル系ゴム、フッ素ゴム、シリコーン系ゴム、
ウレタン系ゴムなどが含まれる。
【0017】前記加硫剤としては、有機過酸化物、アゾ
化合物、硫黄含有有機化合物、硫黄などが例示でき、加
硫剤の割合は、未加硫ゴム100重量部に対して1〜1
0重量部程度であってもよい。また、未加硫ゴム及び架
橋性樹脂のうち少なくとも一方の成分が、加硫活性剤
(例えば、一分子中に少なくとも2つの重合性不飽和結
合を有する有機化合物)を含有していてもよく、この加
硫活性剤の割合は、未加硫ゴム及び架橋性樹脂のうち一
方の成分100重量部に対して0.1〜10重量部であ
ってもよい。
【0018】本発明では、架橋性樹脂と、加硫剤を含む
未加硫ゴムとを接触させて成形し、加硫又は架橋した加
硫ゴムで構成されたゴム部材と、架橋した架橋性樹脂で
構成された樹脂部材とが直接接合している複合体を製造
する方法も含む。また、前記製造方法において、架橋性
樹脂で構成された成形樹脂材と、この成形樹脂材との接
触面において加硫剤(ラジカル発生剤など)が活性であ
って、少なくとも未加硫のゴムを含むゴム組成物又はそ
の予備成形体とを接触させてもよく、前記成形樹脂材と
して、(a)未架橋の架橋性樹脂で構成された樹脂組成
物、又は(b)少なくとも未架橋の架橋性樹脂を含有す
る予備成形体を用いてもよい。
【0019】なお、前記製造方法において、未加硫ゴム
及び架橋性樹脂から選択された少なくとも一方の成分
が、加硫活性剤を含んでいてもよい。
【0020】また、本発明では、前記製造方法におい
て、成形樹脂材と成形ゴム材との接触面に、加硫活性剤
を介在させて加熱成形する方法、成形樹脂材と成形ゴム
材との接触面に、加硫活性剤と加硫助剤とを介在させて
加熱成形する方法も含む。
【0021】
【発明の実施の形態】[樹脂部材]本発明の複合体にお
いて、樹脂部材を構成する架橋性樹脂(以下、単に樹脂
と称することがある)は、不飽和結合(重合性又は架橋
性不飽和結合)を有する熱可塑性樹脂と、架橋性官能基
を有する熱硬化性樹脂とに大別でき、架橋性樹脂は前記
不飽和結合と架橋性官能基とを有していてもよい。この
ような架橋性樹脂を用いると、ゴム成分の加硫におい
て、架橋反応がゴム成分と樹脂成分との界面において進
行するため、ゴム成分として幅広い範囲のゴム成分を選
択しても、両者を強固に接合できる。なお、不飽和結合
を有する熱可塑性樹脂で構成された樹脂部材において
は、樹脂部材そのものが架橋しているか否かに拘わら
ず、少なくともゴム部材との界面において接合していれ
ばよい。
【0022】(不飽和結合を有する熱可塑性樹脂)前記
不飽和結合は、加硫剤(ラジカル発生剤など)により活
性化可能であれば特に限定されず、熱や光の付与により
架橋性又は重合性を示す種々の結合(例えば、重合性不
飽和結合)であってもよい。このような不飽和結合又は
不飽和結合を有するユニットは、連結基(エーテル結合
(-O-)、エステル結合(-OC(=O)-、-C(=O)O-)、アミド
結合(-NHCO-,-CONH-)、イミノ結合(-NH-)、ウレタ
ン結合(-NHC(=O)O-)、尿素結合、ビウレット結合な
ど)を介して、熱可塑性樹脂に結合していてもよい。さ
らに、前記不飽和結合又はそのユニットは、樹脂の末端
(主鎖末端)及び/又は側鎖に位置していてもよく、樹
脂の主鎖に位置していてもよく、さらにはこれらを組み
合わせた異なる部位に位置していてもよい。
【0023】不飽和結合を有する基としては、例えば、
ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−
ブテニル基、アリル基、2−メチル−2−プロペニル
基、2−ブテニル基などのC2-6アルケニル基;4−ビ
ニルフェニル基、4−イソプロペニルフェニル基などの
2-6アルケニル−C6-20アリール基;スチリル基など
のC6-20アリール−C2-6アルケニル基;エチニル基、
1−プロピニル基、1−ブチニル基、プロパルギル基、
2−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基などの
2-6アルキニル基;ビニレン基、メチルビニレン基、
エチルビニレン基、1,2−ジメチルビニレンなどのモ
ノ又はジC1-6アルキルビニレン基、クロロビニレン基
などのハロビニレン基などの置換基を有していてもよい
ビニレン基;ビニリデン基;エチニレン基などが例示で
きる。
【0024】不飽和結合を有する熱可塑性樹脂の具体的
な態様としては、例えば、下記(1)〜(4)のような
態様が例示できる。
【0025】(1)反応性基(A)及び不飽和結合を有
する重合性化合物と、前記反応性基(A)に対して反応
性の反応性基(B)を有する熱可塑性樹脂との反応によ
り生成した樹脂 (2)共重合又は共縮合により不飽和結合を導入した熱
可塑性樹脂 (3)不飽和結合を有する樹脂と樹脂とで形成されたポ
リマーブレンド (4)種々の有機反応(例えば、アセチレンを利用した
レッペ反応によるビニル基の導入、ビニルリチウムなど
の有機金属試薬を利用した不飽和結合の導入、カップリ
ング反応による不飽和結合の導入など)により不飽和結
合を導入した熱可塑性樹脂 好ましい樹脂は樹脂(1)、(2)、又は(3)であ
る。
【0026】前記態様(1)において、少なくとも1つ
の反応性基(A)と少なくとも1つの不飽和結合とを有
する重合性化合物と、前記重合性化合物の反応性基
(A)に対して反応性の反応性基(B)を有する樹脂と
を反応させることにより、樹脂に不飽和結合を導入でき
る。
【0027】重合性化合物の代表的な反応性基(A)と
しては、(A1)ヒドロキシル基、(A2)カルボキシル基
又はその酸無水物基、(A3)アミノ基、(A4)エポキシ
基、(A5)イソシアネート基などが例示でき、重合性化
合物の反応性基(A)と樹脂の反応性基(B)との組み
合わせとしては、次のような組み合わせが例示できる。
なお、括弧内は反応性基(A)と反応性基(B)との結
合形式を示す。
【0028】(A1)ヒドロキシル基: (B)カルボキシル基又はその酸無水物基(エステル結
合)、イソシアネート基(エステル結合) (A2)カルボキシル基又はその無水物基: (B)ヒドロキシル基(エステル結合)、アミノ基(ア
ミド結合)、エポキシ基(エステル結合)、イソシアネ
ート基(アミド結合) (A3)アミノ基: (B)カルボキシル基又はその酸無水物基(アミド結
合)、エポキシ基(イミノ結合)、イソシアネート基
(アミド結合) (A4)エポキシ基: (B)カルボキシル基又はその酸無水物基(エステル結
合)、アミノ基(イミノ結合) (A5)イソシアネート基: (B)ヒドロキシル基(エステル結合)、カルボキシル
基又はその酸無水物基(アミド結合)、アミノ基(アミ
ド結合) 重合性化合物としては、ヒドロキシル基含有化合物[例
えば、アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3
−ブテン−2−オールなどのC3-6アルケノール、プロ
パルギルアルコールなどのC3-6アルキノール、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ
(メタ)アクリレートなどのC2-6アルキレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレートなどのポリオキシC2-6アルキ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンの
などのC2-6アルケニルフェノール、ジヒドロキシスチ
レン、ビニルナフトールなど]、カルボキシル基又は酸
無水物基含有化合物[例えば、(メタ)アクリル酸、ク
ロトン酸、3−ブテン酸などのC3-6アルケンカルボン
酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのC
4-8アルケンジカルボン酸又はその無水物、ビニル安息
香酸などの不飽和芳香族カルボン酸、ケイ皮酸など]、
アミノ基含有化合物(例えば、アリルアミンなどのC
3-6アルケニルアミン、4−アミノスチレン、ジアミノ
スチレンなど)、エポキシ基含有化合物(例えば、アリ
ルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレー
トなど)、イソシアネート基化合物(例えば、ビニルイ
ソシアネートなど)などが例示できる。
【0029】なお、前記態様(1)において、反応性基
(B)を導入することにより樹脂を改質してもよい。樹
脂に反応性基(B)を導入する方法としては、(i)樹
脂の製造において、反応性基(B)を有する単量体(例
えば、前記例示の重合性化合物など)と、樹脂材料(又
は樹脂の原料である単量体やオリゴマー)とを共重合さ
せる方法、(ii)酸化反応によるカルボキシル基の導
入、ハロゲン化法、重合性単量体のグラフト法などの種
々の有機反応が利用できる。なお、ビニル重合系樹脂で
は、通常、前記反応性基(B)を有する単量体を共重合
成分として用いることにより前記反応性基(B)を導入
する場合が多く、ビニル重合系樹脂を含めていずれの樹
脂でも、前記反応性基を有する重合性化合物のグラフト
反応により、前記反応性基(B)を容易に導入できる。
【0030】前記態様(2)において、不飽和結合の導
入方法としては、例えば、縮合系樹脂(例えば、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂など)の調製におい
て、反応成分の一部(コモノマー)として、多官能性の
不飽和結合を有する化合物[例えば、脂肪族不飽和ジカ
ルボン酸(マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラ
コン酸、メサコン酸などのC4-10脂肪族不飽和ジカルボ
ン酸など)などの不飽和多価カルボン酸;脂肪族不飽和
ジオール(2−ブテン−1,4−ジオールなどのC4-10
脂肪族不飽和ジオールなど)などの不飽和多価アルコー
ルなど]を共縮合(又は共重合)させる方法などが例示
できる。また、付加重合系樹脂(例えば、オレフィン系
樹脂など)においては、反応成分の一部(コモノマー)
として、共役不飽和結合を有する単量体(例えば、1,
3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、クロロプレン
などの置換基を有していてもよい共役C4-10アルカジエ
ンなど)を共重合させる方法などが例示できる。
【0031】前記態様(3)では、熱可塑性樹脂(A)
と、不飽和結合を有する樹脂(B)とを混合してポリマ
ーブレンド(又は樹脂組成物)を形成させることにより
熱可塑性樹脂に不飽和結合を導入できる。
【0032】前記熱可塑性樹脂(A)としては、特に限定
されず、種々の熱可塑性樹脂[例えば、後述する熱可塑
性樹脂(ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂など)
など]が例示できる。また、熱可塑性樹脂(A)は、不飽
和結合を有さない樹脂であってもよく、不飽和結合を有
する樹脂であってもよい。
【0033】不飽和結合を有する樹脂(B)としては、
前記樹脂(1)、(2)又は(4)などの不飽和結合が
導入された熱可塑性樹脂、不飽和結合含有ゴム(例え
ば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリペンテナマ
ー、ポリヘプテナマー、ポリオクテナマー、ポリ(3−
メチルオクテナマー)、ポリデセナマー、ポリ(3−メ
チルデセナマー)、ポリドデセナマーなどのポリC4-15
アルケニレン、ブタジエン−イソプレン共重合体などの
4-15アルカジエンの共重合体、ブタジエン変性ポリエ
チレンなどのゴム変性ポリオレフィンなど)などが例示
できる。なお、前記ポリC4-15アルケニレンは、シクロ
オレフィン類(例えば、シクロペンテン、シクロヘプテ
ン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデセンな
どの置換基を有していてもよいC5-20シクロオレフィン
など)のメタセシス重合、ポリアルケニレン(例えば、
ポリブタジエンなど)の部分水素添加などにより得ても
よい。
【0034】前記態様(4)において、前記樹脂(B)
の割合は、ポリマーブレンドに所定の濃度で不飽和結合
を導入できる範囲、例えば、樹脂(A)/樹脂(B)
(重量比)=5/95〜95/5、好ましくは30/7
0〜95/5、さらに好ましくは50/50〜95/5
程度である。また、樹脂(B)として不飽和結合含有ゴ
ム(例えば、ポリオクテニレンなど)を用いる場合、樹
脂(B)の割合は、樹脂(A)の性質を損なわない範囲
で選択でき、例えば、樹脂(A)/樹脂(B)(重量
比)=50/50〜95/5、好ましくは60/40〜
95/5、さらに好ましくは70/30〜95/5程度
である。
【0035】なお、前記態様(4)の樹脂組成物におい
て、樹脂(A)と樹脂(B)とが、ポリマーアロイ(海
島構造を有するポリマーアロイなど)を形成していても
よい。
【0036】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミ
ド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂
(ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂、ポリスルフィド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂
など)、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、
ポリスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの縮合系
熱可塑性樹脂;ポリオレフィン系樹脂、ハロゲン含有ビ
ニル系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂
などのビニル重合系熱可塑性樹脂;熱可塑性エラストマ
ーなどが例示できる。これらの樹脂は単独で又は二種以
上組み合わせて使用できる。二種以上の樹脂を組み合わ
せて用いる場合、樹脂組成物はポリマーアロイなどの複
合樹脂組成物を形成してもよい。
【0037】(1)ポリアミド系樹脂 ポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミド系樹脂、
脂環族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂など
が挙げられる。脂肪族ポリアミド系樹脂としては、脂肪
族ジアミン成分(テトラメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミンなどのC4-10アルキレンジアミン)と脂肪
族ジカルボン酸成分(アジピン酸、セバシン酸、ドデカ
ン二酸などの炭素数4〜20程度のアルキレンジカルボ
ン酸など)との縮合物(例えば、ポリアミド46、ポリ
アミド66、ポリアミド610、ポリアミド612な
ど)、ラクタム(ε−カプロラクタム、ω−ラウロラク
タムなどの炭素数4〜20程度のラクタムなど)又はア
ミノカルボン酸(ω−アミノウンデカン酸などの炭素数
4〜20程度のアミノカルボン酸など)の単独又は共重
合体(例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリア
ミド12など)、これらのポリアミド成分が共重合した
コポリアミド(例えば、ポリアミド6/11,ポリアミ
ド6/12,ポリアミド66/11,ポリアミド66/
12など)などが挙げられる。
【0038】脂環族ポリアミド系樹脂としては、前記脂
肪族ジアミン成分及び/又は脂肪族ジカルボン酸成分の
少なくとも一部として、脂環族ジアミン及び/又は脂環
族ジカルボン酸を用いたポリアミドが挙げられる。脂環
族ポリアミドには、例えば、前記脂肪族ジカルボン酸成
分と脂環族ジアミン成分(シクロへキシルジアミンなど
のC5-8シクロアルキルジアミン;ビス(アミノシクロ
へキシル)メタン、2,2−ビス(アミノシクロへキシ
ル)プロパンなどのビス(アミノシクロへキシル)アル
カン類など)との縮合体が含まれる。
【0039】芳香族ポリアミド系樹脂には、前記脂肪族
ジアミン成分及び脂肪族ジカルボン酸成分のうち少なく
とも一方の成分が芳香族成分であるポリアミド、例え
ば、ジアミン成分が芳香族成分であるポリアミド[MX
D−6などの芳香族ジアミン(メタキシリレンジアミン
など)と脂肪族ジカルボン酸との縮合体など]、ジカル
ボン酸成分が芳香族成分であるポリアミド[脂肪族ジア
ミン(トリメチルヘキサメチレンジアミンなど)と芳香
族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)と
の縮合体など]、ジアミン成分及びジカルボン酸成分が
芳香族成分であるポリアミド[ポリ(m−フェニレンイ
ソフタルアミド)などの全芳香族ポリアミド(アラミ
ド)など]などが含まれる。
【0040】ポリアミド系樹脂には、さらに、ダイマー
酸をジカルボン酸成分とするポリアミド、少量の多官能
性ポリアミン及び/又はポリカルボン酸成分を用い、分
岐鎖構造を導入したポリアミド、変性ポリアミド(N−
アルコキシメチルポリアミドなど)も含まれる。
【0041】ポリアミド系樹脂では、前記態様(1)に
より不飽和結合を導入する場合、例えば、残存するカル
ボキシル基やアミノ基を反応性基(B)として利用で
き、また、前記態様(2)により不飽和結合を導入する
場合、前記不飽和多価カルボン酸(マレイン酸など)な
どを共重合成分の一部として用いてもよい。
【0042】(2)ポリエステル系樹脂 ポリエステル系樹脂は、脂肪族ポリエステル系樹脂であ
ってもよいが、通常、芳香族ポリエステル系樹脂、例え
ば、ポリ(アルキレン)アリレート系樹脂又は飽和芳香
族ポリエステル系樹脂が使用される。芳香族ポリエステ
ル系樹脂としては、ポリアルキレンアリレート系樹脂
(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2-4
アルキレンテレフタレート;このポリアルキレンテレフ
タレートに対応するポリC2-4アルキレンナフタレート
(例えば、ポリエチレンナフタレートなど);1,4−
シクロへキシルジメチレンテレフタレート(PCT);
ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)と、芳香族
ジカルボン酸(テレフタル酸など)との重縮合により得
られるポリアリレート系樹脂(例えば、ポリアリレート
樹脂など);全芳香族又は液晶性芳香族ポリエステル
(例えば、パラオキシ安息香酸を用いた液晶性ポリエス
テルなど)などが含まれる。ポリエステル系樹脂は、ア
ルキレンアリレート単位を主成分(例えば、50重量%
以上)として含むコポリエステルであってもよく、共重
合成分には、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどのC2-6
ルキレングリコール、ポリオキシC2 -4アルキレングリ
コール、フタル酸、イソフタル酸などの非対称芳香族ジ
カルボン酸又はその酸無水物、アジピン酸などの脂肪族
ジカルボン酸などが例示できる。さらに、少量のポリオ
ール及び/又はポリカルボン酸を用い、線状ポリエステ
ルに分岐鎖構造を導入してもよい。
【0043】ポリエステル系樹脂では、前記態様(1)
により不飽和結合を導入する場合、例えば、残存するカ
ルボキシル基やヒドロキシル基を反応性基(B)として
利用でき、また、前記態様(2)により不飽和結合を導
入する場合、前記不飽和多価カルボン酸(マレイン酸な
ど)や、前記不飽和多価アルコール(2−ブテン−1,
4−ジオールなど)などを共重合成分の一部として用い
てもよい。
【0044】(3)ポリ(チオ)エーテル系樹脂 ポリ(チオ)エーテル系樹脂には、ポリオキシアルキレ
ン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルフ
ィド系樹脂(ポリチオエーテル系樹脂)、ポリエーテル
ケトン系樹脂が含まれる。ポリオキシアルキレン系樹脂
としては、ポリオキシメチレングリコール、ポリオキシ
エチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコー
ル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロッ
ク共重合体、ポリオキシテトラメチレングリコールなど
のポリオキシC1-4アルキレングリコールなどが含まれ
る。好ましいポリエーテル系樹脂には、ポリアセタール
系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルフィ
ド系樹脂及びポリエーテルケトン系樹脂が含まれる。こ
れらの樹脂では、前記態様(1)により不飽和結合を導
入する場合、残存するヒドロキシル基、メルカプト基な
どを反応性基(B)として利用してもよい。
【0045】(3a)ポリアセタール系樹脂 ポリアセタール系樹脂は、ホモポリマー(ホルムアルデ
ヒドの単独重合体)であってもよく、コポリマー(トリ
オキサンと、エチレンオキサイド及び/又は1,3−ジ
オキソランとの共重合体など)であってもよい。また、
ポリアセタール系樹脂の末端は封鎖され安定化されてい
てもよい。ポリアセタール系樹脂では、前記態様(1)
により不飽和結合を導入する場合、残存するヒドロキシ
ル基などを反応性基(B)として利用してもよい。
【0046】(3b)ポリフェニレンエーテル系樹脂 ポリフェニレンエーテル系樹脂には、2,6−ジメチル
フェニレンオキサイドを主成分とする種々の樹脂、例え
ば、2,6−ジメチルフェニレンオキサイドとフェノー
ル類との共重合体、スチレン系樹脂をブレンド又はグラ
フトした変性樹脂などが含まれる。スチレン系樹脂をブ
レンドする場合、ポリフェニレンエーテル系樹脂100
重量部に対して、スチレン系樹脂の添加量は、例えば、
2〜150重量部、好ましくは3〜100重量部、さら
に好ましくは5〜50重量部程度であってもよい。ポリ
フェニレンエーテル系樹脂は、前記態様(1)により
(例えば、グラフト法により反応性基(B)を導入した
のち、反応性基(A)を有する重合性化合物を反応させ
て)不飽和結合が導入された樹脂として使用する場合が
多い。
【0047】(3c)ポリスルフィド系樹脂(ポリチオエ
ーテル系樹脂) ポリスルフィド系樹脂は、ポリマー鎖中にチオ基(−S
−)を有する樹脂であれば特に限定されない。このよう
な樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド樹
脂、ポリジスルフィド樹脂、ポリビフェニレンスルフィ
ド樹脂、ポリケトンスルフィド樹脂、ポリチオエーテル
スルホン樹脂などが例示できる。また、ポリスルフィド
系樹脂は、ポリ(アミノフェニレンスルフィド)のよう
にアミノ基などの置換基を有していてもよい。好ましい
ポリスルフィド系樹脂はポリフェニレンスルフィド樹脂
である。
【0048】(3d)ポリエーテルケトン系樹脂 ポリエーテルケトン系樹脂には、ジハロゲノベンゾフェ
ノン(ジクロロベンゾフェノンなど)とジヒドロベンゾ
フェノンとの重縮合により得られるポリエーテルケトン
樹脂、ジハロゲノベンゾフェノンとヒドロキノンとの重
縮合により得られるポリエーテルエーテルケトン樹脂な
どが例示できる。
【0049】(4)ポリカーボネート系樹脂 ポリカーボネート系樹脂としては、脂肪族ポリカーボネ
ート系樹脂であってもよいが、通常、芳香族ポリカーボ
ネート系樹脂、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物(ビ
スフェノールA、ビスフェノールSなどのビスフェノー
ル化合物など)と、ホスゲン又は炭酸ジエステル(ジフ
ェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート、ジ
メチルカーボネートなどのジアルキルカーボネートな
ど)との反応により得られる芳香族ポリカーボネートな
どが使用できる。ポリカーボネート系樹脂では、前記態
様(1)により不飽和結合を導入する場合、残存するヒ
ドロキシル基などを反応性基(B)として利用してもよ
い。
【0050】(5)ポリイミド系樹脂 ポリイミド系樹脂には、熱可塑性ポリイミド系樹脂、例
えば、芳香族テトラカルボン酸又はその無水物(ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸など)と、芳香族ジアミン
(ジアミノジフェニルメタンなど)との反応で得られる
ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル
イミド樹脂などが含まれる。ポリイミド系樹脂では、前
記態様(1)により不飽和結合を導入する場合、残存す
るカルボキシル基や酸無水物基、アミノ基、イミノ基な
どを反応性基(B)として利用できる。
【0051】(6)ポリスルホン系樹脂 ポリスルホン系樹脂には、ジハロゲノジフェニルスルホ
ン(ジクロロジフェニルスルホンなど)とビスフェノー
ル類(ビスフェノールA又はその金属塩など)との重縮
合により得られるポリスルホン樹脂、ポリエーテルスル
ホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂(商品名:RADE
L)などが例示できる。
【0052】(7)ポリウレタン系樹脂 ポリウレタン系樹脂は、ジイソシアネート類とポリオー
ル類と必要により鎖伸長剤との反応による得ることがで
きる。ジイソシアネート類としては、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類、フ
ェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートな
どの芳香族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシア
ネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート類などが例示
できる。ジイソシアネート類として、アルキル基(例え
ば、メチル基)が主鎖又は環に置換した化合物を使用し
てもよい。
【0053】ジオール類としては、ポリエステルジオー
ル(アジピン酸などのC4-12脂肪族ジカルボン酸成分、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコールなどのC2-12脂肪族ジ
オール成分、ε−カプロラクトンなどのC4-12ラクトン
成分などから得られるポリエステルジオールなど)、ポ
リエーテルジオール(ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシ
プロピレンブロック共重合体、ポリオキシテトラメチレ
ングリコール、ビスフェノールA−アルキレンオキサイ
ド付加体など)、ポリエステルエーテルジオール(ジオ
ール成分の一部として上記ポリエーテルジオールを用い
たポリエステルジオール)などが利用できる。
【0054】さらに、鎖伸長剤としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコールなどのC2-10アルキレン
ジオールの他、ジアミン類も使用できる。ジアミン類と
しては、脂肪族ジアミン類、例えば、エチレンジアミ
ン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ト
リメチルヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘ
プタン、1,8−ジアミノオクタンなどの炭素数2〜1
0程度の直鎖又は分岐鎖状アルキレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、ジプロピレントリアミンなどの直鎖又
は分岐鎖状ポリアルキレンポリアミンなど;脂環族ジア
ミン類、例えば、イソホロンジアミン、ビス(4−アミ
ノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノ
メチル)シクロヘキサンなど;芳香族ジアミン類、例え
ば、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミ
ノジフェニルメタンなどが例示できる。
【0055】ポリウレタン系樹脂では、前記態様(1)
により不飽和結合を導入する場合、例えば、残存するヒ
ドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基などを反応
性基(B)として利用してもよく、また、前記態様
(2)により不飽和結合を導入する場合、前記不飽和多
価カルボン酸(マレイン酸など)や、前記不飽和多価ア
ルコール(2−ブテン−1,4−ジオールなど)などを
共重合成分の一部として用いてもよい。
【0056】(8)ポリオレフィン系樹脂 ポリオレフィン系樹脂には、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ
(メチルペンテン−1)などのオレフィンの単独又は共
重合体、オレフィンと共重合性単量体との共重合体(エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アク
リル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体など)が挙げられる。これらのポリオレフィ
ン系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。
【0057】好ましいポリオレフィン系樹脂には、プロ
ピレン含量が50重量%以上(特に75〜100重量
%)のポリプロピレン系樹脂、例えば、ポリプロピレ
ン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテ
ン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体な
どが含まれる。また、ポリオレフィン系樹脂は結晶性で
あるのが好ましい。
【0058】(9)ハロゲン含有ビニル系樹脂 ハロゲン含有ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体などの
塩素含有ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化
ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラ
フルオロエチレンと共重合性単量体との共重合体などの
フッ素含有ビニル系樹脂などが例示できる。好ましいハ
ロゲン含有ビニル系樹脂は、フッ素含有ビニル系樹脂
(例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンな
ど)である。
【0059】(10)スチレン系樹脂 スチレン系樹脂としては、スチレン系単量体の単独又は
共重合体(ポリスチレン、スチレン−ビニルトルエン共
重合体、スチレン−α−メチルスチレン共重合体な
ど)、スチレン系単量体と共重合性単量体との共重合体
(スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(A
BS樹脂)、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共
重合体(MS樹脂など)、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体など)、耐衝撃
性ポリスチレン(HIPS))などが挙げられる。
【0060】(11)(メタ)アクリル系樹脂 (メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル系
単量体の単独又は共重合体、(メタ)アクリル系単量体
と共重合性単量体との共重合体などが挙げられる。(メ
タ)アクリル系単量体には、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの
(メタ)アクリル酸C1-10アルキルエステル、メタクリ
ル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸C5-10シクロア
ルキルエステル、(メタ)アクリル酸フェニルなどの
(メタ)アクリル酸C6-10アリールエステル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸
ヒドロキシC2-10アルキルエステル、(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル
酸グリシジルなどが挙げられる。共重合性単量体には、
酢酸ビニル、塩化ビニルなどのビニル系単量体、スチレ
ン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体などが
挙げられる。
【0061】(メタ)アクリル系樹脂では、前記態様
(1)により不飽和結合を導入する場合、反応性基
(B)を有する単量体を共重合成分として用いることに
より、前記反応性基(B)を導入できる。
【0062】(12)熱可塑性エラストマー 熱可塑性エラストマーには、ポリアミド系エラストマー
(ポリアミドを硬質相とし、脂肪族ポリエーテルを軟質
相とする共重合体)、ポリエステル系エラストマー(ポ
リアルキレンアリレートを硬質相とし、脂肪族ポリエー
テルや脂肪族ポリエステルを軟質相とする共重合体)、
ポリウレタン系エラストマー(短鎖グリコールのポリウ
レタンを硬質相とし、脂肪族ポリエーテルや脂肪族ポリ
エステルを軟質相とする共重合体、例えば、ポリエステ
ルウレタンエラストマー、ポリエーテルウレタンエラス
トマーなど)、ポリスチレン系エラストマー(ポリスチ
レンブロックを硬質相とし、ジエン重合体ブロック又は
その水素添加ブロックを軟質相とするブロック共重合
体)、ポリオレフィン系エラストマー(ポリスチレン又
はポリプロピレンを硬質相とし、エチレン−プロピレン
ゴムやエチレン−プロピレン−ジエンゴムを軟質相とす
るエラストマー、結晶化度の異なる硬質相と軟質相とで
構成されたオレフィン系エラストマーなど)、ポリ塩化
ビニル系エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー
などが含まれる。脂肪族ポリエーテルとしては、(ポ
リ)オキシC2-4アルキレングリコール類(例えば、
(ポリ)オキシエチレングリコール、(ポリ)オキシト
リメチレングリコール、(ポリ)オキシプロピレングリ
コール、(ポリ)オキシテトラメチレングリコール、特
にポリオキシエチレングリコール)などが使用でき、脂
肪族ポリエステルとしては、ポリウレタン系樹脂の項で
述べたポリエステルジオールなどが使用できる。これら
の熱可塑性エラストマーは単独で又は二種以上組み合わ
せて使用できる。
【0063】熱可塑性エラストマーがブロック共重合体
であるとき、ブロック構造は特に制限されず、トリブロ
ック構造、マルチブロック構造、星形ブロック構造など
であってもよい。
【0064】好ましい熱可塑性エラストマーには、ポリ
アミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、
ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラスト
マー、ポリオレフィン系エラストマーが含まれる。
【0065】不飽和結合の数は、樹脂一分子に対して、
例えば、平均0.1個以上(例えば、0.1〜1000
個)、好ましくは平均1個以上(例えば、1〜100
個)、さらに好ましくは平均2個以上(例えば、2〜5
0程度)である。また、不飽和結合の濃度は、例えば、
樹脂1kgに対して、0.001〜6.6モル、好まし
くは0.01〜4モル、さらに好ましくは0.02〜2
モル程度である。
【0066】(架橋性官能基を有する熱硬化性樹脂)熱
硬化性樹脂としては、架橋剤(又は硬化剤)などの存在
下で架橋性又は硬化性を示す官能基(例えば、メチロー
ル基、アルコキシメチル基、エポキシ基、イソシアネー
ト基など)を有する樹脂が挙げられる。このような熱硬
化性樹脂としては、重縮合又は付加縮合系樹脂(フェノ
ール樹脂、アミノ系樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリ
イミド系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂、シリコー
ン樹脂など)、付加重合系樹脂(不飽和ポリエステル系
樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、
熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂など)が例示できる。
熱硬化性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて用い
てもよい。
【0067】(13)フェノール樹脂 フェノール樹脂には、ノボラック樹脂、レゾール樹脂な
どが含まれるが、通常ノボラック樹脂が用いられる。ノ
ボラック樹脂は、酸触媒の存在下、フェノール類とアル
デヒド類との反応により得られる。フェノール類として
は、例えば、フェノール、o−、m−、又はp−クレゾ
ール、2,5−、3,5−又は3,4−キシレノール、
2,3,5−トリメチルフェノール、エチルフェノー
ル、プロピルフェノールなどのC1-4アルキルフェノー
ル、ジヒドロキシベンゼン、レゾルシノール、ナフトー
ルなどが例示できる。これらのフェノール類は単独で又
は2種以上組み合わせて用いてもよい。アルデヒド類と
しては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどの
脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデ
ヒドなどの芳香族アルデヒドなどが例示できる。これら
のアルデヒド類は単独で又は2種以上組み合わせて用い
てもよい。
【0068】(14)アミノ系樹脂 アミノ系樹脂は、通常、アミノ基含有化合物とアルデヒ
ド類(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
プロピオンアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド、フェニ
ルアセトアルデヒドなどの芳香族アルデヒドなど)との
反応により得られる。アミノ系樹脂には、尿素樹脂(尿
素とアルデヒド類との反応により得られる尿素樹脂な
ど)、アニリン樹脂(アニリン、ナフチルアミン、トル
イジン、キシリジン、N,N−ジメチルアニリン、ベン
ジジンなどのアニリン類と、アルデヒド類との反応によ
り得られるアニリン樹脂など)、メラミン樹脂(メラミ
ンとアルデヒド類との反応により得られるメラミン樹脂
など)、グアナミン樹脂(ベンゾグアナミン、アセトグ
アナミン、ホルモグアナミンなどのグアナミン類と、ア
ルデヒド類との反応により得られるグアナミン樹脂な
ど)などが含まれる。
【0069】(15)エポキシ樹脂 エポキシ系樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アミン系エポキシ樹脂
などが含まれる。
【0070】ビスフェノール型エポキシ樹脂を構成する
ビスフェノールとしては、例えば、4,4−ビフェノー
ル、2,2−ビフェノール、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールAD、ビスフェノールAなどのグリシジルエー
テル類が例示できる。
【0071】ノボラック型エポキシ樹脂を構成するノボ
ラック樹脂としては、例えば、前記ノボラック樹脂の項
に記載のフェノール類とアルデヒド類との反応により得
られるノボラック樹脂などが例示できる。
【0072】アミン系エポキシ樹脂を構成するアミン成
分としては、例えば、アニリン、トルイジンなどの芳香
族アミン、ジアミノベンゼン、キシリレンジアミンなど
の芳香族ジアミン、アミノヒドロキシベンゼン、ジアミ
ノジフェニルメタンなどが例示できる。
【0073】(16)熱硬化性ポリイミド系樹脂 熱硬化性ポリイミド系樹脂には前記ポリイミド系樹脂の
項で記載の樹脂が含まれる。
【0074】(17)熱硬化性ポリウレタン系樹脂 熱硬化性ポリウレタン系樹脂には前記ポリウレタン系樹
脂の項で記載の樹脂が含まれる。
【0075】(18)シリコーン樹脂 シリコーン樹脂には、式:RaSiO(4-a)/2で表される
単位(式中、係数aは1.9〜2.1程度)と、式:R
bSiO(4-b)/2で表される単位(式中、係数bは0.9
〜1.1程度)とで構成されたシリコーン樹脂などが含
まれる。式中、Rは、例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基などのC1-10アルキル基、3−クロ
ロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基な
どのハロゲン化C1-10アルキル基、ビニル基、アリル
基、ブテニル基などのC2-10アルケニル基、フェニル
基、トリル基、ナフチル基などのC6-12アリール基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3-10シクロ
アルキル基、ベンジル基、フェネチル基などのC6-12
リール−C1-4アルキル基などが挙げられる。
【0076】(19)不飽和ポリエステル系樹脂 不飽和ポリエステル系樹脂としては、前記ポリエステル
系樹脂において、ジカルボン酸成分として、不飽和ジカ
ルボン酸又はその無水物(例えば、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸などの前記C4-10脂肪族不飽和ジオ
ールなど)を用いた不飽和ポリエステルなどが挙げられ
る。
【0077】(20)ビニルエステル樹脂 ビニルエステル樹脂としては、前記エポキシ樹脂と、
(メタ)アクリル酸との反応により得られる重合体、多
価フェノール類とグリシジル(メタ)アクリレートとの
反応により得られる重合体などが挙げられる。
【0078】(21)ジアリルフタレート樹脂 ジアリルフタレート樹脂には、ジアリルオルソフタレー
ト、ジアリルイソフタレートなどのジアリルフタレート
モノマーから得られる樹脂などが含まれる。
【0079】(22)熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂 熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂には、前記(メタ)ア
クリル系樹脂の項で記載の樹脂が含まれる。
【0080】なお、架橋性樹脂は、ラジカル発生剤に対
して高い活性を示す複数の水素原子(活性水素原子)又
は硫黄原子(活性硫黄原子)(以下、これらの水素原子
及び硫黄原子を活性原子と称することがある)を有して
いてもよい。架橋性樹脂として、前記活性原子を有する
樹脂を用いると、加硫剤がラジカル発生剤である場合、
ゴムと樹脂との接合をより強固にできる場合がある。す
なわち、架橋性樹脂は、下記式で表される軌道相互作用
エネルギー係数Sが一定値(例えば、0.006、好ま
しくは0.008)以上の活性原子を有していてもよ
い。好ましい活性原子の軌道相互作用エネルギー係数S
は、0.006〜0.06、好ましくは0.007〜
0.05(特に0.01〜0.045)程度である。こ
の活性原子の数は、活性原子を有する官能基の結合部位
(末端、分岐鎖や主鎖など)に依存し、例えば、樹脂の
一分子中、平均2個以上(2〜10000個程度)、好
ましくは平均2.5個以上(2.5〜5000個程
度)、さらに好ましくは平均3個以上(3〜1000個
程度)であってもよい。
【0081】 S=(CHOMO,n2/|Ec−EHOMO,n|+(CLUMO,n2/|Ec−ELUMO,n| (1) (式中、Ec、CHOMO,n、EHOMO,n、CLUMO,n、E
LUMO,nは、いずれも半経験的分子軌道法MOPACPM
3により算出された値であって、Ecはラジカル発生剤
のラジカルの軌道エネルギー(eV)を示し、CHOMO,n
は樹脂の基本単位を構成する第n番目の水素原子又は硫
黄原子の最高被占分子軌道(HOMO)の分子軌道係数
を示し、EHOMO,nは前記HOMOの軌道エネルギー(e
V)を示し、C LUMO,nは前記n番目の水素原子又は硫黄
原子の最低空分子軌道(LUMO)の分子軌道係数を示
し、ELUMO,nは前記LUMOの軌道エネルギー(eV)
を示す)式(1)での基本単位とは、高分子の末端と、
1〜3個程度の繰返単位とで形成したモデル的な分子構
造を意味する。すなわち、MOPACPM3で高分子化
合物について計算する場合、分子を構成する原子の数が
多すぎるため、分子そのものを対象として計算するのが
困難である。そのため、高分子の末端と、2〜3個程度
の繰り返し単位とで形成した分子構造モデル(基本単
位)を対象にして計算を行ってもよい。例えば、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)の分子構造(繰返単
位)は、一般に、化学式−(CH2-CH2-CH2-CH2-
O-C(=O)-C64-C(=O)-O)n−で表される
が、前記式(1)では、基本単位を、便宜的にHO-C
2-CH2-CH2-CH2-O-C(=O)-C64-C(=
O)-OHとして計算してもよい。
【0082】なお、ラジカル発生剤のラジカルの軌道エ
ネルギーEc(eV)は、ラジカルの分子構造に基づい
て、MOPACPM3により計算するのが好ましいが、
ラジカル発生剤の種類に基づいて、便宜上、所定の値を
用いてもよい。例えば、ラジカル発生剤が有機過酸化物
ではEc=−8eV、アゾ化合物ではEc=−5eV、硫
黄を除く硫黄含有有機化合物ではEc=−6eVとして
計算してもよい。
【0083】軌道相互作用エネルギー係数Sが一定値
(例えば、0.006)以上である水素原子(活性水素
原子)としては、ラジカル発生剤が有機過酸化物の場
合、アミノ(−NH2)基(例えば、末端アミノ基)、
イミノ(−NH−)基(例えば、主鎖又は末端イミノ
基、アミド結合の−NH−基など)、メルカプト(−S
H)基、メチル(−CH3)基、メチレン(−CH2−)
基(電子吸引性基に隣接するメチレン基、すなわち活性
メチレン基)、メチリジン(−CH=)基(主鎖又は末
端のメチリジン基)などの水素原子が挙げられる。
【0084】また、軌道相互作用エネルギー係数Sが一
定値(例えば、0.006)以上である硫黄原子(活性
硫黄原子)としては、ラジカル発生剤が有機過酸化物の
場合、チオ基(−S−)、メルカプト(−SH)基、ア
ルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基などのC
1-4アルキルチオ基など)、スルフィニル基(−SO
−)などの硫黄原子が挙げられる。
【0085】前記メチル基としては、例えば、アルキレ
ン鎖、シクロアルキレン鎖又は芳香族環に結合するメチ
ル基、酸素原子に結合するメチル基(メトキシ基のメチ
ル基)などが例示できる。メチレン基としては、例え
ば、(ポリ)オキシメチレン単位、(ポリ)オキシエチ
レン単位などの(ポリ)オキシアルキレン単位の酸素原
子に隣接するメチレン基の他、アミノ基やイミノ基など
の窒素原子に隣接するメチレン基などが例示できる。メ
チリジン基としては、例えば、アミノ基又はイミノ基に
隣接するα−位のメチリジン基、例えば、アミノシクロ
アルキル基のアミノ基に対するα−位のメチリジン基な
どが例示できる。
【0086】活性原子数は、樹脂が、一般に単一分子で
はなく、構造や鎖長などがいくらか異なる多数の分子の
混合物であるため、予想される主たる複数の基本単位に
ついて計算すればよい。例えば、繰返単位−(NH-
(CH26−NH-C(=O)-(CH24−(C=
O))n−を有するポリマー(ポリアミド66)に含ま
れる活性水素原子の数は、モデル基本単位NH2-(CH
26-NH-C(=O)-(CH24−C(=O)-OHに
基づいて計算でき、ラジカル発生剤が有機過酸化物のと
き、末端NH2基の2つの水素原子が活性水素原子(す
なわち、S≧0.006)である。この場合、ポリアミ
ド66について一分子中の活性水素原子の平均数Nは、
集合体としてのポリマー(ポリアミド66)の末端NH
2基と末端COOH基との比率により下記式(2)に基
づいて算出できる。
【0087】N=2×A (2) (式中、Aは一分子中の平均の末端NH2基の数を示
す)例えば、末端NH2基/末端COOH基=1/1
(モル比)の場合、一分子中の末端NH2基の数A=1
個、一分子中の活性水素原子の数N=2個である。ま
た、末端NH2基/末端COOH基=1/2(モル比)
の場合、一分子中の末端NH2基の数A=2/3個、一
分子中の活性水素原子の数N=4/3個である。
【0088】なお、樹脂が異なる活性原子数を有する複
数の樹脂で構成された混合樹脂である場合、混合樹脂の
活性原子数は、各樹脂が有する活性原子数の平均値で表
すこともできる。つまり、混合樹脂を構成する各樹脂の
基本単位から活性原子数を個別に算出し、各樹脂の重量
割合をもとにして活性原子数の平均を算出することによ
り、混合樹脂の見かけ上の活性原子数を算出できる。例
えば、混合樹脂が、前記N=2個のポリアミド66
(A)と、前記N=4/3個のポリアミド66(B)と
で構成され、(A)/(B)=1/1(モル比)である
場合、混合樹脂一分子中の活性原子数は、N=5/3個
とみなすことができる。また、混合樹脂が、前記N=2
個のポリアミド66(A)と、全末端がカルボキシル基
(つまりN=0個)であるポリアミド66(C)とで構
成され、(A)/(C)=3/1(モル比)である場
合、混合樹脂一分子中の活性原子数は、N=3/2個と
みなすことができる。
【0089】前記例示の樹脂のうち、このような活性原
子を有する樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル系樹脂、ポリスルフィド系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、熱可塑性エラス
トマー、アミノ系樹脂などが含まれる。
【0090】ポリアミド系樹脂において、例えば、末端
アミノ基の水素原子や、末端アミノ基に対してα−位の
炭素原子に結合する水素原子、アミド結合の−NH−基
に隣接する炭素原子に結合する水素原子(メチレン基の
水素原子やメチリジン基の水素原子など)、特に末端ア
ミノ基の水素原子が活性水素原子を構成する。
【0091】ポリエステル系樹脂では、通常、(ポリ)
オキシアルキレン単位の酸素原子に隣接するメチレン基
の水素原子が活性水素原子を構成し、変性ポリエステル
系樹脂では、通常、末端アミノ基の水素原子や、末端ア
ミノ基に対してα−位の炭素原子に結合する水素原子、
アミド結合の−NH−基に隣接する炭素原子に結合する
水素原子(メチレン基の水素原子やメチリジン基の水素
原子など)、特に末端アミノ基の水素原子が活性水素原
子を構成する。
【0092】ポリアセタール系樹脂では、例えば、オキ
シメチレン単位の水素原子、末端を封鎖したアルコキシ
基(特にメトキシ基)の水素原子、特にオキシメチレン
単位の水素原子が、ポリフェニレンエーテル系樹脂で
は、例えば、ベンゼン環に結合するメチル基の水素原子
が、ポリスルフィド系樹脂では、例えば、主鎖中のチオ
基がそれぞれ活性原子を構成する。
【0093】ポリウレタン系樹脂では、例えば、ジイソ
シアネート類の主鎖又は環に結合するアルキル基の水素
原子(特に、ベンジル位の水素原子)、ポリオール類や
ポリオキシアルキレングリコールのアルキレン基の水素
原子、鎖伸長剤のアミノ基の水素原子などが活性水素原
子を構成する。
【0094】ポリオレフィン系樹脂では、例えば、ポリ
オレフィンの主鎖を構成するメチレン基の水素原子、前
記主鎖から分岐するメチル基の水素原子などが活性水素
原子を構成する。
【0095】熱可塑性エラストマーでは、例えば、軟質
相を構成するオキシアルキレン単位の水素原子が活性水
素原子を構成してもよい。
【0096】アミノ系樹脂では、例えば、アミノ基(例
えば、メラミン、グアナミンなどを構成するアミノ基な
ど)などが活性水素原子を構成する。
【0097】前記活性原子を有するか否かに拘わらず熱
可塑性樹脂や熱硬化性樹脂には、前記活性原子を導入し
てもよい。活性原子の導入は、前記反応性基(B)の導
入と同様に、活性原子を有する単量体の共重合、活性原
子を有する単量体の樹脂に対するグラフト重合、ハロゲ
ン化とアミンとの反応などの高分子反応を利用する方法
などが利用できる。
【0098】より具体的には、熱硬化性樹脂のうち重縮
合又は付加縮合系樹脂(アミノ樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂など)では、
活性原子を有する架橋剤又は硬化剤を用いて架橋又は硬
化することにより、活性原子を導入してもよい。活性原
子を有する硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤
(例えば、ジエチルアミノプロピルアミン、トリエチレ
ンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、メタフェニレン
ジアミン、ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリ
アミンなど)、アミド系硬化剤(例えば、ポリアミドア
ミンなど)などが例示できる。
【0099】付加重合系樹脂(例えば、不飽和ポリエス
テル、ビニルエステル系樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂など)では、活性
水素を有する単量体との共重合により活性原子を導入で
きる。活性原子を有する単量体としては、例えば、オキ
シC2-4アルキレン単位を有する単量体((ポリ)オキ
シエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの
(ポリ)オキシアルキレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、(ポリ)オキシエチレングリコールモノメチ
ルエーテル(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシ
アルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)ア
クリレート、多官能性単量体、例えば、(ポリ)オキシ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポ
リ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加体のジ
(メタ)アクリレートなど)、アミド結合を有する単量
体(アクリルアミド、メチレン−ビス(メタ)アクリル
アミド、1,1−ビスアクリルアミド−エタンなどのア
クリルアミド類など)などが例示できる。
【0100】熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂では、ア
ミノ系樹脂(例えば、メラミン樹脂、グアナミン樹脂な
ど)などを架橋剤として用いて架橋させ、活性水素原子
を導入してもよく、熱硬化性アクリル樹脂の構成モノマ
ーと、活性水素原子を有する多官能性単量体(前記活性
原子を有する単量体の項に記載の多官能性単量体など)
とを共重合させることにより、活性水素原子を導入して
もよい。
【0101】なお、不飽和結合を有する熱可塑性樹脂に
おいても、不飽和結合を有する樹脂と活性原子を有する
単量体との共重合により活性原子を導入してもよい。
【0102】樹脂部材を形成するための樹脂組成物は、
架橋を促進するための架橋促進剤を含んでいてもよい。
架橋促進剤は樹脂の種類に応じて選択することができ、
例えば、樹脂が架橋性官能基を有する樹脂である場合に
は、酸類、塩基類や硬化剤(有機系硬化剤、無機系硬化
剤など)などを用いると架橋(又は硬化)を著しく促進
できる。
【0103】このような架橋促進剤には、ラジカル発生
剤(後述するラジカル発生剤など)、酸類(酢酸などの
脂肪酸類、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸
類、安息香酸などの芳香族脂肪酸類などの有機酸類、塩
酸などの無機酸類など)、塩基類(トリエチルアミンな
どの脂肪族アミン、アニリンなどの芳香族アミン、ピリ
ジンなどのヘテロ環式アミンなど)、有機系硬化剤[多
価カルボン酸又はその酸無水物(例えば、グリオキザー
ル、マロンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、テレフ
タルアルデヒドなど)、複数のアルデヒド基を有する化
合物、エポキシ化合物(例えば、アルキレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリオキシアルキレングリコー
ルジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエー
テルなどの複数のエポキシ基を有する化合物など)、窒
素含有化合物(例えば、尿素樹脂、グアナミン樹脂、メ
ラミン樹脂等のアミノ樹脂、前記(7)ポリウレタン系
樹脂の項に記載のジアミン類、重合性単量体(例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル
などの(メタ)アクリル系モノマー、スチレンなどのス
チレン系モノマーなど)、メチロール基又はアルコキシ
メチル基を有する化合物(例えば、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド基を有する重合体など)、ポリイソ
シアネートなど]、無機系硬化剤[ホウ酸又はホウ酸塩
(ホウ砂など)、ジルコニウム化合物、チタニウム化合
物、アルミニウム化合物、リン化合物、シランカップリ
ング剤など]、硬化触媒(有機スズ化合物、有機アルミ
ニウム化合物など)などが含まれる。これらの架橋促進
剤は単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
【0104】また、樹脂部材を形成するための樹脂組成
物は、種々の添加剤、例えば、フィラー又は補強剤、安
定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤)、着色
剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤などを含んでい
てもよい。
【0105】[ゴム部材] (ゴム)ゴム部材は、加硫剤(ラジカル発生剤など)と
ゴムとを含有するゴム組成物を成形(加硫)することに
より得られる。前記ゴムは、[樹脂部材]の項に示された
前記架橋性樹脂と反応可能である限り特に制限されず、
種々のゴムが使用できる。特に本発明では、樹脂が加硫
剤(ラジカル発生剤など)により活性化可能であるた
め、ゴムとしては、幅広い範囲から選択できる。
【0106】ゴムとしては、ジエン系ゴム、オレフィン
系ゴム、アクリル系ゴム、フッ素ゴム、シリコーン系ゴ
ム、ウレタン系ゴム、エピクロロヒドリンゴム(エピク
ロロヒドリン単独重合体CO、エピクロロヒドリンとエ
チレンオキサイドとの共重合体ECO、アリルグリシジ
ルエーテルをさらに共重合させた共重合体など)、クロ
ロスルホン化ポリエチレン、プロピレンオキシドゴム
(GPO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EA
M)、ポリノルボルネンゴム、及びこれらの変性ゴム
(酸変性ゴムなど)などが例示できる。これらのゴムは
単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの
ゴムのうち、通常、ジエン系ゴム、オレフィン系ゴム、
アクリル系ゴム、フッ素ゴム、シリコーン系ゴム、ウレ
タン系ゴムなどが実用的な観点から広く使用される。
【0107】ジエン系ゴムには、例えば、天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)、イソブチレンイソプレ
ンゴム(ブチルゴム)(IIR)、ブタジエンゴム(B
R)、クロロプレンゴム(CR)などのジエン系単量体
の重合体;例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム
(ニトリルゴム)(NBR)、ニトリルクロロプレンゴ
ム(NCR)、ニトリルイソプレンゴム(NIR)など
のアクリロニトリル−ジエン共重合ゴム;スチレンブタ
ジエンゴム(SBR、例えば、スチレンとブタジエンと
のランダム共重合体、スチレンブロックとブタジエンブ
ロックとで構成されたSBブロック共重合体など)、ス
チレンクロロプレンゴム(SCR)、スチレンイソプレ
ンゴム(SIR)などのスチレン−ジエン共重合ゴムな
どが含まれる。ジエン系ゴムには、水添ゴム、例えば、
水素添加ニトリルゴム(HNBR)なども含まれる。な
お、スチレン−ジエン系ゴムにおいて、共重合体を構成
するスチレンとジエン成分との割合(重量比)は、スチ
レン/ジエン成分=10/90〜80/20、好ましく
は20/80〜70/30、さらに好ましくは30/7
0〜60/40(特に30/70〜50/50)程度で
あってもよい。
【0108】オレフィン系ゴムとしては、例えば、エチ
レンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジ
エンゴム(EPDMなど)、ポリオクテニレンゴムなど
が例示できる。
【0109】アクリル系ゴムには、アクリル酸アルキル
エステルを主成分とするゴム、例えば、アクリル酸アル
キルエステルと塩素含有架橋性単量体との共重合体AC
M、アクリル酸アルキルエステルとアクリロニトリルと
の共重合体ANM、アクリル酸アルキルエステルとカル
ボキシル基及び/又はエポキシ基含有単量体との共重合
体、エチレンアクリルゴムなどが例示できる。
【0110】フッ素ゴムとしては、フッ素含有単量体を
用いたゴム、例えば、フッ化ビニリデンとパーフルオロ
プロペンと必要により四フッ化エチレンとの共重合体F
KM、四フッ化エチレンとプロピレンとの共重合体、四
フッ化エチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルと
の共重合体FFKMなどが例示できる。
【0111】シリコーンゴム(Q)は、式:RaSiO
(4-a)/2で表される単位で構成されたオルガノポリシロ
キサンである。式中、Rは、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基などのC1-10アルキル基、3
−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基などのハロゲン化C1-10アルキル基、ビニル基、ア
リル基、ブテニル基などのC2-10アルケニル基、フェニ
ル基、トリル基、ナフチル基などのC6-12アリール基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC 3-10シク
ロアルキル基、ベンジル基、フェネチル基などのC6-12
アリール−C1- 4アルキル基などが挙げられる。式中、
係数aは1.9〜2.1程度である。好ましいRは、メ
チル基、フェニル基、アルケニル基(ビニル基など)、
フルオロC1-6アルキル基である。
【0112】シリコーンゴムの分子構造は、通常、直鎖
状であるが、一部分岐構造を有していてもよく、分岐鎖
状であってもよい。シリコーンゴムの主鎖は、例えば、
ジメチルポリシロキサン鎖、メチルビニルポリシロキサ
ン鎖、メチルフェニルポリシロキサン鎖、これらのシロ
キサン単位の共重合体鎖[ジメチルシロキサン−メチル
ビニルシロキサン共重合体鎖、ジメチルシロキサン−メ
チルフェニルシロキサン共重合体鎖、ジメチルシロキサ
ン−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロ
キサン共重合体鎖、ジメチルシロキサン−メチルビニル
シロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体鎖な
ど]で構成できる。シリコーンゴムの両末端は、例え
ば、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、シ
ラノール基、トリC1-2アルコキシシリル基などであっ
てもよい。
【0113】シリコーンゴム(Q)には、例えば、メチ
ルシリコーンゴム(MQ)、ビニルシリコーンゴム(V
MQ)、フェニルシリコーンゴム(PMQ)、フェニル
ビニルシリコーンゴム(PVMQ)、フッ化シリコーン
ゴム(FVMQ)などが含まれる。さらに、シリコーン
系ゴムには、上記高温加硫型HTV(High Temperature
Vulcanizable)の固形ゴムに限らず、室温加硫型RT
V(Room TemperatureVulcanizable)又は低温加硫型L
TV(Low Temperature Vulcanizable)シリコーンゴ
ム、例えば、液状又はペースト状ゴムも含まれる。
【0114】ウレタンゴム(U)としては、例えば、ポ
リエステル型ウレタンエラストマー、ポリエーテル型ウ
レタンエラストマーなどが含まれる。
【0115】変性ゴムとしては、酸変性ゴム、例えば、
カルボキシル化スチレンブタジエンゴム(X−SB
R)、カルボキシル化ニトリルゴム(X−NBR)、カ
ルボキシル化エチレンプロピレンゴム(X−EP(D)
M)などのカルボキシル基又は酸無水物基を有するゴム
が含まれる。
【0116】(加硫剤)本発明では、加硫剤は、前記ゴ
ムを加硫(又は架橋)するだけでなく、前記架橋性樹脂
に作用して(例えば、樹脂の架橋性基を活性化して)、
樹脂と加硫ゴムとを架橋反応により直接接合させる。加
硫剤としては、前記樹脂やゴムの種類に応じて、ラジカ
ル発生剤や硫黄が使用でき、前記ラジカル発生剤として
は、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物、硫黄含有有機
化合物などが例示できる。なお、本発明において、ラジ
カル発生剤は、前記不飽和結合を有する熱可塑性樹脂、
及び前記架橋性官能基を有する熱硬化性樹脂に対して有
効であり、硫黄は、不飽和結合を有する樹脂(前記不飽
和結合を有する熱可塑性樹脂、前記不飽和ポリエステル
系樹脂など)に対して有効である場合が多い。前記加硫
剤は単独で又は二種以上組合せて使用できる。
【0117】有機過酸化物としては、過酸化ジアシル類
(ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、4−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジ
クロロベンゾイルパーオキサイドなど)、過酸化ジアル
キル類(ジ−t−ブチルぺルオキシド、2,5−ジ(t
−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルへキサン、
1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジ(t−ブチルペ
ルオキシ)−2,5−ジメチルへキセン−3、1,3−
ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、
ジクミルペルオキシドなど)、過酸化アルキル類(t−
ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサ
イド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキ
サイドなど)、アルキリデンペルオキシド類(エチルメ
チルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシ
ド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサンなど)、過酸エステル類
(過酢酸t−ブチル、過ピバリン酸t−ブチルなど)な
どが挙げられる。
【0118】アゾ化合物には、アゾビスイソブチロニト
リルなどが含まれる。硫黄含有有機化合物としては、チ
ウラム類(テトラメチルチウラムモノスルフィド(TM
TM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMT
D)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET
D)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBT
D)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(D
PTT)など)、ジチオカルバミン酸塩類(ジメチルジ
チオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸などの
ジC1-4アルキルジチオカルバミン酸と、ナトリウム、
カリウム、鉄、銅、亜鉛、セレン又はテルルとの塩な
ど)、チアゾ−ル類(2−メルカプトベンゾチアゾ−
ル、2−(4’-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール
など)などが含まれる。
【0119】硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロ
イド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが例示でき
る。また、硫黄には、一塩化硫黄、二塩化硫黄などの塩
化硫黄も含まれる。
【0120】樹脂部材とゴム部材との接合において光照
射可能であれば、ラジカル発生剤として光重合開始剤も
利用できる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフ
ェノン又はその誘導体(3,3’−ジメチル−4−メト
キシベンゾフェノン、4,4−ジメトキシベンゾフェノ
ンなど)、アルキルフェニルケトン又はその誘導体(ア
セトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミ
ノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタノンなど)、ア
ントラキノン又はその誘導体(2−メチルアントラキノ
ンなど)、チオキサントン又はその誘導体(2−クロロ
チオキサントン、アルキルチオキサントンなど)、ベン
ゾインエーテル又はその誘導体(ベンゾイン、ベンゾイ
ンアルキルエーテルなど)、ホスフィンオキシド又はそ
の誘導体などが例示できる。さらに、ラジカル発生剤に
は、過硫酸塩(過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムな
ど)も含まれる。
【0121】これらの化合物のうち、使用範囲の広い加
硫剤は有機過酸化物である。
【0122】加硫剤の割合は、未加硫ゴム100重量部
に対して、例えば、0.5〜15重量部程度の範囲から
選択でき、通常、1〜10重量部程度、好ましくは1〜
8重量部(例えば、2〜7重量部)程度、さらに好まし
くは3〜5重量部程度である。
【0123】(加硫活性剤)本発明では、加硫剤による
接着の効率を高めるため、加硫剤と共に加硫活性剤(硬
化剤などと称する場合もある)を用いてもよい。加硫活
性剤は、ゴムの加硫を促進するのみならず、ゴム分子と
樹脂分子との架橋を促進し、ゴム部材と樹脂部材の接合
をより容易にする。例えば、樹脂がポリフェニレンエー
テル系樹脂であるとき、加硫剤(特にラジカル発生剤)
と加硫活性剤とを組み合わせて用いると、樹脂部材と加
硫ゴム部材との間で架橋反応が進行し、両者を確実かつ
強固に結合できる。なお、加硫活性剤は、ゴムの加硫促
進とゴムと樹脂との間の架橋形成に必要な量が存在すれ
ばよく、必要以上の添加はゴムの物性の低下を招く場合
があるので、適正な添加量は適当に選択できる。
【0124】前記加硫活性剤としては、炭素−炭素二重
結合(重合性不飽和結合)を有する有機化合物〔例え
ば、ビニル系単量体(ジビニルベンゼンなど)、アリル
系単量体(ジアリルフタレート、トリアリルホスフェー
ト、トリアリル(イソ)シアヌレートなど)、(メタ)
アクリル系単量体など〕、マレイミド系化合物などが挙
げられる。これらの加硫活性剤は単独で又は二種以上組
み合わせて使用できる。加硫活性剤としては、通常、2
以上の複数の重合性不飽和結合を有する多官能性の加硫
活性剤が使用される。
【0125】(メタ)アクリル系単量体としては、例え
ば、二官能性(メタ)アクリレート類[エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
トなどのC2-10アルキレングリコールジ(メタ)アクリ
レート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメ
チレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリC
2-4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、グ
リセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのC2-4アル
キレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレートな
ど〕、三官能性又は多官能性(メタ)アクリレート類
[グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレートなど]などが例示できる。
【0126】複数のマレイミド基を有するマレイミド化
合物は、ポリアミンと無水マレイン酸との反応により得
ることができる。マレイミド系化合物には、例えば、芳
香族ビスマレイミド(N,N’−1,3−フェニレンジ
マレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミ
ド、N,N’−3−メチル−1,4−フェニレンジマレ
イミド、4,4’−ビス(N,N’−マレイミド)ジフ
ェニルメタン、4,4’−ビス(N,N’−マレイミ
ド)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(N,N’−
マレイミド)ジフェニルエーテルなど)、脂肪族ビスマ
レイミド(N,N’−1,2−エチレンビスマレイミ
ド、N,N’−1,3−プロピレンビスマレイミド、
N,N’−1,4−テトラメチレンビスマレイミドな
ど)などが例示できる。
【0127】なお、加硫活性剤は、通常、複数の重合性
不飽和結合(ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイ
ル基など)を有する場合が多い。例えば、ポリエステル
系樹脂とゴムとの組み合わせにおいて、マレイミド化合
物よりも、ビニル、アリル又は(メタ)アクリロイル基
を複数有する不飽和化合物を用いる場合が多い。
【0128】好ましい加硫活性剤は、一分子中に複数
(例えば、2〜6個、特に3〜6個程度)の炭素−炭素
二重結合(重合性不飽和結合)を有する化合物、例え
ば、トリアリル(イソ)シアヌレート、二官能乃至多官
能性(メタ)アクリレート(特に三官能性又は多官能性
(メタ)アクリレート)、芳香族マレイミド化合物など
が含まれる。
【0129】本発明において加硫活性剤の添加は必須で
はない。例えば、樹脂が有する架橋性基の数や使用する
ゴム材料の種類によっては、加硫活性剤が存在しなくて
も両部材の接合は可能である。しかし、多くの場合、ゴ
ム部材と樹脂部材とを確実に接合するため、加硫活性剤
を添加する方が有利である。加硫活性剤は、未加硫ゴム
(又は未加硫ゴム組成物)及び樹脂(又は樹脂組成物)
のうち少なくともいずれか一方の成分に添加すればよ
く、双方の成分に添加してもよい。特に、樹脂が、不飽
和結合を有する樹脂である場合は、樹脂成分に加硫活性
剤を添加することにより、樹脂−ゴム間の架橋を活性化
させ、樹脂部材とゴム部材との接合を強固にできる場合
が多い。加硫活性剤の使用量は、使用する加硫活性剤の
種類や、添加する成分の種類(未加硫ゴム及び/又は樹
脂)によって異なるが、通常、樹脂とゴムとの接着を促
進可能な量、例えば、ゴム及び樹脂から選択された少な
くとも一種の成分100重量部に対して、加硫活性剤
0.1〜10重量部程度、好ましくは0.1〜5重量部
程度、さらに好ましくは0.1〜3重量部程度の範囲か
ら選択できる。例えば、加硫活性剤が多価アルコールの
メタクリル酸エステルである場合、加硫活性剤の添加量
は、ゴム及び樹脂から選択された少なくとも一種の成分
100重量部に対して0.1〜10重量部程度、好まし
くは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重
量部、実用的には0.1〜1.9重量部(例えば0.5
重量部や1.0重量部)である。また、ゴムと樹脂の双
方に添加する場合、樹脂に対する添加量は少量であって
もよく、樹脂100重量部に対して、加硫活性剤0.1
〜7重量部程度、好ましくは0.1〜5重量部程度、さ
らに好ましくは0.1〜3重量部程度であってもよい。
【0130】加硫活性剤は、種類にもよるが、過剰に添
加すると、ゴム部材又は樹脂部材の物性に大きな影響を
及ぼす場合がある。例えば、ゴム成分への添加にあって
は、加硫ゴムの硬度が設計値よりはるかに高くなった
り、ゴム部材の長期的な物性値、例えば、耐候性が大幅
に低下するなどの障害が発生する。また、樹脂成分への
添加にあっては、樹脂部材の形成に伴ってゲルなどが発
生し、適切な成形が困難となったり、樹脂部材の機械強
度が低下する。さらには、添加された加硫活性剤が樹脂
部材から滲出(マイグレート)する場合がある。
【0131】従って、加硫活性剤の添加は、ゴム成分へ
の添加であっても、樹脂成分への添加であっても、被添
加材(ゴム又は樹脂)100重量部に対して10重量部
を超えることは好ましくなく、5重量部以上の添加は注
意を要し、事前に被添加材への影響を検討する必要があ
る。被添加材への影響に特段の配慮をすることなく、ゴ
ム部材と樹脂部材との十分な接合強度を得るには、加硫
活性剤の添加量は、被添加材がゴムの場合、ゴム100
重量部に対して、2重量部以下、例えば、0.1〜1.
9重量部(例えば、0.5〜1.9重量部)程度であ
り、被添加材が樹脂の場合、樹脂100重量部に対し
て、5重量部以下、例えば、0.1〜5重量部(例え
ば、3〜5重量部)程度である。
【0132】なお、加硫活性剤をゴムに添加する場合、
加硫剤と加硫活性剤との割合は、例えば、前者/後者=
0.3/1〜20/1(例えば、0.5/1〜20/
1)(重量比)程度、好ましくは0.4/1〜15/1
(例えば、1/1〜15/1)(重量比)程度、さらに
好ましくは0.5/1〜10/1(例えば、2/1〜1
0/1)(重量比)程度であってもよい。
【0133】なお、後述するように、加硫活性剤は、必
ずしもゴム組成物及び/又は樹脂組成物に配合する必要
はなく、ゴム部材及び/又は樹脂部材の接合面に塗布し
てもよい。
【0134】(加硫助剤)本発明では、接着の効率を高
めるため、さらに加硫助剤を用いてもよい。ゴムや樹脂
の種類によっては、加硫助剤を添加することにより、ゴ
ム部材と樹脂部材の接合をより強固にできる。加硫助剤
は、未加硫ゴム(又は未加硫ゴム組成物)及び樹脂(又
は樹脂組成物)のうち少なくともいずれか一方の成分に
添加すればよく、双方の成分に添加してもよい。通常、
加硫助剤は、樹脂に添加する場合が多い。
【0135】加硫助剤は、樹脂やゴムの種類に応じて選
択でき、例えば、縮合系熱可塑性樹脂のオリゴマー(例
えば、前記ポリアミド系樹脂のオリゴマー、前記ポリエ
ステル系樹脂のオリゴマーなどの数平均分子量100〜
1000程度のオリゴマーなど。但し、加硫助剤として
用いる場合、オリゴマーは必ずしも前述のような架橋性
基を有している必要はない。)ポリアミン類(例えば、
前記(7)ポリウレタン系樹脂の項に記載のジアミン類
など)、ポリオール類(例えば、前記(2)ポリエステ
ル系樹脂の項に記載のポリオール類など)、多価カルボ
ン酸又はその酸無水物、複数のアルデヒド基を有する化
合物、エポキシ化合物、窒素含有樹脂(アミノ樹脂な
ど)、メチロール基又はアルコキシメチル基を有する化
合物、ポリイソシアネートなどが例示できる。これらの
加硫助剤は、単独で又は2種以上を組合せて使用しても
よい。
【0136】好ましい加硫助剤は、前記式(1)で表さ
れる活性原子のうち、活性水素原子を一分子中に平均2
個以上有する化合物、例えば、縮合系熱可塑性樹脂(例
えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂など)の
オリゴマー、前記ポリアミン類などが例示できる。
【0137】加硫助剤の割合は、例えば、ゴム及び/又
は樹脂100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ま
しくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜15
重量部程度である。
【0138】(他の添加剤)前記ゴム組成物には、必要
に応じて、種々の添加剤、例えば、フィラー、可塑剤又
は軟化剤、共加硫剤(酸化亜鉛などの金属酸化物な
ど)、老化防止剤(熱老化防止剤、オゾン劣化防止剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、粘着付与剤、加工助
剤、滑剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワック
スなど)、着色剤、発泡剤、分散剤、難燃剤、帯電防止
剤などを配合してもよい。
【0139】前記フィラー(又は補強剤)には、例え
ば、粉粒状フィラー又は補強剤(マイカ、クレー、タル
ク、ケイ酸類、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、カーボンブラック、フェライトなど)、繊維状フ
ィラー又は補強剤(レーヨン、ナイロン、ビニロン、ア
ラミドなどの有機繊維、炭素繊維、ガラス繊維などの無
機繊維)などが含まれる。
【0140】ゴムがシリコーンゴムである場合、補強剤
として添加される最も一般的なフィラーはシリカ粉末で
ある。一般的にシリコーンゴムに使用されるシリカ粉末
には、湿式で製造される湿式シリカと、乾式で製造され
る乾式シリカの二種に大別される。シリコーンゴムに適
するシリカ粉末は、乾式シリカであり、乾式シリカを用
いると、樹脂部材とゴム部材との高い接合強度が得られ
易い。湿式シリカの場合、シリカ粉末中に含まれる水分
が樹脂部材とゴム部材間の架橋を阻害するものと考えら
れる。但し、湿式シリカであっても致命的にゴム部材と
樹脂部材の接合を阻害するものではなく、使用する樹脂
や使用するシリコーンゴムの種類、加硫活性剤の種類や
その使用量、成形条件などにより、湿式シリカであって
も使用できる場合がある。乾式シリカと湿式シリカとの
混合使用なども許容される。
【0141】可塑剤としては、ゴム組成物に可塑性を付
与可能である限り特に制限されず、慣用の軟化剤(リノ
ール酸、オレイン酸、ひまし油、パーム油などの植物
油;パラフィン、プロセスオイル、エキステンダーなど
の鉱物油など)、可塑剤(フタル酸エステル、脂肪族ジ
カルボン酸エステル、硫黄含有可塑剤、ポリエステル系
高分子可塑剤など)などが使用できる。
【0142】フィラーの含有量は、ゴム100重量部に
対して、例えば、0〜300重量部程度、好ましくは0
〜200重量部程度、さらに好ましくは0〜100重量
部程度であってもよい。可塑剤又は軟化剤の含有量は、
ゴム100重量部に対して、例えば、0〜200重量部
程度、好ましくは0〜150重量部程度、さらに好まし
くは0〜120重量部程度であってもよい。また、共加
硫剤、老化防止剤、加工剤又は滑剤、着色剤などの含有
量は、有効量であればよく、例えば、共加硫剤の含有量
は、ゴム100重量部に対して、0〜20重量部程度、
好ましくは0.5〜15重量部程度、さらに好ましくは
1〜10重量部程度であってもよい。
【0143】本発明では、樹脂部材を構成する架橋性樹
脂が、加硫剤(ラジカル発生剤など)に対して活性な不
飽和結合や架橋性官能基を有しているため、幅広い組合
せにおいて樹脂とゴムとを強固に接合できる。そのた
め、樹脂とゴムとの組合せは特に限定されず、例えば、
次のような組合せが例示できる。
【0144】(a)不飽和結合含有ポリアミド系樹脂
(ポリアミド612などの脂肪族ポリアミド系樹脂な
ど)と、未加硫ゴムとの組合せ 不飽和結合含有ポリエステル系樹脂と、未加硫ゴムとの
組合せ(例えば、下記(b)〜(d)のような組合せ) (b)不飽和結合含有ポリエステル系樹脂(例えば、2
−ブテン−1,4−ジオールなどの不飽和結合含有ジオ
ールをコモノマーの一部として共重合したポリエステル
系樹脂など)と、未加硫の未変性ゴム(例えば、前記ジ
エン系ゴム、前記オレフィン系ゴム、前記フッ素ゴム、
前記シリコーンゴムなど)との組合せ (c)非マレイミド系加硫活性剤(例えば、ビニル、ア
リル、及び(メタ)アクリロイル基から選択された不飽
和結合を有する化合物など)を含有していてもよい不飽
和結合含有ポリエステル系樹脂(例えば、2−ブテン−
1,4−ジオールなどの不飽和結合含有ジオールをコモ
ノマーの一部として共重合したポリエステル系樹脂な
ど)と、未加硫ゴムとの組合せ (d)不飽和結合含有ポリエステル系樹脂(例えば、2
−ブテン−1,4−ジオールなどの不飽和結合含有ジオ
ールをコモノマーの一部として共重合したポリエステル
系樹脂など)と、非シラン系化合物(例えば、前記一分
子中に少なくとも2つの重合性不飽和結合を有する加硫
活性剤など)を含有していてもよい未加硫ゴムとの組合
せ すなわち、本発明では、ポリエステル系樹脂/ゴム複合
体において、マレイミド化合物やシラン化合物(ビニル
トリメトキシシランなどのシランカップリング剤)を必
要としないだけでなく、未加硫ゴムとして未変性のゴム
を使用できる。
【0145】ポリフェニレンエーテル系樹脂と、未加硫
ゴムとの組合せ(例えば、下記(e)のような組合せ) (e)加硫活性剤を含有していてもよい不飽和結合含有
ポリフェニレンエーテル系樹脂(例えば、前記方法
(1)により不飽和結合が導入されたポリフェニレンエ
ーテル系樹脂など)と、未加硫ゴムとの組合せ すなわち、本発明では、ポリフェニレンエーテル系樹脂
/ゴム複合体において、樹脂にポリアルケニレンを添加
することなく、ゴム成分として幅広い範囲のゴムを使用
できる。
【0146】熱硬化性樹脂と、未加硫ゴムとの組合せ
(例えば、下記(f)のような組合せ) (f)架橋性官能基を有する熱硬化性樹脂(メラミン樹
脂などのアミノ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ビ
スフェノール型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂など)
と、未加硫の未変性ゴム(例えば、前記ジエン系ゴム、
前記オレフィン系ゴム、前記フッ素ゴム、前記シリコー
ンゴムなど)との組合せ すなわち、本発明では、幅広い範囲の熱硬化性樹脂を使
用できるのみならず、未変性のゴムであっても使用でき
る。
【0147】[複合体の製造方法]本発明では、前記架
橋性樹脂と加硫剤を含む未加硫ゴムとを組み合わせて用
いることにより、架橋した架橋性樹脂で構成された樹脂
部材と、加硫ゴムで構成されたゴム部材とが接合した複
合体(樹脂/ゴム複合体)を製造する。この複合体は、
成形樹脂材と成形ゴム材とを接触させて成形するととも
に、前記成形ゴム材を加硫又は架橋することにより製造
できる。なお、「樹脂部材」「ゴム部材」とは、成形に
より得られた最終製品での「樹脂」「ゴム」を意味し、
「成形樹脂材」「成形ゴム材」とは、最終製品の形態に
成形する前の「樹脂」「ゴム」の形態を意味し、組成物
に限らず予備成形体などの形態を含む意味に用いる。ま
た、「予備成形体」とは、少なくとも未架橋の架橋性樹
脂や未加硫ゴムを含む成形体を意味し、ゴムの「予備成
形体」は予備加硫されていてもよい。
【0148】前記成形樹脂材としては、(a)未架橋の
架橋性樹脂で構成された樹脂組成物、(b)少なくとも
未架橋の架橋性樹脂を含有する予備成形体(特に前記成
形ゴム材との接触面において少なくとも未架橋の架橋性
樹脂を含有する成形体)などが挙げられる。なお、前記
未架橋の架橋性樹脂は、少なくともゴム/樹脂界面にお
いて、前記不飽和結合や架橋性官能基が活性であればよ
く、樹脂自体が架橋性を示す自己架橋性樹脂(例えば、
前記フェノール樹脂など)であってもよい。
【0149】前記成形ゴム材は、前記成形樹脂材との接
触面において加硫剤(例えば、ラジカル発生剤)が活性
であって、少なくとも未加硫のゴムを含有していれば特
に限定されず、未加硫のゴム組成物であってもよく、一
部が加硫又は架橋されたゴム予備成形体などであっても
よい。
【0150】より具体的には、架橋性樹脂で構成された
樹脂組成物(特に少なくとも前記加硫活性剤を含む樹脂
組成物)と、未加硫ゴムと加硫剤とで構成された未加硫
ゴム組成物(特に、少なくとも前記加硫活性剤を含む未
加硫ゴム組成物)とを接触させて成形するとともに、前
記樹脂組成物及び前記未加硫ゴム組成物を加硫又は架橋
させ、樹脂部材とゴム部材とが接合した複合体を製造し
てもよい。
【0151】また、加硫剤が失活せず活性である限り、
樹脂部材(又は樹脂成形体)及びゴム部材(ゴム成形
体)のうち少なくとも一方の部材は予め架橋(自己架
橋)及び/又は成形していてもよい。例えば、(1)前
記樹脂組成物に、ゴム組成物が予備加硫又は架橋して成
形されたゴム予備成形体を接触させ、前記樹脂組成物及
び前記ゴム予備成形体を成形するとともに架橋又は加硫
させることにより、複合体を製造してもよく、(2)前
記予備成形体に未加硫ゴム組成物を接触させ、前記予備
成形樹脂材と未加硫ゴム組成物とを成形するとともに架
橋又は加硫させることにより、複合体を製造してもよ
く、(3)前記予備成形体に、ゴム組成物が予備加硫又
は架橋して成形されたゴム予備成形体を接触させ、前記
予備成形体及び前記ゴム予備成形体を成形するとともに
架橋又は加硫させることにより、複合体を製造してもよ
い。なお、前記ゴム予備成形体は、加硫剤が少なくとも
成形樹脂材との接触面において活性であればよく、加硫
剤が残存したゴム予備成形体などであってもよい。
【0152】より具体的には、本発明の方法には、樹脂
組成物と未加硫ゴム組成物とをそれぞれ成形しながら、
成形過程で樹脂組成物と未加硫ゴム組成物とを接触又は
合流させて、樹脂部材と加硫ゴム部材とを接合又は接着
する方法(一段階法)、予め成形された前記予備成形体
と未加硫ゴム組成物とを接触させ、未加硫ゴム組成物を
成形しながら、未加硫ゴム組成物及び予備成形体を架橋
又は加硫させて、樹脂部材と加硫ゴム部材とを接合又は
接着する方法(二段階法)、予め成形された前記予備成
形体と、未加硫ゴム組成物を途中まで成形(一部加硫又
は架橋)したゴム予備成形体とを接触させ、前記予備成
形体及びゴム予備成形体をさらに架橋又は加硫させて、
樹脂部材と加硫ゴム部材とを接合又は接着する方法(三
段階法)などが含まれる。
【0153】好ましい方法には、一段階法および二段階
法(特に、二段階法)が含まれる。一段階法では、例え
ば、慣用の多色成形機(多色射出成形機、多層押出機な
ど)を利用し、樹脂組成物と未加硫ゴム組成物とをそれ
ぞれ溶融混練しつつ所定形状の成形型に射出又は押出成
形し、樹脂組成物及び未加硫ゴムを成形過程又は成形後
に架橋又は加硫することにより複合成形体を得ることが
できる。なお、樹脂組成物と未加硫ゴム組成物との接触
界面領域では、樹脂組成物と未加硫ゴム組成物とが混在
していてもよい。
【0154】また、二段階法において、樹脂部材の成形
には、慣用の成形機(射出成形機、押出成形機、熱プレ
ス成形機など)が使用でき、ゴム部材の成形には、慣用
の成形機(射出成形機、プレス成形機、トランスファ成
形機、押出成形機など)が使用できる。例えば、複合体
の形状に対応する型(又はキャビティー)に予備成形体
を収容し、この予備成形体に対して未加硫ゴム組成物を
射出又は押出し、予備成形体及び未加硫ゴム組成物を架
橋又は加硫することにより、加硫ゴム部材と樹脂部材と
を接着してもよい。また、複合体が二次元的な拡がりを
有する板状又はシート状部材である場合、前記型(又は
キャビティー)を用いることなく、成形樹脂材に対して
板状又はシート状未加硫ゴム組成物を積層し、架橋又は
加硫させることにより複合体を製造してもよい。なお、
成形樹脂材と未加硫ゴム組成物とを接触(密着など)さ
せる場合、未加硫ゴム組成物中の揮発性分やガス成分を
除去するため、熱プレス成形や射出成形などを利用し
て、適宜加圧してもよく、減圧雰囲気下で加圧成形して
もよい。
【0155】成形樹脂材及び成形ゴム材の架橋(又は加
硫)温度(又はゴム部材と樹脂部材との接合温度)は、
例えば、70〜250℃、好ましくは100〜230
℃、さらに好ましくは150〜220℃程度の範囲から
選択できる。ゴム/樹脂間に作用する圧力は、例えば、
0〜350MPa、好ましくは1〜150MPa、さら
に好ましくは2〜100MPa程度の範囲から選択でき
る。
【0156】なお、複合体の製造において、未加硫ゴム
及び架橋性樹脂から選択された少なくとも一方の成分
が、前記加硫活性剤(例えば、前記複数の重合性基を有
する重合性化合物など)や前記加硫助剤を含有していて
もよい。通常、加硫助剤は、樹脂に添加する場合が多
い。
【0157】また、前記のように、加硫活性剤は、未加
硫ゴム組成物(又はゴム部材)及び/又は樹脂組成物に
配合されるが、本発明の方法には、前記成形樹脂材と前
記成形ゴム材との接触面(又は接合面)に、少なくとも
前記加硫活性剤(必要によりさらに前記加硫助剤)を介
在させて加熱成形し、樹脂部材とゴム部材とが接合した
複合体を製造する方法も含まれる。
【0158】さらに、本発明の方法には、前記成形樹脂
材と、加硫ゴム部材との接触面(又は接合面)に、少な
くとも加硫活性剤(必要によりさらに前記加硫助剤)を
介在させて加熱成形し、成形樹脂材とゴム部材とを接合
し、複合体を製造する方法も含まれる。
【0159】さらに、前記成形樹脂材と加硫ゴム部材と
の接合面には、塗布などにより、少なくとも加硫活性剤
(必要によりさらに前記加硫助剤)を含む塗布剤を介在
させればよく、加硫剤と加硫活性剤(必要によりさらに
前記加硫助剤)とで構成された塗布剤を介在させてもよ
い。成形樹脂材と加硫ゴム部材との接触面又は接合面で
の塗布剤の量は、例えば、0.1〜10g/m2程度、
好ましくは0.5〜5g/m2程度、特に1〜5g/m2
程度であってもよい。
【0160】前記塗布剤を介在させて成形樹脂材と加硫
ゴム部材とを加熱(特に加熱加圧)することにより、樹
脂部材と加硫ゴム部材とが接合一体化した複合体が得ら
れる。加熱温度及び圧力は、前記架橋又は加硫の温度及
び圧力と同様の範囲から選択できる。
【0161】また、前記成形樹脂材の表面を、この樹脂
部材を溶解もしくは膨潤させる溶剤で処理(塗布、浸漬
などによる処理)した後、前記成形樹脂材の処理面と未
加硫ゴム組成物とを接触させることも有効である。溶剤
としては、成形樹脂材の種類に応じて、炭化水素類(ヘ
キサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサ
ンなどの脂環族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素)、アルコール類(イソプロパノール、ブ
タノール、シクロヘキサノールなどのアルコール、テト
ラフルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノー
ルなどのハロアルキルアルコール)、フェノール類(フ
ェノール、クレゾールなど)、有機酸類(ギ酸、酢酸、
トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸など)、エステル類
(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、ケトン類(アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
ど)、エーテル類(ジオキサン、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフランなど)、スルホキシド類(ジメチルス
ルホキシドなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミドなど)やこれらの混合溶剤などか
ら適当に選択できる。
【0162】例えば、樹脂がポリアミド樹脂の場合、ゴ
ム部材との接触面に、フェノール類(フェノール、クレ
ゾールなど)、有機酸(ギ酸など)、ケトン類(ヘキサ
フルオロアセトンなど)、アルコール類(ヘキサフルオ
ロイソプロピルアルコールなど)などを単独で又は通常
の有機溶剤と混合して塗布すればよい。また、例えば、
樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂の場合は、溶剤もし
くは膨潤剤として、炭化水素類(トルエンなど)、ケト
ン類(アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサフルオロ
アセトンなど)、エーテル類(テトラヒドロフランな
ど)、アミド類(ジメチルホルムアミドなど)、アルコ
ール類(ヘキサフルオロイソプロピルアルコールなど)
などが例示できる。
【0163】なお、前記溶剤で処理した後、洗浄、乾燥
などにより溶剤を成形樹脂材から除去しても、前記成形
樹脂材の処理面と未加硫ゴム組成物とを接触させること
により、加硫ゴム部材と樹脂部材とを強固に接合でき
る。
【0164】このようにして得られた複合体は、加硫に
よりゴム部材と樹脂部材とが著しく高い強度で接着して
いる。そのため、樹脂の特性とゴムの特性とを有効に発
現でき、種々の用途、例えば、自動車用部品(振動吸収
ブッシュ、スプリングプレート、ドアロック部材、ラジ
エターマウントなど)、防振ゴム、バルブ、電気プラグ
などの種々の部材として有利に利用できる。
【0165】
【発明の効果】本発明では、樹脂部材を構成する樹脂材
料として、架橋性樹脂を用いるため、接着剤を用いるこ
となく、樹脂とゴムとの幅広い組合せにおいてゴム部材
と樹脂部材とが直接的かつ強固に接合した複合体を得る
ことができる。
【0166】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0167】[樹脂組成物(A)〜(E)]樹脂組成物A1〜A4 熱可塑性樹脂としてポリアミド612(ヘキサメチレン
ジアミンとドデカンジカルボン酸の重縮合物)を用い、
下記の樹脂組成物(A1〜A4)を調製した。
【0168】樹脂組成物(A1): (調製方法):ヘキサメチレンジアミンとドデカンジカ
ルボン酸との塩80重量%水溶液1000gに0.1モ
ルのドデカンジカルボン酸を添加し、窒素置換したオー
トクレーブ中で加圧(17.5kg/cm2)下で加熱
(220℃)し、窒素ガスと共に系内の水分を4時間要
して系外に排出した。その後1時間を要して徐々に昇温
(275℃)し水分の残渣を系外に排除した後オートク
レーブの内圧を常圧に戻し、冷却後、ポリアミド612
を得た。得られたポリマーは分子量(Mn)約1000
0、末端基のほぼ全量がカルボキシル基であり、測定さ
れた不飽和結合の濃度は0モル/kgであった。このポ
リマーを単独で樹脂組成物(A1)とした。
【0169】樹脂組成物(A2): (調製方法):ヘキサメチレンジアミンとドデカンジカ
ルボン酸との塩80重量%水溶液1000gに0.1モ
ルのマレイン酸を添加し、窒素置換したオートクレーブ
中で加圧(17.5kg/cm2)下で加熱(220
℃)し、窒素ガスと共に系内の水分を4時間要して系外
に排出した。その後1時間を要して徐々に昇温(275
℃)し水分の残渣を系外に排除した後オートクレーブの
内圧を常圧に戻し、冷却後、ポリアミド612を得た。
得られたポリマーは分子量(Mn)約10000、末端
基のほぼ全量がカルボキシル基であり、測定された不飽
和結合の濃度は0.1モル/kgであった。このポリマ
ーを単独で樹脂組成物(A2)とした。
【0170】樹脂組成物(A3): (調製方法):前記樹脂組成物(A2)100重量部に
対して、トリメチロールプロパントリメチルメタクリレ
ート(TRIM)を3重量部の割合で混合した混合物
を、二軸押出機を用いて溶融混練し、樹脂組成物(A
3)を得た。
【0171】樹脂組成物(A4): (調製方法):前記樹脂組成物(A2)100重量部に
対して、ポリオクテネマー(Degussa(株)製
「Vestenamer8012」)10重量部の割合
で混合した混合物を、二軸押出機を用いて溶融混練し、
樹脂組成物(A4)を得た。得られたポリマーの不飽和
結合の濃度は約0.9モル/kgであった。
【0172】樹脂組成物B1〜B5 熱可塑性樹脂として、PBT(テレフタル酸と1,4−
ブタンジオールとの重縮合物)、を用い、下記の樹脂組
成物(B1〜B5)を調製した。
【0173】樹脂組成物(B1): (調製方法):蒸留精製したジメチルテレフタレート8
83g及び1,4−ブタンジオール819gに、酢酸カ
ルシウム1.82g及び酸化アンチモン3.64gを添
加し、攪拌機、窒素ガス導入管及び蒸留用側管を有し、
かつ真空系に連結された重合管に入れ、油浴により18
0℃に加熱し、窒素ガスを少量づつ供給した。留出する
メタノール量が理論値に達したところで攪拌を開始し、
徐々に系内の温度を250〜260℃まで昇温すると共
に、真空度100Pa以下まで導いた。生成する1,4
−ブタンジオールを少量ずつ留出させながら、2〜3時
間を要して縮合反応を進め、適宜テトラクロロエタン/
フェノール=40/60(体積比)の混合溶媒中の相対
粘度を測定し、数平均分子量が10000に達したとこ
ろで反応を終結させてPBTを得た。得られたポリマー
の不飽和結合の濃度は、実質的に0であり、このポリマ
ーを樹脂組成物(B1)とした。
【0174】樹脂組成物(B2): (調製方法):前記(B1)の製造において1,4−ブ
タンジオール819gを、1,4−ブタンジオール78
3gと2−ブテン−1,4−ジオール35.2gに代え
た他は、前記(B1)と同様にして数平均分子量約10
000のポリマーを得た。得られたポリマーの不飽和結
合の濃度は、分子中に平均2個、0.2モル/kgであ
り、このポリマーを単独で樹脂組成物(B2)とした。
【0175】樹脂組成物(B3): (調製方法):前記樹脂組成物(B2)100重量部に
対し、トリメチロールプロパントリメチルメタクリレー
ト(TRIM)を3重量部の割合で混合した混合物を、
二軸押出機を用いて溶融混練し、樹脂組成物(B3)を
得た。
【0176】樹脂組成物(B4): (調製方法):前記(B1)の製造において1,4−ブ
タンジオール819gを、1,4−ブタンジオール74
7gと2−ブテン−1,4−ジオール70.4gに代え
た他は、前記(B1)と同様にして数平均分子量約10
000のポリマーを得た。得られたポリマーの不飽和結
合の濃度は、分子中に平均4個、0.4モル/kgであ
り、このポリマーを単独で樹脂組成物(B4)とした。
【0177】樹脂組成物(B5): (調製方法):前記(B1)の製造において1,4−ブ
タンジオール819gを、1,4−ブタンジオール63
9gと2−ブテン−1,4−ジオール176gに代えた
他は、前記(B1)と同様にして数平均分子量約100
00のポリマーを得た。得られたポリマーの不飽和結合
の濃度は、分子中に平均10個、1モル/kgであり、
このポリマーを単独で樹脂組成物(B5)とした。
【0178】樹脂組成物C1 (調製方法):メラミン樹脂(住友ベークライト(株)
製 「スミコンMMC−50(黒着色品)」)を用い
て、100mm×100mm×4mmの平板を成形し、
この平板を樹脂組成物(C1)の試料として用いた。
【0179】樹脂組成物D1 (調製方法):ビスフェノールA系エポキシ樹脂(Sh
ell(株)製 「EPIKOTE828」)100重
量部に対して、6重量部の割合でジエチルアミノプロピ
ルアミンを添加し、100℃で硬化させ、100mm×
100mm×4mmの平板を成形し、この平板を樹脂組
成物(D1)の試料として用いた。
【0180】樹脂組成物E1 (調製方法):無水マレイン酸604g、プロピレング
リコール507gをハイドロキノンモノメチルエーテル
0.22g及びエステル化触媒としてのジブチル錫オキ
サイド0.6gの存在下、常圧の窒素気流中、180〜
190℃で脱水縮合させ、重量平均分子量5800の不
飽和ポリエステルを得た。この不飽和ポリエステルにナ
フテン酸コバルト3.4gを加え、600gのエチルメ
タクリレート及び100gのスチレンで溶解希釈した。
この希釈液100重量部に対し、有機過酸化物(日本油
脂(株)製 パーブチルオー)を3重量部の割合で添加
し、攪拌の後、80℃で硬化させ100mm×100m
m×4mmの平板を成形し、この平板を樹脂組成物(E
1)の試料として用いた。
【0181】[未加硫ゴム組成物(R1〜R4)]下記
成分を所定の割合で配合し、未加硫ゴム組成物(R1〜
R4)を調製した。
【0182】ゴム組成物R1 (i)ゴム 100重量部(エチレンプロピレンジエン
ゴム(DSM(株)製、ケルタン509×100、ジエ
ン含量8.2重量%)90重量部、ポリオクテニレンゴ
ム(Degussa(株)製、Vestenamer8
012)10重量部) (ii)フィラー[カーボンブラック(FEF)] 1
重量部 (iii)加硫剤[有機過酸化物(ジクミルパーオキサ
イド)] 3重量部 (iv)加硫活性剤 0重量部 (v)可塑剤(出光興産(株)製、ダイアナプロセスオ
イルNM−68))100重量部 (vi)酸化亜鉛 5重量部 (vii)ステアリン酸 1重量部ゴム組成物R2 (i)ゴム 100重量部(エチレンプロピレンジエン
ゴム(DSM(株)製、ケルタン509×100、ジエ
ン含量8.2重量%)90重量部、ポリオクテニレンゴ
ム(Degussa(株)製、Vestenamer8
012)10重量部) (ii)フィラー[カーボンブラック(FEF)] 1
重量部 (iii)加硫剤[有機過酸化物(ジクミルパーオキサ
イド)] 3重量部 (iv)加硫活性剤(トリメチロールプロパントリメタ
アクリレート) 3重量部 (v)可塑剤(出光興産(株)製、ダイアナプロセスオ
イルNM−68))100重量部 (vi)酸化亜鉛 5重量部 (vii)ステアリン酸 1重量部ゴム組成物R3 (i)ゴム 100重量部[シリコーンゴム(東レ・ダ
ウコーニング(株)製「SH851」)100重量部に
対して、ジクミルパーオキサイド(日本油脂(株)製
「パークミルD」)5重量部を添加して室温下に10分
間ロールで混錬して得られたシリコーンゴム組成物] (ii)フィラー 0重量部 (iii)ラジカル発生剤[有機過酸化物(ジクミルパ
ーオキサイド)] 3重量部 (iv)加硫活性剤(トリメチロールプロパントリメタ
アクリレート) 3重量部 (v)可塑剤 0重量部 (vi)酸化亜鉛 0重量部 (vii)ステアリン酸 0重量部ゴム組成物R4 (i)フッ素ゴム(FPM) (Dai El「G92
0」、ダイキン工業(株)製)100重量部 (ii)フィラー 0重量部 (iii)ラジカル発生剤(ジクミルパーオキサイド)
3重量部 (iv)加硫活性剤(トリアリルイソシアヌレート)
3重量部 (v)可塑剤 0重量部 (vi)酸化亜鉛 0重量部 (vii)ステアリン酸 0重量部 実施例及び比較例 前記樹脂組成物を射出成形し、得られた樹脂部材(平板
状、サイズ100mm×100mm×4mm)を成形型
内に配置し、成形樹脂部材の表面に対して前記未加硫ゴ
ム組成物を射出成形し、温度180℃、圧力20MPa
で20分間加硫又は架橋することにより、複合体を製造
した。得られた複合体について、剥離試験により樹脂部
材とゴム部材との接着強度を測定し、下記基準に従って
評価した。
【0183】 A:極めて強固に接着しており、凝集破壊する B:界面剥離するものの強固に接着している C:樹脂部材とゴム部材とが界面で粘着している D:樹脂部材とゴム部材が界面において容易に剥離す
る。
【0184】結果を表1〜4に示す。
【0185】
【表1】
【0186】
【表2】
【0187】
【表3】
【0188】
【表4】
【0189】表1〜表4から明らかなように、比較例で
は、樹脂部材とゴム部材との界面で容易に剥離するのに
対して、実施例では、樹脂部材とゴム部材とが界面で接
着又は粘着した。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AH02A AH03A AH04A AK01B AK03A AK03B AK11B AK12B AK14B AK17A AK25A AK25B AK28A AK33B AK36B AK42B AK43B AK44B AK45B AK46B AK49B AK51A AK51B AK52A AK53B AK54B AK55B AK57B AK79A AK79B AL05B AL07A AL08A AL09B AN00A BA02 CA03 EH17 EH172 EJ05 EJ05A EJ05B EJ052 EJ06 EJ06A EJ062 GB32 GB51 JB16B JL11 YY00A YY00B 4F211 AD05 AH17 TA03 TN31 4J031 AA12 AA13 AA14 AA17 AA20 AA29 AA44 AA46 AA47 AA49 AA50 AA52 AA55 AA57 AA58 AA59 AB01 AC01 AE12 AE13 AE14 AF18 AF19

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫剤により未加硫ゴムが加硫又は架橋
    した加硫ゴムで構成されたゴム部材と、架橋した架橋性
    樹脂で構成された樹脂部材とが直接接合している複合
    体。 但し、未加硫ゴムと架橋性樹脂との組合せは、(1)カ
    ルボキシル基又は酸無水物基含有未加硫ゴム又はシラン
    化合物含有未加硫ゴムと、主鎖に脂肪族二重結合を有す
    る熱可塑性ポリエステル系樹脂又はエポキシ基含有樹脂
    との組合せ、(2)未加硫ゴムと、二官能性又は多官能
    性マレイミド化合物を含有し、かつ主鎖に脂肪族二重結
    合を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂との組合せ、
    (3)二重結合を含有する未加硫ゴムと、ポリフェニレ
    ンエーテル系樹脂及びポリアルケニレンで構成されたポ
    リマーブレンドとの組合せを含まない。
  2. 【請求項2】 架橋性樹脂が、不飽和結合を有する熱可
    塑性樹脂および架橋性官能基を有する熱硬化性樹脂から
    選択された少なくとも1種である請求項1記載の複合
    体。
  3. 【請求項3】 不飽和結合を有する熱可塑性樹脂が、下
    記(1)〜(3)のいずれかである請求項2記載の複合
    体。 (1)反応性基(A)及び不飽和結合を有する重合性化
    合物と、前記反応性基(A)に対して反応性の反応性基
    (B)を有する熱可塑性樹脂との反応により生成した樹
    脂 (2)共重合又は共縮合により不飽和結合を導入した熱
    可塑性樹脂 (3)不飽和結合を有する樹脂と樹脂とで形成されたポ
    リマーブレンド
  4. 【請求項4】 不飽和結合の濃度が、樹脂1kgに対し
    て0.001〜6.6モルである請求項2又は3記載の
    複合体。
  5. 【請求項5】 不飽和結合を有する熱可塑性樹脂が、ポ
    リアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ(チオ)エ
    ーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系
    樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
    オレフィン系樹脂、ハロゲン含有ビニル系樹脂、スチレ
    ン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、熱可塑性エラスト
    マーから選択された少なくとも1種であり、架橋性官能
    基を有する熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、アミノ系
    樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、熱硬
    化性ポリウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリ
    エステル系樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレ
    ート樹脂、熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂から選択さ
    れた少なくとも1種である請求項2記載の複合体。
  6. 【請求項6】 ゴムが、ジエン系ゴム、オレフィン系ゴ
    ム、アクリル系ゴム、フッ素ゴム、シリコーン系ゴム、
    ウレタン系ゴムから選択された少なくとも一種である請
    求項1記載の複合体。
  7. 【請求項7】 加硫剤が、有機過酸化物、アゾ化合物、
    硫黄含有有機化合物、及び硫黄から選択された少なくと
    も一種である請求項1記載の複合体。
  8. 【請求項8】 加硫剤が有機過酸化物である請求項1記
    載の複合体。
  9. 【請求項9】 加硫剤の割合が、未加硫ゴム100重量
    部に対して1〜10重量部である請求項1記載の複合
    体。
  10. 【請求項10】 未加硫ゴム及び架橋性樹脂のうち少な
    くとも一方の成分が、加硫活性剤を含有する請求項1記
    載の複合体。
  11. 【請求項11】 加硫活性剤が、一分子中に少なくとも
    2つの重合性不飽和結合を有する有機化合物である請求
    項10記載の複合体。
  12. 【請求項12】 加硫活性剤の割合が、未加硫ゴム及び
    架橋性樹脂のうち一方の成分100重量部に対して0.
    1〜10重量部である請求項11記載の複合体。
  13. 【請求項13】 下記の組合せで構成されている請求項
    1記載の複合体。 (a)不飽和結合含有ポリアミド系樹脂と、未加硫ゴム
    との組合せ (b)不飽和結合含有ポリエステル系樹脂と、未加硫の
    未変性ゴムとの組合せ (c)非マレイミド系加硫活性剤を含有していてもよい
    不飽和結合含有ポリエステル系樹脂と、未加硫ゴムとの
    組合せ (d)不飽和結合含有ポリエステル系樹脂と、非シラン
    系化合物を含有していてもよい未加硫ゴムとの組合せ (e)加硫活性剤を含有していてもよい不飽和結合含有
    ポリフェニレンエーテル系樹脂と、未加硫ゴムとの組合
    せ (f)架橋性官能基を有する熱硬化性樹脂と、未加硫の
    未変性ゴムとの組合せ
  14. 【請求項14】 架橋性樹脂と、加硫剤を含む未加硫ゴ
    ムとを接触させて成形し、請求項1記載の複合体を製造
    する方法。
  15. 【請求項15】 架橋性樹脂で構成された成形樹脂材
    と、この成形樹脂材との接触面において加硫剤が活性で
    あって、少なくとも未加硫のゴムを含むゴム組成物又は
    その予備成形体とを接触させ、未加硫ゴムを加硫して樹
    脂部材とゴム部材との複合体を製造する方法であって、
    前記成形樹脂材として、(a)未架橋の架橋性樹脂で構
    成された樹脂組成物、又は(b)少なくとも未架橋の架
    橋性樹脂を含有する予備成形体を用いる請求項14記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 未加硫ゴム及び架橋性樹脂から選択さ
    れた少なくとも一方の成分が、加硫活性剤を含む請求項
    14記載の方法。
  17. 【請求項17】 成形樹脂材と成形ゴム材との接触面
    に、加硫活性剤を介在させて加熱成形し、樹脂部材とゴ
    ム部材とが接合した複合体を製造する請求項15記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 成形樹脂材と成形ゴム材との接触面
    に、加硫活性剤と加硫助剤とを介在させて加熱成形し、
    樹脂部材とゴム部材とが接合した複合体を製造する請求
    項15記載の方法。
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