JP7304028B2 - 抗原認識用レセプター、抗原測定キット及び抗原検出方法 - Google Patents
抗原認識用レセプター、抗原測定キット及び抗原検出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7304028B2 JP7304028B2 JP2018209788A JP2018209788A JP7304028B2 JP 7304028 B2 JP7304028 B2 JP 7304028B2 JP 2018209788 A JP2018209788 A JP 2018209788A JP 2018209788 A JP2018209788 A JP 2018209788A JP 7304028 B2 JP7304028 B2 JP 7304028B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antigen
- peptide
- antibody
- molecular
- low
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
また、基板との化学的結合を利用して固定した例として、タンパク質に遺伝子組み換えによりカルボキシル基を含有するアミノ酸を導入し、かつ基板表面にはポリリジンなどで処理して結合させ、タンパク質を配向固定する方法が報告されている(特許文献2参照)。
本発明の抗原認識用レセプターは、少なくとも低分子抗体及びペプチドAを含有していればよく、その他の具体的な構造、材料、形態などの構成は特に限定されるものではない。
本発明における「低分子抗体」とは、完全長抗体(whole antibody)の一部分が欠損している抗体断片であって、少なくとも重鎖又は軽鎖の可変領域を含んでおり、抗原などの標的分子への結合能を有していればよい。従って、本発明で対象となる低分子抗体としては、安価で大規模生産が可能であり、基板に密に固定できる観点から、通常、大腸菌や酵母での生産が可能であるVHH抗体(VHH、variable domain of heavy chain of heavy chain antibody)、1本鎖抗体(scFv、single chain Fv)、多価性1本鎖抗体(sc(Fv)n)、定常部融合1本鎖抗体(scFv-Fc)、Fab断片、F(ab’)2断片、免疫グロブリン新抗原受容体(IgNAR、immunoglobulin new antigen receptor)及びこれらを連結させた抗体断片などが挙げられ、好ましくは、VHH抗体、scFv抗体、IgNAR抗体及びこれらを連結させた抗体断片である。
本発明における「ペプチドA」とは、基板上に固定化した際の低分子抗体の配向性を保ち、検出感度向上及び安定した再現性を実現するための低分子抗体を支持するペプチドである。
αへリックス構造を有するペプチドとしては、好ましくはαスタンド構造又はジンクフィンガー構造を有するペプチドであり、特に好ましいのはαスタンド構造を有するペプチドである。
ここで、αスタンド構造の一例を具体的に示す。以下は、ミオグロビンA鎖(A1~A16)中の疎水性アミノ酸をグルタミン(Gln)に置換した配列(配列表の配列番号1)である。
配列(N→C):SEGEWQQQQHQWAHQE
本発明のペプチドAとして用いる場合、ジンクフィンガー構造のαへリックス部位のみで用いることが好ましい。
配列表の配列番号2
配列(N→C):LAKHMASCRLRK
また、本発明のペプチドAは、基板上に固定化した際の低分子抗体の配向性を保ち、低分子抗体を支持するものであれば、1つ又は複数個導入することができる。複数の箇所に本アミノ酸配列を導入することにより、本ペプチドの立体構造をより正常な状態に維持することが可能となる場合がある。例えば、scFvの重鎖及び軽鎖のC末端側にそれぞれペプチドAを導入すれば、より固相表面に結合しやすくなるので、抗原結合部位が外側を向き、効率よく標的分子を捕捉することができると考えられる。
さらに、例えば配列表の配列番号1及び配列番号2を組み合わせて導入することもできる。
本発明における「ペプチドタグ」とは、基板表面の材料と結合する機能を有するペプチドであればよく、その他の具体的なアミノ酸配列や長さなどについては特に限定されない。さらに本発明のペプチドタグは、抗原認識レセプターを容易に精製できる、アフィニティタグとしての機能も有するペプチドがより好ましい。なお、本発明において結合とは、ペプチドタグと基板とが、本発明の意図する用途に利用できる程度の強度で相互作用する意味であり、基板と親和性を有し吸着する場合を含むものである。
抗原認識用レセプターが、ペプチドタグとしてアフィニティタグを有する場合、アフィニティタグと親和性の高い基板を用いることが好ましい。例えばHisタグの場合、ニッケル、コバルト、亜鉛、銅等を表面に有する基板などが挙げられる。
また、基板は様々な部材に応用することが可能であり、シャーレ状、バッグ状、チューブ状、マイクロチューブ状、ボトル状、フィルター状、多孔質体、カラム状としてもよい。
また、抗原認識を電気的・光学的に行うことを想定した場合、電極やセンサ上に、本発明の抗原認識部位を固定化した基板を配置してもよい。あるいは、電極やセンサ自体を基板として抗原認識部位を固定化してもよい。
図1に示すように、本発明の抗原認識用レセプター10は、αスタンド構造などの領域を含むペプチドA14が低分子抗体12を支持しているため、基板20に倒れ込むことなく立ちあがっている。これによって低分子抗体12の配向性が揃い、また基板20に密に固定できるため、効率よく抗原などの標的分子を捕捉することができる。さらに、低分子抗体12の基板20からの高さがほぼ一定となり機能部位の提示性がより高まるため、検出感度や検出精度をより向上させることができる。また、低分子抗体12とは離間した別の部位であるペプチドタグ16と基板20とが固定化しているため、低分子抗体12における活性への影響も最小限に抑えることができ、検出精度を向上させることができる。
以下に、本発明の抗原認識用レセプター10の作製方法について説明する。
また、低分子抗体12を含有する部位である低分子抗体12含有部位、ペプチドA14を含有するペプチドA14含有部位及びペプチドタグ16を含有するペプチドタグ16含有部位は、順次常法に従って基板20に設けることができる。低分子抗体12、ペプチドA14及びペプチドタグ16の結合は、それぞれ直接結合されていなくてもよく、例えばリンカー、スペーサ及び他のアミノ酸配列などを介して結合されていてもよい。低分子抗体12含有部位、ペプチドA14含有部位及びプチドタグ16含有部位の順に結合して基板20に固定されていれば、上述したように低分子抗体12含有部位が基板20に倒れ込むことなく立ちあがり、低分子抗体12の配向性が揃うため、好ましい。
まず、低分子抗体12の発現ベクターを作製する。低分子抗体12の発現ベクターの作製方法としては、例えばインバースPCR法や遺伝子組み換え手法などを用いることができる。
次に、発現ベクタープラスミドDNA回収用の大腸菌の形質転換を行う。pETシステムが使用可能な大腸菌の菌株は特に限定されるものではなく、例えばDH5、DH5α、BL21、BL21(DE3)などが使用できる。また、宿主の大腸菌は市販のコンピテントセルを用いてもよいし、自前で調製してもよい。市販のコンピテントセルを用いる場合、特に限定されるものではないが、例えばCompetent Cell DH5α(DS220、(株)バイオダイナミクス研究所)や、Competent Cell BL21(DE3)(DS250、(株)バイオダイナミクス研究所)などを好適に用いることができる。大腸菌にプラスミドDNAを導入する手法はキット記載の手順に従えばよい。形質転換できた大腸菌はコロニーとなって培地上に現れる。使用するベクター種によっては、LB寒天培地中に例えばアンピシリンなどの種々の抗生物質を添加するのが好ましい。
次に、コロニーPCRで形質転換体の確認を行う。培地上にコロニーとなって出現した大腸菌を分取して、菌体内のプラスミドをPCR遺伝子増幅装置にて増幅する。コロニーPCR法には市販の増幅効率、伸長性に優れたPCR用酵素が使用できる。例えば、KOD Dash(LDP-101、東洋紡(株))などを好適に使用できる。増幅したDNAはPCR済の試料をアガロースゲル電気泳動法などにて、DNA断片の分子量から遺伝子増幅処理の良否を確認する。さらに、目的のプラスミドDNAを保有している形質転換体候補のコロニーを増殖させた後、プラスミドをコロニーより抽出する。抽出には市販のプラスミド抽出・精製キットが使用できる。例えば、Plasmid mini kit(12125、Qiagen)などが処理できるプラスミド量によって選択使用できるため好適に用いることができる。回収したプラスミドはそのDNA配列を解析して目的のプラスミドを有する形質転換体か否かを確認する。
次に、タンパク発現用大腸菌の形質転換を行う。上述した、プラスミド回収用の大腸菌の形質転換方法と同様の方法を用いて、タンパク発現用大腸菌の形質転換を行うことができる。
次に、形質転換体のタンパク質発現を行う。例えば、抗生物質入りの培地にタンパク発現用に形質転換した大腸菌コロニーを加え培養する。さらにタンパク誘導剤を添加して培養することにより、形質転換体のタンパク質発現を行う。
次に、発現タンパク質の精製を行う。上記の培養液を遠心処理にて集菌し、上澄液を取り除き、沈殿物を得る。この沈殿物に各種界面活性剤を用いた細胞溶解処理を行う。細胞溶解処理としては、界面活性剤を含む市販の細胞溶解液を用いることができ、例えばB-PER Bacterial Protein Extraction Reagent(78248、Thermo Scientific)やB-PER II Bacterial Protein Extraction Reagent(78260、Thermo Scientific)などを好適に用いることができる。細胞溶解処理後、遠心処理にて上澄液を回収する。これにより、可溶性、不溶性(封入体、ペレットとして回収)、両方の組換え体タンパク質を回収することができる。
本発明の抗原認識用レセプター10は、例えばイムノアッセイにおける抗原の検出や測定に好適に用いることができる。具体的には、抗原と、本発明の抗原認識用レセプター10とを接触させ、酵素、蛍光色素、発光色素、放射性物質、磁性物質、導電性物質、量子ドットなどの標識物質を有する標識マーカーを検出系に組込むことにより、酵素活性や各種標識物質から得られる信号の強弱で目的物である抗原を検出することができる。
または、抗原自体にアフィニティ部位を付与し、当該アフィニティ部位に親和性のある物質をマーカー部として用いてもよい。アフィニティ部位としては、金属、金属原子、硫黄原子、樹脂、各種官能基等、用途に応じて適切なものを選択すればよい。
本発明の抗原測定キットは、本発明の抗原認識用レセプター10を構成に含むものであれば、それ以外の構成は特に限定されない。本発明の抗原測定キットは、通常用いられる材料及び方法で製造することができる。本発明の抗原測定キットは、例えばサンプルチューブ、プレート、キット使用者に対する指示書、溶液、バッファー、試薬、標準化のために好適なサンプル又は対照サンプルなどを含んでもよい。より具体的には、例えばイムノアッセイ用試薬、アフィニティ精製用担体、抗原捕捉用フィルターやマスク、細胞イメージング用試薬などを含んでもよい。
後述する手順に従い、以下の実施例1に示す構造を備えた抗原認識用レセプターを調製した。
実施例1は心筋由来のトロポニンT(Troponin T)を抗原として認識するVHH抗体に、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチドA(実施例1の配列を示す式においてはPepAと記載する)とペプチドタグとしてのヒスチジン残基を有するHisタグを連結させたものである。
実施例1:VHH-PepA-His
配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチドAは、ミオグロビンA鎖(A1~A16)中の疎水性アミノ酸をグルタミン(Gln)に置換し、作製した。
配列表の配列番号1
配列(N→C):SEGEWQQQQHQWAHQE
トロポニンTを抗原として認識するVHHの遺伝子情報をコードするDNAとその3’末端側に6個の連続するヒスチジン残基を形成するタンパク質タグであるHisタグの遺伝子情報をコードするDNAを連続して配置したDNA配列を有するプラスミドDNAについて、このプラスミドDNAの2本鎖と各々相補的な配列を有する短いDNA鎖(以後、プライマーと呼ぶ)を2種類作製した(フォワードプライマーとリバースプライマー)。この2種類のプライマーの5’末端側には、あらかじめαスタンド構造を有するペプチドAの遺伝子情報を任意の位置で2分割したDNA断片を付加しておいた。
次に、氷中に置いたサンプルチューブ内の大腸菌DH5α株のコンピテントセル(DS220、(株)バイオダイナミクス研究所)に作製した発現ベクターのプラスミドDNA試料を入れ、混和した。氷中で30分間置いた後に、42℃の水浴上で30秒間熱による刺激をかけ、再び2分間氷中に置いた。処理したコンピテントセルに、事前に37℃に保温しておいたSOC培地を添加して、37℃で1時間培養した。1時間培養後の液を、LB寒天平板培地上に滴下し、コンラージ棒で塗り広げて、37℃で17時間静置培養した。
次に、培地上にコロニーとなって出現した大腸菌をマイクロチューブに分取して、菌体内のプラスミドをPCR遺伝子増幅装置にて増幅した。PCR用酵素としては、KOD Dash(LDP-101、東洋紡(株))を用いた。形質転換体のプラスミドDNAと、pETシステムで使用するプラスミドと相補的なT7 Promoter Primer(69348、Novagen)、T7 Terminator Primer(69337、Novagen)と、dATP、dCTP、dGTP、dTTPを混合したdNTP(デオキシリボヌクレオチド5’-3リン酸)と、DNAポリメラーゼと、DNAポリメラーゼが活性を示すために必要な酵素試薬に添付される専用緩衝液を混ぜて、PCR遺伝子増幅装置にて、鋳型のプラスミドDNAを増幅した。増幅したDNAはPCR処理後の試料をアガロースゲル電気泳動法にて、DNA断片の分子量から遺伝子増幅処理の良否を確認した。さらに、目的のプラスミドDNAを保有している形質転換体候補のコロニーをアンピシリン入りの液体LB培地で37℃、一昼夜培養して、形質転換体を増殖させた後、アルカリ-SDS法を用いてプラスミドDNAを菌体より抽出した。抽出には、Plasmid mini kit(12125、Qiagen)を用いた。回収したプラスミドのDNA配列を解析して目的のプラスミドを有する形質転換体であることを確認した。
次に、氷中に置いたサンプルチューブ内の大腸菌BL21(DE3)株のコンピテントセル(DS220250、(株)バイオダイナミクス研究所)に、作製し遺伝子配列を確認した発現ベクターのプラスミドDNA試料を入れ、混和した。氷中で30分間置いた後に、42℃の水浴上で30秒間熱による刺激をかけ、再び2分間氷中に置いた。処理したコンピテントセルに事前に37℃に保温しておいたSOC培地を添加して、37℃で1時間培養した。1時間培養後の液を、LB寒天平板培地上に滴下し、コンラージ棒で塗り広げて、37℃で17時間静置培養した。
抗生物質、例えばアンピシリン入りの液体のLB培地1mLを入れた15mL容カルチャーチューブに、タンパク発現用に形質転換した大腸菌のコロニーを入れ、37℃で17時間振とう培養した(前培養)。
前培養後、抗生物質、例えばアンピシリン入りの液体のLB培地4mLを入れた50mL容カルチャーチューブに前培養液を本培養用の培地液の約1/13量の前培養液を加え、29℃で約3時間振とう培養した。その後、タンパク誘導剤のイソプロピル-β-D-ガラクトピラノシド(IPTG)を添加して、さらに29℃で17時間振とう培養した(本培養)。
本培養液を遠心処理にて集菌し、上澄液を取り除いた。この時の上澄液も細胞外分画成分含有液として集めておいた。沈殿物にpH7.4のリン酸緩衝生理食塩水を加えて、再度、遠心処理にて沈殿物を回収し、上澄液を取り除いた。これを数回繰り返した。得られた沈殿物に界面活性剤を主成分とする細胞溶解液を添加して細胞溶解処理を行った。細胞溶解処理には市販の細胞溶解液が使用でき、B-PER溶液である、B-PER Bacterial Protein Extraction Reagent(78248、Thermo Scientific)を用いた。上記の沈殿物1gあたり2~4mLのB-PER溶液を加えて、容器を約3時間回転攪拌しながら細胞溶解処理した。遠心処理にて上澄液を回収した。この抽出処理により、可溶性,不溶性(封入体,ペレットとして回収),両方の組換え体タンパク質を回収した。
細胞溶解処理にて回収した上澄液にNi-NTAスラリー溶液を添加し、回転シェーカーにて回転攪拌した後、1000rpmで1分間遠心処理した。上澄液を取り除き、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水を加え、穏やかに反転攪拌した後、1000rpmで1分間遠心処理し、上澄液を取り除いて沈殿物を得た。これを3回繰り返した。次に、得られた沈殿物に20mMのイミダゾール溶液を添加し、穏やかに反転攪拌した後軽く遠心処理し、上澄液を取り除いた。これを3回繰り返した。さらに、沈殿物に250mMのイミダゾール溶液を添加し、回転シェーカーにて回転攪拌した後、1000rpmで1分間遠心処理した。上澄液を取り除き、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水を加え、穏やかに反転攪拌した後、1000rpmで1分間遠心処理し、上澄液を回収した。これを5回繰り返し、その都度、回収した上澄液を集めた。この上澄液をゲルろ過カラム(PD-10 Desalting Columns、GE Healthcare)にアプライして、カラムからの溶出液を回収した。
発現タンパク質の確認は、カラム溶出液中に含まれるタンパク分子をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法にてタンパク質の分子量から確認した。
次に、実施例1の抗原認識用レセプターを、ニッケルを含有したプラスチック製の基板であるニッケルコーティングの96穴マイクロプレート(例えば、イモビライザー(ニッケルキレート)Nuncイムノプレート(436024、サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)))と接触させることによって、Hisタグを介して基板上に固定した。固定化された抗原認識用レセプターがその活性を維持しているかどうかについて検討した。
具体的には、後述する手順に従い、実施例1に示す構造を備えた抗原認識用レセプターの活性を評価した。
カルボキシル基が表面修飾されたCdSe/ZnS量子ドットである、Qdot 605 ITK Carboxyl Quantum Dots(Q21301MP、Life Technologies)に予めアミノ基を導入し、抗体を構成するジスルフィド結合を部分的に還元した抗トロポニンT抗体のチオール基とカップリングして、量子ドット(QD)標識抗トロポニンT抗体を作製した。
96穴マイクロプレートに20μg/mLの精製したトロポニンTに対する低分子抗体を100μL/ウェルずつ滴下し、ウェルをプレートシール後に、室温で一晩静置した。その後、低分子抗体を固定化したウェルの溶液を除去し、ブロッキング溶液(pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水で2%(W/V)に希釈したスキムミルク溶液)を300μL/ウェルで滴下して、ウェルをプレートシール後に、4℃で1時間、続いて室温で1時間静置した。
以上より、本発明の抗原認識用レセプターを使用することによって、効率よく抗原を補足することができることが示された。
12 低分子抗体
14 ペプチドA
16 ペプチドタグ
20 基板
Claims (9)
- 低分子抗体及び親水性のペプチドAを含有し、疎水性の基板に固定化して用いられるための抗原認識用レセプターであって、
前記ペプチドAが、αへリックス構造を有し、
前記ペプチドAが、前記低分子抗体のC末端側に位置する、
抗原認識用レセプター。 - 前記ペプチドAが、αスタンド構造、及びジンクフィンガー構造の少なくとも1種の立体構造を有する、請求項1に記載の抗原認識用レセプター。
- 前記ペプチドAが、αスタンド構造を有し、ミオグロビンA鎖(A1~A16)中の疎水性アミノ酸を親水性アミノ酸に置換したアミノ酸配列を有する、請求項1又は2に記載の抗原認識用レセプター。
- 前記ペプチドAが、配列番号1、及び配列番号2の少なくも1種のアミノ酸配列を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の抗原認識用レセプター。
- 前記低分子抗体が、scFv抗体、ラクダ科動物由来VHH抗体又はサメ由来IgNAR抗体である、請求項1~4のいずれか1項に記載の抗原認識用レセプター。
- さらに、ペプチドタグを含有するものである、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗原認識用レセプター。
- 低分子抗体含有部位、ペプチドA含有部位及びペプチドタグ含有部位の順に結合している、請求項6に記載の抗原認識用レセプター。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の抗原認識用レセプターを有する抗原測定キット。
- 抗原と、請求項1~7のいずれか1項に記載の抗原認識用レセプターとを接触させることを特徴とする抗原検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018209788A JP7304028B2 (ja) | 2018-11-07 | 2018-11-07 | 抗原認識用レセプター、抗原測定キット及び抗原検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018209788A JP7304028B2 (ja) | 2018-11-07 | 2018-11-07 | 抗原認識用レセプター、抗原測定キット及び抗原検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020076634A JP2020076634A (ja) | 2020-05-21 |
JP7304028B2 true JP7304028B2 (ja) | 2023-07-06 |
Family
ID=70723877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018209788A Active JP7304028B2 (ja) | 2018-11-07 | 2018-11-07 | 抗原認識用レセプター、抗原測定キット及び抗原検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7304028B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002350445A (ja) | 2001-03-23 | 2002-12-04 | Fuji Photo Film Co Ltd | 抗原検査薬及びそれを用いた抗原検査キット、抗原検査装置、抗原検査方法 |
JP2006521387A (ja) | 2003-03-04 | 2006-09-21 | アレクシオン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド | 寛容誘導抗原提示細胞による抗原提示の誘導によって自己免疫疾患を治療する方法 |
JP2008167756A (ja) | 2004-03-31 | 2008-07-24 | Canon Inc | 金結合性タンパク質 |
JP2017508444A (ja) | 2014-01-14 | 2017-03-30 | オーラ プロテイン テクノロジーズ リミテッドOrla Protein Technologies Limited | タンパク質コートされたポリマー性基材 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11341980A (ja) * | 1998-06-02 | 1999-12-14 | Toyobo Co Ltd | 改変された抗体Fab断片 |
-
2018
- 2018-11-07 JP JP2018209788A patent/JP7304028B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002350445A (ja) | 2001-03-23 | 2002-12-04 | Fuji Photo Film Co Ltd | 抗原検査薬及びそれを用いた抗原検査キット、抗原検査装置、抗原検査方法 |
JP2006521387A (ja) | 2003-03-04 | 2006-09-21 | アレクシオン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド | 寛容誘導抗原提示細胞による抗原提示の誘導によって自己免疫疾患を治療する方法 |
JP2008167756A (ja) | 2004-03-31 | 2008-07-24 | Canon Inc | 金結合性タンパク質 |
JP2017508444A (ja) | 2014-01-14 | 2017-03-30 | オーラ プロテイン テクノロジーズ リミテッドOrla Protein Technologies Limited | タンパク質コートされたポリマー性基材 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
GARCIA-SUAREZ, M. et al.,Oriented Immobilization of Anti-Pneumolysin Tagged Recombinant Antibody Fragments,Curr Microbiol,2009年03月28日,Vol.59,pp.81-87 |
LO, Y. et al.,Oriented Immobilization of Antibody Fragments on Ni-Decorated Single-Walled Carbon Nanotube Devices,ACS Nano,2009年10月01日,Vol.3, No.11,pp.3649-3655 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020076634A (ja) | 2020-05-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101704879B (zh) | 具有改进的特异性的新型免疫球蛋白结合蛋白 | |
US7622263B2 (en) | Kit for immobilizing organic substance, organic substance-immobilized structure, and manufacturing methods therefor | |
JP5582483B2 (ja) | 一本鎖抗体、固相、遺伝子、ベクター及び宿主 | |
KR101104417B1 (ko) | 단백질 g 변형체를 이용한 항체의 특이적 공유결합 커플링방법 | |
CA2472030A1 (en) | Use of collections of binding sites for sample profiling and other applications | |
JP2009542203A (ja) | システインタグ付きブドウ球菌タンパク質g変異体 | |
JP4429105B2 (ja) | 有機物固定化構造体及びその製造方法、ペプチド及びdna | |
Thatikonda et al. | Genetic fusion of single‐chain variable fragments to partial spider silk improves target detection in micro‐and nanoarrays | |
KR101766271B1 (ko) | 면역화학적 분석에서 표적 특이적 신호증폭을 담당하는 범용성 재조합 2차 항체 유사체 | |
JP7304028B2 (ja) | 抗原認識用レセプター、抗原測定キット及び抗原検出方法 | |
CN106478824B (zh) | 一种精准Fc位点共价偶联标记的生物素化抗体 | |
KR100877187B1 (ko) | 질병마커 인지 에피토프와 연결된 단백질 나노입자를포함하는 진단용 단백질 칩과 그의 초고감도 검출 방법 | |
KR102338690B1 (ko) | 항체결합단백질 및 우라실 dna 글리코실레이즈 효소를 포함하는 융합 단백질, 및 상기 융합 단백질의 용도 | |
CN111925425B (zh) | 甲胎蛋白特异性结合多肽及应用 | |
KR20100001090A (ko) | 면역글로불린 G의 Fc 부위에 선택적으로 결합하는 신규펩타이드 및 그의 제조방법 | |
Kumada et al. | Identification and characterization of peptide fragments for the direct and site-specific immobilization of functional proteins onto the surface of silicon nitride | |
JP2007530913A (ja) | 結合の普遍的な検出 | |
KR100718207B1 (ko) | 금속 결합 단백질을 이용한 바이오-금속 칩 및 그 제조방법 | |
KR100979282B1 (ko) | 실리카 결합단백질을 이용한 바이오-실리카 칩 및 그제조방법 | |
KR101300187B1 (ko) | 융합 단백질 및 이를 포함하는 바이오센서 | |
US20050208586A1 (en) | Using complement component C1q derived molecules as tracers for fluorescence polarization assays | |
KR100965480B1 (ko) | 재조합 융합단백질, 및 이를 이용한 바이오센서 및 이를이용한 목적물질의 면역검출법 | |
Kumada et al. | High-throughput, high-level production of PS-tag-fused single-chain Fvs by microplate-based culture | |
O’Kennedy et al. | 7 Applications of | |
JP5183420B2 (ja) | マルトース結合タンパク質を使用した生理活性ポリペプチドの固定化方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211102 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220922 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221004 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221202 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230404 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230407 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230606 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230616 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7304028 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |