JP7303100B2 - 予混合装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気に燃料ガスを混合し、混合気をバーナに供給する予混合装置に関する。
従来、この種の予混合装置として、特許文献1により、バーナに連なるファンを介設した給気路と、燃料ガスを供給する流量調節弁を介設したガス供給路とを備え、給気路に設けられたガス吸引部にガス供給路の下流端が接続されて、給気路に流れる空気にガス吸引部から吸引された燃料ガスが混合されるようにし、更に、給気路の空気が流れる所定部分に、当該所定部分の通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段を設けると共に、流量調節弁よりも下流側のガス供給路の部分の通気抵抗を大小に切換えるガス抵抗切換手段を設けたものが知られている。
ところで、流量調節弁として比例弁を用いる場合は、要求燃焼量に応じた量の燃料ガスが供給されるように比例弁が制御され、更に、バーナに供給される混合気の空燃比が一定になるように、要求燃焼量に応じてファン回転数が制御される。但し、要求燃焼量が所定値以下になって、ファン回転数が送風量の比例特性を維持できる下限回転数以下になったり、比例弁電流(比例弁への通電電流)がガス供給量の比例特性を維持できる下限電流以下になった場合には、要求燃焼量に応じた量の空気や燃料ガスを供給できなくなる。
また、流量調節弁として、二次ガス圧を大気圧に維持するゼロガバナを用いることもある。この場合、燃料ガスの供給量は、二次ガス圧である大気圧と給気路内の負圧との差圧に応じて変化する。そして、給気路内の負圧がファン回転数に応じて変化するため、燃料ガスの供給量はファン回転数即ち空気の供給量に応じて変化する。従って、要求燃焼量に応じてファン回転数を制御することにより、要求燃焼量に応じた量の空気及び燃料ガスがバーナに供給されることになる。
このものでも、ファン回転数が送風量の比例特性を維持できる下限回転数以下になると、要求燃焼量に応じた量の空気や燃料ガスを供給できなくなる。そのため、要求燃焼量が所定値以下になったときに、空気抵抗切換手段で給気路の通気抵抗を大きくして、ファン回転数を上記下限回転数以下にせずに、所定値以下の要求燃焼量に応じた量の空気を供給できるようにする必要がある。また、給気路の通気抵抗を大きくするだけでは、給気路内の負圧の増加で燃料ガスの供給量が要求燃焼量に応じた量を超えてしまうため、給気路の通気抵抗を大きくするのに合わせて、ガス供給路の通気抵抗も大きくする必要がある。
そこで、上記従来例では、要求燃焼量が所定値以下になったときに、空気抵抗切換手段で給気路の通気抵抗を大きくすると共にガス抵抗切換手段でガス供給路の通気抵抗を大きくした小能力状態として、所定値以下の要求燃焼量に応じた量の空気や燃料ガスを供給できるようにし、要求燃焼量が所定値を上回ったときに、空気抵抗切換手段で給気路の通気抵抗を小さくすると共にガス抵抗切換手段でガス供給路の通気抵抗を小さくした大能力状態に復帰させている。
ここで、特許文献1に記載のものにおいて、空気抵抗切換手段は、給気路の上記所定部分の長手方向に平行な開き位置と当該長手方向に直交する閉じ位置とに回動されるバタフライ弁で構成されている。また、ガス抵抗切換手段は、ガス供給路内に開閉動作自在に設けられた切換弁で構成されている。そして、特許文献1に記載のものでは、バタフライ弁以外に、バタフライ弁を回動させるモータと、切換弁と、バタフライ弁の開き位置と閉じ位置への回動に連動して切換弁を開閉動作させる連動機構とが必要になる。そのため、構造が複雑でコストが高くなる。
特開2015-230113号公報
本発明は、以上の点に鑑み、構造簡単で低コストの予混合装置を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、空気に燃料ガスを混合し、混合気をバーナに供給する予混合装置であって、バーナに連なるファンを介設した給気路と、燃料ガスを供給する流量調節弁を介設したガス供給路とを備え、給気路に設けられたガス吸引部にガス供給路の下流端が接続されて、給気路に流れる空気にガス吸引部から吸引された燃料ガスが混合されるようにし、更に、給気路の空気が流れる所定部分に、当該所定部分の通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段を設けるものにおいて、空気抵抗切換手段は、給気路の前記所定部分の通気抵抗を小さくする小抵抗位置と大きくする大抵抗位置とに回動自在なフラッパで構成され、フラッパが大抵抗位置に存するときは、フラッパの一部がガス吸引部の一部に近接対向して、ガス吸引部からの燃料ガスの吸引抵抗が大きくなるようにし、更に、フラッパに磁性体が取付けられると共に、フラッパを設置した給気路の前記所定部分の外側に電磁石が設けられ、フラッパに対する磁性体の取付位置は、フラッパが大抵抗位置に存する状態で電磁石を通電励磁したときに、磁性体が電磁石からの吸引力又は反発力を受けてフラッパを小抵抗位置に回動させ、フラッパが小抵抗位置に存する状態で電磁石を上記通電励磁とは逆方向に通電励磁したときに、磁性体が電磁石からの反発力又は吸引力を受けてフラッパを大抵抗位置に回動させるように設定されることを特徴とする。
本発明によれば、フラッパが大抵抗位置に存するときは、フラッパ自体によってガス吸引部からの燃料ガスの吸引抵抗を大きくすることができるため、従来例のガス抵抗切換手段たる切換弁及び連動機構が不要となる。従って、構造が簡単になり、フラッパの回動駆動源としてモータに比し安価な磁性体と電磁石を用いることと相俟って、従来例のものに比し大幅なコストダウンを図ることができる。
本発明の実施形態の予混合装置の切断側面図。 実施形態の予混合装置の斜視図。 実施形態の予混合装置に設けられるフラッパの斜視図。
図1を参照して、1は、混合気が噴出して燃焼する燃焼面1aを有する全一次燃焼式バーナ等から成るバーナである。そして、本発明の実施形態の予混合装置Aにより、空気に燃料ガスを混合して、混合気をバーナ1に供給するようにしている。
予混合装置Aは、バーナ1に連なるファン2を介設した給気路3と、燃料ガスを供給するガス供給路4とを備えている。ガス供給路4の上流部には、元弁5と比例弁やゼロガバナから成る流量調節弁6とが介設されている。更に、ガス供給路4の下流端は、給気路3に設けられたガス吸引部31に接続されている。そして、給気路3に流れる空気にガス吸引部31から吸引された燃料ガスが混合されて混合気が生成され、この混合気が給気路3を介してバーナ1に供給されるようにしている。また、給気路3の空気が流れる所定部分3aに、当該所定部分3aの通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段を設けている。尚、本実施形態において、給気路3の所定部分3aは、ファン2の上流側に位置しているが、この所定部分3aをファン2の下流側に位置させてもよい。
より具体的に説明すれば、合成樹脂等の非磁性材料で形成される内外2重の筒体7in,7outを設けて、内側筒体7inの内部空間を給気路3の所定部分3aとしている。また、外側筒体7outの周壁部に、ガス供給路4に接続されるガス流入口41を開設すると共に、外側筒体7outの内周面と内側筒体7inの外周面との間にガス流入口41に連なるガス室42を画成している。そして、内側筒体7inの周壁部に、内側筒体7in内の給気路3とガス室42とを連通するガス吸引部31となる第1と第2の一対の吸引孔31a,31bを形成し、ガス供給路4からの燃料ガスがこれら吸引孔31a,31bを介して給気路3に吸引されるようにしている。尚、本実施形態では、筒体7in,7outを起立姿勢で配置しているが、水平姿勢で配置してもよい。
内側筒体7in内には、更に、空気抵抗切換手段を構成するフラッパ8が設けられている。このフラッパ8は、図3に示す如く、一端の半円状の抵抗板部81と、他端のバランスウェイト部82と、抵抗板部81とバランスウェイト部82とを結ぶ細長形状の連結棒部83と、連結棒部83に直交し、内側筒体7inの周壁部に挿通軸支される軸部84とを有している。そして、フラッパ8は、抵抗板部81が内側筒体7in内の給気路3の所定部分3aの長手方向に沿って、当該所定部分3aの通気抵抗を小さくする小抵抗位置(図1に実線で示す位置)と、抵抗板部81が内側筒体7in内の給気路3の所定部分3aの長手方向に直交して、当該所定部分3aの通気抵抗を大きくする大抵抗位置(図1に仮想線で示す位置)とに軸部84を中心にして回動自在である。
図2を参照して、内側筒体7inの内周面の周方向一箇所には、空気の流れ方向たる上下方向中間部から下方にのびる肉盛り部71が設けられている。そして、フラッパ8が大抵抗位置に回動したとき、肉盛り部71の上端の段差71aに抵抗板部81の端縁が当接するようにしている。更に、肉盛り部71の下部に、径方向内方に突出する小突起72を突設し、フラッパ8が小抵抗位置に回動したとき、小突起72にバランスウェイト部82が当接するようにしている。
また、上記第2吸引孔31bは、上記段差71aに隣接する部分に形成されている。そのため、フラッパ8が大抵抗位置に存するときは、段差71aに当接する抵抗板部81の端縁がガス吸引部31の一部たる第2吸引孔31bに近接対向し、第2吸引孔31bが実質的に閉塞されて、ガス吸引部31からの燃料ガスの吸引抵抗が大きくなる。従って、フラッパ8の大抵抗位置への回動による給気路3内の負圧の増加で、燃料ガスの供給量が増加することを、上記従来例のガス抵抗切換手段たる切換弁を設けずに防止できる。
また、フラッパ8には、永久磁石等から成る磁性体85が取付けられている。更に、フラッパ8を設置した給気路3の所定部分3aの外側、即ち、外側筒体7outの外面には、電磁石9が取付けられている。尚、電磁石9は、ボビン91に巻回したコイル92と、ボビン91の内周に挿設された固定鉄心93とで構成されている。
フラッパ8に対する磁性体85の取付位置は、フラッパ8が大抵抗位置に存する状態で電磁石9を通電励磁したときに、磁性体85が電磁石9からの吸引力を受けてフラッパ8を小抵抗位置に回動させ、フラッパ8が小抵抗位置に存する状態で電磁石9を上記通電励磁とは逆方向に通電励磁したときに、磁性体85が電磁石9からの反発力を受けてフラッパ8を大抵抗位置に回動させるように設定されている。具体的には、小抵抗位置で電磁石9の設置部に対向する抵抗板部81の部分に磁性体85を取付けている。
以上の構成によれば、フラッパ8が大抵抗位置に存するときは、フラッパ8自体によってガス吸引部31からの燃料ガスの吸引抵抗を大きくすることができる。そのため、上述したように従来例のガス抵抗切換手段たる切換弁及び連動機構が不要となり、構造が簡単となる。更に、フラッパ8を小抵抗位置と大抵抗位置とにモータに比し安価な磁性体85及び電磁石9で回動でき、構造が簡単になることと相俟って、従来例のものに比し大幅なコストダウンを図ることができる。
尚、フラッパ8が大抵抗位置に存する状態において、抵抗板部81及び磁性体85の重量によりフラッパ8に作用する図1の反時計回り方向の回転モーメントは、バランスウェイト部82の重量によりフラッパ8に作用する図1の時計回り方向の回転モーメントよりも大きい。従って、フラッパ8を大抵抗位置に切換えた後、電磁石9への通電を停止しても、ファン2の回転数が低い領域では、フラッパ8は大抵抗位置に保持される。然し、ファン2の回転数が所定回転数を上回ると、抵抗板部81に作用する風圧の影響で、抵抗板部81が段差71aから浮き上がって、フラッパ8の姿勢が安定しなくなる。そこで、フラッパ8が大抵抗位置に存する状態でファン2の回転数が所定回転数以上になったときは、電磁石9の通電励磁でフラッパ8を小抵抗位置に切換えるようにしている。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、電磁石9の設置位置を図1よりも下方にずらし、バランスウェイト部82に磁性体を取付けて、フラッパ8が大抵抗位置に存する状態で電磁石9を通電励磁したときに、磁性体が電磁石9からの反発力を受けてフラッパ8を小抵抗位置に回動させ、フラッパ8が小抵抗位置に存する状態で電磁石9を上記通電励磁とは逆方向に通電励磁したときに、磁性体が電磁石9からの吸引力を受けてフラッパ8を大抵抗位置に回動させるようにしてもよい。更に、抵抗板部81とバランスウェイト部82との両者に磁性体を取付け、フラッパ8が大抵抗位置に存する状態で電磁石9に通電励磁したとき、抵抗板部81の磁性体に電磁石9からの吸引力が作用すると共に、バランスウェイト部82の磁性体に電磁石9からの反発力が作用して、フラッパ8が小抵抗位置に回動され、フラッパ8が小抵抗位置に存する状態で電磁石9を上記通電励磁とは逆方向に通電励磁したときに、抵抗板部81の磁性体に電磁石9からの反発力が作用すると共に、バランスウェイト部82の磁性体に電磁石9からの吸引力が作用して、フラッパ8が大抵抗位置に回動されるようにすることも可能である。
また、上記実施形態では、フラッパ8の抵抗板部81とは反対側の端部にバランスウェイト部82を設けているが、反対側の端部にも抵抗板部を設け、フラッパ8が一旦大抵抗位置に回動すれば、電磁石9を通電励磁しない限り、この抵抗板部に作用する風圧の影響で、フラッパ8がファン回転数に拘りなく大抵抗位置に保持されるようにしてもよい。
A…予混合装置、1…バーナ、2…ファン、3…給気路、3a…給気路の所定部分、31…ガス吸引部、4…ガス供給路、6…流量調節弁、8…フラッパ、85…磁性体、9…電磁石。

Claims (1)

  1. 空気に燃料ガスを混合し、混合気をバーナに供給する予混合装置であって、バーナに連なるファンを介設した給気路と、燃料ガスを供給する流量調節弁を介設したガス供給路とを備え、給気路に設けられたガス吸引部にガス供給路の下流端が接続されて、給気路に流れる空気にガス吸引部から吸引された燃料ガスが混合されるようにし、更に、給気路の空気が流れる所定部分に、当該所定部分の通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段を設けるものにおいて、
    空気抵抗切換手段は、給気路の前記所定部分の通気抵抗を小さくする小抵抗位置と大きくする大抵抗位置とに回動自在なフラッパで構成され、フラッパが大抵抗位置に存するときは、フラッパの一部がガス吸引部の一部に近接対向して、ガス吸引部からの燃料ガスの吸引抵抗が大きくなるようにし、
    更に、フラッパに磁性体が取付けられると共に、フラッパを設置した給気路の前記所定部分の外側に電磁石が設けられ、フラッパに対する磁性体の取付位置は、フラッパが大抵抗位置に存する状態で電磁石を通電励磁したときに、磁性体が電磁石からの吸引力又は反発力を受けてフラッパを小抵抗位置に回動させ、フラッパが小抵抗位置に存する状態で電磁石を上記通電励磁とは逆方向に通電励磁したときに、磁性体が電磁石からの反発力又は吸引力を受けてフラッパを大抵抗位置に回動させるように設定されることを特徴とする予混合装置。
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