JP6189795B2 - 予混合装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気に燃料ガスを混合し、混合気をファンを介してバーナに供給する予混合装置に関する。
従来、この種の予混合装置として、特許文献1により、燃料ガスを供給する流量調節弁を介設したガス供給路の下流端がファンの上流側の空気供給路に接続され、空気供給路の通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段と、流量調節弁よりも下流側のガス供給路の部分の通気抵抗を大小に切換えるガス抵抗切換手段とを備えるものが知られている。
ところで、流量調節弁として比例弁を用いる場合は、要求燃焼量に応じた量の燃料ガスが供給されるように比例弁が制御され、更に、バーナに供給される混合気の空燃比が一定になるように、要求燃焼量に応じてファン回転数が制御される。但し、要求燃焼量が所定値以下になって、ファン回転数が送風量の比例特性を維持できる下限回転数以下になったり、比例弁電流(比例弁への通電電流)がガス供給量の比例特性を維持できる下限電流以下になった場合には、要求燃焼量に応じた量の空気や燃料ガスを供給できなくなる。
また、流量調節弁として、二次ガス圧を大気圧に維持するゼロガバナを用いることもある。この場合、燃料ガスの供給量は、二次ガス圧である大気圧と空気供給路内の負圧との差圧に応じて変化する。そして、空気供給路内の負圧がファン回転数に応じて変化するため、燃料ガスの供給量はファン回転数即ち空気の供給量に応じて変化する。従って、要求燃焼量に応じてファン回転数を制御することにより、要求燃焼量に応じた量の空気及び燃料ガスがバーナに供給されることになる。
このものでも、ファン回転数が送風量の比例特性を維持できる下限回転数以下になると、要求燃焼量に応じた量の空気や燃料ガスを供給できなくなる。そのため、要求燃焼量が所定値以下になったときに、空気抵抗切換手段で空気供給路の通気抵抗を大きくして、ファン回転数を上記下限回転数以下にせずに、所定値以下の要求燃焼量に応じた量の空気を供給できるようにする必要がある。また、空気供給路の通気抵抗を大きくするだけでは、空気供給路内の負圧の増加で燃料ガスの供給量が要求燃焼量に応じた量を超えてしまうため、空気供給路の通気抵抗を大きくするのに合わせて、ガス供給路の通気抵抗も大きくする必要がある。
そこで、上記従来例では、要求燃焼量が所定値以下になったときに、空気抵抗切換手段で空気供給路の通気抵抗を大きくすると共にガス抵抗切換手段でガス供給路の通気抵抗を大きくし、所定値以下の要求燃焼量に応じた量の空気や燃料ガスを供給できるようにしている。
ここで、上記従来例では、空気供給路を途中で第1と第2の2つの空気通路に分岐させてから合流させ、合流部に第1空気通路からの空気が流れる開口を形成した弁座を設け、この弁座に着座して開口を閉塞する弁で空気抵抗切換手段を構成し、開口を閉塞することで空気供給路の通気抵抗が大きくなるようにしている。また、ガス供給路の下流端を、第2空気通路に接続される2つの分岐通路に分岐し、一方の分岐通路の空気供給路に対する接続口を開閉する弁でガス抵抗切換手段を構成し、接続口を閉塞することでガス供給路の通気抵抗が大きくなるようにしている。
然し、これでは、空気供給路の通気抵抗を大きくする場合、第2空気通路にのみ空気を流すため、負圧があまり発生せず、燃料ガスの吸引力が弱くなって、安定したガス導入が困難になる。また、第1空気路にも空気が流れるようにして空気供給路の通気抵抗を小さくする場合、第2空気通路だけに燃料ガスが導入されるため、第1空気通路に流れた空気に燃料ガスがうまく混合せず、混合気の空燃比に分布ムラを生じやすくなる。
特表2014−502719号公報
本発明は、以上の点に鑑み、空気供給路の通気抵抗を大きくするときも安定して燃料ガスを導入できると共に、混合気の空燃比の分布ムラの発生も防止できるようにした予混合装置を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、空気に燃料ガスを混合し、混合気をファンを介してバーナに供給する予混合装置であって、燃料ガスを供給する流量調節弁を介設したガス供給路の下流端がファンの上流側の空気供給路に接続され、空気供給路の通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段と、流量調節弁よりも下流側のガス供給路の部分の通気抵抗を大小に切換えるガス抵抗切換手段とを備えるものにおいて、空気抵抗切換手段は、空気供給路内に回動自在に設けられたバタフライ弁で構成され、バタフライ弁の下流側の空気供給路の部分に、バタフライ弁を配置した空気供給路の部分と同心で、且つ、この部分よりも断面積が小さなベンチュリ部と、ベンチュリ部から下流側に向けて断面積が次第に増加する拡径部とが設けられ、ガス抵抗切換手段の下流側のガス供給路の部分に、ベンチュリ部を全周に亘り囲うガス室と、ガス室から拡径部のベンチュリ部寄りの基端部に燃料ガスを吸引するガス吸引部とが設けられ、ガス吸引部は、拡径部の周壁を基端側の一部でベンチュリ部の周壁から切り離して径方向外方に張り出させることにより、周方向に等間隔で複数形成され、拡径部の基端部の全周に亘り燃料ガスが吸引されるようにすると共に、バタフライ弁は、空気供給路の長手方向に沿う開き姿勢と、空気供給路の長手方向に直交する閉じ姿勢との2つの姿勢にのみ切換えられ、更に、バタフライ弁の回転軸線に直交する断面形状はひし形であって、且つ、バタフライ弁を閉じ姿勢に回動したときに、空気供給路の周面とバタフライ弁の外周との間に環状の隙間が形成されるようにし、閉じ姿勢で空気供給路の上流側を向くバタフライ弁の面の傾斜により、空気が前記隙間を介してベンチュリ部の周壁面に沿って流れるように案内されることを特徴とする。
本発明によれば、ベンチュリ部で空気の流速が速くなって負圧が発生するため、バタフライ弁を空気供給路の長手方向と直交する姿勢に回動して、空気供給路の通気抵抗を大きくするときも、ガス吸引部から安定して燃料ガスを吸引できる。また、ベンチュリ部は、バタフライ弁を配置した空気供給路の部分と同心であるため、ベンチュリ部の全周に亘り均等に負圧が発生し、この負圧により、ガス吸引部からベンチュリ部の下流側に隣接する空気供給路の部分の全周に亘り均等に燃料ガスが吸引される。従って、混合気の空燃比の分布ムラを防止できる。
また、本発明において、バタフライ弁の回転軸線に直交する断面形状はひし形であることが望ましい。これによれば、バタフライ弁を空気供給路の長手方向と直交する姿勢にしたとき、バタフライ弁の空気供給路上流側を向く面の傾斜により、空気がベンチュリ部の周壁面に沿って流れるように案内され、ベンチュリ部の周壁面近傍で空気の流速が最も速くなり、ガス吸引部に作用する負圧が大きくなる。従って、空気供給路の通気抵抗を大きくしたときのガス吸引部からの燃料ガスの吸引の安定性が一層向上する。
本発明の実施形態の予混合装置を示す切断側面図。 図1のII−II線で切断した断面図。 図1のIII−III線で切断した断面図。 バタフライ弁を閉じ姿勢にしたときのベンチュリ部での流速分布を示すグラフ。
図1を参照して、1は、混合気が噴出して燃焼する燃焼面1aを有する全一次燃焼式バーナ等から成るバーナである。バーナ1にはファン2が接続されており、本発明の実施形態の予混合装置Aにより、空気に燃料ガスを混合して、混合気をファン2を介してバーナ1に供給するようにしている。
予混合装置Aは、ファン2の上流側の空気供給路3と、燃料ガスを供給するガス供給路4とを備えている。ガス供給路4の上流部には、開閉弁5と比例弁やゼロガバナから成る流量調節弁6とが介設されている。また、予混合装置Aは、空気供給路3の通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段と、流量調節弁6よりも下流側のガス供給路4の部分の通気抵抗を大小に切換えるガス抵抗切換手段とを備えている。
図2も参照して、空気抵抗切換手段は、空気供給路3内に軸71を中心にして回動自在に設けられた、空気供給路3の径よりもある程度小径の円板から成るバタフライ弁7で構成されている。バタフライ弁7の軸71には、ステッピングモータ等のアクチュエータ72が連結されている。そして、要求燃焼量が所定値以下になったときに、アクチュエータ72の作動で、バタフライ弁7を、図1、図2に実線で示す、空気供給路3の長手方向に沿った開き姿勢から、図2に仮想線で示す如く、空気供給路3の長手方向に直交する閉じ姿勢になるように回動させる。閉じ姿勢では、空気供給路3の周面とバタフライ弁7の外周との間の隙間のみを介して空気が流れ、空気供給路3の通気抵抗が大きくなる。
ガス抵抗切換手段は、ガス供給路4内に設けた開閉動作自在な切換弁8で構成される。切換弁8は、ガス供給路4を横断するように設けた弁座81の上方に対向配置される。弁座81には、切換弁8で開閉される弁孔82と、常時開通するバイパス孔83とが形成されている。そして、切換弁8を下動させて弁座81に着座させたとき、弁孔82が閉塞され、燃料ガスがバイパス孔83のみを介して流れる状態になって、ガス供給路4の通気抵抗が大きくなるようにしている。
切換弁8は、バタフライ弁7の回動に伴い連動機構9を介して開閉動作される。この連動機構9は、図1、図3に示す如く、切換弁8に連結された連結子91と、連結子91の上方に対向配置された押圧子92と、バタフライ弁7の軸71の端部に取付けた、押圧子92に当接するカム93と、切換弁8を連結子91を介して上方の開き側に付勢する戻しばね94と、連結子91と押圧子92との間に介設した、戻しばね94よりもばね定数の大きなクッションばね95とで構成されている。押圧子92の下端部には、連結子91に一体の戻しばね94用のばね受け部91aの下面に係合可能な突起92aが形成されている。
バタフライ弁7を閉じ姿勢側に回動すると、押圧子92がカム93に押されて下動し、クッションばね95を介して伝達される押圧力により連結子91が戻しばね94の付勢力に抗して下方に移動し、バタフライ弁7が閉じ姿勢に到達する前に、切換弁8が弁座81に着座して閉弁する。その後、バタフライ弁7が閉じ姿勢に達するまでの間、押圧子92の下動に伴いクッションばね95が圧縮される。バタフライ弁7を閉じ姿勢から開き姿勢側に回動する際は、バタフライ弁7がある程度開き側に回動されて、突起92aがばね受け部91aの下面に係合する位置に押圧子92が上動するまでクッションばね95の付勢力で切換弁8は閉弁状態に維持される。
ここで、バタフライ弁7がある程度開き側に回動するまでは、空気流量は然程増加しない。そのため、バタフライ弁7がある程度開き側に回動する前に切換弁8が開かれて、燃料ガス量が増加すると、バーナ1に供給される混合気がガスリッチになって不完全燃焼を生じやすくなる。本実施形態では、バタフライ弁7がある程度開き側に回動したところで切換弁8が開き始めるため、バーナ1に供給される混合気はガスリッチにならず、不完全燃焼を確実に防止できる。
また、本実施形態の予混合装置Aは、バタフライ弁7の下流側の空気供給路3の部分に、バタフライ弁7を配置した空気供給路3の部分と同心で、且つ、この部分よりも断面積が小さなベンチュリ部31を備えている。更に、ベンチュリ部31から下流側に向けて断面積が次第に増加する拡径部32が設けられている。
また、ガス抵抗切換手段たる切換弁8の下流側のガス供給路4の部分には、ベンチュリ部31を囲うガス室41と、ガス室41からベンチュリ部31の下流側に隣接する空気供給路3の部分、即ち、拡径部32のベンチュリ部31寄りの基端部に燃料ガスを吸引するガス吸引部42とが設けられている。ガス吸引部42は、拡径部32の周壁32aを基端側の一部でベンチュリ部31の周壁31aから切り離して径方向外方に張り出させることにより形成されている。そして、ガス吸引部42を周方向に等間隔で複数形成し、拡径部32の基端部に全周に亘り燃料ガスが吸引されるようにしている。
本実施形態によれば、ベンチュリ部31で空気の流速が速くなって負圧が発生するため、バタフライ弁7を閉じ姿勢に回動して、空気供給路3の通気抵抗を大きくするときも、ガス吸引部42から安定して燃料ガスを吸引できる。また、ベンチュリ部31は、バタフライ弁7を配置した空気供給路3の部分と同心であるため、ベンチュリ部31の全周に亘り均等に負圧が発生し、この負圧により、ガス吸引部42から拡径部32の基端部の全周に亘り均等に燃料ガスが吸引される。従って、混合気の空燃比に分布ムラを生ずることを防止できる。
また、本実施形態では、図2に示す如く、バタフライ弁7を、その回転軸線(軸71の中心線)に直交する断面形状がひし形になるように形成している。これによれば、バタフライ弁7を閉じ姿勢にしたとき、バタフライ弁7の空気供給路上流側を向く面(図2で下方を向く面)の傾斜により、空気がベンチュリ部31の周壁面に沿って流れるように案内される。そのため、図4に示す如く、ベンチュリ部31の周壁面近傍で空気の流速が最も速くなり、ガス吸引部42に作用する負圧が大きくなる。従って、バタフライ弁7を閉じ姿勢にしたとき、即ち、空気供給路3の通気抵抗を大きくしたときのガス吸引部42からの燃料ガスの吸引の安定性が一層向上する。尚、図4は、ベンチュリ部31の図2で左端と右端の間での空気の流速分布を示している。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、ガス吸引部42を周方向に間隔を存して形成しているが、周方向に連続するようにガス吸引部を形成してもよい。また、上記実施形態では、ガス抵抗切換手段を、弁孔82を開閉する切換弁8で構成しているが、弁孔の開度を可変するニードル弁等でガス抵抗切換手段を構成することも可能である。
A…予混合装置、1…バーナ、2…ファン、3…空気供給路、31…ベンチュリ部、4…ガス供給路、41…ガス室、42…ガス吸引部、6…流量調節弁、7…バタフライ弁、8…切換弁(ガス抵抗切換手段)。

Claims (1)

  1. 空気に燃料ガスを混合し、混合気をファンを介してバーナに供給する予混合装置であって、燃料ガスを供給する流量調節弁を介設したガス供給路の下流端がファンの上流側の空気供給路に接続され、空気供給路の通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段と、流量調節弁よりも下流側のガス供給路の部分の通気抵抗を大小に切換えるガス抵抗切換手段とを備えるものにおいて、
    空気抵抗切換手段は、空気供給路内に回動自在に設けられたバタフライ弁で構成され、
    バタフライ弁の下流側の空気供給路の部分に、バタフライ弁を配置した空気供給路の部分と同心で、且つ、この部分よりも断面積が小さなベンチュリ部と、ベンチュリ部から下流側に向けて断面積が次第に増加する拡径部とが設けられ、
    ガス抵抗切換手段の下流側のガス供給路の部分に、ベンチュリ部を全周に亘り囲うガス室と、ガス室から拡径部のベンチュリ部寄りの基端部に燃料ガスを吸引するガス吸引部とが設けられ、ガス吸引部は、拡径部の周壁を基端側の一部でベンチュリ部の周壁から切り離して径方向外方に張り出させることにより、周方向に等間隔で複数形成され、拡径部の基端部の全周に亘り燃料ガスが吸引されるようにすると共に、
    バタフライ弁は、空気供給路の長手方向に沿う開き姿勢と、空気供給路の長手方向に直交する閉じ姿勢との2つの姿勢にのみ切換えられ、
    更に、バタフライ弁の回転軸線に直交する断面形状はひし形であって、且つ、バタフライ弁を閉じ姿勢に回動したときに、空気供給路の周面とバタフライ弁の外周との間に環状の隙間が形成されるようにし、閉じ姿勢で空気供給路の上流側を向くバタフライ弁の面の傾斜により、空気が前記隙間を介してベンチュリ部の周壁面に沿って流れるように案内されることを特徴とする予混合装置。
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