JP6833265B2 - 予混合式ガスバーナ - Google Patents

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Description

本発明は、給湯装置やボイラに用いられる予混合式ガスバーナに関する。
ガスバーナでガスを燃焼させる場合には燃焼用の空気をガスに供給する必要がある。ブンゼンバーナでは、ガスの燃焼に必要な燃焼用空気の一部をガスと混合してガスバーナに供給し、不足する燃焼用空気は燃焼中の炎の周囲の空気を使用する。
これに対して予混合式ガスバーナと呼ばれるものでは、燃焼に必要な空気のほとんどをガスと混合した状態でガスバーナに供給するように構成されている。具体的には、ガスバーナに燃焼用空気を送風する送風ファンを備えており、この送風ファンが燃焼用空気を吸引する際に、その燃焼用空気にガスを混合させ、送風ファンからガスバーナに送風される途中で燃焼用空気とガスとを均一に混合するように構成されている。
この予混合式ガスバーナでは上述のように、ガスとそのガスの燃焼に必要な燃焼用空気を燃焼前に予め混合するので、ガスバーナでの火力が増減してもガスと空気との混合比を正確に一定に保持する必要がある。
そのため、送風ファンの吸気口に発生する負圧によって吸気口の周囲の空気が燃焼用の空気として吸引されるので、ガスの供給管の出口を吸気口に開口させてガスも吸気口に生じる負圧によって吸引されるように構成し、負圧が大きくなれば吸引される燃焼用空気量が増加し、それに伴ってガスの吸引量も増加するように構成されている。
但し、このような構成ではガスバーナでの燃焼量を絞る際には送風ファンの回転数を減少させるが、その際には吸気口に生じる負圧が小さくなり、吸引される空気とガスとの比率を一定に保持しづらくなる。そこで、送風ファンの回転数が高く、吸気口に十分な負圧が発生している状態では、送風ファンの回転数の増減によって変化する負圧によって燃焼用空気とガスとを送風ファンに吸引させ、送風ファンの回転数が所定の回転数まで低下すると、送風ファンの回転数を一定にして、燃焼用空気の取り入れ口とガスの取り入れ口との開度を増減することによってガスバーナでの燃焼量を調節するようにしたのものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このものでは、ガスバーナでの燃焼量が所定の燃焼量以上の領域では、送風ファンの回転数を増減することによって混合器量を増減しており、その際には燃焼用空気の取り入れ口とガスの取り入れ口とは全開状態に保持されている。また、ガスバーナでの燃焼量が所定の燃焼量以下の領域では、送風ファンの回転数を一定に保持し、燃焼用空気の取り入れ口とガスの取り入れ口との開度を増減する必要がある。そのため、燃焼用空気の取り入れ口の開度を増減する弁体と、ガスの取り入れ口の開度を増減する弁体とを設け、両弁体を電動モータによって駆動する構成を採用している。
特表2014−502337号公報(段落[0048]、図5、図6)
上記従来のものでは、ガスバーナでの最大燃焼量と最小燃焼量との比であるTDR(ターンダウン比)を大きくするには有利であるが、そのために電動モータとその電動モータを駆動制御するための制御装置とを別途設けなければならず、構造が複雑になるばかりかコストが高くなるという不具合が生じる。
一方、TDRを大きくするため、送風ファンを低速で運転すると送風ファンの吸気口における負圧が小さくなり、燃焼用空気の取り入れ口やガスの取り入れ口の開度が一定であると、燃焼用空気とガスとの混合比を安定させることが困難になる。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、送風ファンの低回転領域でも別途電動モータなどの複雑な構成の装置を用いることなく、混合比を安定させることのできる予混合式ガスバーナを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明による予混合式ガスバーナは、炎孔を有するバーナの上流側に設けられたバーナ室に、空気とガスとの混合気を供給する予混合式ガスバーナであって、上記バーナ室に連結された送風ファンを備え、この送風ファンの吸気口に燃焼用の空気とガスとを吸引させ、送風ファンからバーナ室へと送られる途中で空気とガスとを混合させて上記混合気とするものにおいて、上記送風ファンの吸気口に向かう空気通路の途中に空気用弁口を設けると共に、この吸気口に向かうガス通路の途中にガス用弁口を設け、かつ、空気用弁口に対する距離を変更することによって空気用弁口の開度を増減する空気用弁体と、ガス用弁口に対する距離を変更することによってガス用弁口の開度を増減するガス用弁体とを設けると共に、背圧側が上記送風ファンの吸気口に連通されており、この吸気口に生じる負圧を受けて移動するダイアフラムを設け、このダイアフラムがこの負圧によって移動することによって両弁口の開度を増加させる方向に移動するように、上記ダイアフラムに連結された弁軸を介して両弁体を上記ダイアフラムに連結させ、更に、ダイアフラムが負圧によって移動する方向に対して反対方向にダイアフラムと共に上記弁軸介して上記両弁体を付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、送風ファンの回転数を低下させて吸気口の負圧が減少した場合に、その負圧によって移動する弁体によって上記空気用弁口とガス用弁口との開度が変化し、負圧が小さくなることによってこれら弁口の開度も減少するので、負圧が小さくなっても燃焼用空気とガスとを一定の割合で安定して混合させることができる。
なお、上記送風ファンの吸気口の負圧が所定の値より大気圧に近づいた状態で、上記付勢手段による付勢力によって上記ガス用弁体が上記ガス用口を閉鎖するように構成すれば、送風ファンが停止した状態でガスの大気への漏出を防止することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明は、電動モータや電動モータの制御装置等の複雑な装置を用いることなく、負圧の減少に伴って空気用弁口とガス用弁口との開度を狭めることにより、送風ファンが低速で回転している状態であっても安定した比率の混合気をガスバーナに供給することができる。
本発明の一実施の形態の構成を示す図 送風ファンと吸気部とを示す図 吸気部の構成を示す図
図1および図2を参照して、1は給湯装置に組み込まれるガスバーナであり、図示しない炎孔が下方に向かって設けられている。従って、このガスバーナ1には上方からガスと空気との混合気が供給され、ガスバーナ1の下面に炎が形成される。
ガスバーナ1の下部には熱交換器11が接続されており、循環する水をこの熱交換器11で加熱して給湯するように構成されている。12はガスバーナ1の上部に取り付けられた1次室であり、この1次室に対してダクト23を介して送風ファン2からガスと空気との混合気が供給される。
送風ファン2はいわゆるタービン式のものであり、内部のタービンがモータ21によって回転すると、送風ファン2の吸気口に連結された吸気部4内に負圧が生じるため、吸気部4内に外部の空気が吸引される。また、この吸気部4にはガスの供給管3が接続されている。この供給管3にはゼロガバナと呼ばれる調圧装置31が接続されており、一定の正圧で供給されるガスの圧力を大気圧まで減圧して供給管3から吸気部4に供給するように構成されている。従って、送風ファン2が停止して吸気部4内に負圧が生じていない状態では、供給管3から吸気部4へガスは吸引されないが、送風ファン2が作動して吸気部4内に負圧が生じると、その負圧の大きさに比例する流量のガスが供給管3から吸気部4内へと吸引される。
そして、吸気部4内に吸引されたガスは、同じく吸気部4に吸引された空気と共に送風ファン2内に導かれ、そこで混合されて上記ダクト23からガスバーナ1へと供給される。なお、送風ファン2の回転数はモータ21の回転数に対応するが、送風ファン2の回転数の高低によって吸気部4の負圧の大きさが増減する。但し、吸気部4の負圧の大きさが増減して、吸引される空気量が増減しても、供給管3からのガスの吸引量も増減するので、ガスバーナ1に供給される混合気の混合比率は常に一定になる。
送風ファン2の回転数が低速になり吸気部4内の負圧が小さくなると、ガスと空気との混合比を一定に保持しづらくなる。そこで、混合比率を一定に保持するために吸気部4を設けた。
図3を参照して、吸気部4内には燃焼用の空気が通過する空気用弁口41ガスが通過するガス用弁口42とが設けられている。そして、これら両弁口41、42の開度を増減するための空気用弁体41aとガス用弁体42aとが、弁軸43に共に固定されている。従って、弁軸43が図において上下方向に移動すると、両弁体41a、42aと両弁口41、42との距離が増減して両弁口41、42の開度が相互に同期しながら増減する。
この弁軸43はダイアフラム44に連結されている。そして、このダイアフラム44の背圧側は通気孔44aを介して送風ファン2の吸気口に連通されているので、送風ファン2の回転数が増加して負圧が大きくなると、ダイアフラム44は図において上方に吸い上げられ、その結果、両弁口41、42の開度が増加する。
ダイアフラム44の背圧側にはバネ45が設けられているので、送風ファン2の回転数が減少して負圧が小さくなると、このバネ45の付勢力によってダイアフラム44は図において下方に戻され、その結果、両弁体41a、42aが両弁口41、42に近づいて両弁口41、42の開度を減少させることになる。このため、送風ファン2の回転数が低速になって吸気部4内の負圧が小さくなると、両弁口41、42の開度が絞られて燃焼用空気の流速とガスの流速が確保されて、空気とガスとの混合比が一定の値に保持される。なお、送風ファン2が完全に停止すると、バネ45の付勢力によってガス用弁体42aがガス用弁口42を閉塞して、ガス用弁口42からガスが漏出しないように構成されている。
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
1 ガスバーナ
2 送風ファン
3 供給管
4 吸気部
11 熱交換器
13 仕切り板
21 モータ
23 ダクト
24 タービン
25 開口
31 調圧装置
44 ダイアフラム

Claims (2)

  1. 炎孔を有するバーナの上流側に設けられたバーナ室に、空気とガスとの混合気を供給する予混合式ガスバーナであって、上記バーナ室に連結された送風ファンを備え、この送風ファンの吸気口に燃焼用の空気とガスとを吸引させ、送風ファンからバーナ室へと送られる途中で空気とガスとを混合させて上記混合気とするものにおいて、上記送風ファンの吸気口に向かう空気通路の途中に空気用弁口を設けると共に、この吸気口に向かうガス通路の途中にガス用弁口を設け、かつ、空気用弁口に対する距離を変更することによって空気用弁口の開度を増減する空気用弁体と、ガス用弁口に対する距離を変更することによってガス用弁口の開度を増減するガス用弁体とを設けると共に、背圧側が上記送風ファンの吸気口に連通されており、この吸気口に生じる負圧を受けて移動するダイアフラムを設け、このダイアフラムがこの負圧によって移動することによって両弁口の開度を増加させる方向に移動するように、上記ダイアフラムに連結された弁軸を介して両弁体を上記ダイアフラムに連結させ、更に、ダイアフラムが負圧によって移動する方向に対して反対方向にダイアフラムと共に上記弁軸介して上記両弁体を付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする予混合式ガスバーナ。
  2. 上記送風ファンの吸気口の負圧が所定の値より大気圧に近づいた状態で、上記付勢手段による付勢力によって上記ガス用弁体が上記ガス用弁口を閉鎖することを特徴とする請求項1に記載の予混合式ガスバーナ。
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