JP7126685B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
正圧式の燃焼装置の例として、特許文献1には、ファンの下流側の空気流路形成部に、燃料ガスが供給される燃料供給路形成部材を接続して、ファンの下流側で燃焼用空気と燃料ガスとを混合する構造が開示されている。特にここでは、燃料供給路の上流側に調圧装置(ゼロガバナ)を設けて、ゼロガバナの信号圧室に設けた信号圧導入口をファンの吐出側と接続して、ゼロガバナのガス吐出口から排出される燃料ガスの圧力を、信号圧導入口の圧力に依存して変化させるようにしている。すなわち、ゼロガバナの信号圧をファンの吐出側から検知して、当該信号圧に相関する二次圧で燃料ガスを放出するようにして、バーナへの空気量とガス量との比率を略一定としたものである。
この点特許文献1の正圧式の燃焼装置では、ファンによる送風量の増減に追従して燃料ガスの供給圧力が変化するのに加えて、燃料供給路を分岐させて各供給路に設けた開閉弁により燃焼するバーナの本数を変更可能としているため、ターンダウン比を大きくすることができる。しかし、ゼロガバナへの信号圧をファンの下流側から得ているため、燃料ガスの二次圧を信号圧以上としないと、ガス量が低下して燃料供給路から燃料ガスが供給されなくなってしまう。このため、燃料ガスの一次圧が低下すると、安定した燃焼が得られなくなるおそれがある。
混合部が、ファンの回転によって空気が流れる絞り部を有し、絞り部を空気が流れる際に生じる減圧によってゼロガバナから供給される燃料ガスを吸い込む筒状のベンチュリーであり、
ベンチュリーは、バーナを備えた箱体内に設けられて保持孔を貫通形成したベンチュリー保持部の保持孔内に保持されて、保持孔内でベンチュリーの周囲に、箱体内とシールされた筒状空間が形成されると共に、ベンチュリーには、絞り部の下流側でベンチュリー内を筒状空間と連通させるスリットが形成されて、筒状空間にガス供給路が接続される一方、
箱体内でベンチュリーの下流側には、バーナと連通する混合室が仕切形成されて、
ゼロガバナへの信号圧が、混合室から取り出されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、保持孔及びベンチュリーがそれぞれ複数設けられると共に、ガス供給路がゼロガバナの下流で複数に分岐形成されてそれぞれ筒状空間に接続され、少なくとも1つのガス供給路に、当該ガス供給路を開閉する開閉手段が設けられて、燃料ガスが供給されるガス供給路の数及び混合気が生成されるベンチュリーを切り替え可能としたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ベンチュリー保持部の保持孔及びベンチュリーを複数設けると共に、ガス供給路をゼロガバナの下流で複数に分岐形成してそれぞれベンチュリーの周囲に形成された筒状空間に接続し、少なくとも1つのガス供給路に、当該ガス供給路を開閉する開閉手段を設けて、燃料ガスが供給されるガス供給路の数及び混合気が生成されるベンチュリーを切り替え可能としているので、バーナの切り替えが可能となり、ターンダウン比を大きく取ることができる。
図1は、燃焼装置の一例である給湯装置の斜視図、図2は正面図、図3は図2のA-A線断面図である。
この給湯装置1は、上からバーナユニット3、一次熱交換器4、二次熱交換器5の順に設けられる本体2と、本体2の後方で上向きに設けられる排気部6と、本体2の右側方でバーナユニット3に連結されるファンユニット7と、ファンユニット7の下側でバーナユニット3に連結される調圧ユニット8とを備えている。
図4は、バーナユニット3及びファンユニット7の上方からの斜視図、図5は下方からの斜視図、図6は上方からの分解斜視図、図7は下方からの分解斜視図である。
バーナユニット3は、前面及び後面、下面を開口して上下方向に所定深さを有する平面視横長矩形状の上箱10と、上箱10の下面に取り付けられる下板11と、上箱10の前面に取り付けられて上箱10内に燃料ガスを供給するノズル部12とを備えている。上箱10の上面には、上方へ突出して右斜め前に開口する深底部13が形成され、深底部13の開口にファンユニット7が接続されている。
また、保持ブロック14には、上箱10の下端から左右及び前後に突出して上箱10の下端を周回する外形矩形状のフランジ25が周設されている。各区画板20の下端は、フランジ25よりも下方へ突出する側面視円弧状に形成されて、左右側方へ折り曲げられる帯状部26が形成されている。
ベンチュリー30の内面には、前端から、前後方向に等径となる入口部32と、入口部32の後端から後方へ行くに従って徐々に中心側へ曲面状に縮径する絞り部33と、絞り部33の後端から後方へ行くに従って僅かに拡径する前段拡径部34と、前段拡径部34の後端から後方へ行くに従って前段拡径部34よりも大きい角度で拡径する後段拡径部35と、後段拡径部35の後端から前後方向に等径となる出口部36とを備えている。すなわち、入口部32から吸い込まれる空気が絞り部33で絞られて通路面積の小さい前段拡径部34を通過するノズル形状となっている。また、絞り部33と前段拡径部34との間には、周方向に4つのスリット37,37・・が等間隔で形成されて、ベンチュリー30の内部を保持孔18内と連通させている。
分配板55は、右側上部に円形のガス入口60を有する正面視横長矩形状で、外周には、後方へ向けた周壁部61が一体形成され、ガス入口60には、ガス管110が接続される管継手62が前方からネジ止めされている。また、分配板55の背面には、ガス入口60を左右に仕切って周壁部61の下側部分に繋がる上下方向の第1リブ63が形成されている。
さらに、分配板55の背面には、ガス入口60の左半分を途中まで上下に仕切るように左方向へ延びた後、下方へ折曲して周壁部61の下側部分に繋がる倒L字状の第2リブ64が、第1リブ63の左側面から連続して形成されている。
ガス入口60内には、図6,7に示すように、第1、第2リブ63,64で3つに分割される開口部分にそれぞれ対応する3つの透孔69A,69B,69Bを形成した円形プレート68,68が、各透孔69A,69Bの位相を合わせて2枚重ねた状態で前方からネジ止めされている。この透孔69A,69Bは、第1分配室65に対応する透孔69Aが最も大径で、第2、第3分配室66,67に対応する透孔69Bが透孔69Aよりも小径となっている。この2枚の円形プレート68,68により、ガス入口60内には、第1~第3分配室65~67にそれぞれ対応してガス量を調整する3つのオリフィス70A,70B,70Bが形成される。よって、透孔69A,69Bの径が異なる円形プレート68の選択により、ガス量の選択が可能となっている。
この分配板55と前板56との間の前シール板58は、分配板55と略同じ外形を有し、分配板55が前板56にネジ止めされた状態で、分配板55と前板56との間を閉塞するが、第1~第3分配室65~67に対応する下端には、開口74がそれぞれ形成されている。
また、前板56の後面で通過孔75A~75Cのやや下側には、後方へ突出する3つの突起76,76・・が左右方向へ所定間隔をおいて突設されている。
このノズル板57は、前板56を上箱10の前面に組み付けることで、図8に示すように、上箱10内でベンチュリー保持部17の前側空間に突出し、ノズル孔84A~84Cが、ぞれぞれベンチュリー30の取付板31に設けた透孔41に同軸で対向して連通することになる。ノズル孔84A~84Cの周囲で各取付板31との間は、シールリング88によってシールされている。
但し、第1、第2電磁弁71,72の作動によって通過孔75A,75Bを選択的に開閉することで、第1~第3ガス供給路85~87の全ての使用状態と、第1、第3ガス供給路85,87の使用状態と、第2、第3ガス供給路86,87の使用状態と、第3ガス供給路87のみの使用状態とが選択可能となっている。
一次熱交換器4は、図3に示すように、バーナユニット3が取り付けられる中ケーシング90内の下部に、複数のフィン91,91・・を左右方向へ所定間隔をおいて並設すると共に、各フィン91を蛇行状に貫通する伝熱管92を配設し、中ケーシング90の右側面に伝熱管92の端部をそれぞれ突出させて、奥側下部に入側接続口93を、手前側上部に出側接続口94を設けている。出側接続口94には図示しない出湯管が接続される。
二次熱交換器5は、中ケーシング90と連通する下ケーシング95内に、凹凸を形成した複数の伝熱プレート96,96・・を前後方向へ所定間隔をおいて並設して、伝熱プレート96,96・・間で連続する内部流路を形成し、下ケーシング95の正面側下部に設けた入口97と正面側上部に設けた出口98とを内部流路と接続してなる。入口97に図示しない給水管が接続され、出口98が図示しない配管を介して一次熱交換器4の入側接続口93と接続される。下ケーシング95の下部には、ドレンを受ける下カバー99が設けられて、ドレン排出口100を前面下部に突出させている。
排気部6は、下部前面を下ケーシング95の下部後面と連通させた四角筒状で、バーナユニット3を超えて上方に延びる上端には、排気筒101が設けられて、図示しない排気管が接続される。
ファンユニット7は、図9に示すように、平面視が円形状のファンケース102の上面中央にファンモータ103を下向きに取り付け、ファンケース102内に突出する回転軸104に遠心ファン105を固着してなる。ファンケース102の下面中央には吸込口106が、側面には吹出口107がそれぞれ形成されて、ファンケース102の左側面がバーナユニット3の上箱10の深底部13に連結されて、吹出口107を深底部13の内部と連通させている。吸込口106には、図示しない給気管が接続される。
調圧ユニット8は、図1,2に示すように、ノズル部12の管継手62に接続されるガス管110と、ガス管110の上流端に設けられるゼロガバナ111とを備えている。ゼロガバナ111は、図示しないダイヤフラムによって動作するバルブを備えて二次側の圧力を一定に保つ周知の構成で、入口には、図示しないコントローラによって制御される電磁弁によりガス流路が開閉されるガス導入管が接続されて、一次圧P1の燃料ガスが供給可能となっている。
また、ゼロガバナ111には、信号圧導入口112が設けられており、この信号圧導入口112は、図示しない配管を介してバーナユニット3の信号圧取り出し口24と接続されている。
よって、このゼロガバナ111では、ガス導入管から供給される燃料ガスの一次圧P1が上昇側に変動した際には、ゼロガバナ111からの二次圧P2も上昇側に変動するが、二次圧P2の圧力変動に伴ってバルブが移動し、二次圧P2が信号圧導入口112から得られる信号圧となるように調圧される。一方、信号圧が上昇側に変動した際には、その圧力変動に伴ってバルブが移動し、二次圧P2が上昇側に変動して信号圧となるように調圧される。すなわち、一次圧P1や信号圧の変動にかかわらず、二次圧P2が信号圧となるように調圧されることになる。
以上の如く構成された給湯装置1は、器具内に通水されると、リモコン等で要求される燃焼量に応じた回転数でコントローラがファンモータ103を駆動させて遠心ファン105を回転させる。
すると、ファンユニット7では、遠心ファン105の回転数に比例した空気が給気管を介して吸込口106から吸い込まれ、図8,9に点線矢印Aで示すように、吹出口107からバーナユニット3の深底部13内に吹き出され、ベンチュリー保持部17の天板部16と前板56との間からベンチュリー保持部17の前側空間に進入する。そして、空気Aは、4つのベンチュリー30,30・・に分岐して、各ベンチュリー30を通って第1~第3混合室21~23へそれぞれ別々に流れる。このとき、各ベンチュリー30を通過する空気Aは、入口部32から絞り部33に至る通路面積の縮小により、流速を上げて前段拡径部34へ流れるため、前段拡径部34で減圧されて負圧が生じる。
ここで、ゼロガバナ111では、第1混合室21から取り出される信号圧で燃料ガスの二次圧P2が制御されるので、ベンチュリー30に吸い込まれるガス量は、ベンチュリー30で生じる負圧と当該信号圧との差圧により決定される。
また、遠心ファン105の回転数が変化して風量が変化し、遠心ファン105の吹出口107での出口圧と、ベンチュリー30で生じる負圧との関係が変化すると、ベンチュリー30で生じる負圧と当該信号圧との関係も関連して変化することになる。ベンチュリー30では大きく減圧されるため、その下流で低い信号圧を取り出すことができ、結果、使用に耐えうる一次圧P1を低くすることができる。
バーナユニット3からの燃焼排気は、一次熱交換器4の中ケーシング90で各フィン91,91の間を通過することで、伝熱管92内を流れる水と熱交換し、顕熱が回収される。その後、二次熱交換器5の下ケーシング95内で各伝熱プレート96の間を通過することで、伝熱プレート96の内部流路を流れる水と熱交換し、潜熱が回収される。そして、排気部6内を上昇して排気筒101及び排気管から排出される。
しかし、本形態のように混合部をベンチュリー30とすれば、最低圧を(3)’の位置で(3)から-Ps1となるまで下げられるので、信号圧を(5)から得ても燃料ガスを噴出させることができる。すなわち、混合部をベンチュリー構造として信号圧を(5)から得ることで、図13に示すPs2だけゼロガバナ111の二次圧P2を下げることができるため、一次圧P1の低下に対する余裕ができるのである。
例えば、第1、第2電磁弁71,72の弁体73,73によって通過孔75A,75Bが閉塞されると、第1、第2ガス供給路85,86(第1、第2混合室21,22)からは燃料ガスが供給されなくなり、最低では左端のベンチュリー30で混合される混合気のみが第3混合室23を通って炎孔板46の炎孔47から噴出する。このため、バーナ48では、第3燃焼面53のみで燃焼炎が形成されることになる。他の使用状態の場合も同様に、使用されるガス供給路に応じた燃焼面のみで燃焼炎が形成される。
なお、このように燃料ガスの供給が切り換えられても、遠心ファン105からの空気は全ての第1~第3混合室21~23に流れて炎孔板46から噴出することになるが、炎孔板46には第1~第3燃焼面51~53間を仕切る無炎孔部49,49が形成されているため、燃料ガスが燃料する燃焼面で火炎が冷却されることがない。よって、燃焼の悪化は生じない。
このように、上記形態の給湯装置1によれば、混合部を、遠心ファン105の回転によって空気が流れ、その際に生じる減圧によってゼロガバナ111から供給される燃料ガスを吸い込むベンチュリー30とする一方、ゼロガバナ111への信号圧を、ベンチュリー30よりも下流側から取り出したことで、遠心ファン105の下流で混合気を生成する正圧式において、燃料ガスの一次圧が低下しても安定した燃焼を維持することができる。よって、使い勝手の向上が期待できる。
特にここでは、ベンチュリー30を複数設けると共に、第1~第3ガス供給路85~87をゼロガバナ111の下流で複数に分岐形成してそれぞれベンチュリー30に接続し、2つの第1、第2ガス供給路85,86に、当該ガス供給路85,86を開閉する開閉手段(第1、第2電磁弁71,72)を設けて、燃料ガスが供給される第1~第3ガス供給路85~87の数及び混合気が生成されるベンチュリー30を切り替え可能としているので、バーナ48での第1~第3燃焼面51~53の切り替えが可能となり、ターンダウン比を大きく取ることができる。
また、信号圧はできるだけ低い方が望ましいため、ベンチュリーとバーナとの間に限らず、バーナと一次熱交換器との間(図13に示す(6))、一次熱交換器と二次熱交換器との間、二次熱交換器と排気部との間(図13に示す(7))等から取り出すようにしても差し支えない。複数の箇所から取り出した信号圧を平均化させることもできる。
さらに、ガス供給路及びベンチュリーの数も上記形態に限らず、適宜増減可能で、開閉手段となる電磁弁の数や位置も上記形態に限定されない。逆に、ガス供給路及びベンチュリーを1つずつとすることもできる。ガス供給路及びベンチュリーの具体的な構造も適宜変更可能である。
その他、給湯装置自体の構成も上記形態に限らず、顕熱用の一次熱交換器のみ備えて二次熱交換器がない構造であったりしても各発明は適用可能である。また、上側にバーナユニット、下側に熱交換器が配置されているが、上下の向きを逆にして熱交換器の上側に排気部を配置してもよい。
Claims (2)
- バーナと、
前記バーナへ燃料ガスを供給するガス供給路と、
前記バーナへ燃焼用空気を供給するファンと、
前記ファンの下流側で前記ガス供給路と接続され、燃焼用空気に燃料ガスを混合して混合気を生成する混合部と、
前記ガス供給路に設けられ、所定の一次圧で供給された燃料ガスを所定の信号圧に応じた二次圧に調整して前記混合部に供給するゼロガバナと、を含んでなる燃焼装置であって、
前記混合部が、前記ファンの回転によって空気が流れる絞り部を有し、前記絞り部を空気が流れる際に生じる減圧によって前記ゼロガバナから供給される燃料ガスを吸い込む筒状のベンチュリーであり、
前記ベンチュリーは、前記バーナを備えた箱体内に設けられて保持孔を貫通形成したベンチュリー保持部の前記保持孔内に保持されて、前記保持孔内で前記ベンチュリーの周囲に、前記箱体内とシールされた筒状空間が形成されると共に、前記ベンチュリーには、前記絞り部の下流側で前記ベンチュリー内を前記筒状空間と連通させるスリットが形成されて、前記筒状空間に前記ガス供給路が接続される一方、
前記箱体内で前記ベンチュリーの下流側には、前記バーナと連通する混合室が仕切形成されて、
前記ゼロガバナへの信号圧が、前記混合室から取り出されていることを特徴とする燃焼装置。 - 前記保持孔及び 前記ベンチュリーがそれぞれ複数設けられると共に、前記ガス供給路が前記ゼロガバナの下流で複数に分岐形成されてそれぞれ前記筒状空間に接続され、少なくとも1つの前記ガス供給路に、当該ガス供給路を開閉する開閉手段が設けられて、燃料ガスが供給される前記ガス供給路の数及び混合気が生成される前記ベンチュリーを切り替え可能としたことを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
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