以下、適宜図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、一実施形態に係る箔転写装置10を示す斜視図である。以下の説明では、左、右、上、下とは、箔転写装置10の正面にいるユーザーが箔転写装置10を見た場合の左、右、上、下をそれぞれ意味することとする。また、上記ユーザーが箔転写装置10に近づく方を後方、遠ざかる方を前方とする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。本実施形態に係る箔転写装置10は、相互に直交する軸をX軸、Y軸およびZ軸としたときに、X軸とY軸とで構成される平面に置かれるものとする。ここでは、X軸は、左右方向に延びる。Y軸は、前後方向に延びる。X軸とY軸とで構成される平面は、ここでは水平面である。Z軸は、上下方向に延びる。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、箔転写装置10の設置態様を何ら限定するものではない。
図1に示すように、箔転写装置10は箱状に形成されている。箔転写装置10は、前方および上方が開口された筐体11を備えている。筐体11の開口部には、開閉式のカバーが設けられているが、ここでは図示を省略する。筐体11の内部空間には、ワークWを支持する支持台15と、箔転写ツール120を搭載したヘッド70とが設けられている。ヘッド70は、X軸方向に移動する第2移動ユニット40に搭載され、同じく第2移動ユニット40に搭載されたZ軸方向移動装置60によってZ軸方向に移動される。第2移動ユニット40は、X軸方向移動装置50によってX軸方向に移動される。第2移動ユニット40およびX軸方向移動装置50は、第1移動ユニット20に搭載されている。第1移動ユニット20は、Y軸方向移動装置30によってY軸方向に移動される。箔転写装置10の壁面内部には、レーザー発振器130と、制御装置150とが設けられている(いずれも図4参照)。
支持台15は、箔転写装置10の内部空間の底面上に設けられている。支持台15は、平板上に構成されている。支持台15の上面には、ワークWが載置される。ワークWは、ここでは、被転写物W1と、熱転写箔W2と、光吸収フィルムW3とを含んでいる。ただし、ワークWは、それら以外のもの、例えば、表面に凹凸が形成された装飾用フィルムを含んでいてもよい。被転写物W1と熱転写箔W2と光吸収フィルムW3とは、下方からこの順に重ねられて使用される。なお、図示は省略するが、被転写物W1、熱転写箔W2、および光吸収フィルムW3が箔転写中に動かないように、それらを支持台15に固定する治具等が利用されてもよい。
被転写物W1を構成する材料や形状は、特に限定されない。被転写物W1は、例えば、アクリル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂類であってもよいし、普通紙、画用紙、和紙等の紙類、ゴム類、皮革類等であってもよい。
熱転写箔W2は、被転写物W1の上に重ねて載置されている。熱転写箔W2は、被転写物W1に密着された状態で加熱されることにより、被転写物W1の表面に画像を転写する箔である。ここでは、熱転写箔W2は、箔転写ツール120が照射する光のエネルギーによって熱転写を行う。熱転写箔W2としては、例えば、熱転写用に一般に市販されている転写箔を特に限定なく用いることができる。熱転写箔W2は、一般的には、基材と、装飾層と、接着層とがこの順に積層されている。熱転写箔W2における装飾層は、例えば、金箔、銀箔等のメタリック箔や、ハーフメタリック箔、顔料箔、多色印刷箔、ホログラム箔、静電気破壊対策箔等を包含する。
光吸収フィルムW3は、熱転写箔W2の上に重ねて載置されている。光吸収フィルムW3は、箔転写ツール120から照射される光を受けて発熱するフィルムである。光吸収フィルムW3は、箔転写ツール120から照射される所定の波長帯の光(レーザー光)を効率よく吸収して、光エネルギーを熱エネルギーに変換する。光吸収フィルムW3は、例えばポリイミドのような樹脂で構成されている。
なお、本実施形態では、光吸収フィルムW3と熱転写箔W2とは別体であるが、1つのシートとして構成されていてもよい。例えば、光吸収フィルムW3と同等の働きをもつ光吸収層が熱転写箔W2に形成されていてもよい。
図1に示すように、Y軸方向移動装置30は、一対のスライドシャフト31と、ワイヤー32と、一対のプーリ33と、Y軸方向駆動モータ34(図4参照)とを備えている。一対のスライドシャフト31は、それぞれ、箔転写装置10の左壁および右壁の内部に設けられている。一対のスライドシャフト31は、Y軸方向に延びている。第1移動ユニット20は、一対のスライドシャフト31にそれぞれ挿入された一対のブッシュ(図示せず)を備えている。第1移動ユニット20は、Y軸方向に摺動可能に一対のスライドシャフト31に係合している。
第1移動ユニット20には、無端状のワイヤー32が固定されている。ワイヤー32は、Y軸方向に離れて設けられた一対のプーリ33に巻き掛けられている。一方のプーリ33にはY軸方向駆動モータ34が取り付けられている。Y軸方向駆動モータ34が駆動するとプーリ33が回転し、ワイヤー32が走行する。それにより、第1移動ユニット20が一対のスライドシャフト31に沿ってY軸方向に移動する。Y軸方向駆動モータ34は、制御装置150に電気的に接続され、制御装置150によって制御されている。
第1移動ユニット20には、第2移動ユニット40と、X軸方向移動装置50とが搭載されている。X軸方向移動装置50は、第2移動ユニット40をX軸方向に移動させる。図1に示すように、X軸方向移動装置50は、一対のスライドシャフト51と、ワイヤー52と、一対のプーリ53(右側のプーリ53のみ図示)と、X軸方向駆動モータ54(図4参照)とを備えている。一対のスライドシャフト51は、X軸方向に延びている。第2移動ユニット40は、一対のスライドシャフト51にそれぞれ挿入された一対のブッシュ41(図2参照)を備えている。第2移動ユニット40は、X軸方向に摺動可能に一対のスライドシャフト51に係合している。Y軸方向移動装置30と同様に、X軸方向移動装置50は、X軸方向駆動モータ54の駆動力をプーリ53およびワイヤー52を介して第2移動ユニット40に伝達する。X軸方向駆動モータ54が駆動するとプーリ53が回転し、ワイヤー52が走行することにより、第2移動ユニット40は一対のスライドシャフト51に沿ってX軸方向に移動する。X軸方向駆動モータ54は、制御装置150に電気的に接続され、制御装置150によって制御されている。
第2移動ユニット40には、ヘッド70と、ヘッド70をZ軸方向に移動させるZ軸方向移動装置60とが搭載されている。図2は、ヘッド70周辺の構成を示す斜視図である。図2では、ヘッド70およびZ軸方向移動装置60以外の部材は、基本的に図示を省略している。図2に示すように、Z軸方向移動装置60は、一対のスライドシャフト61と、台形ネジ62と、Z軸方向駆動モータ63とを備えている。一対のスライドシャフト61は、Z軸方向に延びている。一対のスライドシャフト61は、左右方向に並んで設けられている。一対のスライドシャフト61には、ヘッド70がZ軸方向に摺動自在に係合している。
図2に示すように、台形ネジ62は、Z軸方向に延びている。台形ネジ62は、Z軸方向駆動モータ63によって回転される。Z軸方向駆動モータ63は、第2移動ユニット40の上部に配置されている。Z軸方向駆動モータ63は、台形ネジ62の上端に接続されている。台形ネジ62の下端は、第2ヘッド90のナット91と噛み合っている。
図3は、ヘッド70周辺の構成を模式的に示す正面図である。図2では見えない部材等もあるため、ヘッド70の構成は、図2と図3とを使って説明する。なお、図3はヘッド70の構成を説明するための模式的な図であり、実際のヘッド70の形状やプロポーション等を反映したものではない。
図3に示すように、ヘッド70は、第1ヘッド80と、第2ヘッド90と、スプリング100と、スイッチ110と、押圧力調整機構200とを備えている。第1ヘッド80は、支持台15よりも上方において箔転写ツール120を保持している。第2ヘッド90は、第1ヘッド80をZ軸方向に摺動可能に支持している。前述したように、第2ヘッド90は、Z軸方向移動装置60によってZ軸方向に移動される。
第1ヘッド80は、一対のスライドシャフト61に係合している。図3に示すように、第1ヘッド80は、一対のスライドシャフト61に挿入された一対のブッシュ81を備えている。ただし、第1ヘッド80は、一対のブッシュ81を備えず、例えば貫通孔によって一対のスライドシャフト61に係合していてもよい。第1ヘッド80は、一対のスライドシャフト61に沿ってZ軸方向に移動可能に構成されている。第1ヘッド80の一対のブッシュ81よりも前方には、箔転写ツール保持部82が設けられている。箔転写ツール保持部82は、箔転写ツール120を保持している。第1ヘッド80は、さらに、スイッチ110を保持するスイッチブラケット83を備えている。スイッチブラケット83は、左側のブッシュ81の上方かつ前方に設けられている。スイッチブラケット83は、第1ヘッド80のX軸方向の中心線よりも左方に配置されている。
スイッチブラケット83には、スイッチ110が取り付けられている。スイッチ110は、ここでは、リミットスイッチである。図3に示すように、スイッチ110は、スイッチ本体111と、ボタン112と、アーム113とを備えている。ボタン112は、スイッチ本体111の右側面の下端付近に設けられている。ボタン112は、スイッチ本体111の右側面よりも右方に突出している。スイッチ110は、ボタン112が左方に向かって押下されると反応するように構成されている。
アーム113は、斜め右下方向に延びる平板状のアーム本体113aと、アーム本体113aの下端から右方に突出した先端部113bとを有している。アーム本体113aの上端は、スイッチ本体111の右側面の上端付近に接続されている。アーム113は、アーム本体113aの上端を中心として、正面視において時計回りおよび半時計回りに回動可能に構成されている。先端部113bが左方に向かって押されると、アーム113は、正面視において時計回り回動し、ボタン112を押下する。スイッチ110は、アーム113の先端部113bが左方に向かって押されると反応するように構成されている。
第2ヘッド90は、台形ネジ62と噛み合ったナット91と、一対のスライドシャフト61に挿入された一対のブッシュ92とを備えている。ただし、第2ヘッド90は、一対のブッシュ92を備えず、例えば貫通孔によって一対のスライドシャフト61に係合していてもよい。ナット91と一対のブッシュ92とは、X軸方向に並んで配置されている。ナット91の上端は、平面視において他の部分よりも大きいフランジ部91aとなっている。第2ヘッド90は、さらに、第1ヘッド80の第2ヘッド90に対する下方への移動を規制するストッパ93を備えている。第1ヘッド80は、ストッパ93に突き当たることにより、第2ヘッド90から脱落することなく第2ヘッド90に係合している。
第2ヘッド90は、スイッチ110のアーム113の先端部113bに当接する押下板94を備えている。押下板94は、平板状の部材であり、Z軸方向に延びている。押下板94のY軸方向の位置は、アーム113の先端部113bのY軸方向の位置と同じである。押下板94の下端には、テーパ部94aが形成されている。箔転写ツール120がワークWを押圧していない状態では、図3に示すように、テーパ部94aは、アーム113の先端部113bの右方に位置している。テーパ部94aを除く押下板94の左縁94bは、アーム113の先端部113bの上方に位置している。押下板94の左縁94bは、平面視において先端部113bの一部と重なっている。
スプリング100は、第1ヘッド80を第2ヘッド90に対して下方に押し下げている。スプリング100には、第2ヘッド90のナット91が挿通されている。スプリング100の上端は、第2ヘッド90に接続されている。詳しくは、スプリング100の上端は、ナット91のフランジ部91aの下面に接している。なお、ここでの「第2ヘッド90とスプリング100とが接続されている」とは、両者が互いに固定されていることを必要とせず、スプリング100の弾性力によって両者が互いに接していることを含んでいる。以下、2つの部材が「接続されている」と言う場合、同様である。なお、第2ヘッド90とスプリング100の上端とは、固定されていてもよい。
スプリング100の下端は、押圧力調整機構200によって支持されている。スプリング100の下端のZ軸方向の位置は押圧力調整機構200によって移動されるが、いずれの位置においても、スプリング100は、第2ヘッド90と押圧力調整機構200との間で圧縮されている。そのため、スプリング100は、押圧力調整機構200を介して第1ヘッド80を第2ヘッド90に対して下方に押し下げている。押圧力調整機構200は、第1ヘッド80に固定されている。押圧力調整機構200の構成については後述する。
箔転写ツール120は、ワークWを上方から押圧するとともに、ワークWに対してレーザー光を照射する。箔転写ツール120は、レーザーヘッド121と図示しない光路を備えている。レーザーヘッド121は、箔転写ツール120の下端に着脱可能に設けられている。レーザーヘッド121は、レーザー光を透過する材料によって形成されている。レーザーヘッド121は、例えば、硬質ガラスによって形成されている。レーザーヘッド121は、ヘッド70よりも下方に配置されている。そこで、Z軸方向移動装置60によってヘッド70が下方に移動されると、レーザーヘッド121がワークWに当接する。
レーザー発振器130(図4参照)によって生成されたレーザー光は、図示しない光ファイバを通って箔転写ツール120に到達する。レーザー光は、箔転写ツール120内の図示しない光路を通ってレーザーヘッド121に到達する。
箔転写装置10の動作は、制御装置150によって制御されている。制御装置150は、典型的にはコンピュータである。制御装置150は、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器からの転写データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムを格納したROMと、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAMと、上記プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置とを備えている。
図4は、箔転写装置10のブロック図である。図4に示すように、制御装置150は、Y軸方向駆動モータ34、X軸方向駆動モータ54、Z軸方向駆動モータ63、およびレーザー発振器130に電気的に接続され、それらの動作を制御している。また、制御装置150は、スイッチ110に電気的に接続され、スイッチ110からの信号を受信している。図4に示すように、制御装置150は、Y軸方向移動制御部151と、X軸方向移動制御部152と、Z軸方向移動制御部153と、レーザー制御部154とを備えている。
Y軸方向移動制御部151、X軸方向移動制御部152、およびZ軸方向移動制御部153は、それぞれ、Y軸方向駆動モータ34、X軸方向駆動モータ54、およびZ軸方向駆動モータ63の動作を制御している。それにより、ヘッド70およびヘッド70に保持された箔転写ツール120は、Y軸方向、X軸方向、およびZ軸方向に三次元的に移動する。
Z軸方向移動制御部153は、下降開始部153aと、下降停止部153bと、上昇制御部153cとを備えている。下降開始部153aは、Z軸方向移動装置60を制御して第2ヘッド90を下方に移動させ、箔転写ツール120を支持台15上のワークWに押し当てる。下降停止部153bは、下降開始部153aによる第2ヘッド90の移動によって第1ヘッド80がスプリング100の弾性力に抗して第2ヘッド90に対して上方に移動し、スイッチ110が反応すると、第2ヘッド90の移動を停止する。下降開始部153aおよび下降停止部153bの制御により、箔転写ツール120がワークWを押圧する力は、スイッチ110が反応したときのスプリング100の弾性力に等しく制御される。上昇制御部153cは、Z軸方向移動装置60を制御して、例えば、箔転写が終了したときや、箔転写の軌道が途切れたとき等にヘッド70を上昇させる。なお、箔転写ツール120の押圧力には、第1ヘッド80およびその搭載物の重さが含まれるが、本実施形態の説明では、第1ヘッド80およびその搭載物の重さについての記載は省略する。例えば、「第1ヘッド80およびその搭載物の重さと第1の力との合計は、箔転写ツール120の押圧力に等しい」は、「第1の力は、箔転写ツール120の押圧力に等しい」と言うものとする。
レーザー制御部154は、レーザー発振器130を制御して、レーザー光を照射または停止する。また、レーザー制御部154は、レーザー光の出力を制御する。箔転写装置10は、箔転写ツール120によってワークWを押圧しながら、ワークWにレーザー光を照射する。箔転写ツール120によってワークWを押圧することにより、被転写物W1と、熱転写箔W2と、光吸収フィルムW3とが密着する。また、光吸収フィルムW3にレーザー光を照射することにより、光吸収フィルムW3は発熱する。光吸収フィルムW3と熱転写箔W2とが密着することにより、光吸収フィルムW3が発生させた熱が熱転写箔W2に伝導する。また、熱転写箔W2と被転写物W1とが密着することにより、熱転写箔W2の装飾層が被転写物W1の表面に転写される。箔転写装置10は、箔転写ツール120のX軸方向およびY軸方向の位置を移動させながら箔転写を行うことにより、被転写物W1に画像を転写する。
箔転写ツールがワークWを押圧する力の制御においては、まず、第2ヘッド90がZ軸方向移動装置60により下降される。これにより箔転写ツール120の下端に保持されたレーザーヘッド121がワークWに当接する。ここからさらに第2ヘッド90を下降させると、スプリング100の弾性力に抗して、第1ヘッド80が第2ヘッド90に対して上方に移動する(実際には、第1ヘッド80の上下方向の位置は変化せず、第2ヘッド90だけが下方に移動する)。このときスプリング100は、レーザーヘッド121がワークWに当接する前よりも圧縮される。箔転写ツール120がワークWを押圧する力は、このときのスプリング100の弾性力に等しい。
スイッチ110は、第2ヘッド90を下降させると、押下板94に対して相対的に上方に移動する。第2ヘッド90が下降し、押下板94のテーパ部94aがスイッチ110のアーム113の先端部113bよりも下方まで移動すると、アーム113の先端部113bが押下板94の左縁94bによって左方に押される。それにより、ボタン112が押され、スイッチ110が反応する。
箔転写装置10は、上記のようにしてスイッチ110が反応するとヘッド70の下降を停止するように設定されている。箔転写装置10は、この状態から箔転写を開始する。箔転写中に箔転写ツール120がワークWを押圧する力は、このようにして、スイッチ110が反応した時点におけるスプリング100の弾性力に等しく調整される。
押圧力調整機構200は、箔転写中に箔転写ツール120がワークWを押圧する力、言い換えれば、スイッチ110が反応する時点におけるスプリング100の弾性力を調整する機構である。本実施形態では、押圧力調整機構200は、箔転写中に箔転写ツール120がワークWを押圧する力(以下、単に「箔転写の押圧力」と言う)を3段階に調整できるように構成されている。従来の箔転写装置では、箔転写の押圧力は予め設定されており、ユーザー等が調整することはできなかった。しかし、箔転写の押圧力は、被転写物の特性などによって適正な値が異なる。例えば、皮革のような材料に箔転写を行おうとすると、箔転写の押圧力は大きく設定されることが好ましい。皮革は柔らかいが表面が滑らかではないため、皮革に箔転写を行う際の箔転写の押圧力が小さいと、皮革の凸した部分にしか箔転写がされないことがある。逆に、例えば、押圧の痕跡が残りやすい被転写物の場合には、箔転写の押圧力が大きいと押圧の痕跡が残る場合がある。本実施形態に係る箔転写装置10は、そのような不具合を防ぐために、ユーザー等が箔転写の押圧力を調整することができるように構成されたものである。
図2および図3に示すように、本実施形態に係る押圧力調整機構200は、接続部材210と、調整部220とを備えている。接続部材210は、スプリング100の下端に接続され、スプリング100の弾性力を受けている。調整部220は、第1ヘッド80に固定されるとともに、接続部材210を支持している。調整部220は、第1ヘッド80に対する接続部材210の上下方向の位置を移動させることが可能に構成されている。
図5は、ヘッド70の背面図である。図5では、一部の部材の図示を省略している。図5に示すように、調整部220は、調整レバー230と、調整レバー230を回動させる回動軸240と、調整レバー230の回動力を接続部材210に伝達する伝達部250と、揺動部260と、固定部270とを備えている。調整レバー230は、接続部材210を支持している。ここでは、調整レバー230は、伝達部250を介して間接的に接続部材210を支持している。回動軸240は、第1ヘッド80に設けられ、調整レバー230を上下方向に回動可能に支持している。揺動部260は、調整レバー230を前後方向に揺動可能に支持している。揺動部260は回動軸240によって回動可能に支持されており、調整レバー230は、揺動部260を介して回動軸240周りに回動する。固定部270は、調整レバー230を回動軸240周りの複数の角度、ここでは3つの角度で固定可能に構成されている。
図2および図5に示すように、接続部材210は、平面視において略長方形の平板状に形成されている。接続部材210には、円形の貫通孔210aが形成されている。接続部材210は、リング状に構成されている。接続部材210の貫通孔210aには、ナット91が挿通されている。接続部材210の上面は、スプリング100の下端に接している。接続部材210は、ここでは、樹脂によって形成されている。ただし、接続部材210の材料は限定されない。
図6は、接続部材210および伝達部250周辺の模式的な縦断面図である。図6に示すように、伝達部250は、接続部材210の下方に設けられている。伝達部250は、回転部材251と、回転部材251を回転可能に支持する回転軸252とを備えている。図5に示すように、回転部材251は、背面視において下方が開いた略C字に形成されている。回転部材251には、上下方向に貫通する貫通孔251aが形成されている。貫通孔251aにはナット91が挿通されている。回転部材251の上面251bは、平面に構成されている。回転部材251の上面251bは、接続部材210に下方から接している。詳しくは、回転部材251の上面251bは、接続部材210の下面前端部に形成された傾斜面210bに接している。傾斜面210bは、後方に向かって下降傾斜している。
回転軸252は、回転部材251の前端部付近を支持している。回転軸252は、左右方向に延びている。図6に示すように、回転軸252は、右側面視において時計回りまたは反時計回りに回転可能に回転部材251を支持している。回転軸252は、接続部材210よりも前方に配置されている。
図5に示すように、回動軸240は、接続部材210よりも左方に設けられている。ただし、回動軸240は、接続部材210よりも右方に設けられていてもよい。回動軸240は、前後方向に延びている。調整レバー230は、回動軸240周りに、背面視において時計回りまたは反時計回りに回動する。調整レバー230は、ここでは、板状に構成されている。ただし、調整レバー230は、例えば、棒状に形成されていてもよい。調整レバー230は、左右方向に延びている。調整レバー230は、伝達部250の回転部材251に当接する当接部231を有している。当接部231は、調整レバー230の当接部231付近の部位よりも上方に突出している。図6に示すように、当接部231は、回転部材251よりも下方に配置され、回転部材251の下面251cに当接している。図5に示すように、調整レバー230を背面視において時計回りに回動させると、当接部231は上方に移動する。調整レバー230を背面視において反時計回りに回動させると、当接部231は下方に移動する。図6に示すように、当接部231が上方に移動すると、回転部材251の下面251cは、当接部231によって上方に向かって押される。それにより、回転部材251は、右方から見て回転軸252周りに反時計回りに回転し、回転前よりも上方に移動する。接続部材210の傾斜面210bは、回転部材251の上面251bに接している。そこで、接続部材210は、回転部材251によって押されて、上方に移動する。その結果、スプリング100は、調整レバー230の回動前よりも圧縮される。
調整レバー230を反時計回りに回動させた場合は上記と逆であり、回転部材251は、右方から見て時計回りに回転する。それにより、回転部材251は、回転前よりも下方に移動する。その結果、接続部材210は下方に移動し、スプリング100は、調整レバー230の回動前よりも長くなる。ユーザーは、調整レバー230を回動させることによって、スプリング100の長さを変えることができる。
スプリング100の長さが変化すると、言い換えれば、スプリング100の下端の位置が変化すると、箔転写の押圧力、すなわち、スイッチ110が反応する時点におけるスプリング100の弾性力が変化する。スイッチ110は、箔転写ツール120がワークWに接した時点から第2ヘッド90が予め定められた距離だけ下降されると反応する。箔転写ツール120がワークWに接した時点においてスプリング100の長さがより短ければ、スイッチ110が反応した時点におけるスプリング100の長さもより短くなる。そのため、スイッチ110が反応した時点におけるスプリング100の弾性力は、より大きくなる。逆に、箔転写ツール120がワークWに接した時点においてスプリング100の長さがより長ければ、スイッチ110が反応した時点におけるスプリング100の長さもより長くなる。そのため、スイッチ110が反応した時点におけるスプリング100の弾性力は、より小さくなる。
本実施形態に係る押圧力調整機構200は、調整レバー230を所定の回動角に固定する固定部270を備えている。図2に示すように、固定部270は、L字形の調整板270aを備えている。調整板270aは、第1ヘッド80の右側面に固定されている。図2に示すように、調整板270aは、前後方向に延びる挿入孔形成部271と、左右方向に延びる規制部272とを備えている。挿入孔形成部271には、左右方向に向かって貫通した挿入孔271aが形成されている。挿入孔271aには、調整レバー230が挿通されている。
図7は、挿入孔271aの模式的な右側面図である。図7に示すように、挿入孔271aには、第1段部271a1、第2段部271a2、および第3段部271a3が形成されている。複数の段部271a1~271a3は、挿入孔271aの前方側の側面に形成されている。複数の段部271a1~271a3は、上下方向の位置が互いに異なっている。また、複数の段部271a1~271a3は、前後方向(調整レバー230の伸長方向に交差する方向)に関する位置が互いに異なっている。詳しくは、第1段部271a1は、3つの段部の中で最も下方かつ後方に位置し、前後方向に延びている。第2段部271a2は、第1段部271a1よりも上方かつ前方に位置し、前後方向に延びている。第3段部271a3は、第2段部271a2よりもさらに上方かつ前方に位置し、前後方向に延びている。挿入孔271aは、側面視において前方側の側面が段付きになった略長方形に形成されている。複数の段部271a1~271a3は、調整レバー230の伸長方向(左右方向)に直交する方向に延びている。ただし、複数の段部271a1~271a3は、調整レバー230の伸長方向に直交する方向に延びていなくてもよく、調整レバー230の下縁を支持できればよい。
固定部270は、3つの段部271a1~271a3のいずれかによって調整レバー230の下縁を支持することによって調整レバー230を回動軸240周りの複数の角度で固定するように構成されている。ユーザーは、箔転写の押圧力を3段階のうち最も小さいレベルに設定する場合には、調整レバー230の下端を第1段部271a1上に載置する。ユーザーは、箔転写の押圧力を3段階のうち2番目のレベルに設定する場合には、調整レバー230を上向きに回動させ、調整レバー230の下端を第2段部271a2上に載置する。同様に、ユーザーは、箔転写の押圧力を3段階のうち最も大きいレベルに設定する場合には、調整レバー230をさらに上向きに回動させ、調整レバー230の下端を第3段部271a3上に載置する。
複数の段部は、同じ前後方向の位置に設けられていてもよいが、本実施形態では互いに異なる前後方向の位置に設けられている。そのため、本実施形態に係る押圧力調整機構200は、調整レバー230を前後方向に揺動可能に支持する揺動部260を備えている。なお、揺動部260は、調整レバー230を前後方向に揺動可能ではなく移動可能に(例えば、スライド可能に)支持していてもよい。図5に示すように、揺動部260は、回動軸240周りに回動するベース板261と、ベース板261から後方に延びる2つの取付板262と、2つの取付板262にそれぞれ揺動可能に支持された2つの揺動アーム263とを備えている。取付板262と揺動アーム263とは、揺動軸264によって揺動可能に接続されている。2つの揺動アーム263は、調整レバー230を支持している。
ベース板261は、背面視において時計回りまたは反時計回りに回動可能に構成されている。ベース板261の背面の向かい合う2つの端部からは、それぞれ後方に向かって取付板262が延びている。揺動軸264は、取付板262に直交する方向に延びている。揺動アーム263の左端部は、揺動軸264に揺動可能に支持されている。揺動アーム263は、揺動軸264を中心に前後方向に揺動する。2つの揺動アーム263の右端部は、調整レバー230の左端部を支持している。調整レバー230を前後方向に揺動可能に支持する揺動部260により、互いに異なる前後方向の位置に設けられた3つの段部271a1~271a3の間で調整レバー230を移動させることができる。
図5に示すように、固定部270は、調整レバー230が段部271a1~271a3に支持された状態で前後方向への調整レバー230の移動または揺動を規制することが可能な規制部272を備えている。規制部272が調整レバー230の動きを規制する方向である前後方向は、調整レバー230の伸長方向である左右方向に直交している。図8は、規制部272の模式的な縦断面図である。図2および図8に示すように、規制部272は、長孔272aと、解除ノブ272bと、シャフト272cと、スプリング272dと、座金272eと、ボルト272fとを備えている。
図8に示すように、解除ノブ272bは、段付きの略円柱状に形成されている。解除ノブ272bの軸線は、前後方向に延びている。解除ノブ272bの頭部272b1は、解除ノブ272bの前端に形成されている。頭部272b1は、ユーザーがそれを掴んで作業を行う部位である。頭部272b1の側面には、例えば、ローレット加工が施されていてもよい。頭部272b1の後方には、頭部272b1よりも細い首部272b2が形成されている。首部272b2の後方には、首部272b2よりもさらに細い軸部272b3が形成されている。首部272b2と軸部272b3との間には、後方を向いた座面272b4が形成されている。
軸部272b3には、調整レバー230の右端部(回動軸240に支持された端部とは逆側の端部)に設けられた貫通孔232が通されている。貫通孔232の直径は、軸部272b3の直径よりも僅かに大きく、首部272b2の直径よりも小さく構成されている。調整レバー230よりも後方には、シャフト272cが配置されている。シャフト272cは、円筒状に形成されている。シャフト272cは、解除ノブ272bの軸部272b3に通されている。調整レバー230は、解除ノブ272bの座面272b4とシャフト272cとによって挟持されている。軸部272b3に調整レバー230およびシャフト272cが通された状態で、軸部272b3の後端(解除ノブ272bの後端)とシャフト272cの後端とは、前後方向の位置がほぼ揃っている。
図5に示すように、調整板270aには、前後方向に貫通した長孔272aが形成されている。長孔272aは、回動軸240周りに調整レバー230が回動されたときに解除ノブ272bおよびシャフト272cが通る軌道に沿って形成されている。解除ノブ272bおよびシャフト272cは、長孔272aに挿通されている。解除ノブ272bおよびシャフト272cの後端は、図8に示すように、長孔272aよりも後方に突出している。解除ノブ272bの後端からは、前方に向かってネジ孔272b5が形成されている。ネジ孔272b5には、ボルト272fが噛み合わされている。図5に示すように、背面視におけるボルト272fの大きさは、長孔272aの幅よりも大きい。解除ノブ272bにボルト272fが噛み合わされることにより、解除ノブ272bを前方に引いても、解除ノブ272bおよびシャフト272cは、長孔272aから抜けないようになっている。また、解除ノブ272bにボルト272fが噛み合わされることにより、シャフト272cは、解除ノブ272bから脱落しないようになっている。さらに、それによって調整レバー230が解除ノブ272bおよびシャフト272cに挟持されている。
図8に示すように、シャフト272cのうち長孔272aよりも前方の部分には、スプリング272dと座金272eとが通されている。座金272eは、スプリング272dよりも後方でシャフト272cに通されている。図2に示すように、正面視における座金272eの大きさは、長孔272aの幅よりも大きい。そこで、解除ノブ272bを後方に向かって押すと、スプリング272dは、座金272eと調整レバー230との間で圧縮される。または、調整レバー230をスプリング272dが自然長のときのスプリング272dの前端よりも後方に移動させると、スプリング272dは圧縮される。
調整レバー230は、複数の段部271a1~271a3のいずれかに係合されているとき、スプリング272dが自然長のときのスプリング272dの前端よりも後方に配置される。そこで、そのとき、スプリング272dは圧縮されている。調整レバー230は、スプリング272dの反発力によって前方に向かって押されている。これにより、調整レバー230の前面が挿入孔271aの前方側の側面に押し当てられる。その結果、調整レバー230の前後方向の動きが規制される。
ユーザーが解除ノブ272bの頭部272b1を後方に向かって押すと、ユーザーの押す力によりスプリング272dが圧縮される。それにより、調整レバー230の前後方向の動きの規制が解除される。ユーザーは、規制が解除された状態で調整レバー230が係合される段部を変更することができる。変更後の段部の上方に調整レバー230を移動させた後、解除ノブ272bを離すと、調整レバー230の前後方向の動きは再び規制される。規制部272は、上記のようにして、調整レバー230の前後方向の動きを規制し、または規制を解除している。
このように、本実施形態に係る箔転写装置10は、スプリング100の下端に接続された接続部材210と、第1ヘッド80に固定されるとともに接続部材210を支持し、第1ヘッド80に対する接続部材210の上下方向の位置を移動させることが可能に構成された調整部220と、を備えた押圧力調整機構200を備えている。かかる押圧力調整機構200によれば、スプリング100の下端の位置を変更し、スプリング100の長さを変化させることができる。これにより、箔転写の押圧力、すなわち、スイッチ110が反応する時点におけるスプリング100の弾性力を変化させることができる。
また、本実施形態に係る押圧力調整機構200は、接続部材210を支持する調整レバー230と、第1ヘッド80に設けられ、調整レバー230を上下方向に回動可能に支持する回動軸240と、調整レバー230を回動軸240周りの複数の角度で固定可能な固定部270とを備えている。かかる構成によれば、ユーザーは、調整レバー230を回動させるという簡単な作業によって箔転写の押圧力を変更することができる。なお、本実施形態では、接続部材210は、伝達部250を介して間接的に調整レバー230に支持されていたが、調整レバー230に直接支持されていてもよい。調整レバー230による接続部材210の支持には、直接の支持と、他の部材を介した間接的な支持とが含まれる。
本実施形態では、固定部270は、上下方向の位置が異なる複数の段部271a1~271a3を備え、複数の段部271a1~271a3のいずれかによって調整レバー230の下縁を支持することによって調整レバー230を回動軸240周りの複数の角度で固定するように構成されている。スプリング100は、調整レバー230を下方に向かって押し返すため、調整レバー230の下縁を段部271a1~271a3によって支持する構成によれば、調整レバー230を確実に固定することができる。
本実施形態では、複数の段部271a1~271a3は、調整レバー230の伸長方向(左右方向)に交差する交差方向(前後方向)に関する位置が互いに異なっており、調整部220は、上記交差方向に揺動可能なように調整レバー230を支持する揺動部260を備えている。さらに、固定部270は、調整レバー230が段部271a1~271a3に支持された状態で上記交差方向への調整レバー230の揺動を規制することが可能な規制部272を備えている。複数の段部271a1~271a3の交差方向の位置が互いに異なる構成によれば、1つの段部に調整レバー230を係合させる際に他の段部を避けるような構成(例えば、他の段部を避けるために調整レバーに設けられる屈曲部)を備える必要がない。複数の段部271a1~271a3の交差方向の位置が互いに異なる構成に対応して、本実施形態に係る押圧力調整機構200は、揺動部260と、調整レバー230の揺動を規制する規制部272とを備えている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上記した実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。例えば、上記した実施形態では、接続部材210の上下方向の位置は、調整レバー230を回動させることによって変更された。しかし、接続部材の上下方向の位置を変更するための調整部の構成は、これに限定されない。例えば、調整部は、上下方向にスライドする部材によって接続部材の上下方向の位置を変更してもよい。また、調整レバーを回動させる場合でも、回動軸は調整レバーの端部に設けられる必要はない。例えば、回動軸は、調整レバーの接続部材との接点(力の作用点)とユーザーが力を加える部分(力点)との間に配置されていてもよい。
また、上記した実施形態では、スプリング100の上端が第2ヘッド90に接続され、スプリング100の下端が押圧力調整機構200に接続されていた。かかる構成によれば、スプリング100を第2ヘッド90と押圧力調整機構200との間に配置するのが容易である。しかし、スプリングの第2ヘッドとの接続部および押圧力調整機構との接続部は、それぞれ上端および下端に限定されない。例えば、スプリングの第2ヘッドとの接続部および押圧力調整機構との接続部は、それぞれスプリングの上端と下端との間に設けられていてもよい。また、押圧力調整機構を介して第1ヘッドを第2ヘッドに対して下方に押し下げる弾性部材は、スプリングに限定されるわけではない。
固定部の構成は特に限定されない。固定部は、例えば、調整レバーをネジ締結するようなものでもよい。固定部が調整レバー等を固定する位置は、選択的に構成されていなくてもよい。固定部は、任意の位置に調整レバー等を固定できてもよい。調整レバー等の「複数の位置」には、任意の位置が含まれる。また、揺動部および規制部の構成も上記したものには限定されない。揺動部は必ずしも必要ではなく、その場合、規制部も必要ではない。
上記した実施形態では、箔転写装置10は、レーザー光のエネルギーを熱に変換する方式であったが、箔転写装置の転写エネルギーは限定されない。箔転写装置は、例えば、熱ペンを備えていてもよい。
その他、特に言及されない限りにおいて、上記した実施形態は本発明を限定しない。