JP2019098554A - 熱転写装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】押圧体が保持されているかどうかを判定できる熱転写装置を提供する。【解決手段】本発明に係る熱転写装置の保持部材68は、一部が下方に突出するように押圧体66を保持する。押圧体66の保持位置が突き当て部材90の検査面91Cの上方にくる位置において、箔転写用ツール60が検査面91Cに突き当たる第1高さが測定される。押圧体66の保持位置が検査面91Cの外側にくるとともに、保持部材68の下端のうち押圧体66の保持位置以外の部分が検査面91Cの上方にくる位置において、箔転写用ツール60が検査面91Cに突き当たる第2高さが測定される。第1高さと第2高さとの差が所定の値よりも小さい場合には保持部材68が押圧体66を保持していないと判定される。【選択図】図14

Description

本発明は、熱転写装置に関する。詳しくは、熱転写箔を用いて被転写物に箔転写を行う熱転写装置に関する。
従来から、意匠性の向上等を目的として、熱転写箔(熱転写シートともいう)を利用した熱転写法による装飾加工が行われている。熱転写箔は、大まかには、基材と、装飾層と、接着層とがこの順に積層されて構成されている。そして箔転写(即ち熱転写箔を被転写物に転写すること)に際しては、被転写物上に、接着層側が当接するように熱転写箔を重ね、レーザー光を照射するツール(例えばレーザーペン)で熱転写箔を上から押圧しながら光を照射して熱転写箔を加熱する。これにより、熱転写箔のうち押圧されている部分の接着層が溶融され、被転写物の表面に付着したのち、放熱により硬化する。その結果、被転写物から熱転写箔の基材を剥離することで、箔押しした部分に対応する形状の装飾層を接着層とともに被転写物に付着させることができる。これにより、被転写物の表面に、任意の図柄等による装飾が施される。
例えば、特許文献1には、レーザー光を照射するツールを用いて被転写物に箔転写する技術が開示されている。
特開2016−215599号公報
ところで、熱転写装置においては、当然ながら熱転写箔を押圧する押圧体が必要であるが、押圧体がレーザーペン等の箔転写用ツールに装着されていない場合がある。それは例えば、脱着式の押圧体の装着忘れであったり、故障等による脱落であったりする。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、押圧体が保持されているかどうかを判定できる熱転写装置を提供することである。
ここに開示される熱転写装置は、保持台と、箔転写用ツールと、水平移動機構と、鉛直移動機構と、突き当て部材と、制御装置とを備える。前記保持台は、熱転写箔が載置された被転写物を保持する。前記箔転写用ツールは、前記熱転写箔に与えるエネルギーを生成するエネルギー生成部と、前記熱転写箔を押圧するとともに前記熱転写箔にエネルギーを伝える押圧体を保持可能な保持部材とを備え、前記保持台の上方に配置されている。前記水平移動機構は、前記箔転写用ツールを前記保持台に対して水平方向に移動させる。前記鉛直移動機構は、前記箔転写用ツールを前記保持台に対して鉛直方向に移動させ、前記箔転写用ツールによって前記保持台上の前記熱転写箔を押圧する。前記突き当て部材は、上方を向くとともに前記箔転写用ツールの可動範囲内に配置された検査面を有する。前記保持部材は、前記箔転写用ツールの下端に配置されるとともに、前記押圧体の一部が前記保持部材の下端よりも下方に突出するように前記押圧体を保持している。前記制御装置は、第1位置記憶部と、第2位置記憶部と、第1測定部と、第2測定部と、判定部とを備える。前記第1位置記憶部は、前記押圧体の保持位置が前記検査面の上方にくるような前記水平移動機構の位置である第1水平位置を記憶する。前記第2位置記憶部は、前記押圧体の保持位置が前記検査面の外側にくるとともに、前記保持部材の下端のうち前記押圧体の保持位置以外の部分が前記検査面の上方にくるような前記水平移動機構の位置である第2水平位置を記憶する。前記第1測定部は、前記水平移動機構を制御して前記箔転写用ツールを前記第1水平位置に移動させた後に、前記鉛直移動機構を制御して、前記箔転写用ツールが前記検査面に突き当たる第1高さを測定する。前記第2測定部は、前記水平移動機構を制御して前記箔転写用ツールを前記第2水平位置に移動させた後に、前記鉛直移動機構を制御して、前記箔転写用ツールが前記検査面に突き当たる第2高さを測定する。前記判定部は、前記第1高さと前記第2高さとを比較し、前記第1高さと前記第2高さとの差が所定の値よりも小さい場合には前記保持部材が前記押圧体を保持していないと判定し、前記第1高さと前記第2高さとの差が所定の値よりも大きい場合には前記保持部材が前記押圧体を保持していると判定する。
上記熱転写装置によれば、押圧体が保持部材に保持されていない場合には、保持されている場合に比べて第1高さが低くなる。そこで、押圧体が保持されていない場合には第1高さと第2高さとの差が小さくなり、保持部材が押圧体を保持しているかどうかを判定することができる。
一実施形態に係る熱転写装置を模式的に示す斜視図である。 熱転写装置を模式的に示す一部破断斜視図である。 ヘッド移動機構および保持台を模式的に示す左側面図である。 メンテナンス位置にある保持台を模式的に示す平面図である。 固定位置にある保持台を模式的に示す平面図である。 ヘッド付近の構成を模式的に示す縦断面図である。 熱転写装置のブロック図である。 テストパターンの一例を示す図である。 第1変形例に係る熱転写装置のブロック図である。 第2変形例に係る熱転写装置のブロック図である。 画素の階調とデューティー値との関係を示す図である。 箔転写用ツールの速度とリミット値との関係を示す図である。 画素の階調と供給エネルギーとの関係を示す図である。 第1水平位置を示す平面図である。 第2水平位置を示す平面図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、熱転写装置10を示す斜視図である。図2は、熱転写装置10を模式的に示す一部破断斜視図である。図3は、ヘッド移動機構および保持台70を模式的に示す左側面図である。以下の説明では、左、右、上、下とは、熱転写装置10の正面にいる作業者(ユーザー)が電源スイッチ14aを見た場合の左、右、上、下をそれぞれ意味することとする。また、上記作業者が熱転写装置10に近づく方を後方、遠ざかる方を前方とする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。本実施形態に係る熱転写装置10は、相互に直交する軸をX軸、Y軸およびZ軸としたときに、X軸とY軸とで構成される平面に置かれるものとする。ここでは、X軸は、左右方向に延びる。Y軸は、前後方向に延びる。Z軸は、上下方向に延びる。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、熱転写装置10の設置態様を何ら限定するものではない。
図1に示すように、熱転写装置10は箱状に形成されている。熱転写装置10は、前方が開口されている筐体12と、筐体12内に配置されたヘッド移動機構(第1移動機構30、第2移動機構40(図2参照)、および第3移動機構50により構成)と、ヘッド21と、保持台70とを備えている。筐体12は、底壁14と、左側壁15と、右側壁16と、上壁17と、後壁18(図2参照)とを備えている。筐体12は、例えば鋼板製である。
図2に示すように、左側壁15は、底壁14の左端において上方に延びている。左側壁15は、底壁14に対して垂直に設けられている。右側壁16は、底壁14の右端において上方に延びている。右側壁16は、底壁14に対して垂直に設けられている。後壁18は、底壁14の後端において上方に延びている。後壁18は、左側壁15の後端および右側壁16の後端に接続されている。後壁18には、箱状のケース18aが設けられている。ケース18aには、後述する制御装置100が収容されている。上壁17は、左側壁15の上端、右側壁16の上端および後壁18の上端に接続されている。上壁17には、後述する第1移動機構30の一部が配置されている。底壁14と左側壁15と右側壁16と上壁17と後壁18とに囲まれた領域が、筐体12の内部空間である。
図1に示すように、底壁14には、保持台70が設けられている。保持台70は、熱転写箔82(図3参照)その他の必要なフィルムと被転写物80を保持する部材である。保持台70は、少なくとも熱転写箔82が載置された状態で被転写物80を保持する。ここでは図3に示すように、保持台70は、熱転写箔82と、光吸収フィルム76と、箔固定用フィルム75とが載置された状態で被転写物80を保持する。保持台70は、被転写物80を保持する固定具20と、光吸収フィルム76および箔固定用フィルム75を保持するとともに箔固定用フィルム75によって熱転写箔82を押さえつけて固定するフィルム保持具70Aを備えている。
固定具20は、被転写物80を保持する部材である。固定具20は、例えばバイスである。保持台70には、固定具20が着脱自在に取り付けられている。ただし、固定具20は、保持台70に着脱不能に固定されていてもよい。
被転写物80を構成する材料や形状は、特に限定されない。被転写物80は、例えば、アクリル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂類であってもよいし、普通紙、画用紙、和紙等の紙類、ゴム類や、金、銀、銅、プラチナ、真鍮、アルミ、鉄、チタン、ステンレス等の金属類等であってもよい。
フィルム保持具70Aは、箔固定用フィルム75および箔固定用フィルム75の下方(裏面)に配置された光吸収フィルム76を保持する部材である。図4および図5は、保持台70を模式的に示す平面図である。後述するように保持台70は可動式の保持枠72を備えており、図4は保持枠72が後述のメンテナンス位置MPにあるときの図である。図5は保持枠72が後述の固定位置FPにあるときの図である。フィルム保持具70Aは、支持板71と、保持枠72と、スライドバー73と、ストッパ78とを備えている。
図1に示すように、支持板71は、底壁14に設けられている。支持板71は、平板状に形成されている。スライドバー73は、第1スライドバー73Aおよび第2スライドバー73Bを備えている。第1スライドバー73Aおよび第2スライドバー73Bは、支持板71から上方に延びている。第1スライドバー73Aおよび第2スライドバー73Bは、支持板71の左端部から上方に延びている。第1スライドバー73Aは、第2スライドバー73Bより後方に配置されている。第1スライドバー73Aと第2スライドバー73Bとは平行に配置されている。第1スライドバー73Aの上下方向の長さは、第2スライドバー73Bの上下方向の長さより長い。
保持枠72は、箔固定用フィルム75および光吸収フィルム76を保持する部材である。図1に示すように、保持枠72は、第1スライドバー73Aおよび第2スライドバー73Bに摺動自在に設けられている。保持枠72は、上下方向に移動可能に構成されている。保持枠72は、支持板71より上方に配置されている。図3に示すように、保持枠72には、第1スライドバー73Aが挿入される第1貫通孔72Aと、第2スライドバー73Bが挿入される第2貫通孔72Bとが形成されている。保持枠72を上方に所定量だけ移動させることによって、第2スライドバー73Bを第2貫通孔72Bから抜くことができる。このとき、保持枠72は、第1スライドバー73Aにのみ支持される。これにより、図4に示すように、保持枠72は、第1スライドバー73Aを中心に図4の矢印X1方向および矢印X2方向に回転可能となる。保持枠72は、固定位置FP(図5参照)と、メンテナンス位置MP(図4参照)との間で回転移動可能に構成されている。固定位置FPとは、箔固定用フィルム75によって、熱転写箔82を被転写物80に固定するときの保持枠72の位置である。固定位置FPでは、保持枠72は、固定具20の上方に位置している。保持枠72が固定位置FPに位置するとき、第1スライドバー73Aは第1貫通孔72Aに挿入され、第2スライドバー73Bは第2貫通孔72Bに挿入されている。メンテナンス位置MPとは、保持枠72に保持された箔固定用フィルム75を交換したり、固定具20を保持台70から取り外したり、固定具20に固定された被転写物80を固定具20から取り外したりするときの保持枠72の位置である。保持枠72がメンテナンス位置MPに位置するとき、第1スライドバー73Aは第1貫通孔72Aに挿入され、第2スライドバー73Bは第2貫通孔72Bに挿入されていない。
図5に示すように、保持枠72には、上下方向に貫通する開口72Hが形成されている。開口72Hは、矩形状に形成されている。開口72Hの大きさは、固定具20の大きさより大きい。即ち、開口72Hの左右方向の長さは、固定具20の左右方向の長さより長く、開口72Hの前後方向の長さは、固定具20の前後方向の長さより長い。固定位置FPにおいて、固定具20と開口72Hとは、平面視で重なる。即ち、平面視で開口72Hの内方に固定具20が配置される。
箔固定用フィルム75は、平面視で開口72Hと重なるように保持枠72に保持されている。箔固定用フィルム75は、開口72Hより大きく、平面視で開口72Hの全体と重なるように保持枠72に保持されている。箔固定用フィルム75は、保持枠72の裏面に保持されている。箔固定用フィルム75を保持する方法は特に限定されないが、例えば、両面テープにより保持枠72に保持されている。箔固定用フィルム75の下面には、光吸収フィルム76が固定されている。光吸収フィルム76を箔固定用フィルム75に固定する方法は特に限定されないが、例えば、光を透過する接着剤や両面テープにより固定されている。箔固定用フィルム75は熱転写箔82を上方から押圧するが、押圧力の大部分は保持枠72の重量によるものである。
ストッパ78は、保持枠72の回転を規制する部材である。図1に示すように、ストッパ78は、支持板71から上方に延びる。ストッパ78は、第1スライドバー73Aより後方に配置されている。ストッパ78の上端は、第2スライドバー73Bの上端より上方に位置する。ストッパ78の上端は、例えば、第1スライドバー73Aの上端より上方に位置する。図5に示すように、ストッパ78は、保持枠72が固定位置FPに位置するとき保持枠72が図5の矢印X2方向に回転することを規制する。保持枠72が固定位置FPに位置するとき、ストッパ78は、保持枠72と接触している。保持枠72が固定位置FPに位置するときに、保持枠72を上方に所定量だけ移動させることによって、スライドバー73Bを第2貫通孔72Bから抜くことができる。一方、保持枠72をメンテナンス位置MP(図4参照)から固定位置FPに移動させて、保持枠72がストッパ78に接触した状態では、第2貫通孔72Bと第2スライドバー73Bとが平面視で重なる。このとき、保持枠72を下方に移動させることによって、第2貫通孔72Bに第2スライドバー73Bが挿入される。このように、ストッパ78は、第2貫通孔72Bと第2スライドバー73Bとの位置合わせを行う際に用いられる部材でもある。
箔固定用フィルム75と光吸収フィルム76の接合体は、熱転写箔82を上方から押圧して熱転写箔82を被転写物80に固定している。即ち、被転写物80と各フィルム類は、下から被転写物80、熱転写箔82、光吸収フィルム76、箔固定用フィルム75の順に重ねられている。熱転写箔82は、例えば保持枠72がメンテナンス位置MPにあるときに被転写物80上に載置される。その後、保持枠72が固定位置FPに移動されると、箔固定用フィルム75と光吸収フィルム76の接合体によって熱転写箔82は被転写物80上に固定される。
箔固定用フィルム75は、光吸収フィルム76に比べて、光吸収性が著しく低い素材で形成されている。箔固定用フィルム75は、光透過性を有する。箔固定用フィルム75は、例えば透明である。箔固定用フィルム75は、光吸収フィルム76より強度が高い。箔固定用フィルム75の厚みは、例えば、25μm〜100μm程度である。箔固定用フィルム75の材質は特に限定されない。箔固定用フィルム75は、例えばポリエステルのようなプラスチックフィルムで構成されている。
光吸収フィルム76は、箔転写用ツール60の光源62(図6参照)から照射される所定の波長帯の光(レーザー光)を効率よく吸収して、光エネルギーを熱エネルギーに変換するフィルムである。光吸収フィルム76は、例えばポリイミドのような樹脂で構成されている。光吸収フィルム76は、例えば100〜200℃での耐熱性を有している。
熱転写箔82は、加熱および押圧されることにより、被転写物80の表面に装飾層を転写する箔である。ここでは、熱転写箔82は、箔転写用ツール60の光源62が照射する光のエネルギーによって箔転写を行う。熱転写箔82としては、例えば、熱転写用に一般に市販されている転写箔を特に限定なく用いることができる。熱転写箔82は、一般的には、基材と、装飾層と、接着層とがこの順に積層されている。熱転写箔82における装飾層は、例えば、金箔、銀箔等のメタリック箔や、ハーフメタリック箔、顔料箔、多色印刷箔、ホログラム箔、静電気破壊対策箔等を包含する。なお、本実施形態では、光吸収フィルム76は熱転写箔82と別体であるが、光吸収フィルム76と同等の働きをもつ光吸収材が熱転写箔82内に形成されていてもよい。その場合には、光吸収フィルム76は使用されなくてもよい。光吸収材の厚みは、例えば、1μm〜15μm程度である。
図1に示されるように、フィルム保持具70Aの保持枠72の上面には、突き当て部材90が取り付けられている。突き当て部材90は、箔転写用ツール60の先端に保持されるべき押圧体66(図6参照)が実際に保持されているかどうかを確認するための部材である。図5に示すように、突き当て部材90は、上方を向くとともに箔転写用ツール60の可動範囲内に配置された検査面91Cを有している。保持枠72が固定位置FPに位置するとき、検査面91Cは、箔転写用ツール60の可動範囲内に配置されている。突き当て部材90は、プレート91と図示しないスペーサとを備えている。プレート91は平板状の部材である。プレート91は、図5に示すように、保持枠72の第1貫通孔72Aおよび第2貫通孔72Bの側に固定された固定部91Aと、固定部91Aから保持枠72の開口72Hの方に折れ曲がった検査部91Bとを有している。図5に示すように、保持枠72が固定位置FPにあるとき、検査部91Bの先端部は、平面視において開口72Hと一部が重なっている。検査部91Bの先端部の上面が検査面91Cである。検査面91Cは、平面視において主に開口72Hの内方に配置された水平面である。プレート91は、図示しないスペーサを介して保持枠72の上方に水平に固定されている。スペーサにより、プレート91は保持枠72の上面から離間している。つまり、プレート91は保持枠72の上面よりも上方に配置されている。
筐体12の内部空間は、被転写物80に熱転写箔82を箔転写する空間である。内部空間には、ヘッド21と、ヘッド21を三次元方向に移動させるヘッド移動機構とが設けられている。ヘッド移動機構は、ヘッド21をZ軸方向に移動させる第1移動機構30と、ヘッド21をY軸方向に移動させる第2移動機構40と、ヘッド21をX軸方向に移動させる第3移動機構50とを備えている。ヘッド21は、第1移動機構30、第2移動機構40および第3移動機構50により、保持台70に対して相対的に移動可能に構成されている。第1移動機構30、第2移動機構40および第3移動機構50は、いずれも底壁14よりも上方に配置されている。
第1移動機構30は、ヘッド21に搭載された箔転写用ツール60を保持台70に対して鉛直方向に移動させ、箔転写用ツール60によって保持台70上の熱転写箔82を押圧する機構である。図1に示すように、第1移動機構30は、Z軸方向送りネジ棒31と、Z軸方向フィードモータ32と、送りナット33aとを備えるネジ送り機構である。Z軸方向送りネジ棒31は、Z軸に沿って延びている。Z軸方向送りネジ棒31は、螺旋状のネジ溝を有している。Z軸方向送りネジ棒31の上方は、上壁17に固定されている。Z軸方向送りネジ棒31の上端部は、上壁17の下面をZ軸方向に貫通しており、その一部が上壁17の内部に配置されている。Z軸方向送りネジ棒31の下端部は、フレーム14d(図3も参照)に回転自在に支持されている。フレーム14dは、底壁14上に固定されている。Z軸方向フィードモータ32は、電動モータである。Z軸方向フィードモータ32は、制御装置100(図2参照)に接続されている。Z軸方向フィードモータ32は、上壁17に固定されている。Z軸方向フィードモータ32の駆動軸は上壁17の下面をZ軸方向に貫通しており、その一部が上壁17の内部に配置されている。上壁17の内部において、Z軸方向送りネジ棒31は、Z軸方向フィードモータ32に連結されている。Z軸方向フィードモータ32は、Z軸方向送りネジ棒31を回転させる。
図2に示すように、Z軸方向送りネジ棒31には、ネジ山を有する送りナット33aが噛合っている。送りナット33aは昇降ベース33と連結されている。送りナット33aは、昇降ベース33の上面をZ軸方向に貫通している。昇降ベース33は、送りナット33aを介してZ軸方向送りネジ棒31に支持されている。昇降ベース33は、底壁14と平行に設けられている。左側壁15と右側壁16との内側には、それぞれZ軸方向に延びるスライドシャフト33b、33cが設けられている。スライドシャフト33b、33cは、Z軸方向送りネジ棒31と平行に配置されている。スライドシャフト33b、33cには、昇降ベース33がZ軸方向に摺動可能に設けられている。Z軸方向フィードモータ32が駆動されると、昇降ベース33は、Z軸方向送りネジ棒31の回転により、スライドシャフト33b、33cに沿って上下方向に移動する。ここで、第2移動機構40および第3移動機構50は、昇降ベース33に連結されている。このため、第2移動機構40および第3移動機構50は、昇降ベース33の上下方向への移動に伴って上下方向に一体的に移動する。
図2に示すように、第2移動機構40は、ヘッド21をY軸方向(前後方向)に移動させる機構である。第2移動機構40は、Y軸方向送りネジ棒41と、Y軸方向フィードモータ42と、送りナット43とを備えるネジ送り機構である。Y軸方向送りネジ棒41は、Y軸に沿って延びている。Y軸方向送りネジ棒41は、昇降ベース33に設けられている。Y軸方向送りネジ棒41は、螺旋状のネジ溝を有している。Y軸方向送りネジ棒41の後端部は、Y軸方向フィードモータ42に連結されている。Y軸方向フィードモータ42は、電動モータである。Y軸方向フィードモータ42は、制御装置100に接続されている。Y軸方向フィードモータ42は、昇降ベース33の後方に固定されている。Y軸方向フィードモータ42は、Y軸方向送りネジ棒41を回転させる。Y軸方向送りネジ棒41のネジ溝には、ネジ山を有する送りナット43が噛合っている。昇降ベース33には、Y軸方向に延びる一対のスライドシャフト43b、43cが設けられている。2本のスライドシャフト43b、43cは、Y軸方向送りネジ棒41と平行に配置されている。スライドシャフト43b、43cには、スライドベース44がY軸方向に摺動可能に設けられている。Y軸方向フィードモータ42が駆動されると、スライドベース44は、Y軸方向送りネジ棒41の回転により、スライドシャフト43b、43cに沿って前後方向に移動する。
図1に示すように、第3移動機構50は、ヘッド21をX軸方向(左右方向)に移動させる機構である。第3移動機構50は、X軸方向送りネジ棒51と、X軸方向フィードモータ52とを備えるネジ送り機構である。X軸方向送りネジ棒51は、X軸に沿って延びている。X軸方向送りネジ棒51は、スライドベース44の前方に設けられている。X軸方向送りネジ棒51は、螺旋状のネジ溝を有している。X軸方向送りネジ棒51の一端は、X軸方向フィードモータ52に連結されている。X軸方向フィードモータ52は、電動モータである。X軸方向フィードモータ52は、制御装置100(図2参照)に接続されている。X軸方向フィードモータ52は、スライドベース44の前方に延びた右側壁面に固定されている。X軸方向フィードモータ52は、X軸方向送りネジ棒51を回転させる。X軸方向送りネジ棒51のネジ溝には、ヘッド21に設けられた送りナット(図示せず)が噛合っている。スライドベース44の前方には、X軸方向に延びる一対のスライドシャフト54b、54cが設けられている。2本のスライドシャフト54b、54cは、X軸方向送りネジ棒51と平行に配置されている。スライドシャフト54b、54cには、ヘッド21がX軸方向に摺動可能に設けられている。X軸方向フィードモータ52が駆動されると、ヘッド21は、X軸方向送りネジ棒51の回転により、スライドシャフト54b、54cに沿って左右方向に移動する。第2移動機構40および第3移動機構50は、水平移動機構を構成している。水平移動機構は、ヘッド21に搭載された箔転写用ツール60を保持台70に対して水平方向に移動させる機構である。
ヘッド21は、箔転写用ツール60を搭載する部材である。図6は、ヘッド21付近の構成を模式的に示す縦断面図である。図6に示すように、ヘッド21は箔転写用ツール60を搭載している。また、図3に示されているように、本実施形態では、ヘッド21は、保持台70上の画像を取得可能なカメラ25を搭載している。
箔転写用ツール60は、被転写物80上に載置された熱転写箔82を押圧すると共に、熱転写箔82に熱を供給する光を照射する部材である。箔転写用ツール60は、保持台70よりも上方に配置されている。箔固定用フィルム75に照射された光は、箔固定用フィルム75を透過して、光吸収フィルム76に照射される。箔転写用ツール60は、箔転写用ツール60は、光源62と、ペン本体61と、ペン本体61の下方の端部に固定された押圧体66とを備えている。
光源62は、熱転写箔82に与えるエネルギーを生成する部材である。光源62は、熱転写箔82の光吸収層や光吸収フィルム76に対して熱源となる光を供給する。光源62は、筐体12の内部に配置されている。熱転写箔82の光吸収層や光吸収フィルム76に供給された光は、光吸収層や光吸収フィルム76において熱エネルギーに変換されて熱転写箔82を加熱する。本実施形態における光源62は、レーザーダイオード(LD)および光学系等により構成されている。光源62は、制御装置100に接続されている。光源62からのレーザー光の照射(オン)および停止(オフ)の切り替えや、レーザー光のエネルギーの調整等は制御装置100により行われる。光源62は、熱転写箔82に与えるエネルギーを調整可能に構成されている。レーザー光は応答速度が速いため、光の照射と非照射との切り換えはもちろんのこと、上記レーザー光のエネルギー等の変更を瞬時に行うことができる。これにより、所望の性状を備えるレーザー光を熱転写箔82の光吸収層や光吸収フィルム76に照射することができる。
ペン本体61は、長尺の円筒形状に形成されている。ペン本体61は、長手方向が上下方向Zに一致するように配置されている。ペン本体61の軸心は、上下方向に延びている。ペン本体61の内部には、光ファイバ64と、フェルール65とが収容されている。また、ペン本体61は後述するホルダ68を有している。ホルダ68は、ペン本体61の下端部に取り付けられている。
光ファイバ64は、光源62から照射された光を伝送するファイバ状の光伝送媒体である。光ファイバ64は、光が通過するコア部(図示せず)と、コア部の周囲を覆い光を反射させるクラッド部(図示せず)とを備えている。光ファイバ64は、光源62に接続されている。光ファイバ64は、上方側の端部e1がペン本体61の外部に延出されている。光ファイバ64の端部e1は、光源62に付属のコネクタ62aに挿入されている。このような構成によって、光ファイバ64は、光損失を低く抑えた状態で光源62に接続される。光ファイバ64の下方側の端部e2には、フェルール65が装着されている。フェルール65は、円筒形の光接合用部材である。フェルール65には、円筒軸に沿って貫通穴65hが設けられている。光ファイバ64の端部e2は、フェルール65の貫通穴65hに挿入されている。
ペン本体61にはホルダ68が備えられている。ホルダ68は、押圧体66をペン本体61の下端の所定の位置に保持する保持部材である。ホルダ68は、箔転写用ツール60の下端に配置されている。また、ホルダ68は、その下端68aよりも下方に押圧体66の一部が突出するように押圧体66を保持している。押圧体66は、ホルダ68に着脱可能に設けられている。
押圧体66は、熱転写箔82を押圧するとともに、熱転写箔82にエネルギーを伝える部材である。押圧体66は、箔固定用フィルム75および光吸収フィルム76を介して、間接的に熱転写箔82を押圧している。押圧体66は硬質な材料から構成されている。押圧体66の硬度は厳密には限定されないものの、例えば、ビッカース硬さで100Hv0.2以上(例えば、500Hv0.2以上)の材料により構成される。押圧体66は、例えば、ガラスにより構成することができる。本実施形態における押圧体66は、合成石英ガラスにより構成されている。押圧体66は球体状に形成されている。また、押圧体66は、光源62から発せられる光を透過する材料から形成されている。押圧体66は、ホルダ68において、レーザー光の光路LL上に保持されている。そこで、光源62から照射されたレーザー光は、押圧体66を透過して、光吸収フィルム76に達する。即ち、押圧体66は、光源62から照射されたレーザー光のエネルギーを光吸収フィルム76を介して熱転写箔82に伝達する。
また、ホルダ68は、ペン本体61の下端においてフェルール65を所定の位置に保持する保持部材でもある。ホルダ68は、キャップ形状を有している。ホルダ68の上部の形状はペン本体61に対応した外径の円筒形状である。ホルダ68の下部には、ペン本体61よりも外径が小さい円筒状の突部68gが設けられている。突部68gには、円筒形の凹部であるフェルール保持部68fが設けられている。フェルール保持部68fは、フェルール65の外径に対応する内径を備えている。フェルール保持部68fには、フェルール65の下端が収容されている。
ホルダ68には、上下方向に貫通する開孔部OPが形成されている。光ファイバ64の端部e2のコア部は、開孔部OPを介して外部に露出している。即ち、下面視で、光ファイバ64の端部e2のコア部は、開孔部OPと重なる。これにより、ホルダ68は、レーザー光の光路LLに干渉しない。その結果、光源62から照射されたレーザー光をペン本体61の下端から外部に出射することができる。
ヘッド21には、保持台70上の画像を取得可能なカメラ25(図3参照)が搭載されている。カメラ25は、被転写物80に箔転写されたテストパターンおよびバーコード(いずれも後述)の画像を取得するための部材である。カメラ25は、テストパターンの画像を取得する撮像装置の機能と、バーコードを読み取るバーコード読み取り装置の機能を備えている。本実施形態では、カメラ25はヘッド21に搭載されているが、他の場所でもよい。例えば、カメラ25は熱転写装置10に外付けされたユニットであってもよい。その場合、被転写物80は、例えば着脱可能な固定具20に固定されたままカメラ25の撮像範囲に運搬されうる。
図6に示されるように、ヘッド21は、ヘッド本体22と、係合部材23と、検知機構24とを備えている。ヘッド本体22は、箔転写用ツール60およびカメラ25を保持する部材である。係合部材23は、第3移動機構50に係合している部材である。ヘッド本体22は、係合部材23に検知機構24のスライド機構24A(後述)を介して係合している。検知機構24は、箔転写用ツール60を搭載したヘッド本体22が上方に向かって押圧されたことを検知する部材である。ヘッド本体22が上方に向かって押圧される場合とは、例えば箔転写用ツール60が下降して、下端が何らかの物体に突き当たる場合である。上記物体は、例えば突き当て部材90や被転写物80である。
係合部材23は、第3移動機構50に係合している。第3移動機構50は、係合部材23を介してヘッド21をX軸方向に移動させる。係合部材23は、第3移動機構50のネジ棒51に係合する送りナット(図示せず)と、スライドシャフト54b、54cに係合するブッシュ(図示せず)とを備えている。係合部材23の前面には、検知機構24が取り付けられている。検知機構24は、ヘッド本体22およびその搭載物を上下方向に移動可能に保持するスライド機構24Aと、箔転写用ツール60がスライド機構24Aに対して上方に移動されたことを検知するセンサ24Bとを備えている。スライド機構24Aは、2本のスライドシャフト24A1と、スプリング機構24A2とを備えている。スライドシャフト24A1は、上下方向に延びている。スライドシャフト24A1には、ヘッド本体22が係合している。ヘッド本体22は、スライドシャフト24A1に沿って上下方向に移動できるように構成されている。スライドシャフト24A1は、箔転写用ツール60を搭載したヘッド本体22を上下方向に移動可能に保持する部材である。スライド機構24Aにおいて、ヘッド本体22の上方には、スプリング機構24A2が配置されている。スプリング機構24A2はスプリングを備えている。スプリング機構24A2においてスプリングは圧縮されて配置されており、スプリング機構24A2は、スプリングの復元力によってヘッド本体22を下方に押圧している。ヘッド本体22は、このスプリング機構24A2の押圧力以上の押圧力で上方に押し上げられない場合には、係合部材23に対して上方に移動しないように構成されている。
ヘッド本体22は、突起22Aを備えている。本実施形態では、突起22Aは、ヘッド本体22の右側の側面に設けられている。突起22Aは、上方に向かって延びる腕状の部位である。突起22Aの上端の近傍には、検知機構24のセンサ24Bが配置されている。センサ24Bは、箔転写用ツール60を搭載したヘッド本体22が上方に移動したことを検知する部材である。センサ24Bは、例えばスイッチを備えたメカ式のセンサである。ただし、センサ24Bはメカ式のセンサでなくともよく、例えば光電センサなどでもよい。センサ24Bは、外部に突出したスイッチ部24B1を備えている。第1移動機構30によってヘッド21を下降させたとき、ヘッド本体22の下方に何らかの物体があれば、ヘッド本体22はその物体に突き当たる。ヘッド本体22が物体に突き当たった状態から第1移動機構30がさらにヘッド21をスプリング機構24A2の弾性力以上の力で下降させると、ヘッド本体22はスライドシャフト24A1に沿って上方に移動する。突起22Aは、ヘッド本体22が係合部材23に対して一定距離上方に移動するとセンサ24Bのスイッチ部24B1を押下するように構成されている。本実施形態に係るセンサ24Bは、スイッチ部24B1が押下されるとONする。センサ24Bは制御装置100に接続されており、制御装置100はセンサ24BがONすることにより箔転写用ツール60が何らかの物体に突き当たって、その物体を押圧していることを検知する。
熱転写装置10の全体の動作は、制御装置100によって制御されている。図7は、本実施形態に係る熱転写装置10のブロック図である。図7に示されるように、制御装置100は、Z軸方向フィードモータ32、Y軸方向フィードモータ42、X軸方向フィードモータ52、光源62、カメラ25と通信可能に接続されており、それらを制御可能に構成されている。また、制御装置100は、センサ24Bと接続され、センサ24Bからの信号を受信している。制御装置100は、典型的にはコンピュータである。制御装置100は、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器からの印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムを格納したROMと、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAMと、上記プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置とを備えている。
図7に示すように、制御装置100は、第1フィード制御部101と、第2フィード制御部102と、第3フィード制御部103と、電流調整部110と、テスト部120と、条件設定部130と、出力調整部140と、保持確認部150と、転写制御部160とを備えている。
第1フィード制御部101は、Z軸方向フィードモータ32を制御することにより、第1移動機構30の動作を制御する部位である。ヘッド21およびヘッド21に搭載された箔転写用ツール60等のZ軸方向の動きは、第1フィード制御部101が制御している。
第2フィード制御部102は、Y軸方向フィードモータ42を制御することにより、第2移動機構40の動作を制御する部位である。ヘッド21およびヘッド21に搭載された箔転写用ツール60等のY軸方向の動きは、第2フィード制御部102が制御している。
第3フィード制御部103は、X軸方向フィードモータ52を制御することにより、第3移動機構50の動作を制御する部位である。ヘッド21およびヘッド21に搭載された箔転写用ツール60等のX軸方向の動きは、第3フィード制御部103が制御している。
電流調整部110は、光源62を光らせる際に光源62に流す電流を調整する部位である。本実施形態に係る熱転写装置10においては、光源62に流す電流値は、転写条件に関わらず一定である。本実施形態では、電流値の調整は、光源62の個体差を調整するために行われる。電流調整部110は、光源62の個体差による転写品質のばらつきを抑えるために、光源62に流す電流を調整する部位である。電流調整部110は、電流制御部111と、登録部112を備えている。登録部112は、光源62に流す電流値を登録する部位である。電流制御部111は、光源62に流す電流を登録部112に登録された電流値に制御する部位である。なお、詳しくは後述するが、光源62が照射する光の出力値は、光を照射する時間によって調整されている。この光を照射する時間は、出力調整部140が制御している。
テスト部120は、光源62に流す電流値を決定するためのテストパターンを箔転写する作業を制御するとともに、箔転写された複数のテストパターンの中から好適な1つを選定する部位である。テスト部120は、テストパターン作成部121と、バーコード作成部122と、撮像指令部123と、選定部124と、読み込み指令部125とを備える。テストパターン作成部121は、複数のテストパターンを被転写物80に箔転写させる部位である。複数のテストパターンは、それぞれ異なる電流値に調整されている。テストパターンの形状その他については後述する。バーコード作成部122は、複数のテストパターンのそれぞれに対応する複数のバーコードを被転写物80に箔転写させる部位である。複数のバーコードには、それぞれ、対応するテストパターンを箔転写するときの電流値が書き込まれている。撮像指令部123は、カメラ25を制御して保持台70上の画像を撮影させる部位である。ここでは、撮像指令部123は、被転写物80に箔転写された複数のテストパターンおよび複数のバーコードの画像を取得させる。選定部124は、カメラ25が取得した画像に基づいて、好適な1つのテストパターンを選定する部位である。読み込み指令部125は、選定部124が選定したテストパターンに対応するバーコードを、バーコード読み取り装置としてのカメラ25に読み込ませる部位である。読み込み指令部125が読み込ませたバーコードに書き込まれた電流値は、電流調整部110の登録部112において、その機体において使用する電流値として登録される。
条件設定部130は、箔転写における画素の階調および箔転写用ツール60の移動速度を設定する部位である。条件設定部130は、階調設定部131と、速度設定部132とを備えている。階調設定部131では、箔転写における画素の階調が設定される。速度設定部132では、箔転写において箔転写用ツール60を移動させる速度(走査速度)が設定される。
出力調整部140は、光源62を制御して熱転写箔82に照射する光のエネルギーを調整する部位である。出力調整部140は、第1演算部141と、第2演算部142と、設定部143と、パルス調整部144とを備えている。第1演算部141、第2演算部142、設定部143は、画素1つ当たりに供給するエネルギーを設定するための演算を行う部位である。設定部143は、第1演算部141および第2演算部142がそれぞれ演算したデューティー値およびリミット値(いずれも後述)に基づいて、画素1つ当たりに供給するエネルギーを設定する。この演算の方法については後述する。パルス調整部144は、設定部143による設定を受けて、画素1つ当たりに供給するエネルギーを、光の照射時間によって調整する部位である。詳しくは、パルス調整部144は、光源62にパルスで電源を供給し、パルスの調整によって光源62の出力を調整する。
保持確認部150は、箔転写を行う前にホルダ68が押圧体66を保持しているかを確認するとともに、保持していない場合には警告を発する部位である。押圧体66はホルダ68に着脱可能であり、ホルダ68が押圧体66を保持していない状態で箔転写を行っても箔転写が良好にされないおそれが大きい。そこで、保持確認部150は、箔転写の前に押圧体66がホルダ68に保持されているかどうかの確認を実施する。保持確認部150は、第1位置記憶部151と、第2位置記憶部152と、第1測定部153と、第2測定部154と、判定部155と、警告部156とを備えている。第1位置記憶部151は、第1水平位置を記憶している。第1水平位置は、ホルダ68における押圧体66の保持位置が突き当て部材90の検査面91Cの上方にくるような第2移動機構40および第3移動機構50の位置である。第2位置記憶部152は、第2水平位置を記憶している。第2水平位置は、ホルダ68における押圧体66の保持位置が検査面91Cの外側にくるとともに、ホルダ68の下端68aのうち押圧体66の保持位置以外の部分が検査面91Cの上方にくるような第2移動機構40および第3移動機構50の位置である。第1測定部153は、第1水平位置において箔転写用ツール60が突き当て部材90の検査面91Cに突き当った高さを測定する部位である。第2測定部154は、第2水平位置において箔転写用ツール60が突き当て部材90の検査面91Cに突き当った高さを測定する部位である。箔転写用ツール60が突き当たったかどうかは、センサ24Bの信号により把握される。判定部155は、第1測定部153の測定結果と第2測定部154の測定結果から、ホルダ68に押圧体66が保持されているかどうかを判定する部位である。この高さの測定および押圧体66保持の判定については後述する。警告部156は、判定部155が、ホルダ68が押圧体66を保持していないと判定した場合には警告を発する部位である。
転写制御部160は、箔転写用データに基づき、各部を制御して箔転写を実行させる部位である。箔転写用データとは、ユーザーによって入力される図柄等のデータである。転写制御部160は、それぞれ第2フィード制御部102、第3フィード制御部103を介してY軸方向フィードモータ42、X軸方向フィードモータ52を制御し、箔転写用ツール60を水平方向に移動させる。また、第1フィード制御部101を介してZ軸方向フィードモータ32を制御して、箔転写用ツール60に熱転写箔82を押圧させる。さらに、電流調整部110および出力調整部140を介して光源62を制御し、光吸収フィルム76を介して熱転写箔82を加熱する。
箔転写作業においては、まず、保持台70に被転写物80、熱転写箔82をセットする。本実施形態では、被転写物80は固定具20に固定され、固定具20が保持台70の所定の位置にセットされる。熱転写箔82は、フィルム保持具70Aの保持枠72に取り付けられた箔固定用フィルム75、光吸収フィルム76に例えば貼付される。熱転写箔82は、保持枠72を固定位置FPに配置することで、被転写物80上に載置された上で固定される。
熱転写箔82が被転写物80に固定された状態で、制御装置100の転写制御部160は、箔転写用データに基づいて箔転写を実行する。転写制御部160は、Z軸方向フィードモータ32を駆動して、箔転写用ツール60の押圧体66に熱転写箔82他を押圧させる。また、転写制御部160は、Y軸方向フィードモータ42とX軸方向フィードモータ52とを駆動して、箔転写用ツール60を水平方向に移動させる。同時に、転写制御部160は、箔転写用データに基づいて、所定のタイミングで光源62を作動させる。このとき、光吸収フィルム76のうち、箔固定用フィルム75を透過して光源62のレーザー光が照射された部分では、光吸収フィルム76がレーザー光を吸収して光エネルギーを熱エネルギーに変換する。これにより、光吸収フィルム76が発熱し、その熱が熱転写箔82の接着層に伝導する。これにより接着層が軟化し、接着性を発現する。接着層は、装飾層と被転写物80との表面に付着し、装飾層と被転写物80とを密着させる。その後、箔転写用ツール60が移動するか、光源62からのレーザー光の照射が停止されるかして、当該照射部分への光エネルギーの供給は終了する。すると接着層は放熱により冷却されて、硬化する。これにより、装飾層と被転写物80の表面とが固着され、当該部分における箔転写が完成する。この作業を水平方向の位置を変えて続けることにより、被転写物80への箔転写が完成する。
本実施形態に係る熱転写装置10は、上記したような被転写物80への箔転写の前に実行する機体の調整、設定および確認作業に特徴を有している。具体的には、光源62に流す電流値の調整、箔転写における画素の階調および箔転写用ツール60の走査速度に応じた光源62の出力の設定、および押圧体66の保持確認に特徴を有している。以下では、上記箔転写の前の作業それぞれについて詳しく説明する。
(電流値の設定)
本実施形態に係る熱転写装置10は、機体の初期設定の1つとして光源62に流す電流値の調整を行いうるように構成されている。本実施形態に係る光源62はレーザーダイオードであるが、一般にレーザーダイオードは個体により出力のバラつきを持っている。言い換えれば、同じ電流値で電流を流すと、レーザーダイオードは個体により異なる出力の光を照射する。そこで、転写品質の安定のために、光源62の出力を揃えるように電流値の方を調整することが考えられる。本実施形態では、被転写物80に箔転写するテストパターンを利用して好適な電流値を設定する。
図8は、本実施形態に係る熱転写装置10によって箔転写されるテストパターンの一例を示す図である。図8に示すように、本実施形態では、10個のテストパターンP1〜P10を被転写物80に箔転写する。複数のテストバターンP1〜P10は、それぞれ異なる電流値の電流を光源62に流して箔転写されたものである。ここでは、第1のテストパターンP1が最も小さい電流で箔転写されたものであり、以下、第2のテストパターンP2、第3のテストパターンP3と進むごとに電流値が大きくなっている。第10のテストパターンP10において、光源62に流す電流値は一番大きい。テストパターンP1〜P10は、被転写物80において規則正しく配置されている。詳しくはP1〜P5までが等間隔を空けて一列に並び、列を変えてP6〜P10までが一列に並んでいる。テストパターンP1〜P10は、いずれも四角形の塗り潰しパターンであり、電流値以外は同じ条件で箔転写されている。
10個のテストパターンP1〜P10の前方(図8における下)には、それぞれ1つの二次元バーコードB1〜B10が箔転写されている。10個のテストパターンP1〜P10と10個のバーコードB1〜B10とは、10組のペアをなしている。即ち、第1のテストパターンP1と第1のバーコードB1とは対応しており、ペアをなしている。第2のテストパターンP2と第2のバーコードB2とは対応しており、ペアをなしている。以下同様に、第10のテストパターンP10と第10のバーコードB10まで10組のペアをなしている。1つのテストパターンに対応するバーコードには、そのテストパターンの箔転写において光源62に流された電流値が記載されている。例えば、第1のバーコードB1には、第1のテストパターンP1の箔転写において光源62に流された電流値が記載されている。
図8に示されるような複数のテストパターンとバーコードのペアは、制御装置100のテスト部120の制御に基づいて箔転写される。テスト部120のテストパターン作成部121は、光源62、第1移動機構30、第2移動機構40、および第3移動機構50を制御してテストパターンP1〜P10を被転写物80の所定の位置に箔転写させる。テスト部120のバーコード作成部122は、第1移動機構30、第2移動機構40、および第3移動機構50を制御して被転写物80の所定の位置にバーコードB1〜B10を箔転写させる。
箔転写された複数のテストパターンP1〜P10および、それらに対応するバーコードB1〜B10は、テスト部120の撮像指令部123の指令に基づいて、カメラ25によって撮影される。これにより、テストパターンP1〜P10およびバーコードB1〜B10が画像として制御装置100に取り込まれる。本実施形態では、この取り込まれた画像をもとに、テスト部120の選定部124によって、1つの好適なテストパターンが選定される。
テストパターンの画像をもとに1つのテストパターンを選定する方法は種々考え得るが、本実施形態では、欠け、かすれ等が最も少ないテストパターンを最適なテストパターンとして選定する。ここでは、選定部124は、10個のテストパターンP1〜P10のそれぞれについて輝度分布を測定する。そして、所定の輝度値よりも低い輝度値を示す部分が最も少ないテストパターンを選定する。即ち、本実施形態に係る選定部124は、テストパターンの内部において所定の輝度値以上の輝度値を示す部分を良好に箔転写された部分であると判定する。一方、所定の輝度値よりも低い輝度値を示す部分を欠け、かすれ等が発生した部分であると判定する。そこで、測定された輝度値が所定の輝度値を下回る部分の面積が最も小さいテストパターンが、欠け、かすれ等の最も少ないテストパターンと判定される。
選定部124によって1つの好適なテストパターンが選定されると、テスト部120の読み込み指令部125は、選定されたテストパターンに対応するバーコードをバーコード読み取り装置としてのカメラ25に読み込ませる。ここでは、バーコードの読み取りとは、バーコードに書き込まれた内容を読み出すことを含み、カメラ25は既に当該バーコードを含むテストパターンおよびバーコードの全体を画像として取り込み済みなので、このステップにおけるバーコードの読み取りは、当該バーコードの内容を読み出すことを意味する。バーコードの内容は、そのバーコードに対応するテストパターンを箔転写した際の電流値である。その後、電流調整部110の登録部112は、読み込み指令部125が読み込ませた電流値を、その機体で使用する電流値として登録する。
上記のように、本実施形態に係る熱転写装置10によれば、光源62の個別の特性に合わせて光源62に流す電流値を調節でき、転写品質を安定させることができる。
(電流調整の第1変形例)
上記した光源62に流す電流値の調節は、いくつかの変形例において実施することも可能である。例えば1つの変形例では、複数のテストパターンの中から1つのテストパターンを選定する作業は、使用者等が実施する。そのため、本変形例に係る熱転写装置は、テストパターンの画像を取り込むカメラ等を備えなくともよく、バーコード読み取り装置を備えていればよい。
図9は、本変形例に係る熱転写装置10のブロック図である。図9に示されるように、本変形例に係る熱転写装置10は、バーコード読み取り装置25Aを備えている。バーコード読み取り装置25Aは、例えばバーコードリーダーである。本変形例では、熱転写装置10は、カメラ25を備えていない。また、制御装置100には、撮像指令部123および選定部124が備えられていない。このように、1つの好適な変形例によれば、熱転写装置10は、カメラ25、撮像指令部123、選定部124などを備えなくともよい。読み込み指令部125は、バーコード読み取り装置25Aにバーコードを読み取るよう指示する操作画面を例えばコンピュータの表示装置などに表示させる。使用者等は、例えば自らの目視等によって選定したテストパターンに対応するバーコードにバーコード読み取り装置25Aを接近させるとともに、この操作画面を操作する。この操作画面の操作により読み込み指令部125は、選定されたバーコードに書き込まれた電流値を読み込む。複数のテストパターンおよびそれらに対応する複数のバーコードを被転写物80に箔転写するプロセスは、説明した実施形態と同様である。また、読み込み指令部125によって読み込まれた電流値が登録部112に登録されることも、説明した実施形態と同様である。この変形例によれば、欠け、かすれ等だけでなく、光沢など転写品質を総合的に判断した上で光源62に流す電流値を選定することができる。
(電流調整の第2変形例)
あるいはまた、他の変形例によれば、熱転写箔82が載置された被転写物80ではなく、熱変色シートを利用して光源62に流す電流を調整することができる。図10は、本変形例に係る熱転写装置10のブロック図である。図10に示されるように、本変形例に係る制御装置100のテスト部120は、マスター記憶部126をさらに備えている。マスター記憶部126は、熱変色シートに転写された所定のマスターパターンの輝度を記憶する部位である。また、本変形例に係るテストパターン作成部121およびバーコード作成部122は、熱転写箔82が載置された被転写物80ではなく、熱変色シートに対してテストパターンおよびバーコードの転写を行う。
熱変色シートは、加熱すると加熱された部分が変色するシートである。熱変色シートは、加えられた熱に対応する変色度合を示す。例えば、強く加熱されると濃い変色を示し、弱く加熱されると淡い変色を示す。熱変色シートの変色度合は、画像においては輝度で比較することができる。本変形例に係る選定部124Aは、熱変色シートに転写された複数のテストパターンの画像からそれぞれのテストパターンの輝度を測定し、マスター記憶部126に記憶されたマスターパターンの輝度に最も近い輝度を示すテストパターンを選定するように設定されている。マスターパターンは、好適な印刷品質を示す見本として予め準備されたパターンである。
マスターパターンは、例えば以下のようにして準備される。マスターパターンを準備するに際しては、まず、1つの機体によって複数のテストパターンを被転写物80に箔転写し、例えば第1変形例の場合と同様に、その中から1つのテストパターンを選択する。この選択に当たっては、箔転写における欠けやかすれだけでなく、光沢などを総合的に評価することができる。ただし、その評価方法は特に限定されない。そして、同じ機体を使用して、選択されたテストパターンを箔転写したときの電流値で、熱変色シートに同じテストパターンの転写を行う。この熱転写シートに転写されたテストパターンがマスターパターンである。熱転写シートに転写されたマスターパターンは画像として取り込まれ、輝度が測定される。この輝度がマスター記憶部126に記憶されたマスターパターンの輝度である。
マスターパターンを作製したときの電流値は、マスターパターンを作成した機体に固有の好適値であり、多くの場合、他の機体における好適な電流値ではない。しかしながら、本願発明者の知見によれば、複数の機体においてそれぞれの好適な電流値で熱変色シートに転写した複数のテストパターンは、概ね互いに近い輝度を示す。即ち、別の機体で熱変色シートに転写されたテストパターンであっても、マスターパターンの輝度に近い輝度を示すテストパターンが、概ねその機体において良好なテストパターンである。従って、このような方法によっても、光源62の個別の特性に合わせて光源62に流す電流値を調節することができる。つまり、本変形例に係る熱転写装置10によれば、転写品質を総合的に判断し、かつ自動で、光源62に流す電流値を好適な電流値に調整することができる。
上記した光源62に流す電流値の調整についてまとめると以下のようになる。即ち、ここに開示する熱転写装置は、
熱転写箔が載置された被転写物を保持する保持台と、
前記熱転写箔に与えるエネルギーを調整可能なエネルギー生成部を備え、前記保持台の上方に配置された箔転写用ツールと、
前記箔転写用ツールを前記保持台に対して水平方向に移動させる水平移動機構と、
前記箔転写用ツールを前記保持台に対して鉛直方向に移動させ、前記箔転写用ツールによって前記保持台上の熱転写箔を押圧する鉛直移動機構と、
バーコード読み取り装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記箔転写用ツールと前記水平移動機構と前記鉛直移動機構とを制御して、異なるエネルギーレベルに調整された複数のテストパターンを前記被転写物に転写させるテストパターン作成部と、
前記箔転写用ツールと前記水平移動機構と前記鉛直移動機構とを制御して、前記複数のテストパターンのそれぞれに対応するとともに対応するテストパターンのエネルギーレベルが書き込まれた複数のバーコードを前記被転写物に転写させるバーコード作成部と、
前記バーコード読み取り装置にバーコードを読み込ませる読み込み指令部と、
前記バーコード読み取り装置が読み込んだバーコードに書き込まれたエネルギーレベルを、使用するエネルギーレベルとして登録する登録部と、
を備えている熱転写装置である。
この熱転写装置によれば、機体ごとにエネルギー生成部(上記した各実施形態では光源62)のエネルギーレベル(上記した各実施形態では電流値)を調整し、好適なエネルギーレベルとすることが可能である。この熱転写装置は、上記した実施形態のうち最初の実施形態と第1変形例とを含むものである。
また、2つ目の熱転写装置は、上記した熱転写装置に加えて、
前記保持台上の画像を取得する撮像装置を備え、
前記制御装置は、
前記撮像装置に前記複数のテストパターンの画像を取得させる撮像指令部と、
前記取得された複数のテストパターンの画像に基づいて1つのテストパターンを選定する選定部と、
を備え、
前記読み込み指令部は、前記選定されたテストパターンに対応するバーコードを前記バーコード読み取り装置に読み込ませる熱転写装置である。
この熱転写装置によれば、エネルギー生成部のエネルギーレベルを自動で調整することが可能である。この熱転写装置は、上記した実施形態のうち最初の実施形態を含むものである。
また、3つ目の熱転写装置は、2つ目の熱転写装置に加えて、
前記選定部は、前記複数のテストパターンの輝度分布をそれぞれ測定し、所定の輝度値よりも低い輝度値を示す部分が最も少ないテストパターンを選定する熱転写装置である。
この熱転写装置によれば、エネルギー生成部のエネルギーレベルを自動かつ確実に調整することが可能である。この熱転写装置は、上記した実施形態のうち最初の実施形態を含むものである。
さらに4つ目の熱転写装置は、
熱転写箔が載置された被転写物または熱変色シートを保持する保持台と、
前記熱転写箔または熱変色シートに与えるエネルギーを調整可能なエネルギー生成部を備え、前記保持台の上方に配置された箔転写用ツールと、
前記箔転写用ツールを前記保持台に対して水平方向に移動させる水平移動機構と、
前記箔転写用ツールを前記保持台に対して鉛直方向に移動させ、前記箔転写用ツールによって前記熱転写箔または前記熱変色シートを押圧する鉛直移動機構と、
前記保持台上の画像を取得する撮像装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
熱変色シートに転写された所定のマスターパターンの輝度を記憶するマスター記憶部と、
前記箔転写用ツールと前記水平移動機構と前記鉛直移動機構とを制御して、異なるエネルギーレベルに調整された複数のテストパターンを前記熱変色シートに転写させるテストパターン作成部と、
前記箔転写用ツールと前記水平移動機構と前記鉛直移動機構とを制御して、前記複数のテストパターンのそれぞれに対応するとともに対応するテストパターンのエネルギーレベルが書き込まれた複数のバーコードを前記熱変色シートに転写させるバーコード作成部と、
前記撮像装置に前記複数のテストパターンの画像を取得させる撮像指令部と、
前記複数のテストパターンの画像に基づいて前記複数のテストパターンの輝度をそれぞれ測定し、前記記憶されたマスターパターンの輝度に最も近い輝度を示すテストパターンを選定する選定部と、
前記選定されたテストパターンに対応するバーコードを前記バーコード読み取り装置に読み込ませる読み込み指令部と、
前記バーコード読み取り装置によって読み込まれたバーコードに書き込まれたエネルギーレベルを、前記被転写物に対して使用するエネルギーレベルとして登録する登録部と、
を備えている熱転写装置である。
この熱転写装置によれば、エネルギー生成部のエネルギーレベルを、総合的な評価の上に立ち、かつ自動で調整することが可能である。この熱転写装置は、上記した実施形態のうち第2変形例を含むものである。
なお、上記した4つの熱転写装置は、
前記エネルギー生成部は、光源を備え、
前記熱転写箔は、前記光源が照射する光のエネルギーによって転写を行うように構成されている熱転写装置である。
上記したような方法でエネルギー生成部のエネルギーレベルを調整する熱転写装置は、光で転写する方式において有効である。
さらに、ここに開示する熱転写装置のエネルギーレベル設定方法は、
熱転写箔に与える熱エネルギーを調整可能なエネルギー生成部と、バーコード読み取り装置とを備えた熱転写装置において、使用するエネルギーレベルを設定する方法であって、
異なるエネルギーレベルに調整された複数のテストパターンと、前記複数のテストパターンのそれぞれに対応するとともに対応するテストパターンのエネルギーレベルが書き込まれた複数のバーコードとを被転写物に転写する第1工程と、
前記複数のテストパターンの中から1つのテストパターンを選定する第2工程と、
前記バーコード読み取り装置に、前記選定されたテストパターンに対応するバーコードを読み込ませる第3工程と、
前記バーコード読み取り装置が読み込んだバーコードに書き込まれたエネルギーレベルを、使用するエネルギーレベルとして登録する第4工程と、
を含む熱転写装置のエネルギーレベル設定方法である。
この方法によれば、機体ごとにエネルギー生成部(上記した各実施形態では光源62)のエネルギーレベル(上記した各実施形態では電流値)を調整し、好適なエネルギーレベルとすることが可能である。
なお、上記ではテストパターンは四角形の塗りつぶし図形であったが、テストパターンの形状、大きさ、塗りつぶし等の仕様は適宜に設定されてよい。その数や配置も適宜設定されてよい。また、バーコードはテストパターンとペアであればよく、必ずしもテストパターンと並んで配置されることを要しない。例えば、テストパターンだけを並べて配置し、それらテストパターンの領域の外にバーコードだけを並べて配置してもよい。
(画素の階調および走査速度に応じた出力の調整)
本実施形態に係る熱転写装置10は、箔転写に係る画素の階調と走査速度とに合わせて光源62の出力を調節できるように構成されている。本実施形態では、光源62に流す電流値は機体ごとに固定であり、光源62の出力は、光源62をONさせる時間とOFFさせる時間によって調整される。
本実施形態に係る制御装置100は、条件設定部130を備え、条件設定部130によって箔転写の際の条件を設定できるように構成されている。条件設定部130の階調設定部131では、画素の階調が設定される。画素の階調とは、画素1つ1つの濃さに相当する指標であり、階調を上げようとする(箔転写の濃度を濃くしようとする)ほど、画素1つ1つに供給するエネルギーが多く必要になりうる。本実施形態では、階調は0から255までの256階調に設定可能である。ただし、階調は256階調とは限らず、種々に設定可能である。速度設定部132では、箔転写において水平移動機構が箔転写用ツール60を移動させる走査速度が設定される。ここでは、箔転写用ツール60の走査速度は、第3移動機構50が箔転写用ツール60をX軸方向に移動させる速度である。
出力調整部140は、光源62を制御して、熱転写箔82に照射する光のエネルギーを調整する部位である。出力調整部140は、条件設定部130で設定された箔転写の条件に合わせて光源62の出力を調整する。出力調整部140は、第1演算部141と、第2演算部142と、設定部143と、パルス調整部144とを備えている。第1演算部141は、デューティー値を演算する部位である。デューティー値は、画素1つ当たりに対して演算されるエネルギーであって、画素の階調に伴って増加する(詳しくは後述)。第2演算部142は、リミット値を演算する部位である。リミット値は、画素1つ当たりについて演算されるエネルギーであって、箔転写用ツール60の速度に対して許容されるエネルギーの最大値である(詳しくは後述)。設定部143は、設定された画素の階調および設定された走査速度において、デューティー値がリミット値以下の場合には、画素1つ当たりに供給するエネルギーをデューティー値に設定し、デューティー値がリミット値を上回る場合には、画素1つ当たりに供給するエネルギーをリミット値に設定する。言い換えれば、設定部143は、第1演算部141で演算されたデューティー値と、第2演算部142で演算されたリミット値とを総合して、画素1つ当たりに供給する供給エネルギーを決定する。パルス調整部144は、設定部143による供給エネルギーの設定を受けて、上記供給エネルギーを光の照射時間によって調整する部位である。パルス調整部144は、光源62が所定のタイミングでON/OFFするように、光源62にパルスを送っている。パルス調整部144が供給するパルスにより、光源62は高速でON/OFFする。このON/OFFにより光源62の出力が調整される。
第1演算部141は、デューティー値を演算する部位である。デューティー値は、画素1つ当たりについて演算されるエネルギーであって、画素の階調の増加に伴って増加し、階調の減少に伴って減少するように設定されている。デューティー値は、高い階調で箔転写を行うほど、画素1つ当たりに供給するエネルギーが多く必要であるという考えに基づいて設定されている。ここでは、デューティー値は、以下の演算式によって演算されている。
Du=(Dmax−Dmin)×(PV/PVmax)+Dmin
ここで、Duはデューティー値である。Dmaxは、光源62の出力の最大値である。Dminは、光源62の出力の実用上の最小値である。即ち、最小値Dminは、光源62の出力がそれを下回ると、箔転写自体が不可能になりうる値である。PVは、設定された画素の階調である。PVmaxは階調の最大値であり、ここでは255である。なお、上記した式を以下では適宜「式1」と呼ぶことがある。
図11は、第1演算部141の演算における階調PVとデューティー値Duとの関係を示す図である。即ち、式1をグラフ化したものである。図11の横軸は画素の階調PVである。階調PVの最大値PVmaxは、ここでは255である。図11の縦軸はデューティー値Duである。図11に示されるように、式1をグラフ化したグラフG1は、右上がりの直線をなしている。グラフG1は、階調「0」におけるエネルギーDminから右上がりに延びる直線を描いている。即ち、第1演算部141が演算するデューティー値Duは、階調PVが増加するのに伴って最小値Dminから比例的に増加する。グラフG1に示されているように、デューティー値Duは、階調の最大値PVmaxにおいて最大値Dmaxとなる。
なお、式1における出力の最大値Dmax、最小値Dmin、およびデューティー値Duは、実エネルギーでもよく、例えばDmaxを100%とする相対値でもよい。最大値Dmaxは、例えば、画素1つ当たりに対する光源62の光の照射時間が所定の時間(例えば250μs、周波数4kHzに相当)であるようなエネルギーとして設定される。ただし、光源62の出力の最大値Dmaxの設定の仕方はそれに限定されない。
第2演算部142は、リミット値を演算する部位である。リミット値は、箔転写用ツール60の走査速度に対して許容される、画素1つ当たりのエネルギーの最大値である。即ち、画素1つ当たりに供給してよいエネルギーの上限である。第2演算部142は、箔転写用ツール60がある走査速度のときに、それ以上のエネルギーで光を照射すると不具合が発生するおそれがあるエネルギーをリミット値として規定している。不具合とは、例えば、被転写物80に焦げが発生する等の不具合である。本実施形態では、リミット値は、以下に示す式2によって定義される。
Li=(Lmax−Lmin)×(V/Vmax)+Lmin
ここで、Liはリミット値である。Lmaxは、光源62の出力の上限の最大値である。Lminは、光源62の出力の上限の最小値である。Vは、設定された箔転写用ツール60の走査速度である。Vmaxは箔転写用ツール60の走査速度の最大値である。Vmaxは、例えば20〜30mm/秒である。
図12は、箔転写用ツール60の速度Vとリミット値Liとの関係を示している。即ち、図12は、式2をグラフ化したものである。図12の横軸は、箔転写用ツール60の速度Vである。図12の縦軸は、リミット値Liである。図12に示すように、式2をグラフ化したグラフG2は、右上がりの直線をなしている。グラフG2は、走査速度「0」における上限値Lminから右上がりに延びる直線を描いている。即ち、第2演算部142が演算するリミット値Liは、走査速度Vが増加するのに伴って最小値Lminから比例的に増加する。グラフG2におけるリミット値Liは、最大走査速度Vmaxにおいて最大値Lmaxとなる。つまり、光源62の出力の限界値の最小値Lminは走査速度「0」に対応するものであり、最大値Lmaxは最大走査速度Vmaxに対応するものである。箔転写用ツール60の走査速度Vが速いほど、リミット値Liは高い値を示す。
設定部143は、設定された階調PVおよび箔転写用ツール60の走査速度Vに対して、第1演算部141が演算するデューティー値Duと、第2演算部142が演算するリミット値Liとを総合して、画素1つ当たりに供給する供給エネルギーE(図13参照)を設定する。具体的には、設定部143は、設定された階調PVおよび速度Vにおいて、デューティー値Duがリミット値Li以下の場合には、供給エネルギーEをデューティー値Duに設定し、デューティー値Duがリミット値Liを上回る場合には、供給エネルギーEをリミット値Liに設定する。即ち、リミット値Liを上限としつつ、上限であるリミット値Liに達するまではデューティー値Duを選択する。
図13は、走査速度VがV1の場合における、画素の階調PVと供給エネルギーEとの関係を示す図である。図13の横軸は、階調PVである。図13の縦軸は、設定部143が設定する供給エネルギーEである。図13に示されるように、供給エネルギーEのグラフG3は、階調PVが少ないときには図11のグラフG1と一致しているが、途中から一定値Li1となっている。そのため、グラフG3は、途中で屈折している。図13における出力Li1は、図12におけるリミット値Li1である。図12に示されているように、リミット値Li1は、箔転写用ツール60の走査速度VがV1である場合のリミット値Liである。即ち、グラフG3は、速度V=V1のときのリミット値Li1において屈折し、屈折点における階調PV1よりも大きい階調PV2が設定されても一定の出力値Li1を取り続けている。箔転写用ツール60の速度VがV1に設定されている場合にあっては、設定される供給エネルギーEがリミット値Li1を越えると、被転写物80の焦げなどの不具合が発生するおそれがある。そこで、本実施形態に係る設定部143は、走査速度V1に対応するリミット値Li1を上限に設定し、それ以上光源62の出力を上げないように構成されている。なお、当然ながら、最大階調PVmaxにおいてもデューティー値Duがリミット値Liを下回るような走査速度Vにおいては、画素の階調PVと供給エネルギーEとの関係を示すグラフは屈折せず、右上がりである。
パルス調整部144は、設定部143による設定を受けて、画素1つ当たりに供給するエネルギーを光の照射時間によって調整する。即ち、光源62を作動させるパルスを調整する。例えば、パルス調整部144は、第1の走査速度において第1のパルス数だけパルスを光源62に投入することによって所望のエネルギーを各画素に供給していたとすれば、第1の走査速度のn倍の走査速度が設定されたときには、第1のパルス数のn倍のパルスを光源62に投入することによって、第1の走査速度の場合と同じエネルギーを各画素に供給する。それにより、供給エネルギーがリミット値に達しない範囲においては、走査速度に関わらず、所望の階調で箔転写を行うことができる。
このように、画素1つ当たりに供給する供給エネルギーEを上記のように設定することにより、基本的に所望の階調で箔転写を行うことができ、同時にエネルギーの過剰供給によって被転写物80を傷めてしまうことを防止できる。また、光源62が光を照射する時間を調整することによって供給エネルギーEを調整する方法は、簡易かつ確実である。
上記したような画素の階調の調整についてまとめると以下のようになる。
ここに開示する熱転写装置は、
光を受けて加熱される熱転写箔が載置された被転写物を保持する保持台と、
前記熱転写箔に光を照射する光源を備え、前記保持台の上方に配置された箔転写用ツールと、
前記箔転写用ツールを前記保持台に対して水平方向に移動させる水平移動機構と、
前記箔転写用ツールを前記保持台に対して鉛直方向に移動させ、前記箔転写用ツールによって前記保持台上の熱転写箔を押圧する鉛直移動機構と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
転写における画素の階調が設定される階調設定部と、
前記水平移動機構が前記箔転写用ツールを移動させる速度を設定する速度設定部と、
前記光源を制御して前記熱転写箔に照射する光のエネルギーを調整する出力調整部と、
を備え、
前記出力調整部は、
画素1つ当たりについて演算されるエネルギーであって、画素の階調に伴って増加するように設定されたデューティー値を演算する第1演算部と、
画素1つ当たりについて演算されるエネルギーであって、前記箔転写用ツールの速度に対して許容されるエネルギーの最大値であるリミット値を演算する第2演算部と、
前記設定された画素の階調および前記設定された速度において、前記デューティー値が前記リミット値以下の場合には、画素1つ当たりに供給するエネルギーを前記デューティー値に設定し、前記デューティー値が前記リミット値を上回る場合には、画素1つ当たりに供給するエネルギーを前記リミット値に設定する設定部と、
を備えている熱転写装置である。
このような熱転写装置によれば、基本的にデューティー値でエネルギーを供給することによって所望の階調で箔転写を行いつつ、走査速度に対応した上限(リミット値)を設けることにより、エネルギーの過剰供給によって被印刷物を傷めてしまうことを防止できる。
さらにここに開示する熱転写装置は、上記した熱転写装置に加え、
前記出力調整部は、前記設定部による設定を受けて、画素1つ当たりに供給するエネルギーを光の照射時間によって調整するパルス調整部を備えている熱転写装置である。
このような熱転写装置によれば、簡易かつ確実に画素1つ当たりに与えるエネルギーを調整することができる。
(押圧体保持の確認)
本実施形態に係る熱転写装置10は、ホルダ68が押圧体66を保持しているかを確認するとともに、保持していない場合には警告を発する機能を有する。押圧体66はホルダ68に着脱可能であり、ホルダ68が押圧体66を保持していない状態で箔転写を行っても箔転写が良好にされないおそれが大きい。そこで、本実施形態に係る熱転写装置10は、箔転写の前に押圧体66がホルダ68に保持されているかどうかの確認を実施するように設定されている。なお、ここでは、複数の箔転写用データが一度に入力された場合には、最初の箔転写前に一度実施するように設定されている。
前述したように、押圧体66は、ホルダ68の先端に保持され、一部がホルダ68の下端68aよりも下方に突出している(図6参照)。そこで、押圧体66がホルダ68に保持されている場合、箔転写用ツール60の下端は、図6のように押圧体66の下端66aである。押圧体66がホルダ68に保持されていない場合、箔転写用ツール60の下端は、ホルダ68の下端68aである。本実施形態では、押圧体66の有無の確認に、この押圧体66の下端66aとホルダ68の下端68aとの高さの差を利用する。押圧体66の下端66aとホルダ68の下端68aとの高さの差は、例えば2mm程度である。
制御装置100は、水平方向における2つの位置、即ち第1水平位置と第2水平位置とを記憶している。詳しくは、保持確認部150の第1位置記憶部151は第1水平位置を記憶し、第2位置記憶部152は第2水平位置を記憶している。水平方向の位置とは、具体的には、第2移動機構40および第3移動機構50の位置である。第1水平位置および第2水平位置は、Y軸方向フィードモータ42およびX軸方向フィードモータ52の位置として、それぞれ第1位置記憶部151および第2位置記憶部152に記憶されている。図14および図15は、それぞれ、第1水平位置HP1および第2水平位置HP2を示す平面図である。図14では、第1水平位置HP1に配置されたときの押圧体66およびホルダ68の位置を2点鎖線で図示している。図15では、第2水平位置HP2に配置されたときの押圧体66およびホルダ68の位置を2点鎖線で図示している。図14および図15に示すように、第1水平位置HP1および第2水平位置HP2は、ともにフィルム保持具70Aの保持枠72が固定位置FPに配置されたときの突き当て部材90の近辺に設定されているが、その位置は異なっている。
図14に示すように、第1水平位置HP1は、押圧体66の保持位置が突き当て部材90の検査面91Cの上方にくるような位置である。即ち、第2移動機構40および第3移動機構50が第1水平位置HP1にあるとき、平面視において押圧体66は検査面91Cと重なっている。
一方、図15に示すように、第2水平位置HP2は、押圧体66の保持位置が突き当て部材90の検査面91Cの外側にくるとともに、ホルダ68の押圧体66の保持位置以外の部分が検査面91Cの上方にくる位置である。即ち、第2移動機構40および第3移動機構50が第2水平位置HP2にあるとき、平面視において押圧体66は検査面91Cと重なっておらず、ホルダ68の下端68aが検査面91Cと重なっている。なお、本実施形態では、第2水平位置HP2は、第2移動機構40および第3移動機構50の原点位置に設定されている。これは、第2水平位置HP2において箔転写用ツール60が突き当て部材90に突き当たる高さを測定した後、再度原点位置に復帰させる動作を省くためである。
保持確認部150の第1測定部153は、上記した第1水平位置HP1において箔転写用ツール60が検査面91Cに突き当たる高さ(以下では適宜、第1高さと呼ぶ。)を測定するように設定されている。第1測定部153は、まずY軸方向フィードモータ42およびX軸方向フィードモータ52を制御して、箔転写用ツール60を搭載したヘッド21を第1水平位置HP1に移動させる。その後、Z軸方向フィードモータ32を制御してヘッド21を降下させ、第1高さを測定する。
第1高さは、検知機構24の検知に基づいて測定される。詳しくは、第1高さは、検知機構24のセンサ24B(図6参照)がONしたときのZ軸方向フィードモータ32の位置として第1測定部153に把握される。ホルダ68が押圧体66を保持しており、かつ、ヘッド21が第1水平位置HP1にある状態からヘッド21を降下させると、箔転写用ツール60は押圧体66の下端66aで検査面91Cに突き当たる。そして、さらにそこから、ヘッド本体22の突起22Aがセンサ24Bのスイッチ部24B1を押下する位置までヘッド21を下方に移動させると、センサ24BがONする。第1測定部153は、このときのZ軸方向フィードモータ32の位置を、第1高さとして把握する。
ヘッド21が第1水平位置HP1にあるが、ホルダ68が押圧体66を保持していない場合には、ヘッド21を降下させると、箔転写用ツール60はホルダ68の下端68aで検査面91Cに突き当たる。そして、さらにそれからヘッド本体22の突起22Aがセンサ24Bのスイッチ部24B1を押下する位置までヘッド21を下方に移動させると、センサ24BがONする。第1測定部153は、このときのZ軸方向フィードモータ32の位置を、第1高さとして把握する。このように、第1高さは、ホルダ68が押圧体66を保持している場合と保持していない場合とで異なる高さを示す。
本実施形態では、上記のようにして第1高さが測定された後、ヘッド21が所定の高さだけ上方に移動される。この上方への移動距離は、ヘッド21を第2水平位置HP2まで水平移動させるときに他の部材と干渉しない距離であればよく、例えば10mm程度である。ここから、ヘッド21は第2水平位置HP2に水平移動される。保持確認部150の第2測定部154は、Y軸方向フィードモータ42およびX軸方向フィードモータ52を制御して、箔転写用ツール60を搭載したヘッド21を第2水平位置HP2に移動させる。その後、第2測定部154は、Z軸方向フィードモータ32を制御してヘッド21を降下させ、箔転写用ツール60が検査面91Cに突き当たる高さ(以下では適宜、第2高さと呼ぶ。)を測定する。
第2高さも、第1高さと同様に、検知機構24の検知に基づいて測定される。詳しくは、第2高さは、センサ24BがONしたときのZ軸方向フィードモータ32の位置として第2測定部154に把握される。第2高さの測定においては、ホルダ68が押圧体66を保持している場合、保持していない場合のいずれであっても、箔転写用ツール60はホルダ68の下端68aで検査面91Cに突き当たる。そして、さらにそこから、ヘッド本体22の突起22Aがセンサ24Bのスイッチ部24B1を押下する位置までヘッド21を下方に移動させると、センサ24BがONする。第2測定部154は、このときのZ軸方向フィードモータ32の位置を、第2高さとして把握する。第2高さは、ホルダ68が押圧体66を保持している場合、保持していない場合のいずれにおいても同じである。さらに、第2高さは、ホルダ68が押圧体66を保持していない場合の第1高さと同じである。
判定部155は、上記のようにして測定された第1高さと第2高さとを比較し、その比較からホルダ68が押圧体66を保持しているかどうかを判定する。詳しくは、判定部155は、第1高さと第2高さとを比較し、第1高さと第2高さとの差が所定の値よりも小さい場合にはホルダ68が押圧体66を保持していないと判定し、第1高さと第2高さとの差が所定の値よりも大きい場合にはホルダ68が押圧体66を保持していると判定する。本実施形態の場合には、第1高さと第2高さとが同じ場合にはホルダ68が押圧体66を保持していないと判定する。また、第1高さが第2高さよりも高い場合にはホルダ68が押圧体66を保持していると判定する。前述したように、ここでの第2高さは、ホルダ68が押圧体66を保持していない場合の第1高さと同じである。従って、第1高さと第2高さが同じ場合、ホルダ68は押圧体66を保持していないと判断してよい。一方、ホルダ68が押圧体66を保持している場合の第1高さは、押圧体66の下端66aとホルダ68の下端68aの高さの差だけ第2高さよりも高い。従って、第1高さが第2高さよりも高い場合には、ホルダ68は押圧体66を保持していると判断してよい。なお、上記において、高さが「同じ」という場合には、測定誤差によりわずかな差がある場合を含んでいる。
警告部156は、判定部155がホルダ68が押圧体66を保持していないと判定した場合に警告を発する。警告の方法は特に限定されず、例えばコンピュータの表示器に警告画面を表示するなどの方法で警告するとよい。
ヘッド21は、判定部155の判定に関わらずZ軸方向の可動域の最上部である原点位置に移動される。水平方向については、第2水平位置HP1が原点位置と一致しているため、既に原点復帰している。ホルダ68が押圧体66を保持していないと判定され警告が発せられている場合には、熱転写装置10はここで停止する。ホルダ68が押圧体66を保持していると判定されている場合には、熱転写装置10はここから箔転写を自動で開始する。
なお、本実施形態では、ホルダ68の下端68aは平面であり、押圧体66を保持する部分とその他の部分の高さは同じであったが、同じでなくともよい。例えば、ホルダ68が押圧体66を保持していない場合に第1高さの測定において検査面91Cに突き当たる部分と、第2高さの測定において検査面91Cに突き当たる部分と間に高さの差があってもよい。その場合、判定部155は、第1高さと第2高さとの差が上記突き当たり部の高さの差も繰り込んだ所定の値よりも小さい場合には、ホルダ68が押圧体66を保持していないと判定する。第1高さが前記第2高さとの差が上記突き当たり部の高さの差も繰り込んだ所定の値よりも大きい場合には、前記保持部材が前記押圧体を保持していると判定する。ホルダ68の下端68aが平面であり、押圧体66を保持する部分とその他の部分の高さが同じである場合は、上記した所定の値が「0」の場合である。いずれの場合においても、押圧体66の一部がホルダ68の下端よりも下方に突出していればよい。
このように、本実施形態に係る熱転写装置10は、箔転写用ツール60の可動範囲に上方を向いた検査面91Cを有する突き当て部材90を備え、検査面91Cに箔転写用ツール60が突き当たる高さによってホルダ68に押圧体66が保持されているかどうかを判定する。詳しくは、本実施形態に係る第1測定部153は、押圧体66の保持位置が検査面91Cの上方にくるような第1水平位置HP1において箔転写用ツール60が検査面91Cに突き当たる第1高さを測定する。また、本実施形態に係る第2測定部154は、押圧体66の保持位置が検査面91Cの外側にくるとともに、ホルダ68の下端のうち押圧体66の保持位置以外の部分が検査面91Cの上方にくるような第2水平位置HP2において箔転写用ツール60が検査面91Cに突き当たる第2高さを測定する。そして、判定部155は、第1高さと第2高さとを比較し、第1高さと第2高さとの差が所定の値よりも小さい場合にはホルダ68が押圧体66を保持していないと判定し、第1高さと第2高さとの差が所定の値よりも大きい場合にはホルダ68が押圧体66を保持していると判定する。ホルダ68は、押圧体66の一部がホルダ68の下端68aよりも下端に突出するように押圧体66を保持しているため、このような判定が可能である。このような熱転写装置10によれば、ホルダ68が押圧体66を保持しているかどうかを判定することができる。
また、本実施形態に係る熱転写装置10は、箔転写用ツール60が上方に向かって押圧されたことを検知する検知機構24を備え、第1測定部153は、検知機構24の検知に基づいて第1高さを測定し、第2測定部154は、検知機構24の検知に基づいて第2高さを測定する。さらに詳しくは、検知機構24は、ホルダ68を上下方向に移動可能に保持するスライド機構24Aと、ホルダ68がスライド機構24Aに対して上方に移動したことを検知するセンサ24Bとを備え、センサ24Bによって箔転写用ツール60が突き当て部材90の検査面91Cに突き当たったことを検知する。このような熱転写装置10によれば、検査面91Cへの箔転写用ツール60の突き当たりが直接的に検知されるため、ホルダ68が押圧体66を保持しているかどうかを確実に把握することができる。
さらに本実施形態に係る熱転写装置10は、判定部155がホルダ68が押圧体66を保持していないと判定した場合に警告を発する警告部156を備えている。そのため、使用者等に押圧体66が保持されていないことを知らせることができる。
なお、本実施形態では、押圧体66の保持確認は、箔転写の前に自動で実施されたが、主動で適時実施できてもよい。保持確認のタイミングや頻度は限定されない。保持確認においては、第1高さの測定と第2高さの測定とは順番が逆であってもよい。また、第1水平位置HP1および第2水平位置HP2のいずれかが水平方向の原点位置に設定される必要は必ずしもない。さらに、本実施形態では、第1水平位置HP1および第2水平位置HP2は、Y軸方向フィードモータ42およびX軸方向フィードモータ52の位置から把握されたが、例えばリミットスイッチ等のセンサで把握されてもよい。その場合、第1位置記憶部151および第2位置記憶部152は、それぞれ第1水平位置HP1および第2水平位置HP2を、X軸方向およびY軸方向の所定のセンサが反応する位置として記憶する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。例えば、上記した実施形態では、突き当て部材90は専用の部材として設けられていたが、他の部材と兼用されていてもよい。例えば、保持枠72などを突き当て部材90として利用してもよい。
また、上記した実施形態では、突き当て部材90への箔転写用ツール60の突き当たりは、ヘッド本体22を上下移動可能に保持するスライド機構24Aとセンサ24Bを備えた検知機構24とによって検知されたが、他の機構によってもよい。例えば、圧力センサなどによって箔転写用ツール60による突き当て部材90の押圧が検知されてもよい。
さらに、上記した実施形態では、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動するのは箔転写用ツール60であり、保持台70は不動であったが、それには限定されない。箔転写用ツール60と保持台70との間の移動は相対的なものであり、両者のうちどちらがどの方向に移動するのかは特に限定されない。
上記した実施形態では、エネルギー生成部として光源62が設けられていたが、エネルギー生成部は、直接または間接に熱転写箔にエネルギーを与えるものであり、光源に限定されない。エネルギー生成部は、例えばヒータ等であってもよい。その場合、熱転写装置は、レーザーペンでなく熱ペンを備えていてもよい。
また、上記した実施形態では、熱転写装置は、光源に流す電流値の調整と、画素の階調および箔転写用ツールの速度に応じた光源の出力調整と、押圧体の保持確認とを全て行っていたが、そのうちの1つまたは2つの作業だけを行いうるように構成されていてもよい。光源に流す電流値の調整、階調および箔転写用ツールの速度に応じた光源の出力調整、および押圧体の保持確認は、それぞれ単独に実施しうるものである。
10 熱転写装置
24 検知機構
24A スライド機構(移動機構)
24B センサ
25 カメラ(撮像装置、バーコード読み取り装置)
25A バーコード読み取り装置
30 第1移動機構(鉛直移動機構)
40 第2移動機構(水平移動機構)
50 第3移動機構(水平移動機構)
60 箔転写用ツール
62 光源(エネルギー生成部)
66 押圧体
68 ホルダ(保持部材)
70 保持台
80 被転写物
82 熱転写箔
90 突き当て部材
91C 検査面
100 制御装置
112 登録部
121 テストパターン作成部
122 バーコード作成部
123 撮像指令部
124 選定部
125 読み込み指令部
126 マスター記憶部
131 階調設定部
132 速度設定部
140 出力調整部
141 第1演算部
142 第2演算部
143 設定部
144 パルス調整部
151 第1位置記憶部
152 第2位置記憶部
153 第1測定部
154 第2測定部
155 判定部
156 警告部
P1〜P10 テストパターン
B1〜B10 バーコード
Du デューティー値
Li リミット値
HP1 第1水平位置
HP2 第2水平位置

Claims (5)

  1. 熱転写箔が載置された被転写物を保持する保持台と、
    前記熱転写箔に与えるエネルギーを生成するエネルギー生成部と、前記熱転写箔を押圧するとともに前記熱転写箔にエネルギーを伝える押圧体を保持可能な保持部材とを備え、前記保持台の上方に配置された箔転写用ツールと、
    前記箔転写用ツールを前記保持台に対して水平方向に移動させる水平移動機構と、
    前記箔転写用ツールを前記保持台に対して鉛直方向に移動させ、前記箔転写用ツールによって前記保持台上の前記熱転写箔を押圧する鉛直移動機構と、
    上方を向くとともに前記箔転写用ツールの可動範囲内に配置された検査面を有する突き当て部材と、
    制御装置と、
    を備え、
    前記保持部材は、前記箔転写用ツールの下端に配置されるとともに、前記押圧体の一部が前記保持部材の下端よりも下方に突出するように前記押圧体を保持し、
    前記制御装置は、
    前記押圧体の保持位置が前記検査面の上方にくるような前記水平移動機構の位置である第1水平位置を記憶する第1位置記憶部と、
    前記押圧体の保持位置が前記検査面の外側にくるとともに、前記保持部材の下端のうち前記押圧体の保持位置以外の部分が前記検査面の上方にくるような前記水平移動機構の位置である第2水平位置を記憶する第2位置記憶部と、
    前記水平移動機構を制御して前記箔転写用ツールを前記第1水平位置に移動させた後に、前記鉛直移動機構を制御して、前記箔転写用ツールが前記検査面に突き当たる第1高さを測定する第1測定部と、
    前記水平移動機構を制御して前記箔転写用ツールを前記第2水平位置に移動させた後に、前記鉛直移動機構を制御して、前記箔転写用ツールが前記検査面に突き当たる第2高さを測定する第2測定部と、
    前記第1高さと前記第2高さとを比較し、前記第1高さと前記第2高さとの差が所定の値よりも小さい場合には前記保持部材が前記押圧体を保持していないと判定し、前記第1高さと前記第2高さとの差が所定の値よりも大きい場合には前記保持部材が前記押圧体を保持していると判定する判定部と、
    を備えている、
    熱転写装置。
  2. 前記箔転写用ツールが上方に向かって押圧されたことを検知する検知機構を備え、
    前記第1測定部は、前記検知機構の検知に基づいて前記第1高さを測定し、
    前記第2測定部は、前記検知機構の検知に基づいて前記第2高さを測定する、
    請求項1に記載の熱転写装置。
  3. 前記検知機構は、
    前記保持部材を上下方向に移動可能に保持する移動機構と、
    前記保持部材が前記移動機構に対して上方に移動したことを検知するセンサと、
    を備えている、
    請求項2に記載の熱転写装置。
  4. 前記制御装置は、前記判定部が前記保持部材が前記押圧体を保持していないと判定した場合に警告を発する警告部を備えている、
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱転写装置。
  5. 前記エネルギー生成部は、光源を備え、
    前記熱転写箔は、前記光源が照射する光のエネルギーによって転写を行うように構成されている、
    請求項1〜4のいずれか一つに記載の熱転写装置。
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