JP7301640B2 - 洗浄液及び洗浄方法 - Google Patents
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Description
下記式(1)で表される化合物と、下記式(2)で表される化合物と、水とを含有する洗浄液。
洗浄液の総質量中における、上記式(2)で表される化合物の総含有量が0.2質量%~2質量%である、上記1)に記載の洗浄液。
3)
さらに、有機溶剤を含有する、上記1)又は2)に記載の洗浄液。
4)
有機溶剤が、グリコールエーテルである上記2)に記載の洗浄液。
5)
上記1)~4)のいずれか一項に記載の洗浄液の、インクジェットプリンタの洗浄における使用。
6)
上記1)~4)のいずれか一項に記載の洗浄液により、インクジェットプリンタに付着したインクジェットインクを洗浄する、インクジェットプリンタの洗浄方法。
上記式(1)中、OPは直鎖又は分岐鎖のオキシプロピレン基を、OEはオキシエチレン基を、それぞれ表す。
R1は直鎖又は分岐鎖の通常C1-C30、好ましくはC7-C13、より好ましくはC7-C10、さらに好ましくはC8-C10、特に好ましくはC9アルキル基である。それらの中では直鎖アルキル基が好ましい。
mは1~2の整数を表し、nは通常1~15、好ましくは2~8の整数を表す。m:nの比は1:4または2:4がより好ましい。
m及びnは、いずれも平均値である。このため、本明細書においてm及びnが小数点以下の数値を有するときは、小数点以下1桁目を四捨五入して整数とした数値をm及びnの値とする。
洗浄液の総質量中における、式(1)で表される化合物の含有量は通常0.1%~2%、好ましくは0.5%~1%である。
式(1)で表される化合物は、公知の方法により合成することができる。また、市販品としても入手できる。市販品の具体例としては、例えば、BASF社製のLutensol XL40等が挙げられる。
上記式(2)中、EOはエチレンオキシ基を表わし、POは直鎖又は分岐鎖のプロピレンオキシ基を、それぞれ表す。
m1、n1、及びL1は、それぞれ独立に1以上の整数を表し、その上限は特に限定されないが通常m1が11以上40以下、n1が25以上58以下、L1が11以上40以下;好ましくはm1が11以上39以下、n1が27以上58以下、L1が11以上39以下;より好ましくはm1が13以上37以下、n1が29以上56以下、L1が13以上37以下である。
m1、n1、及びL1は、上記式(3)の条件を有する。上記式(3)において、(m1+L1)/(m1+n1+L1)×100の上限は通常76、好ましくは71、より好ましくは62である。下限は通常27より大きく、好ましくは28以上である。これらの上下限の範囲としては通常27~76、好ましくは28~71、より好ましくは35~62、さらに好ましくは40~60、場合により好ましくは45~60、特に好ましくは47~57である。
m1、n1、及びL1は、いずれも平均値である。このため、本明細書においてm1、n1、及びL1が小数点以下の数値を有するときは、小数点以下1桁目を四捨五入して整数とした数値をm1、n1、及びL1の値とする。
また、本明細書において式(3)の算出結果が小数点以下の数値を有するときは、小数点以下1桁目を四捨五入した数値を算出結果とする。
洗浄液の総質量中における、式(2)で表される化合物の含有量は通常0.2%~2%、好ましくは0.4%~2%である。洗浄液の含有量が、上記の範囲であるとき、均一な溶液の洗浄液が得られ、また、優れた洗浄g能力が得られる。
式(2)で表される化合物は、公知の方法により合成することができる。また、市販品としても入手できる。市販品の具体例としては、例えば、クラリアント社製のGENAPOL PF40、第一工業製薬社製のエパン U―105等が挙げられる。
また、上記式(1)中のOE及びOP;及び、上記式(2)中のEO及びPOが結合する順番はそれぞれ任意であり、各式で表される順番に特定されるものではない。好ましくは、各式で表される順番である。
上記の洗浄液は、さらに有機溶剤を含有することができる。有機溶剤としては特に制限されない。
有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、及び第三ブタノール等の、ヒドロキシ基を1つ有するC1-C6アルカノール;N,N-ジメチルホルムアミド、及びN,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、及びN-メチルピロリジン-2-オン等のラクタム;1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン、及び1,3-ジメチルヘキサヒドロピリミド-2-オン等の環式尿素;アセトン、2-メチル-2-ヒドロキシペンタン-4-オン、及びエチレンカーボネート等の、ケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、及びジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,6-へキシレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオール、4-メチル-1,2-ペンタンジオール、3,3-ジメチル-1,2-ブタンジオール、1,2-オクタンジオール、5-メチル-1,2-ヘキサンジオール、4-メチル-1,2-ヘキサンジオール、4,4-ジメチル-1,2-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子量が400以上のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール、チオジグリコール又はジチオジグリコール等の、C2-C8アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ジグリセリン、ヘキサン-1,2,6-トリオール、トリメチロールプロパン等のポリオール(トリオール);γ-ブチロラクトン、及びジメチルスルホキシド;及び、グリコールエーテル等が挙げられる。これらの中ではグリコールエーテルが好ましい。
グリコールエーテルとしては、ジ又はトリC2-C4アルキレングリコールのモノアルキルエーテルが好ましい。
C2-C4アルキレングリコール部分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びブチレングリコールが挙げられる。これらの中ではエチレングリコール、及びプロピレングリコールが好ましく、エチレングリコールがより好ましい。
モノアルキルエーテル部分のアルキルの炭素数の範囲は、通常C1-C6、好ましくはC1-C5、より好ましくはC2-C4、さらに好ましくはC3-C4、特に好ましくはC4である。
その具体例としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルジグリコール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらの中ではブチルジグリコールが好ましい。
洗浄液の総質量中における、有機溶剤の総含有量は通常0~60%、好ましくは0.1~50%、より好ましくは0.2~40%、さらに好ましくは0.5~30%である。また、有機溶剤として少なくともグリコールエーテルを含有するとき、グリコールエーテルの総含有量は通常0~15%、好ましくは0.1~15%、より好ましくは0.2~13%、さらに好ましくは0.5~10%である。
グリコールエーテルと、それ以外の有機溶剤を併用するときは、これらの総含有量の和が、洗浄液の総質量中における、有機溶剤の総含有量となる。このときも、グリコールエーテルの総含有量は上記のとおりである。
洗浄液の総質量に対して、調製剤の総含有量は通常0%~30%、好ましくは0%~20%、より好ましくは0%~10%程度である。
界面活性剤としては、アニオン、カチオン、ノニオン、両性、シリコン系、及びフッ素系の、各界面活性剤が挙げられる。これらの中ではノニオン界面活性剤が好ましい。
その具体例としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;リン酸二ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
上記インクジェットプリンタの洗浄方法は、インクジェットプリンタに付着したインクジェットインクの固形物を洗浄する方法であれば、特に限定されない。通常の洗浄方法としては、例えば、洗浄液をスポンジ等に吸収させて、着色インクが付着した部分の汚れをふき取る方法等が挙げられる。一方、例えば着色インクがインクジェットヘッド上で乾燥し、インクジェットヘッドの汚れが激しいときは、着色インクの代わりに洗浄液をインクジェットヘッドに充填して洗浄することもできる。
洗浄液をインクジェットヘッドに充填して洗浄をするときは、洗浄液を精密濾過するのが好ましい。
精密濾過をするときは、メンブランフィルター及び/又はガラス濾紙等を用いることができる。精密濾過を行うときのフィルター等の孔径は通常0.5μm~20μm、好ましくは0.5μm~10μmである。
洗浄液の表面張力は通常10mN/m~50mN/m、好ましくは20mN/m~40mN/mである。
洗浄液の粘度は通常30mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以下、下限は0.1mPa・s程度である。
上記洗浄液は洗浄力が高いため、水不溶性着色剤、特に顔料を含有する水系インクの洗浄に用いることが好ましい。また、上記の洗浄液は、その洗浄力の高さから、顔料と共に各種の樹脂を含有する水系インクの洗浄液として、極めて高い能力を発揮する。
また、上記した全ての事項について、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものとより好ましいものとの組み合わせ、より好ましいものとさらに好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
また、実施例中で使用した「水」は、イオン交換水である。
下記表1に記載の各成分を混合して、それぞれ総量100部の洗浄液を得た。得られた液を3μmのメンブランフィルターで濾過することにより、評価試験用の実施例1~2の洗浄液を得た。
実施例1~2で使用した「XL40」は、上記式(1)に相当する化合物である。
下記表1に記載の各成分を使用する以外は、前記の実施例1~2と同様にして、比較例1~6の比較用の洗浄液を得た。比較例1~6で使用した「SN465」、「EP7025」、「LS106」は、いずれも上記式(1)には相当しない化合物である。また、比較例3で使用した「PF20」は、上記式(2)には相当しない化合物である。
Gly:グリセリン
2Py:2-ピロリドン。
BDG:ブチルジグリコール。
XL40:BASF社製 Lutensol XL40。
SN465:日信化学株式会社製ノニオン界面活性剤、サーフィノール 465。
EP7025:株式会社日本触媒製ノニオン界面活性剤、ソフタノール EP-7025。
LS106:花王株式会社製ノニオン界面活性剤、エマルゲン LS-106。
PF20:クラリアント社製ノニオン界面活性剤、GENAPOL PF20。
PF40:クラリアント社製ノニオン界面活性剤、GENAPOL PF40。
U105:第一工業製薬社製ノニオン界面活性剤、エパン U-105。
TEA:トリエタノールアミン。
GXL(S):ロンザ社製プロキセルGXL(S)。
SN465はアセチレングリコールであることから、上記式(1)には含まれない化合物である。
EP7025は上記式(1)中、R1がC12-C15分岐鎖アルキル基、mが2.5、nが7であることから、上記式(1)には含まれない化合物である。
LS106はR1としてアルキル基を、またオキシエチレン基を有するが、オキシプロピレン基を有さない(すなわちmが0)ことから、上記式(1)には含まれない化合物である。
PF20は上記式(2)中、m1が5、n1が30、L1が5、(m1+L1)/(m1+n1+L1)×100=25であることから、式(2)には含まれない化合物である。
PF40は上記式(2)中、m1が13、n1が29、L1が13(m1+L1)/(m1+n1+L1)×100=47の化合物である。
U105は上記式(2)中、m1が37、n1が56、L1が37、(m1+L1)/(m1+n1+L1)×100=57の化合物である。
ジョンクリル678(MW:8500)25部、及びトリエタノールアミン14.3部をイオン交換水60.7部に溶解し、一時間撹拌して溶液を得た。得られた溶液を、樹脂Aとする。
国際公開第2013/115071号の合成例3に記載のブロック共重合体を調製し、得られた高分子分散剤5部を、2-ブタノン20部に溶解させ、均一な溶液とした。この液に、水酸化ナトリウム(0.4部)を水(50.6部)に溶解させた液を加え、樹脂溶液A(4部)を添加後、1時間攪拌して液を得た。この液にC.I.Pigment Yellow 74(20部、クラリアント社製HANSA YELLOW 5GX 01-JP)を加え、1500rpmの条件下で15時間、サンドグラインダー中で分散処理を行って液を得た。得られた液に水(100部)を滴下した後、この液をろ過しろ液を得た。得られたろ液から、エバポレータで2-ブタノン、及び水の一部を減圧留去することにより、顔料含有量が12.4%の着色分散液を得た。
着色分散液中の顔料含有量は、株式会社エイ・アンド・デイ社製、MS-70を用いて、乾燥重量法により、液中の全固形分から顔料のみの換算値として求めた。
国際公開第2015/147192号ガゼットの調製例4を追試することにより、酸価が6KOHmg/g、Tgが0℃、固形分が25%の樹脂エマルションを調製した。これを「樹脂B」とする。
下記表2に記載の各成分を混合して総量100部の液を得た後、得られた液を3μmのメンブランフィルターで濾過することにより、洗浄液の評価に用いる着色インクを得た。
Dp1:調製例2で得た着色分散液。
TEG:トリエチレングリコール。
1,2HD:1,2-ヘキサンジオール。
SN465:日信化学株式会社製ノニオン界面活性剤、サーフィノール 465。
AQ515:ビックケミー社製ポリエチレンワックス、AQUACER 515(固形分35.0%)。
また、樹脂B、及びAQ515の表2中の部数は固形分換算値である。
各実施例、及び比較例で得た洗浄液を、室温で12時間静置した後、洗浄液の状態を目視で観察し、その安定性を評価した。評価基準は以下の2段階とした。評価結果を下記表3に示す。
なお、安定性試験において「A」評価の洗浄液のみを使用して、下記する洗浄性試験を行った。
[評価基準]
A:洗浄液の状態に変化はなかった。
C:洗浄液から分離した液状成分が、洗浄液の表面に浮いているのが観察された。
上記の調製例4で得た着色インクをガラスシャーレ上に20マイクロリットル滴下し、60℃の恒温槽に1時間静置して乾燥させることにより、着色インクが固化した固形物を得た。
得られた固形物に実施例、及び比較例の各洗浄液を10ミリリットル滴下し、固形物を洗浄できるか否かを目視で評価した。評価基準は以下の4段階とした。評価結果を下記表3に示す。なお、表3において「-」は、洗浄性試験を行わなかったことを表す。
[評価基準]
A:固形物の残存が認められず、均一な液となった。
B:わずかに固形物の残存が認められるが、ほぼ均一な液となった。
C:明らかに固形物が残存し、均一な液とは認められなかった。
D:固形物の形状が全く変化しなかったか、又は、ほとんど変化しなかった。
Claims (5)
- 洗浄液の総質量中における、上記式(2)で表される化合物の総含有量が0.2質量%~2質量%である、請求項1に記載のインクジェットプリンタ用洗浄液。
- さらに、有機溶剤を含有する、請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ用洗浄液。
- 有機溶剤が、グリコールエーテルである請求項2に記載のインクジェットプリンタ用洗浄液。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ用洗浄液により、インクジェットプリンタに付着したインクジェットインクを洗浄する、インクジェットプリンタの洗浄方法。
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