JP2018062559A - インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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彬 川口
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波 崔
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Abstract

【課題】インク受容層を有さない記録メディアに記録したときでもインクの乾燥が速く、記録画像の耐擦過性が優れるインク、そのインクを用いるインクジェット記録方法、及びそのインクが付着した記録メディアの提供。
【解決手段】特定の構造式で表されるポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルと、着色剤と、ワックスと、ポリマーを含有するインクであって、前記ポリマーが3種類のメタクリル酸誘導体と、1種類のアクリル酸誘導体から構成されるポリマーであるインク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク、そのインクを用いるインクジェット記録方法、及びそのインクが付着した記録メディアに関する。
インクジェットプリンタを用いる記録方法(インクジェット記録方法)は、カラー記録方法の1つである。この方法は、インクの小滴を発生させ、これを種々の記録メディア(紙、フィルム、布帛等)に付着させて記録を行う。インクジェット記録は、近年、産業用途にも用いられている。この用途では、インクジェット記録の記録速度の高速化が強く求められている。
インクジェット記録には、様々な記録メディアが用いられる。記録メディアは、インク受容層を有するものと、有さないものの2つに大別される。これらのうちインク受容層を有する記録メディアとしては、インクジェット専用紙(光沢紙)等が挙げられる。
一方、インク受容層を有さない記録メディアはインクの吸収能力が低いため、インクが乾燥しにくくなる。このため、記録速度の高速化が困難であり、産業用途ではこれが問題となっている。すなわち、インク受容層を有さない記録メディアにインクジェット記録を行うとき、インクを十分に乾燥させないと、未乾燥のインクがインクジェットプリンタの部品、及び、記録メディア等を汚染することになる。その結果、高額なプリンタ部品の交換や、生産性の低下が生じることから、乾燥性が良好なインクが強く要望されている。
また、インク受容層を有さない記録メディアに記録したときの画像の定着性も大きな問題となっている。例えば、記録された画像を指でこすり、その画像から指への色移りが生じないインクは、通常、乾燥性が良好と評価される。しかしながら、その画像に他の記録メディアを重ねあわせて圧力を掛けると、他の記録メディアに色移りが生じることがある。記録済の記録メディアは積み重ねられることが多いため、記録メディア間での色移りは生産性を低下させる原因となる。このため、記録された画像の定着性を向上させることも、極めて重要な課題である。
このため、インク受容層を有さず、インク非吸収性、又はインク難吸収性の記録メディアを用いたときでもインクの乾燥が速く、且つ記録された画像の定着性が良好なインクが切望されている。
特許文献1〜3には、本明細書に記載の下記式(1)で表される化合物を含むインクが開示されている。
特許文献4には、着色剤と水とポリオルガノシロキサン界面活性剤と1,2−アルカンジオールとを少なくとも含んでなるインクが開示されている。
特許文献5には、ワックスを含有するインクが開示されている。
特許文献6には、ポリマーを含有するインクが開示されている。
特開2010−59344号公報 特開2009−57502号公報 特開2002−47438号公報 特許第4711172号 国際公開2015/147192号ガゼット 国際公開2015/152291号ガゼット
インク受容層を有さない記録メディアに記録したときでもインクの乾燥が速く、記録画像の定着性が良好なインク、そのインクを用いるインクジェット記録方法、及びそのインクが付着した記録メディアの提供を課題とする。
本発明者らは前記したような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記式(1)で表される化合物、着色剤、ワックス、及び特定のポリマーを含有するインクにより、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の1)〜9)に関する。
1)
下記式(1)で表される化合物と、着色剤と、ワックスと、ポリマーを含有するインクであって、前記ポリマーが3種類のメタクリル酸誘導体と、1種類のアクリル酸誘導体から構成されるポリマーであるインク。
Figure 2018062559
[前記式(1)中、
EOはエチレンオキシ基を、POはプロピレンオキシ基を、BOはブチレンオキシ基をそれぞれ表し、
EO、PO及びBOが結合する順番は任意であり、
m1、m2、m3、m4、n1、n2、n3、n4、q1、q2、q3及びq4は、0又は1以上の整数を表すが、全てが0になることはなく、且つ、m1〜m4、n1〜n4、及びq1〜q4の総和は平均値で0より大きく30以下である。]
2)
前記ワックスが、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスから選択される少なくとも1種類のワックス、若しくはこれらとパラフィンワックスとの混合ワックスである、前記1)に記載のインク。
3)
前記ワックスが、ポリエチレンワックス、若しくはポリエチレンワックスとパラフィンワックスとの混合ワックスである前記1)又は2)に記載のインク。
4)
前記ポリマーが、メタクリル酸、2種類のアルキルメタクリレート、及びアルキルアクリレートから構成されるポリマーである前記1)に記載のインク。
5)
前記ポリマーが、メタクリル酸、2種類のC1−C3アルキルメタクリレート、及びC6−C10アルキルアクリレートから構成されるポリマーである、前記1)又は4)に記載のインク。
6)
さらに、シリコン界面活性剤を含有する前記1)〜5)のいずれか一項に記載のインク。
7)
前記1)〜6)のいずれか一項に記載のインクの液滴を、記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
8)
前記1)〜6)のいずれか一項に記載のインクが付着した記録メディア。
9)
前記1)〜6)のいずれか一項に記載のインクを含有する容器を有するインクジェットプリンタ。
本発明により、インク受容層を有さない記録メディアに記録したときでもインクの乾燥が速く、記録画像の定着性が良好なインク、そのインクを用いるインクジェット記録方法、及びそのインクが付着した記録メディアを提供できた。
本明細書中、「C.I.」とは、「カラーインデックス」を意味する。また、本明細書中、実施例等も含めて、「%」及び「部」については特に断りのない限り、いずれも質量基準で記載する。
[式(1)で表される化合物]
前記式(1)で表される化合物は、1種類又は2種類以上の混合物として使用することができる。以下、特に断りの無い限り「前記式(1)で表される化合物」とは、式(1)で表される1種類の化合物と、式(1)で表される2種類以上の化合物の混合物の両方を意味する。
式(1)中、EO、PO、及びBOはいずれも、式(1)中の括弧の左側に示す「CHO」又は「H−CO」における酸素原子と、EO、PO、及びBOが有する炭素原子で結合する。また、同様に、括弧の右側に示す「−H」で示される水素原子と、EO、PO、及びBOが有する酸素原子で結合する。
EO、PO、及びBOが結合する順番は任意であり、どのような並び順でも結合することができる。すなわち、EO、PO、及びBOから選択される任意の組み合わせがランダムに結合したもの;EO、PO、及びBOのうちの1種類が複数結合したもの;及び、EOが複数結合したものと、PO及び/又はBOが複数結合したものとが、ブロック状に結合したもの等とすることができる。
式(1)中、m1〜m4、n1〜n4、及びq1〜q4の総和は平均値で通常0より大きく30以下、好ましくは0.5〜30、より好ましくは5〜25、さらに好ましくは7〜20、特に好ましくは9〜14である。
式(1)で表される化合物は、一般にポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル等として知られている。この化合物は合成することも、市販品として入手することもできる。
市販品の一例としては、例えば、阪本薬品工業株式会社製のSY−DP9、SY−DP14;日油株式会社製のユニループ DGP−700、DGP−950等が挙げられる。
前記のうち、SY−DP9及びDGP−700は、式(1)におけるm1〜m4及びq1〜q4が0であり、n1〜n4の総和が平均値で9;SY−DP14及びDBP−950は、同様にm1〜m4及びq1〜q4が0であり、n1〜n4の総和が平均値で14の化合物である。
インクの総質量中における、式(1)で表される化合物の含有量は通常0.1〜30%、好ましくは0.1〜20%、より好ましくは0.2〜20%である。
[着色剤]
前記インクが含有する着色剤は、特に限定されず、水溶性の着色剤、及び水不溶性の着色剤から選択される着色剤が使用できる。又、必要に応じてこれらを併用することもできる。これらの中では水不溶性の着色剤が好ましい。
本明細書中、「水不溶性」とは、25℃の水に対する着色剤の溶解性が通常3g/リットル以下、好ましくは2g/リットル以下、より好ましくは1g/リットル以下であることを意味する。
水不溶性の着色剤としては、例えば、顔料、分散染料、溶剤染料、及び建染染料が挙げられる。代表的なこれらの着色剤としては、それぞれC.I.Pigment、C.I.Disperse及びC.I.Solvent、C.I.Vatから選択される着色剤が挙げられる。これらの中では顔料、及び分散染料から選択される着色剤が好ましく、顔料がより好ましい。
水溶性の着色剤としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、及び可溶性建染染料等が挙げられる。代表的なこれらの染料としては、それぞれC.I.Direct、C.I.Acid、C.I.Food、C.I.Basic、C.I.Reactive、C.I.Solubilised Vatから選択される染料が挙げられる。これらの中では直接染料、及び酸性染料から選択される着色剤が好ましい。
前記した以外の着色剤として、前記の着色剤を透明、且つ水不溶性の樹脂に含有させた、着色剤を含有する樹脂も水不溶性の着色剤として挙げることができる。
顔料としては、無機顔料、有機顔料及び体質顔料等が挙げられる。
無機顔料としては、例えばカーボンブラック;金属酸化物、水酸化物、硫化物;フェロシアン化物;及び金属塩化物;等が挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えば、サーマルブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、ランプブラック、ガスブラック、及びチャンネルブラックが挙げられる。これらの中では、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が好ましい。様々な種類のカーボンブラックが、例えばコロンビア・カーボン社、キャボット社、デグサ社、及び三菱化学株式会社等から容易に入手することができる。
有機顔料としては、例えばアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、及びキノフタロン系の各顔料が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、例えばC.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、24、55、73、74、75、83、93、94、95、97、98、108、114、128、129、138、139、150、151、154、180、185、193、199、202;C.I.Pigment Red 5、7、12、48、48:1、57、88、112、122、123、146、149、166、168、177、178、179、184、185、202、206、207、254、255、257、260、264、272;C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、25、60、66、80;C.I.Pigment Violet 19、23、29、37、38、50;C.I.Pigment Orange 13、16、68、69、71、73;C.I.Pigment Green 7、36、54;C.I.Pigment Black 1等が挙げられる。
体質顔料としては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸バリウム、ホワイトカーボンなどが挙げられる。これらの体質顔料は、通常は粉体の流動性を向上させる目的で、無機顔料又は有機顔料と併用される。
また、顔料粒子の表面に化学的な処理を行って、自己分散性を付与した自己分散顔料を用いることもできる。
分散染料としては、例えば、C.I.Dispers Yellow 9、23、33、42、49、54、58、60、64、66、71、76、79、83、86、90、93、99、114、116、119、122、126、149、160、163、165、180、183、186、198、200、211、224、226、227、231、237;C.I.Dispers Red 60、73、88、91、92,111、127、131、143、145、146、152、153、154、167、179、191、192、206、221、258、283;C.I.Dispers Orange 9、25、29、30、31、32、37、38、42、44、45、53、54、55、56、61、71、73、76、80、96、97;C.I.Dispers Violet 25、27、28、54、57、60、73、77、79、79:1;C.I.Dispers Blue 27、56、60、79:1、87、143、165、165:1、165:2、181、185、197、202、225、257、266、267、281、341、353、354、358、364、365、368等が挙げられる。
前記インクの総質量中における着色剤の含有量は通常1〜30%、好ましくは1〜15%、より好ましくは2〜10%である。
前記インクが水不溶性の着色剤を含有するときは、さらに分散剤を含有するのが好ましい。分散剤としては、スチレン及びその誘導体;ビニルナフタレン及びその誘導体;α,β−エチレン性不飽和性カルボン酸の脂肪族アルコールエステル;アクリル酸及びその誘導体;マイレン酸及びその誘導体;イタコン酸及びその誘導体;フマール酸及びその誘導体;酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びそれらの誘導体等よりなる群の単量体から選択される、少なくとも2つの単量体(好ましくは、このうち少なくとも1つが親水性の単量体)から構成される共重合体が挙げられる。
共重合体の種類としては、例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体及びグラフト共重合体、及び/又はそれらの塩等が挙げられる。
分散剤は合成することも、市販品として入手することもできる。市販品の具体例としては、例えば、いずれもジョンソンポリマー社製のジョンクリル 62、67、68、678、及び687等のスチレン−アクリル系樹脂;モビニール S−100A(ヘキスト合成社製の変性酢酸ビニル樹脂);ジュリマー AT−210(日本純薬株式会社製のポリアクリル酸エステル共重合体)等が挙げられる。
分散剤を合成するときは、国際公開第2013/115071号ガゼットに開示された分散剤が好ましく挙げられる。
分散剤の重量平均分子量(MW)は特に制限されないが通常3000〜50000、好ましくは7000〜25000である。また、酸価としては通常50〜300mgKOH/g、好ましくは80〜275mgKOH/g、より好ましくは80〜250mgKOH/g程度である。
前記の分散剤は、着色剤と混合した状態で使用することができる。また、着色剤の表面に分散剤を被覆させ、いわゆるマイクロカプセル化顔料として使用することもできる。また、これらの両方を併用することもできる。
水不溶性の着色剤を使用するとき、その平均粒径は通常300nm以下、好ましくは50nm〜200nm、より好ましくは60nm〜120nmである。平均粒径は、レーザ光散乱を用いて測定できる。
前記インクが水不溶性の着色剤を含有するときは、着色剤と分散剤を含有する分散液を調製した後、他の成分と混合してインクを調製するのが好ましい。分散液の調製方法は、公知の方法を使用することができる。
一例として、分散剤が水に溶解せず、有機溶剤に溶解するときは、転相乳化法が使用できる。すなわち、2−ブタノン等の有機溶剤に分散剤を溶解し、中和剤の水溶液を加えて乳化液を調製する。得られた乳化液に着色剤を加えて分散処理を行う。このようにして得られた液から有機溶剤と一部の水を減圧留去することにより、目的とする着色剤の分散液を得ることができる。
分散処理としては、例えば、着色剤とポリマーとをサンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等に入れて、分散を行う方法が挙げられる。一例として、サンドミルを用いるときは、粒子径が0.01mm〜1mm程度のビーズを使用し、ビーズの充填率を適宜設定して分散処理を行うことができる。
また、分散液が含有する粒子の粒子径を揃えるために、分散液に対してろ過及び/又は遠心分離等を行うことができる。
[ワックス]
ワックスとしては、ワックスエマルジョンが好ましく、水系ワックスエマルジョンがより好ましい。ワックスとしては、天然ワックス及び化学合成ワックスを用いることができる。
天然ワックスとしては、石油系ワックスであるパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス;褐炭系ワックスであるモンタンワックス;植物系ワックスであるカルナバワックス、キャンデリアワックス;動植物系ワックスである蜜蝋;ラノリン等を水性媒体中に分散させたエマルジョン;等が挙げられる。
化学合成ワックスとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、フィッシャートロップ、コポリマーワックスである、エチレン酢酸ビニル、エチレンアクリル酸等を水性媒体中に分散させたエマルジョンが挙げられる。
前記のうち、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスから選択される少なくとも1種類のワックス、若しくはこれらとパラフィンワックスとの混合ワックスが好ましい。また、ポリエチレンワックス、若しくはポリエチレンワックスとパラフィンワックスとの混合ワックスがより好ましい。
ワックスの粒径は通常5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。下限は20nm程度である。
ワックスエマルジョンの市販品としては、例えば、ビックケミー社製のCERAFLOUR 925、929、950、991;AQUACER 498、507、515、526、531、537、539、552、1547;AQUAMAT 208、263、272;MINERPOL 221;三井化学社製の三井ハイワックス NL100、NL200、NL500、4202E、1105A、2203A、NP055、NP505;三洋化成工業社製のKUE−100、KUE−11等が挙げられる。
これらの中ではAQUACER 531、537、539、1547が好ましく;AQUACER 531、1547がより好ましい。
インクの総質量中における、ワックスの総含有量は通常0.1〜10%、好ましくは0.3〜8%、より好ましくは0.5〜6%、さらに好ましくは1〜6%である。
[ポリマー]
前記ポリマーは、3種類のメタクリル酸誘導体と、1種類のアクリル酸誘導体から構成される。
メタクリル酸誘導体としては、メタクリル酸、及び2種類のアルキルメタクリレートが好ましい。2種類のアルキルメタクリレートとしては、アルキル部分が飽和である飽和アルキルメタクリレート、及びアルキル部分が不飽和である不飽和アルキルメタクリレートから1種類ずつ選択するのが好ましい。
飽和アルキルメタクリレートとしては、直鎖の飽和アルキルメタクリレートが好ましい。それらの中では、C1−C3アルキルメタクリレートが好ましく、メチルメタクリレートがより好ましい。
不飽和アルキルメタクリレートとしては、不飽和C1−C3アルキルメタクリレートが好ましい。それらの中ではアリルメタクリレートが好ましい。
アクリル酸誘導体としては、アルキルアクリレートが好ましい。アルキルアクリレートとしては飽和アルキルアクリレートが好ましく、分岐鎖の飽和アルキルアクリレートがより好ましい。それらの中では、C1−C12アルキルアクリレートが好ましく、C6−C12アルキルアクリレートがより好ましく、C6−C10アルキルアクリレートがさらに好ましい。それらの中では2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。
下記表1に、ポリマーのモノマー構成のうち「通常」、「好ましい」及び「より好ましい」範囲の目安を示した。表1中の略号は、以下の意味を有する。
MA:メタクリル酸。
SAM:飽和アルキルメタクリレート。
SAA:アルキルアクリレート。
UAM:不飽和アルキルメタクリレート。
Figure 2018062559
ポリマーのガラス転移温度(Tg)は通常−10℃〜20℃、好ましくは−5℃〜15℃である。
ポリマーの酸化は通常0〜25mgKOH/g、好ましくは5〜15mgKOH/gである。
ポリマーのテトラヒドロフランに対する不溶解度は通常80%〜100%、好ましくは100%である。
前記インクの総質量中における、ポリマーの含有量は通常0.1%〜10%、好ましくは0.1%〜8%、より好ましくは0.5%〜4%である。
前記インクは、必要に応じてインク調製剤を含有することができる。インク調製剤としては、水溶性有機溶剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール又は第三ブタノール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等のC1−C6アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン又はN−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン、等の環式尿素類;アセトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン、エチレンカーボネート等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子量400、800、1540又はそれ以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール又はジチオジグリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ジグリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4アルキルエーテル;γ−ブチロラクトン又はジメチルスルホキシド等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系又は無機塩系等の化合物が挙げられる。
防腐剤の市販品の具体例としては、アーチケミカル社製、商品名プロキセル GXL(S)、XL−2(S)等が挙げられる。
防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。
pH調整剤としては、調製されるインクに悪影響を及ぼさずに、そのpHを前記の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。その具体例としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;リン酸二ナトリウム等の無機塩基から選択される物質等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム又はウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール又はジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えば、スルホ化されたベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物又はトリアジン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類又は複素環類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アニオン、カチオン、ノニオン、両性、フッ素系、シリコン等の、公知の界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられ、市販品として入手できるものの具体例としては、例えば、ハイテノール LA−10、LA−12、LA−16、ネオハイテノール ECL−30S、ECL−45(以上、第一工業製薬社製)等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;日信化学社製 商品名サーフィノール 104、105PG50、82、420、440、465、485、オルフィン STG;ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA−ALDRICH社製のTergItol 15−S−7等)等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸系化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。その一例としては、DuPont社製のZonyl TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、Capstone FS−30、FS−31;オムノバ社製のPF−151N、PF−154N;DIC社製のF−114、F−410,F−444、EXP.TF−2066、EXP.TF−2148、EXP.TF−2149、F−430、F−477、F−552、F−553、F−554、F−555、F−556、F−557、F−558、F−559、F−561、F−562、R−40、R−41、RS−72−K、RS−75、RS−76−E、RS−76−NS、RS−77、EXP.TF−1540、EXP.TF−1760;ビックケミー社製のBYK−3440、BYK−3441等が挙げられる。
シリコン界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。それらの中では、下記式(2)で表されるポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが好ましい。
シリコン界面活性剤の市販品としては、例えば、ダイノール 960、980(エアープロダクツ社製);シルフェイス SAG001、SAG002、SAG003、SAG005、SAG503A、SAG008、SAG009、SAG010(日信化学株式会社製);及びBYK−345、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−3455(ビックケミー社製)等が挙げられる。
インクの総質量中における、シリコン界面活性剤の含有量は通常0.01%〜3%、好ましくは0.01%〜2.5%、より好ましくは0.02%〜2.0%である。
Figure 2018062559
前記式(2)中、aは0〜5の整数、bは1〜5の整数、cは3〜30の整数、dは0〜20の整数である。
前記インクのpHは、保存安定性を向上させる目的で通常5〜11、好ましくは7〜10である。
インクの表面張力は通常10〜50mN/m、好ましくは20〜40mN/mである。
インクの粘度は通常30mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以下である。下限は0.1以上である。
インクのpH及び表面張力は、pH調整剤、界面活性剤等のインク調製剤の使用により適宜調整することができる。
前記インクをインクジェット記録に使用するときは、インク中の無機不純物を除去するのが好ましい。無機不純物としては、金属陽イオンの塩化物(例えば塩化ナトリウム)、及び硫酸塩(例えば硫酸ナトリウム)等が挙げられる。インクが含有する着色剤の総質量に対して、無機不純物の含有量は1%以下が好ましい。、下限は分析機器の検出限界以下とすることができる。
無機不純物を除去する方法としては、例えば、逆浸透膜を用いる方法;着色剤を水溶性有機溶剤と水との混合溶媒中で懸濁精製する方法;及び、イオン交換樹脂で無機不純物を吸着する方法;等が挙げられる。
前記インク及び分散液は、必要に応じてメンブランフィルター、ガラス濾紙等を用いた精密濾過をすることにより、夾雑物等を除去することができる。精密濾過を行うとき、フィルター等の孔径は通常0.5μm〜20μm、好ましくは0.5μm〜10μm程度である。
前記インクジェット記録方法は、前記インクの液滴を記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
前記インクは、「インクタンク」、「インクカートリッジ」等と呼称される容器に注入され、インクジェットプリンタに装填される。
インクジェット方式としては、例えば、電荷制御方式;ドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式);音響インクジェット方式;サーマルインクジェット方式等が挙げられる。
前記インクは、これらのいずれの方式においても使用できる。
前記記録メディアは、前記インクにより着色される物質であれば特に制限されない。その一例としては、インク受容層を有する紙、及び繊維等の記録メディア;及び、インク受容層を有さないインク難吸収性、及びインク非吸収性の記録メディアが挙げられる。これらの記録メディアはいずれも好ましい。
ここで、インク難吸収性、及び非吸収性の記録メディアに対して、通常の水性インクで記録を行うと、インクの吸収が困難であるためにモットリングを生じたり、インクがはじかれる現象が生じる。一方、前記インクはそのような記録メディアに対してもインクがはじかれることなく記録を行うことができる。このため、記録メディアとしてはインク難吸収性、及び非吸収性が好ましく、インク非吸収性が特に好ましい。インク難吸収性の記録メディアとしては、例えば普通紙、グラビア印刷やオフセット印刷等に用いられるメディア、アート紙、コート紙、マット紙、キャスト紙等が挙げられる。また、インク非吸収性の記録メディアとしては塩化ビニルシート、高分子シート、ガラス、ゴム等が挙げられる。
前記した全ての事項において、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものと、より好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
また、前記した全ての成分等は、いずれもその中の1種類を使用することも、2種類以上を併用することもできる。
本発明のインクは、インク受容層を有しない紙に記録しても発色性が高い。また、インクの吸収能力が低い非・難吸収性の記録メディアに記録したときでもインクの乾燥が速く、インクの定着性も良好である。
また、各種の記録メディアに記録したとき、インク受容層の有無に係らず高発色、且つモットリングを生じない高画質な記録画像を得ることができる。
また、本発明のインクは保存安定性が優れ、良好な吐出性を有する。さらに、インクジェットヘッドの目詰まりが極めて少ないことから、メンテナンス性も良好である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。しかし、本発明は以下の実施例によって限定されない。
なお、平均粒径の測定には、株式会社堀場製作所製の動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500を用いた。また、水溶液中の固形分の測定は、株式会社エイ・アンド・デイ社製のMS−70を用い、乾燥重量法により求めた。
[調製例1]:分散液1の調製。
国際公開第2013/115071号の合成例3を追試することによりブロック共重合体Aを調製した。得られたブロック共重合体A(7.5部)を2−ブタノン(20部)に溶解させて溶液とした。この溶液に、水酸化ナトリウム(0.6部)のイオン交換水(46部)溶液を加え、1時間撹拌して乳化液を得た。この乳化液に分散用ビーズとC.I.Pigment Blue 15:3(25部)を加え、サンドグラインダーで分散(1500rpm、15時間)を行って液を得た。得られた液にイオン交換水(150部)を滴下した後、分散用ビーズを濾過分離して濾液を得た。得られた濾液からエバポレーターで2−ブタノン、及び水の一部を減圧留去することにより、顔料固形分12.0%、平均粒径106nmの分散液1を得た。
[調製例2]:ポリマー1の調製。
国際公開第2015/147192号の調製例4に記載の方法を追試することにより、酸価が6mgKOH/g、Tgが0℃、固形分が25%のポリマーエマルションを調製した。これをポリマー1とする。
[実施例1及び実施例2]:インクの調製。
下記表2に記載の各成分を加えて撹拌混合して液を得た。得られた液をポアサイズ3μmのメンブランフィルターでろ過することにより、評価試験用の実施例1及び実施例2のインクを得た。
表2中、各成分の数値は部数を意味する。また、「残部」とは、イオン交換水を加えてインクの総量を100部に調整したことを意味する。
[比較例1〜4]:比較用インクの調製。
実施例1で使用した各成分を、下記表2の比較例1〜4の成分に代える以外は実施例1と同様にして、比較例1〜4の比較用インクを得た。
実施例及び比較例の各インクの粘度は、インクジェット記録に好適な5.3〜6mPa・sとなるように各成分を微調整した。
下記表2中の略号は以下の意味を有する。また、記号「−」は、その成分を含有しないことを意味する。
DGP7:DGP−700。
PG:プロピレングリコール。
1,2HD:1,2−ヘキサンジオール。
AQ531:AQUACER 531(固形分:45%)。
AQ515:AUACER 515(固形分:35%)。
BYK−349:BYK−349。
GXL(S):プロキセルGXL(S)。
Figure 2018062559
[インクジェット記録]
実施例及び比較例で得た各インクを使用し、インクジェットプリンタ(EPSON株式会社製、商品名PX−205)により、下記記録メディアに対して100%Dutyの画像をインクジェット記録した。得られた各インクが付着した記録メディアを試験片とし、以下の速乾性試験、及び定着性試験を実施した。
記録メディア1:オーロラコート(日本製紙株式会社製:85g/m)。
記録メディア2:Finesse Gloss(UPM社製:80g/m)。
[速乾性試験]
前記[インクジェット記録]にて、記録メディア1の試験片を得た直後から5秒毎に綿棒で試験片をこすり、綿棒にインクが付着しなくなるまでの時間を測定した。評価結果を下記表3に示す。
[定着性試験]
前記[インクジェット記録]にて得た記録メディア2の試験片を、90℃で1分間乾燥した。この試験片の記録面と、未記録の記録メディア2の白紙面とを重ねあわせて2枚重ねとした後、その2枚重ねの記録メディア2に対して500gの荷重を10往復させた。2枚重ねの記録メディア2から、未記録の記録メディア2を剥がし、未記録の記録メディア2の白紙面、及び記録メディア2の試験片の記録面の両方を目視にて観察し、以下の評価基準で評価した。評価結果を下記表3に示す。
[評価基準]
A:白紙面への色移りがほとんど観察されず、記録面の画像にも傷がない。
B:白紙面への色移り、及び/又は記録面の画像の傷が僅かに観察される。
C:白紙面への色移り、及び/又は記録面の画像の傷が明らかに観察される。
D:白紙面への色移り、及び記録面の画像の傷が非常に大きい。
Figure 2018062559
表3の結果から明らかなように、実施例のインクは、インクの吸収能力が低い記録メディアに記録したときでも乾燥が速く、且つ定着性も良好な記録画像が得られることが確認された。また、比較例1、比較例2、及び比較例3の速乾性評価結果は、それぞれ35秒、35秒、及び40秒であった。しかし、定着性評価結果は、それぞれC、B、及びBであった。すなわち、速乾性の評価結果には、定着性の評価結果の予見性が無いことが確認された。
本発明のインクは、インク受容層を有さない記録メディアに記録したときでもインクの乾燥が速く、記録画像の定着性が良好であるため、各種のインク、特にインクジェットインクとして極めて有用である。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される化合物と、着色剤と、ワックスと、ポリマーを含有するインクであって、前記ポリマーが3種類のメタクリル酸誘導体と、1種類のアクリル酸誘導体から構成されるポリマーであるインク。
    Figure 2018062559
    [前記式(1)中、
    EOはエチレンオキシ基を、POはプロピレンオキシ基を、BOはブチレンオキシ基をそれぞれ表し、
    EO、PO及びBOが結合する順番は任意であり、
    m1、m2、m3、m4、n1、n2、n3、n4、q1、q2、q3及びq4は、0又は1以上の整数を表すが、全てが0になることはなく、且つ、m1〜m4、n1〜n4、及びq1〜q4の総和は平均値で0より大きく30以下である。]
  2. 前記ワックスが、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスから選択される少なくとも1種類のワックス、若しくはこれらとパラフィンワックスとの混合ワックスである、請求項1に記載のインク。
  3. 前記ワックスが、ポリエチレンワックス、若しくはポリエチレンワックスとパラフィンワックスとの混合ワックスである請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記ポリマーが、メタクリル酸、2種類のアルキルメタクリレート、及びアルキルアクリレートから構成されるポリマーである請求項1に記載のインク。
  5. 前記ポリマーが、メタクリル酸、2種類のC1−C3アルキルメタクリレート、及びC6−C10アルキルアクリレートから構成されるポリマーである、請求項1又は4に記載のインク。
  6. さらに、シリコン界面活性剤を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクの液滴を、記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクが付着した記録メディア。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクを含有する容器を有するインクジェットプリンタ。
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