JP7187173B2 - インク及びインクジェット印刷方法 - Google Patents
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Description
その解決手段として、特許文献1~3にはインク非吸収性の基材に対しても耐久性が高い画像の印刷が可能とされる、水系インクが提案されている。
しかしながら、これらの提案で得られたインクで印刷された画像は、耐水性、及び/又は耐溶剤性(特に耐アルコール性)が不十分であり、その改善が強く要望されている。
即ち、本発明は以下の[1]~[8]に関する。
水、水不溶性の着色剤、分散剤、及び、樹脂エマルジョンを含有するインクであって、
前記の分散剤が酸価を有し、その酸価がアンモニアで中和されており、
前記の樹脂エマルジョンのTgが20℃~100℃、酸価が3KOHmg/g~140KOHmg/gである、インク。
2)
前記の酸価を有する分散剤がA-Bブロックポリマーであり、Aブロックを構成するモノマーがベンジルメタクリレートであり、Bブロックを構成するモノマーがアルキルメタクリレート及びメタクリル酸である、前記1)に記載のインク。
3)
前記の酸価を有する分散剤の酸価が、50KOHmg/g~300KOHmg/gである、前記1)又は2)に記載のインク。
4)
前記の分散剤の重量平均分子量が3000~60000である、前記1)~3)のいずれか一項に記載のインク。
5)
グリコールエーテル、アミド類、及びアルカンジオールから選択される有機溶剤を、さらに含有する、前記1)~4)のいずれか一項に記載のインク。
6)
前記1)~5)のいずれか一項に記載のインクの液滴を印刷信号に応じて吐出させ、基材に付着させることにより印刷を行うインクジェット印刷方法。
7)
前記1)~5)のいずれか一項に記載のインクが付着した基材。
8)
前記1)~5)のいずれかに記載のインクを含有する容器を有するインクジェットプリンタ。
本明細書において水不溶性の着色剤とは、25℃の水に対する溶解度が通常5g/リットル以下、好ましくは3g/リットル以下、より好ましくは1g/リットル以下、さらに好ましくは0.5mg/リットル以下の着色剤が挙げられる。
そのような着色剤としてはC.I.ディスパース、C.I.ソルベント、及び顔料から選択される着色剤が挙げられる。これらの中では、顔料が好ましい。顔料としては、無機顔料、有機顔料、体質顔料等が挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えば、サーマルブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、ランプブラック、ガスブラック、及びチャンネルブラック等が挙げられる。これらの中ではアセチレンブラック、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、ランプブラック、及びチャンネルブラックが好ましい。
カーボンブラックの具体例としては、例えば、コロンビア・カーボン社製のRaven シリーズ;キャボット社製のMonarch シリーズ、Regal シリーズ、Mogul シリーズ;デグサ社製のColor Black シリーズ、Printex シリーズ、 Special Black シリーズ;三菱化学株式会社製のMA シリーズ、MCF シリーズ等が挙げられる。
酸化チタンの具体例としては、例えば、堺化学工業株式会社製のDUAWHITE シリーズ、TITONE シリーズ;石原産業株式会社製のタイペーク シリーズ;テイカ株式会社製のTITANIX シリーズ;チタン工業株式会社製のST シリーズ等が挙げられる。
前記インクの総質量に対する着色剤の総含有量は、通常1%~30%、好ましくは1%~10%、より好ましくは2%~7%である。
また、着色剤の平均粒径は通常50nm~250nm、好ましくは60nm~200nmである。本明細書において平均粒径とは、レーザ光散乱法を用いて測定した粒子の平均粒径を言う。
分散剤としては、公知の分散剤が挙げられる。その一例としては、スチレン及びその誘導体;ビニルナフタレン及びその誘導体;α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル;(メタ)アクリル酸及びその誘導体;マイレン酸及びその誘導体;イタコン酸及びその誘導体;ファール酸及びその誘導体;酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、及びそれらの誘導体等よりなる群の単量体から選択される、少なくとも2つの単量体(好ましくは、このうち少なくとも1つが親水性の単量体)から構成される共重合体が挙げられる。
本明細書中、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸とメタアクリル酸の両方」を含む意味として用いる。「(メタ)アクリルアミド」等についても同様の意味として用いる。
共重合体の種類としては、例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体、及びグラフト共重合体、及び/又はそれらの塩等が挙げられる。
分散剤は合成することも、市販品として入手することもできる。市販品の具体例としては、例えば、いずれもジョンソンポリマー社製のジョンクリル 62、67、68、678、及び687等のスチレン-アクリル系樹脂;モビニール S-100A(ヘキスト合成社製の変性酢酸ビニル樹脂);ジュリマー AT-210(日本純薬株式会社製のポリアクリル酸エステル共重合体)等が挙げられる。
これらの中では、Aブロックを構成するモノマーがベンジルメタクリレート及びベンジルアクリレートから選択されるモノマーであり、Bブロックを構成するモノマーが下記式(1)で表される2種類以上のモノマーである、A-Bブロックポリマーが好ましい。
式(1)中、R1におけるアルキル基の炭素数の範囲は通常C3-C8、好ましくはC3-C6、さらに好ましくはC4である。
また、Aブロックを構成するモノマーがベンジルメタクリレートであり、Bブロックを構成するモノマーが、式(1)で表されるモノマーのうち、R1が水素原子、R2がメチル基で表されるモノマーと、R1がアルキル基、R2がメチル基で表されるモノマーと、の2種類である、A-Bブロックポリマーがより好ましい。
そのようなA-Bブロックポリマーとしては、例えば、国際公開第2013/115071号ガゼットに開示された分散剤が挙げられる。
分散剤は、その酸価がアンモニアで中和されている。アンモニアの使用量は、分散剤の酸価の理論等量で中和したときを100%中和度として、通常30%~300%中和度、好ましくは50%~200%中和度である。
アンモニアとしては、例えば、アンモニア水が挙げられる。分散剤の酸価をアンモニアで中和することにより、耐水性、耐溶剤性、及び分散性が良好となる。
着色剤の総質量に対する分散剤の使用量の比は通常0.1~1.0、好ましくは0.1~0.6、より好ましくは0.2~0.5である。分散剤の使用量の比がこの範囲にあるとき、安定性に優れる顔料分散液が得られる。
水不溶性の着色剤の平均粒径は通常5nm~300nm、好ましくは50nm~200nm、より好ましくは60nm~150nmである。平均粒径をこの範囲とすることにより、分散液の保存安定性、吐出性、及び印字濃度(反射濃度)を良好にすることができる。平均粒径は、レーザー光散乱を用いて測定できる。
前記の樹脂エマルジョンは、スチレン誘導体、メタクリル酸誘導体、及びアクリル酸誘導体から選択されるモノマーが共重合することにより得られる。これらの中ではスチレン誘導体と、メタクリル酸誘導体及び/又はアクリル酸誘導体とから得られるスチレン-(メタ)アクリル樹脂のエマルジョンが好ましい。
樹脂エマルジョンのTgは通常20℃~100℃、好ましくは20℃~96℃である。
また、その酸価は通常3~140KOHmg/g、好ましくは5~100KOHmg/g、より好ましくは10~80KOHmg/g、さらに好ましくは10~70KOHmg/g、特に好ましくは10~65KOHmg/gである。
スチレン誘導体としては、スチレン及びα-メチルスチレンが挙げられる。
メタクリル酸誘導体としては、アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸が好ましい。
アラルキルメタクリレート(アリールアルキルメタクリレート)としては、通常C6-C14アリールC1-C4アルキルメタクリレートが挙げられ、C6-C10アリールC1-C3アルキルメタクリレートが好ましい。その具体例としてはベンジルメタクリレート、フェネチルメタクリレート、フェニルプロピルメタクリレート、フェニルブチルメタクリレート、ナフチルメチルメタクリレート、アントラセニルメチルメタクリレート等が挙げられる。これらの中ではベンジルメタクリレートが好ましい。
アルキルメタクリレートとしては、アルキル部分が通常C1-C18、好ましくはC1-C12、より好ましくはC1-C8であり、飽和又は不飽和のアルキルメタクリレートが挙げられる。
飽和アルキルメタクリレートの具体例としては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート等の直鎖アルキルメタクリレート;イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、イソヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート等の分岐鎖アルキルメタクリレート;シクロプロピルメタクリレート、シクロブチルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の環状アルキルメタクリレートが挙げられる。
不飽和アルキルメタクリレートとしては、不飽和C1-C4アルキルメタクリレートが好ましい。その具体例としては、ビニルメタクリレート、アリルメタクリレート、プロペニルメタクリレート、ブテニルメタクリレート、ブタジエニルメタクリレート等が挙げられる。
アクリル酸誘導体としては、前記[メタクリル酸誘導体]における「メタクリル酸」を「アクリル酸」と読み替え、また「メタクリレート」を「アクリレート」に読み替えたモノマーが挙げられる。
前記インクは、さらに有機溶剤を含有することができる。
インクの総質量に対する有機溶剤の総含有量は通常0%~40%、好ましくは5%~40%、より好ましくは10%~30%である。
水溶性の有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルジグリコール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジメチルグリコール、ジメチルジグリコール、ジメチルトリグリコール、メチルエチルジグリコール、ジエチルジグリコール、ジブチルジグリコール、ジメチルプロピレンジグリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-プロピルエーテル等のグリコールエーテル;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン等の鎖状又は環状のアミド類(好ましくは環状アミド類);エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-へキサンジオール、1,6-へキサンジオール等のアルカンジオール(炭素数の範囲は通常C1-C8、好ましくはC1-C6。);メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等の、ヒドロキシ基を1つ有するC1-C6アルカノール;1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン、1,3-ジメチルヘキサヒドロピリミド-2-オン等の環式尿素;アセトン、2-メチル-2-ヒドロキシペンタン-4-オン、エチレンカーボネート等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子量が400以上のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール、チオジグリコール又はジチオジグリコール等の、C2-C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ジグリセリン、ヘキサン-1,2,6-トリオール、トリメチロールプロパン等のポリオール(トリオール);γ-ブチロラクトン又はジメチルスルホキシド等が挙げられる。
グリコールエーテルの中ではジエチレングリコールモノエチルエーテル、ブチルジグリコール、メチルエチルジグリコール、ジエチルジグリコール、ジプロピレングリコールモノn-プロピルエーテルが好ましい。
アルカンジオールの中では1,2-ヘキサンジオール、及びプロピレングリコールが好ましい。
その一例としては、2-ブタノン等の有機溶剤に分散剤を溶解し、アニオン分散剤のときは中和剤の水溶液を加えて乳化液を調製する。得られた乳化液に着色剤を加えて分散処理を行い、液を得る。このようにして得られた液から有機溶剤と、一部の水を減圧留去することにより、着色剤を含有する分散液を得ることができる。
分散処理は、例えば、前記の分散剤の溶液若しくは乳化液と、着色剤とをサンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等に入れて分散を行う。サンドミルを用いるときは、粒子径が0.01mm~1mm程度のビーズを使用することができる。ビーズの充填率、分散時間、及び着色剤の含有量等を調整することにより、分散処理の効率を調整することができる。
前記のようにして得られた分散液は、濾過及び/又は遠心分離をすることにより、含有する粒子の粒子径の大きさを、一定の範囲に揃えることができる。
インクの表面張力は通常10mN/m~50mN/m、好ましくは20mN/m~40mN/mである。
インクの粘度は通常30mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以下、下限は0.1mPa・s以上である。
また、インクジェット印刷方法には、インク中の着色剤の含有量の低いインクを、小さい体積で多数射出する方法;実質的に同じ色相で、インク中の着色剤の含有量が異なる複数のインクを用いて画質を改良する方法;及び、無色透明のインクと、着色剤を含有するインクとを併用することにより、基材に対する着色剤の定着性を向上させる方法等が存在する。これらの各種の方法も、前記のインクジェット印刷方法に含まれる。
前記インクジェット印刷方法は、本発明のインクと、必要に応じて、グリーン、ブルー(又はバイオレット)及びレッド(又はオレンジ)等の各色のインクとを併用することもできる。
各色のインクは、それぞれの容器に注入され、その各容器を、前記インクを含有する容器と同様にインクジェットプリンタの所定の位置に装填してインクジェット印刷に使用することができる。
実施例中、着色剤の含有量の測定が必要なときは、株式会社エイ・アンド・デイ社製、MS-70を用いて乾燥重量法により固形分の含有量を測定し、着色剤の含有量を換算により求めた。
実施例中で使用した水は、イオン交換水である。
国際公開第2013/115071号の合成例3に従って、ブロック共重合体Aを得た。得られたブロック共重合体(6部)を、2-ブタノン(30部)に溶解させて液を得た。この液に、28%アンモニア水溶液(0.67部)をイオン交換水(43部)に溶解させた液を加え、1時間攪拌して乳化液を得た。得られた乳化液にC.I.Pigment Blue 15:3(20部)、及び分散用ビーズを加え、1500rpmの条件下で15時間、サンドグラインダー中で分散処理を行って液を得た。得られた液にイオン交換水(100部)を滴下した後、濾過して分散用ビーズを濾別し、ろ液を得た。得られたろ液から、エバポレータで2-ブタノン、及び水の一部を減圧留去することにより、着色剤の含有量が11.6%であり、分散剤がアンモニアで中和された分散液1を得た。
28%アンモニア水溶液(0.67部)をイオン交換水(43部)に溶解させた液の代わりに、水酸化ナトリウム(0.44部)をイオン交換水(44部)に溶解させた液を使用する以外は調製例1と同様にして、着色剤の含有量が12.6%であり、分散剤が水酸化ナトリウムで中和された分散液2を得た。
28%アンモニア水溶液(0.67部)をイオン交換水(43部)に溶解させた液の代わりに、90%トリエタノールアミン(1.84部)をイオン交換水(42部)に溶解させた液を使用する以外は調製例1と同様にして、着色剤の含有量が13.3%であり、分散剤がトリエタノールアミンで中和された分散液3を得た。
28%アンモニア水溶液(0.67部)をイオン交換水(43部)に溶解させた液の代わりに、28%アンモニア水溶液(0.33部)をイオン交換水(44部)に溶解させた液を使用する以外は調製例1と同様にして、着色剤の含有量が13.0%であり、分散剤がアンモニアで中和された分散液4を得た。
28%アンモニア水溶液(0.67部)をイオン交換水(43部)に溶解させた液の代わりに、28%アンモニア水溶液(1.34部)をイオン交換水(44部)に溶解させた液を使用する以外は調製例1と同様にして、着色剤の含有量が12.0%であり、分散剤がアンモニアで中和された分散液5を得た。
国際公開第2015/147192号の調製例4に記載の方法に従い、Tgが0℃、酸価が6KOHmg/g、固形分が25%であり、スチレン誘導体を含有しないポリマーエマルジョン3を調製した。これを樹脂エマルジョンAとする。
下記表1に記載の各成分を混合して液を得た後、得られた液を3μmのメンブランフィルターで濾過することにより、評価試験に用いる実施例、及び比較例の各インクを得た。各インク中の着色剤、及び樹脂エマルジョンの含有量は5%になるように調整した。また、インクの総量が100部となるように水で調整した。
DP1:調製例1で得た分散液1。
DP2:調製例2で得た分散液2。
DP3:調製例3で得た分散液3。
DP4:調製例4で得た分散液4。
DP5:調製例5で得た分散液5。
BDG:ブチルジグリコール。
MEDG:メチルエチルジグリコール。
BYK345:ビックケミー社製のBYK-345。
AP4750N:昭和電工株式会社製のポリゾール AP-4750N。
Jc7610:BASF社製のJoncryl 7610。
Jc537J:BASF社製のJoncryl 537J。
Jc538J:BASF社製のJoncryl 538J。
PDX7611:BASF社製のJoncryl PDX-7611。
KE1060:星光PMC社製のKE-1060(Tg16℃、酸価100KOHmg/g、固形分46%)。
J140A:星光PMC社製のJ-140A(Tg6℃、酸価33KOHmg/g、固形分41%)。
PE-A:調製例6で得た樹脂エマルジョンA。
実施例及び比較例の各インクを、セイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンタPX205にてポリ塩化ビニルシートに100%Duty画像としてベタ印刷を行った。そのポリ塩化ビニルシートを90℃の恒温槽で1分間乾燥させて、評価試験用サンプルとした。
[溶剤耐性試験]
得られた試験サンプルを、溶剤で湿らせた綿棒で擦過したとき、印刷画像が剥がれるか否かを、下記4段階の評価基準で、目視で評価した。
[評価基準]
A:30%エタノール水で擦過しても、印刷画像が剥がれない。
B:10%エタノール水で擦過しても印刷画像は剥がれないが、30%エタノール水では剥がれる。
C:水で擦過しても印刷画像は剥がれないが、10%エタノール水では剥がれる。
D:水で擦過しても印刷画像が剥がれる。
結果を以下の表2に示す。
また、実施例5は50%中和度、実施例6は200%中和度の分散剤を含有する分散液をそれぞれ使用して、調製したインクである。このように中和度が異なるインクであっても、安定な分散液が調整でき、且つ、溶剤耐性(特に耐アルコール性)が良好であることが確認できた。
Claims (5)
- 水、水不溶性の着色剤、重量平均分子量が17000~27000の分散剤、及び、樹脂エマルジョンを含有するインクであって、
前記分散剤が、Aブロックを構成するモノマーがベンジルメタクリレートであり、Bブロックを構成するモノマーがアルキルメタクリレート及びメタクリル酸であるA-Bブロックポリマーであるか、α ,β-エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル;マイレン酸及びその誘導体;イタコン酸及びその誘導体;ファール酸及びその誘導体;並びに、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、及びそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも2つの単量体から構成されるブロック共重合体であり、
前記の分散剤が50~150KOHmg/gの酸価を有し、その酸価がアンモニアで中和されており、前記の樹脂エマルジョンのTgが20℃~100℃、酸価が3KOHmg/g~140KOHmg/gである、インク。 - グリコールエーテル、アミド類、及びアルカンジオールから選択される有機溶剤を、さらに含有する、請求項1に記載のインク。
- 請求項1又は2に記載のインクの液滴を印刷信号に応じて吐出させ、基材に付着させることにより印刷を行うインクジェット印刷方法。
- 請求項1又は2に記載のインクが付着した基材。
- 請求項1又は2に記載のインクを含有する容器を有するインクジェットプリンタ。
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