JP2021147400A - インク、インクジェット印刷方法及び印刷メディア - Google Patents

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正悟 戸田
波 崔
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波 崔
径明 武田
Michiaki Takeda
径明 武田
博俊 高橋
Hirotoshi Takahashi
博俊 高橋
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Abstract

【課題】インク非・難吸収性メディア上での濡れ広がりが良好で、保存期間に係らず色間にじみが悪化せず、且つ、印刷画像の粒状性が極めて少ない印刷画像の提供を可能にするインク、そのインクを用いるインクジェット印刷方法、及びそのインクが付着した印刷メディアの提供。【解決手段】水不溶性の着色剤、分散剤、下記式(1)で表され、HLB値が5.0〜13.0の化合物、及び、水を含有するインクにより、上記の課題を解決できた。【化1】(式(1)中、RはC6−C20の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表す。EO及びPOの並び順は任意である。mはエチレンオキシ基の数を、nはプロピレンオキシ基の数を、それぞれ表し、mは1〜20、nは0〜5である。)【選択図】なし

Description

本発明は水性インク、そのインクを用いるインクジェット印刷方法、及びそのインクが付着した印刷メディアに関する。
各種のカラー印刷方法の中でも代表的方法の1つであるインクジェットプリンタによる印刷方法は、インクの小滴を発生させ、これを紙等の印刷メディアに付着させ印刷を行うものである。近年では産業用途としての需要が高まり、様々な印刷メディアに対して印刷ができるインクが求められている。
印刷メディアの中でも、インク非吸収性メディア、及び、インク難吸収性メディア(以下、「インク非・難吸収メディア」ということがある。)に対しては、メディア上での濡れ広がりが良好なインクが要望されている。メディア上での濡れ広がりがよいと、同じ量のインク滴を使用したときに着色できる面積が広くなる(換言すると、インクのドット径が大きくなる)ため、インクの消費量を抑えることができるためである。しかし、インク非・難吸収メディアは、インクの吸収性が悪いメディアである。このため、インクがメディア中にしみ込みにくく、インク吸収性メディアと比較して、インクの濡れ広がりが悪いことから、一般的にインクのドット径が小さくなる。この理由から、その改善が要望されている。
また、カラー印刷を行うときは、複数の色からなるインクセットが使用される。そのようなインクセットを使用してカラー印刷を行うときに、第1の色のインクの着弾位置と、第2の色のインクの着弾位置とが印刷メディア上で隣り合うことによって、第1の色と、第2の色との色間において、にじみが発生する場合のあることが知られている。この「色間のにじみ」は、印刷品質を著しく悪化させる要因の1つである。このため、この色間のにじみの解消が求められ、これを解決するためのインクセットも提案されている。
しかし、この色間のにじみの問題は、さらに複雑な要因を含むことが分かってきた。すなわち、印刷の初期においては、いずれも製造されてから間もない(換言すると、いずれも新しい)第1の色のインクと第2の色のインクとを併用して印刷を行うことができる。このため、色間のにじみに配慮したインクセットを選択して使用することにより、色間のにじみのない、高品質な印刷を行うことができる。
しかし、印刷が継続して行われるようになると、インクの色の種類により、それぞれのインクの消費量は異なってくる。このため、消費量の多いインクは、インクが無くなれば、新しいインクに置き換えられていく。一方、消費量の少ないインクは、最初に使用していたインクが、そのまま無くなるまで継続して使用される(換言すると、新しいインクと、古いインクとが併用される)ことになる。このため、消費量の多いインクと、消費量の少ないインクとでは、インクの保存期間において、数カ月〜1年程度の差が生じることがある。このように、保存期間が異なるインクを併用して印刷したときに、各インク自体の保存安定性(吐出性、平均粒子径、粘度、pH等の様々な物性値)には大きな変化がないにもかかわらず、色間のにじみが悪化して、印刷画質が低下することがあり、その解決が要望されている。
さらに、印刷画質に関しては、粒状性ができるだけ少ないことが要求される。水不溶性の着色剤を含有するインクは、インク自体が不均一な状態(溶液の状態ではなく、分散液の状態)にある。そのような不均一な状態のインクで印刷メディアにベタ印刷を行うと、印刷画像に濃淡の「粒」が散在しているように見え、均一な画像に見えないことがある。そのような印刷画像は「粒状性が認められる」と評価され、印刷品質を著しく悪化させる要因の1つである。このため、粒状性ができるだけ少ない印刷画像が得られるインクが、強く要望されている。
特許文献1〜5には、水性のインクジェットインク、及びそれを用いるインクジェット記録方法等が記載されている。
特開2016−044188号公報 特開2014−139004号公報 特開2007−162006号公報 国際公開2011/136000号 特開2014−210876号公報
インク非・難吸収性メディア上での濡れ広がりが良好で、保存期間に係らず色間にじみが悪化せず、且つ、粒状性が極めて少ない印刷画像の提供を可能にするインク、そのインクを用いるインクジェット印刷方法、及びそのインクが付着した印刷メディアの提供を課題とする。
本発明者らは、上記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記[1]〜[9]に記載の発明により、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の[1]〜[9]に関する。
[1]
水不溶性の着色剤、分散剤、下記式(1)で表され、HLB値が5.0〜13.0のノニオン界面活性剤、及び、水を含有するインク。
Figure 2021147400
(式(1)中、
RはC6−C20の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表し、
EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表す。EO及びPOの並び順は任意である。
mはエチレンオキシ基の数を、nはプロピレンオキシ基の数を、それぞれ表し、mは1〜20、nは0〜5である。)
また、上記のHLB値は、以下のようにして算出する。
[HLB値の算出方法]
ノニオン界面活性剤0.5gをエタノール10mLに溶解させて溶液を得る。得られた溶液を25℃で撹拌し、この溶液に2質量%フェノール水溶液を滴下し、液が混濁したところを終点とする。終点までに要した2質量%フェノール水溶液の量がQ(mL)のとき、下記式(2)によってHLB値を算出する。
Figure 2021147400
[2]
さらに、グリコールエーテル、及びC4−C12アルカンジオールから選択される少なくとも1種類を含有する上記[1]に記載のインク。
[3]
さらに、バインダーを含有する上記[1]又は[2]に記載のインク。
[4]
上記バインダーがワックス、及び(メタ)アクリル酸系ポリマーから選択される少なくとも1種類を含有する上記[3]に記載のインク
[5]
上記ワックスがポリアルキレンワックス、酸化ポリアルキレンワックス、及びパラフィンワックスから選択される1種類以上である、上記[4]に記載のインク。
[6]
上記ワックスが酸化ポリエチレンワックスである、上記[4]又は[5]に記載のインク。
[7]
上記(メタ)アクリル酸系ポリマーがC1−C4アルキルメタクリレート、C6−C10アルキルアクリレート、メタクリル酸、及びアリルメタクリレートの4種類のモノマーから構成される(メタ)アクリル酸系ポリマーである、上記[4]に記載のインク。
[8]
上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載のインクの液滴を、インクジェットプリンタから吐出させ、印刷メディアに付着させることにより印刷を行うインクジェット印刷方法。
[9]
上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載のインクが付着した印刷メディア。
本発明により、インク非・難吸収性メディア上での濡れ広がりが良好で、保存期間に係らず色間にじみが悪化せず、且つ、粒状性が極めて少ない印刷画像の提供を可能にするインク、そのインクを用いるインクジェット印刷方法、及びそのインクが付着した、インクの濡れ広がりが良好で、色間にじみがなく、且つ、粒状性が極めて少ない印刷画像を有する印刷メディアを提供できた。
本明細書においては、特に断りのない限り「部」及び「%」は、実施例等も含めて、いずれも質量基準で記載する。
本明細書において、例えば、「X〜Y%」等のように、上下限の範囲の一方のみに「単位」が記載されているときは、範囲の上下限の単位が同じ、すなわち「X%〜Y%」であることを意味する。
[水不溶性の着色剤]
上記の着色剤は、水不溶性の着色剤であれば特に限定されない。例えば、公知の顔料、分散染料、溶剤染料、及び、染料及び顔料等の着色剤により着色された水不溶性の樹脂等が使用できる。本明細書において水不溶性の着色剤とは、25℃の水1リットルに対する溶解度が通常5g以下、好ましくは3g以下、より好ましくは1g以下、さらに好ましくは0.5g以下の着色剤を意味する。溶解度の下限は0gを含む。
なお、特に断りのない限り「水不溶性の着色剤」を、以下「着色剤」という。
また、上記の着色剤の中では顔料が好ましい。顔料としては無機顔料、有機顔料、及び体質顔料等が挙げられる。
無機顔料としては、例えばカーボンブラック、酸化チタン、金属酸化物、水酸化物、硫化物、フェロシアン化物、及び金属塩化物等が挙げられる。
黒インクが含有する着色剤としてはサーマルブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、ランプブラック、ガスブラック、及びチャンネルブラック等のカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの具体例としては、例えば、コロンビア・カーボン社製のRavenシリーズ;キャボット社製のMonarchシリーズ、Regalシリーズ、及びMogulシリーズ;オリオンエンジニアドカーボンズ社製のColorBlackシリーズ、Printexシリーズ、SpecIalBlackシリーズ、及びNeroxシリーズ;三菱化学株式会社製のMAシリーズ、MCFシリーズ、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、及びNo.2300等が挙げられる。
有機顔料として、例えばアゾ、ジアゾ、フタロシアニン、キナクリドン、イソインドリノン、ジオキサジン、ペリレン、ペリノン、チオインジゴ、アンソラキノン、及びキノフタロン等の各種の顔料が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、例えばC.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、24、55、73、74、75、83、93、94、95、97、98、108、114、128、129、138、139、150、151、154、180、185、193、199、202、213等のイエロー;C.I.Pigment Red 5、7、12、48、48:1、57、88、112、122、123、146、149、150、166、168、177、178、179、184、185、202、206、207、254、255、257、260、264、272等のレッド;C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、25、60、66、80等のブルー;C.I.Pigment Violet 19、23、29、37、38、50等のバイオレット;C.I.Pigment Orange 13、16、43、68、69、71、73等のオレンジ;C.I.Pigment Green7、36、54等のグリーン;C.I.Pigment Black 1等のブラックの各色の顔料が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸バリウム、及びホワイトカーボン等が挙げられる。体質顔料は、他の着色剤と併用されることが多い。
分散染料としては、公知の分散染料が挙げられる。それらの中ではC.I.Dispersから選択される染料が好ましい。その具体例としては、例えば、C.I.Dispers Yellow9、23、33、42、49、54、58、60、64、66、71、76、79、83、86、90、93、99、114、116、119、122、126、149、160、163、165、180、183、186、198、200、211、224、226、227、231、237等のイエロー;C.I.Dispers Red 60、73、88、91、92,111、127、131、143、145、146、152、153、154、167、179、191、192、206、221、258、283等のレッド;C.I.Dispers Orange 9、25、29、30、31、32、37、38、42、44、45、53、54、55、56、61、71、73、76、80、96、97等のオレンジ;C.I.Dispers Violet 25、27、28、54、57、60、73、77、79、79:1等のバイオレット;C.I.Dispers Blue 27、56、60、79:1、87、143、165、165:1、165:2、181、185、197、202、225、257、266、267、281、341、353、354、358、364、365、368等のブルーの各色の分散染料が挙げられる。
上記インクの総質量に対する着色剤の含有量は、通常1〜30%、好ましくは1〜10%、より好ましくは2〜7%である。
また、着色剤の平均粒径は通常50〜250nm、好ましくは60〜200nmである。本明細書において平均粒径とは、レーザ光散乱法を用いて測定した粒子の平均粒径を言う。
[分散剤]
上記の分散剤としては特に制限されず、公知の分散剤が使用できる。分散剤は、水不溶性の着色剤をインク中に分散する目的で使用する。分散剤としては、一般に樹脂等の高分子分散剤が用いられる。
そのような樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース系誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマール酸、フマール酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルメタクリレート、スルホン化ビニルナフタレンのα,β−不飽和モノマー等のイオン性モノマー、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリルニトリル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、N−ブトキシメチルアクリルアミド等から誘導されたポリマー等が挙げられる。
上記の分散剤としては、国際公開2013/115071号が開示するA−Bブロックポリマーと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。また、A−Bブロックポリマーの製造方法等についても同様である。
国際公開2013/115071号が開示する分散剤(A−Bブロックポリマー)の1例としては、例えば、上記Aポリマーを構成するモノマーは(メタ)アクリル酸、及び、直鎖又は分岐鎖C4アルキル(メタ)アクリレートから選択される1種類以上のモノマーであり、Bポリマーを構成するモノマーは、ベンジルメタクリレート及び/又はベンジルアクリレートである。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」及び「(メタ)アクリレート」の文言は、それぞれ「アクリル、メタクリル」及び「アクリレート、メタクリレート」の両方を含む意味として用いる。
Aブロックを構成するモノマーはメタクリル酸、及びn−ブチルメタクリレートから選択される1種類以上のモノマーが好ましく、これら2種類のモノマーを併用するのが特に好ましい。
Bブロックを構成するモノマーはベンジルメタクリレートが好ましい。
その具体例としては、上記の国際公開2013/115071号の合成例3〜8に開示されたブロック共重合体が挙げられる。
スチレン−(メタ)アクリル系の重合体としては、BASF社製のJoncrylシリーズが好ましい。
分散剤の酸価は通常90〜200mgKOH/g、好ましくは100〜150mgKOH/g、より好ましくは100〜120mgKOH/gである。
分散剤の質量平均分子量は通常10000〜60000、好ましくは10000〜40000、より好ましくは15000〜30000、さらに好ましくは20000〜25000である。
分散剤のPDI(質量平均分子量/数平均分子量)は1.29〜1.49程度である。
上記のような範囲とすることにより、分散性、及び保存安定性を良好にできる。
中和剤としては、例えば、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、脂肪族アミン化合物及びアルカノールアミン化合物等が挙げられる。アンモニア及びアルカリ金属の水酸化物が好ましく、アンモニアが特に好ましい。 中和剤の使用量は特に制限されない。その目安としては、分散剤の酸価の理論等量で中和したときを100%中和度として、通常30〜300%中和度、より好ましくは50〜200%中和度である。
上記の分散剤は、水不溶性の着色剤と混合した状態で使用することができる。また、水不溶性の着色剤の表面に分散剤を被覆させた状態として使用することもできる。また、これらの両方を併用することもできる。本明細書において「被覆」とは、水不溶性の着色剤の表面の全てを分散剤で覆った状態、及び、水不溶性の着色剤の表面の一部を分散剤で覆った状態の両方を意味する。
分散剤を使用するとき、水不溶性の着色剤の総質量に対する分散剤の総質量の比は通常0.1〜1.0、好ましくは0.1〜0.6、より好ましくは0.2〜0.5である。
[ノニオン界面活性剤]
上記インクは式(1)で表されるノニオン界面活性剤を含有する。ノニオン界面活性剤のHLB値は通常5.0〜13.0、好ましくは5.5〜12.5、より好ましくは6.0〜12.0、さらに好ましくは6.0〜11.4、特に好ましくは6.3〜11.1である。界面活性剤のHLB値は、上記の[HLB値の算出方法]に記載されたようにして算出し、その小数点以下2桁目を四捨五入することにより、小数点以下1桁目までをHLB値として記載する。
式(1)で表されるノニオン界面活性剤のうち、Rとして直鎖アルキル基を有するものとしては日本乳化剤株式会社製のニューコール 2303、;クラリアント社製のGENAPOL EP 2564、EP 2584等が挙げられる。
また、Rとして分岐鎖アルキル基を有するものとしては日本乳化剤株式会社製のニューコール NT−3;BASF社製のLutensol XL 40、70;ビックケミー社製のBYK DYNWET 800 N、LPX 7113;日本触媒株式会社製のソフタノール50、70、PO基を有さず、EO基のみを有する日本乳化剤株式会社製のニューコール2303、三洋化成株式会社製のエマルミン 40、110、240等が、市販品として入手できる。
下記表1に式(1)で表される化合物と、そのHLB値の一例を示す。下記表1中、「HLB」はHLB値を、「Rの種類」の欄における「BR」はRが分岐鎖であることを、「ST」はRが直鎖であることを、それぞれ意味する。
Figure 2021147400
[グリコールエーテル、及びC4−C12アルカンジオール]
上記インクは、グリコールエーテル、及びC4−C12アルカンジオールから選択される少なくとも1種類を含有する。これにより、インク非・難吸収メディア上において、インクの濡れ広がり、及び、インクの乾燥が良好になる傾向がある。インク組成物の総質量中における、これらの総含有量は通常0.1〜30%、好ましくは0.2〜20%、より好ましくは0.5〜10%、さらに好ましくは2〜8%、特に好ましくは4〜6%である。
上記グリコールエーテルとしては特に制限されないが、ジ又はトリC2−C4アルキレングリコールのアルキルエーテルが好ましく、ジ又はトリC2−C4アルキレングリコールのモノアルキルエーテルがより好ましい。
C2−C4アルキレングリコール部分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びブチレングリコールが挙げられる。これらの中ではエチレングリコール、及びプロピレングリコールが好ましく、プロピレングリコールがより好ましい。
アルキルエーテル部分のアルキルの炭素数の範囲は、通常C1−C6、好ましくはC1−C5、より好ましくはC2−C4、さらに好ましくはC3−C4、特に好ましくはC4である。
その具体例としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
これらの中では、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、またはジプロピレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
上記C4−C12アルカンジオールとしては特に制限されないが、1,2−(C4−C12)アルカンジオールが好ましく、1,2−(C6−C8)アルカンジオールがより好ましい。
C7以上のアルカンジオールは、一般的に難水溶性とされている。その具体例としては、例えば、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、5−メチル−1,2−ヘキサンジオール、4−メチル−1,2−ヘキサンジオール、4,4−ジメチル−1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。これらの中では、1,2−オクタンジオールが好ましい。
また、C6以下のアルカンジオールは、一般的に水溶性とされている。その具体例としては、例えば、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ブタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール等が挙げられる。これらはいずれも使用できるが、臭気が少ない点において、これらの中では1,2−ヘキサンジオールがより好ましい。
[インク調製剤]
上記インクは、上記した成分以外に、インク調製剤をさらに含有することができる。インク調製剤としては、例えば、バインダー、有機溶剤、ノニオン以外の界面活性剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、キレート剤、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
インクの総質量に対して、バインダー、及び有機溶剤を除くインク調製剤の総含有量は通常0〜30%、好ましくは0.1〜20%、より好ましくは0.5〜10%程度である。
[バインダー]
上記バインダーとしてはワックス、及び(メタ)アクリル酸系ポリマーから選択される少なくとも1種類が好ましい。バインダーを含有することにより、耐擦過性を向上することができる。バインダーはエマルションの状態で使用するのが好ましく、中でも水系エマルションがより好ましい。
バインダーの平均粒径は、インクジェットヘッドの目詰まりを防止するために50nm〜5μmが好ましく、100nm〜1μmがより好ましい。
上記インクがバインダーを含有するとき、インクの総質量に対するバインダーの含有量は固形分換算値として通常0.1〜14%、好ましくは0.5〜12%、より好ましくは2〜10%、さらに好ましくは3〜8%である。このような含有量のとき、耐擦過性を良好にすることができる。
[ワックス]
ワックスとしては、天然ワックス及び合成ワックスを用いることができる。
天然ワックスとしては、石油系ワックスであるパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等;褐炭系ワックスであるモンタンワックス等;植物系ワックスであるカルナバワックス、キャンデリアワックス等;動植物系ワックスである蜜蝋、ラノリン等のワックスを、水性媒体中に分散させたエマルジョン等が挙げられる。
合成ワックスとしてはポリアルキレンワックス(好ましくはポリC2−C4アルキレンワックス)、酸化ポリアルキレンワックス(好ましくは酸化ポリC2−C4アルキレンワックス)、及びパラフィンワックスが挙げられる。上記の中ではポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス及びパラフィンワックスから選択される1種類以上のワックスが好ましく、酸化ポリエチレンワックスがより好ましい。
ワックスエマルジョンの市販品としては、例えば、ビックケミー社製のCERAFLOUR 925、929、950、991;AQUACER 498、515、526、531、537、539、552、1547;AQUAMAT 208、263、272;MINERPOL 221等;三井化学株式会社製の三井ハイワックス NL100、NL200、NL500、4202E、1105A、2203A、NP550、NP055、NP505等;三洋化学株式会社製のKUE−100、11等が挙げられる。
これらの中ではAQUACER 515、531、537、539、1547が好ましく;AQUACER 515、531、537、1547がより好ましい。
[(メタ)アクリル酸系ポリマー]
バインダーとして使用する(メタ)アクリル酸系ポリマーは、上記の分散剤とは異なるポリマーである。その構成としてはC1−C4アルキルメタクリレート、C6−C10アルキルアクリレート、メタクリル酸、及びアリルメタクリレートの4種類のモノマーから構成される(メタ)アクリル酸系ポリマーが好ましい。
上記C1−C4アルキルメタクリレートとしてはアルキル部分が直鎖、又は分岐鎖が好ましく、直鎖がより好ましい。炭素数の範囲としてはC1−C3アルキルメタクリレートが好ましく、C1−C2アルキルメタクリレートがより好ましく、メチルメタクリレートがさらに好ましい。
上記C6−C10アルキルアクリレートとしてはアルキル部分が直鎖、又は分岐鎖が好ましく;分岐鎖がより好ましい。炭素数の範囲としてはC7−C9アルキルアクリレートが好ましく、C8アルキルアクリレートがより好ましく、2−エチルヘキシルアクリレートがさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸系ポリマーにおけるC1−C4アルキルメタクリレート、C6−C10アルキルアクリレート、メタクリル酸、及びアリルメタクリレートの4種類のモノマーの比は、それぞれ質量基準で通常40〜60%、38〜58%、1〜10%、及び1〜5%;好ましくは45〜55%、52〜42%、2〜4%、及び1〜3%である。これらのモノマーの範囲で、合計100%とするのが好ましい。
(メタ)アクリル酸系ポリマーの酸価(単位はmgKOH/g)は通常−10〜35、好ましくは−5〜30、より好ましくは0〜25である。
同様にガラス転移温度(Tg)は通常−20〜30℃、好ましくは−15〜25℃、より好ましくは−10〜20℃である。
[有機溶剤]
有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、及び第三ブタノール等の、ヒドロキシ基を1つ有するC1−C6アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミド、及びN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、及び1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素;アセトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン、及びエチレンカーボネート等の、ケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、及びジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール等の1,2−(C2−C3)アルカンジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子量が400以上のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール、チオジグリコール又はジチオジグリコール等の、C2−C4アルキレン単位を有するオリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ジグリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール、トリメチロールプロパン等のポリオール(トリオール);γ−ブチロラクトン、及びジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの中では1,2−(C2−C3)アルカンジオール、及びC2−C4アルキレン単位を有するオリゴ又はポリアルキレングリコールが好ましく、1,2−(C2−C3)アルカンジオールがより好ましい。
上記インクが有機溶剤を含有するとき、インクの総質量に対する有機溶剤の総含有量は通常1〜50%、好ましくは5〜45%、より好ましくは10〜40%、さらに好ましくは15〜35%、特に好ましくは20〜30%である。
[界面活性剤]
界面活性剤としては、アニオン、カチオン、両性、シリコーン系、及びフッ素系の、各界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。その一例としては、エアープロダクツ社製のダイノール 960、980;日信化学株式会社製のシルフェイス SAG001、SAG002、SAG003、SAG005、SAG503A、SAG008、SAG009、SAG010;及び、ビックケミー社製のBYK−345、347、348、349、3455、LP−X23288、LP−X23289、LP−X23347;Evonic Tego Chemie社製のTEGO Twin 4000、TEGO Wet KL245、250、260、265、270、280等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸系化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。
[防腐剤]
防腐剤としては、例えば有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系又は無機塩系等の化合物が挙げられる。
防腐剤の市販品の具体例としては、アーチケミカル社製のプロクセル GXL(S)、XL−2(S)等が挙げられる。
[防黴剤]
防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。
[pH調整剤]
pH調整剤としては、調製されるインク組成物に悪影響を及ぼさずに、そのpHを5〜11に調整できれば、任意の物質を使用することができる。
その具体例としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;リン酸二ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
[キレート剤]
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、及びウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
[防錆剤]
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、及びジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
[水溶性紫外線吸収剤]
水溶性紫外線吸収剤の例としては、例えばスルホ化されたベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。
[酸化防止剤]
酸化防止剤の例としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。上記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及び複素環類等が挙げられる。
[水]
上記インクは上記の各成分、及び、必要に応じてインク調製剤を含有し、残部は水である。インクに使用する水は、イオン交換水、蒸留水等の、例えば金属イオンのような不純物の含有量の少ないものが好ましい。
上記インクのpHは通常7〜11、好ましくは8〜10である。
インクの表面張力は通常10〜50mN/m、好ましくは20〜40mN/mである。
インクの粘度は通常2〜30mPa・s、好ましくは3〜20mPa・sである。
上記インクのpH、及び表面張力は、pH調整剤、界面活性剤、水溶性有機溶剤等を使用することにより調整できる。
上記インクは、各種の印刷において使用することができる。例えば、筆記具、各種の印刷、情報印刷、捺染等に好適であり、インクジェット印刷に用いることが特に好ましい。
上記インクをインクジェット印刷に用いるときは、上記インクの液滴を、印刷信号に応じて吐出させて印刷メディアに付着させることにより印刷を行うことができる。インクジェットプリンタのインクノズル、及びインクジェット方式等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
インクジェット印刷を行うときは、上記インクを含有する容器をインクジェットプリンタの所定の位置に装填することにより、上記のように印刷を行うことができる。
上記インクジェット印刷方法は、必要に応じてイエロー、ブルー、レッド、グリーン、バイオレット、及びオレンジの各顔料、若しくは染料から選択される着色剤を含有するインクと併用し、フルカラー印刷をすることもできる。
産業用インクジェットプリンタは、印刷速度を高速にする目的で、ラインヘッド型のインクジェットプリンタの構成で、シングルパスでの印刷も好ましく行われる。上記インクにより、そのような印刷条件においても、発色性が良好で、耐擦過性にも優れた印刷画像を得ることができる。
インクジェット方式としては、公知の方式が使用できる。インクジェット方式の具体例としては、例えば、電荷制御方式、ドロップオンデマンド(圧力パルス)方式、音響インクジェット方式、サーマルインクジェット方式等が挙げられる。
また、インク中の着色剤の含有量が少ないインクを小さい体積で多数射出して画質を改良する方式;実質的に同じ色相で、インク中の着色剤の濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式;及び、無色透明のインクを用いることにより、着色剤の定着性を向上させる方式等も含まれる。
上記の印刷メディアは、上記インクが付着できる物質を意味する。印刷メディアの一例としては、例えば、紙、フィルム等、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられる。
印刷メディアは、インク受容層を有するものと、有さないものとに大別することができる。
インク受容層を有する印刷メディアは、通常インクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙等と呼ばれる。その代表的な市販品の例としては、キヤノン株式会社製のプロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、光沢ゴールド及びマットフォトペーパー;セイコーエプソン株式会社製の写真用紙クリスピア(高光沢)、写真用紙(光沢)、フォトマット紙;日本ヒューレット・パッカード株式会社製のアドバンスフォト用紙(光沢);富士フィルム株式会社製の画彩写真仕上げPro等が挙げられる。
インク受容層を有さない印刷メディアとしては、グラビア印刷、オフセット印刷等の用途に用いられるコート紙、アート紙等の各種の用紙;ラベル印刷用途に用いられるキャストコート紙等が挙げられる。上記インクは、インク受容層を有さない印刷メディアに好適に用いることができる。
インク受容層を有さない印刷メディアを用いるときは、着色剤の定着性等を向上させる目的で、印刷メディアに対して表面改質処理を施すことも好ましく行われる。
上記の表面改質処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理及びフレーム処理等の、公知の方法が挙げられる。
上記した全ての事項について、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものとより好ましいものとの組み合わせ、より好ましいものとさらに好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
また、特に断りのない限り上記した全ての成分等は、そのうちの1種類を単独で使用することができるし、2種類以上を併用することもできる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
また、各種の液が含有する、着色剤の含有量(固形分)の測定が必要なときは、株式会社エイ・アンド・デイ社製、MS−70を用いて、乾燥重量法により、着色剤のみの換算値として算出した。
また、「(A)色間にじみの評価」、「(B)粒状性の評価」、及び「(C)ドット径の評価」における測定に使用した装置は、QEA社製の印刷画像評価装置、PIAS−IIである。
[HLB値の算出方法]
化合物のHLB値は、以下のようにして算出した。一例として、Lutensol XL 40の算出例を記載する。
式(1)で表される化合物として「Lutensol XL 40」500mgを、攪拌下、エタノール10mLに溶解し、目視にて透明な溶液を得た。この溶液に、2%フェノール水溶液を25mLビュレットで滴下した。2%フェノール水溶液の滴下に伴い、ビーカー内の液は白濁し、透明に戻らなくなった。このときの2%フェノール水溶液の滴下量Qは、7.8mLであった。「Q=7.8」として、上記式(2)でHLB値を計算し(HLB値=0.89×7.8+1.11=8.052)、小数点以下2桁目を四捨五入することにより、式(1)で表される化合物のHLB値を8.1と算出した。
Lutensol XL 40と同様にして、上記表1に記載された12化合物のHLB値を算出した。
[調製例1]:着色剤の分散液(Dp1)の調製。
国際公開第2013/115071号の合成例3を追試することにより、ブロック共重合体(ブロック共重合体A)を得た。得られたブロック共重合体(4.8部)を、2−ブタノン20部に溶解させ、均一な溶液とした。この液に、水酸化ナトリウム(0.35部)を水(58.8部)に溶解させた液を加え、1時間攪拌して液を得た。この液にC.I.Pigment Blue 15:4(以下、「PB15:4」という。16部)を加え、1500rpmの条件下で15時間、サンドグラインダー中で分散処理を行って液を得た。得られた液に水(100部)を滴下した後、この液を濾過することにより、濾液を得た。得られた濾液から、エバポレータで2−ブタノン、及び水の一部を減圧留去することにより、着色剤の含有量が11.9%のシアン分散液を得た。得られた分散液を、「Dp1」とする。
[調製例2]:着色剤の分散液(Dp2)の調製。
PB15:4の代わりに、C.I.Pigment Red 122(以下、「PR122」という。20部)を用いる以外は調製例1と同様にして、着色剤の含有量が12.1%のマゼンタ分散液を得た。得られた分散液を、「Dp2」とする。
[調製例3]:(メタ)アクリル酸系ポリマーエマルション(Bd2)の調製。
イオン交換水60部に、ポリオキシエチレンドデシルエーテル0.3部、過硫酸アンモニウム0.3部を加え、窒素雰囲気下、70℃に加熱して液を得た。この液に、イオン交換水70部、ポリオキシエチレンドデシルエーテル10部、メチルメタクリレート51部、2−エチルヘキシルアクリレート47部、メタクリル酸2部、及びアリルメタクリレート1部の混合液を、3時間で滴下した。滴下終了後、液の温度を70℃に維持したまま、さらに2時間撹拌した。液の温度を40℃に冷却した後、ポリオキシエチレンドデシルエーテル150部を加えることにより、(メタ)アクリル酸系ポリマーエマルションを得た。このポリマーエマルションを「Bd1」とする。Bd1中の(メタ)アクリル酸系ポリマーの酸価は13mgKOH/g、Tgは1.2℃、固形分は33.5%であった。
[調製例4]:(メタ)アクリル酸系ポリマーエマルション(Bd3)の調製。
前記の調製例3においてメチルメタクリレートを52部、2−エチルヘキシルアクリレートを45部に変更し、さらに、アクリル酸1部の代わりにアリルメタクリレート1部を用いる以外は、調製例3と同様にして(メタ)アクリル酸系ポリマーエマルションを得た。このポリマーエマルションを「Bd2」とする。Bd2中の(メタ)アクリル酸系ポリマーの酸価は13mgKOH/g、Tgは15℃、固形分は25%であった。
[調製例5]:インクの調製。
上記で得た分散液「Dp1」および「Dp2」を、下記表2〜表5に記載の各成分と混合した後、3μmのメンブランフィルターで濾過することにより、評価試験用の実施例、及び、比較用の比較例の各インクを得た。インクの総質量に対する着色剤の含有量は、いずれのインクも5.5%になるように調整した。表2、及び表3に記載のインクは、いずれもシアンインクである。また、表4、及び表5に記載のインクは、いずれもマゼンタインクである。
下記表2〜表5中の略号等は、以下の意味を有する。
Dp1:調製例1で得たシアン分散液。
Dp2:調製例2で得たマゼンタ分散液。
PG:プロピレングリコール。
12HD:1,2−ヘキサンジオール。
DPnB:ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル。
TEA:トリエタノールアミン。
12030:SOFTANOL EP 12030。
NT3:Newcol NT―3。
2564:GENAPOL EP 2564。
2303:Newcol 2303。
XL40:Lutensol XL40。
800N:BYK−DYNWET 800N。
2584:GENAPOL EP2584。
7113:BYK−LP X 7113。
XL70:Lutensol FT XL 70。
XL100:Lutensol XL 100。
1008:Newcol 1008。
2308HE:Newcol 2308−HE。
349:BYK−349。
Bd1:Aquacer 515。
Bd2:調製例3で得た(メタ)アクリル酸系ポリマーエマルション。
Bd3:調製例4で得た(メタ)アクリル酸系ポリマーエマルション。
Figure 2021147400
Figure 2021147400
Figure 2021147400
Figure 2021147400
[インクセット1(C1インクとM1インクのセット)の調製]
上記のようにして調製した、M1インクを半分ずつ2つに分け、一方のM1インクはC1インクと共に室温で4週間保管し、他方のM1インクは60℃の恒温槽で4週間保管することにより加速試験を行った。いずれも室温で保管したC1インクとM1インクを組み合わせ、室温保管したインクセット1を調製した。
一方、室温保管したC1インクと、加速試験を行ったM1インクを組み合わせ、加速試験を行ったインクセット1を調製することにより、2種類のインクセット1を得た。
[インクセット2〜13、及び、比較用インクセット1〜10の調製]
上記インクセット1の調製に使用したC1インク、及び、M1インクの代わりに、下記表8、及び表9に記載された各インクを使用する以外は、上記インクセット1の調製と同様にして、室温保管したものと、加速試験を行ったものとの、それぞれ2種類の実施例のインクセット2〜13、及び比較例のインクセット1〜6を調製した。
[試験片1の調製]
上記のようにして得た表2、及び表3に示す各シアンインクを用い、それぞれ100%のベタ画像を印刷した。印刷は、京セラ株式会社製のインクジェットヘッド、KJ4Bを備えた印刷冶具を用い、周波数10kHz、3値(0、5、12pL)の条件で、王子製紙株式会社製の「OKトップコート+」を印刷メディアとして行った。印刷画像を100℃設定のIRヒーター下で3秒間、乾燥することによりそれぞれの試験片1を調製した。得られた試験片1を用い、下記する「(A)粒状性の評価」を行った。
[(A)粒状性の評価]
上記のようにして得た試験片2のシアン濃度の粒状性(graininess)を、タイルサイズが42.3μmの設定で小数点以下2桁目まで測定し、下記4段階の評価基準で評価した。粒状性の数値は小さい方が、粒状性が少ないことを意味し、印刷品質が優れる。粒状性の測定値、及び評価結果を下記表6、及び表7に示す。
[評価基準]
D:0.81以上。
C:0.51〜0.80。
B:0.21〜0.50。
A:0.20以下。
[試験片2の調製]
上記のようにして得た表2、及び表3に示す各シアンインクを用い、それぞれ5%のベタ画像を印刷した。印刷は、京セラ株式会社製のインクジェットヘッド、KJ4Bを備えた印刷冶具を用い、周波数10kHz、2値(中滴)の条件で、王子製紙株式会社製の「OKトップコート+」を印刷メディアとして行った。印刷画像を100℃設定のIRヒーター下で3秒間、乾燥することにより、それぞれの試験片2を調製した。得られた試験片2を用い、下記する「(B)濡れ広がり性の評価」を行った。
[(B)濡れ広がり性の評価]
上記のようにして得た試験片2のドット径を小数点以下1桁目まで測定し、小数点以下1桁目を四捨五入してドット径の数値とした。上記式(1)を含め、ノニオン界面活性剤を含有しない比較用シアンインク「cC7」のドット径を基準とし、印刷メディア上での濡れ広がり性の指標としてドット径の拡大率を下記式(3)により算出し、下記4段階の評価基準で評価した。ドット径の拡大率の数値は大きい方が、濡れ広がり性が優れることを意味する。ドット径、拡大率、及び評価結果を下記表6、及び表7に示す。
また、ドット径の拡大率を算出するときは、ドット径の測定値の小数点以下1桁目を四捨五入した数値を使用した。
[ドット径の拡大率]
Figure 2021147400
(式(3)中、「Cインク」はインク番号C1−C13の実施例のシアンインクを;また、「cCインク」はインク番号cC1−cC6、及びcC8−cC10の比較用シアンインクを意味する。)
[評価基準]
D:1%以下。
C:2〜7%。
B:8〜13%。
A:14%以上。
[試験片3の調製]
上記のようにして得た表2、及び表3に示す各シアンインクを用い、それぞれ100%のベタ画像を印刷した。印刷は、京セラ株式会社製のインクジェットヘッド、KJ4Bを備えた印刷冶具を用い、周波数10kHz、3値(微小滴、中滴)の条件で、王子製紙株式会社製の「OKトップコート+」を印刷メディアとして行った。印刷画像を100℃設定のIRヒーター下で3秒間、乾燥することにより、それぞれの試験片3を調製した。得られた試験片3を用い、下記する「(C)耐擦過性の評価」を行った。
[(C)耐擦過性の評価]
上記のようにして得た試験片3を、株式会社安田製作所製の学振形染色摩擦堅牢度試験機を使用して、900g荷重下で20回の条件で、往復擦過させた。レセプタ(擦るもの)としては、未印刷の「OKトップコート+」を使用した。ベタ画像の劣化具合を目視にて、下記3段階の評価基準で評価した。評価結果を下記表6、及び表7に示す。なお、下記表6、及び表7中の「(A)」、「(B)」及び「(C)」は、上記「(A)粒状性の評価」、「(B)濡れ広がり性の評価」及び「(C)耐擦過性の評価」の、それぞれの評価結果を意味する。
[評価基準]
A:印刷画像の傷は、ほとんど確認できなかった。
B:印刷画像に少しの傷が確認できた。
C:印刷画像に非常に大きい傷が確認された。
Figure 2021147400
Figure 2021147400
[試験片4の調製]
上記のようにして得た2種類のインクセット1を用い、それぞれC1インク100%のベタ画像の上に重なるように、M1インク100%、線幅0.5mmの直線状のマゼンタ画像1本を印刷し、印刷画像を得た。印刷は、京セラ株式会社製のインクジェットヘッド、KJ4Bを備えた印刷冶具を用い、周波数10kHz、2値(中滴)の条件で、王子製紙株式会社製の「OKトップコート+」を印刷メディアとして行った。得られた印刷画像を100℃設定のIRヒーター下で3秒間、乾燥することにより、2種類の試験片4を得た。
2種類のインクセット1を用いる代わりに、それぞれ2種類の実施例のインクセット2〜13、及び比較例のインクセット1〜10を用いる以外は、上記と同様にして、各インクセットに対応する、それぞれ2種類の試験片4を得た。
得られた2種類の試験片4を用い、下記する「(D)色間にじみの評価」を行った。
[(D)色間にじみの評価]
上記のようにして得た、それぞれ2種類の試験片4のマゼンタ画像の線幅を測定した。得られた測定値のうち、加速試験を行ったインクセットの線幅を、室温保管したインクセットの線幅で除することにより、線幅の比率を算出し、下記4段階の評価基準で評価した。線幅の比率は小さい方が、保存期間に係らず色間にじみが悪化しないことを示すため、色間にじみの性能が優れる。評価結果を下記表8、及び表9に示す。 なお、下記表8、及び表9中の「(D)」は、「(D)色間にじみの評価」の結果を意味する。
[評価基準]
D:比率101%以上。
C:比率51〜100%。
B:比率26〜50%。
A:比率25%以下。
Figure 2021147400
Figure 2021147400
上記表6、及び表7から明らかなように、各実施例のインクの「(A)粒状性の評価」、及び「(B)濡れ広がり性の評価」の結果は、いずれもA及びBであった。一方、cC6のインクを除き、各比較例のインクは、少なくともいずれかの評価結果が「C」以下であり、各実施例に対して明確に劣ることが確認された。
cC6のインクは、粒状性、濡れ広がり性については、各実施例のインクと同等の良好な結果を示した。しかし、cC6のインクをシアンインクとして用いた比較例インクセット6の「(D)色間にじみの評価」は「D」と突出して悪い結果を示した。すなわち、cC6のインクは、保存期間により、色間にじみが格段に悪化するインクであることが明らかとなった。
また、C11のインクは、濡れ広がりが「A」、粒状性が「B」と、良好である。このインクの耐擦過性を評価したところ「C」の結果であった。しかし、このインクにバインダーを添加した実施例C12、及びC13のインクは、耐擦過性が「A」まで向上した。これにより、上記のインクは、さらにバインダーを含有することにより、濡れ広がり、粒状性、色間にじみに加え、耐擦過性についても良好な印刷物が得られることを確認できた。
[調製例6]:着色剤の分散液(Dp3)の調製。
PB15:4の代わりに、C.I.Pigment Yellow 74(以下、「PY74」という。20部)を用いる以外は調製例1と同様にして、着色剤の含有量が12.1%のイエロー分散液を得た。得られた分散液を、「Dp3」とする。
[調製例7]:着色剤の分散液(Dp4)の調製。
PB15:4の代わりに、オリオン社製のカーボンブラック(商品名NEROX305、20部)を用いる以外は調製例1と同様にして、着色剤の含有量が12.1%のブラック分散液を得た。得られた分散液を、「Dp2」とする。
[調製例8]:インクの調製。
上記で得た分散液「Dp3」および「Dp4」を、下記表10に記載の各成分と混合した後、3μmのメンブランフィルターで濾過することにより、評価試験用の実施例、及び、比較用の比較例の各インクを得た。インクの総質量に対する着色剤の含有量は、いずれのインクも5.5%になるように調整した。表10中、Y1、Y2は実施例のイエローインク;K1、K2は実施例のブラックインク;cY1〜cY3は比較用のイエローインク;cK1〜cK3は比較用のイエローインクである。
Figure 2021147400
シアンインクの代わりに下記表11に記載の各マゼンタインク、表12に記載の各イエローインク、及び表13に記載の各ブラックインクを用いる以外は、上記と同様にして試験片を作成した後、上記[(A)粒状性の評価]、[(B)濡れ広がり性の評価]を行った。試験結果を下記表11〜13に示す。なお、ノニオン界面活性剤を含有しない、各色のドット径の基準となるインクは、以下のとおりである。
マゼンタインク:cM6。
イエローインク:cY1。
ブラックインク:cK1。
Figure 2021147400
Figure 2021147400
Figure 2021147400
表11〜表13から、着色剤の色や種類が異なるマゼンタ、イエロー、ブラックの各インクも、シアンインクと同様の傾向を示すことが確認された。
C1インクとM1インクの代わりに下記表14に記載のイエローインクとマゼンタインク、又はブラックインクとマゼンタインクを用いる以外は、上記「[インクセット1(C1インクとM1インクのセット)の調製]」と同様にして、それぞれ2種類の実施例のインクセット14〜17、及び、比較用インクセット11〜16を調製した。これらのインクセットを用いて上記と同様にして試験片を調製し、[(D)色間にじみの評価]を行った。試験結果を下記表14に示す。
Figure 2021147400
表14から、着色剤の色や種類が異なるイエローインクとマゼンタインク、及び、ブラックインクとマゼンタインクの各インクセットにおいても、シアンインクとマゼンタインクと同様の傾向を示すことが確認された。
本発明により、インク非・難吸収性メディア上での濡れ広がりが良好で、保存期間に係らず色間にじみが悪化せず、且つ、粒状性が極めて少ない印刷画像の提供を可能にするインク、そのインクを用いるインクジェット印刷方法、及びそのインクが付着した印刷メディアを提供できた。このため、本発明のインクは、各種の印刷用インク、特にインクジェット印刷用インクとして極めて有用である。

Claims (9)

  1. 水不溶性の着色剤、分散剤、下記式(1)で表され、HLB値が5.0〜13.0のノニオン界面活性剤、及び、水を含有するインク。
    Figure 2021147400
    (式(1)中、
    RはC6−C20の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表し、
    EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表す。EO及びPOの並び順は任意である。
    mはエチレンオキシ基の数を、nはプロピレンオキシ基の数を、それぞれ表し、mは1〜20、nは0〜5である。)
    また、上記のHLB値は、以下のようにして算出する。
    [HLB値の算出方法]
    ノニオン界面活性剤0.5gをエタノール10mLに溶解させて溶液を得る。得られた溶液を25℃で撹拌し、この溶液に2質量%フェノール水溶液を滴下し、液が混濁したところを終点とする。終点までに要した2質量%フェノール水溶液の量がQ(mL)のとき、下記式(2)によってHLB値を算出する。
    Figure 2021147400
  2. さらに、グリコールエーテル、及びC4−C12アルカンジオールから選択される少なくとも1種類を含有する請求項1に記載のインク。
  3. さらに、バインダーを含有する請求項1又は2に記載のインク。
  4. 上記バインダーがワックス、及び(メタ)アクリル酸系ポリマーから選択される少なくとも1種類を含有する請求項3に記載のインク
  5. 上記ワックスがポリアルキレンワックス、酸化ポリアルキレンワックス、及びパラフィンワックスから選択される1種類以上である、請求項4に記載のインク。
  6. 上記ワックスが酸化ポリエチレンワックスである、請求項4又は5に記載のインク。
  7. 上記(メタ)アクリル酸系ポリマーがC1−C4アルキルメタクリレート、C6−C10アルキルアクリレート、メタクリル酸、及びアリルメタクリレートの4種類のモノマーから構成される(メタ)アクリル酸系ポリマーである、請求項4に記載のインク。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクの液滴を、インクジェットプリンタから吐出させ、印刷メディアに付着させることにより印刷を行うインクジェット印刷方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクが付着した印刷メディア。
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