以下、本発明に係る導波路基板及び導波路基板の製造方法を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。また、本明細書では、理解を容易にするために、各部材の寸法が誇張して示されている場合がある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光学入出力デバイスを概略的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の光学入出力デバイス1は、光導波部品としての光回路基板10と、光導波部品としての1対の光ファイバ30と、光ファイバ30の長手方向において光回路基板10と1対の光ファイバ30との間に配置される導波路基板20と、を主な構成として備える。
本実施形態の導波路基板20は、概ね直方体の形状とされ、一方の主面21と、他方の主面29と、4つの側面22~25とを含んでいる。以下、導波路基板20の主面21と主面29とに直交する方向を高さ方向と言うことがある。この導波路基板20は、光透過性の材料から形成され、本実施形態では石英から形成される。なお、導波路基板20は、光透過性の例えばアクリル樹脂から形成されてもよい。この導波路基板20については、後に詳細に説明する。
本実施形態において、光回路基板10及び導波路基板20は、光回路基板10の側面15と導波路基板20の側面23とが接触した状態で互いに固定されている。また、1対の光ファイバ30及び導波路基板20は、光ファイバ30の各端面と導波路基板20の側面22とが接触した状態で互いに固定されている。
なお、光回路基板10の側面15と導波路基板20の側面23とを離間させ、側面15,23の間に光透過性の樹脂等を形成することによって光回路基板10と導波路基板20とを固定してもよい。また、光ファイバ30の端面と導波路基板20の側面22と離間させ、上記端面と側面22との間に光透過性の樹脂等を形成することによって光ファイバ30と導波路基板20とを固定してもよい。このような光透過性の樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、あるいはシリコン樹脂などを挙げることができる。
光回路基板10は、概ね直方体の形状とされ、基板部11と、下側クラッド層13と、上側クラッド層12と、複数の光導波路と、を主な構成として備える。本実施形態の光回路基板10は、4本の光導波路14A~14Dを有している。これら光導波路14A~14Dは同じ高さに位置している。また、光導波路14Aは側面17側に位置し、光導波路14Bは光導波路14Aよりも側面18側に位置し、光導波路14Cは光導波路14Bより側面18側に位置し、光導波路14Dは光導波路14Cよりも側面18側に位置している。
本実施形態において、基板部11は、シリコン(Si)からなるシリコンフォトニクス基板とされる。下側クラッド層13は、基板部11の表面に積層されたシリカガラス(SiO2)層とされる。光導波路14A~14Dは、下側クラッド層13の表面に線状に積層されたシリコン層とされる。また、光導波路14A~14Dは、下側クラッド層13の表面に所定の間隔を空けて2次元的に配列されている。光導波路14A~14Dの長手方向に垂直な断面は、概ね同一の寸法及び形状とされる。このような光導波路14A~14Dは、上記側面15から、側面15の反対側の側面16まで延在している。上側クラッド層12は、下側クラッド層13の表面に積層されたガラス層とされ、光導波路14A~14Dのそれぞれの上方、左方、及び右方を隙間なく囲っている。すなわち、シリコンからなる光導波路14A~14Dのそれぞれの全周は、シリコンに比べて屈折率の低いシリカガラスからなるクラッド層12,13によって隙間なく囲まれている。したがって、光は、光導波路14A~14D内を側面15,16の一方から他方に向かって伝搬し得る。
図2は、1対の光ファイバ30のうち一方の光ファイバ30の長手方向に垂直な断面図である。なお、他方の光ファイバ30も当該一方の光ファイバ30と同様の構成とされる。図2に示すように、本実施形態の光ファイバ30は、光導波路としての複数のコアと、複数のコアの外周面を隙間なく囲むクラッド32と、クラッド32の外周面を被覆する樹脂等から成る保護層33と、を備える。この保護層33は、クラッド32の一方側の端面から所定の距離だけ剥離されている。クラッド32が露出した側の光ファイバ30の端面が、上述のように導波路基板20の側面22に接触して固定される。
本実施形態において、光ファイバ30は、2つのコア31A,31Bを有しており、これらコア31A,31Bは、光ファイバ30の中心に対して概ね点対称の位置に配置されている。1対の光ファイバ30のそれぞれにおいて、コア31Aは導波路基板20の側面24側に配置され、コア31Bは導波路基板20の側面25側に配置される。これらコア31A,31Bの長手方向に垂直な断面は、概ね同一の寸法及び外形とされる。
本実施形態では、1対の光ファイバ30のそれぞれの上記コア31A,31Bは、光導波路14A~14Dと同じ高さに配置されている。また、1対の光ファイバ30のそれぞれのコア31A,31Bは、概ね同一の屈折率を有しており、当該屈折率は、クラッド32の屈折率よりも高くされる。具体的には、コア31A,31Bのクラッド32に対する比屈折率差は、例えば、0.3%~1.0%とされる。
コア31A,31Bは、例えば、ゲルマニウム等の屈折率が高くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成り、この場合、クラッド32は、例えば、何らドーパントが添加されない純粋なシリカガラスやフッ素等の屈折率が低くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成る。或いは、コア31A,31Bが何らドーパントが添加されない純粋なシリカガラスから成り、クラッド32が例えばフッ素等の屈折率が低くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成る構成であっても良い。
なお、図2の例では、各コア31A,31Bとクラッド32との間に他の部材が配置されていない例を示した。しかし、各コア31A,31Bのそれぞれの外周縁とクラッド32との間にクラッド32の屈折率よりも低い屈折率のトレンチ層が配置されても良い。
図1に示すように、導波路基板20の側面22は、1対の光ファイバ30が固定される面とされ、光ファイバ30のコア31A,31Bを伝搬する光が導波路基板20に入射する部分、或いは、導波路基板20を伝搬する光がコア31A,31Bに向かって出射する部分である光入出射部を含んでいる。本実施形態における光学入出力デバイス1では、光ファイバ30を伝搬する光が導波路基板20に入射する。したがって、本実施形態では、側面22の上記光入出射部は光入射部とされる。
導波路基板20の側面23は、光回路基板10が固定される面とされ、光回路基板10の光導波路14A~14Dを伝搬する光が導波路基板20に入射する部分、或いは、導波路基板20を伝搬する光が光導波路14A~14Dに向かって出射する部分である光入出射部を含んでいる。本実施形態における光学入出力デバイス1では、導波路基板20を伝搬する光が光回路基板10の光導波路14A~14Dに向かって出射する。したがって、本実施形態では、側面23の上記光入出射部は光出射部とされる。
なお、本実施形態の導波路基板20では、導波路基板20内を光が伝搬する際に光が伝搬する経路が導波路である。つまり、光が伝搬することで導波路が特定され、導波路基板20は、例えば屈折率が高くされるコア等の導波路が予め作られていない。
導波路基板20の側面24は、光回路基板10の側面17側の面とされ、当該側面17と概ね面一に形成される。側面25は、光回路基板10の側面18側の面とされ、当該側面18と概ね面一に形成される。
図3は、導波路基板20の主面21の一部を拡大して示す図である。図1及び図3に示すように、主面21の所定の位置には、溝部51が形成されている。従って、溝部51の深さ方向は、上記高さ方向と同じ方向である。本実施形態において、この溝部51は、導波路基板20の概ね中央に形成されており、1対の光ファイバ30のそれぞれのコア31A,31Bから導波路基板20内に出射する各光の光路上に形成されている。溝部51は、導波路基板20の内壁の内側の空間とされ、上記内壁は、側面22側の第1内壁52と、側面23側の第2内壁54とを含んでいる。つまり、第1内壁52は、溝部51を形成する内壁のうち上記光入射部側の部分とされ、第2内壁54は、溝部51を形成する内壁のうち上記光出射部側の部分とされる。後述する光回折部50は、このような溝部51を有している。
上記第1内壁52のうち、コア31A,31Bから光入射部を介して導波路基板20に入射して導波路基板20内を伝搬する光の光路上には、所定の凹凸パターン53が形成されている。この凹凸パターン53のうち、溝部51に連通する短冊状の空間を凹部とし、凹部と凹部との間で溝部51に向かって突出する短冊状の部位を凸部とする。すなわち、本実施形態において、凸部は導波路基板20を形成する材料である石英から形成され、凹部は石英よりも屈折率の低い空気から形成される。したがって、導波路基板20内を伝搬する光が凹凸パターン53の所定の位置に到達すると、当該光の成分のうち、凹部に到達して凹部内の空間を伝搬する成分の光路長と、凸部に到達して凸部内を伝搬する成分の光路長との間に差が生じる。具体的には、屈折率の高い凸部を伝搬する成分の光路長が、屈折率の低い凹部を伝搬する成分の光路長よりも大きくなる。こうして、凹部と溝部51との境界から溝部51に出射する成分の回折光と、凸部と溝部51との境界から溝部51に出射する成分の回折光との間に位相差が生じて、位相差が生じたこれらの回折光同士が干渉し合う結果、凹凸パターン53から溝部51に出射する光の伝搬方向が、凹凸パターン53に入射する前の伝搬方向から変化する。したがって、凹凸パターン53の形状を調整することによって、光の伝搬方向を所望の方向に変えることができる。
このように、導波路基板20は、光入射部から入射して導波路基板20内を伝搬する光を回折して当該光の伝搬方向を変化させる光回折部50を備えており、この光回折部50は、上述のように、凹凸パターン53を含んで形成される。このような光回折部50としてはホログラムやDOE等を挙げることができる。
なお、図3に示す凹凸パターン53の外観は例示的なものであり、これに限定されるものではない。
ここで、導波路基板20の側面24側に配置された光ファイバ30のコア31Aを伝搬して導波路基板20の上記光入射部から導波路基板20に入射した光を光L1とし、当該光ファイバ30のコア31Bを伝搬して光入射部から導波路基板20に入射した光を光L2とし、導波路基板20の側面25側に配置された光ファイバ30のコア31Aを伝搬して光入射部から導波路基板20に入射した光を光L3とし、当該光ファイバのコア31Bを伝搬して光入射部から導波路基板20に入射した光を光L4とする。
上記凹凸パターン53は、光L1の光路上に位置し、光L1が個別に入射する第1領域53Aと、光L2の光路上に位置し、光L2が個別に入射する第2領域53Bと、光L3の光路上に位置し、光L3が個別に入射する第3領域53Cと、光L4の光路上に位置し、光L4が個別に入射する第4領域53Dとを有している。本実施形態において、凹凸パターン53の第1領域53Aは、光回路基板10の光導波路14Aと結合する光出射部に向かって光L1が伝搬するように形成され、第2領域53Bは、光導波路14Bと結合する光出射部に向かって光L2が伝搬するように形成され、第3領域53Cは、光導波路14Cと結合する光出射部に向かって光L3が伝搬するように形成され、第4領域53Dは、光導波路14Dと結合する光出射部に向かって光L4が伝搬するように形成される。
また、凹凸パターン53を形成する第1領域53A~第4領域53Dのうち、第1領域53A及び第2領域53Bからなる領域と、第3領域53C及び第4領域53Dからなる領域とは、内壁52のうち凹凸パターン53を有さない凹凸パターン非形成領域52Nを挟んで互いに離間している。
また、凹凸パターン53を形成する凹部は、第1領域53A~第4領域53Dにおいて、凹凸パターン非形成領域52Nにおける内壁52を含む面から光入射部側に所定の距離だけ凹んだ部分である。この凹部が延在する長さを延在長さとすると、光回折部50は、第1領域53A~第4領域53Dのそれぞれにおいて、すべての凹部の延在長さが互いに相違するように構成される。
次に、このような構成を備える光学入出力デバイス1における光の伝搬について説明する。
導波路基板20の側面24側に配置された光ファイバ30のコア31Aを伝搬する光L1は、当該コア31Aと結合する導波路基板20の光入射部から導波路基板20内に入射する。この光L1は、導波路基板20内を伝搬して、凹凸パターン53の第1領域53Aに至る。上述のように、第1領域53Aは、光L1の伝搬方向を光導波路14Aと結合する光出射部に向かって変化させるように形成されている。このため、光L1の伝搬方向が概ね高さ方向に垂直な面内方向に変化して、光導波路14Aと結合する光出射部に光L1が達する。こうして、光L1が光導波路14Aに入射する。
また、上記光L2は、側面24側に配置された光ファイバ30のコア31Bと結合する光入射部から導波路基板20内に入射し、第2領域53Bに至る。上述のように、第2領域53Bは、光L2の伝搬方向を光導波路14Bと結合する光出射部に向かって変化させるように形成されている。このため、光L2の伝搬方向が概ね上記面内方向に変化して、光導波路14Bと結合する光出射部に光L2が達する。こうして、光L2が光導波路14Bに入射する。
同様に、導波路基板20の側面25側に配置された光ファイバ30のコア31Aを伝搬する光L3が第3領域53Cを介して光導波路14Cに入射し、側面25側に配置された光ファイバ30のコア31Bを伝搬する光L4が第4領域53Dを介して光導波路14Dに入射する。
以上のように、本実施形態の導波路基板20は、光の透過性の材料から形成され、所定の位置に設けられる光入射部と、光入射部とは異なる位置に設けられる光出射部と、光入射部から入射して導波路基板20内を伝搬する光L1~L4を回折して光出射部に伝搬させる光回折部50と、を備えている。このため、光入射部に接続される光導波部品の導波路の配列と、光出射部に接続される光導波部品の導波路の配列とが異なる場合でも、光回折部50が適切に光を回折することで、これら光導波部品の導波路同士を適切に光学的に結合させることができる。導波路基板20の光入射部から入射した光を光出射部に向かって回折する光回折部50を備えるため、光入射部に接続された光ファイバ30のコアと、光出射部に接続された光回路基板10の光導波路とを適切に結合させることができる。
また、本実施形態の上記光回折部50は、導波路基板20の溝部51を形成する内壁のうち光入射部側の第1内壁52に形成された凹凸パターン53を含んでいる。したがって、光入射部から入射した光が第1内壁52に伝搬すると、凹凸パターン53によって光の成分に位相差が生じて、位相差が生じた光の成分の回折光同士が干渉し合う。その結果、光回折部50から出射する光の進路が光回折部50に入射する前から変化し得る。したがって、この凹凸パターン53を調整することによって、光入射部から入射した光を光出射部に向かって適切に伝搬させ得る。
また、本実施形態の光回折部50は、上述のように、第1領域53A及び第2領域53Bからなる領域と、第3領域53C及び第4領域53Dからなる領域とが、凹凸パターン非形成領域52Nを挟んで互いに離間するように構成されている。このような構成によれば、凹凸パターン非形成領域52Nを挟んで一方側に位置する導波路基板20の領域を伝搬する光の伝搬方向と、他方側に位置する導波路基板20の領域を伝搬する光の伝搬方向とを区別することが容易となり、光の伝搬方向を調整することが容易になり得る。なお、光回折部50は、凹凸パターン53を有さない領域52Nを有さなくてもよい。すなわち、領域52Nの部分に他の凹凸パターンが設けられてもよい。
また、本実施形態の光回折部50は、上述のように、第1領域53A~第4領域53Dのそれぞれにおいて、すべての凹部の延在長さが互いに相違するように構成される。このような構成によれば、第1領域53A~第4領域53Dに入射する光L1~光L4の進路を適切に調整し得、光入射部から入射した光を光出射部に向かってより一層適切に伝搬させ得る。
なお、第1領域53A~第4領域53Dのそれぞれにおいて、すべての凹部の延在長さが互いに相違する必要はない。例えば、第1領域53A~第4領域53Dの少なくとも1つの領域においてすべての凹部の延在長さが互いに相違してもよい。また、第1領域53A~第4領域53Dのそれぞれにおいて、少なくとも2つの凹部の延在長さがそれぞれ異なってもよい。また、第1領域53A~第4領域53Dの少なくとも1つにおいて、少なくとも2つの凹部の延在長さがそれぞれ異なってもよい。このような場合でも、第1領域53A~第4領域53Dに入射する光L1~光L4の進路を適切に調整し得、光入射部から入射した光を光出射部に向かってより適切に伝搬させ得る。
あるいは、第1領域53A~第4領域53Dのそれぞれにおいて、すべての凹部の延在長さが同じであってもよい。この場合でも、凹凸パターン53を形成する凹部及び凸部の数などを適宜変更することによって、第1領域53A~第4領域53Dに入射する光L1~光L4の進路を適切に調整し得、光入射部から入射した光を光出射部に向かってより適切に伝搬させ得る。
つまり、凹凸パターン53を形成する全ての凹部の延在長さが同じであっても、互いに異なっていてもよい。
本実施形態の光学入出力デバイス1は、このような導波路基板20を備えているため、光入射部に接続された光ファイバ30のコアと、光出射部に接続された光回路基板10の導波路とが適切に結合され得る。
次に、本実施形態における光学入出力デバイス1の製造方法について説明する。
図4は、本実施形態の光学入出力デバイス1の製造工程を説明するフローチャートである。図4に示すように、本実施形態の光学入出力デバイス1の製造方法は、準備工程P1と、光回折部形成工程P2と、固定工程P3と、を含んでいる。
<準備工程P1>
本工程は、上記光入射部及び上記光出射部を含む光透過性の基板20Pを準備する工程である。この基板20Pは、石英から形成され、図5に示すように、略直方体の外形を有している。基板20Pの主面21の中央部近傍には、細長の溝部51が形成されている。基板20Pは、この溝部51の長手方向に平行な2つの側面22,23を有している。なお、本実施形態では、本工程において、上記1対の光ファイバ30のそれぞれのコア31A,31Bを接続するために、側面22の4か所にマーキングが施される。これら4つのマーキングされた領域が、光入射部22Aとされる。また、上記光回路基板10の光導波路14A~14Dを接続するために、側面23の4か所にマーキングが施される。これら4つのマーキングされた領域が、光出射部23Aとされる。なお、必ずしも上記のようなマーキングをしなくてもよい。
<光回折部形成工程P2>
上記準備工程P1の後、本工程を行う。本工程は、上記光回折部50を基板20P内に形成する工程である。図4に示すように、本工程は、レジスト形成工程P21と、転写工程P22と、エッチング工程P23と、を含んでいる。
(レジスト形成工程P21)
本工程は、基板20Pの主面21の所定の領域に、所定の光に対して感光性のあるレジストを形成する工程である。本実施形態では、図6に示すように、上記第1内壁52との境界部から側面22側の所定の範囲にUV感光性のあるレジスト60を塗布する。
(転写工程P22)
本工程は、基板20Pの主面21に形成されたレジスト60に所定のパターンを転写する工程である。まず、本工程では、図7に示すようなフォトマスク70を準備する。本実施形態において、このフォトマスク70は、石英などからなる透明板上に、クロムなどの金属からなる複数の短冊状の遮光部71が形成された構成とされる。フォトマスク70における遮光部71以外の部分は、UVを透過可能な光透過部72とされる。上記透明板上に遮光部71が形成されることにより、フォトマスク70は所定のパターン73を含んでいる。このパターン73は、後述するエッチング工程において基板20Pに凹凸パターン53が形成される形状とされる。
次に、図7に示すように、フォトマスク70をレジスト60に被せて、UVをフォトマスク70に照射する。その後、フォトマスク70を取り外す。なお、図7では、図を見易くする観点から、フォトマスク70がレジスト60から離れた状態で示されている。このUVは、光透過部72を透過して、当該光透過部72と重なるレジスト60の部分に照射される。こうして、レジスト60のうちUVに照射された部分が感光する。その後、未感光部分を除去することで、フォトマスク70のパターン73がレジスト60に転写される。その結果、図8に示すように、フォトマスク70の遮光部71と重なる基板20Pの露出部分21Aがレジスト60から露出する。
(エッチング工程P23)
本工程は、基板20Pの所定の部位をエッチングすることにより、溝部51を形成する基板20Pの内壁に凹凸パターンを形成する工程である。本実施形態では、図8に示すように、レジスト60及び基板20Pの上記露出部分21Aにエッチング液を塗布する。その結果、図9に示すように、レジスト60で覆われていない露出部分21Aのみがエッチングされ、基板20Pの第1内壁52に凹凸パターン53が形成される。その後、図10に示すように、残存しているレジスト60を除去する。こうして、凹凸パターン53を含む光回折部50を備える導波路基板20が完成する。
このように、本実施形態における光学入出力デバイスの製造方法は、上記準備工程P1と、上記光回折部形成工程P2とを備える導波路基板20の製造方法を含んでいる。
<固定工程P3>
上記導波路基板の製造方法により導波路基板20を製造した後、本工程を行う。本工程では、導波路基板20の側面22のマーキングされた領域に、1対の光ファイバ30のそれぞれのコア31A,31Bの端面を接触させて固定する。なお、本工程において、光ファイバ30の一方側の端部において保護層33が除去され、この除去された側のコア31A,31Bの端面がマーキングされた領域に接続される。また、本工程では、導波路基板20の側面23のマーキングされた領域に、光回路基板10の光導波路14A~14Dの端面を接触させて固定する。こうして、導波路基板20の側面22に1対の光ファイバ30が固定されて配置され、側面23に光回路基板10が固定される。その結果、光学入出力デバイス1が完成する。
以上のように、本実施形態の光学入出力デバイス1の製造方法は、導波路基板20の製造方法を含んでいる。そして、この導波路基板20の製造方法は、光入射部及び光出射部を含む光透過性の基板20Pを準備する準備工程P1と、光入射部から入射した光を光出射部に向かって回折する光回折部50を基板20P内に形成する光回折部形成工程P2と、を備えている。このように、本実施形態の導波路基板20の製造方法によれば、基板20P内に光回折部50が形成されるため、光入射部に接続された光導波部品の導波路と、光出射部に接続された光導波部品の導波路とを適切に結合させ得る導波路基板20を製造することができる。
また、本実施形態の導波路基板20の製造方法における光回折部形成工程P2は、基板20Pの所定の部位をエッチングすることにより、溝部51を形成する基板20Pの内壁に凹凸パターンを形成するエッチング工程P23を含んでいる。このように溝部を形成する内壁の一部をエッチングすることで、光回折部50を基板20Pの内部に効果的に形成することができる。したがって、このようなエッチング工程P23を行わない場合に比べて、導波路基板20を容易に製造し得る。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図11は、第2実施形態における導波路基板20を概略的に示す斜視図である。図11に示すように、本実施形態における導波路基板20は、主面21の略中央部に形成された溝部51に凹凸形成部材150がはめ込まれて構成される。この凹凸形成部材150には、凹凸パターン153が形成されている。すなわち、本実施形態における導波路基板20は、光入射部22Aと光出射部23Aとを含む本体部20Aと、凹凸形成部材150とを備える。本実施形態において、上記溝部51は、本体部20Aの略中央部に形成されている。このように、本実施形態における導波路基板20は、本体部20Aとは別の部材である凹凸形成部材150に凹凸パターン153が形成される点において、同一部材に凹凸パターン53が形成される上記第1実施形態における導波路基板20と主に異なる。
以下、このような本実施形態における導波路基板20についてより詳細に説明する。
本実施形態の導波路基板20は、第1実施形態における導波路基板20と同様に、それぞれ2つのコア31A,31Bを有する1対の光ファイバ30と、4つの光導波路14A~14Dを有する光回路基板10とに接続されるものである。導波路基板20の上記本体部20Aは、1対の光ファイバ30が固定される側面22と、光回路基板10が固定される側面23とを含んでいる。したがって、本体部20Aの側面22は4つの光入射部22Aを含んでおり、本体部20Aの側面23は4つの光出射部23Aを含んでいる。本実施形態における光入射部22Aは、第1実施形態における光入射部に比べて主面21側に位置しており、1対の光ファイバ30の各コア31A,31Bは、第1実施形態の各コア31A,31Bと比較して主面21側で側面22に接続される。一方、本実施形態における光出射部23Aは、第1実施形態における光出射部と同じ高さに位置しており、光回路基板10の光導波路14A~14Dは、第1実施形態の光導波路14A~14Dと同じ高さで側面23に接続される。
本体部20Aに形成された溝部51は、側面22に接続された1対の光ファイバ30の各コア31A,31Bから本体部20A内に入射する光L1~L4の光路上に形成されている。凹凸形成部材150は、この溝部51に挿入されて、当該溝部51を形成する本体部20Aの第1内壁52に固定される。この結果、第1内壁52の反対側に位置して第1内壁52とともに溝部51を形成する第2内壁54と、溝部51に挿入された凹凸形成部材150との間に空間が形成される。
図12は、凹凸形成部材150を凹凸パターン153が形成された面側から見た斜視図である。図12に示すように、凹凸形成部材150は、概ね直方体の外形を有する光透過性の板状部材であり、第1の主面151と、当該第1の主面151の反対側に位置する第2の主面152とを含んでいる。第1の主面151は、本体部20Aの側面22側の面であり、本体部20Aの第1内壁52に固定される面である。すなわち、この第1の主面151から、上記光L1~L4が凹凸形成部材150内に入射する。第2の主面152は、本体部20Aの側面23側の面であり、本体部20Aの第2内壁54に対向している。図11に示すように、この第2の主面152から、光L1~L4が本体部20Aの光出射部23Aに向かって出射する。本実施形態において、このような凹凸形成部材150は、本体部20Aと同じ材料である石英から形成される。
凹凸形成部材150の第2の主面152には、凹凸パターン153が形成されている。図12に示すように、この凹凸パターン153は、第1実施形態の凹凸パターン53に比べて複雑な形状を有している。具体的には、第1実施形態の凹凸パターン53は、図3に示すように、溝部51の深さ方向に垂直な断面形状が深さ方向における位置によらず概ね同じになるように形成されているが、第2実施形態の凹凸パターン153は、図12に示すように、凹凸形成部材150が挿入される溝部51の深さ方向に垂直な断面形状が、深さ方向における位置に応じて異なるように形成されている。以下、深さ方向における位置に応じて断面形状が異なるこのような凹凸パターンを「3次元的な凹凸パターン」と言うことがある。本実施形態では、このような3次元的な凹凸パターン153が、凹凸形成部材150の深さ方向における略半分の領域に形成されている。凹凸パターン153は、第1実施形態と同様に、光L1が個別に入射する領域である第1領域153Aと、光L2が個別に入射する領域である第2領域153Bと、光L3が個別に入射する領域である第3領域153Cと、光L4が個別に入射する領域である第4領域153Dとを含んでいる。
なお、図12に示す凹凸パターン153の外観は例示的なものであり、これに限定されるものではない。
第1領域153Aは、光回路基板10の光導波路14Aと結合する光出射部23Aに向かって光L1が伝搬する形状に成型されている。第2領域153Bは、光導波路14Bと結合する光出射部23Aに向かって光L2が伝搬する形状に成型されている。第3領域153Cは、光導波路14Cと結合する光出射部23Aに向かって光L3が伝搬する形状に成型されている。また、第4領域153Dは、光導波路14Dと結合する光出射部23Aに向かって光L4が伝搬する形状に成型されている。したがって、このような第1領域153A~第4領域153Dを含む凹凸パターン153を備える凹凸形成部材150によって、本実施形態における導波路基板20の光回折部50が構成される。
また、本実施形態において、凹凸パターン153を形成する第1領域153A~第4領域153Dのうち、第1領域153A及び第2領域153Bからなる領域と、第3領域153C及び第4領域153Dからなる領域とは、内壁152のうち凹凸パターン53を有さない凹凸パターン非形成領域152Nを挟んで互いに離間している。
また、本実施形態において、凹凸パターン153を形成する凹部は、凹凸パターン非形成領域152Nにおける内壁152を含む面から光入射部側に所定の距離だけ凹んだ部分である。この凹部が延在する長さを延在長さとすると、光回折部50は、第1領域153A~第4領域153Dのそれぞれにおいて、すべての凹部の延在長さが概ね同じ長さになるように構成され、第1領域153A~第4領域153Dのそれぞれにおける凹凸の数が、第1領域153A~第4領域153Dごとに異なる構成とされている。
次に、このような構成を備える本実施形態の導波路基板20における光の伝搬について説明する。
光L1は、導波路基板20内を伝搬して、凹凸パターン153の第1領域153Aに至る。上述のように、第1領域153Aは、光L1の伝搬方向を光回路基板10の光導波路14Aと結合する光出射部23Aに向かって変化させる形状に成型されている。このため、光L1の伝搬方向が上記面内方向及び高さ方向に変化して、光導波路14Aと結合する光出射部23Aに光L1が達する。
光L2は、導波路基板20内を伝搬して、凹凸パターン153の第2領域153Bに至る。上述のように、第2領域153Bは、光L2の伝搬方向を光導波路14Bと結合する光出射部23Aに向かって変化させる形状に成型されている。このため、光L2の伝搬方向が上記面内方向及び高さ方向に変化して、光導波路14Bと結合する光出射部23Aに光L2が達する。
同様に、光L3が第3領域153Cを介して光導波路14Cと結合する光出射部23Aに達し、光L4が第4領域153Dを介して光導波路14Dと結合する光出射部23Aに達する。
以上のように、本実施形態の導波路基板20は、導波路基板20の光入射部22Aから入射した光を光出射部23Aに向かって回折する光回折部50を備えるため、光入射部22Aに接続された光ファイバ30のコアと、光出射部23Aに接続された光回路基板10の光導波路とが適切に結合され得る。
また、上述のように、本実施形態の凹凸パターン153は、第1実施形態の凹凸パターン53と異なり、3次元的な凹凸パターンとされる。このため、第1実施形態の凹凸パターン53と比較して、光の伝搬方向を面内方向だけでなく高さ方向に対しても変化させ易い。したがって、上述のように、光ファイバ30のコアが導波路基板20に接続される高さと、光回路基板10の光導波路が導波路基板20に接続される高さとが相違する場合でも、光ファイバ30のコアと光回路基板10光導波路とを、第1実施形態に比べて適切に結合させ得る。なお、第1実施形態においても、光の伝搬方向を高さ方向にも変化させ得るが、凹凸パターンを3次元的に形成することによって、光の伝搬方向をより効果的に面内方向及び高さ方向に変化させ得る。
また、本実施形態の光回折部50は、上述のように、第1領域153A及び第2領域153Bからなる領域と、第3領域153C及び第4領域153Dからなる領域とが、凹凸パターン非形成領域152Nを挟んで互いに離間するように構成されている。このような構成によれば、凹凸パターン非形成領域152Nを挟んで一方側に位置する導波路基板20の領域を伝搬する光の伝搬方向と、他方側に位置する導波路基板20の領域を伝搬する光の伝搬方向とを区別することが容易となり、光の伝搬方向を調整することが容易になり得る。
なお、光回折部50は、凹凸パターン153を有さない領域152Nを有さなくてもよい。すなわち、領域152Nの部分に他の凹凸パターンを構成してもよい。
また、本実施形態において、光回折部50は、第1領域153A~第4領域153Dが有する凹部及び凹部の数が、第1領域153A~第4領域153Dごとに異なっている。このような構成によれば、第1領域153A~第4領域153Dに入射する光L1~光L4の進路を適切に調整し得、光入射部から入射した光を光出射部に向かってより適切に伝搬させ得る。
なお、本実施形態において、例えば、第1領域153A~第4領域153Dの少なくとも1つにおいて、すべての凹部の延在長さが互いに相違してもよい。また、第1領域153A~第4領域153Dのそれぞれにおいて、少なくとも2つの凹部の延在長さがそれぞれ異なってもよい。また、第1領域153A~第4領域153Dの少なくとも1つにおいて、少なくとも2つの凹部の延在長さがそれぞれ異なってもよい。このような場合でも、第1領域153A~第4領域153Dに入射する光L1~光L4の進路を適切に調整し得、光入射部から入射した光を光出射部に向かってより適切に伝搬させ得る。
次に、本実施形態の導波路基板20の製造方法について説明する。
図13は、本実施形態の導波路基板の製造工程を説明するフローチャートである。図13に示すように、本実施形態の導波路基板20の製造方法は、第1準備工程P101と、第2準備工程P102と、光回折部形成工程P103と、を含んでいる。
<第1準備工程P101>
本工程は、上記光入射部及び上記光出射部を含む光透過性の基板20Pを準備する工程である。この基板20Pは、第1実施形態の基板20Pと同様に石英からなる。図14に示すように、本実施形態の基板20Pの略中央部には、溝部51が形成されている。また、本実施形態の基板20Pは、側面22のマーキングが側面23のマーキングよりも高い部分に位置している点において、第1実施形態の基板20Pと異なる。
<第2準備工程P102>
本工程は、上記基板20Pとは異なる光透過性部材を準備する工程である。本実施形態では、図15に示すように、石英からなる光透過性部材150Pを準備する。この光透過性部材150Pは、略直方体の板状部材とされ、互いに対向する2つの主面である第1の主面151及び第2の主面152を含んでいる。本工程では、第1の主面151を所定の水平面に接触させて、当該水平面に光透過性部材150Pを載置する。なお、光透過性部材150Pの幅Wmは基板20Pの溝部51の幅Wbよりも僅かに短く、光透過性部材150Pの高さHmは溝部51の奥行Lbよりも短く、光透過性部材150Pの奥行Lmは溝部51の深さDbと同じ長さである。
<光回折部形成工程P103>
上記第1準備工程P101及び第2準備工程P102の後、本工程を行う。本工程は、上記光回折部50を基板20P内に形成する工程である。図13に示すように、本工程は、レジスト形成工程P121と、転写工程P122と、エッチング工程P123と、配置工程P124とを含んでいる。
(レジスト形成工程P121)
本工程は、光透過性部材150Pの所定の面の所定の領域に、所定の光に対して感光性のあるレジストを形成する工程である。本実施形態では、図16に示すように、第2の主面152の概ね半分の領域にUV感光性のあるレジスト60を塗布する。
(転写工程P122)
本工程は、光透過性部材150Pの第2の主面152に形成されたレジスト60に所定のパターンを転写する工程である。まず、本工程では、図17に示すようなフォトマスク70を準備する。本実施形態において、このフォトマスク70は、第1実施形態のフォトマスク70と概ね同様の構成とされるが、光透過部72の形状等が第1実施形態と異なっている。この光透過部72は、後述するエッチング工程において光透過性部材150Pに凹凸パターン153が形成される形状とされる。
次に、図17に示すように、フォトマスク70をレジスト60に被せて、UVをフォトマスク70に照射する。その後、フォトマスク70を取り外す。なお。図17では、フォトマスク70がレジスト60から離れた状態で示されている。このUVは、光透過部72を透過して、当該光透過部72と重なるレジスト60の部分を照射する。こうして、レジスト60のうちUVに照射された部分が感光して、フォトマスク70のパターンがレジスト60に転写される。その結果、図18に示すように、フォトマスク70の遮光部71と重なる第2の主面152の部分152Aがレジスト60から露出する。
(エッチング工程P123)
本工程は、光透過性部材150Pの第2の主面152の所定の部位をエッチングすることによって光透過性部材150Pに凹凸パターン153を形成する工程である。本実施形態では、図18に示すように、レジスト60及び第2の主面152の露出部分152Aにエッチング液を塗布する。その結果、図19に示すように、レジスト60で覆われていない露出部分152Aのみがエッチングされ、3次元的な凹凸パターン153が、光透過性部材150Pの第2の主面152の概ね半分の領域に形成される。その後、図20に示すように、残存しているレジスト60を除去する。こうして、3次元的な凹凸パターン153が光透過性部材150Pに形成される。このレジスト除去後の光透過性部材150Pが上記凹凸形成部材150とされる。
(配置工程P124)
本工程は、エッチング工程P123により形成した凹凸形成部材150を、基板20Pの溝部51内に配置する工程である。本工程では、図21に示すように、図20の状態から90度回転させた凹凸形成部材150を、基板20Pの溝部51に挿入する。なお、上述のように、光透過性部材150Pの幅Wmは基板20Pの溝部51の幅Wbよりも僅かに短い。このため、回転後の凹凸形成部材150を溝部51内に挿入することができる。本実施形態では、凹凸形成部材150のうち凹凸パターン153が形成されていない第1の主面151に光透過性の接着材を塗布した上で、この第1の主面151を溝部51の第1内壁52側に向けた状態にして、凹凸形成部材150を溝部51内に挿入する。その後、凹凸形成部材150を溝部51の底部に突き当てた上、第1の主面151を第1内壁52に突き当てる。こうして、第1の主面151を第1内壁52に固定する。その結果、図11に示すように、凹凸形成部材150が基板20Pの溝部51内に配置され、光回折部50を備える本実施形態の導波路基板20が完成する。
なお、上述のように、回転前の光透過性部材150Pの高さHmは溝部51の奥行方向の長さLbよりも短い。すなわち、回転後の凹凸形成部材150の奥行方向の長さは溝部51の奥行方向の長さLbよりも短い。したがって、凹凸形成部材150が基板20Pに固定された上記状態では、図11に示すように、凹凸形成部材150のうち凹凸パターン153が形成された第2の主面152と、溝部51を形成する導波路基板20の第2内壁54との間に空間が形成される。
また、上述のように、回転前の光透過性部材150Pの奥行Lmは溝部51の深さDbと同じ長さである。すなわち、回転後の凹凸形成部材150の高さは溝部51の深さDbと同じ長さである。したがって、凹凸形成部材150が基板20Pに固定された上記状態では、図11に示すように、凹凸形成部材150の上面159は、導波路基板20の主面21と概ね面一となる。
特に図示はしないが、この導波路基板20の側面22のマーキングされた領域にコア31A,31Bが接続するように1対の光ファイバ30を固定し、導波路基板20の側面23のマーキングされた領域に光導波路14A~14Dが接続するように光回路基板10を固定することによって、本実施形態の導波路基板20を備える光学入出力デバイスが完成する。
以上説明したように、本実施形態における導波路基板20の製造方法によれば、光透過性部材150Pの第2の主面152をエッチングして、当該第2の主面152に凹凸パターン153を形成した上、この光透過性部材150Pを基板20Pの溝部51に挿入することによって、導波路基板20を製造することができる。つまり、光透過性部材150Pの主面をエッチングして凹凸パターンを形成することができるため、基板20P自体をエッチングする第1実施形態における導波路基板の製造方法に比べて、複雑な凹凸パターンを容易に形成することができる。したがって、この製造方法によれば、断面の形状が深さ方向における位置に応じて異なる凹凸パターンを有する光回折部50を、導波路基板20内に比較的容易に形成することができる。このため、このようなエッチング工程P123を行わない場合に比べて、導波路基板20を容易に製造し得る。
なお、本実施形態では、光入射部22Aと光出射部23Aとが異なる高さに位置している例を説明したが、第1実施形態の様に、光入射部22Aと光出射部23Aとが同じ高さに位置してもよい。
また、本実施形態では、凹凸形成部材150の第1の主面151が本体部20Aの第1内壁52に固定される例を説明したが、凹凸形成部材150は第1内壁52に固定される必要はなく、溝部51内に配置されればよい。すなわち、第1の主面151と第1内壁52とが離間した状態で第2の主面152と第2内壁54とが対向してもよい。あるいは、凹凸形成部材150の向きを逆にして溝部51内に配置してもよい。具体的には、第2の主面152と第1内壁52とが対向するように凹凸形成部材150を溝部51内に配置してもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図22は、第3実施形態における光学入出力デバイス1を概略的に示す斜視図である。図22に示すように、本実施形態の光学入出力デバイス1の構成は、第1実施形態の光学入出力デバイス1の構成と概ね同一である。ただし、導波路基板20の構成が、第1実施形態の導波路基板20の構成と異なる点において、本実施形態における光学入出力デバイス1は第1実施形態における光学入出力デバイス1と主に相違している。
本実施形態では、第1実施形態や第2実施形態と異なり、導波路基板20に溝部が形成されていない。また、本実施形態の導波路基板20には、第1実施形態や第2実施形態と異なり、溝部の内壁のうち光入射部側の部分に形成される凹凸パターンが形成されていない。上記凹凸パターンの代わりに、本実施形態の導波路基板20の内部には、当該導波路基板20の材料である石英の状態が、周囲の石英の状態に比べて改質された改質部250が形成されている。後述するが、この改質部250は、フェムト秒レーザが導波路基板20内に照射されることによって形成されたものであり、当該改質部250における屈折率は、導波路基板20の改質部250以外の部分における屈折率に比べて高くなっている。つまり、改質部250は、導波路基板20における改質部250の周囲よりも屈折率が高い高屈折率部である。
図23は、導波路基板20の深さ方向の所定位置における当該深さ方向に垂直な断面の一部を示す図であり、破線で囲われた領域が上記改質部250である。図23に示すように、改質部250は、1対の光ファイバ30のそれぞれのコア31A,31Bから出射する光L1~L4の光路上に形成されている。この改質部250は、導波路基板20の最も側面24側を伝搬する光L1の光路上に位置する第1領域250Aと、光L1よりも側面25側を伝搬する光L2の光路上に位置する第2領域250Bと、光L2よりも側面25側を伝搬する光L3の光路上に位置する第3領域250Cと、最も側面25側を伝搬する光L4の光路上に位置する第4領域250Dとを含んでいる。
本実施形態において、第1領域250A~第4領域250Dは、それぞれ概ね楔形の形状を有しており、同じ屈折率を有している。第1領域250Aは、光出射部側に突出する1対の高屈折率突出部251Aを有している。すなわち、これら1対の高屈折率突出部251Aの間に、材料の状態が改質されていない非改質部が延在している。この非改質部は、高屈折率突出部251Aに比べて低屈折率の領域であり、この領域を低屈折率突出部252Aと言う。同様に、第2領域250B~第4領域250Dは、それぞれ1対の高屈折率突出部251B~251Dを有しており、1対の高屈折率突出部251B~251Dのそれぞれの間に、低屈折率突出部252B~252Dが延在している。
ここで、このような改質部250に光が入射した場合を考える。例えば、第1領域250Aに光L1が入射した場合を考える。上述のように、第1領域250Aは楔形の形状を有しているため、第1領域250Aに入射した光L1の成分のうち、中央に位置する成分は、低屈折率突出部252Aを経由して光出射部側に伝搬していく。一方、当該中央に位置する成分の両側に位置する成分は、高屈折率突出部251Aを経由して光出射部側に伝搬していく。したがって、高屈折率突出部251Aの光出射部側の端部から出射する成分の回折光と、低屈折率突出部252Aの光出射部側の端部から出射する成分の回折光との間に位相差が生じ、これら位相差の生じた回折光同士が干渉し合って、光L1の伝搬方向が変化する。このような1対の高屈折率突出部251Aと低屈折率突出部252Aとによって、光入射部22Aから入射して導波路基板内20を伝搬する光L1を回折して当該光L1の伝搬方向を変える第1光回折部253が構成される。同様に、1対の高屈折率突出部251Bと低屈折率突出部252Bとによって、光L2を回折して当該光L2の伝搬方向を変える第2光回折部254が形成される。また、1対の高屈折率突出部251Cと低屈折率突出部252Cとによって、光L3を回折して当該光L3の伝搬方向を変える第3光回折部255が形成される。また、1対の高屈折率突出部251Dと低屈折率突出部252Dとによって、光L4を回折して当該光L4の伝搬方向を変える第4光回折部256が形成される。すなわち、これら第1光回折部253、第2光回折部254、第3光回折部255、及び第4光回折部256によって、本実施形態の光回折部50が構成される。
本実施形態において、高屈折率突出部251A~251Dの突出長さはそれぞれ異なっており、したがって、低屈折率突出部252A~252Dの突出長さもそれぞれ異なっている。この高屈折率突出部の突出長さ及び低屈折率突出部の突出長さの相違により、第1光回折部253~第4光回折部256のそれぞれに固有の屈折率分布が形成される。本実施形態において、第1光回折部253は、光回路基板10の光導波路14Aと結合する光出射部23Aに向かって光L1が伝搬する屈折率分布を有している。第2光回折部254は、光導波路14Bと結合する光出射部23Aに向かって光L2が伝搬する屈折率分布を有している。第3光回折部255は、光導波路14Cと結合する光出射部23Aに向かって光L3が伝搬する屈折率分布を有している。また、第4光回折部256は、光導波路14Dと結合する光出射部23Aに向かって光L4が伝搬する屈折率分布を有している。
したがって、本実施形態の導波路基板20によれば、第1実施形態や第2実施形態と異なり、導波路基板20に凹凸パターンを形成することなく光L1~L4を光回路基板10の光導波路14A~14Dに適切に結合させ得る。
次に、本実施形態の光学入出力デバイスの製造方法について説明する。
図24は、本実施形態の光学入出力デバイスの製造工程を説明するフローチャートである。図24に示すように、本実施形態の光学入出力デバイス1の製造方法は、準備工程P201と、固定工程P202と、光回折部形成工程P203と、を含んでいる。
<準備工程P201>
本工程は、上記光入射部及び上記光出射部を含む光透過性の基板20Pを準備する工程である。この基板20Pは第1実施形態の基板20Pと同様に石英からなる。図25に示すように、本実施形態の基板20Pには、第1実施形態及び第2実施形態の基板20Pと異なり、溝が形成されていない。また、本実施形態の基板20Pは、光入射部22Aとされる4つのマーキングされた領域と、光出射部23Aとされる4つのマーキングされた領域とが第1実施形態の基板20Pと同様の高さ及び位置に設けられている。
<固定工程P202>
本工程では、図25に示すように、導波路基板20の側面22のマーキングされた領域に、1対の光ファイバ30のそれぞれのコア31A,31Bの端面を接触させて固定する。また、本工程では、導波路基板20の側面23のマーキングされた領域に、光回路基板10の光導波路14A~14Dの端面を接触させて固定する。こうして、導波路基板20の側面22に1対の光ファイバ30が固定され、側面23に光回路基板10が固定される。
このように、本実施形態の光学入出力デバイス1の製造方法は、準備工程P201の直後に固定工程P202が行われる点において、工程の最後に固定工程P3が行われる第1実施形態の光学入出力デバイス1の製造方法と異なる。
<光回折部形成工程P203>
上記固定工程P202の後、本工程を行う。本工程は、光の集光スポットを基板20Pの内部で走査して基板20P内に上記光回折部50を形成する工程である。本実施形態では、上記光としてフェムト秒レーザが使用される。
ここで、フェムト秒レーザとは、パルス幅が10-15~10-13秒程度とされる超短パルスレーザをいう。フェムト秒レーザは、このように非常に短いパルス幅を有するため、極めて大きなピークパワーをもつ。例えば、フェムト秒レーザが集光されて形成される集光スポットでは、数十~数百TW/cm2程度の高パワー密度を実現し得る。このような高パワー密度の集光スポットを被照射体の内部に位置させることで、集光スポットに照射された部分において多光子吸収反応が励起され、当該部分における材料の状態が、例えば高密度化等して改質される。その結果、被照射体のうち集光スポットに照射された部分の屈折率が、照射されていない部分に比べて高くなる。上記多光子吸収反応は、照射する光の強度が一定の閾値以上でなければ励起されない傾向にある。このため、集光スポットにおける光のパワー密度が多光子吸収反応が励起される程度の強さになるようにフェムト秒レーザのパワーを調整することによって、被照射体のうち集光スポットに照射されない部分における材料の状態の改質を抑制しつつ、集光スポットに照射された部分のみの材料の状態を改質し得る。
図24に示すように、本工程は、基板20Pに上記第1光回折部253を形成する第1照射工程P221と、基板20Pに上記第2光回折部254を形成する第2照射工程P222と、基板20Pに上記第3光回折部255を形成する第3照射工程P223と、基板20Pに上記第4光回折部256を形成する第4照射工程P224とを含んでいる。
本実施形態では、照射されるフェムト秒レーザの集光スポットSPの面積及び集光スポットSPにおけるエネルギー密度は、第1照射工程P221~第4照射工程P224を通して一定とされる。
(第1照射工程P221)
まず、本工程を行う。本工程では、まず、図26に示すように、フェムト秒レーザの集光スポットSPを基板20P内の初期位置に位置させる。この集光スポットSPの初期位置は、基板20Pの中央部よりもやや側面22側かつ側面24側とされる。そして、この集光スポットSPを側面23側に向かって第1距離X1だけ走査する。その結果、図27に示すように、上記初期位置から側面23側に向かって第1距離X1にわたって延在する第1区間250A1において、基板20Pの材料の状態が改質される。すなわち、第1区間250A1における屈折率が、その他の領域における屈折率よりも高くなる。
次に、図28に示すように、集光スポットSPを上記初期位置から側面25側に移動させた後、集光スポットSPを側面23側に向かって第2距離X2だけ走査する。この第2距離X2は、上記第1距離X1よりも短い距離である。その結果、第1区間250A1よりも側面25側で第1区間250A1と繋がる第2区間250A2が形成される。この第2区間250A2の屈折率は、第1区間250A1と同じ屈折率とされ、第1区間250A1及び第2区間250A2以外の領域の屈折率よりも高くなる。
次に、図29に示すように、集光スポットSPを第2区間250A2の側面22側の端部の位置から側面25側に移動させた後、集光スポットSPを側面23側に向かって第1距離X1だけ走査する。その結果、第2区間250A2よりも側面25側で第2区間250A2と繋がる第3区間250A3が形成される。この第3区間250A3の屈折率は、第1区間250A1と同じ屈折率とされ、第1区間250A1、第2区間250A2、及び第3区間250A3以外の領域の屈折率よりも高くなる。
こうして、基板20P内に上記第1領域250Aが形成される。すなわち、基板20P内に上記第1光回折部253が形成される。ところで、上記第1距離X1及び第2距離X2は、第1光回折部253の屈折率分布が、第1光回折部253を透過する光L1が光回路基板10の光導波路14Aと結合する光出射部23Aに向かって回折する屈折率分布になるように、予め定められたものである。したがって、本工程で形成された第1光回折部253は、光L1の伝搬方向を光導波路14Aと結合する光出射部23Aに向かう方向に変える光回折部とされる。
(第2照射工程P222)
次に、本工程を行う。具体的には、図30に示すように、第1光回折部253よりも側面25側の第1光回折部253に隣接する位置に、第2光回折部254を形成する。本工程における第1距離X1は、第1照射工程P221における第1距離X1と同じ距離とされ、第2距離X2は、第1照射工程P221における第2距離X2よりも長い距離である。これら第1距離X1及び第2距離X2は、第2光回折部254の屈折率分布が、第2光回折部254を透過する光L2が光回路基板10の光導波路14Bと結合する光出射部23Aに向かって回折する屈折率分布になるように、予め定められたものである。したがって、本工程で形成された第2光回折部254は、光L2の伝搬方向を光導波路14Bと結合する光出射部23Aに向かう方向に変える光回折部とされる。
(第3照射工程P223)
次に、本工程を行う。具体的には、図31に示すように、第2光回折部254よりも側面25側に、第3光回折部255を形成する。本工程における第1距離X1は、第1照射工程P221における第1距離X1と同じ距離とされ、第2距離X2は、第1照射工程P221における第2距離X2よりも短い距離である。これら第1距離X1及び第2距離X2は、第3光回折部255の屈折率分布が、第3光回折部255を透過する光L3が光回路基板10の光導波路14Cと結合する光出射部23Aに向かって回折する屈折率分布になるように、予め定められたものである。したがって、本工程で形成された第3光回折部255は、光L3の伝搬方向を光導波路14Cと結合する光出射部23Aに向かう方向に変える光回折部とされる。
(第4照射工程P224)
次に、本工程を行う。具体的には、図32に示すように、第3光回折部255よりも側面25側の第3光回折部255に隣接する位置に、第4光回折部256を形成する。本工程における第1距離X1は、第1照射工程P221における第1距離X1と同じ距離とされ、第2距離X2は、第3照射工程P223における第2距離X2よりも短い距離である。これら第1距離X1及び第2距離X2は、第4光回折部256の屈折率分布が、第4光回折部256を透過する光L4が光回路基板10の光導波路14Dと結合する光出射部23Aに向かって回折する屈折率分布になるように、予め定められたものである。したがって、本工程で形成された第4光回折部256は、光L4の伝搬方向を光導波路14Dと結合する光出射部23Aに向かう方向に変える光回折部とされる。
このように、第1照射工程P221~第4照射工程P224を行うことにより、基板20Pに光回折部50が形成されて導波路基板20が形成され、その結果、本実施形態の光学入出力デバイス1が完成する。
以上のように、この製造方法では、光の集光スポットSPが基板20Pの内部で走査される。こうすることで、基板20Pのうち集光スポットSPに照射された部分の材料の状態が改質して、集光スポットSPに照射された部分の屈折率が基板20Pの他の部分に比べて高くなる。したがって、集光スポットSPの走査パターンを調整することで、基板20P内に所定の屈折率分布を形成することができ、この屈折率分布に応じて光の伝搬方向を変化させることができる。このため、エッチングを用いなくても、基板20Pの内部に光回折部50を形成して、導波路基板20を製造することができる。
また、この製造方法によれば、光の集光スポットSPを走査させることによって光回折部50を形成することができる。したがって、集光スポットSPの大きさ、集光スポットSPのエネルギー密度、集光スポットSPを走査する距離及び方向などを、基板20Pに接続される光導波部品に応じて予め定めることで、これら光導波部品を基板20Pに配置した後であっても、光入射部に接続された光導波部品の導波路と、光出射部に接続された光導波部品の導波路とを適切に結合させる光回折部を形成し得る。
なお、本実施形態では、改質部250の屈折率が同じである例を説明したが、改質部の位置に応じて屈折率が異なる改質部を形成してもよい。このような屈折率が異なる改質部は、例えば、集光スポットSPの大きさ、集光スポットSPのエネルギー密度などを経時的に変化させることで形成することができる。
また、本実施形態では、改質部250の第1領域250A~第4領域250Dの形状が楔形である例を説明したが、これは例示的なものであり、このような形状に限定されるものではない。
また、本実施形態では、第1照射工程~第4照射工程で使用する光としてフェムト秒レーザを使用する例を説明した。しかし、基板20Pの材料の状態を改質することが可能な光であれば、フェムト秒レーザ以外の光を使用してもよい。例えば、フェムト秒レーザ以外の光として、パルスの時間幅が10-12秒程度とされるピコ秒レーザを使用し得る。
また、本実施形態では、固定工程P202を光回折部形成工程P203の前に行う例を説明したが、光回折部形成工程の後に配置工程を行ってもよい。
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、1対の光ファイバ30を入射側、光回路基板10を出射部側として説明したが、1対の光ファイバ30を出射部側、光回路基板10を入射部側として光学入出力デバイスを構成してもよい。
また、上記実施形態では、光L1が光回路基板10の光導波路14Aに入射し、光L2が光導波路14Bに入射し、光L3が光導波路14Cに入射し、光L4が光導波路14Dに入射する例を説明したが、これは例示であり、光L1~L4が光回路基板10の他の光導波路に入射するように光回折部50を形成してもよい。例えば、図33に示すように、光L1が光導波路14Bに入射し、光L2が光導波路14Cに入射し、光L3が光導波路14Aに入射し、光L4が光導波路14Dに入射するように、光回折部50を形成してもよい。
また、上記実施形態では、光ファイバ30が2つのコアを有する光ファイバとされたが、光ファイバに含まれるコアの数は2つに限られない。同様に、光回路基板10の光導波路の数も4つに限られない。
また、上記実施形態では、導波路基板20に、光導波部品として光回路基板10と光ファイバ30とを配置した例を説明したが、これに限られない。例えば、導波路基板20の側面22と側面23との双方に光ファイバを配置してもよいし、導波路基板20の側面22と側面23との双方に光回路基板を配置してもよいし、導波路基板20の側面22と側面23との少なくとも一方に光導波部品として光ファイバテープを配置してもよい。
また、上記実施形態では、導波路基板20の側面22と側面23とに光導波部品を配置した例を説明したが、導波路基板20の他の面に光導波部品を配置してもよい。例えば、導波路基板20の側面22と主面21とに光導波部品を配置してもよい。この場合でも、光回折部の凹凸パターンや屈折率分布を調整することによって、側面22に配置された光導波部品の光導波路と、主面21に配置された光導波部品の光導波路とを適切に結合させ得る。
また、上記実施形態では、導波路基板20内を光が伝搬する際に光が伝搬する経路が導波路基板20における導波路であり、導波路基板20内に例えば屈折率が高くされるコア等の導波路が作られていないとされた。しかし、導波路基板20内の一部にコア等の導波路が作られていてもよい。例えば、光入射部22Aから光回折部50に至る経路の少なくとも一部にコア等の導波路が設けられてもよい。
また、上記実施形態では、導波路基板20を介して光学的に結合する導波路部品が2つである場合を説明したが、光回折部を介して互いに光学的に結合する光導波部品の数は3つ以上であってもよい。
また、上記実施形態では、4つの光L1~L4が光回折部50に入射する例を説明したが、導波路基板20に少なくとも1つの光が入射すればよい。この場合でも、光入射部から入射した光を光出射部に向かってより適切に伝搬させ得る。