JP7298834B2 - 多層付着物測定装置および多層付着物測定方法 - Google Patents

多層付着物測定装置および多層付着物測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば金属表面に多層に付着した層の厚みを計測する多層付着物測定装置および多層付着物測定方法に関するものである。
ボイラと蒸気タービンを用いた発電プラントが知られている。ボイラや熱交換器の伝熱管に流通させるために用いられるボイラや熱交換器への給水によって、伝熱管や系統配管内などでの給水および蒸気供給系統内での腐食発生、スケール生成及び付着、下流機器へのキャリオーバなどの障害を防止するために、給水への水処理が行われている。このような水処理として、例えば酸素処理が用いられている。酸素処理は、高純度の水中で難溶解性の酸化物を系統配管の鋼材の表面上に密着させて適切に保持することによって、その後の系統配管の鋼材の腐食及び腐食生成物の水中への溶出を抑制させることができるとの考え方に基づいたものである。この処理方式の一つとして、アンモニアの添加によって給水を弱アルカリ性として溶存酸素を共存させる複合水処理(CWT:Combined Water Treatment、または酸素処理(OT:Oxygenated Feed-Water Treatment)と称される)がある。
CWTを適用したプラントでは、系統配管内でスケール成長速度を抑制するとともに、生成されてスケールとなるものは溶解度が小さいことから、系統配管からの鉄溶出の低減となる。一方、伝熱管の長期運用により、系統配管から伝熱管への鉄持ち込み量の増加と、伝熱管内面に形成された硬質スケールの上に粉体層が付着する現象が認められる場合がある。粉体層は、熱伝導率の低い小粒径のポーラス状であることから、伝熱管内に付着するとで、伝熱管のメタル温度上昇の要因となっている。
粉体層の主成分のひとつは例えばヘマタイト(Fe)であり、例えば上流側にある給水加熱器のドレン系統などから輸送されてくる給水中の鉄が付着したものである。一方、硬質スケールの主成分は例えばマグネタイト(Fe)であり、伝熱管など母材の自己酸化による自己酸化層で緻密な組織である。
伝熱管内面に付着したスケールの評価にあたっては、超音波を印加して除去できた物質の量を粉体層の付着量として計量する場合があるが、正確な定量は困難である。また、ボイラの設置現場において、酸溶解による粉体層の付着量評価も場所、時間の制約から採用が困難である。
また、別の手法として伝熱管の一部を抜管し、分析室に持ち込んで試験片として加工した後、スケールとしての粉体層が付着したまま樹脂埋めして斜めに切断して観察用の切断面を作り出す。そして、切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することで、多層付着スケールの厚さを評価する場合があるが、樹脂埋め時に粉体層が伝熱管表面から外れて浮いてしまって、正確な厚さ測定が困難である。
また、切断面をSEMで拡大して観察するには観察範囲が狭く、付着物の観察代表点として適切でない可能性もあり、広範囲の付着状況を把握することが困難でもある。
以上の通り、従来の方法では、粉体層の付着量評価に対して正確さが不足することで、粉体層に対するメンテナンスのタイミング時期を適正に評価できずに経済面でのデメリットが生じ易いという課題がある。
物性が判明している層の膜厚を表面抵抗より求めることは公知であるが、複数層であっても、それぞれの層の抵抗値が大きく異なる場合には、特許文献1に開示する方法にて層の膜厚を計測することができる。
特開2013-108909号公報
しかし、特許文献1に記載された発明は、4端子法で正確な表面抵抗を求める必要があり、粉体層のようなポーラスな層の場合には表面が平滑ではないために、粉体層と自己酸化層の電気抵抗値が三桁以上異なる場合であっても、膜厚を計測することができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、表面の平滑さが十分でない粉体層構成を有していても、正確に各層の厚さを計測することができる多層付着物測定装置および多層付着物測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の多層付着物測定装置および多層付着物測定方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる多層付着物測定装置は、金属表面上に、第1層と、該第1層上に該第1層と電気抵抗が三桁以上異なる第2層とが付着されて乾燥した多層付着物用の多層付着物測定装置であって、前記金属表面と電気的に接続された参照電極と、前記第1層および前記第2層に挿入可能な探針電極と、前記参照電極と前記探針電極との間で計測される電位差から算出される電気抵抗値と前記探針電極の挿入深さから前記第1層と前記第2層の厚さを判定する判定部と、前記探針電極に対して前記多層付着物の位置を該多層付着物の厚さ方向に移動させる位置決め装置と、備え、前記判定部は、前記電気抵抗値によって、前記第2層の表面を検出する。
探針電極に対して多層付着物の位置を位置決め装置によって移動させて第1層及び第2層に探針電極を挿入し、探針電極と参照電極との間の電気抵抗値と、探針電極の挿入深さから第1層と第2層の厚さを判定することとした。このように、探針を挿入して電気抵抗は三桁以上異なる層の電気抵抗値および距離を計測することとしたので、4端子法を使用しても正確な表面抵抗を求めることができない場合であっても、正確に各層の厚さを計測することができる。また、多層付着物は乾燥されていて第1層及び第2層に水分を含まないので、水分による電気抵抗の変化の影響を受けずに、正確に各層の厚さを計測することができる。
さらに、本発明の多層付着物測定装置では、前記多層付着物の前記金属表面は、熱交換器に設置され、内部に水や蒸気が流れる伝熱管の内表面とされ、前記第1層は、自己酸化層とされ、前記第2層は、粉体層とされている。
水や蒸気が流れる伝熱管は、伝熱管の内表面に、硬質の自己酸化層が付着し、その上に軟質の粉体層が付着する場合がある。上記の多層付着物測定装置によれば、電気抵抗値と金属表面からの距離とから自己酸化層と粉体層の厚さを正確に得ることができる。
さらに、本発明の多層付着物測定装置では、多層付着物と位置決め装置の間に荷重計測器を設け、荷重計測器による荷重が予め定められた荷重になった場合は位置決め装置を停止させる。
探針電極に対する多層付着物の位置を移動させて近接させた際に、探針電極に対する金属表面に接触した後に更に金属表面の位置を探針電極に近づけると、探針電極が破損するおそれがある。これに対して、金属表面の位置を支持する部分に荷重計測器を設けても良い。荷重計測器により探針に加わる荷重が予め定められた荷重になった場合は位置決め装置を停止させることで、探針の破損を防止することができる。
また、本発明の多層付着物測定方法は、金属表面上に、第1層と、該第1層上に該第1層と電気抵抗が三桁以上異なる第2層とが付着されて乾燥した多層付着物を測定する多層付着物測定方法であって、前記第1層及び前記第2層に探針電極を挿入しながら計測される電位差から電気抵抗を算出し、該電気抵抗値より探針電極がどの層に位置しているか、かつ前記第2層の表面に位置しているかを判定し、前記探針電極に対して前記多層付着物を移動させた距離から層の厚さを計測する。
探針を突き刺して電気抵抗値および距離を計測することとしたので、4端子法の適用が困難な多層構成であっても正確に各層の厚さを計測することができる。
本発明の多層付着物測定装置を適用するボイラ発電プラントを示した概略構成図である。 図1の火炉を構成する水冷壁を示した部分拡大斜視図である。 伝熱管を拡大して示した部分縦断面図である。 多層付着物測定装置の概略構成を示した図である。 探針ガイドを示した側面図である。 計測例を示し、探針の挿入深さに対する電気抵抗値を示したグラフである。
以下に、本発明にかかる一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、本実施形態に係る多層付着物測定装置および多層付着物測定方法を適用する発電プラント1の概略構成が示されている。
発電プラント1は、熱交換器3及び過熱器(または過熱器及び再熱器)4を有するボイラ2と、過熱器4から導かれた過熱蒸気によって回転駆動される蒸気タービン6と、蒸気タービン6にて膨張して仕事を終えた蒸気を凝縮液化する復水器7とを備えている。蒸気タービン6には、発電機8が接続されており、蒸気タービン6の回転駆動力を得て発電する。
復水器7と熱交換器3との間には、熱交換器3の伝熱管9内に給水を供給するための給水系統10が設けられている。給水系統10には、復水器7側から順に、復水ポンプ12、給水ヒータ13、給水ポンプ14、給水弁15などが設けられている。給水ヒータ13には、蒸気タービン6から図示しない抽気された蒸気によって給水が加熱されるようになっている。
熱交換器3に設けられた伝熱管9は、例えば炭素鋼や低クロム合金鋼製とされ、熱交換器3の内部に多数設置された伝熱管9とされている。伝熱管9は、図2に示すように、例えば鉛直方向に延在して並列に複数設けられている。給水系統10から伝熱管9内に供給される給水は、伝熱管9の耐食性向上のために、例えばCWT(複合水処理、または酸素処理(OT)と称される)運用されていてもよい。
図3に示すように、伝熱管9内には、例えば鉄やスラッジなどの粉体を含んだ給水Wが供給され、スケールScが付着する場合がある。このスケールScは、伝熱管9の内表面に形成された自己酸化膜を主成分とする硬質スケール層(たとえばマグネタイト層)の上に、粉体を主成分とした小粒径のポーラス状の粉体層(たとえばヘマタイト層)から成るものである。なお、図中の矢印は給水Wの流れ方向を示す。多層付着物測定装置20は、例えば計測対象とする伝熱管9の一部を切り出して、切欠C(多層付着物)とて、このスケールScの厚さを計測する。
図4には、多層付着物測定装置20の概略が示されている。
多層付着物測定装置20は、探針(探針電極)22と、探針22が固定された台座24と、台座24に支持されるとともに探針22に接続された計測線26を収納する計測線収納箱28と、台座24の背面に取り付けられ台座24の位置を固定するシャフト29と、試料台25の高さ方向(紙面の上下方向)位置をμmオーダの精度でスケールScの厚さ方向に移動させる位置決め装置31と、位置決め装置31に支持固定されて計測対象の伝熱管9内表面と探針22の先端との距離をゼロより小さくならないよう管理するストッパ22sと、伝熱管9と電気的に接続された参照電極(図示せず)と、シャフト29とストッパ22sを支持する支持具30と、計測線26から送信されたデータを処理するとともに、制御線を通して位置決め装置31を制御する計測部32とを備えている。
台座24は、探針22を電気的に絶縁状態で支持固定する。台座24は、直方体形状とされており、平面状の取付面24aを有している。探針22は、台座24の取付面24aに対して、垂直に取り付けられている。台座24の取付面24aは試料台25と平行になるように設置されている。
ストッパ22sは、探針22と交差することなく平行になるよう支持固定されていて、ストッパ22sが試料台25に接触するときに、探針22の先端が計測対象の伝熱管9内表面に接触して、探針22の先端と伝熱管9内表面との距離がゼロになるよう調整されている。位置決め装置31は、試料台25を支持し、探針22の先端と試料台25の間をμmオーダの精度で移動させて固定することができる。探針22を固定し、試料台25を移動させる構成とすることで、切欠Cの試料台25への設置固定位置を調整することで、容易に探針22による計測位置を確定することができる。
以上の構成により、探針22の長手方向に台座24と位置決め装置31が移動可能となっている。
探針22および参照電極は、タングステン、モリブデン等の導電性材料で構成されており、少なくとも先端部分の直径は数μmと細くされている。
参照電極は、試料台25に設置された計測対象となる切り出した一部の伝熱管9の内表面に電気的に接続している。また、探針22の先端は、伝熱管9の内表面側に形成される自己酸化層(第1層)または自己酸化層上に形成された粉体層(第2層)の外側のいずれかに位置し、参照電極と探針22の先端の間の電気抵抗を計測する。したがって、自己酸化層と粉体層を計測できるように探針22の先端位置に対する試料台25の移動範囲を予め定めておく。
探針22は、図5に示すように、先端部分を除いて細長い部分を太くして強度を確保しておくのが好ましい。探針22が到達する自己酸化層は粉体層よりも硬い場合があり、また付着層の深い位置にあるからである。
また、図5に示すように、探針22の先端部分は鋭角に細くなり、探針22の先端の直径φDは例えば2μm~10μmとされる。
計測部32は、探針22と参照電極(伝熱管9に電気的に接続)の間の電気抵抗値を得て所定の処理を行う。計測部32は、位置決め装置31を制御することで、探針22の位置を制御し、探針22が所定の位置に存在するときの、電位差を計測し抵抗値を算出する。計測部32は、これらのデータを用いて、伝熱管9の内表面に付着したスケールScを自己酸化層34か粉体層35かを区別し、かつ各層の厚さを演算する。
計測部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
次に、上述した多層付着物測定装置20の使用方法について説明する。図2に示したように、先ず、計測対象となる伝熱管9の一部を切欠Cで切り出しをする。切欠Cの大きさは、多層付着物測定装置20で計測ができるスケールScが少なくとも一部を脱落することなく残留している大きさであれば良い。
切欠C(多層付着物)を取出して、付着物がある側を多層付着物測定装置20の探針22に向けて試料台25に設置する。
切欠Cに付着したスケールSc(多層部分となる自己酸化層34及び粉体層35)は乾燥されていて、スケールScに水分を含まないようにしている。このため自己酸化層34及び粉体層35中に水分が侵入して電気抵抗が変化する影響を受けずに、正確に各層の厚さを計測することができる。なお、乾燥方法は、例えば通気性の良い環境で、自然乾燥を24時間以上行うことでもよい。
参照電極(図示せず)と伝熱管9とを電気的に接続する方法は特に特定されないが、例えば、参照電極に銅線を接続し、銅線を伝熱管9にワニ口クリップで止めることで良い。位置決め装置31で試料台25を探針22の先端側へと移動させ、多層付着物測定装置20では計測部32で制御線を通して位置決め装置31を制御し、試料台25を駆動させて進退させることにより探針22の先端(もしくは台座24)との相対位置を規定位置へと移動させる。試料台25はμmオーダの精度で移動させて、その試料台25の位置(台座24に取り付け支持された探針22の先端との相対位置)を規定された位置で探針22の挿入が停止され、この位置で探針22と参照電極との電位差を計測する。
計測された電位差は計測線26から計測部32へ送信されてデータを処理することで電気抵抗値が計測され、試料台25の位置から算定した探針22の先端の位置情報とともに収納される。
以上により、探針22の先端は、伝熱管9の内表面、伝熱管9の内表面側に形成される自己酸化層34または粉体層35のいずれかの位置にあり、各位置での参照電極(伝熱管9に接続)と探針22の先端の間の電気抵抗を計測してデータを得ることができる。
図6には、上述のように実施した計測の結果が示されている。同図において横軸は探針の挿入深さを示し、図4の探針の先端の位置に対応して算出され、縦軸は計測により得られた電気抵抗値を対数スケールで示す。
同図に示すように、探針22の先端が初期位置とされている場合は、探針22の先端は粉体層35にも接触しておらず、粉体層35の外側(空気)に位置しているので、電気抵抗値は計測レンジを超えた値を示す。
試料台25の伝熱管9の内表面の位置が探針22の先端に向かって進行していくとともに電気抵抗値が計測され、第1深さt1にて電気抵抗値が急激に第1電気抵抗値R1まで減少する。このとき、粉体層35の電気抵抗値を計測し始めたとされる。第1深さt1は粉体層35の表面にあたり、粉体層と粉体層の外側(空気)との界面と考えられる。
探針22の先端の位置が伝熱管9の内表面の位置に僅かに近づき、第1深さt1から僅かに深さが深くなると、探針22が示す電気抵抗値が徐々に小さくなり、第2深さt2で第2電気抵抗値R2を示す。
第1電気抵抗値R1から第2電気抵抗値R2まで漸次減少した電気抵抗値は、粉体層35の厚さに起因する電気抵抗の減少である。したがって、第1深さt1と第2深さt2との差分が粉体層35の厚さとなる。
探針22の先端の位置が伝熱管9の内表面の位置に僅かに近づき、第2深さt2から僅かに深さが深くなると、急激に電気抵抗値が第3電気抵抗値R3まで減少する。これは、自己酸化層34の電気抵抗値を計測しているものと考えられる。この計測結果から、第2深さt2は、粉体層35と自己酸化層34との界面の位置と考えられる。
ここで、粉体層35と自己酸化層34とは電気抵抗値が三桁以上異なるので、粉体層35と自己酸化層34との界面の位置で少なくとも一桁以上の急激な電気抵抗値の変化を計測することになり、界面の位置を判断し易い。
探針22の先端の位置が伝熱管9の内表面の位置に僅かに近づき、第2深さt2から深さが順次深くなっていくと、探針22の先端が示す電気抵抗値が徐々に小さくなり、第1深さt1で第1電気抵抗値R1を示す。第2電気抵抗値R2から第1電気抵抗値R1まで漸次減少した電気抵抗値は、自己酸化層34の厚さに起因する電気抵抗の減少である。したがって、第2深さt2と第3深さt3との差分が自己酸化層34の厚さとなる。
探針22の先端の位置が伝熱管9の内表面の位置に僅かに近づき、第2深さt2から僅かに深さが深くなり第3深さt3になると、急激に電気抵抗値が例えば0.1Ω程度以下となり、ほぼゼロの電気抵抗値を示す。これにより、探針22の先端が伝熱管9の内表面に到達したと判断する。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
探針22が粉体層35及び自己酸化層34を貫通して伝熱管9の内表面に到達するまでの電気抵抗値を順次計測する。また粉体層35に探針22の先端が位置したときの電気抵抗値を計測し、さらに、探針22が粉体層35を貫通して自己酸化層34に探針22の先端が位置したときの電気抵抗値を計測することで、電気抵抗値の急な変化から伝熱管9の内表面と自己酸化層34と粉体層35とを区別することができる。図6の縦軸のように電気抵抗値の変化は対数で表記して比較すると判り易く、また自己酸化層34と粉体層35は電気抵抗値が三桁以上異なるので、各層の区別が付き易い。そして、自己酸化層34における電気抵抗値を計測して急な変化をしたときの探針22の先端と伝熱管9の内表面との距離と、粉体層35を計測したときの探針22の先端と伝熱管9の内表面との距離とから、自己酸化層34および粉体層35の厚さを得ることができる。このように、探針22を突き刺して電気抵抗値および距離を得ることとしたので、自己酸化層34の上に形成された粉体層が形状崩壊することなく、正確に各層の厚さを計測することができる。
また、探針22の先端に対する伝熱管9の内表面の位置を移動させて近接させ、探針22の先端が伝熱管9の内表面に達した後においても、位置決め装置31により試料台25に設けた切欠Cを探針22に向けて移動し続けると、装置が故障したり、探針22が破損するおそれがある。これに対して、切欠C(多層付着物)とこれを支持する試料台25との間の部分などに荷重計測器40を設けても良い。荷重計測器40により切欠Cと試料台25の間に加わる荷重を計測し、予め定められた荷重になった場合は位置決め装置31を停止させるようにする。なお、荷重計測器としては、ロードセルなどを用いることができる。
また、荷重計測器40により、粉体層35と自己酸化層34の各層の硬さの差が大きい場合は、荷重変化を計測することができ、各層の境界となる性状変化部分を推定する情報として、電気抵抗値の変化に加えて追加することで、さらに正確な判断ができる。
1 発電プラント
2 ボイラ
3 熱交換器
4 過熱器
6 蒸気タービン
7 復水器
8 発電機
9 伝熱管
10 給水系統
12 復水ポンプ
13 給水ヒータ
14 給水ポンプ
15 給水弁
20 多層付着物測定装置
22 探針(探針電極)
22s ストッパ
23 探針支持部
24 台座
24a 取付面
26 計測線
28 計測線収納箱
29 シャフト
31 位置決め装置
32 計測部
37 定電流源
38 電圧測定回路
40 荷重計測器
41 制御線
42 計測線
C 切欠(多層付着物)
Sc スケール
W 給水

Claims (4)

  1. 金属表面上に、第1層と、該第1層上に該第1層と電気抵抗が三桁以上異なる第2層とが付着されて乾燥した多層付着物用の多層付着物測定装置であって、
    前記金属表面と電気的に接続された参照電極と、前記第1層および前記第2層に挿入可能な探針電極と、前記参照電極と前記探針電極との間で計測される電位差から算出される電気抵抗値と前記探針電極の挿入深さから前記第1層と前記第2層の厚さを判定する判定部と、前記探針電極に対して前記多層付着物の位置を該多層付着物の厚さ方向に移動させる位置決め装置と、
    を備え、
    前記判定部は、前記電気抵抗値によって、前記第2層の表面を検出する多層付着物測定装置。
  2. 前記多層付着物の前記金属表面は、熱交換器に設置され、内部に水または蒸気が流れる伝熱管の内表面とされ、
    前記第1層は、自己酸化層とされ、
    前記第2層は、粉体層とされている請求項1に記載の多層付着物測定装置。
  3. 前記多層付着物と前記位置決め装置の間に荷重計測器を設け、前記荷重計測器による荷重が予め定められた荷重になった場合は位置決め装置を停止させる請求項1または2に記載の多層付着物測定装置。
  4. 金属表面上に、第1層と、該第1層上に該第1層と電気抵抗が三桁以上異なる第2層とが付着されて乾燥した多層付着物を測定する多層付着物測定方法であって、
    前記第1層及び前記第2層に探針電極を挿入しながら計測される電位差から電気抵抗を算出し、
    該電気抵抗値より探針電極がどの層に位置しているか、かつ前記第2層の表面に位置しているかを判定し、
    前記探針電極に対して前記多層付着物を移動させた距離から層の厚さを計測する多層付着物測定方法。
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