WO2014112511A1 - 孔食モニタリング用テストピースおよび孔食モニタリング装置並びに孔食モニタリング方法 - Google Patents

孔食モニタリング用テストピースおよび孔食モニタリング装置並びに孔食モニタリング方法 Download PDF

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Abstract

 微生物の影響も検知し得る新規な孔食モニタリング技術を提供すること。 水系の金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリングに用いるテストピースであって、前記金属部材と同一の金属材料からなり、少なくとも表面の一部に凹凸が形成されたカソード部と、該カソード部と電気的に絶縁され、前記金属材料からなるアノード部と、からなる孔食モニタリング用テストピースを提供する。本発明に係る孔食モニタリング用テストピースは、カソード部において微生物の影響を検知できるため、カソード反応をより高感度に捉えることができ、その結果、より高精度な孔食モニタリングを行うことが可能となる。

Description

孔食モニタリング用テストピースおよび孔食モニタリング装置並びに孔食モニタリング方法
 本発明は、水系の金属材料に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリングに用いるテストピースに関する。より詳しくは、構造的に工夫することにより、孔食モニタリングの精度を向上させることを可能とした孔食モニタリング用テストピースおよび該孔食モニタリング用テストピースを用いた孔食モニタリング装置並びに孔食モニタリング方法に関する。
 水系における配管や熱交換器などには、金属材料が用いられる場合がある。その場合、金属製部材に局部腐食が進行して孔食深さが増し、それが貫通に至るとプラントの操業停止など不測の事態を生ずることがある。
 水系における金属製部材の孔食を防止する技術としては、例えば、特許文献1には、Zr:0.005~1重量%を含有し、さらに必要に応じて、P:0.005~0.5重量%、Sn、Agのうちの1種または2種を総量で0.05~5重量%、Ti、Rより選ばれる1種または2種以上の元素を総量で0.005~1重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成の銅合金を用いて給水給湯用配管を製造することにより、耐孔食性の優れた配管を得る技術が開示されている。
 このように、水系における金属製部材の孔食を防止する技術は開発されつつあるが、完全に孔食を防止することは厳しいのが実情である。そのため、金属材料が用いられる水系においては、局部腐食、即ち孔食をいち早く察知する技術が非常に重要である。
 従来、水系に用いられる金属の孔食の発生は、当該設備の運転、通水を休止し、また、金属製部材の一部をサンプリングし、サンプルの孔食深さを測定することにより推定していた。
 しかしながら、従来の方法では、設備の運転を休止し、かつ金属製部材の一部をサンプリングするために破壊しなければならないことから、工場の操業に影響を及ぼすという欠点があった。しかも、測定結果が出るまでに多大の時間、労力、費用がかかるという欠点もあった。
 そこで、近年では、金属製部材の孔食の進行状況をモニターする方法がある。例えば、水系内にモニタリングする金属製部材と同一材質からなるテストピースを浸し、このテストピースと比較電極との間の電位差の経時変化を測定することにより、孔食状況をモニターする方法がある。この方法であれば、設備の運転を休止することなく、かつ、金属製部材を破壊することもなく、孔食を察知することが可能である。
 より具体的な例としては、例えば、特許文献2には、水系媒体と小孔を介して連通する液溜め部と、該液溜め部内の液と接するように設けられた金属片とを備え、金属片の前記液溜部内の液と接する面の面積を、前記小孔の開口面積よりも大きくすることで、その精度を高めたモニタリング装置が開示されている。
 また、例えば、特許文献3には、配管の孔食のモニタリングに用いるテストピースであって、被モニタリング配管と同一または同質の材質からなり、かつ、表面の酸化皮膜を不均一化することにより、被モニタリング配管の腐食の進行を高感度に反映し、孔食の発生を確実に予知することができる半割または略半割管形状のテストピースが開示されている。
 更に、例えば、特許文献4には、腐食生成物Sで覆われた銅片よりなるアノード2と、接液面が腐食生成物で覆われていない銅片よりなるカソード3とが電気的に絶縁された状態で配置された評価電極1を水系に浸漬し、該アノード2と該カソード3間を電気的に接続した回路を流れる電流を測定することにより、水系に接する銅に発生する孔食の進行状況を的確に評価することができる銅の孔食評価方法が開示されている。
特開平06-184669号公報 特開平02-310452号公報 特開平05-322831号公報 特開2011-214881号公報
 前述のように、設備の運転を休止せずに金属製部材の孔食をモニタリングする方法について、その精度を上げるための種々の工夫はこれまでも行われている。例えば、前記特許文献3では、アノードとなるテストピースの表面の酸化皮膜を不均一化し、孔食が起こりやすい状態にすることにより、腐食の進行を高感度に察知する方法が提案されている。
 ここで、金属製部材の孔食は、金属の溶解部分(アノード)と、その周辺の酸素還元反応が起こる部分(カソード)との電位差が駆動力となって進行する。そのため、自然電位が上昇し、金属の溶解部分(アノード)と、その周辺の酸素還元反応が起こる部分(カソード)との電位差がより大きくなることで、孔食の発生がより助長されると考えられる。
 自然電位を上昇させる原因には、次亜塩素酸や次亜臭素酸などの酸化剤の過剰添加がある。その他の原因としては、ある種の微生物の代謝物として生成される過酸化物の影響も大きい。しかし、従来の孔食モニタリング技術において、微生物によって自然電位が上昇することによる孔食の発生を考慮して孔食モニタリングできる技術は存在しなかった。
 そこで、本発明では、微生物の影響も検知し得る新規な孔食モニタリング技術を提供することを主目的とする。
 本願発明者らは、これまでの孔食モニタリング技術では、何故、微生物の影響を検知することができなかったかについて、鋭意研究を行った。そして、従来の孔食モニタリング技術においては、アノードとなる孔食が発生する部分の方に、様々な工夫を施す技術は存在したが、カソードとなる部分は特に工夫が施されていないことに注目した。その結果、何の工夫も施されていないカソードでは、酸化剤などの過剰添加を捉えることはできても、微生物や汚れの付着性が悪いため、微生物の影響を検知し難いことを見出し、本発明を完成させるに至った。
 即ち、本発明では、まず、水系の金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリングに用いるテストピースであって、
 前記金属部材と同一の金属材料からなり、少なくとも表面の一部に凹凸が形成されたカソード部と、
 該カソード部と電気的に絶縁され、前記金属材料からなるアノード部と、
 からなる孔食モニタリング用テストピースを提供する。
 本発明に係る孔食モニタリング用テストピースは、カソードとなる部分に凹凸が形成されているため、微生物や汚れの付着性がよい。
 また、本発明では、水系の金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリングに用いるテストピースであって、
 前記金属部材と同一の金属材料からなる第1カソード部と、
 該第1カソード部と電気的に絶縁され、前記金属材料からなるアノード部と、
 前記第1カソード部と電気的に短絡され、前記金属材料からなり、表面に凹凸が形成された第2カソード部と、
 からなる孔食モニタリング用テストピースを提供する。
 本発明に係る孔食モニタリング用テストピースに用いる金属材料は特に限定されないが、例えば、前記金属材料として、銅または銅合金を用いることができる。
 本発明では、次に、本発明に係る孔食モニタリングテストピースを用いた孔食モニタリング装置を提供する。
 具体的には、本発明に係る孔食モニタリング用テストピースと、
 前記カソード部と前記アノード部間を電気的に接続した回路を流れる電流を測定する電流測定部と、
 を少なくとも備える孔食モニタリング装置、
および、
 本発明に係る孔食モニタリング用テストピースと、
 前記アノード部の分極抵抗を測定する分極抵抗測定部と、
 を少なくとも備える孔食モニタリング装置を提供する。
 本発明では、更に、本発明に係る孔食モニタリング用テストピースを用いた孔食モニタリング方法を提供する。
 具体的には、水系の金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリング方法であって、
 本発明に係る孔食モニタリング用テストピースを水系に浸漬し、
 前記カソード部と前記アノード部との間を電気的に接続した回路を流れる電流を測定することにより、前記金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリング方法、および、
 水系の金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリング方法であって、
 本発明に係る孔食モニタリング用テストピースを水系に浸漬し、
 前記アノード部の分極抵抗を測定することにより、前記金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリング方法を提供する。
 本発明に係る孔食モニタリング方法では、前記アノード部を、腐食生成物で覆い、前記カソード部の接液面が腐食生成物で覆われていない状態で評価を行うことができる。
 本発明に係る孔食モニタリング用テストピースは、カソード部において微生物の影響を検知できるため、カソード反応をより高感度に捉えることができ、その結果、より高精度な孔食モニタリングを行うことが可能となる。
本発明に係る孔食モニタリング用テストピースの第1実施形態を模式的に示す模式図であり、図Aは、第1実施形態に係る孔食モニタリング用テストピースの正面模式図、図Bは、図AのI-I’矢視模式断面図である。 図1の破線円X部分を拡大した模式断面図である。 本発明に係る孔食モニタリング用テストピースの第2実施形態を模式的に示す模式断面図である。 本発明に係る孔食モニタリング用テストピースの第3実施形態を模式的に示す模式断面図である。 本発明に係る孔食モニタリング装置の第1実施形態を模式的に示す模式図である。 本発明に係る孔食モニタリング装置の第2実施形態を模式的に示す模式図である。 本発明に係る孔食モニタリング方法を説明するための模式図である。
 以下、本発明を実施するための好適な形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
 <1.孔食モニタリング用テストピース1>
 本発明に係る孔食モニタリング用テストピース1は、水系の金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリングに用いるテストピースであって、大別して、カソード部11と、アノード部12と、絶縁部13と、を少なくとも備える。また、必要に応じて、カソード用導線14、アノード用導線15などを更に備えることも可能である。以下、各部について、各実施形態を例示しながら詳細に説明する。
 (1)第1実施形態
 図1は、本発明に係る孔食モニタリング用テストピース1の第1実施形態を模式的に示す模式図である。図1Aは、第1実施形態に係る孔食モニタリング用テストピース1の正面模式図、図1Bは、図AのI-I’矢視模式断面図である。第1実施形態に係る孔食モニタリング用テストピース1は、カソード部11とアノード部12とが、絶縁部13により電気的に絶縁された状態で配置され、カソード部11およびアノード部12に、それぞれカソード用導線14、アノード用導線15が接続されている。
 第1実施形態に係る孔食モニタリング用テストピース1では、カソード部11とアノード部12の接液面は面一状となっており、カソード部11およびアノード部12は、接液面以外は絶縁部13中に埋設された状態である。
 カソード部11およびアノード部12は、孔食の進行状況を評価する対象の金属部材と同一の金属材料からなる。具体的な金属材料の種類は、限定されず、水系において、孔食が発生し得る金属材料を自由に選択して用いることができる。例えば、銅、銅合金、鉄鋼、ステンレス鋼などを挙げることができる。
 カソード部11およびアノード部12の形態も、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、自由に設計することができる。アノード部12としては、例えば、金属製ワイヤーなどを用いることができる。また、カソード部11としては、例えば、金属製板、金属製管などを用いることができる。
 アノード部12の接液面の面積も特に限定されず、孔食の進行を評価できれば、自由に設計することができる。本発明では特に、アノード部12の接液面の面積を、10mm以下に設計することが好ましく、1mm以下に設計することがより好ましい。
 カソード部11の接液面の面積も特に限定されず、アノード部12の接液面の面積よりも大きければ、自由に設計することができる。本発明では特に、カソード部11の接液面の面積を、アノード部12の接液面の面積の10倍以上に設計することが好ましく、100倍以上に設計することがより好ましく、1000倍以上に設計することが更に好ましい。
 本発明に係る孔食モニタリング用テストピース1では、図1の破線円X部分を拡大した模式断面図である図2に示すように、カソード部11の表面に、凹凸が形成されていることを特徴とする。カソード部11の表面に凹凸を形成することで、カソード部において、微生物に起因する電位上昇を敏感に捉えることができる。その結果、より高精度な孔食モニタリングを行うことが可能となる。
 絶縁部13を形成する材料は、カソード部11とアノード部12とを電気的に絶縁することができれば、特に限定されず、公知の絶縁材料を自由に選択して用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの樹脂;シリコーンゴムなどを挙げることができる。
 カソード用導線14およびアノード用導線15は、本発明に係る孔食モニタリング用テストピース1において、必須の構成ではない。例えば、カソード部11およびアノード部12を、外部からの導線を接続可能に設計することで、後述する電流測定部や分極抵抗測定部からの導線や、既存の取り外し可能な導線などを用いることもできる。
 カソード用導線14およびアノード用導線15を備える場合、これらを形成する材料は、電気伝導性を有する材料であれば特に限定されず、公知の電気伝導性材料を自由に選択して用いることができる。例えば、銅、アルミニウム、鋼などを挙げることができる。なお、カソード用導線14およびアノード用導線15は、水系中に浸漬されて用いるため、絶縁材料で被覆する必要がある。
 (2)第2実施形態
 図3は、本発明に係る孔食モニタリング用テストピース1の第2実施形態を模式的に示す模式断面図である。本発明に係る孔食モニタリング用テストピース1の第2実施形態は、第1カソード部と電気的に短絡された第2カソード部110を有することを特徴とする。
 第2カソード部110は、孔食の進行状況を評価する対象の金属部材と同一の金属材料からなる。具体的な金属材料の種類は、限定されず、水系において、孔食が発生し得る金属材料を自由に選択して用いることができる。例えば、銅、銅合金、鉄鋼、ステンレス鋼などを挙げることができる。
 第2カソード部110の形態も、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、自由に設計することができる。例えば、金属製片、金属製管などを用いることができる。
 第2カソード部110の表面には、凹凸が形成されていることを特徴とする。第2カソード部110の表面に凹凸を形成することで、第2カソード部において、微生物に起因する電位上昇を敏感に捉えると、第1カソード部11の電位も混成電位として上昇する。その結果、より高精度な孔食モニタリングを行うことが可能となる。
 このように、カソード部として、第1カソード部11の他に、第2カソード部110を設けることで、微生物に起因する電位上昇を敏感に捉える第2カソード部110を容易に交換することが可能となる。また、カソード部の接液面積を、容易に増減することも可能となる。
 なお、第2実施形態に係る孔食モニタリング用テストピース1において、第2カソード部110以外の構成は、前記第1実施形態と同一であるが、第2実施形態では、第1カソード部11の表面には、凹凸を形成していなくてもよい。勿論、第2実施形態においても、第1カソード部11の表面にも、凹凸を形成することは自由である。
 (3)第3実施形態
 図4は、本発明に係る孔食モニタリング用テストピースの第3実施形態を模式的に示す模式断面図である。第3実施形態に係る孔食モニタリング用テストピース1では、カソード部11に、小孔111と、該小孔111を介して水系と連通する液溜部112を備えることを特徴とする。
 また、アノード部12の液溜部112内の液と接する接液面を、小孔111の開口面積より大きく設計する。このように設計することにより、液溜部112内に、模擬的に局部腐食が亢進される状態を作ることができる。この第3実施形態は、特に軟鋼の孔食をモニタリングする場合に非常に適した構成である。
 なお、第3実施形態に係る孔食モニタリング用テストピース1では、小孔111および液溜部112以外の構成は、前記第1実施形態と同一に形成することができる。
 <2.孔食モニタリング装置10および孔食モニタリング方法>
 本発明に係る孔食モニタリング装置10は、本発明に係る孔食モニタリング用テストピース1を用いて孔食モニタリングを行う装置である。具体的には、前述した本発明に係る孔食モニタリング用テストピース1と、電流測定部101および/または分極抵抗測定部102と、を少なくとも備える装置である。以下、各部について、各実施形態を例示しながら詳細に説明する。なお、孔食モニタリング用テストピース1については、前述と同一であるため、ここでは説明を割愛する。
 (1)第1実施形態
 図5は、本発明に係る孔食モニタリング装置10の第1実施形態を模式的に示す模式図である。第1実施形態に係る孔食モニタリング装置10は、電流測定部101を有する。なお、図中符号Wは、評価水系を示す。
 第1実施形態に係る孔食モニタリング装置10では、カソード部11とアノード部12間に電気的に接続した回路を形成し、電流測定部101において、孔食の進行に伴って回路を流れる電流(短絡電流)を測定する。
 電流測定部101としては、短絡電流を測定することができれば、公知の電流計を用いることができるが、例えば無抵抗電流計を、前記回路に直列に接続することにより測定可能である。カソード部11とアノード部12間の電流値が孔食の進行速度に対応することから、短絡電流の挙動から孔食の進行状況を評価することが可能である。
 (2)第2実施形態
 図6は、本発明に係る孔食モニタリング装置10の第2実施形態を模式的に示す模式図である。第2実施形態に係る孔食モニタリング装置10は、分極抵抗測定部102を有する。
 第2実施形態に係る孔食モニタリング装置10では、カソード部11とアノード部12間に電気的に接続した回路を形成し、任意の期間ごとに前記回路の電気的接続を解除した状態でアノード部12の分極抵抗を、分極抵抗測定部102で測定する。分極抵抗は、腐食速度と反比例の関係があるため、アノード部12の分極抵抗の変化よりアノード部12の腐食速度の変化を測定することが可能であり、孔食の進行状況を評価することが可能である。
 分極抵抗は、例えばJIS K0100「工業用水腐食性試験方法」に記載の方法に従って、対極104を水系に浸漬し、アノード部12を試料極として測定することができる。また、カソード部11の分極抵抗を測定し、アノード部12の分極抵抗と比較することも可能である。
 更に、評価水系Wに照合極103を浸漬し、図示しないが、カソード部11とアノード部12を短絡させた状態における電位測定も合わせて行うことも可能である。
 加えて、図示しないが、前記第1実施形態の電流測定部101と、第2実施形態の分極抵抗測定部102とを、併せ持った装置とすることで、短絡電流の測定を継続的に実施しながら、任意の期間ごとに前記分極抵抗の測定をあわせて行うことも可能である。前記短絡電流測定や分極抵抗測定結果、更には、カソード部11とアノード部12を短絡させた状態における電位測定も合わせて行うことで、孔食進行の要因考察を行うことも可能となる。
 本発明に係る孔食モニタリング方法では、前記アノード部12を、腐食生成物で覆い、前記カソード部11の接液面が腐食生成物で覆われていない状態で評価を行うことが好ましい。このような状態で行うことにより、例えば、銅や銅合金の孔食状況を、高精度に評価することが可能である。銅は、腐食にともなう交換電流密度が低く耐食的な材料であり、アノード部12における腐食進行が速やかに抑制されるため、孔食の進行状況を評価することが困難である。しかし、腐食生成物で覆われた状態のアノード部12と、腐食生成物で覆われていない健全面を模擬したカソード部11を用いることにより、従来技術では困難であった銅の孔食の進行状況を評価することも可能となる。
 アノード部12に腐食生成物を発生させる方法としては、例えば、図7に示すように、本発明に係る孔食モニタリング用テストピース1を水中に浸漬し、アノード部12に通電する方法により行うことができる。より具体的には、孔食モニタリング用テストピース1と照合極103を水中に浸漬し、アノード部12を試料極とし、カソード部11を対極とし、ポテンショガルバノスタット105などを用い、スターラー(不図示)などで攪拌しながら所定の電流を一定時間通電する方法により、アノード部12のみに腐食生成物Sを生成させることが可能である。
 この際、アノード部12へ通電する電流値、通電時間は、アノード部12を腐食生成物Sで覆うことができれば特に限定されず、自由に設定することができる。腐食生成物Sの生成は水質条件によっても影響を受けるため、水質等に応じ電流値、通電時間等を適宜調整することが好ましい。
 本発明に係る孔食モニタリング用テストピース、孔食モニタリング装置、孔食モニタリング方法を用いれば、水系において金属材料が用いられる配管や熱交換器などに発生する孔食をいち早く感知することができる。そのため、プラントの操業停止など不測の事態の発生を未然に防止することができる。
 また、本発明に係る孔食モニタリング用テストピース、孔食モニタリング装置、孔食モニタリング方法を用いれば、水処理薬剤の孔食に対する抑制効果を評価することなども可能である。
1 孔食モニタリング用テストピース
11 カソード部、第1カソード部
12 アノード部
13 絶縁部
14 カソード用導線
15 アノード用導線
110 第2カソード部
111 小孔
112 液溜部
10 孔食モニタリング装置
101 電流測定部
102 分極抵抗測定部
W 評価水系
103 照合極
104 対極
105 ポテンショガルバノスタット
S 腐食生成物

Claims (8)

  1.  水系の金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリングに用いるテストピースであって、
     前記金属部材と同一の金属材料からなり、少なくとも表面の一部に凹凸が形成されたカソード部と、
     該カソード部と電気的に絶縁され、前記金属材料からなるアノード部と、
     からなる孔食モニタリング用テストピース。
  2.  水系の金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリングに用いるテストピースであって、
     前記金属部材と同一の金属材料からなる第1カソード部と、
     該第1カソード部と電気的に絶縁され、前記金属材料からなるアノード部と、
     前記第1カソード部と電気的に短絡され、前記金属材料からなり、表面に凹凸が形成された第2カソード部と、
     からなる孔食モニタリング用テストピース。
  3.  前記金属材料は、銅または銅合金である請求項1または2に記載の孔食モニタリング用テストピース。
  4.  請求項1から3のいずれか一項に記載の孔食モニタリング用テストピースと、
     前記カソード部と前記アノード部間を電気的に接続した回路を流れる電流を測定する電流測定部と、
     を少なくとも備える孔食モニタリング装置。
  5.  請求項1から3のいずれか一項に記載の孔食モニタリング用テストピースと、
     前記アノード部の分極抵抗を測定する分極抵抗測定部と、
     を少なくとも備える孔食モニタリング装置。
  6.  水系の金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリング方法であって、
     請求項1から3のいずれか一項に記載の孔食モニタリング用テストピースを水系に浸漬し、
     前記カソード部と前記アノード部との間を電気的に接続した回路を流れる電流を測定することにより、前記金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリング方法。
  7.  水系の金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリング方法であって、
     請求項1から3のいずれか一項に記載の孔食モニタリング用テストピースを水系に浸漬し、
     前記アノード部の分極抵抗を測定することにより、前記金属部材に生じる孔食の進行状況を評価する孔食モニタリング方法。
  8.  前記アノード部を、腐食生成物で覆い、
     前記カソード部の接液面が腐食生成物で覆われていない状態で評価を行う請求項6または7に記載の孔食モニタリング方法。
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