JP7298258B2 - 光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物および立体造形物、細胞培養用基材 - Google Patents
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Description
この光造形法は、従来の切削加工などと比べて、切削困難な複雑な形状にも対応可能、完全自動化プロセスであり取り扱いが容易、製造時間が短くコスト面でも有利といった様々な利点を有しておりデジタル技術で定量化した医療用模型、トレーニングや実験用実体モデル、義肢等の製造に幅広く用いられるようになってきている。この立体造形法の代表的な例としては、容器に入れた液状の光硬化性樹脂組成物の液面に、所望パターンの硬化層が得られるように、光、例えば、活性エネルギー線の一種である紫外線レーザー光を選択的に照射して硬化層を得、次に該硬化層の上に液状の光硬化性樹脂組成物を層状に供給し、次いで前記と同様に光を選択的に照射して前記の硬化層と連続した硬化層を形成する。この積層操作を繰り返すことにより、最終的に所望の立体造形物を得る方法である。 この立体造形法は、製作する造形物の形状が複雑な場合でも、容易にしかも短時間で目的の造形物を得ることができるため注目されている。
また、マイクロチップと呼ばれる細胞培養基材のシリコーン製の基板上で保持した細胞の化学反応を観察あるいは測定する試みは、操作の簡便化・自動化による分析時間の短縮などのメリットをもたらすと期待され、近年盛んに行われてきている。また、非特許文献1には、シリコーン製の培養容器利点を活かし、プレート等の培養容器、マイクロチップを用いて細胞の機能や応答を評価する研究もなされている。
また、シリコーン表面に生物試料由来の細胞や蛋白質による接着が生じ、目詰まりや分析の精度や感度の低下を招くという問題があった。
その問題を解消するために、例えば特許文献1には、ポリエチレングリコールのような親水性構造、及び/又はベタイン構造を有する重合体を有効成分とする細胞接着防止剤でコーティングされたマイクロ流路デバイスが報告されている。しかし、接着防止剤と、シリコーン製基材流路壁面との表面張力の差が大きく、接着防止剤をコーティング処理すると、シリコーン製基材に大きなはじきムラ現象が発生しまい、接着防止剤からなるコーティング層の耐久性の懸念があった。
(一般式1中、
R1は炭素数2~4のアルキレン基、
R2は水素原子又は炭素数1~4のアルキル基、
Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3(C=O)-、fは2~100の整数を示し、
R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基、*は、一般式1中のR4が結合している炭素原子と結合する位置を示し、
R4は水素原子又はメチル基を示す。)
一般式2
(一般式2中、
Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3-(C=O)-を示し、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
R6は、水素原子またはメチル基を示し、
R7は、炭素数2~4のアルキレン基を示し、
R8は、炭素数1~10のアルキレン基を示し、
R9、R10およびR11はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1~8の炭化水素基を示し、qは、平均値で1~10を示す。)
一般式3
(一般式3中、
Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3-(C=O)-を示し、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
R12は、水素原子またはメチル基を示し、
R13およびR14はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す。)
一般式4
(一般式4中、
Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3(C=O)-を示し、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
R15は、水素原子またはメチル基を示し、
R16およびR17はそれぞれ独立して、炭素数1~3のアルキレン基を示す。)
一般式5
(一般式5中、R18は、炭素数1~5のアルキレン基を示す。)
一般式6
(一般式6中、Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3(C=O)-を示し、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
Yは、-(C=O)O-、-(O=S=O)O-を示し、
R19は、水素原子またはメチル基を示し、
R20は、炭素数1~10の2価の有機基を示し、
R21およびR22はそれぞれ独立して、
炭素数1~10の炭化水素基を示し、
R23は、炭素数1~10の2価の有機基を示す。)
一般式7
(一般式7中、
R25は、水素原子またはメチル基を示し、R26は、-O-、*-(C=O)-O-、
*-(C=O)-NR31-、*-NR31-(C=O)-、
R31は、水素原子または炭素数1~10の有機基を示し、
*は、一般式7中のR25が結合している炭素原子と結合する位置を示す。
R27は、炭素数1~10の2価の有機基を示し、
R28、R29およびR30はそれぞれ独立して、炭素数1~10の炭化水素基を示す。)
細胞相互の接着作用の促進性を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(A)を0.01~50重量部;
珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(B)を0.01~95重量部;
光開始剤(C)を0~30重量部;
その他のα,β-不飽和二重結合基含有化合物(E)を0~50重量部;を含有することを特徴とする前記光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記立体造形物からなる細胞培養用基材に関する。
本発明の光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物は、細胞相互の接着作用の促進性を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(A)と、珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(B)(ただし、前記化合物(A)に該当するものを除く)、を必須成分とすることを特徴とし、活性エネルギー線で硬化することで、硬化物および立体造形物を提供する。
ここで、「活性エネルギー線」とは、紫外線、可視光線、赤外線、エレクトロンビーム、及び放射線を含む、化学反応を生じさせるための活性化に必要なエネルギーを提供できる、広義のエネルギー線を意味する。本発明の活性エネルギー線重合性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」と称す)は、上記活性エネルギー線の照射によって、重合反応が進行し、硬化物を形成する。特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、上記活性エネルギー線は、紫外線を含む光エネルギー線であることが好ましい。
光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物の特徴としては、加熱硬化と比べて、短時間に硬化する速硬化性を有し省エネルギーである点が挙げられる。1成分系であり、作業性に優れていることも特徴として挙げられる。
本願の光学的立体造形用硬化性組成物は、細胞相互の接着作用の促進性を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(A)及び珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(B)を含むことを特徴とする。
また、光学的立体造形用硬化性組成物は、硬化タイプ別に、ラジカル反応型光学的立体造形用硬化性組成物(R)、白金触媒を使用した付加反応型光学的立体造形用硬化性組成物(Ad)に分類される。
本願の組成物(R)とは、細胞相互の接着作用の促進性を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(A)と、シロキサン構造および(メタ)アクリル基を有する化合物(B1)を含有し、必要に応じて、光開始剤(C)を含む。また、さらに、光増感剤(F)、及びその他のα,β-不飽和二重結合基含有化合物(E)、シロキサンに結合したビニル基を有する化合物(B2)を含んでいてもよく、ラジカル重合反応させることにより、比較的反応の活性が高い特徴を有するものである。
また、本願の組成物(Ad)とは、細胞相互の接着作用の促進性を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(A)と、シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)を含有し、さらに、活性エネルギー線活性を有する触媒(D)を含むことにより付加反応による架橋、硬化させることが可能であり、耐熱性や絶縁性に優れる。組成物(Ad)は、珪素に結合した水素原子を有するシロキサン(G)を含むことが好ましい。
より生体に近い三次元構造を保持した組織を形成する手法の一つとして、元来から、接着系細胞本来の凝集反応を利用したスフェロイド(細胞凝集体)培養法が知られている。形成されたスフェロイドは、足場に付着させた単層の細胞層よりも生体組織に近く、このため、スフェロイドを用いることにより、例えば、薬剤の生体組織に対する効果をより簡便に評価することができる。
細胞相互の接着作用の促進性とは、スフェロイド培養法における、接着系細胞を非接着性足場上で又は足場を用いることなく培養することにより、スフェロイドを促進的に形成させることである。例えば、ベタインやPEGに代表されるような、たんぱく吸着性が低く、足場依存性細胞のような接着細胞と、斯かる細胞が接触する種々の基材表面等との接着を防止することをいう。
本願の細胞相互の接着作用の促進性を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(A)とは、細胞相互の接着作用の促進性を有し、α,β-不飽和二重結合基を含有するものであれば特に限定されない。
(一般式1中、
R1は炭素数2~4のアルキレン基、
R2は水素原子又は炭素数1~4のアルキル基、
Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3(C=O)-、fは2~100の整数を示し、
R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基、*は、一般式1中のR4が結合している炭素原子と結合する位置を示し、
R4は水素原子又はメチル基を示す。)
fは、好ましくは平均値で2~90であり、より好ましくは平均値で8~85であり、更に好ましくは平均値で8~60であり、更に好ましくは平均値で8~50であり、特に好ましくは平均値で10~45である。
R1で示されるアルキレン基の炭素数は、好ましくは2または3であり、より好ましくは2である。また、R1で示されるアルキレン基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体的には、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ブタン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
R2におけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~3であり、より好ましくは1または2であり、更に好ましくは1である。また、R2で示されるアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が挙げられる。
R3における有機基の炭素数は、好ましくは1~6である。該有機基としては、炭化水素基が挙げられる。炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基が挙げられる。R3における脂肪族炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基が挙げられる。
Xの中では、*-(C=O)-O-が好ましい。
下記一般式1で表される化合物(Ap)としては、これらを単独でまたは2種以上を用いて得られた化合物が挙げられる。
化合物(Ap)の市販品としては、日油製のブレマーシリーズが挙げられ、PME-1000、PME-400、PME-200等が挙げられる。
Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3-(C=O)-、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
R6は、水素原子またはメチル基を示し、
R7は、炭素数2~4のアルキレン基を示し、
R8は、炭素数1~10のアルキレン基を示し、
R9、R10およびR11はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1~8の炭化水素基を示し、qは、平均値で1~10を示す。)
R7におけるアルキレン基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、R1で例示した基と同様の基等が挙げられる。
なお、R7が複数ある場合、R7は同一でも異なっていてもよい。
R8におけるアルキレン基の炭素数は、好ましくは1~6であり、より好ましくは1~4であり、更に好ましくは2または3であり、特に好ましくは2である。
R8におけるアルキレン基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、好適な具体例としては、R7におけるアルキレン基と同様の基が挙げられる。
R9、R10およびR11はそれぞれ独立して、炭素数1~8の炭化水素基が好ましい。斯かる炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。該炭化水素基としては、アルキル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基などが挙げられるが、アルキル基が好ましい。
このアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が挙げられる。
qは、好ましくは平均値で1~7であり、より好ましくは平均値で1~4であり、特に好ましくは1である。
一般式2で表される化合物化合物(Aa-1)の市販品としては、東京化成製の2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等が挙げられる。
Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3-(C=O)-、
R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
R12は、水素原子またはメチル基を示し、
R13およびR14はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す。)
R13およびR14におけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~3である。また、該アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。R13およびR14におけるヒドロキシアルキル基の炭素数は、好ましくは1~6であり、より好ましくは1~3である。ヒドロキシアルキル基に含まれるアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、ヒドロキシアルキル基の好適な具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基が挙げられる。なお、ヒドロキシアルキル基におけるヒドロキシ基の置換位置は任意である。
一般式3で表される化合物(Aa-2)としては、これらを単独でまたは2種以上を用いて得られた化合物が挙げられる。
化合物(Aa-2)の市販品としては、KJケミカルズ社製のジメチルアクリルアミド(DMAA)等が挙げられる。
Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3(C=O)-、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
R15は、水素原子またはメチル基を示し、
R16およびR17はそれぞれ独立して、炭素数1~3のアルキレン基を示す。)
また、該アルキレン基は直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、直鎖状が好ましい。好適な具体例としては、メタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基が挙げられる。
一般式4で表される化合物(Aa-3)としては、前記モノマーを単独でまたは2種以上を用いて得られた化合物が挙げられる。
本発明において、一般式4で表される化合物(Aa-3)としては、4-(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
化合物(Aa-3)の市販品としては、KJケミカルズ社製のアクリロイルモルホリン(ACMO)等が挙げられる。
R18は、炭素数1~5のアルキレン基を示す。)
また、該アルキレン基は直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、直鎖状が好ましい。好適な具体例としては、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基が挙げられる。
一般式5で表される化合物(Aa-4)としては、前記モノマーを単独でまたは2種以上を用いて得られた化合物が挙げられる。
本発明において、一般式5で表される化合物(Aa-4)としては、1-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニル-ε-カプロラクタム等が挙げられる。
化合物(Aa-4)の市販品としては、和光純薬工業製のN-ビニルピロリドン等が挙げられる。
Xは、炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3(C=O)-、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
Yは、-(C=O)O-、-(O=S=O)O-を示し、
R19は、水素原子またはメチル基を示し、
R20は、炭素数1~10の2価の有機基を示し、
R21およびR22はそれぞれ独立して、
炭素数1~10の炭化水素基を示し、
R23は、炭素数1~10の2価の有機基を示す。)
R21およびR22における2価の有機基の炭素数は、好ましくは1~8、より好ましくは1~6である。また、2価の有機基としては、2価の炭化水素基が好ましく、2価の脂肪族炭化水素基がより好ましい。当該2価の脂肪族炭化水素基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、2価の脂肪族炭化水素基としては、アルカンジイル基が好ましい。例えば、メタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基が挙げられる。
R21およびR22における炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~6、より好ましくは1~4である。
R21およびR22における炭化水素基としては、アルキル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基などが挙げられるが、アルキル基が好ましい。当該アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が挙げられる。なお、一般式6で表される化合物(Aa-5)は、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、水素イオン、水酸化物イオン等の対イオンを有していてもよい。
化合物(Aa-5)の市販品としては、富士フィルム製のFAM-101等が挙げられる。
R25は、水素原子またはメチル基を示し、R26は、-O-、*-(C=O)-O-、
*-(C=O)-NR31-、*-NR31-(C=O)-、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
R31は、水素原子または炭素数1~10の有機基を示し、
*は、一般式7中のR25が結合している炭素原子と結合する位置を示す。
R27は、炭素数1~10の2価の有機基を示し、
R28、R29およびR30はそれぞれ独立して、炭素数1~10の炭化水素基を示す。)
一般式7で表される化合物(Aa-6)としては、これらを単独でまたは2種以上を用いることができる。
化合物(Aa-6)の市販品としては、KJケミカルズ社製のジメチルアミンプロピルアクリルアミド塩メチル4級塩(DMAPAA-Q)等が挙げられる。
化合物(A)の合計含有量が前記範囲にあると、細胞相互の接着作用の促進性を有し、細胞接着防止性能により優れ、生体試料付着防止性能により優れる。
珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(B)とは、前記化合物(A)に該当するものを除く。珪素は、シロキサン構造として含まれていることが好ましく、シロキサン構造および(メタ)アクリル基を有する化合物(B1)、シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)の少なくともいずれかを使用することが好ましい。珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(B)は光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物に含まれることで、硬化物よりなる立体造形物に酸素透過性を付与することができる。珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(B)は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
[シロキサン構造および(メタ)アクリル基を有する化合物(B1)]
シロキサン構造および(メタ)アクリル基を有する化合物(B1)とは、1分子内にシロキサン構造および(メタ)アクリル基を少なくとも一つ有するものであれば、その分子構造に特に制限はない。
直鎖状、分岐鎖状、環状等、硬化性樹脂として用いられる任意の構造のポリシロキサンを用いることができる。(メタ)アクリル基は、ポリシロキサン構造中のどの位置に存在していてもよく、分子末端、分子鎖内部のいずれの位置にあってもよい。
ただし、化合物(B1)はメルカプト基を含まないものであることが好ましい。
好ましい化合物(B1)としては、分子末端に一つずつ(メタ)アクリル基を有する、直鎖状のポリシロキサンが挙げられる。そのような好ましい化合物(B1)の例示としては、下記一般式8で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられるが、これに限定されない。
Wは、独立して、非置換又は置換の、C1-6アルキル基又はC6-12アリール基であり、lは、5≦l≦10,000であり、
Gは、独立して、下記一般式(Ia):
-Q1-Si(W2)p(W3)3-p (Ia)
一般式(Ia)式中、
Q1は、C2-4アルキレン基又は酸素原子であり、
W2は、独立して、アクリル基又はメタクリル基であり、
W3は、独立して、非置換又は置換の、C1-9アルキル基、C1-9アルコキシ基又はC6-12アリール基であり、
pは、1、2又は3である)
合成の容易さ、経済的観点からは、メチル基が好ましく、光学的観点、高屈折率の点からは、フェニル基が好ましい。組成物(B)に高い屈折率を与えるためには、フェニル基の数が基W1の全数に対して5%以上であることが好ましく、5~50%の範囲であることがより好ましい。
lは、5≦l≦10,000の範囲である。他成分への相溶性の点からは、lは好ましくは3,000以下であり、より好ましくは1,500以下である。
一般式8で示される化合物(B1)は、Gとしてオルガノポリシロキサン構造末端のケイ素原子に結合している式(Ia)で示される基を二つ有する。二つの式(Ia)で示される基は、同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
Q1は、2つのケイ素原子を連結する部位であり、C2-4アルキレン基又は酸素原子である。Q1がC2-4アルキレン基である場合は、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。また、Q1が結合する2つのケイ素原子は、C2-4アルキレン基中の同じ炭素原子で結合していてもよい。
式(Ia)で示される基は、pが1、2又は3であり、式(Ia)で示される基には、W2として、アクリル基又はメタクリル基が少なくとも一つ含まれる。
式(Ia)で示される基が2つ又は3つの(メタ)アクリル基を有する場合には、全てアクリル基であってもよく、全てメタクリル基であってもよく、アクリル基とメタクリル基を共に有していてもよい。
式(Ia)で示される基において、W3は、独立して、非置換又は置換の、C1-9アルキル基、C1-9アルコキシ基又はC6-12アリール基である。式(Ia)で示される基1つあたりのW3の数は、0、1又は2であり、pの値により変動する。式(Ia)で示される基にW3が2つ含まれる場合、各々のW3は同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
化合物(B1)の市販品としては、JNC社製の(サイラプレーン)FM-0711、FM-0721、FM-0725、TM-0701T、信越化学製のX-22-2445等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は光開始剤(C)を使用することによって、重合反応を促進することができる。本発明の一実施形態において、上記活性化エネルギーは紫外線であることが好ましく、紫外線の照射によって重合反応を進行させる場合、光開始剤(C)を含むことが好ましい。
本発明では、上記光開始剤(C)として、活性エネルギー線重合開始剤として公知の化合物から任意に選択した化合物を使用できる。
また、市販品としては、例えば、以下が挙げられる。イルガキュアー184,907,651,1700,1800,819,369,及び261(BASF社製)、DAROCUR-TPO(BASF社製、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド)、ダロキュア-1173(メルク社製)、エザキュアーKIP150,及びTZT(日本シイベルヘグナー社製)、カヤキュアBMS,及びカヤキュアDMBI(日本化薬社製)等の光ラジカル発生剤。
また、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する光重合開始剤を使用することもできる。
更に、上記光開始剤(C)の性能を向上させるために、増感剤(F)を併用しても良い。活性エネルギー線増感剤の代表例として、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物、及び、ニトリル類又はその他の含窒素化合物などが挙げられる。なかでも、アントラセン系又はベンゾフェノン系、チオキサントン系又はペリレン、フェノチアジン、及びローズベンガル等の化合物が好ましく使用される。
[シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)]
シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)とは、ケイ素原子に結合したビニル基を有するポリシロキサンを意味する。ビニル基の含有量は、特に制限はない。
上記シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)は、ケイ素原子に結合した置換基(オルガノ基)を有していてもよく、例えば、置換若しくは非置換の炭素原子数1~8個のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素原子数1~8個のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基等が挙げられる。炭素原子数1~8個のアルキル基としては、例えば、具体的には、メチル基エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基などが挙げられる。このうち、メチル基であることが好ましい。
炭素原子数1~8個のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ヘキシルオキシ基及びオクチルオキシ基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、及びメチルフェニル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ジフェニルメチル基などが挙げられる。
また、上記アルケニル基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基に置換されうる基としては、例えば、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、フェニル基、アルコキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボニル基、及びシアノ基などが挙げられる。
なお、シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであっても構わない。また、これらは1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)の市販品としては、アズマックス製製の両末端ビニルポリジメチルシロキサンPDV-1631Gelest等が挙げられる。
組成物(Ad)は、さらに珪素に結合した水素原子を有するシロキサン(G)を含むことが好ましい。
珪素に結合した水素原子を有するシロキサン(G)は、ケイ素原子に結合する水素原子を少なくとも2個有するポリシロキサンである。該水素2個は、活性エネルギー線の照射による、上記シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)のビニル基の二重結合に付加し、架橋構造を形成し、白金触媒を使用した付加反応型光学的立体造形用硬化性組成物(Ad)を得ることができる。
硬化性組成物(Ad)を製造する際に使用される上記シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)及び珪素に結合した水素原子を有するシロキサン(G)の割合は特に制限はないが、シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)に含まれるアルケニル基1モルに対して、珪素に結合した水素原子を有するシロキサン(G)に含まれるケイ素原子に結合する水素原子が0.5~3.0モルとなるような割合とすることが好ましい。
珪素に結合した水素原子を有するシロキサン(G)の市販品としては、アズマックス製のメチルハイドロジェンポリシロキサンHMS-031等が挙げられる。
なお、触媒を使用した付加反応型光学的立体造形用硬化性組成物(Ad)は、上記シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)及び上記の珪素に結合した水素原子を有するシロキサン(G)を架橋するための触媒触媒(D)をさらに含んでもよい。
触媒は、特に制限はないが、白金系触媒であることが好ましく、具体的には、白金黒、シリカ担持白金、炭素担持白金、塩化白金酸、塩化白金酸アルコール溶液、白金/オレフィン錯体、白金/アルケニルシロキサン錯体、白金/β-ジケトン錯体、白金/ホスフィン錯体などが挙げられる。本願では、(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金触媒やビスアセチルアセトナト白金(II)触媒が好ましく使用される。
当該触媒は、上記シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)及び珪素に結合した水素原子を有するシロキサン(G)の総量に対して、約0.1~500ppm(Pt換算)となるように添加することが好ましい。
触媒(D)の市販品としては、アズマックス製の白金―ジビニルテロラメチルジシロキサン錯体SIP6831.2等が挙げられる。
本発明の光学的立体造形用硬化性組成物は、上記必須成分に加えて、その他のα,β-不飽和二重結合基含有化合物(E)(ただし、前記化合物(A)、前記化合物(B)に該当するものを除くことである。)を含んでも良い。
その他のα,β-不飽和二重結合基含有化合物(E)を使用することによって、造形物のガラス転移点(Tg)を向上させて高凝集力を発現させたり、耐熱性や耐水性等の耐性の良好な立体造形物を形成することが可能となるものである。
特に、1個以上のα,β-不飽和二重結合基を含有する化合物であれば、特に制限はなく、使用できるが、その構造中に1個以上の水酸基を含有するα,β-エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(e1)を含有することが反応速度の向上や硬化収縮の抑制の点で好ましい。化合物(e1)は、水酸基を有し、環状構造を有しない化合物(e1-1)と、水酸基を有し、環状構造を有する化合物(e1-2)に分けられるが、いずれも水酸基を有することによって、重合反応に伴う硬化収縮の低減に大きな効果を示す。
更に、耐熱性、あるいは耐湿熱性等の耐久性向上の点で、分子内に水酸基を有せず、かつ、1個以上の環状構造を有するα,β-エチレン性不飽和二重結合基含化合物(e2)を含有することが好ましい。更に、(e1),(e2)以外、分子構造中に水酸基および環状構造有さないα,β-エチレン性不飽和二重結合基含有化合物 (e3)も含有することができる。特に限定するものではないが、化合物(E)として使用可能な化合物としては、以下が挙げられる。
これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
限定しないが、耐熱黄変性の点で、(e2-1)が好ましい。
ビニルフェニルメチルヘプタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルオクタデシルエーテ
ル、ビニルフェニルメチルノナデシルエーテル、ビニルフェニルメチルエイコシルエーテ
ル、ビニルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、ビニルフェニルメチルドコシルエー
テルなどの長鎖アルキル基を有する芳香族ビニルエーテル系単量体類;
イソプロペニルフェニルメチルノニルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルデシルエ
ーテル、イソプロペニルフェニルメチルウンデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメ
チルドデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルトリデシルエーテル、イソプロペ
ニルフェニルメチルテトラデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルペンタデシル
エーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘキサデシルエーテル、イソプロペニルフェニ
ルメチルヘプタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルオクタデシルエーテル、
イソプロペニルフェニルメチルノナデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルエイ
コシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、イソプロペニ
ルフェニルメチルドコシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有するイソプロペニルフェニ
ル系単量体類;
また、例えば、o-ジ(メタ)アリルビスフェノールA、芳香環構造が水素添加された水添ビスフェノールA等もα,β-不飽和二重結合基を有すれば、化合物(e2-1)に含まれる。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
例えば、2-(メタ)アリル-1H-インドール、3-(メタ)アリル-1H-インドール、2-(メタ)アリルインダゾール、3-フェニル-4-(メタ)アリルイソキノリン、9-(メタ)アリル-9H-カルバゾール等の窒素原子含有のヘテロ多環構造を有する(メタ)アリル基含有化合物類;
例えば、2-(4-オキサゾリン-3-イル)エチル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸エトキシ化イソシアヌル酸、トリ(メタ)アクリル酸エトキシ化イソシアヌル酸、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性、トリ(メタ)アクリル酸イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性等の窒素原子以外に酸素原子を含むヘテロ環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
化合物(e2-2)としては、耐熱性や耐水性等の耐久性の面より、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル、4-アクリロイルモルホリン、1-ビニルイミダゾール、1-ビニルピリジン-2(1H)-オン、ジ(メタ)アクリル酸エトキシ化イソシアヌル酸、トリ(メタ)アクリル酸エトキシ化イソシアヌル酸が特に好ましい。
例えば、(メタ)アクリル酸(メタ)アリル、(メタ)アクリル酸1-ブテニル、(メタ)アクリル酸2-ブテニル、(メタ)アクリル酸3-ブテニル、(メタ)アクリル酸1,3-メチル-3-ブテニル、(メタ)アクリル酸2-クロル2-プロペニル、(メタ)アクリル酸3-クロル2-プロペニル、(メタ)アクリル酸2-(2-プロペニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2-プロペニルラクチル、(メタ)アクリル酸3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イル、(メタ)アクリル酸(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル、(メタ)アクリル酸ロジニル、(メタ)アクリル酸シンナミル、(メタ)アクリル酸ビニル等のさらに不飽和基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)メチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)プロピル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)ブチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)デシル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)メチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)エチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)プロピル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)ブチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)オクチル、(メタ)アクリル酸2-(エトキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2-(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2-(エトキシカルボニルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸2-(エトキシカルボニルオキシ)ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-(エトキシカルボニルオキシ)オクチル、(メタ)アクリル酸2-(プロポキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2-(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2-(ブトキシカルボニルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸2-(オクチルオキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2-(オクチルオキシカルボニルオキシ)ブチル等のカルボニル基を1つ有する脂肪族系の(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、アセト酢酸ビニル、アセトプロピオン酸ビニル、アセトイソ酪酸ビニル、アセト酪酸ビニル、アセトバレリン酸ビニル、アセトヘキサン酸ビニル、アセト2-エチルヘキサン酸ビニル、アセトn-オクタン酸ビニル、アセトデカン酸ビニル、アセトドデカン酸ビニル、アセトオクタデカン酸ビニル、アセトピバリン酸ビニル、アセトカプリン酸ビニル、アセトクロトン酸ビニル、アセトソルビン酸ビニル、プロパノイル酢酸ビニル、ブチリル酢酸ビニル、イソブチリル酢酸ビニル、パルミトイル酢酸ビニル、ステアロイル酢酸ビニル、ピルボイル酢酸ビニル、プロパノイルバレリン酸ビニル、ブチリルバレリン酸ビニル、イソブチリルバレリン酸ビニル、パルミトイルバレリン酸ビニル、ステアロイルバレリン酸ビニル、ピルボイルバレリン酸ビニル、2-アセトアセトキシエチルビニルエーテル、2-アセトアセトキシブチルビニルエーテル、2-アセトアセトキシヘキシルビニルエーテル、2-アセトアセトキシオクチルビニルエーテル等のアシル基を有する脂肪族系のビニル化合物類;
例えば、アセト酢酸(メタ)アリル、アセトプロピオン酸(メタ)アリル、アセトイソ酪酸(メタ)アリル、アセト酪酸(メタ)アリル、アセトバレリン酸(メタ)アリル、アセトヘキサン酸(メタ)アリル、アセト2-エチルヘキサン酸(メタ)アリル、アセトn-オクタン酸(メタ)アリル、アセトデカン酸(メタ)アリル、アセトドデカン酸(メタ)アリル、アセトオクタデカン酸(メタ)アリル、アセトピバリン酸(メタ)アリル、アセトカプリン酸(メタ)アリル、アセトクロトン酸(メタ)アリル、アセトソルビン酸(メタ)アリル、プロパノイル酢酸(メタ)アリル、ブチリル酢酸(メタ)アリル、イソブチリル酢酸(メタ)アリル、パルミトイル酢酸(メタ)アリル、ステアロイル酢酸(メタ)アリル、(メタ)アリルアルデヒド等のアシル基を有する脂肪族系の(メタ)アリル化合物類;
例えば、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸エトキシ化ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールプロパン、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸2,2-ビス(ヒドロキシメチル)1,3-プロパンジオール、テトラ(メタ)アクリル酸2,2-ビス(ヒドロキシメチル)1,3-プロパンジオールテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリル酸ジ1,2,3-プロパントリオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2-メチルペンタン-2,4-ジオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2-メチルペンタン-2,4-ジオールテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールブタン、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールヘキサン、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールオクタン等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2-クロロビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル、n-ペンチルビニルエーテル、イソペンチルビニルエーテル、tert-ペンチルビニルエーテル、n-ヘキシルビニルエーテル、イソヘキシルビニルエーテル、2-エチルブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、n-ヘプチルビニルエーテル、n-オクチルビニルエーテル、イソオクチルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ヘキサンデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、エトキシメチルビニルエーテル、2-メトキシエチルビニルエーテル、2-エトキシエチルビニルエーテル、2-ブトキシエチルビニルエーテル、アセトキシメチルビニルエーテル、2-アセトキシエチルビニルエーテル、3-アセトキシプロピルビニルエーテル、4-アセトキシブチルビニルエーテル、4-エトキシブチルビニルエーテル、2-(2-メトキシエトキシ)エチルビルエーテル、3-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、5-ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6-ヒドロキシヘキシルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル類;
例えば、ビニルスルホン酸、2-プロペニルスルホン酸、2-メチル-2-プロペニルスルホン酸、ビニル硫酸等のアルケニル基含有スルホン酸類;
例えば、(メタ)アクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル、2-プロペンニトリル、(メタ)アクリル酸2-シアノエチルなどのニトリル基含有α,β-不飽和二重結合基含有化合物類;
例えば、酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリル、酪酸(メタ)アリル、カプリン酸(メタ)アリル、ラウリン酸(メタ)アリル、オクチル酸アリル、ヤシ油脂肪酸、ピバリン酸ビニル等の飽和カルボン酸の(メタ)アリルエステル類;
例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド等のハロゲン化ビニル類;
例えば、アレン、1,2-ブタジエン、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2-クロロ-1,3-ブタジエンなどのジエン類;
例えば、cis-コハク酸ジアリル、2-メチリデンコハク酸ジアリル、(E)-ブタ-2-エン酸ビニル、(Z)-オクタデカ-9-エン酸ビニル、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン酸ビニル等の多官能の不飽和結合を含有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物類;
例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシブチルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシオクチルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシデシルフタレート、2-ビニル安息香酸、3-ビニル安息香酸、4-ビニル安息香酸、4-イソプロペニルベンゼンカルボン酸、桂皮酸、7-アミノ-3-ビニル-3-セフェム-4-カルボン酸等のカルボキシル基含有の脂環や芳香環を有するα,β-不飽和二重結合基含有カルボン酸類やその酸無水物類;
珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(B)は、0.01~95重量部が好ましい。
光開始剤(C)は、0.01~30重量部が好ましく、1~20重量部がより好ましい。
珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(B)を0.01~90重量部;
光開始剤(C)を0~30重量部;
その他のα,β-不飽和二重結合基含有化合物(E)を0~50重量部;
を含有する形態が挙げられる。
(B2)の含有量は、1~95重量部が好ましく、50~95重量部がより好ましい。
活性エネルギー線活性を有する触媒(D)は、0.01~10重量部が好ましく、0.01~1重量部がより好ましい。
さらに、珪素に結合した水素原子を有するシロキサン(G)は、1~20重量部が好ましく、1~10重量部がより好ましい。
その他のα,β-不飽和二重結合基含有化合物(E)は、無添加が好ましい。、
(B1)の含有量は、0.01~95重量部が好ましく、0.01~50重量部がより好ましい。
その他のα,β-不飽和二重結合基含有化合物(E)は、0~50重量部が好ましく、1~50重量部がより好ましい。活性エネルギー線活性を有する触媒(D)は無添加が好ましい。
珪素に結合した水素原子を有するシロキサン(G)は無添加が好ましい。
本発明の光学的立体造形用硬化性組成物は、上記、細胞相互の接着作用の促進性を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(A)と、珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(B)(ただし、前記化合物(A)に該当するものを除く)、を必須成分とし、更に、必要に増感剤(F)、珪素に結合した水素原子を有するシロキサン(G)等を配合後、均一に混合することによって製造することができる。攪拌・混合する際には、減圧装置を備えた1軸または多軸エクストルーダー、ニーダー、ディソルバーのような汎用の機器を使用し攪拌・混合することにより調製してもよい。攪拌・混合する際の温度は、通常、10~60℃に設定されるのが好ましい。調製時の設定温度が10℃未満では、粘度が高すぎて均一な撹拌・混合作業が困難になる場合があり、逆に、調製時の温度が60℃を超えると、熱による硬化反応が起きる場合があり、正常な硬化性材料が得られない場合があるので、好ましくない。
本発明の光学的立体造形用硬化性組成物は、液状、ペースト状及びフィルム状のいずれの形態でも使用することができる。
本発明の光学的立体造形用硬化性組成物は、光学的立体造形法における硬化性液状物質として好適に使用される。即ち、この硬化性材料の特定箇所に、可視光、紫外光、赤外光等の光を選択的に照射して硬化に必要な活性エネルギーを供給することにより、所望形状の立体造形物を得ることができる。
活性エネルギー線の照射強度は、0.1~500mW/cm2であることが好ましい。
光照射強度が0.1mW/cm2未満であると、硬化に長時間を必要とし、500mW/cm2を超えると、ランプから輻射される熱により、未硬化の光学的立体造形用硬化性組成物に劣化が生じる可能性があるため、好ましくない。照射強度と照射時間の積として表される積算照射量は1~5,000mJ/cm2とであることが好ましい。積算照射量が1mJ/cm2より少ないと、硬化に長時間を必要とし、5,000mJ/cm2より大きいと、照射時間が非常に長くなり、生産性が劣るため、好ましくない。
また上記の光学的立体造形法においては、通常、硬化性材料の特定箇所を硬化させた後、被照射位置を、既に硬化した部分から未硬化部分に連続的にまたは段階的に移動させることにより、硬化部分を所望の立体形状に成長させることができる。この被照射位置の移動は種々の方法によって行うことができ、例えば光源、硬化性材料を収容している容器あるいは硬化性材料の硬化部分の少なくとも何れかを移動させたり、また該容器に未硬化の硬化性材料(液状硬化性物質)を追加する等の方法によって行うことができる。
本発明の光学的立体造形用硬化性材料を用いて立体造形物を得る代表的な方法としては、液状である本発明の硬化性材料に、所望のパターンを有する硬化層が得られるように光を選択的に照射して硬化層を形成し、次に該硬化層に隣接する未硬化の組成物層に同様にして光を照射して先に形成された硬化層と連続する新たな硬化層を形成し、この積層操作を繰り返すことにより、最終的に目的とする立体形状の造形物とする方法を挙げることができる。この方法のさらに具体的態様としては、次に例示する方法を挙げることができる。
形成された立体造形物は、反応に用いた容器から取り出し、該造形物の表面に残存する未反応の化合物を除去した後、必要に応じて洗浄する。この洗浄剤としては、イソプロピルアルコール、エチルアルコールなどのアルコール類に代表される有機溶剤、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどに代表される有機溶剤、テルペン類、グリコールエーテル系エステル類に代表される脂肪族系有機溶剤、熱硬化性あるいは光硬化性(活性エネルギー線である光による硬化性を意味する)の低粘度の液状樹脂を使用することができる。また立体造形物に透明性を付与したい場合には、前記の熱硬化性あるいは光硬化性の液状樹脂を洗浄剤として使用することが望ましい。またこの場合には、洗浄に使用した樹脂の種類に応じて、洗浄後に、熱または光で乾燥(ポストキュアーとも称す)を行う必要がある。なお、ポストキュアーは、表面の樹脂を硬化させるのみならず、立体造形物の内部に残存する可能性のある未反応の硬化性材料をも硬化させる効果を有しているので、有機溶剤により洗浄した場合にも行うことが好適である。
本発明の光学的立体造形用硬化性材料の硬化物は、複雑、微細な加工を必要とする電子製品用等の各種樹脂成型品;新商品のデザイン検討用、プレゼンテーション用、広告用や展示用等のモデル;性能試験用や生産適性確認用など開発用試作品;手術のシミュレーション用等の医療モデルなどの立体造形物として好ましく用いることができる。
細胞培養用基材とは、細胞培養に用いられる、細胞の増殖の足場となる表面を有する部材である限り形態は特に限定されない。細胞培養用基材として、細胞培養容器、マイクロ流路デバイスが挙げられる。例えばフィルム状又は板状の形態である細胞培養用基材は、その一方の表面に細胞を含む培地を載せて細胞培養を実施することや、該基材をシングル若しくはマルチウェルプレートなどの培養用のプレート、シャーレ、ディッシュ、フラスコ、培養バック等の各種細胞培養用容器に収容して固定し、該容器に細胞を含む培地を加えて細胞培養を実施することができる。また、細胞培養用基材は、それ自体が、シングル若しくはマルチウェルプレートなどの培養用のプレート、培養シャーレ、培養ディッシュ、フラスコ、培養バック等の各種細胞培養用容器の形態であってもよい。培養バックは浮遊細胞や幹細胞等を浮遊状態で培養する等の際に用いることが可能である。
前記マイクロ流路デバイスとしては、例えば、微小反応デバイス(具体的にはマイクロリアクターやマイクロプラント等)、集積型核酸分析デバイス、微小電気泳動デバイス、微小クロマトグラフィーデバイス等の微小分析デバイス;質量スペクトルや液体クロマトグラフィー等の分析試料調製用微小デバイス;抽出、膜分離、透析などに用いる物理化学的処理デバイス;環境分析チップ、臨床分析チップ、遺伝子分析チップ(DNAチップ)、タンパク質分析チップ(プロテオームチップ)、糖鎖チップ、クロマトグラフチップ、細胞解析チップ、製薬スクリーニングチップ等のマイクロ流路チップが挙げられる。これらの中でも、マイクロ流路チップが好ましい。
なお、前記マイクロ流路デバイスは、微量の試料(好ましくは液体試料)が流れる部位であり、その流路幅及び深さは特に限定されないが、いずれも、通常、0.1μm~1mm程度であり、好ましくは10μm~800μmである。なお、マイクロ流路の流路幅や深さは、流路全長にわたって同じであってもよく、部分的に異なる大きさや形状であってもよい。
[合成例1~15、比較合成例1、2]
酸素濃度が10% 以下に置換された遮光された300ccのマヨネーズ瓶に、表1に記載の化合物 (A) 、化合物 (B) 、更に、必要に応じて、光開始剤(C) 、触媒(D)、その他のα,β-不飽和二重結合基含有化合物(E)、増感剤(F)、硬化剤(G)、を表2に示す比率で仕込み、スリーワンモータにて十分に攪拌を行い、十分に脱泡を行った後、配合例に示す組成物(P-1~17)を得た。
以下の方法に従って評価し、表3-5に結果を示した。
上記の組成物(P-1~17)を、ガラス製U字底96ウェルプレート鋳型に注入して、この鋳型にメタルハイライトランプを使用してUV光(照度:800mW/cm2,積算光量:1000mJ/cm2,10秒)を照射して光重合を行った。重合後、鋳型から取り出してU字底96ウェルプレート形状の硬化物(C-1~17)を得た。硬化物(C-1~17)を水中に浸漬し、離型した。
[実施例1~15、比較例1、比較例2]
硬化物(C-1~17)をエチレンオキサイドガス滅菌した後、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)にウシ胎児血清(FBS)を10%添加したものを培地とし、ヒト肝がん由来細胞株(HepG2細胞)を1ウェルあたり1×104個播種し、5%CO2/37℃のインキュベーターで5日目まで培養し、5日後の細胞培養状態を透過式光学顕微鏡40倍で写真撮影し、細胞の形態を観察することによって評価した。結果を表3に示す。
(評価基準)
○:1つのスフェロイドを形成(良好)
△:複数個のスフェロイドを形成(不良)
×:スフェロイドを形成しない(極めて不良)
[実施例16~30、比較例3、4]
平底の24ウェルプレートに、硬化物(C-18~34)を11mm角にカットして入れ、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で10000倍希釈したHRP-IgG溶液1mlを添加して浸漬させた。室温で1時間インキュベートした後、PBS-T(0.1% Tween20)を用いて各ウェルを4回洗浄した。染色液を各ウェルに1mlずつ分注し、室温で10分間インキュベートした後、反応停止液を各ウェルに1mlずつ分注後、450nm(副波長650nm)の吸光度Aλを、MITHRAS2LD943-M2Mマイクロプレートリーダーを用いて測定した。吸光度Aλが小さいほど抗体蛋白質吸着性が低く良好である。以下の基準で評価した。結果を表4に示す。
染色液:TMBZ溶液(3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン)
反応停止液:タカラバイオ社製 WASH and Stop Solution ForELISA With Solution for ELISA without Sulfuric Acid
HRP-IgG:酵素、抗体(HORSERADIH PEROXIDASE IMMUNOGLOBULING)
PBS-T:PBSに0.1% Tween20を添加したもの
(評価基準)
○:Aλ≦0.6(良好)
△:0.6<Aλ≦0.8(使用可能)
×:0.8<Aλ(不良)
結果を表4に示す。
[実施例31~45、比較例5、6酸素透過率測定装置(201T、Rehder社)の 平面電極セルを使用して、ISO18369-4(FATT法)に定められている方法により酸素透過係数(Dk)を測定した。結果を表5に示す。(1Barrer=1×10-11O2(STP)cm/cm2mmHg)
○:Dk≧150(良好)
△:150>Dk≧20(使用可能)
×:20>Dk(不良)
結果を表5に示す。
一方、細胞に働ける因子を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物を有していない比較例1または、珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物を有していない比較例2の組成物は、スフェロイド形成性、蛋白質吸着抑制及び酸素透過性が劣っていた。
Claims (11)
- スフェロイド培養用細胞培養基材の形成に用いられる、光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物であって、細胞相互の接着作用の促進性を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(A)と、珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(B)(ただし、前記化合物(A)に該当するものを除く)と、を含有する光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物。
- 前記アミン系化合物(Aa)が、下記一般式2~7で表される少なくともいずれかである請求項2に記載の光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物。
一般式2
(一般式2中、
Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3-(C=O)-を示し、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
R6は、水素原子またはメチル基を示し、
R7は、炭素数2~4のアルキレン基を示し、
R8は、炭素数1~10のアルキレン基を示し、
R9、R10およびR11はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1~8の炭化水素基を示し、qは、平均値で1~10を示す。)
一般式3
(一般式3中、
Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3-(C=O)-を示し、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
R12は、水素原子またはメチル基を示し、
R13およびR14はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す。)
一般式4
(一般式4中、
Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3(C=O)-を示し、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
R15は、水素原子またはメチル基を示し、
R16およびR17はそれぞれ独立して、炭素数1~3のアルキレン基を示す。)
一般式5
(一般式5中、R18は、炭素数1~5のアルキレン基を示す。)
一般式6
(一般式6中、Xは炭素原子、*―(C=O)O-、*-(C=O)NR3又は*-NR3(C=O)-を示し、R3は水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、
Yは、-(C=O)O-、-(O=S=O)O-を示し、
R19は、水素原子またはメチル基を示し、
R20は、炭素数1~10の2価の有機基を示し、
R21およびR22はそれぞれ独立して、
炭素数1~10の炭化水素基を示し、
R23は、炭素数1~10の2価の有機基を示す。)
一般式7
(一般式7中、
R25は、水素原子またはメチル基を示し、R26は、-O-、*-(C=O)-O-、*-(C=O)-NR31-、*-NR31-(C=O)-、
R31は、水素原子または炭素数1~10の有機基を示し、
*は、一般式7中のR25が結合している炭素原子と結合する位置を示す。
R27は、炭素数1~10の2価の有機基を示し、
R28、R29およびR30はそれぞれ独立して、炭素数1~10の炭化水素基を示す。) - 前記化合物(B)が、シロキサン構造および(メタ)アクリル基を有する化合物(B1)、シロキサン構造およびビニル基を有する化合物(B2)の少なくともいずれかである請求項1~3いずれか1項に記載の光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物。
- 更に、光開始剤(C)を含有することを特徴とする請求項1~4いずれか1項に記載の光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物。
- 更に、活性エネルギー線活性を有する触媒(D)を含有することを特徴とする請求項1~4いずれか1項に記載の光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物。
- 更に、その他のα,β-不飽和二重結合基含有化合物(E)を含有することを特徴とする請求項1~6いずれか1項に記載の光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物。
- 活性エネルギー線重合性組成物100重量部に対し、
細胞相互の接着作用の促進性を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(A)を0.01~50重量部;
珪素を有するα,β-不飽和二重結合基含有化合物(B)を0.01~95重量部;
光開始剤(C)を0~30重量部;
その他のα,β-不飽和二重結合基含有化合物(E)を0~50重量部;を含有することを特徴とする請求項7記載の光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物。 - 請求項1~8いずれか1項に記載の光学的立体造形用活性エネルギー線重合性樹脂組成物を、活性エネルギー線で硬化してなる硬化物。
- 請求項9記載の硬化物からなる立体造形物。
- 請求項10記載の立体造形物からなる細胞培養用基材。
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