JP2016060706A - 人工爪組成物、人工爪及びその形成方法、人工爪の除去方法、並びに、ネイルアートキット - Google Patents

人工爪組成物、人工爪及びその形成方法、人工爪の除去方法、並びに、ネイルアートキット Download PDF

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Abstract

【課題】人工爪組成物の種別を容易に判別することが可能な人工爪組成物を提供すること、更に、上記人工爪組成物を用いた人工爪及びその形成方法、ネイルアートキット、並びに、上記人工爪組成物により形成された人工爪の除去方法を提供すること。【解決手段】発泡剤を含有することを特徴とする人工爪組成物。上記発泡剤は炭酸塩又は炭酸水素塩であることが好ましい。また、上記人工爪組成物は、アミノ基を有する化合物を更に含有することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、人工爪組成物、人工爪及びその形成方法、人工爪の除去方法、並びに、ネイルアートキットに関する。
近年、手や足の爪にデザインを施すネイルアートに対する人気が高まり、爪(自爪)に合成樹脂製の人工爪(付け爪、ネイルチップ等)を形成する技術が発展している。特に最近、ウレタン系樹脂と光重合性モノマーとを含むジェル状の装飾用硬化性組成物(ジェルネイル)を爪に塗布した後、紫外線を照射して硬化させた人工爪と呼ばれる爪装飾が、仕上がりがクリアである、爪との密着性が高く長持ちする、アクリル系樹脂のような臭いがない、等の理由から注目を集めている。
また、従来の人工爪組成物としては、特許文献1及び2に記載のものが知られている。
特開2014−5260号公報 特開2009−126833号公報
本発明の目的は、人工爪組成物の種別を容易に判別することが可能な人工爪組成物を提供することである。また、本発明の他の目的は、上記人工爪組成物を用いた人工爪及びその形成方法、ネイルアートキット、並びに、上記人工爪組成物により形成された人工爪の除去方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>又は<7>〜<10>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<6>と共に以下に記載する。
<1> 発泡剤を含有することを特徴とする人工爪組成物、
<2> 上記発泡剤が炭酸塩又は炭酸水素塩である、<1>に記載の人工爪組成物、
<3> アミノ基を有する化合物を更に含有する、<1>又は<2>に記載の人工爪組成物、
<4> 上記アミノ基を有する化合物として、アミノ基を有するポリマーを含有する、<3>に記載の人工爪組成物、
<5> 上記アミノ基を有する化合物として、アミノ基を有するモノマーを含有する、<3>又は<4>に記載の人工爪組成物、
<6> 重合性化合物及び光重合開始剤を更に含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の人工爪組成物、
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の人工爪組成物を人若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に塗布し、塗布膜形成する工程、並びに、上記塗布膜を乾燥及び/又は露光して人工爪を形成する工程を含む人工爪の形成方法、
<8> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の人工爪組成物から形成された層を有する人工爪、
<9> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の人工爪組成物から形成された人工爪を、酸性水溶液に接触させて除去する工程を含む、人工爪の除去方法、
<10> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の人工爪組成物と、酸性水溶液とを含む、ネイルアートキット。
本発明によれば、人工爪組成物の種別を容易に判別することが可能な人工爪組成物が提供された。更に、本発明によれば、上記人工爪組成物を用いた人工爪及びその形成方法、ネイルアートキット、並びに、上記人工爪組成物により形成された人工爪の除去方法が提供された。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書中、「xx〜yy」の記載は、xx及びyyを含む数値範囲を表す。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書中、式で表される化合物における基の表記に関して、置換あるいは無置換を記していない場合、当該基が更に置換基を有することが可能な場合には、他に特に規定がない限り、無置換の基のみならず置換基を有する基も包含する。例えば、式の説明において、「Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す」との記載があれば、「Rは無置換アルキル基、置換アルキル基、無置換シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、無置換アリール基又は置換アリール基を表す」ことを意味する。また、本明細書中、(メタ)アクリルは、アクリルとメタクリルとを共に含む概念を表し、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等についても同様である。
また、本明細書におけるポリマーには、コポリマーを含むものとする。
(人工爪組成物)
本発明の人工爪組成物は、発泡剤を含有することを特徴とする。
また、本発明の人工爪は、本発明の人工爪組成物により形成された層を有する人工爪である。
人工爪を除去する際、装着している人工爪の見た目だけでは、どのような除去液で除去が可能であるのかを判別することは困難であり、特に、人工爪が酸性水溶液で除去が可能である場合に、酸性水溶液で除去可能か否かを判別しにくいという問題があった。また、酸性水溶液で除去する場合には、除去時間をより短縮させるという課題があった。
本発明者は鋭意検討した結果、本発明の人工爪組成物は、得られる人工爪に酸性水溶液を接触させることで、接触部位に発泡を引き起こすことにより、人工爪組成物の種別を容易に識別できることを見出した。更に、酸性除去液で除去する場合において、除去性に優れることを見出した。
これらの効果が発現する機構は不明であるが、一部は以下のように推定される。
人工爪の表層付近に存在する発泡剤が、酸又は水と接触することで水溶液中に発泡が生じる。酸性水溶液で除去可能な人工爪を除去する場合において、酸による人工爪の可塑化、膨潤及び溶解などの除去作用が、人工爪内部に存在する発泡剤の発泡により促進されるものと推定される。
本発明において、人工爪は、ヒト若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に乾燥及び/又は露光によって硬化して形成されることが好ましい。また、本発明における人工爪とは、ヒト又は動物の爪上に、美装及び/又は保護を目的に形成される層を指す。また、例えば、上記他の人工爪としては、爪の美装及び/又は保護を目的とする任意の形状の樹脂基材(ネイルチップ)等が挙げられる。
また、本発明の人工爪組成物により形成された人工爪は、従来の有機溶剤を用いた除去方法によって除去することも可能であるが、酸性水溶液によって除去することが好ましい。
なお、「ヒト及び動物の爪、並びに、他の人工爪」を、単に「爪」ともいう。
上記人工爪の形状は、特に制限はなく、所望の形状に形成すればよいが、少なくとも爪の先端箇所を覆うように形成されていることが好ましく、爪の表面を被覆するように形成されていることがより好ましい。なお、ネイルフォーム等を使用し、爪の延長のため、爪よりも大きな形状に形成してもよい。
また、本発明において、人工爪は、人工爪を形成するための人工爪組成物の塗布量により厚みを制御することができる。厚みとしては、一般に人工爪がとりうる範囲であれば、特に制限されるものではないが、実用性及び除去性の観点から、20〜1,500μmの範囲であることが好ましい。
本発明において、人工爪は、複数の層から形成されていてもよく、例えば、プライマー層、ベース層、カラー層、及び/又は、トップ層等により形成されている。本発明の人工爪組成物はいずれにも好適に用いることができる。
中でも除去性の観点から、本発明の人工爪組成物により形成した層が爪と接していることが好ましい。
従って、本発明の人工爪組成物は、人工爪における、プライマー層、ベース層、カラー層、及び/又は、トップ層のいずれにも好適に用いることができる。
また、本発明の人工爪組成物によって形成した人工爪層の上層(人工爪層を基準とした時に爪と反対側の面)又は下層(人工爪層と爪との間の面)に、別途、色・ツヤ・密着を出す目的で、プライマー層、ベース層、カラー層、及び/又は、トップ層を有していてもよい。
本発明の人工爪組成物は、光硬化性人工爪組成物(「ジェルネイル用人工爪組成物」)としても、マニキュア液用人工爪組成物としても好適に用いることができる。
また、本発明の人工爪組成物は、露光により硬化を行っても除去性に優れるため、光硬化性人工爪組成物として特に好適に使用することできる。
上記光硬化性人工爪組成物は、活性光線により硬化可能な人工爪組成物である。「活性光線」とは、その照射により人工爪組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる放射線であり、紫外線、可視光線などを包含する。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、紫外線が特に好ましい。従って、上記光硬化性人工爪組成物としては、活性光線として紫外線を照射することにより硬化可能な人工爪組成物が好ましい。
以下に、本発明の人工爪組成物に使用することができる各種成分について説明する。
<発泡剤>
本発明の人工爪組成物は、発泡剤を含有する。発泡剤としては、炭酸塩、炭酸水素塩、高圧力気体を封入した粒状糖類などが挙げられる。
炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、などが挙げられる。炭酸水素塩としては炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、などが挙げられる。炭酸塩又は炭酸水素塩を発泡剤として用いる場合は、酸性水溶液と接触する際に酸塩基反応により発泡する。
上記酸性水溶液に用いる酸化合物としては、公知の有機酸、無機酸のいずれも使用することができる。取り扱いが容易である観点で、有機酸が好ましく、より好ましくは、カルボン酸である。
具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、γ−ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、ロイシン酸、メパロン酸、パントイン酸、リシノール酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、サリチル酸、パニリン酸、シリング酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、没食子酸、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェラル酸、シナビン酸などが挙げられるが、この限りではない。特に好ましいのは、化粧品で使用されているカルボン酸である。具体例として、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、アミノ酸類などが挙げられるが、この限りではない。
これらの中でも、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酢酸が特に好適である。
上記酸性水溶液のpHは、1.0〜5.0であることが好ましく、1.5〜4.0であることがより好ましく、2.0〜3.0であることが更に好ましい。
上記酸性水溶液中の酸の含有量は、特に制限はないが、除去液の全質量に対し、0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、0.5〜5質量%であることが更に好ましい。
高圧力気体を封入した粒状糖類としては、デキストリン、マルトース、マルチトース、ブドウ糖、乳糖、白糖、オリゴ糖又はこれらの混合物を高圧力気体で加圧した状態で冷却固化した後、所望の粒径に破砕する方法等の公知の方法により得ることができる。高圧力気体を封入した粒状糖類を発泡剤として用いる場合は、水と接触することにより粒状糖類が溶解し、封入された気体が発泡する。
粒状糖類の粒径は、0.01〜10mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜5mmである。
粒状糖類を調製するには、例えば、糖類を加温溶解しながら水分をある程度蒸発させた後冷却固化し、次いで、破砕して加圧容器に収容し、上記加圧容器内に高圧力気体を導入した状態で、上記糖類の破砕物を再度溶融させた後に冷却固化して加圧容器から取り出し、所望粒径に破砕する方法等の公知の方法等により得ることができる。
本発明に用いる発泡剤は、人工爪組成物への配合しやすさ、人工爪を装着中に意図せず発泡することを防ぐなどの観点から、炭酸塩又は炭酸水素塩が好ましい。
発泡剤は1種単独で使用してもよく、また、2種以上を併用してもよい。
人工爪組成物中の発泡剤の含量は、特に制限はないが、人工爪組成物の全質量に対し、1〜25質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが更に好ましい。
発泡剤を2種以上含有する場合には、合計して上記の含有量とすることが好ましい。
<アミノ基を有する化合物>
本発明の人工爪組成物は、上記の発泡剤に加えて、更に、アミノ基を有する化合物を含有することが好ましい。アミノ基を有する化合物を含有することにより、酸性除去液での除去性に優れた人工爪が形成されるので好ましい。
アミノ基を有する化合物として、アミノ基を有するポリマー(以下、成分aともいう。)、及び/又は、アミノ基を有するモノマー(以下、成分bともいう。)を含有することが好ましく、少なくともアミノ基を有するポリマーを含有することがより好ましい。
アミノ基を有する化合物を含有する人工爪組成物としては、以下の(i)〜(iii)の人工爪組成物が好適に例示される。
(i)アミノ基を有するポリマーを含有する人工爪組成物であり、乾燥により人工爪が形成される人工爪組成物
(ii)アミノ基を有するポリマーを含有する人工爪組成物であり、光硬化により人工爪が形成される人工爪組成物
(iii)アミノ基を有するモノマーを含有する人工爪組成物
ここで、上記(i)の態様は、乾燥により形成される人工爪であり、人工爪組成物は、所謂、マニキュア液用人工爪組成物である。一方、上記(ii)及び(iii)の態様は、光硬化により形成される人工爪であり、人工爪組成物は、所謂、光硬化性人工爪組成物(「ジェルネイル用人工爪組成物」)である。上記光硬化性人工爪組成物は、活性光線により硬化可能な人工爪組成物である。「活性光線」とは、その照射により人工爪組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる放射線であり、紫外線、可視光線などを包含する。これらの中でも、紫外線が好ましい。
上記(i)及び(ii)の態様では、アミノ基を有するポリマー(成分a)を含有する人工爪組成物を使用して人工爪を形成しており、成分aに由来するアミノ基が、人工爪中に存在する。一方、上記(iii)の態様では、アミノ基を有するモノマー(成分b)を含有する人工爪組成物を光硬化して人工爪を形成しており、アミノ基を有するモノマーが重合してポリマーが形成され、上記ポリマー中にアミノ基を有するモノマーに由来するアミノ基が導入される。
このように、本発明において、人工爪組成物から形成される人工爪は、アミノ基を有することが好ましく、アミノ基を有するポリマーを含有する人工爪であることが特に好ましい。本発明の人工爪組成物は、アミノ基を有するポリマー(成分a)、及び/又は、アミノ基を有するモノマー(成分b)を含有することが好ましい。
上記(i)の態様では、人工爪組成物は、アミノ基を有するポリマー(成分a)に加え、有機溶剤を含有することが好ましい。
上記(ii)の態様では、人工爪組成物は、アミノ基を有するポリマー(成分a)に加え、重合性化合物、及び、光重合開始剤を更に含有することが好ましい。
また、上記(iii)の態様では、人工爪組成物は、アミノ基を有するモノマー(成分b)に加え、光重合開始剤を含有することが好ましく、更に、ポリマー成分(被膜形成剤)を含有することが好ましい。
なお、上記(ii)の態様において、重合性化合物として更にアミノ基を有するモノマーを含有すること、及び、上記(iii)の態様において、ポリマー成分としてアミノ基を有するポリマー成分を含有することを排除するものではないことはいうまでもない。
本発明において、人工爪組成物の別の好ましい態様として、(iv)アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、セルロース系ポリマー、エステル系ポリマー、アミド系ポリマー、ビニル系ポリマー、エーテル系ポリマー、スチレン系ポリマー、カーボネート系ポリマー、ウレア系ポリマー、エチレン系ポリマー及びアミン系ポリマーよりなる群から選択された少なくとも1つのポリマーを含有する人工爪組成物が挙げられる。これらのポリマーを含有することにより、密着性及び除去性に優れる人工爪が得られるので好ましい。これらの中でも、ウレタン系ポリマー(ウレタンポリマー、ポリウレタン)であることが特に好ましい。なお、上記(iv)の態様では、人工爪組成物がアミノ基を有するポリマーや、アミノ基を有するモノマーを含有しなくてもよい。上記(iv)の態様では、人工爪組成物が、上記のポリマーに加え、有機溶剤を含有するか、又は、重合性化合物と光重合開始剤とを含有することが好ましく、上記のポリマーと、重合性化合物と、光重合開始剤とを含有することがより好ましい。
なお、上記(i)及び(ii)の態様では、アミノ基を有するポリマーが上記のポリマーであることが好ましく、ウレタンポリマーであることがより好ましい。また、上記(iii)の態様では、ポリマー成分として上記のポリマーを含有することが好ましく、ウレタンポリマーを含有することがより好ましい。
以下、人工爪組成物が含有する各種成分について、(i)及び(ii)の態様について説明した後、(iii)並びに(iv)の態様について説明する。
なお、以下の説明において、ポリマーには、コポリマー、オリゴマーをも含むものとする。上記ポリマーの重量平均分子量は、2,000以上300,000以下であることが好ましく、3,000以上200,000以下がより好ましく、4,000以上100,000以下であることが更に好ましく、5,000以上50,000以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化物の密着性、除去性、及び経時安定性に優れる。
〔(i)又は(ii)の態様〕
−成分a:アミノ基を有するポリマー−
本発明において、上記(i)又は(ii)の態様において、人工爪組成物は、アミノ基を有するポリマー(成分a)を含有する。
成分aの重量平均分子量は、2,000以上300,000以下であることが好ましく、3,000以上200,000以下であることがより好ましく、4,000以上100,000以下であることが更に好ましく、5,000以上50,000以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の密着性及び除去性に優れ、また、経時安定性に優れる。
また、成分aは、エチレン性不飽和基を有していてもよい。成分aがエチレン性不飽和基を有する場合、上記エチレン性不飽和基は成分aにおけるポリマーの主鎖、側鎖及び末端のいずれに有していてもよい。
成分aにおけるアミノ基は、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基のいずれであってもよいが、第二級アミノ基又は第三級アミノ基であることが好ましく、第三級アミノ基であることがより好ましい。上記態様であると、得られる人工爪の除去性及び耐水性により優れ、また、合成が容易である。
また、成分aにおけるアミノ基は、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基であることが好ましい。上記態様であると、得られる人工爪の除去性、密着性及び耐水性により優れる。
また、成分aは、アミノ基をポリマーの主鎖に有していても、側鎖に有していてもよいが、合成上の観点から、側鎖にアミノ基を有するポリマーであることが好ましい。
成分aは、アミノ基を1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
また、成分aにおけるアミノ基の数は、特に制限はなく、任意の数を有していればよいが、アミノ基を有するモノマー単位を有していることが好ましい。
なお、本発明における「モノマー単位」には、厳密なモノマー由来の構成単位だけでなく、ポリマーを得た後に変性等の反応を行う高分子反応により変性したモノマー単位も含むものとする。
成分aとしては、下記式(I)で表される構造を有するポリマーであることが好ましく、下記式(I)で表される構造を側鎖に有するポリマーであることがより好ましい。
Figure 2016060706
(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1、R2及びL1よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、L1は2価の連結基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。)
式(I)におけるR1及びR2はそれぞれ独立に、酸水溶液への溶解性と耐水性とのバランスの観点から、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
また、式(I)において、R1、R2及びL1よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよい。
式(I)におけるL1は、ポリマーの被膜性の観点から、炭素数1〜20の、置換基を有してもよく、また、一部の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられてもよいアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のオキシアルキレン基又は炭素数2〜20のポリオキシアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数2〜20のポリオキシアルキレン基であることが更に好ましく、炭素数1〜20のアルキレン基であることが特に好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることが最も好ましい。
また、上記ヘテロ原子は、窒素原子又は酸素原子であることが好ましく、酸素原子であることがより好ましい。また、上記ヘテロ原子が窒素原子である場合、窒素原子上の残りの基は水素原子又はアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
また、上記式(I)で表される構造をポリマーの側鎖に導入する方法としては、例えば、式(I)で表される構造を有するモノマーを縮重合・付加重合・付加縮合・イオン重合(カチオン重合・アニオン重合)など公知の重合反応を用いポリマー化する方法が挙げられる。
成分aは、被膜性、取り扱い性(粘性)、及び、アミノ基を導入する合成上の観点から、下記式IIで表されるモノマー単位を有するポリマーであることが好ましい。
Figure 2016060706
(式II中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1、R2及びL1よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、L1は2価の連結基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは酸素原子又はNH基を表す。)
式IIにおけるR1、R2及びL1は、上記式(I)におけるR1、R2及びL1とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
式IIにおけるR3は、合成上の観点から、水素原子又はメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
式IIにおけるXは、得られる人工爪の耐水性及び合成上の観点から、酸素原子であることが好ましい。
成分aが式IIで表されるモノマー単位を有する場合、1種単独で有していても、2種以上有していても、他のモノマー単位を更に有していてもよい。
式IIで表されるモノマー単位を形成するモノマーとしては、下記式II−mで表される化合物が挙げられる。
Figure 2016060706
(式II−m中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1とR2と又はL1とR2とは互いに連結して環を形成してもよく、L1は2価の連結基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは酸素原子又はNH基を表す。)
式II−mにおけるR1〜R3、L1及びXは、上記式IIにおけるR1〜R3、L1及びXとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
また、成分aは、被膜性、取り扱い性(粘性)及びアミノ基を導入する合成上の観点から、下記式III又は式III−bで表されるモノマー単位を有するポリマーであることが好ましく、下記式IIIで表されるモノマー単位を有するウレタン系ポリマーであることがより好ましい。
Figure 2016060706
(式III又は式III−b中、R4、R5及びRb4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R4、R5及びL3よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、Rb4とLb3とは互いに連結して環を形成してもよく、L2は3価の連結基を表し、L3は、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Lb3はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を表す。)
式IIIにおけるR4及びR5はそれぞれ独立に、酸水溶液への溶解性と耐水性とのバランスの観点から、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
また、式IIIにおいて、R4、R5及びL3よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよい。
式IIIにおけるL2は、炭素数2〜20の3価の連結基であることが好ましく、炭素数2〜20の3価の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数2〜20の3価の脂肪族炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数2〜10の3価の脂肪族炭化水素基であることが特に好ましく、式IIIにおける2つの酸素原子と1位及び2位でそれぞれ結合する1,1,2−エタントリイル基であることが最も好ましい。
また、式IIIにおけるL2は、ポリマーの被膜性の観点から、3価の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
式IIIにおけるL3は、ポリマーの被膜性の観点から、炭素数1〜4のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基であることが特に好ましい。
式III−bにおけるRb4は、酸水溶液への溶解性と耐水性とのバランスの観点から、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数4〜8のアルキル基であることが更に好ましく、n−ブチル基であることが特に好ましい。
式III−bにおけるLb3はそれぞれ独立に、ポリマーの被膜性の観点から、炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
また、合成上の観点から、2つのLb3は同じ基であることが好ましい。
また、式III−bにおいて、Rb4とLb3とは互いに連結して環を形成してもよい。
成分aが式III又は式III−bで表されるモノマー単位を有する場合、1種単独で有していても、2種以上有していてもよく、また、更に有していてもよい他のモノマー単位としては、後述するジイソシアネート成分由来のモノマー単位等が好ましく挙げられる。
式IIIで表されるモノマー単位を形成するモノマーとしては、下記式III−mで表される化合物が挙げられる。
また、式III−bで表されるモノマー単位を形成するモノマーとしては、下記式III−bmで表される化合物が挙げられる。
Figure 2016060706
(式III−m又は式III−bm中、R4、R5及びRb4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R4、R5及びL3よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、Rb4とLb3とは互いに連結して環を形成してもよく、L2は3価の連結基を表し、L3は、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Lb3はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を表す。)
式III−mにおけるR4、R5、L2及びL3は、上記式IIIにおけるR4、R5、L2及びL3とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
式III−bmにおけるRb4及びLb3は、上記式III−bにおけるRb4及びLb3とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
成分aは、モノマー単位としてアミノ基を有するモノマー単位のみからなるポリマーであってもよいが、成分aがアミノ基を有するモノマー単位と他のモノマー単位とを有する場合、アミノ基を有するモノマー単位の含有量は、成分aの全モノマー単位に対し、5〜75モル%であることが好ましく、20〜75モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることが更に好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の除去性及び耐水性により優れる。
また、成分aのアミン価は、0.1〜10mmol/gであることが好ましく、0.25〜9mmol/gであることがより好ましく、0.5〜8mmol/gであることが更に好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の爪との密着性及び除去性により優れる。
アミン価の測定方法としては、例えば、試料をビーカーにはかりとり、酢酸を加え、撹拌して溶解させて、測定温度を25℃に調整後、滴定試薬として0.1N過塩素酸酢酸溶液を用いて、滴定装置で滴定することにより、求めることができる。
なお、アミン価は、滴定した際に消費される過塩素酸の量を、試料(固形分)1g当たりのモル数で表したものである。
成分aにおけるポリマー構造は、特に限定されず、所望のポリマー構造であればよく、例えば、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、セルロース系ポリマー、エステル系ポリマー、アミド系ポリマー、ビニル系ポリマー、エーテル系ポリマー、スチレン系ポリマー、カーボネート系ポリマー、ウレア系ポリマー、エチレン系ポリマー、アミン系ポリマー等のポリマー構造が挙げられる。
被膜性・取り扱い性(粘性)・アミノ基を導入する合成上の観点から、成分aは、エーテル系ポリマー、エチレン系ポリマー(特にポリエチレンイミン系ポリマー)、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマーであることが好ましく、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマーであることが特に好ましく、アクリル系ポリマーであることが最も好ましい。
また、硬化膜の柔軟性及び除去性の観点からは、ウレタン系ポリマーが最も好ましい。
アクリル系ポリマーとしては、公知のアクリル酸誘導体(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のアクリル酸アミド)、メタクリル酸誘導体(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、メタクリルアミド、メタクリル酸イソプロピルアミド等のメタクリル酸アミド)を重合して得られるポリマーであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。アクリル系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を重合又は共重合する方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。アクリル系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、エチレン性不飽和基を持つ(メタ)アクリル酸誘導体を重合又は共重合する方法や、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。
ウレタン系ポリマーとしては、公知のポリイソシアネート化合物(例えば、メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、フェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェート、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート)と公知のポリオール化合物(例えば、ブタンジオール、ヘキサンジオール等のアルキレンジオール、p−ヒドロキシスチレン等のアリーレンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルジオール、ポリエチレングリコールテレフタレート等のポリエステルジオール、ポリエチレングリコールカーボネート等のポリカーボネートジオール等)からなるポリウレタンであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
ウレタン系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有する、ポリイソシアネート化合物及び/又はポリオール化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。なお、保護されたアミノ基は、ポリマーを形成した後、公知の方法により脱保護すればよい。後述においても同様である。
ウレタン系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応により導入する方法、及び、エチレン性不飽和基を有するポリオール化合物やポリイソシアネート化合物を用いて重縮合する方法が挙げられる。これら化合物は特に限定されないが、エチレン性不飽和基を有するポリオールについては、特開2010−100047号公報に記載されているような、(メタ)アクリレート含有ジオール化合物などを好適に使用することができる。
中でも、耐水性の観点から、ポリカーボネート構造又はポリエステル構造、ポリブタジエン構造、水添ポリブタジエン構造を有するウレタン系ポリマーであることが好ましく、ポリカーボネート構造を有するウレタン系ポリマーであることがより好ましい。
また、ウレタン系ポリマーとしては、ジイソシアネート化合物とジオール化合物との重縮合体が好ましく例示できる。
ウレタン系ポリマーを構成するジオール成分としては、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリブタジエンジオール、水添ポリブタジエンジオール、を使用することが耐水性の観点から好ましく、ポリカーボネートジオールを使用することがより好ましい。
また、構成するジイソシアネート成分としては、人工爪組成物の溶解性、形成する人工爪の力学強度の観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートが好ましく、イソホロンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナートが更に好ましい。これら化合物は1種類のみを使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。
また、上記好適なジオール成分/ジイソシアネート成分に加えて、その他のジオール成分/ジイソシアネート成分と組み合わせて使用してもよい。また、好適なジオール成分と、好適なジイソシアネート成分とをあわせて使用することで、人工爪の耐水性及び力学強度の両方を高めることができる。
セルロース系ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース等の公知のセルロースであれば好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。セルロース系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。セルロース系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。
エステル系ポリマーとしては、公知のポリカルボン酸化合物(例えば、こはく酸、アジピン酸、フタル酸等)と公知のポリオール化合物からなるポリエステルであればいずれも好適に使用することができる。また、ポリ乳酸等のヒドロキシカルボン酸化合物からなるポリエステルも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。エステル系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有する、ポリカルボン酸化合物、ポリオール化合物及び/又はヒドロキシカルボン酸化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。エステル系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。
アミド系ポリマーとしては、公知のポリカルボン酸化合物と公知のポリアミン化合物(例えば、エチレンジアミン、フェニレンジアミン等)からなるポリアミドであればいずれも好適に使用することができる。また、アミノ酸からなるタンパク質であるポリアミノ酸も好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。アミド系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有する、ポリカルボン酸化合物、及び/又は、重縮合反応に寄与しない第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有するポリアミン化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。アミド系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。
ビニル系ポリマーとしては、公知のビニル化合物(例えば、ビニル酢酸、塩化ビニル、ブタジエン等)を重合して得られるビニル系ポリマーであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。ビニル系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、アミノ基を有するビニル化合物を重合又は共重合する方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。ビニル系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。
エーテル系ポリマーとしては、公知のポリオール化合物からなるポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)であればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。エーテル系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有するポリオール化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。エーテル系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。
スチレン系ポリマーとしては、公知のスチレン化合物(例えば、スチレン、4−カルボキシスチレン、4−アセトキシスチレン等)からなるポリスチレンであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。スチレン系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、アミノ基を有するスチレン誘導体を重合又は共重合する方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。スチレン系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。
カーボネート系ポリマーとしては、公知の炭酸誘導体(例えば、ホスゲン、炭酸ジメチル、炭酸ジメチル等)と公知のポリオール化合物からなるポリカーボネートであればいずれも好適に使用することができる。ただしこれら例示に限定されるものではない。カーボネート系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有するポリオール化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。カーボネート系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。
ウレア系ポリマーとしては、公知のポリイソシアネート化合物と公知のポリアミン化合物からなるポリウレアであればいずれも好適に使用することができる。ただしこれら例示に限定されるものではない。ウレア系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有する、ポリイソシアネート化合物、及び/又は、重縮合反応に寄与しない第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有するポリアミン化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。ウレア系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。
アミン系ポリマーとしては、公知のポリアミンが例示できる。アミン系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。
また、成分aは、スチレン−アクリル系共重合体等のような、共重合ポリマーであってもよい。
成分aは、光沢性の観点から、単官能(メタ)アクリレート化合物の単独重合体若しくは共重合体、又は、ジイソシアネート化合物とジオール化合物との重縮合体が好ましく例示できる。
また、成分aとしては、得られる人工爪の耐水性の観点から、アミノ基を有するモノマー単位と、上記アミノ基を有するモノマー単位以外の、非水溶性の単量体由来のモノマー単位とを少なくとも有するポリマーであることが好ましい。非水溶性の定義は、1気圧、20℃の条件で同容量の純水との混合液が不均一な外観を維持するものを指す。
非水溶性の単量体としては、上記の使用可能なモノマーのうち、スチレン化合物、(メタ)アクリレート化合物が好ましく、(メタ)アクリレート化合物がより好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが特に好ましい。
すなわち、成分aは、アミノ基を有するモノマー単位以外に、スチレン化合物及び(メタ)アクリレート化合物よりなる群から選ばれた化合物由来のモノマー単位を有することが好ましく、(メタ)アクリレート化合物由来のモノマー単位を有することがより好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来のモノマー単位を有することが更に好ましい。
成分aの製造において、アミノ基を有するモノマーと共重合可能なモノマーとして、好ましいモノマーは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリル酸エステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、モルホリンアクリルアミド、等の単官能(メタ)アクリル酸アミド類、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、等のビニルモノマー類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、カルドエポキシジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類、ジイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリル酸誘導体と任意にジオール類からなるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものではない。
また、成分aは、得られる人工爪の耐水性の観点から、アミノ基を有するモノマー単位に加え、下記式IVで表されるモノマー単位を更に有していることが好ましい。
Figure 2016060706
(式IV中、R6は水素原子、アルキル基又は下記式Vで表される基を表し、R7は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、X’は酸素原子又はNH基を表す。)
Figure 2016060706
(式V中、L4はそれぞれ独立に、エチレン基又はプロピレン基を表し、nは1〜20の整数を表し、R8は水素原子又はアルキル基を表し、波線部分は上記X’との結合位置を表す。)
6は、得られる人工爪の耐水性の観点から、アルキル基又は上記式Vで表される基であることが好ましく、炭素数1〜20のアルキル基又は上記式Vで表される基であることがより好ましく、炭素数3〜10のアルキル基であることが更に好ましく、ブチル基であることが特に好ましい。
7は、合成上の観点から、水素原子又はメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
X’は、得られる人工爪の耐水性及び合成上の観点から、酸素原子であることが好ましい。
4は、エチレン基であることが好ましい。
nは、得られる人工爪の耐水性の観点から、1〜10の整数であることが好ましい。
8は、得られる人工爪の耐水性の観点から、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
以下に、成分aの具体例を示すが、この具体例に限定されるものではない。
成分aとしては、下記構造のポリマーが好ましく、下記構造かつ重量平均分子量のポリマーがより好ましい。また、各モノマー単位の括弧の右下の数字は、モル比を表す。また、アルキレンオキシ鎖における括弧の右下の数字は、繰り返し数を表す。また、*が記載された構成単位は、上記ポリマーの主鎖末端が、*で主鎖に結合した当該構造になっていることを示す。
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
成分aは、1種単独で含有していても、2種以上を併用していてもよい。
人工爪組成物における成分aの含有量は、特に制限はないが、人工爪組成物の全質量に対し、1〜95質量%であることが好ましく、5〜95質量%であることがより好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の除去性及び密着性により優れる。人工爪組成物における溶剤の含有量が10質量%未満である場合、すなわち、上記(ii)の態様である場合、成分aの含有量は、人工爪組成物の全質量に対し、10〜90質量%であることが更に好ましく、20〜80質量%であることが特に好ましく、30〜70質量%が最も好ましい。上記範囲内であると、硬化性及び密着性に優れる。
また、人工爪組成物における溶剤の含有量が10質量%以上である場合、すなわち、上記(i)の態様である場合、成分aの含有量は、人工爪組成物の全質量に対し、30〜80質量%であることが更に好ましく、40〜75質量%であることが特に好ましい。
また、(i)又は(ii)の態様において、人工爪組成物は、被膜性や光沢性を向上させることを目的に、成分a以外のポリマーを含有していてもよい。
成分a以外のポリマーとしては、被膜性の観点から、アクリル系ポリマー又はウレタン系ポリマーであることが好ましい。また、塗布性を向上させることを目的に、粘度調整剤(増粘剤等)として知られる公知のポリマーを含有していてもよい。
(i)又は(ii)の態様において、人工爪組成物が成分a以外のポリマーを含有する場合、成分a以外のポリマーの含有量は、成分aの含有量未満であることが好ましく、人工爪組成物の全質量に対し、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
−重合性化合物−
上記の(ii)の態様では、人工爪組成物は重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物を含有することにより、人工爪組成物を光硬化性人工爪組成物として好適に用いることができる。また、重合性化合物を含有する場合、後述する光重合開始剤を更に含有することが好ましい。重合性化合物及び光重合開始剤を含有することにより、光硬化性人工爪組成物としてより好適に用いることができる。
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物であっても、カチオン重合性化合物であってもよいが、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
また、重合性化合物としては、エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。また、重合性化合物は、成分a以外の化合物であり、分子量10,000未満の化合物であることが好ましく、分子量5,000未満の化合物であることがより好ましい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のオリゴマーなどのラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年(株)大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、(株)日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、及び、オリゴマーを用いることができる。
また、重合性化合物としては、上記成分aの合成に用いられるモノマーも好適に用いることができる。
重合性化合物としては、得られる人工爪の除去性、密着性及び光沢の観点から、ヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和化合物、又は、(ポリ)アルキレンオキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物、又は、(ポリ)アルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことがより好ましく、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことが更に好ましく、ヒドロキシ基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが特に好ましい。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)−モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)−モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)−モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ポリブチレングリコール−モノ(メタ)アクリレートを好ましく挙げることができる。
(ポリ)アルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、メトキシポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ−ポリプロピレングリコール−(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ−ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)−(メタ)アクリレートを好ましく挙げることができる。
上記ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物、及び、(ポリ)アルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物は、市販のものを用いることが可能である。代表例を示すと、ブレンマーE、ブレンマーPE−90、ブレンマーPE−200、ブレンマーPE−350、ブレンマーP、ブレンマーPP−1000、ブレンマーPP−500、ブレンマーPP−800、ブレンマー50PEP−300、ブレンマー70PEP−350B、ブレンマー55PET−800、ブレンマーPPTシリーズ、ブレンマー10PPB−500B、ブレンマーAE−90、ブレンマーAE−200、ブレンマーAE−400、ブレンマーAP−150、ブレンマーAP−400、ブレンマーAP−550、ブレンマーPME−100、ブレンマーPME−200、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマー50POEP−800B、ブレンマーPLE−200、ブレンマーPSE−400、ブレンマーPSE−1300、ブレンマーPAE−50、ブレンマーPAE−100、ブレンマー43PAPE−600B、ブレンマーAME−400、ブレンマーALEシリーズ、ブレンマーANP−300、ブレンマー75ANP−600、ブレンマーAAE−50、ブレンマーAAE−300(以上、日油(株)製)等を挙げることができる。
ヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を使用する場合、当該化合物におけるヒドロキシ基の数は、1〜10個が好ましく、1〜5個がより好ましく、1〜3個が更に好ましく、1個が特に好ましい。
また、(ポリ)アルキレンオキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を使用する場合、当該化合物におけるアルキレンオキシ基の繰り返し単位数としては、1〜25が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。
これらの中でも、重合性化合物は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを含むことがより好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含むことが更に好ましい。
重合性化合物としては、得られる人工爪の耐水性の観点から、炭素数が3以上のアルキル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、炭素数が5以上のアルキル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことがより好ましく、炭素数が8以上のアルキル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが更に好ましい。これらアルキル基は分岐、及び/又は、環構造を有していてもよい。
上記アルキル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリルメタクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、又は、これらの異性体などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
重合性化合物としては、重合性化合物以外の成分の溶解性の観点から、(メタ)アクリルアミド化合物を含むことが好ましい。上記(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミドなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
重合性化合物としては、得られる人工爪組成物の耐熱性の観点から、ホモポリマーのTg(ガラス転移温度)が50℃以上であるエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、Tgが80℃以上であるエチレン性不飽和化合物を含むことがより好ましく、Tgが100℃以上であるエチレン性不飽和化合物を含むことが更に好ましい。
上記ホモポリマーのTgが50℃以上であるエチレン性不飽和化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、重合性化合物は、得られる人工爪の除去性及び被膜性の観点から、ウレタン結合を有する重合性化合物を含むことが好ましく、ウレタン結合を有する多官能重合性化合物を含むことがより好ましく、ウレタン結合を有する多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが更に好ましい。
重合性化合物は、分子量(重量平均分子量)が1,000以上である多官能重合性化合物を含むことが好ましく、分子量(重量平均分子量)が3,000以上である多官能重合性化合物を含むことがより好ましい。1,000以上の分子量を有する多官能重合性化合物を含むことで、架橋密度を制御し膜が脆化することを防ぎ、形成する人工爪の持続性が向上する。
ウレタン結合を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、イソシアナト基と水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物が好ましく挙げられ、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物に、下記式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R7)COOCH2CH(R8)OH (A)
(ただし、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。)
中でも、上記イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−ジメチルジイソシアネートが好ましく挙げられ、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−ジメチルジイソシアネートがより好ましく挙げられ、2,4−ジメチルジイソシアネートが更に好ましく挙げられる。
また、イソシアネート化合物は、分子量を制御することを目的に、ポリエステル型ジイソシアネートや、ポリエーテル型ジイソシアネート、ポリカーボネート型ジイソシアネートを好適に用いることができる。これらジイソシアネート化合物は、上記に記載のジイソシアネート化合物やその他、イソホロンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートにポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールを反応させることが得ることができる。このとき人工爪の被膜性や耐水性の観点から、ポリエステル構造、ポリカーボネート構造を有するウレタン系付加重合性化合物(より好ましくはジオール化合物及び/又はジイソシアネート化合物)を好ましく使用することができる。
重合性化合物は、1種単独で含有していても、2種以上を併用していてもよい。
人工爪組成物における重合性化合物の含有量は、特に制限はないが、人工爪組成物の全質量に対し、1〜95質量%であることが好ましく、10〜90質量%であることがより好ましく、20〜80質量%であることが更に好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の密着性及び除去性により優れる。
−光重合開始剤−
人工爪組成物は、上記(ii)の態様の場合、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤を含有することにより、人工爪組成物は、光硬化性人工爪組成物として好適に用いることができる。
光重合開始剤としては、ラジカル光重合開始剤、及び、カチオン光重合開始剤が挙げられるが、ラジカル光重合開始剤を含有することがより好ましい。
光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤を使用することができる。本発明に用いることができる光重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカル光重合開始剤とカチオン光重合開始剤とを併用してもよい。
本発明に用いることのできる光重合開始剤は、光を吸収して重合開始種を生成する化合物である。光としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
本発明に用いることができる光重合開始剤として具体的には、以下のものを好ましく例示できる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
アセトフェノン化合物(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等);
ベンゾフェノン化合物(例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン等);
アントラキノン化合物(例えば、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、tert−ブチルアントラキノン等);
チオキサントン化合物(例えば、2−クロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン等);
トリハロアルキル化合物(例えば、2,4,6−(トリクロロメチル)トリアジン、2,4−トリクロロメチル−6−(4−メトキシフェニル)トリアジン、トリブロモメチルフェニルスルホン等);
ロフィンダイマー化合物(例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体);
アクリジン化合物(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロノパン);
ホスフィンオキシド化合物(例えば、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等);
メタロセン化合物(例えば、ビスシクロペンタジエニル−ビス(ジフルオロ−ピリル−フェニル)チタニウム等);
オニウム塩(例えば、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトシレート、トリフェニルスルホニウムトシレート等);
オキシムエステル化合物(例えば、1−(4−フェニルチオフェニル)−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−エタノン−1−(O−アセチルオキシム)等)。
中でも、光重合開始剤としてはアセトフェノン化合物、ホスフィンオキシド化合物、メタロセン化合物、及び、ロフィンダイマー化合物よりなる群から選ばれた光重合開始剤であることが好ましく、アセトフェノン化合物、及び、ホスフィンオキシド化合物よりなる群から選ばれた光重合開始剤であることが特に好ましい。
人工爪組成物中における光重合開始剤の含有量としては、人工爪組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の密着性、及び、除去性により優れる。
−溶剤−
人工爪組成物は、上記(ii)の態様の場合、塗布性の観点から、溶剤を含有してもよいが、安全性や取り扱い性の観点からは、溶剤の含有量は、人工爪組成物の全質量に対し、10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、人工爪組成物が溶剤を含有しないことが特に好ましい。
溶剤としては、公知の溶剤であれば、いずれも好適に使用することができる。例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤及びこれらのアセテート系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶剤等が挙げられる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
乾燥速度の観点から、溶剤の沸点は、30〜130℃であることが好ましく、35〜100℃であることがより好ましく、40〜90℃であることが更に好ましく、50〜85℃であることが特に好ましい。上記範囲であると、乾燥性及び塗布性に優れる。
溶剤は、1種単独で含有していても、2種以上を併用していてもよい。
溶剤としては、アルコール系溶剤及び/又はケトン系溶剤を含むことが好ましく、アルコール系溶剤及びケトン系溶剤を含むことがより好ましい。
人工爪組成物は、上記(i)の態様の場合には、溶剤を含有することが好ましく、塗布性、得られる人工爪の除去性及び密着性の観点からは、溶剤の含有量は、人工爪組成物の全質量に対し、1〜90質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、10〜80質量%であることが更に好ましく、15〜50質量%であることが特に好ましい。
−その他の成分−
人工爪組成物は、上記成分以外のその他の成分として、一般に人工爪組成物中に配合されうる添加成分を、本発明効果を損なわない範囲内において任意に配合することができる。このような添加成分としては、例えば、消泡剤、緩衝剤、キレート化剤、分散剤、染料、充填剤、顔料、防腐剤、樹脂粉末(例えば、ポリ(メタ)アクリル酸等)、無機粉末(例えば、シリカゲル等)、増粘剤、湿潤剤等が挙げられる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
なお、これらの任意成分は、予め人工爪組成物に配合してもよいが、美容施術の際に、人工爪組成物にその都度必要な成分を必要な量配合してもよい。
また、人工爪組成物における各成分の配合量は、特に限定されるものではないが、質量比で、成分a/重合性化合物/重合開始剤/溶剤/その他の成分=10〜90/5〜85/0.5〜12/0〜50/0〜40の範囲であることが好ましい。上記範囲であると、塗布性により優れ、また、得られる人工爪の除去性及び光沢により優れる。
〔(iii)の態様〕
−成分b:アミノ基を有するモノマー−
本発明において、上記(iii)の態様の場合には、人工爪組成物はアミノ基を有するモノマー(成分b)を含有する。アミノ基を有するモノマーとしては、エチレン性不飽和基と、アミノ基とを有する化合物であれば特に限定なく使用することができる。
エチレン性不飽和基とは、CH2=C(R)−で表される基が好ましい。ここで、Rは、水素原子又は低級アルキル基(炭素数C1〜4)を表す。Rとしては水素原子又はメチル基が好ましい。
エチレン性不飽和基は、(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリルアミド基であることが好ましい。
成分bが有するアミノ基は、第1級アミノ基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基のいずれであってもよい。
第1級アミノ基は−NH2で示される基であり、第2級アミノ基は−NH−で示される基である。なお、分子末端にある−CONH2は、第1級アミノ基に含めるものとする。ただし、第1級アミノ基はメチレン炭素原子に隣接することが好ましい。第1級アミノ基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基は、分子内に少なくとも1つあればよいが、2以上含まれていてもよい。
成分bは、その分子内のエチレン性不飽和基が付加重合性を有することが好ましく、ラジカル重合性を有することが好ましい。この化合物は、低分子であっても、オリゴマーであってもよい。
アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、特開2009−126833号公報に記載されている化合物が例示され、例えば、第3級アミノ基を有する化合物としては、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が例示される。
成分bは、爪との密着性の観点から、第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基を有することが好ましく、第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基を有する成分bは、好ましくは、下記に示す、式Iで表される化合物及び/又は式IIで表される化合物である。
Figure 2016060706
(式中、R1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又は、アリール基を表し、R2は水素原子又はメチル基を表し、pは0〜50の整数を表し、Xはアルキレン基、−COO−、−CONH−、及び、−C64−よりなる群から選ばれた連結基を表し、Yは2価の連結基を表し、複数のYは互いに同一でも異なっていてもよく、XとR1とが結合して環を形成していてもよい。)
Figure 2016060706
(式中、R2は水素原子又はメチル基を表し、pは0〜50の整数を表し、Xはアルキレン基、−COO−、−CONH−、及び、−C64−よりなる群から選ばれた連結基を表し、Yは2価の連結基を表し、複数のYは互いに同一でも異なっていてもよい。)
まず、式Iで表される化合物について説明する。
1は、水素原子又はアルキル基、シクロアルキル基、又は、アリール基を表す。R1が採りうるアルキル基としては、炭素数1〜6が好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基が例示される。R1が採りうるシクロアルキル基としては、炭素数3〜6が好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基がより好ましい。
アリール基としては、炭素数6〜12であることが好ましく、フェニル基がより好ましい。
なお、YとR1とが結合して環を形成する場合、その環はピペリジン環又はピロリジン環であることが好ましい。
1は、許容される場合には、置換基を有していてもよく、その種類は特に限定されないが、ラジカル重合に対して不活性な基であることが好ましく、水酸基であることがより好ましい。
1は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であることが特に好ましい。
2は、水素原子又はメチル基を表す。
pは、繰り返し数であって、0〜50の整数を表し、好ましくは0〜30の整数であり、より好ましくは0〜20の整数であり、更に好ましくは0〜10の整数である。
Xは、アルキレン基、−COO−、−CONH−、−C64−よりなる群から選ばれた連結基である。アルキレン基としては、炭素数1〜4であることが好ましく、メチレン基又はエチレン基がより好ましく、メチレン基が特に好ましい。Xは、アルキレン基、−COO−又は−CONH−であることが好ましく、−CONH−であることが特に好ましい。
Yは、2価の連結基であって、pが2以上である場合には、複数のYは互いに同一でも異なっていてもよい。また、YとR1とが結合して環を形成していてもよい。Yは、好ましくは、アルキレン基、アルキレンオキシ基、アルキレンアミノ基、カルボニル基、及び、これらを組み合わせて得られる基を表す。
アルキレン基としては炭素数1〜10が好ましく、より好ましくはエチレン基、プロピレン基である。アルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基が好ましい。これらの中でも、Yは、エチレン基又はプロピレン基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、又は、ブチレンアミド基であることが特に好ましい。
なお、上記のカルボニル基はエチレン性不飽和基の炭素と結合して、末端アミド基を形成することが好ましい。
次に、式IIについて説明する。
2、X、Y、及びpは、式Iにおける定義と同じであり、好ましい範囲も同じである。
式Iは、ラジカル重合性のエチレン性不飽和基を1つのみ有する単官能の化合物であり、式IIはラジカル重合性のエチレン性不飽和基を2つ有する二官能の化合物である。本発明において、式I又は式IIの化合物を単独で使用するか、又は、式Iで表される単官能化合物と、式IIで表される二官能化合物とを併用することが好ましい。単官能化合物の使用比率が高いと硬化膜の除去性に優れ、一方、二官能化合物の使用比率が高いと硬化性に優れるので、式I及び式IIで表される両化合物を適当な比率で配合して、硬化性、密着性、除去性を適宜調節することが好ましい。
なお、式I及び式IIで表される化合物のアミン価が高いほど、得られる硬化膜の密着性や除去性に優れる。
また、本発明に係る人工爪組成物の不揮発成分のアミン価は、0.4〜8.5mmol/gであることが好ましく、1.3〜8.5mmol/gであることがより好ましく、1.3〜6.0mmol/gであることが更に好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の除去性及び耐水性により優れる。ここで、「不揮発成分」とは、揮発性の溶剤を含む場合には、それ以外の成分を意味する。
アミン価の測定方法としては、例えば、試料をビーカーにはかりとり、酢酸を加え、撹拌して溶解させて、測定温度を25℃に調整後、滴定試薬として0.1N過塩素酸酢酸溶液を用いて、滴定装置で滴定することにより、求めることができる。
なお、アミン価は、滴定した際に消費される過塩素酸の量を、試料(不揮発成分)1g当たりのモル数で表したものである。
成分bは市販品として入手できるか、又は、当業者に公知の方法で合成できる。
以下に成分bの具体例を示すが、これらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
Figure 2016060706
人工爪組成物中における成分bの配合量は、組成物の不揮発成分に対して、5〜80質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましい。
−重合開始剤−
本発明において、上記(iii)の態様では、人工爪組成物は光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、上記(ii)の態様において記載した光重合開始剤が例示され、好ましい態様は同様である。
−ポリマー成分−
本発明において、人工爪組成物は、上記(iii)の態様の場合、被膜形成剤として、ポリマー成分を含有することが好ましい。
ポリマー成分の重量平均分子量は、2,000以上300,000以下であることが好ましく、3,000以上200,000以下がより好ましく、4,000以上100,000以下であることが更に好ましく、5,000以上50,000以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化物の密着性、除去性、及び経時安定性に優れる。
ポリマー成分の構造については、特に制限はなく、任意の構造であればよい。例えば、鎖状構造、枝分かれ(分岐)構造、星型構造、架橋構造、網状構造などが挙げられる。
ここで、被膜形成剤とは、基剤上に成膜した場合に、単独で自己支持性のある被膜を形成する材料を意味し、好ましくは、重量平均分子量が5,000以上のポリマー成分である。
ポリマー成分の種類は、特に限定されず、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、セルロース系ポリマー、エステル系ポリマー、アミド系ポリマー、ビニル系ポリマー、エーテル系ポリマー、スチレン系ポリマー、カーボネート系ポリマー、ウレア系ポリマー、エチレン系ポリマー、等の公知のポリマーが用いられる。
被膜形成性及び取り扱い性(粘性)の観点から、エーテル系ポリマー、エチレン系ポリマー(特にポリエチレンイミン系ポリマー)、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマーが好ましく、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマーが特に好ましく、ウレタン系ポリマーが最も好ましい。
アクリル系ポリマーとしては、公知のアクリル酸誘導体(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のアクリル酸アミド)、メタクリル酸誘導体(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、メタクリルアミド、メタクリル酸イソプロピルアミド等のメタクリル酸アミド)を重合して得られるポリマーであればいずれも好適に使用することができる。本発明では特に、側鎖に付加重合性の硬化性基(例えば(メタ)アクリル基等)を含むアクリル系ポリマーが好ましく用いられる。ただしこれら例示に限定されるものではない。
ウレタン系ポリマーとしては、公知のポリイソシアネート化合物(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等)と公知のポリオール化合物(例えば、ブタンジオール、ヘキサンジオール等のアルキレンジオール、p−ヒドロキシスチレン等のアリーレンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルジオール、ポリエチレングリコールテレフタレート等のポリエステルジオール、ポリエチレングリコールカーボネート等のポリカーボネートジオール等)からなるポリウレタンであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
セルロース系ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース等の公知のセルロースであれば好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
エステル系ポリマーとしては、公知のポリカルボン酸化合物(例えば、こはく酸、アジピン酸、フタル酸等)と公知のポリオール化合物からなるポリエステルであればいずれも好適に使用することができる。また、ポリ乳酸等のヒドロキシカルボン酸化合物からなるポリエステルも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
アミド系ポリマーとしては、公知のポリカルボン酸化合物と公知のポリアミン化合物(例えば、エチレンジアミン、フェニレンジアミン等)からなるポリアミドであればいずれも好適に使用することができる。また、アミノ酸からなるタンパク質であるポリアミノ酸も好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
ビニル系ポリマーとしては、公知のビニル化合物(例えば、ビニル酢酸、塩化ビニル、ブタジエン等)を重合して得られるビニル系ポリマーであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
エーテル系ポリマーとしては、公知のポリオール化合物からなるポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)であればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
スチレン系ポリマーとしては、公知のスチレン化合物(例えば、スチレン、4−カルボキシスチレン、4−アセトキシスチレン等)からなるポリスチレンであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
カーボネート系ポリマーとしては、公知の炭酸誘導体(例えば、ホスゲン、炭酸ジメチル、炭酸ジメチル等)と公知のポリオール化合物からなるポリカーボネートであればいずれも好適に使用することができる。ただしこれら例示に限定されるものではない。
ウレア系ポリマーとしては、公知のポリイソシアネート化合物と公知のポリアミン化合物からなるポリウレアであればいずれも好適に使用することができる。ただしこれら例示に限定されるものではない。
ポリマー成分の含有量は、人工爪組成物の不揮発成分の総質量に対して、0〜80質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。
−アミノ基を有しない重合性化合物−
上記(iii)の態様の場合、成分bに加え、アミノ基を有しない重合性化合物を含んでもよい。アミノ基を有しない重合性化合物としては、上記(ii)に態様において重合性化合物として記載した重合性化合物のうち、アミノ基を有しない化合物が例示され、好ましい態様も同様である。
−その他の成分−
上記(iii)の態様の場合、上記の成分に加え、溶剤を含有してもよい。溶剤としては、上記の(ii)の態様において記載した溶剤が例示され、好ましい態様も同様である。
また、一般に人工爪組成物中に配合されうる添加成分を、本発明効果を損なわない範囲内において任意に配合することができる。このような添加成分としては、例えば、消泡剤、緩衝剤、キレート化剤、分散剤、染料、充填剤、顔料、防腐剤、樹脂粉末(例えば、ポリ(メタ)アクリル酸等)、無機粉末(例えば、シリカゲル等)、増粘剤、湿潤剤等が挙げられる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
なお、これらの任意成分は、予め人工爪組成物に配合してもよいが、美容施術の際に、人工爪組成物にその都度必要な成分を必要な量配合してもよい。
また、上記(iii)の態様の場合、人工爪組成物における各成分の配合量は、特に限定されるものではないが、人工爪組成物中の不揮発成分の質量比で、成分b/光重合開始剤/ポリマー成分/アミノ基を有しない重合性化合物=50〜80/0.01〜20/0〜80/0〜50の範囲であることが好ましい。ただし、成分b〜アミノ基を有しない重合性化合物の合計を100質量部とする。上記範囲であると、塗布性により優れ、また、得られる人工爪の除去性及び光沢により優れる。
〔(iv)の態様〕
本発明において、上記(iv)の態様の場合には、人工爪がアクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー(ウレタンポリマー、ポリウレタンともいう。)、セルロース系ポリマー、エステル系ポリマー、アミド系ポリマー、ビニル系ポリマー、エーテル系ポリマー、スチレン系ポリマー、カーボネート系ポリマー、ウレア系ポリマー及びエチレン系ポリマーよりなる群から選択された少なくとも1つのポリマーを含有する。
被膜形成性及び取り扱い性(粘性)の観点から、エーテル系ポリマー、エチレン系ポリマー(特にポリエチレンイミン系ポリマー)、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマーが好ましく、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマーが特に好ましく、密着性の観点からウレタン系ポリマーが最も好ましい。
アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、エステル系ポリマー、アミド系ポリマー、ビニル系ポリマー、エーテル系ポリマー、スチレン系ポリマー、カーボネート系ポリマー、ウレア系ポリマー及びエチレン系ポリマーについては、上記(iii)の態様において、ポリマー成分として記載した各種ポリマーが例示され、好ましい範囲も同様である。
上記(iv)の態様の場合、人工爪組成物は、重合開始剤及び重合性化合物を更に含有し、露光により硬化する光硬化性人工爪組成物でもよく、また、溶剤を含有し、乾燥により人工爪を形成する所謂マニキュア液用人工爪組成物であってもよい。これらの中でも、光硬化性人工爪組成物であることが好ましい。
−ウレタンポリマー−
本発明の除去液は、ウレタンポリマー(ポリウレタン)を含有する人工爪の除去に好適であり、ウレタンポリマーを含有する人工爪組成物により形成された人工爪の除去に好適に使用される。
ポリウレタンとしては、公知のポリイソシアネート化合物(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等)と公知のポリオール化合物(例えば、ブタンジオール、ヘキサンジオール等のアルキレンジオール、p−ヒドロキシスチレン等のアリーレンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルジオール、ポリエチレングリコールテレフタレート等のポリエステルジオール、ポリエチレングリコールカーボネート等のポリカーボネートジオール等)からなるポリウレタンであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
ポリウレタンとして好適に使用される具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。各モノマー単位の括弧の右下の数字は、モル比を表す。
Figure 2016060706
(iv)の態様において、人工爪組成物が光硬化性人工爪組成物である場合、重合開始剤及び重合性化合物としては、上記(ii)の態様において記載した重合開始剤及び重合性化合物が好適に使用され、好ましい範囲も同様である。
本発明において、上記の(i)〜(iv)の態様の中で、(ii)〜(iv)の態様が好ましく、(ii)又は(iii)の態様であることがより好ましく、(ii)の態様であることが更に好ましい。
(人工爪)
本発明の人工爪は、本発明の人工爪組成物により形成された層を有する人工爪であり、本発明の人工爪組成物を乾燥及び/又は光硬化して形成された層を有する人工爪であることが好ましい。
本発明の人工爪は、マニキュア、ペディキュア等のネイルポリッシュや、ジェルネイルとして好適である。
本発明の人工爪は、少なくとも一部が本発明の人工爪組成物により形成されていればよく、他の層や構造を有していてもよく、人工爪全体が本発明の人工爪組成物により形成されていてもよい。
本発明の人工爪組成物により形成された層は、本発明の人工爪におけるプライマー層、ベース層、カラー層、及び/又は、トップ層のいずれにも好適に用いることができる。
また、本発明の人工爪は、本発明の人工爪組成物により形成された層を1層のみ有していても、2層以上有していてもよい。
中でも、除去性の観点から、本発明の人工爪組成物により形成した少なくとも1層が爪と接している層であることが好ましい。
また、本発明の人工爪における本発明の人工爪組成物により形成された層の厚さは、特に制限はないが、10〜2,000μmであることが好ましく、20〜1,500μmであることがより好ましく、20〜1,000μmが更に好ましい。
(人工爪の形成方法)
本発明の人工爪の形成方法は、本発明の人工爪組成物を用いて人工爪を形成する方法であれば、特に制限はないが、本発明の人工爪組成物をヒト若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に塗布し塗布膜を形成する工程、並びに、上記塗布膜を乾燥及び/又は露光して人工爪を形成する工程、を含む方法であることが好ましい。
本発明の人工爪組成物を人工爪として形成するには、乾燥又は光硬化のいずれかの形成方法を好適に選択することができる。
また、本発明の人工爪組成物は、重合性化合物、及び、光重合開始剤を少なくとも含むか、又は、溶剤を少なくとも含むことが好ましい。
また、本発明の人工爪の形成方法における本発明の人工爪組成物により形成された層の厚さは、特に制限はないが、10〜2,000μmであることが好ましく、20〜1,500μmであることがより好ましく、20〜1,000μmが更に好ましい。
<塗布工程>
本発明の人工爪の形成方法は、本発明の人工爪組成物をヒト若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に塗布し塗布膜を形成する工程(塗布工程)を含むことが好ましい。
他の人工爪は、人工爪に用いられる基材であれば、特に制限はなく、例えば、樹脂基材、本発明の人工爪の形成方法以外の方法により形成された人工爪、又は、本発明の人工爪の形成方法により得られた人工爪が挙げられる。
塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法により行えばよいが、刷毛や筆等を使用して塗布する方法が好ましく挙げられる。また、スプレー塗布やインクジェット塗布を行ってもよい。
塗布膜の厚さについても、特に制限はなく、得られる人工爪における所望の厚さを考慮して、塗布厚を適宜調整すればよい。
<乾燥又は露光工程>
本発明の人工爪の形成方法は、上記塗布膜を乾燥及び/又は露光して人工爪を形成する工程(乾燥又は露光工程)を含むことが好ましい。
−乾燥工程−
乾燥により人工爪を形成する場合、使用する本発明の人工爪組成物は、溶剤を含有していることが好ましい。
乾燥方法としては、特に制限はなく、公知の方法により行えばよい。
具体的には、例えば、室温(例えば、10〜30℃)にて放置乾燥する方法、気流下において放置乾燥する方法、加熱乾燥する方法、及び、これらを組み合わせた方法が好ましく挙げられる。加熱方法としては、特に制限はないが、室温より高い温度の雰囲気下に放置する方法、加熱気流下に放置する方法、ヒーターや赤外線ランプ(IRランプ)等の加熱手段により加熱する方法が例示できる。
乾燥時間としては、特に制限はなく、人工爪組成物の組成や、乾燥方法、塗布厚によって適宜調整すればよいが、簡便性及びセルフレベリングによる平滑性や光沢性付与の観点から、10秒〜20分であることが好ましく、15秒〜10分であることがより好ましく、30秒〜5分であることが更に好ましく、30秒〜2分であることが特に好ましい。
−露光工程−
露光により人工爪を形成する場合、使用する本発明の人工爪組成物は、重合性化合物、及び、光重合開始剤を含有していることが好ましい。
また、本発明の人工爪組成物が、重合性化合物及び光重合開始剤に加え、溶剤を含有している場合、露光を行う前に、乾燥工程を経ていることが好ましい。
露光に使用する光としては、紫外線、可視光線などが挙げられ、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、紫外線が特に好ましい。
露光手段としては、特に制限はなく、公知の露光手段を用いることができるが、例えば、水銀ランプ及びメタルハライドランプ等の紫外線ランプ(UVランプ)、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)等が挙げられる。
露光時間としては、特に制限はないが、2秒〜5分が好ましく、5秒〜3分がより好ましく、5秒〜2分が更に好ましい。また、露光は、間歇的に行っても、連続的に行ってもよいし、パルス光により行ってもよく、任意の方法で露光すればよい。
本発明の人工爪の形成方法は、得られる人工爪の光沢や美観、また、露光を行った場合は未硬化成分の除去の観点から、乾燥又は露光工程の後、得られた人工爪の表面を洗浄又は拭き取る工程を含んでいてもよい。
洗浄又は拭き取り方法としては、エタノール等の溶剤を含ませたワイプシートやスポンジワイプ等の拭き取り基材により拭き取る方法、エタノール等の溶剤や水により洗浄する方法が例示できる。
また、洗浄又は拭き取りに使用する溶剤としては、得られた人工爪を溶解しない溶剤であることが好ましい。
また、本発明の人工爪の形成方法は、露光を行う場合、塗布工程の前に、ヒト若しくは動物の爪、又は、他の人工爪の表面を粗面化する工程を含むことが好ましい。上記態様であると、露光して得られる人工爪(ジェルネイル)の密着性及び耐久性に優れる。
爪表面の粗面化方法としては、特に制限はなく、公知の方法により行うことができる。例えば、ファイル等の爪用やすりにより粗面化を行う方法が好ましく挙げられる。
また、本発明の人工爪の形成方法は、その他、公知の工程を含んでいてもよい。
(人工爪の除去方法)
本発明の人工爪の除去方法は、本発明の人工爪を除去液に接触させて除去する工程(除去工程)を含む。
本発明において、除去液としては特に限定されず、人工爪を溶解及び/又は膨潤等させることで、爪と人工爪との接着力を弱める能力を有してればよく、使用する人工爪に応じて、適宜選択すればよい。除去液としては有機溶剤又は水溶液が好ましく、水溶液としては酸性水溶液が好ましい。
本発明の人工爪組成物は、従来の除去液であるアセトン等の有機溶剤でも除去可能であるが、酸性水溶液によって、より安全に皮膚・爪に負担を与えずに除去することが好ましい。本発明で好適に用いられる除去液は、酸化合物及び水を含むことが好ましい。
以下にそれぞれについて説明する。
<有機溶剤>
有機溶剤として、従来人工爪の除去に使用されてきた有機溶剤を適宜選択して使用すればよく、特に限定されない。
有機溶剤としては、アセトン、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ベンジルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、乳酸ブチル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、プロピルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、メチレングリコールエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、エチレンカーボネート、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。
これらの中でも、有機溶剤としては、アセトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エタノールが好ましく、アセトンが特に好ましい。
本発明において、上記有機溶剤には、必要に応じて水、増粘剤、保湿剤、香料、染料、界面活性剤等を配合してもよい。
〔増粘剤〕
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸ナトリウム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム等が挙げられる。
増粘剤の配合量は、増粘剤固形分として、除去液の総質量に対し、0.5〜5質量%が好ましく、2〜4質量%がより好ましい。0.5質量%以上であると充分な増粘効果が得られ、5質量%以下であると、使用後にベタつき感がない。
〔保湿剤〕
本発明において、除去液に保湿剤を添加してもよい。保湿剤(油分)を添加することにより、爪や皮膚へのダメージをより低減できる。
保湿剤としては、例えば、流動パラフィン等の炭化水素化合物、オリーブ油、ひまし油、アーモンド油、スクワラン、ホホバオイル、シリコーン系油分、脂肪酸エステル等が挙げられる。
〔界面活性剤〕
上記除去液は、人工爪の溶解又は分散を促進させるため、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、両性イオン系、非イオン系の界面活性剤を使用することができる。これら界面活性剤は特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
アニオン系界面活性剤の例は、アリフェート類(aliphates)、アビエテート類(abietates)、ヒドロキシアルカンスルホネート類、アルカンスルホネート類、ジアルキルスルホスクシネート類、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート類、分枝鎖状アルキルベンゼンスルホネート類、アルキルナフタレンスルホネート類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホネート類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル類の塩類、N−メチル−N−オレイルアミノエタンスルホン酸ナトリウム、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム、石油スルホネート類、硫酸化されたひまし油、硫酸化された牛脂油、脂肪族アルキルエステル類の硫酸エステル類の塩類、アルキル硫酸エステル類の塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類の硫酸エステル類、脂肪族モノグリセリド類の硫酸エステル類の塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類の硫酸エステル類の塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル類の硫酸エステル類の塩類、アルキル燐酸エステル類の塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類の燐酸エステル類の塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類の燐酸エステル類の塩類、スチレン無水マレイン酸共重合体の部分的に鹸化された化合物、オレフィン−無水マレイン酸共重合体の部分的に鹸化された化合物、及び、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合体が挙げられる。
カチオン系界面活性剤の例としては、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
非イオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、アリール基がフェニル基、ナフチル基又は芳香族複素環式基でありうるポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック重合体、グリセリン脂肪族酸類の部分的エステル類、ソルビタン脂肪族酸の部分的エステル類、ペンタエリトリトール脂肪族酸の部分的エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪族エステル類、スクロース脂肪族酸類の部分的エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族酸の部分的エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪族酸類の部分的エステル類、ポリエチレングリコール脂肪族エステル類、ポリ−グリセリン脂肪族酸類の部分的エステル類、ポリオキシエチレン化されたひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪族酸類の部分的エステル類、脂肪族ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、トリエタノールアミン脂肪族エステル類、及び、トリアルキルアミンオキシド類が挙げられる。
更に、フッ素系若しくはシリコーン系のアニオン系又は非イオン系界面活性剤も同様に使用できる。
両性イオン系界面活性剤の例としては、アルキルジメチルアミンオキシドなどのアミンオキシド系、アルキルベタインなどのベタイン系、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウムなどのアミノ酸系が挙げられる。特に、置換基を有してもよいアルキルジメチルアミンオキシド、置換基を有してもよいアルキルカルボキシベタイン、置換基を有してもよいアルキルスルホベタインが好ましく用いられる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
界面活性剤の添加量は、特に限定されないが、除去液の全質量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましく、0.05〜20質量%であることがより好ましい。
〔その他成分〕
本発明において、上記有機溶剤は、上記成分の他に必要に応じて他の成分を含有していてもよい。具体的には、防腐剤、香料、防錆剤、消泡剤、キレート剤、安定化剤、乳化剤、色材、無機塩等が挙げられる。
<酸性水溶液>
本発明において、人工爪組成物は、従来の除去液であるアセトン等の有機溶剤でも除去可能であるが、酸性水溶液によって、より安全に皮膚・爪に負担を与えずに除去してもよい。本発明で好適に用いられる除去液は、酸性にするための有機・無機酸成分、水、任意に安定剤、任意に界面活性剤からなることが好ましい。以下に好ましい除去液の態様について記載する。
なお、除去液として酸性水溶液を使用する場合には、人工爪組成物中にアミノ基を有する化合物を含有することが好ましく、アミノ基を有するポリマーを含有する、及び/又は、アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物を含有することがより好ましく、アミノ基を有するポリマーを含有することが更に好ましい。
〔有機・無機酸成分〕
上記酸性水溶液には、水溶液を酸性にするためには公知の無機酸(リン酸、塩酸等)や有機酸を使用することができる。酸性水溶液に使用する酸成分としては、一般に食品や食品添加物に含まれている有機酸を用いることが好ましい。好ましい有機酸としてはクエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、アミノ酸類(アスパラギン酸、グルタミン酸等)、炭酸などが挙げられる。
また、pHが経時や液の希釈・濃縮などによる外部因子によって変動を起こさないようにするため、酸塩を添加して緩衝液にすることが好ましい。緩衝液にするためには、上記の酸の塩、好ましくはナトリウム塩(クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム)を、酸と共存する方法が挙げられるが、特に限定されるものではない。
〔水、及び、pH〕
上記酸性水溶液に使用する水は、特に制限はなく、水道水、蒸留水、イオン交換水等を用いることができる。
酸性水溶液中の水の含有量は、特に制限はないが、除去液の全質量に対し、50〜99.5質量%であることが好ましく、70〜99質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが更に好ましい。
また、酸性水溶液は、コストや運搬性、保管性の観点から、濃縮液としてもよく、使用する際に当該濃縮液を水等により希釈して除去液とする実施形態であってもよい。
酸性水溶液のpHは、本発明の人工爪に含まれるアミノ基を有するポリマーをイオン化する能力、すなわち除去性の観点から、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましく、3.0以下であることが更に好ましい。また、除去液のpHは、皮膚・爪への安全性の観点から、1.0以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。
また、pHが経時や液の希釈・濃縮などによる外部因子によって変動を起こさないようにするため、酸塩を添加して緩衝液にすることが好ましい。緩衝液にするためには、上記の酸の塩、好ましくはナトリウム塩(クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム)を、酸と共存する方法が挙げられるが、特に限定されるものではない。
〔安定剤〕
本発明に用いられる酸性水溶液は、任意に安定剤を含有していてもよい。安定剤の添加によって、経時による液の着色、腐食・カビの発生などを抑えることができる。安定剤は特に限定されず、公知の工業用防腐剤、食品防腐剤、医薬品防腐剤、酸化防止剤・光安定剤等を使用することができる。中でも、安定剤としては、パラオキシ安息香酸エステル化合物が好ましい。
安定剤の添加量としては、特に制限はなく、除去液の全質量に対し、0.001〜10質量%であることが好ましく、0.005〜5質量%であることがより好ましく、0.01〜2質量%であることが更に好ましい。
〔有機溶剤〕
また、除去液には除去された人工爪が溶解・分散していく。これら除去された人工爪の高濃度化により起こる、人工爪溶解物の析出、再付着や除去性の低下を防ぐ目的で、任意に有機溶剤を添加してもよい。添加する有機溶剤は、酸水溶液と混和する溶剤であれば特に限定なく使用することができるが、具体的にはイソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エタノールなどが挙げられる。
有機溶剤の添加量としては、特に制限はなく、除去液の全質量に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。
また、酸性水溶液に対して、上述した界面活性剤、増粘剤、保湿剤、香料、染料等を配合してもよい。
除去液の温度は特に限定されないが、指への負担が少なく、また、取り扱いが容易である観点から、5℃以上50℃以下であることが好ましく、10℃以上40℃以下であることがより好ましい。除去液を温める場合には、浸漬方法の場合には、浸漬する除去液を湯煎等で温めてもよく、また、除去液を入れた容器をホットプレート上に載置して温めてもよい。
本発明の人工爪除去方法に用いる除去液は、皮膚・爪への負担を与えずに安全に除去可能な観点で酸性水溶液の方が好ましい。
<使用形態>
除去液は、コストや運搬性、保管性の観点から、濃縮液としてもよく、使用する際に当該濃縮液を水等により希釈して除去液とする実施形態であってもよい。
また、除去液を使用する際は、安全性を損なわない程度に加温してもよく、また、人工爪を除去液に浸漬する場合には、浸漬する液を撹拌してもよい。
本発明の人工爪は、従来のアセトン等の有機溶剤の代わりに、pH5.0以下の酸性水溶液に接触させることで簡便に除去することができる。
接触の方法は、特に限定されるものではなく、人工爪を直接除去液に浸漬してもよく、除去液を湿らせたコットン等で人工爪を包んでもよく、噴霧器やシャワーによって吹き付けてもよく、ゼリー状やクリーム状にして人工爪に塗布してもよい。ただし、これら例示に限定されるものではない。
<人工爪の除去方法>
本発明の人工爪の除去方法は、人工爪に除去液を接触させる工程(接触工程)と、人工爪を剥離する工程(剥離工程)とを有することが好ましい。
〔接触工程〕
本発明の人工爪に除去液を接触させる方法は、特に限定されるものではなく、人工爪を直接除去液に浸漬してもよく、除去液を湿らせたコットン等で人工爪を包んでもよく、噴霧器やシャワーによって吹き付けてもよい。ただし、これら例示に限定されるものではない。
また、本発明の人工爪の除去方法は、人工爪表面及び/又は先端に傷をつける工程を含むことが好ましい。傷を付ける方法としては、特に制限はないが、ファイル等の爪用やすりを好適に用いることができる。
〔剥離工程〕
除去方法の好ましい具体例を以下に示す。すなわち、任意に人工爪表面及び/又は先端を爪用やすりで擦って傷をつけた後、除去液に浸漬し、1〜5分程度そのまま放置して人工爪の溶解性を変化させた後に人工爪を布若しくは不織布などにより拭き取り、へら状若しくはスティック状の器具による押し剥がし、又は、毛抜きやピンセット等による摘み上げ等によって指先や爪に負担をかけることなく、極めて容易かつ安全に剥がすことができる。
なお、上記方法において浸漬しながら、拭き取り、押し剥がし、摘み上げ等をすることも可能であり、より早く除去することが可能になる。また、超音波や振動などを与えることで拭き取り・剥離を促進してもよい。
また、本発明の人工爪の除去方法は、その他、公知の工程を含んでいてもよい。
(ネイルアートキット)
本発明のネイルアートキットは、人工爪組成物と、除去液と、を含み、上記除去液が、酸性水溶液である。すなわち、本発明のネイルアートキットは、本発明の人工爪組成物と、酸性水溶液とを含む。
本発明のネイルアートキットにおける除去液である酸性水溶液の好ましい態様は、上述したものと同様である。
また、本発明のネイルアートキットは、上記人工爪組成物及び除去液以外に、任意の品を含んでいてもよい。
例えば、カラー用又はトップ用等の人工爪組成物、ファイル等の爪用やすり、人工爪組成物を塗布するための平筆等の筆や刷毛、UVライト等の露光装置、拭き取り又は洗浄用液、拭き取り用ワイプ、ネイルブラシ、ダストブラシ、爪の長さ出しに使用するネイルフォーム、アクリル製、ガラス製、金属製又は天然石製等の装飾用ストーン、ネイルシール、グリッターやホログラム等の装飾用パウダー、カッター、へら、スティック、爪同士の接触を防ぐため指の間隔を広げるセパレーター等が挙げられるが、これらに制限されない。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例における形態に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、及び「%」は質量基準である。
<人工爪組成物の調製>
表1に示す各成分を均一に混合して人工爪組成物J−1〜J−10を得た。なお、表13中の数値は、各成分の質量部を表す。
Figure 2016060706
人工爪組成物に使用した各試薬の詳細は、以下の通りである。
Figure 2016060706
上記ポリマーの合成方法は以下の通りである。なお、P−1〜P−3の各単量体単位の添え字は、モル比率を表す。
<合成例1>
1,000mlの3口フラスコに還流管を付け、メチルエチルケトン300gを入れ、窒素気流下で65℃を維持した。次にジメチルアミノエチルメタクリレート78.5g(和光純薬工業(株)製)、n−ブチルメタクリレート71g(和光純薬工業(株)製)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4.6g(和光純薬工業(株)製)、メチルエチルケトン400gの混合液を3時間かけて滴下した。滴下終了後にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4.6g(和光純薬工業(株)製)を添加し、更に70℃で2時間加熱した。得られた反応液を減圧留去することで80質量%のP−1の溶液を得た。ゲルパーミネーションクロマトグラフィーで測定したP−1の重量平均分子量は33,000であった。
<合成例2>
3口フラスコに、ポリエチレングリコール88.97部(和光純薬工業(株)製、平均分子量2,000)、テトラヒドロフラン399.9部(和光純薬工業(株)製)を入れ、撹拌し、50℃に保持した。4−トリレンジイソシアネート8.13部(東京化成工業(株)製)を添加し、更に、ネオスタンU−600 0.1部(無機ビスマス触媒、日東化成(株)製)を添加した。50℃で撹拌し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分子量を追跡し、目的の分子量に到達した時点で2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.89部(東京化成工業(株)製)を添加し、50℃で更に1時間撹拌した。室温まで放冷した後、反応液を水に滴下し、沈殿物を取り出し、乾燥させた。GPCで測定したP−2の重量平均分子量は30,000であった。
<合成例3>
原料及びその使用量を変更し、分子量調整のために触媒量や反応温度、反応時間を適宜変更した以外は、合成例2と同様な方法により、P−3を得た。*は主鎖末端への結合位置を表す。各構成単位の括弧の右下の数字はモル比を表す。アルキレンオキシドにおける括弧の右下のnは、ポリエチレングリコール(平均分子量2,000)を原料として用いたことを表す。3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオールは和光純薬工業(株)製のものを用いた。
イソボルニルメタクリレート(東京化成工業(株)製)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(東京化成工業(株)製)
2−ジメチルアミノエチルメタクリレート(共栄社化学(株)製)
ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(和光純薬工業(株)製)
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(東京化成工業(株)製)
メチルエチルケトン(東京化成工業(株)製)
イソプロパノール(東京化成工業(株)製)
酢酸t−ブチル(ハイケム(株)製)
炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
炭酸水素カリウム(和光純薬工業(株)製)
(酸性水溶液の調製)
酸性水溶液L−1:pH2.0のクエン酸緩衝液(液温度:20℃)
(人工爪の形成1)
プラスチック製の爪型チップに、人工爪組成物J−1及びJ−2をそれぞれ、100μmの厚さになるように塗布し、塗布後、1分間自然乾燥させた。その後、エタノールで表面を拭き取った。形成した人工爪を目視及び指触で観察したところ、完全に固化していた。
(人工爪の形成2)
プラスチック製の爪型チップに、人工爪組成物J−3〜J−10をそれぞれ、100μmの厚さになるように塗布し、紫外線ランプ(36W)を2分間照射した。その後、エタノールで表面を拭き取った。形成した人工爪を目視及び指触で観察したところ、完全に固化していた。
(人工爪の評価)
得られた人工爪を、酸性水溶液に浸漬させて、人工爪表面の観察を行った。
<発泡性>
−評価基準−
液に浸漬した直後に人工爪の表面に気泡が発生した場合をA、
液に浸漬した後に数分経っても表面に気泡が発生しない場合をB
とした。
<除去性>
−評価基準−
A:液に浸漬した数10秒後に人工爪の表面から溶解物が勢いよく分散されていく様子が観察された
B:液に浸漬した数10秒後に人工爪の表面から溶解物が僅かに分散されていく様子が観察された
C:液に浸漬した数分後に人工爪の表面から溶解物が僅かに分散されていく様子が観察された
D:液に浸漬して数分経っても、人工爪の表面から溶解物が観察されなかった
(実施例1〜6、及び、比較例1〜4)
人工爪組成物J−1〜J−10より形成された人工爪の発泡性及び除去性の評価結果を表15に示す。
Figure 2016060706
表15の結果から、本発明の人工爪組成物を乾燥硬化又は光硬化した人工爪は、酸性水溶液を接触させることで、人工爪組成物の種別を容易に判別することが可能となり、かつ、酸性水溶液で除去可能な人工爪組成物を用いた場合は、人工爪の除去時間が短縮されることがわかる。

Claims (10)

  1. 発泡剤を含有することを特徴とする
    人工爪組成物。
  2. 前記発泡剤が炭酸塩又は炭酸水素塩である、請求項1に記載の人工爪組成物。
  3. アミノ基を有する化合物を更に含有する、請求項1又は2に記載の人工爪組成物。
  4. 前記アミノ基を有する化合物として、アミノ基を有するポリマーを含有する、請求項3に記載の人工爪組成物。
  5. 前記アミノ基を有する化合物として、アミノ基を有するモノマーを含有する、請求項3又は4に記載の人工爪組成物。
  6. 重合性化合物及び光重合開始剤を更に含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の人工爪組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の人工爪組成物を人若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に塗布し、塗布膜形成する工程、並びに、
    前記塗布膜を乾燥及び/又は露光して人工爪を形成する工程を含む
    人工爪の形成方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の人工爪組成物から形成された層を有する人工爪。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の人工爪組成物から形成された人工爪を、酸性水溶液に接触させて除去する工程を含む、
    人工爪の除去方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の人工爪組成物と、酸性水溶液とを含む、ネイルアートキット。
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