JP7296783B2 - プレス装置、プレス装置の負荷異常検知方法及び負荷異常検知プログラム - Google Patents

プレス装置、プレス装置の負荷異常検知方法及び負荷異常検知プログラム Download PDF

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Description

本発明は、プレス装置、プレス装置の負荷異常検知方法及び負荷異常検知プログラムに関する。
従来、プレス装置として、鍛造加工を行う鍛造プレス装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のプレス装置では、プレス時の負荷(荷重)の監視が行われる。この監視は、例えばプレス時にフレームに作用する最大負荷を計測し、これをストローク全域又は特定の監視ポイントにおいて所定の閾値と比較することで行われる。
特開2018-114525号公報
しかしながら、上記従来の負荷監視は、専ら装置の機械的な許容限界に対する裕度を監視するだけのものであり、製品の品質に及ぼす負荷の異常を検知できるものではなかった。
例えば、製品の品質を悪化させる要因には、ワークの重量誤差、金型寿命の影響、ワーク及び金型温度の変化、金型の潤滑不良等があるが、これらのようなプレス設備以外の外部要因に起因する製品の品質悪化は監視が難しかった。
これら外部要因による負荷パターン(波形)の変化では、図9に示すように、実線で示す正常な負荷パターンが、破線で示すオフセットした波形となったり、一点鎖線で示すパターンそのものが変化した波形となったりする。オフセットしただけの波形であれば従来の負荷監視であっても異常を検知できる可能性はあるが、負荷パターンそのものが変化した場合には、負荷だけの単純な監視では異常の検知が難しい。例えば、図10に示すように、負荷が急激に変化した場合、実際には異常が発生しているにも関わらず、それが負荷の上下閾値の範囲内であると、これを正常と判定してしまう。また、稼働初期において金型温度や金型潤滑状態が遷移状態にある場合、この遷移状態であることに起因して一時的に負荷が上下閾値の範囲内から外れてしまうために、実際には異常ではないにも関わらず、負荷異常と判定してしまう。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、負荷の異常を好適に検知することを目的とする。
本発明に係るプレス装置は、
所定のプレス方向に進退可能なスライドと、
前記スライドに作用する前記プレス方向の機械的な負荷を計測する負荷計測手段と、
前記プレス方向における前記スライドの位置に相当する位置パラメータを計測する位置パラメータ計測手段と、
前記負荷計測手段が計測した負荷と、前記位置パラメータ計測手段が計測した位置パラメータとに基づいて負荷を位置パラメータで二回微分した負荷上昇変化率算出する算出手段と、
負荷の異常検知を行う少なくとも1つの前記位置パラメータを監視ポイントとして設定する監視点設定手段と、
前記算出手段が算出した荷上昇変化率基づいて、前記監視ポイントにおける負荷の異常を検知する負荷異常検知手段と、
を備え
前記監視ポイントは、前記負荷上昇変化率がゼロ又は極値をとる前記位置パラメータの点を含む
本発明に係るプレス装置の負荷異常検知方法は、
所定のプレス方向に進退可能なスライドを備えるプレス装置の負荷異常検知方法であって、
前記プレス装置の制御手段が、
前記スライドに作用する前記プレス方向の機械的な負荷を計測する負荷計測工程と、
前記プレス方向における前記スライドの位置に相当する位置パラメータを計測する位置パラメータ計測工程と、
前記負荷計測工程で計測された負荷と、前記位置パラメータ計測工程で計測された位置パラメータとに基づいて負荷を位置パラメータで二回微分した負荷上昇変化率算出する算出工程と、
負荷の異常検知を行う少なくとも1つの前記位置パラメータを監視ポイントとして設定する監視点設定工程と、
前記算出工程で算出された荷上昇変化率基づいて、前記監視ポイントにおける負荷の異常を検知する負荷異常検知工程と、
を実行し、
前記監視ポイントは、前記負荷上昇変化率がゼロ又は極値をとる前記位置パラメータの点を含む
本発明に係るプレス装置の負荷異常検知プログラムは、
所定のプレス方向に進退可能なスライドを備えるプレス装置の負荷異常検知プログラムであって、
前記プレス装置の制御手段を、
前記スライドに作用する前記プレス方向の機械的な負荷を計測する負荷計測手段、
前記プレス方向における前記スライドの位置に相当する位置パラメータを計測する位置パラメータ計測手段、
前記負荷計測手段が計測した負荷と、前記位置パラメータ計測手段が計測した位置パラメータとに基づいて負荷を位置パラメータで二回微分した負荷上昇変化率算出する算出手段、
負荷の異常検知を行う少なくとも1つの前記位置パラメータを監視ポイントとして設定する監視点設定手段、
前記算出手段が算出した荷上昇変化率基づいて、前記監視ポイントにおける負荷の異常を検知する負荷異常検知手段、
として機能させ
前記監視ポイントは、前記負荷上昇変化率がゼロ又は極値をとる前記位置パラメータの点を含む
本発明によれば、負荷の異常を好適に検知することができる。
本実施形態に係るプレス装置の装置本体を示す図である。 本実施形態に係るプレス装置の概略の制御構成を示すブロック図である。 本実施形態における負荷異常検知処理の流れを示すフローチャートである。 負荷、負荷上昇率、負荷上昇変化率の時間変化の一例を示すグラフである。 負荷と機械的な許容最大負荷の一例を示すグラフである。 調整によるシャットハイトの変化とこれに応じた負荷の変化の一例を示すグラフである。 シャットハイトの変化による監視ポイントの変化を説明するためのグラフである。 複数工程を有する場合の負荷、負荷上昇率、負荷上昇変化率の一例を示すグラフである。 外部要因による負荷パターンの変化を説明するためのグラフである。 負荷パターンの異常を説明するためのグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[プレス装置の構成]
図1は、本実施形態に係るプレス装置1の装置本体100を示す図である。
この図に示すように、本実施形態に係るプレス装置1は、鍛造成形を行う鍛造プレス装置であり、装置本体100を備える。装置本体100は、ベッド23、複数のアップライト22、クラウン21、ボルスタ24、スライド18、駆動部10、移動量計測器35、複数の荷重計36、シャットハイト調整装置37(図2参照)を備える。
ベッド23、複数のアップライト22及びクラウン21は、プレス装置1のフレーム部を構成する。これらベッド23、複数のアップライト22及びクラウン21は、その内部にタイロッド25aが挿入され、タイロッドナット25bにより締め付けられることで、互いに締結される。
ボルスタ24は、ベッド23上に固定され、その上部には複数の下金型32が固定される。
スライド18は、アップライト22に設けられたガイド19により、上下方向に進退可能に支持される。スライド18の下部には複数の上金型31が固定される。複数の上金型31と複数の下金型32とは、互いに対応して組をなすととともに、それぞれ装置の左右方向に沿って配列されており、それぞれ組をなすものと上下に対向している。スライド18が下降することで、上金型31と下金型32とが近接し、これらの間で被成形物が鍛造成形される。なお、スライド18が進退する方向は特に制限されないが、本実施形態では、上下方向に進退するものとして説明する。
上金型31と下金型32の近傍には搬送機器40が設けられている。この搬送機器40は、上金型31と下金型32とが離間したときに、一列に配列された複数組の上金型31と下金型32に対して、被成形物を順次搬送する。
駆動部10は、スライド18を進退させるための構成であり、モータ11、フライホイール12、クラッチブレーキ13、伝動軸14、減速機15、エキセン軸16及びコネクティングロッド(コンロッド)17を備えて構成される。
モータ11は、ベルト11aを介してフライホイール12に連結され、その動力によりフライホイール12を回転させる。クラッチブレーキ13は、フライホイール12と伝動軸14との連結及び連結解除の切り替えと、伝動軸14の制動とを行う。クラッチブレーキ13によりフライホイール12と伝動軸14が連結されると、フライホイール12の回転運動が伝動軸14、減速機15、エキセン軸16の順に伝達された後に、コンロッド17を介してスライド18の並進運動に変換されて、スライド18が上下方向に進退する。
移動量計測器35は、上下方向におけるスライド18の位置(以下、「スライド位置」という。)を検出するためのものである。移動量計測器35は、例えばガイド19に設けられて、スライド18の移動量を計測し、計測した移動量を後述の制御装置50に出力する。
複数の荷重計36は、複数のアップライト22の各々に設けられている。各荷重計36は、取り付けられたアップライト22の例えば歪み量を計測して当該アップライト22に作用する上下方向の荷重を計測し、この計測結果を後述の制御装置50に出力する。
シャットハイト調整装置37(図2参照)は、シャットハイトを調整するものである。シャットハイトとは、スライド18の下死点位置からベッド23の上面までの長さ(高さ)のことである。シャットハイト調整装置37は、例えばコンロッド17とスライド18との接続部の長さを連続的に変更可能とする装置であり、接続部の長さを変えることでシャットハイトを増減させる。
図2は、プレス装置1の概略の制御構成を示すブロック図である。
この図に示すように、プレス装置1は、装置本体100の動作を制御する制御装置50を備える。
制御装置50は、表示部54、警報部51、記憶部52、制御部53を備える。
表示部54は、ディスプレイを備えており、当該ディスプレイに各種情報を表示する。
警報部51は、装置本体100の異常を報知する警報出力を行うものである。その警報態様は特に限定されず、例えば、表示部54に警報表示を出力させたり、図示しないスピーカーから警報音声を出力させたりする。
記憶部52は、装置本体100の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、作業領域としても機能するメモリである。本実施形態においては、記憶部52は、負荷異常検知プログラム520を予め記憶している。
負荷異常検知プログラム520は、後述の負荷異常検知処理(図3参照)を実行するためのプログラムである。
制御部53は、プレス装置1の各部を中央制御する。具体的に、制御部53は、モータ11や搬送機器40、シャットハイト調整装置37の動作を制御したり、移動量計測器35及び荷重計36からの出力等に基づいて装置本体100の負荷異常を検知したりする。
[負荷異常検知処理]
続いて、スライド18の負荷異常を検知する負荷異常検知処理について説明する。
図3は、負荷異常検知処理の流れを示すフローチャートであり、図4は、後述する負荷F、負荷上昇率dF、負荷上昇変化率d2Fの時間変化の一例を示すグラフである。
負荷異常検知処理は、スライド18に作用するプレス方向の荷重(機械的な負荷。以下、単に「負荷」という。)の異常を検知する処理である。
この負荷異常検知処理は、例えばプレス装置1の運転開始に伴って、制御部53が記憶部52から負荷異常検知プログラム520を読み出して展開することで実行される。
図3に示すように、負荷異常検知処理が実行されると、まず制御部53は、スライド位置Sと、このときにスライド18に作用するプレス方向の負荷Fとを計測する(ステップS1)。
具体的に、制御部53は、移動量計測器35からの出力に基づいてスライド位置Sを計測するとともに、各荷重計36からの出力に基づいて負荷Fを計測し、これらを記憶部52に記憶させる。
次に、制御部53は、ステップS1で計測したスライド位置S及び負荷Fに基づいて、スライド位置Sについての負荷Fの変化割合である負荷上昇率dF(=dF/dS)と、さらにこの負荷上昇率dFの変化割合である負荷上昇変化率d2F(=d2F/dS2)とを算出する(ステップS2)。
具体的に、制御部53は、負荷Fをスライド位置Sで1回微分して負荷上昇率dFを算出するとともに、2回微分して負荷上昇変化率d2Fを算出し、これらを記憶部52に記憶させる。
なお、このステップでは、負荷上昇率dF及び負荷上昇変化率d2Fの少なくとも一方が算出されればよい。
次に、制御部53は、負荷F、負荷上昇率dF、負荷上昇変化率d2Fのいずれかが所定の閾値の範囲内から外れたか否かを判定する(ステップS3)。
ここで、閾値の設定は特に限定されず、例えば上限の閾値だけが設定されてもよい。本実施形態においては、予め実施された試験運転により、正常な負荷パターン(波形)が実測により取得され、この負荷パターンに基づいて、負荷F、負荷上昇率dF、負荷上昇変化率d2Fの各々における上限閾値と下限閾値とが予め設定されている。ただし、負荷パターンは実測でなくシミュレーションで予め取得してもよい。いずれにしろ、予め負荷パターンを取得し、どのような現象(品質悪化の要因)が起こっているか事前に把握しておくことが望ましい。
このように、負荷Fとは別に、負荷上昇率dFや負荷上昇変化率d2Fを所定の閾値と比較することにより、図4に示すように、これら負荷上昇率dFや負荷上昇変化率d2Fでは負荷Fよりもその変化が大きくなる(特徴が顕著に現れる)ため、精度良く負荷Fの異常を検知することができる。
例えば、負荷上昇率dFの変化を検知することで、負荷Fが比較的に小さい状況であっても、微妙な素材の変化も検知することができる。また、金型の損傷などにより負荷Fが減少する場合等には、負荷上昇率dFの変化を検知することで、たとえ負荷Fが上下限の閾値の範囲内であっても、異常を検知することができる。
さらに、負荷上昇率dFの変化を検知することで、より明確に負荷Fの変化を捉えることができる。
なお、このステップでは、負荷上昇率dF及び負荷上昇変化率d2Fの少なくとも一方を用いて負荷異常の検知が行われればよい。
そして、ステップS3において、負荷F、負荷上昇率dF、負荷上昇変化率d2Fがいずれも閾値の範囲内から外れないと判定した場合(ステップS3;No)、制御部53は、後述のステップS5へ処理を移行する。
一方、ステップS3において、負荷F、負荷上昇率dF、負荷上昇変化率d2Fのいずれか少なくとも1つが閾値の範囲内から外れたと判定した場合(ステップS3;Yes)、制御部53は、負荷Fの異常が発生した(又は今後発生するおそれがある)と判断し、警報部51を動作させて異常の発生を報知するとともに、装置本体100の稼働を停止させる(ステップS4)。
このときには、検知内容(負荷F、負荷上昇率dF、負荷上昇変化率d2Fのいずれが閾値を超えたか)に応じて報知態様を変えてもよいし、当該検知内容に応じた緊急性での対応を採ってもよい。また、装置本体100は停止させずに異常発生の報知だけを行うこととしてもよい。
次に、制御部53は、負荷異常検知処理を終了させるか否かを判定し(ステップS5)、終了させないと判定した場合には(ステップS5;No)、上述のステップS1へ処理を移行し、負荷異常の検知を続行する。
そして、例えば装置本体100の運転終了やステップS4での装置停止等により、負荷異常検知処理を終了させると判定した場合には(ステップS5;Yes)、制御部53は、負荷異常検知処理を終了させる。
[本実施形態の技術的効果]
以上のように、本実施形態によれば、スライド18に作用する負荷Fとスライド位置Sとが計測され、これらに基づいて、負荷Fをスライド位置Sで微分した負荷上昇率dFと、負荷Fをスライド位置Sで二回微分した負荷上昇変化率d2Fとの少なくとも一方が算出される。そして、この負荷上昇率dFと負荷上昇変化率d2Fとの少なくとも一方に基づいて、負荷異常が検知される。
これにより、負荷Fを監視する場合に比べ、精度良く異常を検知することができる。したがって、負荷Fの異常を好適に検知することができ、ひいては、製品の品質に及ぼすような負荷Fの異常も検知することができる。
[変形例]
上記実施形態では、負荷Fの異常検知をプレス装置1の運転中に随時行うこととしたが、少なくとも1つの所定の監視ポイントのみで負荷の異常検知を行うこととしてもよい。
この場合、例えば図4に示すように、負荷上昇率dFが極値をとるか、又は負荷上昇変化率d2Fがゼロとなるスライド位置Sを監視ポイントP1~P3とすればよい。そして、この監視ポイントP1~P3における負荷上昇率dFや負荷上昇変化率d2Fを算出して、当該監視ポイントP1~P3における負荷の異常を検知すればよい。
このように、所定の監視ポイントのみで負荷の異常検知を行うことにより、プレス装置1の運転中に随時行う場合に比べ、計測・演算処理をシンプルにし、処理時間を短縮することができる。また、負荷上昇率dFや負荷上昇変化率d2Fに応じて監視ポイントが設定されるようにしておけば、例えば正常な負荷パターンを装置に読み込ませるだけで自動的に監視ポイントを設定することができる。
なお、負荷の異常検知を行う監視ポイントには、特定のポイントだけでなく、その前後近傍領域を含めてもよい。
なお、監視ポイントとしては、負荷F、負荷上昇率dF又は負荷上昇変化率d2Fの変化が顕著な点であることが好ましいのは勿論である。このような監視ポイントとしては、上述した監視ポイントP1~P3のほか、例えば、負荷上昇率dFが変曲点(負荷上昇率dFの急変点を含む)となるか、又は負荷上昇変化率d2Fが極値をとるスライド位置Sの点であってもよい。
また、図5に示すように、機械的な許容最大負荷に対する実負荷の裕度が最も小さくなるスライド位置Sの点を、監視ポイントP4としてもよい。この場合、偏心負荷も含めて許容限界に対する裕度が最も小さい点を、監視ポイントP4とすることが好ましい。これにより、機械的な許容限界に対して負荷F(トルク)が最も厳しいポイントにおいて、異常検知を行うことができる。
あるいは、ユーザが監視ポイントを任意に設定できることとしてもよい。この場合、例えば表示部54に正常な負荷パターンを表示させた状態で、ユーザがこの負荷パターン上の所望の点を監視ポイントとして選択すればよい。
また、監視ポイントはシミュレーションで求めた負荷パターンをベースに設定することとしてもよい。
また、監視ポイントは、熱膨張や負荷によるフレーム部の伸び等に起因したシャットハイトの変化により、徐々に変化する。本実施形態においては、シャットハイト調整装置37によってシャットハイトを調整する制御を行うことにより、この変化は抑制されている。シャットハイト調整装置37は、例えば図6に示すように、フレーム部の熱影響などにより徐々に小さくなるシャットハイトを極力一定となるように調整し、これによって、徐々に大きくなってしまう負荷を一定に保持するように制御している。従って、シャットハイト調整装置37によるシャットハイトの調整によっても、監視ポイントは変化してしまう。
そこで、シャットハイト調整装置37からシャットハイトの調整量を取得し、この調整量に応じた監視ポイントの変化を考慮して、当該変化した監視ポイントにおける負荷の異常を検知するのが好ましい。具体的には、例えば図7に示すように、運転当初には実線の負荷パターンであり、この負荷パターンの変曲点を監視ポイントとしていた場合に、時間の経過とともにシャットハイトの変化に伴って監視ポイントが徐々に図中の右側に移動していくことが考えられる。このときには、シャットハイト調整装置37から取得したシャットハイトの調整量に応じた監視ポイントの変化を考慮して、そのときの負荷、負荷上昇率及び負荷上昇変化率を当該監視ポイントでの上限及び下限の閾値と比較することにより、好適に負荷異常を検知することができる。
また、複数組の金型により複数工程の鍛造プレスが順次行われる場合には、負荷上昇率dF又は負荷上昇変化率d2Fの変化を監視することにより、いずれの工程で異常が起きているかを推定することができる。
例えば、第1工程(潰し)、第2工程(粗仕上げ)、第3工程(仕上げ)の3工程が順次行われたときの第1工程での負荷F1、第2工程での負荷F2、第3工程での負荷F3、合計の負荷Ft、負荷Ftの負荷上昇率dF及び負荷上昇変化率d2Fを図8に示す。この図に示すように、負荷上昇率dF又は負荷上昇変化率d2Fが大きく変化して異常の可能性が疑われたときには、このときに負荷が最も大きく変動している工程に異常が発生している可能性が高い。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限られない。
例えば、上記実施形態では、スライド位置Sに基づいて負荷異常を検知することとしたが、このスライド位置Sに代えて、当該スライド位置Sに相当する位置パラメータを用いてもよい。このような位置パラメータは、例えば、エキセン軸16の回転角度や、これに対応する時間などである。
またこの場合、スライド18の移動量を計測する移動量計測器35に代えて、当該位置パラメータの計測手段(エキセン軸16の回転角度を用いる場合には、エキセン軸16の回転量(回転角度)を計測する回転量計測器)を設ける必要がある。
また、上記実施形態では、フレーム部に作用する荷重を計測して負荷を取得することとしたが、負荷の取得は、例えばサーボプレスならサーボモータの電流値から換算してもよいし、油圧プレスなら油圧から換算してもよい。
その他、上記実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 プレス装置
16 エキセン軸
18 スライド
22 アップライト
35 移動量計測器
36 荷重計
37 シャットハイト調整装置
50 制御装置
53 制御部
100 装置本体
520 負荷異常検知プログラム
2F 負荷上昇変化率
dF 負荷上昇率
F 負荷
P1~P4 監視ポイント
S スライド位置

Claims (10)

  1. 所定のプレス方向に進退可能なスライドと、
    前記スライドに作用する前記プレス方向の機械的な負荷を計測する負荷計測手段と、
    前記プレス方向における前記スライドの位置に相当する位置パラメータを計測する位置パラメータ計測手段と、
    前記負荷計測手段が計測した負荷と、前記位置パラメータ計測手段が計測した位置パラメータとに基づいて負荷を位置パラメータで二回微分した負荷上昇変化率算出する算出手段と、
    負荷の異常検知を行う少なくとも1つの前記位置パラメータを監視ポイントとして設定する監視点設定手段と、
    前記算出手段が算出した荷上昇変化率基づいて、前記監視ポイントにおける負荷の異常を検知する負荷異常検知手段と、
    を備え
    前記監視ポイントは、前記負荷上昇変化率がゼロ又は極値をとる前記位置パラメータの点を含む、
    プレス装置。
  2. 前記負荷異常検知手段は、前記算出手段が算出した前記負荷上昇変化率、予め設定された上限閾値及び下限閾値の範囲内から外れた場合に、負荷異常が発生したと判定する、
    請求項1に記載のプレス装置。
  3. 記算出手段は、前記監視ポイントにおける、負荷を位置パラメータで微分した負荷上昇率と、前記負荷上昇変化率を算出し、
    前記負荷異常検知手段は、前記算出手段が算出した前記負荷上昇率及び負荷上昇変化率基づいて、前記監視ポイントにおける負荷の異常を検知する、
    請求項1又は請求項2に記載のプレス装置。
  4. 前記監視ポイントは、前記負荷上昇率が極値をとる記位置パラメータの点を含む、
    請求項3に記載のプレス装置。
  5. 前記監視ポイントは、前記負荷上昇率が変曲点となる記位置パラメータの点を含む、
    請求項3又は請求項4に記載のプレス装置。
  6. 前記監視ポイントは、機械的な許容最大負荷に対する裕度が最も小さくなる前記位置パラメータの点である、
    請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のプレス装置。
  7. シャットハイトを調整するシャットハイト調整手段を備え、
    前記負荷異常検知手段は、前記シャットハイト調整手段による前記シャットハイトの調整量に応じた前記監視ポイントの変化を考慮し、当該変化した前記監視ポイントにおける負荷の異常を検知する、
    請求項3から請求項6のいずれか一項に記載のプレス装置。
  8. 前記負荷異常検知手段により負荷異常が発生したと判定された場合に、当該プレス装置を停止させる装置停止手段を備える、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のプレス装置。
  9. 所定のプレス方向に進退可能なスライドを備えるプレス装置の負荷異常検知方法であって、
    前記プレス装置の制御手段が、
    前記スライドに作用する前記プレス方向の機械的な負荷を計測する負荷計測工程と、
    前記プレス方向における前記スライドの位置に相当する位置パラメータを計測する位置パラメータ計測工程と、
    前記負荷計測工程で計測された負荷と、前記位置パラメータ計測工程で計測された位置パラメータとに基づいて負荷を位置パラメータで二回微分した負荷上昇変化率算出する算出工程と、
    負荷の異常検知を行う少なくとも1つの前記位置パラメータを監視ポイントとして設定する監視点設定工程と、
    前記算出工程で算出された荷上昇変化率基づいて、前記監視ポイントにおける負荷の異常を検知する負荷異常検知工程と、
    を実行し、
    前記監視ポイントは、前記負荷上昇変化率がゼロ又は極値をとる前記位置パラメータの点を含む、
    プレス装置の負荷異常検知方法。
  10. 所定のプレス方向に進退可能なスライドを備えるプレス装置の負荷異常検知プログラムであって、
    前記プレス装置の制御手段を、
    前記スライドに作用する前記プレス方向の機械的な負荷を計測する負荷計測手段、
    前記プレス方向における前記スライドの位置に相当する位置パラメータを計測する位置パラメータ計測手段、
    前記負荷計測手段が計測した負荷と、前記位置パラメータ計測手段が計測した位置パラメータとに基づいて負荷を位置パラメータで二回微分した負荷上昇変化率算出する算出手段、
    負荷の異常検知を行う少なくとも1つの前記位置パラメータを監視ポイントとして設定する監視点設定手段、
    前記算出手段が算出した荷上昇変化率基づいて、前記監視ポイントにおける負荷の異常を検知する負荷異常検知手段、
    として機能させ
    前記監視ポイントは、前記負荷上昇変化率がゼロ又は極値をとる前記位置パラメータの点を含む、
    プレス装置の負荷異常検知プログラム。
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