JP2020099930A - プレス金型の押しズレ検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、金型構造物の全体的なズレ量の変化を把握して、個別のウェアプレート毎の摩耗量を推定し、これらの摩耗量から金型ウェアプレートの交換時期などを判定し、金型ウェアプレートメンテナンスを効率的に実行することができるプレス金型の押しズレ検知システムを提供する。【解決手段】 本発明は、上型および下型の間にあって、上型の平面方向のx軸方向およびy軸方向のズレを検出する検知ブロックと、検知ブロックからのx軸方向およびy軸方向のズレ量をデータとして受信し、上型および下型の間に複数配置されるウェアプレートの摩耗量をそれぞれ演算する演算手段とを具備し、前記検知ブロックは、上型の平面図における対角線のひとつの両端近傍にそれぞれ配置され、それぞれの位置におけるx軸方向およびy軸方向のズレ量を検出することにある。【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車ボディパネルのような全体に自由曲面を有する製品をプレス加工する金型において、その自由曲面形状を雌雄で有して対向する金型構造物、例えば、ドローダイの上型ダイと下型ブランクホルダの間、上型ダイと下型パンチ間に配されるガイドの摩耗を検出して不良プレスを防止するプレス金型の押しズレ検知システムに関する。
特許文献1(特開平4−135024号公報)は、レーザプレス加工における材料位置ズレ検出の運転方法に関するもので、加工材料が把持された直後の加工材料の位置を、ワーククランプに設けられた位置ズレ検出装置から検出される位置ズレ量(電圧)の基準値とし、その後行われる加工作業時での位置ズレ量(電圧)を前記位置ズレ量検出装置を介して制御手段により監視し続け、該加工作業時に検出された位置ズレ量(電圧)が予め設定された加工材料の位置ズレ位置許容範囲を外れたとき位置ズレとすることを特徴とするものである。
特許文献2(特開2000−301398号公報)は、プレス機械における金型の芯ズレ測定方法及び芯ズレ測定装置に関するもので、ウェアプレート下面に取り付けられた上型と、ベッドまたはボルスタ上に固定された下型との間でプレス成形を行うプレス機械において、下型の周辺に設置され、かつ上型と非接触で互いに直交するX軸およびY軸方向から下降中の上型の芯ズレを動的に測定する測定手段と、予め測定した上型または下型の軸芯の基準値と、上記測定手段が測定した動的な芯ズレを比較して、許容範囲を越えたときに芯ズレと判定する制御手段とにより構成した測定装置を開示し、プレス作業中に金型の動的な芯ズレが測定できるため、不良品の発生を未然に防止することができることを開示する。
特開平4−135024号公報 特開2000−301398号公報
自動車ボディのような全体に自由曲面を有する製品をプレス加工する金型においては、その自由曲面形状を雌雄で有した対向する金型構造物、例えばドローダイの上型ダイと下型ブランクホルダが、製品のブランクシートを挟んで、所要の力で、上下から加圧された場合、自由曲面の傾斜角度の強弱によって、横方向にズレる力が発生する。また、上型ダイと下型パンチ間でも、ドロー成形の完了するプレス機の下死点付近で、最後に据えこむ製品形状のアンバランスや、プレス機のラムのガタ等の要因により、横方向の力が発生する。
本来、それらの上下の金型構造物は、適切なクリアランスを持たせたガイドによって、発生する横方向の力を規制して、適切な位置関係を保つように製作された条件の下で品質育成を行い、量産加工に移行するが、これらの金型のガイドには量産移行後も、横方向の力がプレス加工の都度かかるため、摩耗の進行と共に当初の金型構造物間の位置関係を保てなくなり、製品面への傷の発生等、品質管理上の不具合を招く大きな要因となる。
金型構造物間の加圧に伴う押しズレは、実際にプレス機による加圧を行い、かつプレス加工の進行に伴って動的に変化する。このため、特許文献2に開示される測定装置では、プレス作業中に金型の動的な芯ズレが測定され、この芯ズレを判定することによって、不良品の発生を事前に予測して不良品の発生を未然に防止すると共に、金型の調整時期の推定を可能にするものである。
しかしながら、特許文献2に開示される装置では、プレス上型自体のズレをプレス面のx軸およびy軸方向において円筒形の凹凸金型の同芯度を検出するだけであることから、上述したような自由曲面を有する不定形の製品の場合、上型ダイ全体の横方向のズレを検出することは非常に難しい。
また、自由曲面を有する製品のプレス作業におけるズレは、上型ダイと下型パンチの型ズレおよび上型ダイとブランクホルダの型ズレであり、それらの型ズレは、上型ダイと下型パンチの間に配される上下型ガイドの摩耗およびブランクホルダと下型パンチ間のウェアプレートの摩耗が原因で発生する。このため、自由曲面を有する製品のプレス作業におけるズレは、水平面におけるx軸およびy軸方向の型ズレだけでなく水平面における回転ズレが生じる場合もあることから、上述した特許文献2のように型の中心部分のx軸、y軸のズレを検出するだけでは、ズレが検出されないためプレス不良が発生するおそれがある。
このため、本発明は、金型構造物の全体的なズレ量の変化を把握して、個別のウェアプレート毎の摩耗量を推定し、これらの摩耗量から金型ウェアプレートの交換時期などを判定し、金型ウェアプレートメンテナンスを効率的に実行することができるプレス金型の押しズレ検知システムを提供する。
この発明は、上型および下型の間にあって、上型の平面方向のx軸方向およびy軸方向のズレを検出する検知ブロックと、検知ブロックからのx軸方向およびy軸方向のズレ量をデータとして受信し、上型および下型の間に複数配置されるウェアプレートの摩耗量をそれぞれ演算する演算手段とを具備する型ズレ検知システムにおいて、前記検知ブロックは、上型の平面図における対角線のひとつの両端近傍にそれぞれ配置され、それぞれの位置におけるx軸方向およびy軸方向のズレ量を検出することにある。
これによって、上型の平面図における対角線のひとつの両端近傍のそれぞれに、上型のズレ量(特に下型に対する相対的ズレ量)を検出する検知ブロックを配したことから、2つの検知ブロックによって上型のx軸方向およびy軸方向のズレ量を検出できるので、上型の回転方向のズレ量も検出することが可能となるものである。
また、前記演算手段は、プレストローク時の前記x軸方向およびy軸方向の時系列のズレ量を基準値とし、プレス時の時系列のx軸およびy軸のズレ量を前記基準値に対するズレベクトルとして演算し、前記ウェアプレートの摩耗量を推定することが望ましい。これによって、上述したズレベクトルによって、検知ブロックの位置におけるズレ量をその方向と大きさで掌握することが可能となるものである。
さらに、前記検知ブロックは、軸方向下側に突出するドグを有し前記上型に固定される上型検知ブロックユニットと、前記上型の下降に伴って前記ドグが挿通する貫通孔を有し、該貫通孔に挿通する前記ドグのx軸方向の位置を検出するx軸位置検出センサおよび前記貫通孔に挿通する前記ドグのy軸方向の位置を検出するy軸位置検出センサを具備し、前記下型に固定される下型検知ブロックとを具備することが望ましい。より具体的には、前記上型検知ブロックユニットは、上型ブロックと、該上型ブロックに対して弾性力を有して上下移動する可動ブロックと、可動ブロックから下方向に延出する上型ドクとによって少なくとも構成され、前記下型ブロックユニットは、下型ブロックと、下型ブロックの中央に開口する貫通孔と、該貫通孔の周縁に直交して対面するx軸位置センサおよびy軸位置センサとを有する。これによって、前記上型ドグが前記下型ブロックの貫通孔に挿通する間の前記ドグの位置を検出する自由測定区間と、前記貫通孔に挿通した上型ドグが突出する可動ブロックが前記下型ブロックを加圧する加圧測定区間とが形成される。
さらにまた、前記演算手段は、各検知ブロックによって検出されたそれぞれのx軸方向およびy軸方向のズレ量のいずれかが所定のしきい値を超過したタイミング以降、ズレ量のいずれかが最大値を示した時点毎に、時系列で上型の相対的移動量を特定する特定手段、前記ウェアプレートの摩耗量を推定する推定手段および該摩耗量を判定する判定手段を具備することが望ましい。
また、前記判定手段は、前記ウェアプレートの摩耗量のいずれかの最大値が前記しきい値の範囲内である場合にはプレス作業を継続すると共に、前記ウェアプレートの摩耗量のしきい値超過量がしきい値の2倍までである場合にはウェアプレートの交換準備としてそのロットが完了した後ウェアプレートの交換し、前記ウェアプレートの摩耗量のしきい値超過量がしきい値の3倍以上である場合にはウェアプレートの即時交換としてプレス作業を即時中止することが望ましい。尚、前述した2倍、3倍の数値については、交換準備<即時交換の関係があるもので、特にその数字に限定されるものではない。
本発明によれば、上型の対角線のひとつの両端近傍に、x軸方向およびy軸方向のズレ量を検出する検知ブロックを設けたことによって、上型の下型に対する相対的なズレ量およびズレ方向を明確に掌握することができ、これによって、上型と下型の間に配される複数のウェアプレートの摩耗状況を把握することができるので、ウェアプレートの交換時期を推定できるという効果を奏するものである。
さらに本発明によれば、上型に単純に検知ドグを設置し、下型でそのドク位置を測定するだけでなく、上下検知ブロックユニットが接触した後、一定の加圧力で上下方向を規制することで、加工中に発生する振動を抑制しつつ、下死点近傍の前後左右方向に発生する上下型間の型ズレを安定的に検出し、製品品質に関わる適正な上下型間の隙の値から逸脱する型ズレを正確に把握し、製品品質問題の発生や拡大の前に対策するための手段とすることができるという効果を奏する。
本発明の実施例にかかるプレス金型の押しズレ検知システムの概略を示した説明側面断面図である。 本発明の実施例にかかるプレス金型の押しズレ検知システムの概略を示した説明平面図である。 本発明の実施例にかかる検知ブロックの説明断面図である。 本発明の実施例に係る検知ブロックによるズレ検出メカニズムの説明図である。 本発明に実施例にかかるプレス金型の押しズレ検知システムの制御を示したフローチャート図である。 本発明に実施例にかかるプレス金型の押しズレ検知システムによる検出結果の一例を示した説明図である。 検出結果に基づく金型のズレ状態を示した説明図であり、特にt1,t2,t3時の状態を示したものである。 検出結果に基づく金型のズレ状態を示した説明図であり、特にt4,t5,t6時の状態を示したものである。
以下、この発明の実施例について、図面により説明する。
本発明の実施例にかかるプレス金型の押しズレ検知システム1は、例えば図1および図2に示すように、ワーク2が載置される下型パンチ3と、下型パンチ3との間で前記ワーク2をプレス加工するために昇降する上型ダイ4と、プレス加工前に上型ダイ4との間にワーク2を保持し、プレス加工時に上型ダイ4と共に下降するブランクホルダ5と、前記ブランクホルダ5と前記下型パンチの間に設けられる複数のウェアプレートs(s1〜s8)と、上型ダイ4と下型パンチ3の間に設けられる複数のウェアプレートS(S1〜S8)と、前記ブランクホルダ5と上型ダイ4との間のズレを検出するためにブランクホルダ5の一方の対角線の両端近傍(対角位置)のそれぞれに設けられた検知ブロックB,Cと、上型ダイ4および下型パンチ3との間のズレを検出するために下型パンチ3の一方の対角線の両端近傍(対角位置)のそれぞれに設けられた検知ブロックA,Dと、前記検知ブロックA,B,C,Dと接続されるコンピュータ6とによって少なくとも構成される。
前記検知ブロックA,B,C,Dは、例えば図3に示すように、上型ダイ4に固定される上型検知ブロックユニット40と、下型パンチ3もしくはブランクホルダ5に固定される下型検知ブロックユニット41とによって構成される。
前記上型検知ブロックユニット40は、上型プレート42と、前記上型ダイ4に上型プレート42を介して固定される上型ブロック43と、上型ブロック43に所定の範囲移動可能に保持される可動ブロック44を具備し、前記可動ブロック44と前記上型プレート42との間には前記可動ブロック44を下方に付勢するスプリング45が設けられ、前記可動ブロック44には下方に突出する直方体状の上型ドグ46が設けられる。
前記下型検知ブロックユニット41は、前記下型パンチ3もしくはブランクホルダ5に固定される下型ブロック47を具備し、この下型ブロック47には、前記上型ドグ46が挿通する貫通孔48が形成されると共に、この貫通孔48の内周側面には前記ドグ46の位置を測定するためのレーザ位置センサ49が設けられ、さらにこのレーザ位置センサ49と90°ズレた位置にもレーザ位置センサ(図示されない)が設けられる。これらの90°の位相を有する2つのレーザ位置センサ49によって前記上型ドグ46のx軸方向およびy軸方向の位置を検出するものである。尚、図中50は、レーザ位置センサ49とコンピュータ6とを連結するためのケーブルである。
上述した検知ブロックA,B,C,Dにおいて、上型ダイ4がプレス作業のために図4(a)で示す位置から下降すると前記上型検知ブロックユニット40が下降し、図4(b)で示すように前記上型ドグ46が前記貫通孔48に入り込んでレーザ位置センサ49に対面を開始すると、レーザ位置センサ49による自由測定が開始され、上型ドグ46のx軸方向およびy軸方向の位置が検出され、コンピュータ6に逐次送信される。
図4(c)で示される位置では、前記上型ドグ46の周縁の可動ユニット42の下面が、前記貫通孔48の周縁の下型ブロック47の上面に当接した状態から、さらに上型検知ブロックユニット40が下降すると、前記可動ユニット4が固定ブロック43内にスプリング45に抗して押し込まれ、加圧測定が開始される。図4(d)は、上型ダイ4によるプレス作業が完了し、上型ダイ4が下死点に到達したときの検知ブロックA,B,C,Dの状態を示したもので、可動ブロック44が固定ブロック43内に完全に押し込まれ、上型ドグ46が完全に前記貫通孔48内に挿通された状態なり、加圧測定が完了する。
このように、検知ブロックA,B,C,Dにおいては、上型ドグ46が貫通孔48内に入り込んで、前記可動ブロック44が下型ブロック47に当接するまでの自由測定区間と、前記可動ブロック44が下型ブロック47によって上型ブロック43内に押し込まれる加圧測定区間とが設けられるもので、加圧測定区間は、上型ダイ4が下型パンチ3に押し込まれるプレス作業と一致することが望ましい。
これによって、上型ドグ46が下型ブロック47に一定の圧力で加圧されるので、上型ドグ46がプレス機や上型ダイ4の加工中の揺れによって振動することを抑制もしくは防止できるので、前後左右の型ズレのみを正確に測定できるようになるものである。
前記検知ブロックA,B,C,Dから逐次送信されるそれぞれの位置でのx軸方向およびy軸方向の位置情報は、コンピュータ6内に記憶され、処理されるもので、送信される情報がアナログ信号の場合には図示しないA−D変換器によってデジタル信号に変換されて、コンピュータ6内の記憶装置に記憶され、必要に応じてCPUに読み出された処理され、必要な情報が画面表示されるもので、これらの構造については公知の技術内容であり、現在公知の技術内容で十分に対応可能である。
本発明に係るプレス金型の押しズレ検知システム1のコンピュータ6で処理される内容は、例えば図5のフローチャート図に示される。以下、このフローチャート図にしたがって説明する。
ステップAでは、前記各検知ブロックA,B,C,Dの上型ドグ46のx軸方向およびy軸方向の検出された位置データを読み込みズレ量を測定する。この場合、上型ダイ4のプレストローク時の自由測定区間および加圧測定区間の位置データを基準として、最新の位置データをこの基準位置データと比較することによってズレ量を経時的に測定するものである。
ステップAに続くステップBでは、測定されたx軸方向およびy軸方向のズレ量をプレストロークの時系列で整列させ、例えば図6(a),(b)で示すような検知ブロックA,B、C,D毎のx軸方向およびy軸方向毎の特性線を得る。特に図6では、上型ダイ4および下型パンチ3のズレ量を検出する検知ブロックAおよびDの特性線を示す。
ステップBに続くステップCでは、各検知ブロックA,B,C,Dで検出されたx軸方向およびy軸方向のズレ量のいずれか1つが所定の値(しきい値)を超過した時点以降、それぞれの検知ブロックA,B,C,Dで検出されたx軸方向およびy軸方向のズレ量のいずれかが最大値を示した時点毎に、検知ブロックA,B,C,D毎のズレ方向およびズレ量に基づくズレベクトルを作成し、上型ダイ4と下型パンチ3との間に配されるウェアプレートS(S1〜S8)、ブランクホルダ5と下型パンチ3との間のウェアプレートs(s1〜s8)のいずれのウェアプレートが摩耗したかを推測する。
ステップDでは、各時点でのウェアプレートS,sの推定摩耗量の最大値を各ウェアプレートの現状摩耗量とし、ウェアプレートS,sの更新判定を行う。
ステップ100では、ウェアプレートS,sの摩耗量(ズレ量)が前記しきい値と比較され、しきい値以内である場合には、ステップ110に進んで現状使用を設定して前記ステップAに戻る。また、前記摩耗量のしきい値に対する超過量が2倍までの場合には、ステップ120に進んで、交換準備を設定して前記ステップAに戻る。この場合、所定のロットのプレス作業が完了した後、該当するウェアプレートを調査し、必要に応じて交換する。さらに、前記摩耗量のしきい値に対する超過量が3倍までの場合には、ステップ130に進んで、即時交換を設定して即座にプレス作業を停止し、該当するウェアプレートを調査し、必要に応じて交換する。
以下、上述した方法に基づいた上型ダイ4のズレ量に基づくウェアプレートS1〜S8の摩耗量の推定方法について説明する。例えば図6(a)で示すように、上型ダイ4のズレ量は、検知ブロックA、Dによって測定される。
上述したように、検知ブロックAおよび検知ブロックDのズレ量は、例えば図6(a)に示すように時系列に検出されて特性線として把握される。図6(a)のt1で示される時点は、検知ブロックDのy方向のズレ量がしきい値を超過した時点であり、この時点t1における検知ブロックAのズレベクトルは、図6(b)で示すように、x軸方向のズレ量がプラスであり、y軸方向のズレ量がマイナスであることから、検知ブロックAでのズレベクトルは、図面右下方向となる。同様にこの時点t1における検知ブロックDのズレベクトルは、図6(b)で示すように、x軸方向のズレ量がプラスであり、y軸方向のズレ量がマイナスであることから、検知ブロックDでのズレベクトルは、図面右下方向となる。このため、上型ダイ4は、t1時点では、下型パンチ3に対して図7(a)で示すように全体として図面右下方向にズレることがわかる。このことから、t1時点では、許容ズレを若干逸脱した状態であり、摩耗懸念対象ウェアプレート番号は、S1,S5,S6,S7であることが推定される。
同様に、検知ブロックAのy方向のズレ量が最大となった時点t2では、図7(b)で示すように、上型ダイ4の下型パンチ3に対するズレ量は、上述した図7(a)よりも許容範囲を大きく逸脱したことが判定される。ズレ方向としては、図7(a)で示す方向と同様であるが、ズレ量は図7(a)で示す量よりも大きい。摩耗懸念ウェアプレート番号は、S1,S5,S6,S7であることが推定される。
図7(c)は、検知ブロックDのx方向のズレ量が最大となった時点t3を示したものである。この場合、検知ブロックAのズレベクトルは、ズレ方向が図面右方向であり、検知ブロックDのズレベクトルは図7(a)および(b)のズレ方向と略等しいことから、上型ダイ4の下型パンチ3に対するズレ方向は図7(c)で示すものとなる。この状態における摩耗懸念対象ウェアプレート番号は、S1,S5,S6,S7であり、特にS5,S6,S7の摩耗の進行が懸念される。
同様に、検知ブロックAのx軸方向のズレ量が最大となる時点t4は、図8(d)で示される。この状態は、上型ダイ4の下型パンチ3に対するズレ量が、しきい値を逸脱しており、摩耗懸念対象ウェアプレート番号は、S1,S5,S6,S7であり、特にS5,S6,S7の摩耗の進行が懸念されることを示している。
検知ブロックDのy軸方向のズレ量が最大となる時点t5は、図8(e)で示される。この状態は、上型ダイ4の下型パンチ3に対するズレ量が、しきい値を逸脱しており、摩耗懸念対象ウェアプレート番号は、S1,S5,S6,S7であることを示している。
上型ダイ4が下死点となる時点t6は、図8(f)で示される。この場合、上型ダイ4の下型パンチ3に対するズレ方向が上述した場合と異なり、図面左上方向となる。この状態は、上型ダイ4の下型パンチ3に対するズレ量が、しきい値を逸脱しており、摩耗懸念対象ウェアプレート番号は、S2,S3,S4であることを示している。
ブランクホルダ5と下型パンチ3との間のウェアプレートs(s1〜s8)の摩耗量の推定についても、検知ブロックBおよび検知ブロックCにおいて、上述した方法と同様の処理を行うことによって、摩耗懸念対象ウェアプレートの番号を推定することができるものである。
以上のように、本発明によれば、上型ダイ4の下型パンチ3に対するズレベクトル(ズレ量およびズレ方向)を対角線上に配置された2つの検知ブロックA,Dによって、ブランクホルダ5の下型パンチ3に対するズレベクトル(ズレ量およびズレ方向)を対角線上に配置された2つの検知ブロックC,Dによって検出することができ、さらにこのズレベクトルに基づいて上型ダイ4と下型パンチ3の間に配されたウェアプレートS並びにフランクホルダ5と下型パンチ3の間に配されたウェアプレートsの摩耗量を推定することができると共に、摩耗懸念対象ウェアプレートを特定することができるものである。
1 押しズレ検知システム
2 ワーク
3 下型パンチ
4 上型ダイ
5 ブランクホルダ
6 コンピュータ
40 上型検知ブロックユニット
41 下型検知ブロックユニット
42 上型プレート
43 上型ブロック
44 可動ブロック
45 スプリング
46 上型ドグ
47 下型ブロック
48 貫通孔
49 位置検出センサ
A,B,C,D 検知ブロック
S,s ウェアプレート

Claims (5)

  1. 上型および下型の間にあって、上型の平面方向のx軸方向およびy軸方向のズレを検出する検知ブロックと、検知ブロックからのx軸方向およびy軸方向のズレ量をデータとして受信し、上型および下型の間に複数配置されるウェアプレートの摩耗量をそれぞれ演算する演算手段とを具備する型ズレ検知システムにおいて、
    前記検知ブロックは、上型の平面図における対角線のひとつの両端近傍にそれぞれ配置され、それぞれの位置におけるx軸方向およびy軸方向のズレ量を検出することを特徴とする型ズレ検知システム。
  2. 前記演算手段は、プレストローク時の前記x軸方向およびy軸方向の時系列のズレ量を基準値とし、プレス時の時系列のx軸およびy軸のズレ量を前記基準値に対するズレベクトルとして演算し、前記ウェアプレートの摩耗量を推定することを特徴とする請求項1記載の型ズレ検知システム。
  3. 前記検知ブロックは、軸方向下側に突出するドグを有し前記上型に固定される上型検知ブロックユニットと、前記上型の下降に伴って前記ドグが挿通する貫通孔を有し、該貫通孔に挿通する前記ドグのx軸方向の位置を検出するx軸位置検出センサおよび前記貫通孔に挿通する前記ドグのy軸方向の位置を検出するy軸位置検出センサを具備し、前記下型に固定される下型検知ブロックとを具備することを特徴とする請求項1又は2記載の型ズレ検知システム。
  4. 前記演算手段は、各検知ブロックによって検出されたそれぞれのx軸方向およびy軸方向のズレ量のいずれかが所定のしきい値を超過したタイミング以降、ズレ量のいずれかが最大値を示した時点毎に、時系列で上型の相対的移動量を特定する特定手段、前記ウェアプレートの摩耗量を推定する推定手段および該摩耗量を判定する判定手段を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の型ズレ検知システム。
  5. 前記判定手段は、前記ウェアプレートの摩耗量のいずれかの最大値が前記しきい値の範囲内である場合にはプレス作業を継続すると共に、前記ウェアプレートの摩耗量のしきい値超過量がしきい値の2倍までである場合にはウェアプレートの交換準備としてそのロットが完了した後ウェアプレートの交換し、前記ウェアプレートの摩耗量のしきい値超過量がしきい値の3倍以上である場合にはウェアプレートの即時交換としてプレス作業を即時中止することを特徴とする請求項4記載の型ズレ検知システム。
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