JP7294834B2 - 硬化性組成物、ドライフィルム、硬化物、積層板および電子部品 - Google Patents

硬化性組成物、ドライフィルム、硬化物、積層板および電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性組成物、ドライフィルム、プリプレグ、硬化物、積層板、および電子部品に関する。
エポキシ系樹脂は、その硬化物が、優れた耐薬品性、耐腐食性、機械特性、熱特性などを有することから、配線板材料として多く使用されている。
また、特許文献1には、エポキシ系樹脂の耐薬品性、耐腐食性、機械特性、熱特性などを有しつつも、成形性にも優れる硬化物が得られる硬化性組成物として、エポキシ化したポリブタジエンと、エポキシ樹脂と、硬化剤とを含むものが開示されている。
特開2011-137092号公報
しかしながら、特許文献1に記載された硬化性組成物では、十分な耐熱性が得られない場合があった。
また、配線板材料の分野においては、第5世代通信システム(5G)に代表される大容量高速通信や自動車のADAS(先進運転システム)向けミリ波レーダー等などの普及により通信機器の信号の高周波化が進んでいる。そのため、配線板材料として上述のような硬化性組成物を使用すると、比誘電率(Dk)や誘電正接(Df)が十分に低くないために、周波数が高くなるほど誘電損失に由来する伝送損失の増大が起こり、信号の減衰や発熱などの問題が生じていた。
また、エポキシ系樹脂を含む硬化性組成物の硬化物は吸湿性が高い傾向にあるため、高湿環境に曝されることで容易に吸湿し、その結果、誘電特性が更に悪化する場合があり、使用環境が限定される場合があった。
そこで本発明は、十分な誘電特性や耐熱性が得られると共に、吸湿環境に曝されても誘電特性の悪化が起こり難い、硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定のエポキシ基含有樹脂と、特定の硬化剤とを含む硬化性組成物を使用することにより、上記課題を解決可能なことを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
下記(1)で示される樹脂成分(A)と、前記樹脂成分(A)と相溶する活性エステル成分(B)と、を含有することを特徴とする、硬化性組成物を提供する。
Figure 0007294834000001
(式(1)中、mは4~11であり、nは9~35である。)
また、本発明は、前記硬化性組成物を基材に塗布して得られることを特徴とするドライフィルムまたはプリプレグを提供する。
また、本発明は、前記硬化性組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化物を提供する。
また、本発明は、前記硬化物を含むことを特徴とする積層板を提供する。
また、本発明は、前記硬化物を有することを特徴とする電子部品を提供する。
本発明によれば、十分な誘電特性や耐熱性が得られると共に、吸湿環境に曝されても誘電特性の悪化が起こり難い、硬化性組成物を提供することが可能である。
説明した化合物に異性体が存在する場合、特に断らない限り、存在し得る全ての異性体が本発明において使用可能である。
以下、本発明の硬化性組成物(単に組成物とも表現する)について説明する。
本発明の硬化性組成物は、エポキシ化ポリブタジエンである樹脂成分(A)と、樹脂成分(A)と相溶する活性エステル成分(B)と、を少なくとも含む。また、本発明の硬化性組成物は、過酸化物を含むことが好ましい。更に、本発明の硬化性組成物は、シリカを含むことが好ましい。また、本発明の硬化性組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、その他の成分を含んでいてもよい。
<樹脂成分(A)>
樹脂成分(A)は、下記式(1)で示されるエポキシ化ポリブタジエンである。
Figure 0007294834000002
なお、式(1)中、mは4~11であり、nは9~35である。
この樹脂成分(A)は、例えば、特開2011-137092等に記載された方法に従って製造することができる。具体的には、以下の通りである。
先ず、ブタジエンホモポリマーを準備する。
ブタジエンホモポリマーは、例えば、ブタジエンモノマーをリビング重合する方法で得られるホモポリマーが好ましい。
リビング重合の手法としては、例えば、有機希土類金属錯体を重合開始剤として用いて重合する方法;有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の鉱酸塩等の存在下でアニオン重合する方法;有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い、有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法;原子移動ラジカル重合(ATRP)法等が挙げられる。
アニオン重合法としては、ナトリウム分散体を重合開始剤として用いるアニオン重合法(ナトリウム重合法と呼ぶことがある。)が挙げられる。なお、ナトリウム分散体は、不活性媒体中に平均粒径が数μmの微細なナトリウム粒子を分散させてなるものである。
ブタジエンホモポリマーは、市販されているものを用いてもよい。
次に、ブタジエンホモポリマーのエポキシ化を実施する。
ブタジエンホモポリマーのエポキシ化は、炭素-炭素不飽和二重結合に酸素原子を付加させる反応によって行うことができる。この反応は従来公知の方法に従って実施できる。例えば、エーテル、クロロホルム、アセトン、ジオキサン、酢酸などの溶媒中で、ブタジエンホモポリマーに、有機過酸(過酢酸、過安息香酸、過モノフタル酸など);過酸化水素;オゾン;ヒドロパーオキシドなどを作用させればよい。
なお、この樹脂成分(A)は、市販されているものを用いてもよい。
樹脂成分(A)の含有量は、他の成分の含有量に依存するが、典型的には、組成物の固形分全量基準で、5~30質量%または10~25質量%である。
なお、組成物の固形分とは、溶媒(特に有機溶媒)以外の組成物を構成する成分、またはその質量や体積を意味する。
<活性エステル成分(B)>
活性エステル成分は、分子内に活性エステル基を1つ以上(好ましくは2つ以上)有する化合物を示す。この活性エステル成分(B)は、樹脂成分(A)の硬化剤としての機能を有する。
活性エステル基とは、エポキシ基と反応する際に、開環したエポキシ基の-O-部分と反応して水酸基(-OH)を形成しないエステル基である。より具体的には、活性エステル基とは、フェノール系化合物(ビフェニル系化合物、ビスフェノール系化合物、ナフトール系化合物等も含む。)のフェノール性水酸基がカルボン酸化合物(芳香族酸または脂肪酸のいずれでもよい。)によりエステル化されることで得られる基である。
本発明の活性エステル成分(B)は、活性エステル成分の中でも、上述した樹脂成分(A)と相溶するものである。
樹脂成分(A)と活性エステル成分(B)とが相溶するとは、これらの混合物が均一な溶液を形成することを意味する。また、樹脂成分(A)と活性エステル成分(B)とが相溶するとは、これらの混合物を十分に撹拌および脱泡し、静置した後の目視観察を行ったときに、全体として透明な状態、または、明らかな濁りや成分の分離が発生していない状態になること、と理解することも可能である。
ここで、本発明に係る特定の樹脂成分(A)と、活性エステル成分(B)と、の組み合わせにおいて、樹脂成分(A)と相溶可能な活性エステル成分(B)は、下に示される特定の性質を有する傾向にあることが見出された。
まず、次の測定手順に基づき、活性エステル成分のH NMRチャートを求める。
NMR分光装置としてJEOL ECS 400MHz NMR Spectrometerを使用し、試料10mgをCDCl0.8mlに溶解させた溶液を準備し、基準物質をTMSとして測定を行う。
次に、活性エステル成分の芳香環に由来するピーク(7.0~9.0ppm)の積分値7-9と、アルキル基等に由来するピーク(1.0~4.0ppm)の積分値1-4と、の積分値比(積分値7-9/積分値1-4)を求める。なお、このH NMRチャートは、トルエン(活性エステル成分の溶剤)についての測定結果を含むため、トルエンに由来する値を差し引くものとする。
この積分値比(積分値7-9/積分値1-4)が0.65以下である場合に、活性エステル成分(B)は、樹脂成分(A)と相溶する傾向にあることが見出された。なお、活性エステル成分(B)の積分値比(積分値7-9/積分値1-4)は、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下または0.40以下であることが好ましく、また、0.10以上、0.15以上、0.20以上、0.25以上または0.30以上であることが好ましい。とりわけ、積分値比(積分値7-9/積分値1-4)は、0.20~0.60であることが好ましく、0.20~0.55であることがより好ましく、0.20~0.55であることが特に好ましい。
上述の通り、積分値比(積分値7-9/積分値1-4)は、芳香環に由来するピークと、アルキル基等に由来するピークと、の比である。そのため、活性エステル成分の原料となるカルボン酸化合物およびヒドロキシ化合物の種類を変更し、活性エステル成分中の芳香環および脂肪鎖等の含有量等を変更することで、この積分値比を容易に調整することが可能である。
なお、この活性エステル成分(B)は、市販されているものを用いてもよい。
活性エステル成分(B)の含有量は、特に限定されないが、組成物の固形分全量基準で、5~40質量%または10~30質量%である。
<シリカ>
本発明の硬化性組成物は、シリカを含んでもよい。組成物がシリカを含有することで、組成物の製膜性を向上させることができる。さらには得られる硬化物に難燃性を付与することができる。
シリカの平均粒径は、好ましくは0.02~10μm、より好ましくは0.02~3μmである。ここで平均粒径は、市販のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・散乱法による粒度分布の測定値から、累積分布によるメディアン径(d50、体積基準)として求めることができる。
異なる平均粒径のシリカを併用することも可能である。シリカの高充填化を図る観点から、例えば平均粒径1μm以上のシリカとともに、平均粒径1μm未満のナノオーダーの微小のシリカを併用してもよい。
シリカはカップリング剤により表面処理が施されていてもよい。表面をシランカップリング剤で処理することで、樹脂成分との分散性を向上させることができる。また有機溶媒との親和性も向上させることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤などを用いることができる。エポキシシランカップリング剤としては、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどを用いることができる。メルカプトシランカップリング剤としては、例えば、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシランなどを用いることができる。ビニルシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシランなどを用いることができる。
シランカップリング剤の使用量は、例えば、シリカ100質量部に対して0.1~5質量部、0.5~3質量部としてもよい。
シリカの含有量は、樹脂成分(A)100質量部に対して50~700質量部または100~600質量部としてもよい。あるいは、シリカの含有量は、組成物の固形分全量基準で、10~70質量%または20~60質量%としてもよい。
<過酸化物>
過酸化物は、不飽和炭素結合を開き、架橋反応を促進する作用を有する。
過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、t-ブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3-ブテン、アセチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m-トルイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t-ブチレンパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、等があげられる。過酸化物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
過酸化物としては、これらの中でも、取り扱いの容易さと反応性の観点から、1分間半減期温度が130℃から180℃のものが望ましい。このような過酸化物は、反応開始温度が比較的に高いため、乾燥時など硬化が必要でない時点での硬化を促進し難く、樹脂組成物の保存性を貶めず、また、揮発性が低いため乾燥時や保存時に揮発せず、安定性が良好である。
過酸化物の添加量は、過酸化物の総量で、硬化性組成物の固形分100質量部に対し、0.01~20質量部とするのが好ましく、0.05~10質量部とするのがより好ましく、0.1~10質量部とするのが特に好ましい。
<その他の成分>
その他の成分としては、例えば、イミダゾールおよびその誘導体、グアナミン類、ポリアミン類、トリアジン誘導体類、アミン類、ポリフェノール類、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩類等の硬化促進剤;フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の従来公知の着色剤;アスベスト、オルベン、ベントン等の従来公知の増粘剤;シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤;チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤;難燃剤;チタネート系、アルミニウム系の従来公知の添加剤;等を用いることができる。その他の成分は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
また、本発明の硬化性組成物は、適宜の溶媒(例えば、クロロホルム、塩化メチレン、トルエン等)に溶解した状態で提供または使用されてもよい。
硬化性組成物中の溶媒の含有量は特に限定されず、硬化性組成物の用途に応じて適宜調整可能である。
<硬化物>
硬化物は、上述した硬化性組成物を硬化することで得られる。
硬化性組成物から硬化物を得るための方法は、特に限定されるものではなく、硬化性組成物の組成に応じて適宜変更可能である。一例として、上述したような基材上に硬化性組成物の塗工(例えば、アプリケーター等による塗工)を行う工程を実施した後、必要に応じて硬化性組成物を乾燥させる乾燥工程を実施し、加熱(例えば、イナートガスオーブン、ホットプレート、真空オーブン、真空プレス機等による加熱)により樹脂成分(A)を熱架橋させる熱硬化工程を実施すればよい。なお、各工程における実施の条件(例えば、塗工厚、乾燥温度および時間、加熱温度および時間等)は、硬化性組成物の組成や用途等に応じて適宜変更すればよい。
<ドライフィルム、プリプレグ>
本発明のドライフィルムまたはプリプレグは、上述した硬化性組成物を基材に塗布又は含浸して得られるものである。
ここで基材とは、銅箔等の金属箔、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のフィルム、ガラスクロス、アラミド繊維等の繊維が挙げられる。
ドライフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に硬化性組成物を塗布乾燥させ、必要に応じてポリプロピレンフィルムを積層することにより得られる。
プリプレグは、例えば、ガラスクロスに硬化性組成物を含浸乾燥させることにより得られる。
<積層板>
本発明においては、上述のプリプレグを用いて積層板を作製することができる。
詳しく説明すると、本発明のプリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面または片面に銅箔等の金属箔を重ねて、その積層体を加熱加圧成形することにより、積層一体化された両面に金属箔または片面に金属箔を有する積層板を作製することができる。
<電子部品>
このような硬化物は、優れた誘電特性や耐熱性を有するため、電子部品用等に使用可能である。
硬化物を有する電子部品としては、特に限定されないが、好ましくは、第5世代通信システム(5G)に代表される大容量高速通信や自動車のADAS(先進運転システム)向けミリ波レーダー等が挙げられる。
実施例および比較例により、本発明の硬化性組成物についてより詳細に説明するが、本発明はこれらには何ら限定されない。
硬化性樹脂の原料として、以下に示すものを準備した。
<<原料>>
<樹脂成分>
・JP-100(日本曹達株式会社製)
:樹脂成分(A)に該当するエポキシ化ポリブタジエン
式(1)において、m=4~7、m+n=16~25である。
・JP-200(日本曹達株式会社製)
:樹脂成分(A)に該当するエポキシ化ポリブタジエン
式(1)において、m=8~11、m+n=34~43である。
・PB3600(株式会社ダイセル製)
:樹脂成分(A)に該当しないエポキシ化ポリブタジエン
・JER828(三菱ケミカル株式会社製)
:エポキシ樹脂
・B3000(日本曹達株式会社製)
:1,2ブタジエン
<活性エステル成分(B)>
・EXB-8500-65T(DIC株式会社製)
・活性エステルA-65T
:後述する製造方法によって得られた活性エステル
・活性エステルB-65T
:後述する製造方法によって得られた活性エステル
・HPC-8000-65T(DIC株式会社製)
・EXB-8150-60T(DIC株式会社製)
・EXB-8100L-65T(DIC株式会社製)
なお、「65T」とは固形分65wt%のトルエン希釈品であることを示し、「60T」とは固形分60wt%のトルエン希釈品であることを示す。
<その他の成分>
・2E4MZ(イミダゾール)
:エポキシ硬化剤
・SC2050-HNF(アドマテックス社製)
:シリカスラリー、不揮発分70質量%(分散媒はシクロヘキサノン)
・DMAP(0.5phr)(広栄化学工業社製)
:硬化促進剤(硬化触媒)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン
・パーブチル(登録商標)P(日本油脂株式会社製)
:過酸化物
・トルエン
:溶剤
活性エステルAは、以下の手順に基づき製造した。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、塩化アセチル195.0g(酸クロリド基のモル数:2.5モル)とトルエン500gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。次いで、3,3’,5,5’-テトラメチルビフェニル-4,4’-ジオール121.1g(フェノール性水酸基のモル数:1.0モル)を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液200gを3時間かけて滴下した。次いでこの条件下で1.0時間撹拌を続けた。反応終了後、静置分液し、水層を取り除いた。更に反応物が溶解しているトルエン相に水を投入して約15分間撹拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した。その後、デカンタ脱水で水分を除去し不揮発分65%のトルエン溶液状態にある活性エステルAを得た。
活性エステルBは、以下の手順に基づき製造した。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、シクロヘキサンカルボニルクロリド365.1g(酸クロリド基のモル数:2.5モル)とトルエン700gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。次いで、ビスフェノールA114.1g(フェノール性水酸基のモル数:1.0モル)を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液280gを3時間かけて滴下した。次いでこの条件下で1.0時間撹拌を続けた。反応終了後、静置分液し、水層を取り除いた。更に反応物が溶解しているトルエン相に水を投入して約15分間撹拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した。その後、デカンタ脱水で水分を除去し不揮発分65%のトルエン溶液状態にある活性エステルBを得た。
各活性エステル成分に関連して、前述したH NMRチャートに基づく積分値比(積分値7-9/積分値1-4)を算出した。この結果を表1に示す。
Figure 0007294834000003
<<樹脂組成物ワニスの作製>>
JP-100を2.0質量部およびEXB-8500-65Tを3.4質量部に、溶剤としてトルエンを5質量部加えて、40℃にて30分混合、攪拌して完全に溶解させた。これによって得た樹脂溶液に、シリカスラリー(SC2050-HNF)を加え混合した後、攪拌・脱泡機にて分散させた。最後に、硬化触媒であるDMAPを0.02質量部配合し、マグネチックスターラーにて攪拌した。
以上のようにして、実施例1に係る樹脂組成物のワニスを得た。
原料を表2に示したものに変更した以外は、実施例1と同様に、実施例2~6および比較例1~8に係る樹脂組成物のワニスを得た。
<相溶性>
表2の配合比で、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ樹脂または1,2ブタジエンと、活性エステルとを配合して評価用組成物を調製し、株式会社シンキー製の自転・公転ミキサーあわとり練太郎大気圧タイプにて攪拌5分、脱泡1分、25℃で24時間静置した。その後、組成物の状態を観察し下記基準で相溶または非相溶を判断した。
(相溶)
〇:組成物全体が透明であり、白濁がない。
(不相溶)
△:組成物中に明らかに白濁がある
×:成分が分離している
<<評価>>
<硬化膜の作製>
厚さ18μm銅箔のシャイン面に、得られた樹脂組成物のワニスを、硬化物の厚みが50μm(乾燥後)になるようにアプリケーターで塗布した。次に、熱風式循環式乾燥炉で90℃30分乾燥させた。その後、イナートオーブンを用いて窒素を完全に充満させて180℃で1時間、その後230℃まで昇温後、3時間硬化させた。その後、銅箔をエッチング除去して硬化膜を得た。
<誘電特性>
誘電特性である比誘電率Dkおよび誘電正接Dfは、以下の方法に従って測定した。
上述の方法に従い、厚みが50μmとなるように硬化膜を作製した。硬化膜を長さ80mm、幅45mm、厚み50μmに切断し、これを試験片としてSPDR(Split Post Dielectric Resonator)共振器法により測定した。測定器には、キーサイトテクノロジー合同会社製のベクトル型ネットワークアナライザE5071C、SPDR共振器、計算プログラムはQWED社製のものを用いた。条件は、周波数10GHz、測定温度25℃とした。
Dkについて、3.1未満のものを「○」、3.1以上のものを「×」と評価した。
Dfについて、0.005未満のものを「○」、0.005以上のものを「×」と評価した。
<加湿後の誘電特性>
恒温恒湿器(ヤマト科学社製:IG420型)を温度85℃、湿度85%に設定し、硬化後の塗膜を恒温恒湿器に1週間放置した。その後、塗膜を取り出し、上記と同様の手法により誘電特性を測定し、加湿前後の誘電特性の変化率を算出した。
加湿前のDkに対する加湿後のDkの増加率について、6%未満のものを「○」、6%以上のものを「×」と評価した。
加湿前のDfに対する加湿後のDfの増加率について、10%未満のものを「○」、10%以上のものを「×」と評価した。
<耐熱性>
耐熱性はガラス転移温度で評価した。硬化膜を長さ30mm、幅5mm、厚み50μmに切り出し、DMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)にてガラス転移温度(Tg)の測定を行った。温度範囲は30~280℃、昇温速度は5℃/min、周波数は1Hz、歪振幅7μm、最小張力50mN、つかみ具間距離は10mmで行った。ガラス転移温度(Tg)はtanδが極大を示す温度とした。
ガラス転移温度(Tg)が100℃以上のものを「〇」、100℃未満のものを「×」と評価した。
<耐溶剤性>
トルエンを含侵したウエスで、硬化膜に対するラビング試験を行った。
30回以上ラビングしても溶解しないものを「◎」、10回ラビングしても溶解しないものを「〇」、10回ラビングすると溶解するものを「×」と評価した。
Figure 0007294834000004

Claims (8)

  1. 下記(1)で示される樹脂成分(A)と、前記樹脂成分と相溶する活性エステル成分(B)と、を含有し、
    前記活性エステル成分(B)が、分子内に活性エステル基を2つ以上有する化合物であり、
    前記活性エステル基とは、フェノール系化合物のフェノール性水酸基がカルボン酸化合物によりエステル化されることで得られる基であり、
    前記活性エステル成分(B)の H NMRチャートにおいて、前記活性エステル成分の芳香環に由来するピーク(7.0~9.0ppm)の積分値 7-9 と、前記活性エステル成分のアルキル基等に由来するピーク(1.0~4.0ppm)の積分値 1-4 と、の積分値比(積分値 7-9 /積分値 1-4 )が0.65以下であることを特徴とする、硬化性組成物。
    Figure 0007294834000005
    (式(1)中、mは4~11であり、nは9~35である。)
  2. 過酸化物を含む、請求項1記載の硬化性組成物。
  3. シリカを含む、請求項1または2記載の硬化性組成物。
  4. 前記活性エステル成分(B)が、前記樹脂成分(A)の硬化剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載の硬化性組成物を基材に塗布又は含浸して得られることを特徴とするドライフィルムまたはプリプレグ。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  7. 請求項に記載の硬化物を含むことを特徴とする積層板。
  8. 請求項に記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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