以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。また、以下の説明において、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」は、各図において矢印で示した方向を基準として用いる。但し、以下の各実施の形態での各構成の向きは、一例にすぎず、任意の向きに変更することができる。
図1は、実施の形態に係る搬送装置の概略平面図、図2は、実施の形態に係る搬送装置の概略側面図である。図1及び図2に示すように、搬送装置1は、第1の容器としての製品番重T1に収容された物品Wを第2の容器としての出荷番重T2に搬送するよう構成される。
ここで、本実施の形態の搬送装置1で搬送する物品Wは、一例として、弁当や惣菜等の調理品が収容される上面視概略方形の容器とする。本実施の形態の物品Wは、下部の収容部Wa(図1では不図示)と、収容部Waの上方を閉塞する蓋部Wbとを備えている。物品Wの側面であって蓋部Wbの外周側には、つば部Wcが外方に突出するように形成される。
搬送装置1は、製品番重搬送部2と、製品番重搬送部2の前方に配設された出荷番重搬送部3とを備えている。図2に示すように、製品番重搬送部2は、製品番重T1の搬送方向となる後方から前方に並ぶ第1搬送ローラ部21、第2搬送ローラ部22、第3搬送ローラ部23、第4搬送ローラ部24を備えている。各搬送ローラ部21~24では、搬送方向に並ぶ複数のローラ及び該ローラを支持するフレームを備えて構成される(一部構成について図示省略)。
第1搬送ローラ部21は、製品番重T1が複数段積みされて収容される不図示の段ばらし機構の隣接位置に設けられる。かかる段ばらし機構から第1搬送ローラ部21上に製品番重T1が順次供給される。
第2搬送ローラ部22は、昇降機構25を介して上下方向に移動可能に設けられる。昇降機構25は、第2搬送ローラ部22を上昇位置と下降位置とに移動して位置決めする。上昇位置は、図2に示す位置とされ、第2搬送ローラ部22上の製品番重T1が後述する一時載置部4の近傍高さ位置に設定される。下降位置は、第1搬送ローラ部21及び第3搬送ローラ部23と同じ高さ位置に設定される。
第2搬送ローラ部22を下降位置に配置したときに、製品番重T1が第1搬送ローラ部21から第2搬送ローラ部22に移送可能となり、また、第2搬送ローラ部22から第3搬送ローラ部23を経て第4搬送ローラ部24に移送可能となる。なお、第2搬送ローラ部22は、不図示の位置決め機構によって載置される製品番重T1の前後方向の移動を規制可能に設けられる。
第4搬送ローラ部24は、第3搬送ローラ部23から移送された製品番重T1を左右方向(図2の紙面直交方向)に搬送し、製品番重T1が不図示の空番重回収機構で回収される。
出荷番重搬送部3は、搬送方向となる左右方向に並んだ複数のローラを備え、該ローラが不図示のフレームによって支持される。出荷番重搬送部3は、製品番重T1の前方にて、製品番重T1に対し左右位置が揃うように出荷番重T2を一時的にあらかじめ位置決めする不図示の位置決め手段を備えている。また、出荷番重搬送部3は、ローラ上にて出荷番重T2を製品番重T1と概ね同じ高さ位置に支持している。
なお、製品番重搬送部2及び出荷番重搬送部3にあっては、各番重T1、T2を上記のように搬送できる限りにおいてベルトコンベア等の他の搬送構造に代替してもよい。
本実施の形態の搬送装置1にあっては、製品番重T1から取り出された物品Wが一時的に載置される一時載置部4と、製品番重T1から一時載置部4へ物品Wを移送可能な第1の移送部5と、一時載置部4から出荷番重T2へ物品Wを移送可能な第2の移送部6とを備えている。一時載置部4は、上昇位置の第2搬送ローラ部2bに載置された製品番重T1の前後両端及び右端に沿う位置に配設されており、具体的な構成については後述する。
第1の移送部5は、物品Wを上方から保持可能な第1の保持部51と、第1の保持部51を少なくとも前後方向と左右方向との直交二軸方向に移動する第1の移動機構(第1の駆動部)52とを備えている。第1の保持部51は、支持ベース53の下部に左右に並んで2体設けられ、1体の第1の保持部51で1つの物品Wを保持可能に設けられる。第1の保持部51は、製品番重T1内の物品Wを取り出すため、他の物品Wとの干渉がない物品W上面を吸着する形態が最も望ましいが、物品Wを保持できる限りにおいて、物品Wを挟んで把持する機構等、種々の構成を採用できる。第1の移動機構52は、前後方向の駆動によって第1の保持部51を製品番重T1と一時載置部4の後述する受取部41との間で移動する。第1の移動機構52は、シリンダや直動モータ、リニアモータ、送りねじ構造等を組み合わせた機構としたり、多関節ロボット等によって構成したりしてもよい。
第1の移送部5は、第1の保持部51で物品Wを保持してから第1の移動機構52を駆動することで、製品番重T1から一時載置部4へ物品Wを移送可能に設けられる。このとき、2体の第1の保持部51を介して、左右に並ぶ2つの物品Wを同時に保持して移送可能となる。
第2の移送部6は、複数(本実施の形態では3つ)重ねた物品Wを保持する第2の保持部61と、第2の保持部61を移動する第2の移動機構62とを備えている。
第2の保持部61は、上方に設けられたベース部61aと、ベース部61aの図2における前後両側に設けられた一対のハンド部61b(図1では不図示)とを備えている。ハンド部61bは、その下方に不図示の駆動機構を介して回動可能な片状の支持部61cを備えている。支持部61cは、先端が物品W側となる内向きとなって水平方向に向けられる突出位置と、先端が下向きとなって上下方向に向けられる退避位置との間で変位する。図2では、支持部61cは、水平方向となる突出位置となっており、物品Wのつば部Wcの下端に接触し、物品Wを下方から支持している。
第2の移動機構62は、第2の保持部61を前後、左右及び上下方向の直交三軸方向に移動し、上下方向に延びる軸回りに回転可能に設けられる。具体的には、第2の移動機構62は、ベース部61aの上部に設けられた回転装置62aと、回転装置62aを下端側で支持して上下方向に移動する上下用単軸ロボット62bとを備えている。また、第2の移動機構62は、上下用単軸ロボット62bを支持して左右方向に移動する左右用単軸ロボット(第3の駆動部)62cと、左右用単軸ロボット62cを支持して前後方向に移動する前後用単軸ロボット(第2の駆動部)62dとを備えている。
前後用単軸ロボット62dは、前後方向の駆動によって第2の保持部61を出荷番重T2と一時載置部4の後述する受渡部42との間で移動する。左右用単軸ロボット62cは、第2の保持部61を左右方向に移動するので、前後用単軸ロボット62dによる移動方向とは交差(直交)する方向に第2の保持部61を移動している。なお、第2の移動機構62は、上記構成と同様に移動可能な限りにおいて、多関節ロボット等によって構成したりしてもよい。
一時載置部4は、製品番重T1の後端側に沿って位置する受取部41と、製品番重T1の前端側に沿って位置する受渡部42と、製品番重T1の右端側に沿って位置する移送コンベア43とを備えている。受取部41は、第1の移送部5によって移送された物品Wを受け取る。受渡部42は、第2の移送部6に物品Wを受け渡す。受取部41と受渡部42とは、上面視で平行となる左右方向に延在している。移送コンベア43は、上面視で前後方向に延在し、受取部41及び受渡部42それぞれと交差する方向に延在しており、言い換えると、受取部41及び受渡部42それぞれと交差する方向に延在して物品Wを移送する領域を備える。受渡部42は、製品番重T1と出荷番重T2との間に配置され、受取部41は、製品番重T1を挟んで受渡部42と反対側に配置され(図1参照)、これにより、製品番重T1の前後のスペースの有効利用を図っている。
受取部41、受渡部42及び移送コンベア43は、例えば、無端ループ状のベルト部材、該ベルト部材に掛け回される駆動プーリ及び従動プーリを備えたベルトコンベアによってそれぞれ構成される。受取部41は、上面に載置された物品Wを移送コンベア43側となる右方向に移送する。受渡部42は、上面に載置された物品Wを左右方向に移送する。移送コンベア43は、上面に載置された物品Wを受渡部42側となる前方に移送する。
受取部41及び受渡部42は、位置決めされた製品番重T1の左右幅と概略同一の左右長さとして設置されている。従って、受取部41、受渡部42及び製品番重T1は、前後方向で重なる領域を備えて配置され、搬送装置1全体の左右幅が大きくなることが抑制される。また、移送コンベア43は、位置決めされた製品番重T1の前後幅と概略同一の前後長さとして設置されている。従って、移送コンベア43及び製品番重T1は、左右方向で重なる領域を備えて配置され、搬送装置1全体の前後幅が大きくなることが抑制される。
一時載置部4は、受取部41から移送コンベア43へ物品Wを移送する前方中継部44と、移送コンベア43から受渡部42へ物品Wを移送する後方中継部45とを更に備えている。受取部41、受渡部42、移送コンベア43、前方中継部44及び後方中継部45によって受取部41から受渡部42へ物品Wを移送可能な第3の移送部が構成される。
前方中継部44は、物品Wを右方向に移送する搬送コンベア44aと、搬送コンベア44aによる物品Wの右方向への移送を停止するストッパ44bと、ストッパ44bに設けられたセンサ44cとを備えている。また、前方中継部44は、シリンダ等により構成されて物品Wを前方に押し込む押込部44dを備えている。
前方中継部44では、搬送コンベア44aの駆動によって右方向に移送された物品Wがストッパ44bに当接して停止する。この停止した物品Wをセンサ44cが検出すると、押込部44dが駆動されてストッパ44bで停止された物品Wを前方に押し込む。この押し込みによって、物品Wが移送コンベア43の後端側に移送される。前方中継部44における搬送コンベア44a及び押込部44d、受取部41、移送コンベア43は、不図示の制御手段を介して駆動及び停止のタイミングが所定制御される。これにより、移送コンベア43において移送される物品Wの前後方向の間隔を均一にすることができる。
後方中継部45は、概ね、前方中継部44の向きを水平面内で90°変更したような構成とされる。具体的には、後方中継部45は、物品Wを前方に移送する搬送コンベア45aと、搬送コンベア45aによる物品Wの前方への移送を停止するストッパ45bと、ストッパ45bに設けられたセンサ45cとを備えている。また、後方中継部45は、シリンダ等により構成されて物品Wを左方向に押し込む押込部45dを備えている。なお、後方中継部45の押込部45dは、積み重ねた物品Wを押し込むため、物品Wとの当接部分が複数段の物品Wに応じて高く形成されている。
後方中継部45では、搬送コンベア45aの駆動によって前方に移送された物品Wがストッパ45bに当接して停止する。この停止した物品Wをセンサ45cが検出すると、押込部45dが駆動されてストッパ45bで停止された物品Wを左方向に押し込む。この押し込みによって、物品Wが受渡部42の左端側に移送される。後方中継部45における搬送コンベア45a及び押込部45d、受渡部42、移送コンベア43においても、不図示の制御手段を介して駆動及び停止のタイミングが所定制御される。
一時載置部4は、移送コンベア43に設けられて複数の物品Wを上下方向に重ねる段積部46を更に備えている。段積部46は、前後方向に延在する移送コンベア43の前方領域に設けられ、受渡部42の近傍に配置されている。
続いて、段積部46の構成について、図3を参照して説明する。図3は、段積部の概略正面図である。段積部46は、移送コンベア43の左右方向中心位置を挟んで左右対称となる構造に設けられている。従って、以下の説明では、段積部46の右側の構成について説明し、左側の構成については同一符号を付して説明を省略する場合がある。
段積部46は、直角三角形状に掛け回された無端ループ状のベルト部材46aを備えている。ベルト部材46aは、移送コンベア43より若干上方位置に設けられ、上下方向に延在する鉛直部分が移送コンベア43の右端近傍に位置するように設けられる。ベルト部材46aの外周面には、2つの支持突部46bが該外周面から直交する方向に突出して設けられている。2つの支持突部46bの間隔は、物品Wの高さ寸法より所定寸法大きく形成されている。
段積部46は、ベルト部材46aにおける鉛直部分の下部に掛け回される駆動プーリ46cと、駆動プーリ46cの上側及び右側に設けられた従動プーリ46d、46eとを更に備えている。駆動プーリ46cは、不図示の回転手段を介して回転駆動可能に設けられ、駆動プーリ46cの回転によってベルト部材46aの鉛直部分が上下方向に移動するよう回動する。この回動によって、支持突部46bも上下方向に移動可能となる。
段積部46は、ベルト部材46aにおける鉛直部分の内周面に接触可能な押さえ部材46fを備えている。押さえ部材46fは、板状に形成されて鉛直面でベルト部材46aが摺動され、ループ状のベルト部材46aが内方に変形しないよう支持している。
段積部46は、左右のベルト部材46aにて、同じ高さ位置に支持突部46bが設けられ、また、左右の駆動プーリ46cが同期駆動するようになっている。従って、左右の支持突部46bにて物品Wのつば部Wcを下方から持ち上げるように支持し、支持した物品Wを昇降移動することができる。本実施の形態では、1本のベルト部材46aに2つの支持突部46bが設けられるので、2つの物品Wを上下に並べて同時に支持及び昇降することができる。段積部46における物品Wの段積み方法については後述する。
続いて、図1及び図2に戻り、搬送装置1による製品番重T1から出荷番重T2への物品Wの搬送方法について説明する。ここでは、製品番重T1に物品Wが左右に2列、前後に3列同じ高さ位置で収容されているものとする。
先ず、製品番重搬送部2にて不図示の段ばらし機構から物品Wを収容した製品番重T1が第1搬送ローラ部21を経て第2搬送ローラ部22に搬送される。第2搬送ローラ部22にて製品番重T1が位置決めされた後、昇降機構25によって第2搬送ローラ部22が上昇位置に移動される。これにより、上面視コ字状となる一時載置部4に外周が沿うように製品番重T1が配置される。
次いで、第1の移送部5によって製品番重T1から取り出された物品Wは、一時載置部4の受取部41に移送される。この移送は、製品番重T1で左右に並ぶ2つの物品W上に第1の保持部51が第1の移動機構52によって移動され、それら2つの物品Wが第1の保持部51で保持される。そして、第1の移動機構52によって第1の保持部51が受取部41の上方位置まで移動され、第1の保持部51で保持した物品Wが受取部41に載置される。このように、第1の移送部5における製品番重T1から受取部41への1回の動作によって、2つの物品Wを同時に移送することができる。
受取部41の上面に載置された物品Wは、受取部41の駆動によって延在方向となる左から右方向に移送される。なお、物品Wを受取部41に載置した後の第1の保持部51は、製品番重T1に再度移動され、その時点で製品番重T1に収容された物品Wを保持して待機される。このときの待機場所としては、製品番重T1の上方でもよいし、受取部41の上方としてもよい。
受取部41にて物品Wが右方向に移送されると、前方中継部44を経て移送コンベア43の後端側に物品Wが移送される。この移送では、前方中継部44の搬送コンベア44aによって右方向に移送された物品Wが、ストッパ44bによって停止されてから押込部44dによって前方に押し込まれる。このとき、搬送コンベア44a、押込部44d、受取部41及び移送コンベア43の駆動は不図示の制御手段によって所定制御され、移送コンベア43に移送される物品Wの前後間隔が均一化される。
移送コンベア43に移送される物品Wは、その移送過程にて段積部46によって上下方向に複数段(本実施の形態では3段)に重ねられる。以下、段積部46での物品Wの段積み方法について、図4を参照して説明する。図4A~図4Gは、段積部による段積方法の流れを示す説明図である。ここで、移送コンベア43は物品Wの前後間隔に応じて間欠駆動され、間欠駆動の停止時において、順次移送される物品Wと段積部46との相対位置が一定に保たれる。
図4Aに示すように、段積部46に物品Wが移送される前は、上方の支持突部46bがベルト部材46aにおける鉛直部分の最も低い位置若しくはその近傍位置に配置される。この状態から、移送コンベア43の間欠駆動によって、図4Bに示すように、1番目の物品Wが左右のベルト部材46aの間に配置される。このとき、物品Wのつば部Wcから下方に離れて左右の支持突部46bが位置する。
図4Bの状態からベルト部材46aが回動され、図4Cに示すように、左右の支持突部46bが上昇される。これにより、左右の支持突部46bでつば部Wcを下方から支えて物品Wを上昇させることができる。このときの上昇量は、一のベルト部材46aに設けられた2つの支持突部46bの間隔と同一に設定される。従って、上昇後における下方の支持突部46bの高さ位置が、図4Bの上方の支持突部46bの高さ位置と同じとされ、下方の支持突部46bは物品Wを上昇させる待機状態とされる。
この状態から、移送コンベア43の間欠駆動によって、図4Dに示すように、2番目の物品Wが左右のベルト部材46aの間であって1番目の物品Wの下方位置に配置される。ここで、ベルト部材46aの延在方向に並ぶ2つの支持突部46bの間隔は、物品Wの高さ寸法より所定寸法大きく形成されるので、1番目の物品Wと2番目の物品Wとの接触が回避される。
図4Dの状態からベルト部材46aが回動されると、図4Eに示すように、左右の支持突部46bの上昇によって、2つの物品Wが支持突部46bを介して上昇して支持される。このときの上昇量も、図4Bから図4Cの状態にした際の上昇量と同一に設定される。この状態から、図4Fに示すように、移送コンベア43の間欠駆動で3番目の物品Wが2番目の物品Wの下方位置に配置される。
図4Fの状態とされた後、支持突部46bが下降する方向にベルト部材46aが回動されると、図4Gに示すように、支持突部46bで上昇された2つの物品Wがそれぞれの直下の物品Wに載置される。これにより、移送コンベア43上にて、3つの物品Wが上下方向に重ねられて段積みされる。このとき、支持突部46bはつば部Wcから離れて物品Wと非接触とされ、移送コンベア43の駆動によって段積み状態の3つの物品Wが段積部46から前方に移送される。
図1及び図2に戻り、段積み状態の物品Wが移送コンベア43にて前方に移送されると、後方中継部45を経て受渡部42の右端側に物品Wが移送される。この移送では、後方中継部45の搬送コンベア45aによって前方に移送された段積み状態の物品Wが、ストッパ45bによって停止されてから押込部45dによって左方向に押し込まれる。
受渡部42に移送された段積み状態の物品Wは、受渡部42の駆動によって延在方向となる右から左方向に移送され、出荷番重T2への収容位置に対応する左右位置にて移送が停止される。そして、第2の移送部6によって受渡部42から出荷番重T2に物品Wが段積みした状態のまま移送される。
この移送は、受渡部42上における段積み状態の物品Wに対し、一対のハンド部61bを差し込むように第2の保持部61が第2の移動機構62によって移動される。その後、支持部61cを水平となる突出位置としてから第2の保持部61を上昇することで、段積み状態の物品Wのうち一番下の物品Wのつば部Wcに支持部61cが接触された状態で下方から保持される。そして、第2の移動機構62によって第2の保持部61が前方及び下方に移動され、第2の保持部61で保持した段積み状態の物品Wが出荷番重T2に載置される。載置後、支持部61cを突出位置から退避位置とし、第2の移動機構62によって第2の保持部61が上昇され、次に受渡部42から出荷番重T2に物品Wを移送する待機状態とされる。
ここで、第2の保持部61で物品Wを保持してから出荷番重T2に載置される前に、左右用単軸ロボット62cを駆動して第2の保持部61を左右方向に移動したり、回転装置62aを駆動して第2の保持部61を上下方向に延びる軸回りに回転したりしてもよい。このように移動や回転することで、出荷番重T2に収容される物品Wの位置及び向きを調整でき、収容される物品Wの複数のレイアウトに容易に対応することができる。
第2の移送部6による移送中或いは移送後、受取部41、移送コンベア43及び受渡部42での物品Wの移送及び段積みが再開され、出荷番重T2に移送する物品Wを補充するよう受渡部42に物品Wが追加して載置される。そして、製品番重T1の物品W全てがなくなっても、一時載置部4の受取部41、移送コンベア43及び受渡部42には複数の物品Wが載置されてストックされた状態となる。
製品番重T1の物品Wがなくなると、昇降機構25が駆動されて第2搬送ローラ部22が下降位置に移動され、空の製品番重T1も下降される。次いで、空になった製品番重T1が第3搬送ローラ部23を経て第4搬送ローラ部24に移送され、第4搬送ローラ部24にて回収機構や装置外部に移動される。
ここで、昇降機構25によって下降した空の製品番重T1の後方位置となる第1搬送ローラ部21の上には物品Wを収容した新たな製品番重T1が待機している。よって、空になった製品番重T1を前方に移動すると同時に、新たな製品番重T1を前方に移動して第2搬送ローラ部22上に載置させる。そして、第2搬送ローラ部22上に載置された新たな製品番重T1は昇降機構25によって上昇され、空の製品番重T1から物品Wを収容した新たな製品番重T1への交換が完了する。従って、新たな製品番重T1から、上述のように一時載置部4や各移送部5、6を介して物品Wを移送可能となる。
上記のように製品番重T1を交換する前、一時載置部4には物品Wが載置されている。従って、製品番重T1を交換している間に、物品Wを出荷番重T2に移送することができる。具体的には、受取部41及び移送コンベア43に載置された物品Wを順次移送し段積部46で段積みしつつ、第2の移送部6で受渡部42から出荷番重T2に所定数量の物品Wを複数回に亘って移送することができる。その結果、製品番重T1の交換によって出荷番重T2への物品Wの搬送が中断する時間を短縮あるいはなくすことができ、製品番重T1を交換する時間に起因して物品Wの搬送時間が長くなることを回避することができる。
上記実施の形態によれば、一時載置部4の移送過程にて段積部46により物品Wを段積みでき、移送コンベア6で段積みしたままの物品Wを出荷番重T2に移送することができる。これにより、第2の移送部6による移送の回数や駆動量を少なくして該移送の省力化を図ることができる。また、第2の移送部6による移送で出荷番重T2にて物品Wを積み重ねなくてもよくなり、物品Wを載置する上下位置の制御等について簡略化することができる。
本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
上記実施の形態では、段積部46による上下方向への物品Wの段積み数を3段とした場合を説明したが、要求される出荷番重T2への収容状態や物品Wの形状等に応じ、2段や1段(段積みなし)としてもよい。また、段積部46において、ベルト部材46aにおける支持突部46bを増設し、4段以上となる複数の段積み数としてもよい。
また、第2の保持部61で保持する物品Wは、3つ以外の複数段積みした状態や、段積していない単一の状態であってもよい。
また、上記実施の形態では、2つの第1の保持部51の両方で物品Wを保持して移送する場合を説明したが、製品番重T1における物品Wの収容状態等に応じ、何れか一方だけで物品Wを保持してもよい。
また、上記実施の形態では、搬送する物品Wを食品用容器としたが、搬送装置1によって搬送及び段積みできる物品であれば、何ら限定されるものでない。例えば、上部を開放する容器やトレー、各種の電気機器、装置、それらの部品としたり、食品用容器以外の容器や箱、梱包体としたりしてもよい。
また、第1の容器及び第2の容器として番重T1、T2を用いた場合を説明したが、これに限られるものでなく、収容する物品等に応じて種々の容器を用いることができる。更に、直交二方向に整列する物品の個数は、任意とすることができる。
また、一時載置部4を配置する領域は、図示構成例に限られず、種々の変更が可能である。例えば、受取部41、受渡部42及び移送コンベア43全てを製品番重T1の前方に配置したり、後方に配置したりしてもよい。この場合には、一時載置部4を複数設置したり、上記実施の形態に対して増設したりしてもよい。
また、受取部41と受渡部42とを同一位置としてもよい。その場合、移送コンベア43は受取部41(受渡部42)から段積部46へ物品を移送し、段積部46で段積みされた物品Wを再度受取部41(受渡部42)に移送する。また、第1の移送部5と第2の移送部6とを別々の装置とした場合を説明したが、単一の装置に各移送部5、6の機能を持たせてもよい。