JP7293622B2 - 金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法 - Google Patents

金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法に関するものであり、特にその触媒としての使用により金属イオンが凝集した金属のクラスターや金属粒子を元の金属イオンに復元してゼオライトの酸点へ再分散する金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法に関するものである。
ゼオライト触媒は、触媒、担体、吸着材等として各種多様な分野に用いられている。そして、触媒としては、有機合成用触媒、排ガス触媒、炭化水素の分解、異性化反応、芳香族化反応、水素化分解反応、アルキル化反応、合成ガスの転化反応等の分野に展開されている。
そして、これらゼオライト触媒における課題の第一は、反応中にゼオライト触媒上に炭素質が蓄積して活性が低下してしまう、いわゆるコーキングである。このコーキングによる活性低下を回復するため工業的には炭素質を燃焼除去する、再生工程を組み込み、反応と再生を交互に繰り返して実機運転を継続する。従ってコーキングによる活性低下は見かけ上活性は低下しているが、再生すれば可逆的に活性は戻るので、触媒性能が劣化しているわけではない。コーキング対策とは炭素質の蓄積を抑制して反応時間をできるだけ長くとり、再生時間を少なくする、あるいは一定期間内の再生の回数を減らすことを目的とする。
課題の第二は、使用又はコーキングによって活性低下したゼオライト触媒に蓄積したコークを燃焼除去する際、高温雰囲気下で発生する水分の存在により、ゼオライト格子内のアルミニウムが脱離して、活性低下を引き起こす。これは活性点の永久的な減少であり、不可逆的に進行するため、先に述べたコーキングのように活性が元に戻ることはなく、いわゆる触媒劣化である。
脱アルミニウムによる触媒劣化を防止する方法として金属イオンを添加する方法が知られている。例えば、特許文献1にはゼオライト触媒の水熱安定性改良のため、ゼオライトに1価の単原子の第1B族カチオン、好ましくは銀をゼオライト内に導入した触媒を用いて再生から次の再生の間の炭化水素転化反応の続行期間が6ヶ月を超えないことが開示されている。
また、特許文献2には耐再生劣化性と耐コーキング性に優れた高シリカゼオライト系触媒が提案されている。特許文献2によると、一次粒子の粒子径が0.3~3μm、シリカ/アルミナのモル比が20から200、ゼオライト系触媒をH型にしたときの全酸点に対する表面酸点の割合が0.03~0.15、水蒸気分圧が0.8atmで650℃、5時間水蒸気処理した後での昇温脱離法による500~900℃におけるピリジン脱離量が一定の範囲である高シリカゼオライト系触媒を用いることで、反応の間に触媒上に蓄積する炭素質の量を低減し、かつ酸素含有イナートガスで燃焼除去する際に起こるような水分の存在する高温雰囲気下での脱アルミニウムによる触媒劣化を抑えることができると記載されている。
特許文献3にはコーキングによる活性低下の抑制と再生時の触媒劣化を抑制するゼオライト含有成型体触媒が提案されている。特許文献3によると、一次粒子径が0.02~0.25μm、銀を陽イオンの状態で含有し、亜鉛元素を含有する細孔径5~6.5オングストロームの中間細孔径ゼオライトからなるゼオライト含有成型体触媒を用いることで従来技術よりも簡便なる方法でコーキングによる活性低下抑制と再生時の触媒劣化抑制することができると記載されている。
また、金属陽イオンの安定化方法として特許文献4には、金属クラスターを生成するのに要する期間より短い期間還元性化学転化雰囲気中に保ち、触媒中の金属陽イオン部位の分布を復元し維持する条件下で、酸化雰囲気中で触媒を再生することが提案されている。金属陽イオンは還元性化学転化雰囲気下では原子価がゼロより多くない1個の原子状態に還元されるが、さらに金属が触媒として有効表面上で凝集して金属クラスターやさらに大きな金属粒子に成長するのに十分なほど還元性雰囲気に保たれると、その後の酸化性雰囲気に暴露することによって金属陽イオン状態に復元することが難しくなる。金属クラスターや金属粒子が生成すると、金属陽イオンが去った分だけプロトン酸点が生成する。このプロトン酸点は金属陽イオンが存在する酸点より水熱安定性が低いため脱アルミニウムが抑制できなくなる。
従って原子価がゼロより多くない1個の原子状態で存在し、酸化性雰囲気に暴露することで可逆的に金属陽イオンが復元できる程度の期間で還元性化学転化雰囲気から酸化雰囲気に切り換えることで活性を維持することができる。特許文献4によると、その反応時間は1秒またはそれ以上の秒数の期間であるか、あるいは1秒未満であると記載されている。
特開昭59-117584号公報 特開平10-52646号公報 特許5179882号 特公昭62-4175号
しかし、特許文献1の提案は、水熱安定性改良のため金属イオンを導入することで有るが、導入した金属は還元雰囲気中で凝集して金属のクラスターや金属粒子を形成することが知られている。特許文献2の方法は、特定の性質を有するゼオライトを用いて、反応の間に触媒上に蓄積する炭素質の量を低減し、かつ酸素含有イナートガスで燃焼除去する際に起きるような水分の存在する高温雰囲気下での脱アルミニウムによる触媒劣化を抑えるためのゼオライト触媒を提供するものである。特許文献3には、コーキングによる活性低下の抑制と再生時の触媒劣化を抑制するゼオライト含有成型体触媒が提案されている。しかし、特許文献1~3のいずれにも使用又は還元雰囲気中で凝集した金属のクラスターや金属粒子を元の金属イオンに復元して酸点へ再分散させる方法についての提案はなされていない。
特許文献4の提案は、金属の陽イオンを金属のクラスターや金属粒子に変化する前に反応を終了させ、再生を行う方法であるが、その反応時間は1秒またはそれ以上の秒数の期間であるか、あるいは1秒未満と短く、実用的では無い上に、金属の分散性を維持して酸点を維持する方法を開示しているに過ぎず、凝集した金属のクラスターや金属粒子になってしまった後に、陽イオンを復元して酸点へ再分散する方法は全く提案されていない。
以上のように、特許文献1~4に提案の再生は蓄積したコークの燃焼除去を目的にしており、反応によって凝集してしまった金属クラスターや金属粒子を元の金属イオンに復元してゼオライトの酸点へ再分散するための条件は全く考慮されてこなかった。そして、コーキングによって活性低下したゼオライト触媒は通常反応によって凝集した金属のクラスターや金属粒子が生成している。そのため、凝集した金属クラスターや金属粒子が生成した分だけ金属イオンが消失してプロトン酸点が生成する。このプロトン酸点は金属陽イオンが存在する酸点より水熱安定性が低いため脱アルミニウムが抑制できなくなる。
そこで、金属イオン担持ゼオライトの触媒としての使用によって凝集した金属のクラスターや金属粒子を元の金属イオンに復元してゼオライトの酸点へ再分散することで脱アルミニウムを抑えて触媒劣化を抑制する金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法が求められている。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、触媒としての使用によって性能が低下した金属イオン担持ゼオライトを特定の条件下で処理することにより、反応によって凝集した金属のクラスターや金属粒子を元の金属イオンに復元して酸点へ再分散することで金属イオン担持ゼオライトを触媒として再生することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、使用後の金属イオン担持ゼオライト触媒を、酸素含有量4~25%、480~650℃のガスと接触することを特徴とする金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法に関するものである。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法は、触媒としての一定期間の使用により金属イオンが凝集した金属のクラスターや金属粒子を元の金属イオンに復元して酸点へ再分散する金属イオン担持ゼオライト触媒の再生に関するものであり、酸素含有量4~25%、480~650℃のガスと接触し、金属イオンの再分散を行うことにより金属イオン担持ゼオライト触媒の再生を行うものである。
(金属イオン担持ゼオライト触媒)
本発明における金属イオン担持ゼオライト触媒とは、有機合成用触媒、排ガス触媒、炭化水素の分解触媒、異性化反応触媒、芳香族化反応触媒、水素化分解反応触媒、アルキル化反応触媒、合成ガスの転化反応触媒として用いられるゼオライトに金属イオンを担持した一般的な金属イオン担持ゼオライトであり、本発明の金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法は、その中でもコーク等の副生不純物の付着が著しく、その付着による性能低下が課題とされる有機合成用触媒、特に低級炭化水素から芳香族化合物を製造する際の芳香族化合物製造用触媒として用いられる金属イオン担持ゼオライトの触媒としての再生方法として適したものとなる。その際の金属イオンの担持方法としては、例えば含浸担持、イオン交換、骨格置換等の方法を挙げることができる。
そして、芳香族化合物製造用触媒として用いられる金属イオン担持ゼオライトとしては、ゼオライトとして、下記(i)~(iv)の特性を有し、金属イオンを0.05~5wt%担持するものであることが好ましい。また、金属イオンとしては、特に制限はなく、中でも安定した再生が可能となることから、亜鉛イオン、銅イオン、銀イオン、パラジウムイオン、白金イオン、ロジウムイオン、イリジウムイオン、ルテニウムイオン等の金属イオン、特に銀イオンであることが好ましい。
(i)平均粒子径(以下PDと略す)がPD≦100nmである。
(ii)骨格構造が10員環構造である。
(iii)表面に酸点が存在しない。
(iv)酸量が0.05~0.85mmol/gであり、特に0.1~0.65mmol/gであることが好ましい。
なお、(i)におけるPDは、例えばゼオライトの外表面積から以下の式(1)を用いて算出して求めることができる。
PD=6/S(1/2.29×10+0.18×10-6) (1)
(ここで、Sは外表面積(m/g)を示すものである。)
また、式(1)における外表面積(S(m/g))は、液体窒素温度における一般的な窒素吸着法を用い、t-plot法から求めることができる。例えば、tを吸着量の厚みとするときに、tについて0.6~1nmの範囲の測定点を直線近似し、得られた回帰直線の傾きからゼオライトの外表面積を求めるものである。
また、(ii)骨格構造が10員環構造を有する、ゼオライトとしては、例えばAEL、EUO、FER、HEU、MEU、MEL、MFI、NES型などのゼオライトを挙げることができ、中でも低級炭化水素の転化反応・異性化反応に適したものとなることからMFI、FER、MEL型ゼオライトが好ましく、特にMFI型ゼオライトであることが好ましい。
また、(iii)表面に酸点を有さない、については、ゼオライトの表面酸点とは、その言葉の意味する通り、ゼオライトの表面に存在する酸点を示すものである。通常、ゼオライトは、その表面及び(ミクロ)細孔内に酸点を有するものであり、表面に酸点を有さないとは、(ミクロ)細孔内のみに酸点を有するものと言えるものである。そして、ゼオライトとしての調製・入手が容易であることから、表面をシリケート、ジアルキルアミン試薬等により被覆されていない未修飾表面を有するゼオライトであることが好ましい。
そして、ゼオライトの表面の酸点(表面に酸点が存在しないこと)の確認としては、その確認を行うことが可能であれば如何なる方法をも用いることが可能であり、例えば酸点に対する吸着性を有する2,4-ジメチルキノリンの吸着により確認することが可能である(Characterization of acid sites on the external surface of zeolites,Reaction Kinetics and Catalysis Letters,vol.67,p.281(1999)参照。)。2,4-ジメチルキノリンは、ゼオライト表面(細孔内表面を含む)に存在する酸点(-OH)と吸着性質を有しているが、ゼオライトの(ミクロ)細孔径が2,4-ジメチルキノリン分子より小さい場合、(ミクロ)細孔内に侵入することができず、(ミクロ)細孔内の酸点と吸着することは出来ない。つまり、ゼオライト表面の酸点のみと吸着するものとなる。よって、ゼオライトの表面に存在する酸点(-OH)への2,4-ジメチルキノリンの吸着が観測されない場合には、ゼオライトの表面に酸点が存在しないと判断することができる。
より具体的な方法としては、ゼオライトの前処理として400℃で2時間の脱気・脱水処理を行ったゼオライトの150℃における赤外吸収スペクトル測定を行う。そして、脱気・脱水処理を行ったゼオライトに2,4-ジメチルキノリンガスを導入して10分間吸着させ、150℃での排気により余剰2,4-ジメチルキノリンを除き、2,4-ジメチルキノリン吸着ゼオライトの調製を行い150℃における赤外吸収スペクトル測定を行う。つまり、2,4-ジメチルキノリン吸着前後の赤外吸収の差スペクトルにおいて、3600~3650cm-1の範囲で赤外線吸収の差(減少)が確認できない場合に表面に酸点が存在しないと判断することができる。なお、2,4-ジメチルキノリンはゼオライト表面のシラノール部位にも吸着するが、シラノールのO-H伸縮振動に由来する吸収は、3700~3800cm-1に観測される。一方、ゼオライト表面の酸点のO-H伸縮振動に由来する吸収は、3600~3650cm-1に観測され、2,4-ジメチルキノリンを吸着して酸点のO-H伸縮振動に由来する吸収3600~3650cm-1の範囲に赤外吸収スペクトルの減少がみられることは、2,4-ジメチルキノリンがゼオライトの表面酸点に吸着したことを示す。
(iv)酸量が0.05~0.85mmol/gであり、特に0.1~0.65mmol/gのものであることが好ましい、については、酸量がこれら範囲にあることにより、低級炭化水素の芳香族化反応の活性が高いものとなる。なお、ゼオライトにおける酸量とは、(iii)表面に酸点を有さない、ものであることから、基本的には(ミクロ)細孔内における酸点の酸量となるものであり、酸量の測定としては、一般的に酸量の測定方法として知られている方法を用い測定することが可能であり、例えばアンモニア-TPD法(アンモニア昇温脱離法による固体酸性質測定,触媒,vol.42,p.218(2000)参照。)に準じた方法により測定することができる。具体的には、室温でゼオライトにアンモニアを飽和吸着させ、100℃に加熱して測定雰囲気中に残存するアンモニアの除去を行った後、昇温速度10℃/分で700℃までの昇温過程で測定されるアンモニアのピークの内、強酸点を示す高温側で脱離するアンモニア量をもって固体酸量とする方法を挙げることができる。
(金属イオン担持ゼオライト触媒の触媒性能低下)
金属イオン担持ゼオライトは、有機合成用触媒、排ガス触媒、炭化水素の分解触媒、異性化反応触媒、芳香族化反応触媒、水素化分解反応触媒、アルキル化反応触媒、合成ガスの転化反応触媒等の触媒として用いることにより、その触媒性能が低下し、本発明の再生方法により触媒として再生を行い、金属イオンが復元し酸点へ再分散したものとなる。
以下に、触媒性能低下の例示として、上記記述の金属イオン担持ゼオライトを芳香族化合物製造用触媒とした低級炭化水素の接触による芳香族化合物の製造例を示す。金属イオン担持ゼオライトは、反応よって金属イオンが凝集し金属のクラスターや金属粒子を形成し、その触媒としての性能が低下するものである。
低級炭化水素としては、例えば炭素数2~6の脂肪族炭化水素及び/又は脂環族炭化水素を挙げることができ、具体的にはエタン、エチレン、プロパン、プロピレン、シクロプロパン、n-ブタン、イソブタン、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、ブタジエン、シクロブテン、シクロブタン、n-ペンタン、1-ペンタン、2-ペンタン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-ペンテン、n-ヘキサン、1-ヘキサン、2-ヘキサン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-ヘキセン、ヘキサジエン、シクロヘキサン及びそれらの混合物等を挙げることができ、更には、石油類、例えばナフサの分解留分により得られる炭素数4の炭化水素蒸留混合物であるC4留分、炭素数5の炭化水素蒸留混合物であるC5留分、炭素数6の炭化水素蒸留混合物であるC6留分等をも挙げることができる。
芳香族化合物とする際の反応温度は特に限定されるものではなく、芳香族化合物の製造が可能であればよく、中でも、オレフィン又はアルカンの生成を抑制し、必要以上の耐熱反応装置を要しない芳香族化合物の効率的な反応となることから400~800℃の範囲が望ましい。また、反応圧力にも制限はなく、例えば0.05MPa~5MPa程度の圧力範囲で運転が可能である。そして、芳香族化合物製造用触媒に対する反応原料である炭素数2~6の脂肪族炭化水素及び/又は脂環族炭化水素の供給は、触媒体積に対し原料ガスの体積の比として特に制限されるものではなく、例えば1h-1~50000h-1程度の空間速度を挙げることができる。炭素数2~6の脂肪族炭化水素及び/又は脂環族炭化水素を原料ガスとして供給する際には、該炭素数2~6の脂肪族炭化水素及び/又は脂環族炭化水素の単一ガス、混合ガス、およびこれらを窒素等の不活性ガス、水素、一酸化炭素、二酸化炭素から選ばれる単一または混合ガスにより希釈したものとして用いることもできる。
その反応形式として制限はなく、例えば固定床、輸送床、流動床、移動床、多管式反応器のみならず連続流式および間欠流式反応器、等を用いることができる。
また、製造される芳香族化合物としては、芳香族化合物と称される範疇に属するものであれば特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン等を挙げることができ、特に、ベンゼン、トルエン、キシレンであることが好ましい。
(金属イオン担持ゼオライト触媒の再生)
本発明の金属イオン担持ゼオライトの触媒としての再生方法は、上記に例示した芳香族化合物の製造等により触媒として、一定期間使用したことにより金属イオンが凝集した金属のクラスターや金属粒子を形成した触媒を元の金属イオンに復元して酸点へ再分散する金属イオン担持ゼオライト触媒の再生に関するものであり、酸素含有量4~25%、480~650℃のガスに接触することにより、効率的に凝集した金属のクラスターや金属粒子を元の金属イオンに復元して酸点へ再分散することが可能となり、脱アルミニウムを抑えて触媒劣化を抑制する金属イオンの効果を回復することができる。この際のガスの酸素含有量が4%未満である場合、又は480℃未満である場合、元の金属イオンに復元して酸点へ再分散する効率が悪く、あるいは金属イオンの効果を回復することが困難となる。また、ガスの酸素含有量が25%を越える場合、または650℃を越える場合、ゼオライト自体の劣化が発生し、触媒性能を回復することが困難となる。
該ガスとしては、酸素含有量が4~25%であるもののうち、例えば空気又は酸素に窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム等の不活性ガスを混合して調製したものが使用可能である。その際に、水蒸気による調製も可能ではあるが、場合によっては、ゼオライトの比表面積低下や酸点の減少を引き起こし、触媒活性や触媒寿命に悪影響を与える場合がある。
また、再生の際のガスの供給量は、触媒に含有する金属イオンの再生が可能となる量であればよく、再生ガスによって供給した酸素量/金属イオン担持ゼオライト触媒中の金属イオンの含有量のモル比として50以上でよく、上限は特に制限はないが再生効率、あるいは触媒に含まれるゼオライト自体の劣化抑制効果があることから10000以下の条件で供給することが好ましく、特に2000以下が好ましい。また、再生時間としては、3~10時間であることが好ましい。
本発明の金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法は、芳香族化合物の製造工程等から性能が低下した触媒を取り出し、別途再生工程として適用することが可能である。また、製造工程の一部として適用することも可能である。
本発明は、反応、使用、製造等によって触媒として、一定期間反応に使用した金属イオン担持ゼオライト触媒の反応によって凝集した金属のクラスターや金属粒子を元の金属イオンに復元して酸点へ再分散することで脱アルミニウムを抑えて触媒劣化を抑制する金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法を提供するものであり、工業的にも非常に有用なものである。
以下、本発明の具体的例示を実施例として説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
~ゼオライトの外表面積の測定~
ゼオライトの外表面積は、窒素吸着測定により測定した。
窒素吸着測定としては、窒素吸着装置((商品名)Belsorp-max,マイクロトラック・ベル社製)を用い、吸脱着とも40torr/stepの条件で測定した。外表面積は、t-plot法により、吸着層の厚み(t=0.6~1.0nm)の範囲を直線近似して求めた。
~平均粒子径の測定~
ゼオライトの外表面積から前記式(1)を用いて平均粒子径を算出した。式(1)中、Sは外表面積(m/g)であり、PDは平均粒子径(m)である。
~SiO/Al比、金属含有量の測定~
ゼオライトのSiO/Alモル比、および金属含有量は、ゼオライトをフッ酸と硝酸の混合水溶液で溶解し、これを一般的なICP装置((商品名)OPTIMA3300DV,PerkinElmer社製)による誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)で測定し、求めた。
~2,4-ジメチルキノリン吸着赤外吸収分光測定~
赤外吸収分光の測定は一般的なFT-IR測定装置((商品名)Varian 660-IR,アジレント・テクノロジー株式会社製)に真空下でのIR測定装置用部品((商品名)マルチモードセル,エス・ティ・ジャパン社製)を組み合わせて用いた。試料はディスク成型した後、セルに入れ、真空排気下、10℃/分で400℃まで昇温し、2時間保持した。150℃に冷却後、2,4-ジメチルキノリン吸着前の赤外吸収スペクトルを測定した。2,4-ジメチルキノリンガスを導入し、10分間吸着させ、150℃で1時間真空排気した後、2,4-ジメチルキノリン吸着後の赤外吸収スペクトルを測定した。2,4-ジメチルキノリン吸着後の赤外吸収スペクトルと吸着前のスペクトルの差をとり、吸着による赤外吸収の変化を測定した。
~酸量の測定方法~
酸量の測定は一般的なNH-TPD装置((商品名)BELCATII、マイクロトラック・ベル株式会社製)とガス分析装置((商品名)BELMass、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いた。試料は顆粒状にしたのち、セルに入れ、ヘリウム雰囲気下で10℃/分で500℃まで昇温し、1時間保持した。その後100℃まで降温し、0.2%アンモニアガスを30分間導入した。10℃/分で600℃まで昇温し、脱離するアンモニアをガス分析装置で分析した。弱酸由来の脱離量を除いた残りの脱離量から試料の酸量を算出した。
~金属(銀)イオンの測定方法~
金属(銀)イオンの測定はUV-Vis装置(日本分光株式会社製、(商品名)V-770)を用いた。試料は粉末状にしてセルに入れて室温で測定した。測定範囲は190~700nm、スリット幅は5nmである。
金属(銀)イオン、凝集した金属(銀)クラスターおよび金属(銀)粒子のそれぞれの吸収範囲は190~240nm、240~350nm、350~500nmで、ピーク面積比より各存在率を算出した。
~芳香族化合物製造装置及びその製造方法~
反応装置はステンレス製反応管(内径16mm、長さ300mm)による固定床気相流通式反応装置を用いた。ステンレス製反応管のそれぞれの中段に、芳香族化合物製造用触媒を充填し、乾燥空気流通下での加熱前処理を行ったのち、原料ガスをフィードした。なお、反応器の装置条件および運転条件は、本実施例記載の条件に限定されるものではなく、適宜選択可能である。そして、加熱はセラミック製管状炉を用い、触媒層(反応場)の温度を制御した。反応出口ガスおよび反応液を採取し、ガスクロマトグラフを用い、ガス成分および液成分を個別に分析した。ガス成分は、TCD検出器を備えたガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC-1700)を用いて分析した。充填剤は、Waters社製PorapakQ(商品名)またはGLサイエンス社製MS-5A(商品名)を用いた。液成分は、FID検出器を備えたガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC-2015)を用いて分析した。分離カラムは、キャピラリーカラム(GLサイエンス社製、(商品名)TC-1)を用いた。
調製例1
テトラプロピルアンモニウム(以降、TPAと略記する場合がある。)水酸化物と水酸化ナトリウムの水溶液に不定形アルミノシリケートゲルを添加して懸濁させた。得られた懸濁液にMFI型ゼオライトを種晶として加え原料組成物とした。その際の種晶の添加量は、原料組成物中のAlとSiOの重量に対して、0.7%とした。また、副生したエタノールは蒸発させて除いた。
該原料組成物の組成は以下のとおりである。
SiO/Alモル比=48、TPA/Siモル比=0.05、Na/Siモル比=0.16、OH/Siモル比=0.21、HO/Siモル比=10
得られた原料組成物をステンレス製オートクレーブに密閉し、115℃で攪拌しながら4日間結晶化させ、スラリー状混合液を得た。結晶化後のスラリー状混合液を遠心沈降機で固液分離した後、十分量の純水で固体粒子を洗浄し、110℃で乾燥して乾燥粉末を得た。
得られた乾燥粉末を1mol/lの塩酸中に分散し、ろ過、乾燥させた。空気下、550℃で1時間焼成後、600℃、80%の水蒸気で2時間処理した。
得られた粉末を1mol/lの塩酸中に分散し、ろ過、乾燥させ、MFI型ゼオライトを得た。
得られたMFI型ゼオライトは、10員環骨格構造を有し、平均粒子径40nm、SiO/Alモル比は68、酸量は0.23mmol/gであった。
得られたMFI型ゼオライトに2,4-ジメチルキノリンを吸着させた前後の赤外吸収の差スペクトルを比べると、3605cm-1のゼオライト酸点のOHに由来するピークは減少せず、3700~3800cm-1のシラノールのOHに由来するピークが大幅に減少していた。したがって、2,4-ジメチルキノリンはゼオライト表面のシラノールのみに吸着しており、ゼオライトの表面には酸点が存在しないことを確認した。
得られたMFI型ゼオライト100重量部に対して、シリカ(日産化学工業社製、(商品名)スノーテックスN-30G)43重量部、セルロース4重量部、純水21重量部を加え混練した。そして、混練物を直径1.5mm、長さ1.0~7.0mm(平均長さ3.5mm)の円柱状の成形体とした。これを100℃で1晩乾燥した。
得られたMFI型ゼオライト成形体27gを、内径9.5mmの硼珪酸ガラス管に充填した。充填長さは70cmであった。別途、硝酸銀4.08gを純水200mlに溶解させ0.12mol/lの硝酸銀水溶液を調製した。耐薬品性ポリオレフィンホースを用いて循環ポンプとガラス管下部を接続し、暗所にて硝酸銀水溶液を2時間循環させた。このときの流通線速度は27cm/minであった。硝酸銀水溶液をすべて抜き出した後、同じ流通線速度で純水150mlを30分間循環したのち、洗浄液をすべて抜き出してpHを測定した。その後、pHが6~7.5の範囲に収まるまで繰り返し洗浄を行った。洗浄後、ゼオライトをガラス管の上部から下部までを4等分に分割して磁性皿に採取し、10℃/minの昇温速度で110℃まで昇温し一晩乾燥させた。続けて1℃/minの昇温速度で550℃まで昇温し、6時間乾燥させた。4等分の内、最上部の銀イオン交換率は80.4%、最下部の銀イオン交換率は81.1%だった。よって上部と下部の銀イオン交換率の差は0.7%であり、均一な銀イオン交換が達成された。
得られた銀イオン担持MFI型ゼオライト成形体の銀イオン含有量は1.1wt%であった。10員環骨格構造を有し、平均粒子径40nm、SiO/Alモル比は68、表面に酸点は存在せず、酸量は0.20mmol/gであった。
得られた銀イオン担持MFI型ゼオライトの銀イオン、凝集した銀クラスターおよび銀粒子の存在率は各々67%、28%、5%であった。
調製例2(芳香族化合物の製造)
調製例1により得られた銀イオン担持ゼオライトを芳香族化合物製造用触媒とし、上記した芳香族化合物製造装置に充填し、原料である脂肪族炭化水素として1-ブテンを用い、下記条件にて芳香族化合物の製造を行った。その際に用いた芳香族化合物製造用触媒はコークの堆積が見られ、性能が低下したものであった。
反応(触媒)温度:600℃。
流通ガス:1-ブテンガス40ml/分+窒素50ml/分の混合ガス。
触媒体積に対する1-ブテンガスの体積の比:320/時間。
触媒重量:3.75g。
反応圧力:0.1MPa。
反応時間:48時間。
実施例1
調製例2により使用した芳香族化合物製造用触媒0.2gを下記の再生条件にて、凝集した銀のクラスターや銀粒子を銀イオンに復元して酸点へ再分散を行った。
再生条件:450℃から600℃まで4時間かけて昇温した。この時、空気を2.1ml/分で供給した。その後、温度を600℃で維持して40分さらに継続した。供給した酸素濃度は21%であり、この間に供給した再生ガス中の酸素量/芳香族化合物製造用触媒中の銀の含有量のモル比は250であった。
得られた再生芳香族化合物製造用触媒の銀イオン、凝集した銀クラスターおよび銀粒子の存在率は各々75%、25%、0%であり、銀イオン担持ゼオライトは、触媒として再生完了したものであった。
実施例2
調製例2により使用した芳香族化合物製造用触媒0.2gを下記の再生条件にて、凝集した銀のクラスターや銀粒子を元の銀イオンに復元して酸点へ再分散を行った。
再生条件:450℃から600℃まで4時間かけて昇温した。この時、空気を2.1ml/分、ヘリウムを2ml/分で供給した。その後、温度を600℃で維持して40分さらに継続した。供給した酸素濃度は11%であり、この間に供給した再生ガス中の酸素量/芳香族化合物製造用触媒中の銀の含有量のモル比は250であった。
得られた再生芳香族化合物製造用触媒の銀イオン、凝集した銀クラスターおよび銀粒子の存在率は各々69%、29%、2%であり、銀イオン担持ゼオライトは、触媒として再生完了したものであった。
実施例3
調製例2により使用した芳香族化合物製造用触媒0.2gを下記の再生条件にて、凝集した銀のクラスターや銀粒子を元の銀イオンに復元して酸点へ再分散を行った。
再生条件:450℃から600℃まで4時間かけて昇温した。この時、空気を6.3ml/分、ヘリウムを24ml/分で供給した。その後、温度を600℃で維持して1時間さらに継続した。供給した酸素濃度は4.4%であり、この間に供給した再生ガス中の酸素量/芳香族化合物製造用触媒中の銀の含有量のモル比は800であった。
得られた再生芳香族化合物製造用触媒の銀イオン、凝集した銀クラスターおよび銀粒子の存在率は各々61%、32%、7%であり、銀イオン担持ゼオライトは、触媒として再生完了したものであった。
比較例1
調製例2により使用した芳香族化合物製造用触媒0.2gを下記の再生条件にて、凝集した銀のクラスターや銀粒子を元の銀イオンに復元して酸点へ再分散を試みた。
再生条件:450℃から600℃まで4時間かけて昇温した。この時、空気を2.1ml/分、ヘリウムを15ml/分で供給した。その後、温度を600℃で維持して40分さらに継続した。供給した酸素濃度は2.6%であり、この間に供給した再生ガス中の酸素量/芳香族化合物製造用触媒中の銀の含有量のモル比は250であった。
得られた触媒の銀イオン、凝集した銀クラスターおよび銀粒子の存在率は各々47%、31%、22%であり、依然として凝集した銀クラスターおよび銀粒子が多く残っており、銀イオン担持ゼオライトは、触媒としての再生がなされていないものであった。
比較例2
調製例2により使用した芳香族化合物製造用触媒0.2gを下記の再生条件にて、凝集した銀のクラスターや銀粒子を元の銀イオンに復元して酸点へ再分散を試みた。
再生条件:450℃から600℃まで4時間かけて昇温した。この時、空気を2.1ml/分、ヘリウムを30ml/分で供給した。その後、温度を600℃で維持して40分さらに継続した。供給した酸素濃度は1.4%であり、この間に供給した再生ガス中の酸素量/芳香族化合物製造用触媒中の銀の含有量のモル比は250であった。
得られた触媒の銀イオン、凝集した銀クラスターおよび銀粒子の存在率は各々32%、37%、31%であり、依然として凝集した銀クラスターおよび銀粒子が多く残っており、銀イオン担持ゼオライトは、触媒としての再生がなされていないものであった。
比較例3
調製例2により使用した芳香族化合物製造用触媒0.2gを下記の再生条件にて、凝集した銀のクラスターや銀粒子を元の銀イオンに復元して酸点へ再分散を試みた。
再生条件:450℃から600℃まで4時間かけて昇温した。この時、空気を2.1ml/分、ヘリウムを30ml/分で供給した。その後、温度を600℃で維持して1時間さらに継続した。供給した酸素濃度は1.4%であり、この間に供給した再生ガス中の酸素量/芳香族化合物製造用触媒中の銀の含有量のモル比は270であった。
得られた触媒の銀イオン、凝集した銀クラスターおよび銀粒子の存在率は各々46%、43%、11%であり、依然として凝集した銀クラスターおよび銀粒子が多く残っており、銀イオン担持ゼオライトは、触媒としての再生がなされていないものであった。
比較例4
調製例2により使用した芳香族化合物製造用触媒0.2gを下記の再生条件にて、凝集した銀のクラスターや銀粒子を元の銀イオンに復元して酸点へ再分散を試みた。
再生条件:450℃から600℃まで4時間かけて昇温した。この時、空気を2.1ml/分、ヘリウムを30ml/分で供給した。その後、温度を600℃で維持して2時間さらに継続した。供給した酸素濃度は1.4%であり、この間に供給した再生ガス中の酸素量/芳香族化合物製造用触媒中の銀の含有量のモル比は320であった。
得られた触媒の銀イオン、凝集した銀クラスターおよび銀粒子の存在率は各々43%、38%、19%であり、依然として凝集した銀クラスターおよび銀粒子が多く残っており、銀イオン担持ゼオライトは、触媒としての再生がなされていないものであった。
比較例5
調製例2により使用した芳香族化合物製造用触媒0.2gを下記の再生条件にて、凝集した銀のクラスターや銀粒子を元の銀イオンに復元して酸点へ再分散を試みた。
再生条件:450℃から600℃まで4時間かけて昇温した。この時、空気を2.1ml/分、ヘリウムを30ml/分で供給した。その後、温度を600℃で維持して3時間さらに継続した。供給した酸素濃度は1.4%であり、この間に供給した再生ガス中の酸素量/芳香族化合物製造用触媒中の銀の含有量のモル比は370であった。
得られた触媒の銀イオン、凝集した銀クラスターおよび銀粒子の存在率は各々46%、36%、18%であり、依然として凝集した銀クラスターおよび銀粒子が多く残っており、銀イオン担持ゼオライトは、触媒としての再生がなされていないものであった。
本発明は、反応、製造、使用等により一定期間使用した金属イオン担持ゼオライト触媒における凝集した金属のクラスターや金属粒子を元の金属イオンに復元して酸点へ再分散することで脱アルミニウムを抑えて触媒劣化を抑制する金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法を提供するものであり、工業的にも非常に有用なものである。

Claims (3)

  1. 金属イオンが銀イオンである使用後の金属イオン担持ゼオライト触媒を、酸素含有量4~25%、480~650℃のガスと接触時間3~10時間で接触し、ガスと接触する際の供給した酸素量/金属イオン担持ゼオライト触媒中の金属としての含有量のモル比が50~2000であり、金属イオンが凝集した金属のクラスター及び金属粒子を金属イオンへ復元する、ことを特徴とする金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法。
  2. 金属イオン担持ゼオライト触媒が、下記(i)~(iv)の特性を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法。
    (i)平均粒子径(PD)がPD≦100nmである。
    (ii)骨格構造が10員環構造である。
    (iii)表面に酸点が存在しない。
    (iv)酸量が0.05~0.85mmol/gである。
  3. 金属イオン担持ゼオライト触媒が、MFI型ゼオライト、MEL型ゼオライト及びFER型ゼオライトよりなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属イオン担持ゼオライト触媒の再生方法。
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