以下、実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下では、同一または相当する部分に同一の符号を付すものとし、重複する説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1~図6を用いて、実施の形態1に係る搬送装置100の構成を説明する。図1は、ワークWを挟み込んでいる状態における実施の形態1に係る搬送装置100の構成を概略的に示す側面図である。図2は、ワークW(図1参照)を挟み込んでいない状態における実施の形態1に係る搬送装置100の構成を概略的に示す側面図である。
図1に示されるように、搬送装置100は、ワークWを把持するための搬送装置100である。搬送装置100は、複数のワークWを一つずつ搬送するための搬送装置100である。複数のワークWは、例えば、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機などの廃家電である。複数のワークWの寸法および重量などは、互いに異なり得る。このため、複数のワークWの重心位置は、互いに異なり得る。搬送装置100は、例えば、リサイクルプラントで用いられている。
図1に示されるように、搬送装置100は、第1接触部1aと、第2接触部1bと、支持部2と、ロック装置3と、吊上装置4とを含んでいる。支持部2は、上下方向(Z軸方向)に移動可能に構成されている。第1接触部1aおよび第2接触部1bは、支持部2に支持されている。第1接触部1aおよび第2接触部1bは、上下方向(Z軸方向)に交差する開閉方向(X軸方向)に開閉可能に構成されている。本実施の形態において、開閉方向(X軸方向)は、上下方向(Z軸方向)に直交している。第1接触部1aおよび第2接触部1bは、開閉方向(X軸方向)に沿う回転軸CLを中心として回転可能に構成されている。第1接触部1aの回転軸CLは、第2接触部1bの回転軸CLと同じである。すなわち、第1接触部1aの回転軸CLは、第2接触部1bの回転軸CLと一直線上にある。吊上装置4は、第1接触部1a、第2接触部1b、支持部2、ロック装置3およびワークWを上下方向(Z軸方向)に移動させることができるように構成されている。
本実施の形態において、上下方向に沿った方向をZ軸方向とする。開閉方向に沿った方向をX軸方向とする。上下方向(Z軸方向)および開閉方向(X軸方向)に直交する方向をY軸方向とする。
図1に示されるように、第1接触部1aは、第2接触部1bとでワークWを挟み込むことによって、ワークWを把持できるように構成されている。本実施の形態において、搬送装置100がワークWを持ち上げている際にワークWに作用している力を把持力とする。把持力は、開閉方向(X軸方向)に作用している。搬送装置100がワークWを挟み込んでいる位置を把持位置とする。
図1に示されるように、支持部2は、第1先端部20aと、第2先端部20bと、可動方向制御プレート21とを含んでいる。第1先端部20aは、第1接触部1aを支持している。第2先端部20bは、第2接触部1bを支持している。可動方向制御プレート21には、第1先端部20aおよび第2先端部20bが接続されている。可動方向制御プレート21は、開閉方向(X軸方向)に延びている。第1先端部20aが可動方向制御プレート21に沿って開閉方向(X軸方向)に移動することによって、第1接触部1aが開閉方向(X軸方向)に移動するように構成されている。第2先端部20bが可動方向制御プレート21に沿って開閉方向(X軸方向)に移動することによって、第2接触部1bが開閉方向(X軸方向)に移動するように構成されている。第1接触部1aおよび第2接触部1bが開閉方向(X軸方向)に移動することによって、第1接触部1aが第2接触部1bとで開閉方向(X軸方向)にワークWを挟み込むことができる。
図1および図2に示されるように、ワークWが挟み込まれている状態での第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔は、ワークWが挟み込まれていない状態での第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔よりも小さい。
図3に示されるように、第1接触部1aは、第1フランジ部10aと、第1グリッパ11aと、複数の第1スパイク12aと、第1平面部1Paと、第1軸部14aとを含んでいる。第1接触部1aは、第1パッド13aを含んでいてもよい。第2接触部1bは、第2フランジ部10bと、第2グリッパ11bと、複数の第2スパイク12bと、第2平面部1Pbと、第2軸部14bとを含んでいる。第2接触部1bは、第2パッド13bを含んでいてもよい。
図3に示されるように、第1フランジ部10aは、支持部2に接続されている。第2フランジ部10bは、支持部2に接続されている。第1フランジ部10aおよび第2フランジ部10bは、円筒部TPと、鍔部SPとを含んでいる。本実施の形態において円筒部TPは中空であるが、円筒部TPは中実であってもよい。鍔部SPは、円筒部TPから径方向外側に突出している。第1フランジ部10aの鍔部SPは、図示されないネジによって、第1グリッパ11aに接続されている。第2フランジ部10bの鍔部SPは、図示されないネジによって、第2グリッパ11bに接続されている。
図3に示されるように、第1フランジ部10aは、第1軸部14aによって第1先端部20aに接続されている。第2フランジ部10bは、第2軸部14bによって第2先端部20bに接続されている。第1軸部14aおよび第2軸部14bは、例えば、開閉方向(X軸方向)を回転の軸とするベアリングまたは無給油ブッシュである。第1軸部14aおよび第2軸部14bは、ワークW(図1参照)の質量が負荷された際に変形しない程度の強度を有している。第1先端部20aには、第1軸部14aが挿入されている第1孔H1が設けられている。第2先端部20bには、第2軸部14bが挿入されている第2孔H2が設けられている。
図3に示されるように、支持部2は、第1ダンパー2Daと、第2ダンパー2Dbとを含んでいる。第1ダンパー2Daは、第1接触部1aに接続されている。第2ダンパー2Dbは、第2接触部1bに接続されている。第1ダンパー2Daは、第1孔H1に充填されている。第2ダンパー2Dbは、第2孔H2に充填されている。第1ダンパー2Daおよび第2ダンパー2Dbは、例えば、粘性流体である。第1ダンパー2Daは、第1接触部1aの回転を減衰させるように構成されている。第2ダンパー2Dbは、第2接触部1bの回転を減衰させるように構成されている。
図3に示されるように、第1グリッパ11aは、第1フランジ部10aに接続されている。第2グリッパ11bは、第2フランジ部10bに接続されている。第1グリッパ11aは、第2グリッパ11bと向かい合っている。第1グリッパ11aおよび第2グリッパ11bは、円盤形状を有している。
第1グリッパ11aおよび第2グリッパ11bは、第1面および第2面を含んでいる。第1面の直径は、第2面の直径よりも小さい。このため、第2面と第1面との間には傾斜が設けられている。第1グリッパ11aの第1面には、第1フランジ部10aに接続されるための図示されないネジ穴が設けられている。第2グリッパ11bの第1面には、第2フランジ部10bに接続されるための図示されないネジ穴が設けられている。第1グリッパ11aの第2面は、第2グリッパ11bの第2面に向かい合っている。
第1グリッパ11aおよび第2グリッパ11bは、把持力が作用した際に変形しない程度の強度を有している。第1グリッパ11aおよび第2グリッパ11bの材料および厚みは、把持力が作用した際に第1グリッパ11aおよび第2グリッパ11bが変形しないように、適宜に選択されてもよい。
図3に示されるように、複数の第1スパイク12aは、第1グリッパ11aに取り付けられている。具体的には、複数の第1スパイク12aは、第1グリッパ11aの第2面に取り付けられている。複数の第2スパイク12bは、第2グリッパ11bに取り付けられている。具体的には、複数の第2スパイク12bは、第2グリッパ11bの第2面に取り付けられている。
図3に示されるように、複数の第1スパイク12aは、第2グリッパ11bに向けて第1グリッパ11aから突き出している。複数の第2スパイク12bは、第1グリッパ11aに向けて第2グリッパ11bから突き出している。第1スパイク12aおよび第2スパイク12bは、円柱部CPと、凸部PPとを含んでいる。円柱部CPの一方端には、凸部PPが取り付けられている。第1スパイク12aおよび第2スパイク12bの円柱部CPは、把持力およびワークW(図1参照)の質量が負荷された際にも変形しない程度の強度を有している。第1スパイク12aの円柱部CPの他方端は、第1グリッパ11aの孔HLに挿入されることによって、第1グリッパ11aに固定されている。第2スパイク12bの円柱部CPの他方端は、第2グリッパ11bの孔HLに挿入されることによって、第2グリッパ11bに固定されている。
図3に示されるように、第1パッド13aは、第2パッド13bに向かい合っている。第1パッド13aは、第2グリッパ11bに向かい合うように第1グリッパ11aに取り付けられている。第2パッド13bは、第1グリッパ11aに向かい合うように第2グリッパ11bに取り付けられている。第1パッド13aおよび第2パッド13bの直径は、第1グリッパ11aおよび第2グリッパ11bの第2面の直径と同じである。第1パッド13aおよび第2パッド13bの材料は、開閉方向(X軸方向)に伸縮可能である弾性体である。第1パッド13aおよび第2パッド13bには、複数の貫通孔THが設けられている。第1パッド13aおよび第2パッド13bの貫通孔THの直径は、複数の第1スパイク12aおよび複数の第2スパイク12bの直径以上である。
第1パッド13aおよび第2パッド13bは、例えば、図示されない粘着シートによって第1グリッパ11aおよび第2グリッパ11bにそれぞれ接着されている。第1パッド13aおよび第2パッド13bには、例えば、図示されないザグリ孔が設けられていてもよい。第1パッド13aにザグリ孔が設けられている場合、第1パッド13aは図示されないネジによって第1グリッパ11aに固定されていてもよい。第2パッド13bにザグリ孔が設けられている場合、第2パッド13bは図示されないネジによって第2グリッパ11bに固定されていてもよい。
第1パッド13aの第2パッド13bに向かい合う面は、コーティングされることによって、摩擦が小さくなるように構成されていてもよい。第1パッド13aの第2パッド13bと向かい合う面には、図示されない硬質な板が張り付けられていてもよい。第2パッド13bの第1パッド13aに向かい合う面は、コーティングされることによって、摩擦が小さくなるように構成されていてもよい。第2パッド13bの第1パッド13aと向かい合う面には、図示されない硬質な板が張り付けられていてもよい。
搬送装置100が複数の第1スパイク12aおよび複数の第2スパイク12bを含まない場合、第1パッド13aおよび第2パッド13bの摩擦力は、ワークW(図1参照)を把持できる程度に大きい。この場合、第1接触部1aが複数の第1スパイク12aを含まなくてもよいし、第2接触部1bが複数の第2スパイク12bを含まなくてもよい。また、この場合、第1パッド13aおよび第2パッド13bは、ワークW(図1参照)との間に高い摩擦力が生じる材料によって形成されている。
図1に示されるように、搬送装置100がワークWを把持している状態において、第1パッド13aおよび第2パッド13bは、複数の第1スパイク12a(図3参照)および複数の第2スパイク12b(図3参照)が第1パッド13aおよび第2パッド13bから突出する程度の厚みを有している。図2に示されるように、搬送装置100がワークW(図1参照)を把持していない状態において、第1パッド13aおよび第2パッド13bは、複数の第1スパイク12a(図3参照)および複数の第2スパイク12b(図3参照)が第1パッド13aおよび第2パッド13bから突出しない程度の厚みを有している。図1および図2に示されるように、搬送装置100がワークWを把持している状態における第1パッド13aおよび第2パッド13bは、搬送装置100がワークWを把持していない状態よりも圧縮されている。
図4に示されるように、複数の第1スパイク12aは、回転軸CLを中心として同心円上に等間隔に配置されている。複数の第2スパイク12bは、回転軸CLを中心として同心円上に等間隔に配置されている。
図5に示されるように、第1平面部1Paは、第2平面部1Pbに向かい合っている。本実施の形態において、第1平面部1Paは、第1パッド13aの表面である。第2平面部1Pbは、第2パッド13bの表面である。本実施の形態に係る搬送装置100では、第1平面部1Paおよび第2平面部1Pbが向かい合っているため、第1接触部1aおよび第2接触部1bがワークWに対して平面で接触している。第1接触部1aが第1パッド13aを含んでいない場合、第1平面部1Paは、第1グリッパ11aの表面であってもよい。第2接触部1bが第2パッド13bを含んでいない場合、第2平面部1Pbは、第2グリッパ11bの表面であってもよい。
図5には、第1ワークW1を挟み込んでいる本実施の形態に係る搬送装置100と、第2ワークW2を挟み込んでいる本実施の形態に係る搬送装置100とが図示されている。第1ワークW1の開閉方向(X軸方向)における寸法L1は、第2ワークW2の開閉方向(X軸方向)における寸法L2よりも大きい。第1接触部1aおよび第2接触部1bが開閉方向(X軸方向)に沿って移動するため、第1ワークW1および第2ワークW2の開閉方向(X軸方向)の寸法が異なる場合であっても、第1接触部1aおよび第2接触部1bの上下方向(Z軸方向)での高さ位置は一定である。
図6には、第1ワークW1を挟み込んでいる比較例に係る搬送装置101と、第2ワークW2を挟み込んでいる比較例に係る搬送装置101とが図示されている。比較例に係る搬送装置101は、第1平面部1Paおよび第2平面部1Pbを有していない。比較例に係る搬送装置101は、第1曲面部1Caおよび第2曲面部1Cbを有している。このため、第1接触部1aおよび第2接触部1bがワークWに対して曲面で接触している。比較例における第1接触部1aおよび第2接触部1bとワークWとの接触面積は、第1接触部1aおよび第2接触部1bが第1平面部1Paおよび第2平面部1Pbを有している場合よりも小さい。
また、比較例に係る搬送装置101では、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、開閉方向(X軸方向)および上下方向(Z軸方向)の両方向に移動する。このため、第1接触部1aおよび第2接触部1bの上下方向(Z軸方向)での高さ位置は、第1ワークW1を挟み込んでいる場合と、第2ワークW2を挟み込んでいる場合とで異なっている。よって、比較例に係る搬送装置101では、把持位置の制御が困難である。
次に、図7および図8を用いて、実施の形態1に係る搬送装置100がワークWを持ち上げる際の第1接触部1aおよび第2接触部1bの動作を説明する。図7は、ワークWが吊り上げられていない状態における実施の形態1に係る搬送装置100の構成を概略的に示す側面図である。図8は、ワークWが吊り上げられている状態における実施の形態1に係る搬送装置100の構成を概略的に示す側面図である。
図7に示されるように、ワークWは、把持位置において第1接触部1aおよび第2接触部1bに把持されている。把持位置には、第1接触部1aおよび第2接触部1bの回転軸CLが位置している。ワークWの重心は、重心位置Cに位置している。ワークWの重心に作用する重力は、二点鎖線によって示されている。
図7に示されるように、ワークWが吊り上げられていない状態において、ワークWの重心位置Cは開閉方向(X軸方向)において把持位置とは異なっている。このため、ワークWが吊り上げられる際には、ワークWには重力による回転モーメントが作用することによって、ワークWが回転する。ワークWに作用する回転モーメントは、破線によって示されている。
図7および図8に示されるように、ワークWが吊り上げられている状態におけるワークWは、ワークWが吊り上げられていない状態のワークWに対して、回転軸CLを中心として回転している。ワークWが吊り上げられている状態における第1接触部1aおよび第2接触部1bは、ワークWが吊り上げられていない状態の第1接触部1aおよび第2接触部1bに対して、回転軸CLを中心として回転している。第1接触部1aおよび第2接触部1bは、ワークWとともに回転している。
図8に示されるように、ワークWが吊り上げられている状態において、ワークWの重心位置Cは、開閉方向(X軸方向)で把持位置と同じである。ワークWが吊り上げられている状態において、第1パッド13a(図3参照)および第2パッド13b(図3参照)は圧縮されているため、複数の第1スパイク12a(図3参照)および複数の第2スパイク12b(図3参照)はワークWに刺さっている。なお、ワークWが吊り上げられる際に上向きに作用する力は、白抜き矢印によって示されている。
仮に、第1接触部1aおよび第2接触部1bが回転しない場合、ワークWが回転したとしても第1接触部1aおよび第2接触部1bは回転しない。このため、ワークWは第1接触部1aおよび第2接触部1bとの接触面からずれるため、ワークWが第1接触部1aおよび第2接触部1bから外れ得る。
次に、図1および図2を用いて、実施の形態1に係る支持部2の構成を詳細に説明する。
図1に示されるように、支持部2は、突出部22と、第1リンク23aと、第2リンク23bと、上側回転軸部234と、制御ハンドル24と、第1水平制御ピン25aと、第2水平制御ピン25bと、第1取手26aと、第2取手26bと、吊り上げ部27とをさらに含んでいる。第1リンク23aは、可動方向制御プレート21および第1先端部20aに接続されている。第2リンク23bは、可動方向制御プレート21および第2先端部20bに接続されている。
可動方向制御プレート21には、開閉方向(X軸方向)に延びている第1貫通孔THaおよび第2貫通孔THbが設けられている。第1貫通孔THaは、開閉方向(X軸方向)において可動方向制御プレート21の中心よりも第1先端部20a側に設けられている。第2貫通孔THbは、開閉方向(X軸方向)において可動方向制御プレート21の中心よりも第2先端部20b側に設けられている。第1貫通孔THaと第2貫通孔THbとは、互いに間隔を空けて設けられている。
第1水平制御ピン25aは、第1貫通孔THaおよび第1先端部20aの図示されない貫通孔を貫通している状態で、第1先端部20aに取り付けられている。第1先端部20aの図示されない貫通孔は、ワークWへの把持力が作用する方向に対して直交している。第1水平制御ピン25aが第1貫通孔THaに沿って開閉方向(X軸方向)に移動することによって、第1先端部20aが可動方向制御プレート21に沿って開閉方向(X軸方向)に移動することができるように構成されている。第1水平制御ピン25aは、ワークWの質量および把持力が負荷された際に変形しない程度の強度を有している。
第1水平制御ピン25aは、第1ピン部と、第1一方鍔部と、第1他方鍔部とを含んでいる。第1ピン部は、第1貫通孔THaおよび第1先端部20aの図示されない貫通孔を貫通している。第1一方鍔部は、第1他方鍔部とで第1ピン部を挟み込んでいる。第1一方鍔部は、Y軸方向において可動方向制御プレート21に対して第1先端部20aとは反対側(紙面手前側)に配置されている。第1他方鍔部は、Y軸方向において第1先端部20aに対して可動方向制御プレート21とは反対側(紙面奥側)に配置されている。第1一方鍔部は、上下方向(Z軸方向)において第1貫通孔THaよりも大きい寸法を有している。第1他方鍔部は、第1先端部20aの図示されない貫通孔よりも大きい寸法を有している。第1一方鍔部は、第1他方鍔部とで、可動方向制御プレート21、第1ピン部および第1先端部20aを挟み込んでいる。これにより、可動方向制御プレート21と第1先端部20aとは互いに外れないように構成されている。
第2水平制御ピン25bは、第2貫通孔THbおよび第2先端部20bの図示されない貫通孔を貫通している状態で、第2先端部20bに取り付けられている。第2先端部20bの図示されない貫通孔は、ワークWへの把持力が作用する方向に対して直交している。第2水平制御ピン25bが第2貫通孔THbに沿って開閉方向(X軸方向)に移動することによって、第2先端部20bが可動方向制御プレート21に沿って開閉方向(X軸方向)に移動することができるように構成されている。第2水平制御ピン25bは、ワークWの質量および把持力が負荷された際に変形しない程度の強度を有している。
第2水平制御ピン25bは、第2ピン部と、第2一方鍔部と、第2他方鍔部とを含んでいる。第2ピン部は、第2貫通孔THbおよび第2先端部20bの図示されない貫通孔を貫通している。第2一方鍔部は、第2他方鍔部とで第2ピン部を挟み込んでいる。第2一方鍔部は、Y軸方向において可動方向制御プレート21に対して第2先端部20bとは反対側(紙面手前側)に配置されている。第2他方鍔部は、Y軸方向において第2先端部20bに対して可動方向制御プレート21とは反対側(紙面奥側)に配置されている。第2一方鍔部は、上下方向(Z軸方向)において第2貫通孔THbよりも大きい寸法を有している。第2他方鍔部は、第2先端部20bの図示されない貫通孔よりも大きい寸法を有している。第2一方鍔部は、第2他方鍔部とで、可動方向制御プレート21、第2ピン部および第2先端部20bを挟み込んでいる。これにより、可動方向制御プレート21と第2先端部20bとは互いに外れないように構成されている。第1水平制御ピン25aおよび第2水平制御ピン25bが第1貫通孔THaおよび第2貫通孔THbをそれぞれ貫通している状態で、第1パッド13aおよび第2パッド13bが平行に向かい合うように構成されている。
図1に示されるように、突出部22は、可動方向制御プレート21に対して第1先端部20aおよび第2先端部20bとは反対側に可動方向制御プレート21から突出している。突出部22および可動方向制御プレート21は、T字状をなしている。突出部22は、開閉方向(X軸方向)における第1貫通孔THaと第2貫通孔THbとの間の位置において可動方向制御プレート21から上方向に突出している。突出部22には、上下方向(Z軸方向)に延びている第3貫通孔THcが設けられている。第3貫通孔THcが延びている方向は、ワークWへの把持力が作用する方向に対して直交している。
図1に示されるように、制御ハンドル24は、突出部22、第1リンク23aおよび第2リンク23bに取り付けられている。具体的には、制御ハンドル24は、第3貫通孔THcを貫通している状態で、第1リンク23aおよび第2リンク23bに取り付けられている。制御ハンドル24は、第1リンク23aが第2リンク23bと交差する位置に配置されている。制御ハンドル24は、第1リンク23aおよび第2リンク23bの回転軸の一つとして構成されている。第1リンク23aおよび第2リンク23bは、制御ハンドル24を交点としてX字状に組み合わせられている。
制御ハンドル24が締められることによって、第1リンク23aおよび第2リンク23bと制御ハンドル24との間で、突出部22が制御ハンドル24に固定される。制御ハンドル24が緩められることによって、第1リンク23aおよび第2リンク23bと制御ハンドル24との間で、突出部22が移動できるようになる。図1に示されるように、搬送装置100がワークWを挟み込んでいる状態では、制御ハンドル24は締められている。図2に示されるように、搬送装置100がワークW(図1参照)を挟み込んでいない状態では、制御ハンドル24は緩められている。
図1に示されるように、制御ハンドル24が締められている状態において、制御ハンドル24が第1リンク23aおよび第2リンク23bを突出部22に対して固定することによって、第1接触部1aおよび第2接触部1bが支持部2に対して固定されるように構成されている。制御ハンドル24が締められている状態において、制御ハンドル24は、第1リンク23aおよび第2リンク23bを突出部22に対して固定できる程度に大きい締結トルクを有している。制御ハンドル24が緩められている状態において、制御ハンドル24が第3貫通孔THcに沿って上下方向(Z軸方向)に移動することによって、第1リンク23aおよび第2リンク23bが上下方向(Z軸方向)に移動することができるように第1リンク23aおよび第2リンク23bが構成されている。
第1リンク23aおよび第2リンク23bは、ワークWへの把持力を作用させるために十分な寸法を有している。第1リンク23aは、第1下側リンク部230aと、第1上側リンク部231aと、第1下側回転軸部232aとを含んでいる。第2リンク23bは、第2下側リンク部230bと、第2上側リンク部231bと、第2下側回転軸部232bとを含んでいる。
第1下側リンク部230aの下方端は、第1先端部20aに接続されている。第2下側リンク部230bの下方端は、第2先端部20bに接続されている。第1下側リンク部230aは、第2下側リンク部230bに交差している。
第1下側リンク部230aの上方端は、第1上側リンク部231aの下方端に接続されている。第1下側リンク部230aと第1上側リンク部231aとは、第1下側回転軸部232aによってなめらかに回転可能となるように接続されている。第2下側リンク部230bの上方端は、第2上側リンク部231bの下方端に接続されている。第2下側リンク部230bと第2上側リンク部231bとは、第2下側回転軸部232bによってなめらかに回転可能となるように接続されている。
第1上側リンク部231aの上方端と第2上側リンク部231bの上方端とは、上側回転軸部234によってなめらかに回転可能となるように接続されている。第1上側リンク部231aおよび第2上側リンク部231bの上方端は、吊り上げ部27を経由して吊上装置4に接続されている。吊り上げ部27は、第1接触部1a、第2接触部1b、支持部2およびワークWの質量が負荷された際にも破損しない程度に高い強度を有している。
図1に示されるように、吊上装置4には、第1リンク23aおよび第2リンク23bが接続されている。吊上装置4は、第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2を上下方向(Z軸方向)に移動させる。吊上装置4は、例えば、クレーンおよびチェーンブロックなどである。吊上装置4は、吊上装置4の図示されないフックによって吊り上げ部27に接続されている。
第1取手26aは、第1先端部20aに取り付けられている。第2取手26bは、第2先端部20bに取り付けられている。第1取手26aおよび第2取手26bの各々は、作業者が第1取手26aおよび第2取手26bをそれぞれ把持できるように、略環形状を有している。
次に、図1および図2を用いて、実施の形態1に係るロック装置3の構成を詳細に説明する。
図1に示されるように、ロック装置3は、可動方向制御プレート21に取り付けられている。ロック装置3が第1先端部20aおよび第2先端部20bのいずれか一方が可動方向制御プレート21に対して移動することを制限することによって、第1接触部1aおよび第2接触部1bが支持部2に対して移動することが制限されるように構成されている。本実施の形態において、ロック装置3は、第2先端部20bが可動方向制御プレート21に対して移動することを制限するように構成されている。
図1に示されるように、第1接触部1aおよび第2接触部1bが支持部2に対して移動することがロック装置3によって制限されていない状態を可動状態とする。可動状態では、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、開閉方向(X軸方向)に沿って互いに近づく方向および互いに離れる方向の両方向に移動することができる。
図2に示されるように、第1接触部1aおよび第2接触部1bが支持部2に対して移動することがロック装置3によって制限されている状態を制限状態とする。制限状態では、第1接触部1aおよび第2接触部1bが開閉方向(X軸方向)に沿って互いに近づく方向に移動することが制限されている。制限状態では、第1接触部1aおよび第2接触部1bが互いに離れる方向に移動することは制限されていないため、第1接触部1aおよび第2接触部1bは互いに離れる方向に移動することができる。ロック装置3は、制限状態と可動状態とを切り替えることができるように構成されている。
図2に示されるように、ロック装置3は、ロックプレート30と、バネ部31と、つまみ部32と、ケース33と、止め板34とを含んでいる。
ロックプレート30は、のこぎり状の形状を有している。ロックプレート30は、土台部と、複数の突起部とを含んでいる。複数の突起部は、土台部から下方に突出している。複数の突起部の形状は、略直角三角形である。複数の突起部は、直線部と、斜面部とを含んでいる。直線部は、土台部に対して直交している状態で下方に延びている。斜面部は、土台部に対して斜めに下方に延びている。
ロックプレート30の土台部は、バネ部31によってケース33の上部に取り付けられている。バネ部31は、上下方向(Z軸方向)においてロックプレート30の土台部とケース33とに挟み込まれている。バネ部31は、制限状態および可動状態のいずれにおいても、圧縮されている。
ケース33の上部には、止め板34が取り付けられている。止め板34には、L字形状を有しているL字貫通孔が設けられている。L字貫通孔は、上下方向(Z軸方向)に延びている貫通孔と、開閉方向(X軸方向)に延びている貫通孔とを含んでいる。開閉方向(X軸方向)に延びている貫通孔は、上下方向(Z軸方向)に延びている貫通孔の上端と連通している。
つまみ部32は、止め板34のL字貫通孔を貫通している状態でロックプレート30に取り付けられている。つまみ部32がL字貫通孔に沿って上下方向(Z軸方向)および開閉方向(X軸方向)に移動することによって、ロックプレート30が上下方向(Z軸方向)および開閉方向(X軸方向)に移動するように構成されている。
次に、図1および図2を用いて、実施の形態1に係るロック装置3の動作を説明する。
図1および図2に示されるように、ロックプレート30が上下方向(Z軸方向)および開閉方向(X軸方向)に移動することによって、制限状態と可動状態とが切り替わる。具体的には、つまみ部32が止め板34のL字貫通孔に沿って移動することによって、ロックプレート30が上下方向(Z軸方向)および開閉方向(X軸方向)に移動し、制限状態と可動状態とが切り替わる。
図2に示されるように、制限状態では、ロックプレート30は、バネ部31によって第2水平制御ピン25bに押し当てられた状態で接している。このため、第2水平制御ピン25bは、ロックプレート30の土台部と突起部の直線部とに係合している。これにより、第2水平制御ピン25bが開閉方向(X軸方向)において第1先端部20aに近づく方向に移動することが抑制されているため、第2先端部20bが第1先端部20aに近づく方向に移動することが抑制されている。一方、第2水平制御ピン25bが開閉方向(X軸方向)において第1先端部20aから離れる方向に移動することは制限されていないため、第1先端部20aおよび第2先端部20bは互いに離れる方向に移動することができる。
図2に示されるように、制限状態では、つまみ部32が止め板34のL字貫通孔の上下方向(Z軸方向)に延びている貫通孔の下端に接している。このため、制限状態におけるロックプレート30は、可動状態におけるロックプレート30(図1参照)よりも下方に位置している。
図1に示されるように、可動状態では、ロックプレート30は、第2水平制御ピン25bに接していない。このため、第2水平制御ピン25bは、可動方向制御プレート21に沿って開閉方向(X軸方向)で第1水平制御ピン25aに近づく方向および第1水平制御ピン25aから離れる方向の両方向に移動することができる。可動状態では、バネ部31は、圧縮されている。可動状態では、つまみ部32が止め板34のL字貫通孔の開閉方向(X軸方向)に延びている貫通孔に接している。
次に、図9を用いて、実施の形態1の第1の変形例に係る搬送装置100の構成を説明する。実施の形態1の第1の変形例に係る搬送装置100は、コンテナ8内に配置された複数のワークWを搬送するための搬送装置100である。実施の形態1の第1の変形例に係る搬送装置100は、供給装置5と、受取装置6と、排出装置7とを含んでいる。複数のワークWは、コンテナ8内に配置されている。
図9に示されるように、吊上装置4は、フレーム部40と、移動装置41と、クレーン部42とを含んでいる。フレーム部40は、フレーム部40の内部空間にコンテナ8および受取装置6を配置できる程度の寸法を有している。移動装置41は、フレーム部40上をY軸方向に沿って移動できるように構成されている。クレーン部42は、移動装置41に接続されている。クレーン部42は、移動装置41によって開閉方向(X軸方向)に移動できるように構成されている。クレーン部42は、第1接触部1a、第2接触部1b、支持部2およびワークWを上下方向(Z軸方向)に移動できるように構成されている。吊上装置4によって、第1接触部1a、第2接触部1b、支持部2およびワークWは、上下方向(Z軸方向)、開閉方向(X軸方向)およびY軸方向に沿って移動することができるように構成されている。なお、図9では、吊上装置4は門型クレーンとして図示されているが、吊上装置4はジブクレーンであってもよい。
図9に示されるように、供給装置5は、開閉方向(X軸方向)に延びているコンベアを有している。供給装置5のコンベアには、少なくとも1つのコンテナ8が配置されている。供給装置5のコンベアは、上面視において、クレーン部42と重なっている。供給装置5は、複数のワークWが配置されたコンテナ8をコンベアによって開閉方向(X軸方向)に沿ってクレーン部42の直下に搬送することができるように構成されている。なお、説明の便宜のため、供給装置5のコンテナ8の下に配置されているコンベアは図示されていない。
図9に示されるように、受取装置6は、吊上装置4によってコンテナ8から受取装置6へと送られたワークWを排出装置7に送ることができるように構成されている。受取装置6は、L字形状を有している。受取装置6の開閉方向(X軸方向)の寸法は、ワークWよりも大きい。受取装置6は、受取第1部61と、受取第2部62と、受取回転部63とを含んでいる。受取第1部61は、L字形状の長辺を構成している。受取第1部61は、受取装置6のコンベアを有している。受取装置6のコンベアは、排出装置7に向かう方向に回転可能に構成されている。受取第2部62は、L字形状の短辺を構成している。受取回転部63は、受取第1部61と受取第2部62との間に取り付けられている。受取回転部63は、L字形状の角部を構成している。受取回転部63の回転軸が回転することによって、受取第1部61および受取第2部62が回転することができる。
受取装置6は、受取回転部63の回転軸が回転することによって、受取状態と差出状態とに切り替えられるように構成されている。受取装置6の受取状態では、受取第2部62がY軸方向に沿って延びている。受取状態では、受取第1部61が上下方向(Z軸方向)に沿って受取第2部62から起立している。受取状態では、ワークWは受取第2部62上に配置され得る。受取装置6の差出状態では、受取第1部61がY軸方向に沿って延びている。差出状態では、受取第1部61のコンベア上にワークWが配置され得る。差出状態では、受取第2部62が上下方向(Z軸方向)に沿って受取第1部61から起立している。差出状態では、受取装置6のコンベアの高さは、排出装置7のコンベアの高さと同じである。
図9に示されるように、排出装置7は、受取装置6によって排出装置7へと送られたワークWを次工程に送ることができるように構成されている。排出装置7は、Y軸方向に沿って延びている排出装置7のコンベアを有している。排出装置7のコンベアには、ワークWが積載される。
次に、図9および図10を用いて、実施の形態1の第1の変形例に係る搬送装置100の動作を説明する。図10に示されるように、搬送装置100の動作は、把持準備工程S101、挿入工程S102、吊り上げ工程S103、搬送工程S104および解放工程S105を含んでいる。
図9に示されるように、動作の開始においては、第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2は、コンテナ8の上端の高さ位置よりも上方に配置され得る。制御ハンドル24(図1参照)は、緩められた状態である。ロック装置3は、制限状態であってもよいし、可動状態であってもよい。受取装置6は、受取状態である。
図9に示されるように、把持準備工程S101(図10参照)では、複数のワークWが積載されたコンテナ8が供給装置5のコンベアに配置される。供給装置5のコンベアに配置されたコンテナ8は、吊上装置4のフレーム部40の内部空間に移動される。供給装置5のコンベアに配置されたコンテナ8は、クレーン部42の直下に移動される。第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2は、クレーン部42によってコンテナ8の内部空間に降ろされる。第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2の高さ位置は、作業者が第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2を操作しやすい高さ位置である。把持準備工程S101(図10参照)では、制御ハンドル24(図1参照)は緩められた状態である。このため、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が変更可能である。
次に、挿入工程S102(図10参照)では、ワークWの寸法に応じて第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が広げられる。挿入工程S102(図10参照)では、作業者は、第1取手26aおよび第2取手26bを持っている状態で、作業を行う。挿入工程S102(図10参照)では、ロック装置3は、制限状態である。このため、ロックプレート30(図1参照)の突起部の直線部に第2水平制御ピン25b(図1参照)が係合しているため、第2先端部20bが第1先端部20aに近づく方向に移動することが制限されている。また、第2先端部20bが第1先端部20aから離れる方向に移動することは制限されていない。よって、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が小さくなることが制限されつつ、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が大きくされ得る。これにより、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔がワークWの寸法に応じて定められ得る。
続いて、制御ハンドル24(図1参照)が締められることによって、第1先端部20aおよび第2先端部20bが支持部2に固定される。これにより、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が一時的に固定される。制御ハンドル24(図1参照)が締められている状態での第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔は、第1接触部1aおよび第2接触部1bがワークWを挟み込むために望ましい寸法である。制御ハンドル24(図1参照)が締められている状態での第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔は、例えば、ワークWの開閉方向(X軸方向)の寸法以上である。クレーン部42が下方に移動されることによって、第1接触部1aおよび第2接触部1bが複数のワークWの間に挿入される。これにより、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、ワークWを把持できる状態になる。
第1接触部1aおよび第2接触部1bが複数のワークWの間に挿入された後に、制御ハンドル24(図1参照)が緩められ、かつロック装置3が可動状態にされる。これによって、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、ワークWを挟み込むように移動できるようになる。作業者は、第1パッド13a(図1参照)および第2パッド13b(図1参照)によってワークWが挟み込まれていることを確認する。
次に、吊り上げ工程S103(図10参照)では、第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2がワークWとともにクレーン部42によって吊り上げられることによって、上方に移動される。第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2が上方に移動されるため、第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2の自重によって、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が小さくなる。これにより、ワークWに把持力が作用する。複数の第1スパイク12a(図1参照)および複数の第2スパイク12b(図1参照)は、第1パッド13a(図1参照)および第2パッド13b(図1参照)から露出しつつワークWに刺さる。このため、ワークWは十分に把持され得る。
ワークWは、クレーン部42によって吊り上げられつつ、第1接触部1aおよび第2接触部1bの回転軸CL(図1参照)を中心として、第1接触部1aおよび第2接触部1bとともに回転する。これにより、ワークWの重心位置と吊り上げ方向とが一直線上になる。
次に、搬送工程S104(図10参照)では、吊り上げられたワークWがクレーン部42によって受取装置6に送られる。搬送工程S104(図10参照)では、ワークWは、第1接触部1aおよび第2接触部1bに挟み込まれている。
次に、解放工程S105(図10参照)では、第1接触部1aおよび第2接触部1bがワークWから取り外される。続いて、ロック装置3が制限状態にされる。これによって、第1接触部1aおよび第2接触部1bの間隔が小さくなることが制限される。続いて、第1取手26a(図1参照)および第2取手26b(図1参照)が作業員によって把持された状態で、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が広げられる。これにより、ワークWが解放される。
受取装置6が受取状態から差出状態に切り替えられる。受取第1部61のコンベアの高さ位置が排出装置7のコンベアの高さ位置と同じになったら、受取装置6のコンベアが排出装置7に向かって回転される。これによって、ワークWが受取装置6によって、排出装置7に送られる。排出装置7は、ワークWを次工程に送る。
ワークWが次工程に送られたら、クレーン部42、第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2がコンテナ8の上方に移動される。コンテナ8の内部空間にワークWが配置されている場合、挿入工程S102(図10参照)が行われる。コンテナ8の内部空間にワークWが配置されていない場合、把持準備工程S101(図10参照)が行われる。
次に、図11を用いて、実施の形態1の第2の変形例に係る搬送装置100の構成を説明する。図11に示されるように、実施の形態1の第2の変形例に係る搬送装置100は、搬送ロボット90、センサ91およびコントローラ92を含んでいる。本実施の形態において、搬送ロボット90は、第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2に適用されている。なお、図11では搬送ロボット90は直交ロボットとして図示されているが、搬送ロボット90は垂直多関節ロボットであってもよい。
センサ91は、コンテナ8内に配置されたワークWを認識する。センサ91と搬送ロボット90とは、コントローラ92に接続されている。コントローラ92は、センサ91が認識したワークWに関する情報をセンサ91から受信する。コントローラ92は、ワークWに関する情報を搬送ロボット90に送信する。搬送ロボット90が適用された第1接触部1aおよび第2接触部1bは、センサ91が認識したワークWに関する情報に応じてワークWを自動で把持するように構成されている。
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る搬送装置100によれば、図1に示されるように、第1接触部1aおよび第2接触部1bは開閉方向(X軸方向)に沿う回転軸CLを中心として回転できる。このため、ワークWが支持部2に対して回転する場合であっても、第1接触部1aおよび第2接触部1bがワークWとともに回転できる。よって、ワークWが第1接触部1aおよび第2接触部1bから外れることを抑制できる。
第1接触部1aおよび第2接触部1bは、ワークWの重心位置にかかわらず回転できるため、複数のワークWが互いに異なる重心位置を持っていたとしても、ワークWが第1接触部1aおよび第2接触部1bから外れることを抑制できる。
図1に示されるように、第1接触部1aが第1平面部1Paを有しており、第2接触部1bが第2平面部1Pbを有しているため、第1接触部1aおよび第2接触部1bはワークWを平面で挟み込んでいる。このため、第1接触部1aおよび第2接触部1bとワークWとの接触面積は、ワークWが曲面で挟み込まれている場合よりも大きい。このため、把持力は、ワークWが曲面に挟み込まれている場合よりも効率良く作用する。よって、搬送装置100は、ワークWが曲面に挟み込まれている場合よりも小さい力でワークWを持ち上げることができる。
図3に示されるように、第1接触部1aが複数の第1スパイク12aを含み、第2接触部1bが複数の第2スパイク12bを含んでいる。このため、搬送装置100は、複数の第1スパイク12aおよび複数の第2スパイク12bでワークWを把持できる。このため、搬送装置100がワークWを把持している状態では、複数の第1スパイク12aおよび複数の第2スパイク12bがワークWに刺さっている。よって、搬送装置100は、複数の第1スパイク12aおよび複数の第2スパイク12bを含んでいない場合よりも、小さい力でワークWを持ち上げることができる。
図3に示されるように、第1接触部1aが第1パッド13aを含み、第2接触部1bが第2パッド13bを含んでいる。搬送装置100がワークWを把持している状態では、第1パッド13aおよび第2パッド13bはワークWに押しつけられることによって圧縮されている。このため、ワークWには、開閉方向(X軸方向)の把持力に加えて、第1パッド13aおよび第2パッド13bによる開閉方向(X軸方向)の反発力が第1接触部1aおよび第2接触部1bから作用している。よって、搬送装置100は、第1パッド13aおよび第2パッド13bを含んでいない場合よりも、小さい力でワークWを持ち上げることができる。
搬送装置100が小さい力でワークWを持ち上げることができるため、搬送装置100が大きい力でワークWを持ち上げる場合よりも、小さい力でワークWを把持できる。このため、ワークWが破損することを抑制できる。搬送装置100が小さい力でワークWを持ち上げることができるため、搬送装置100が大きい力でワークWを持ち上げる場合よりも、搬送装置100の寸法を小さくすることができる。
図3に示されるように、支持部2は、第1接触部1aの回転を減衰させるように構成されている第1ダンパー2Daと、第2接触部1bの回転を減衰させるように構成されている第2ダンパー2Dbを含んでいる。これにより、第1接触部1aおよび第2接触部1bが回転する際に、第1接触部1aおよび第2接触部1bの回転速度が徐々に遅くなるため、ワークWの回転速度も徐々に遅くなる。よって、搬送装置100は、ワークWが安定した状態で、ワークWを把持することができる。
図3に示されるように、支持部2は、第1ダンパー2Daと、第2ダンパー2Dbとを含んでいる。このため、第1接触部1aおよび第2接触部1bの回転速度は、第1ダンパー2Daおよび第2ダンパー2Dbが含まれていない場合よりも遅い。よって、ワークWの回転速度は、第1ダンパー2Daおよび第2ダンパー2Dbが含まれていない場合よりも遅い。したがって、搬送装置100は、ワークWが安定した状態で、ワークWを把持することができる。また、ワークWが搬送される際に、第1接触部1a、第2接触部1bおよびワークWが揺れることを抑制できる。
図4に示されるように、複数の第1スパイク12aが回転軸CLを中心として同心円上に等間隔に配置されており、複数の第2スパイク12bが回転軸CLを中心として同心円上に等間隔に配置されている。このため、第1接触部1aおよび第2接触部1bが回転した場合であっても、複数の第1スパイク12aおよび複数の第2スパイク12bは回転前後において同心円上で等間隔にワークWに接することができる。よって、複数の第1スパイク12aおよび複数の第2スパイク12bは、回転軸CLまわりに均等にワークWを把持することができる。したがって、搬送装置100は、ワークWを確実に把持することができる。
図5に示されるように、第1先端部20aおよび第2先端部20bが可動方向制御プレート21に沿って開閉方向(X軸方向)に移動することによって、第1接触部1aおよび第2接触部1bが開閉方向(X軸方向)に移動するように構成されている。このため、支持部2の高さ位置が一定であれば、第1接触部1aおよび第2接触部1bは一定の高さ位置において開閉方向(X軸方向)に沿って移動できる。よって、支持部2の高さ位置が一定であれば、複数のワークWが互いに異なる形状を有している場合であっても、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、一定の高さ位置において、複数のワークWの各々を挟み込むことができる。これにより、複数のワークWの形状にかかわらず、搬送装置100が一定の高さ位置において複数のワークWの各々を挟み込むことができる。したがって、搬送装置100の操作が容易になる。
図1に示されるように、制御ハンドル24が第1リンク23aおよび第2リンク23bを突出部22に対して固定することによって、第1接触部1aおよび第2接触部1bが支持部2に対して固定されるように構成されている。このため、第1接触部1aと第2接触部1bとの開閉方向(X軸方向)の距離が変わることを抑制できる。
第1接触部1aおよび第2接触部1bの固定に関して、複数のワークWの中から1つのワークWを持ち上げる際に、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、複数のワークWの間に上から押しつけられることによって、複数のワークWの間に挿入される。仮に、第1接触部1aおよび第2接触部1bが移動可能である場合、第1接触部1aおよび第2接触部1bが上から複数のワークWの間に押しつけられる際に、第1接触部1aおよび第2接触部1bが互いに離れる方向に移動し得る。これにより、第1接触部1aおよび第2接触部1bによる上からの力が伝わらないため、第1接触部1aおよび第2接触部1bを複数のワークWの間に挿入することが妨げられる。
本実施の形態に係る搬送装置100によれば、図1に示されるように、第1接触部1aおよび第2接触部1bが支持部2に対して固定されている。このため、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が固定されている状態で、第1接触部1aおよび第2接触部1bが複数のワークWの間に押しつけられ得る。よって、第1接触部1aおよび第2接触部1bによる上からの力が伝わる。これにより、第1接触部1aおよび第2接触部1bが複数のワークWの間に挿入され得る。
図1に示されるように、ロック装置3が第1先端部20aおよび第2先端部20bのいずれか一方が可動方向制御プレート21に対して移動することを制限することによって、第1接触部1aおよび第2接触部1bが支持部2が移動することが制限されるように構成されている。これによって、第1接触部1aおよび第2接触部1bが互いに近づく方向に移動することを抑制できるため、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が容易に定められ得る。具体的には、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔は、ワークWの開閉方向(X軸方向)の寸法以上に定められ得る。
本実施の形態の第1の変形例に係る搬送装置100によれば、図9に示される搬送装置100は、図10に示されるフローチャートにしたがってコンテナ8内に配置されたワークWを搬送できる。図10に示されるフローチャートにしたがって搬送装置100の動作が繰り返されることによって、搬送装置100が複数のワークWを搬送できる。また、搬送装置100は、複数のワークWが互いに異なっている場合であっても、複数のワークWを搬送できる。
本実施の形態の第2の変形例に係る搬送装置100によれば、図11に示されるように、搬送装置100は、搬送ロボット90、センサ91およびコントローラ92を含んでいる。搬送ロボット90が適用された第1接触部1aおよび第2接触部1bは、センサ91が認識したワークWに関する情報に応じてワークWを自動で把持するように構成されている。このため、搬送装置100は、ワークWを自動で搬送することができる。
実施の形態2.
次に、図12~図14を用いて、実施の形態2に係る搬送装置100の構成を説明する。実施の形態2は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図12に示されるように、実施の形態2に係る搬送装置100では、第1接触部1aは、第1フランジ部10aと、第1グリッパ11aと、第1軸部14aと、複数の第1バネ部94aと、複数の第1シャフト根元部95aと、複数の第1シャフト先端部97aと、第1グリッパ蓋96aとを含んでいる。第2接触部1bは、第2フランジ部10bと、第2グリッパ11bと、第2軸部14bと、複数の第2バネ部94bと、複数の第2シャフト根元部95bと、複数の第2シャフト先端部97bと、第2グリッパ蓋96bとを含んでいる。後述されるように、複数の第1シャフト先端部97aおよび複数の第2シャフト先端部97bが開閉方向に沿って移動する点において、実施の形態2に係る搬送装置100は、実施の形態1に係る搬送装置100とは異なっている。
図12~図14を用いて、第1接触部1aの構成を説明する。なお、第2接触部1bは、第1接触部1aと同様の構成を有している。
図12に示されるように、第1グリッパ11aの第1面11a1には、複数の第1開口部OP1が設けられている。これにより、第1グリッパ11aの内部には、図示されない複数の軸受の各々がそれぞれ配置されていてもよい。
複数の第1バネ部94aの各々は、第1グリッパ11aに接続されている。複数の第1バネ部94aの各々は、複数の第1シャフト根元部95aに対して第2接触部1bとは反対側で複数の第1シャフト根元部95aの各々にそれぞれ接続されている。複数の第1バネ部94aの各々は、複数の第1シャフト根元部95aの各々をそれぞれ第1グリッパ11aに接続している。
複数の第1シャフト根元部95aの各々は、複数の第1バネ部94aに対して第1フランジ部10aとは反対側で複数の第1バネ部94aの各々にそれぞれ接続されている。複数の第1シャフト根元部95aの各々は、複数の第1シャフト先端部97aに対して第2接触部1bとは反対側で複数の第1シャフト先端部97aの各々にそれぞれ接続されている。複数の第1シャフト先端部97aの各々は、複数の第1シャフト根元部95aの各々によって第1バネ部94aの各々にそれぞれ接続されている。
複数の第1シャフト根元部95aの各々は、円柱形状を有している。複数の第1シャフト根元部95aの各々は、複数の第1開口部OP1の各々にそれぞれ挿入されている。複数の第1シャフト根元部95aの各々の外径は、複数の第1開口部OP1の各々の内径以下である。これにより、複数の第1シャフト根元部95aの各々は、複数の第1開口部OP1の各々に挿入可能である。
なお、軸受が第1開口部OP1を通って第1グリッパ11aの内部に配置されている場合には、第1シャフト根元部95aは軸受に挿入されている。なお、この場合には、第1シャフト根元部95aの外径は軸受に挿入可能な大きさである。
複数の第1シャフト根元部95aの第1端95a1には、図示されない雌ネジが設けられていてもよい。この場合、第1シャフト根元部95aの第1端95a1には、雌ネジに螺合する図示されない雄ネジによって第1シャフト先端部97aが固定されている。複数の第1シャフト根元部95aの第2端95a2には、複数の第1バネ部94aの各々がそれぞれ接続されている。
第1グリッパ蓋96aは、第1グリッパ11aに重なるように第1グリッパ11aに接続されている。第1グリッパ蓋96aは、第1グリッパ11aと同程度の直径を有している。第1グリッパ蓋96aには、複数の第1貫通穴TH1が設けられている。複数の第1貫通穴TH1の各々は、複数の第1開口部OP1の各々とそれぞれと重なるように設けられている。第1貫通穴TH1の内径は、複数の第1開口部OP1の内径よりも小さい。複数の第1貫通穴TH1の中心の各々が複数の第1開口部OP1の中心の各々にそれぞれ一致するように、第1グリッパ蓋96aが第1グリッパ11aに接続されている。第1グリッパ蓋96aは例えば、図示されないネジによって第1グリッパ11aに固定されている。
第1グリッパ蓋96aは、ワークW(図13参照)に対する把持力が作用した際に変形しない程度の強度を有する材料によって構成されている。第1グリッパ蓋96aの厚みは、ワークW(図13参照)に対する把持力が作用した際に変形しない程度の厚みである。
搬送装置100は、図示されない第1ゴムシートをさらに含んでいてもよい。第1ゴムシートは、第1グリッパ蓋96aに対して第1グリッパ11aとは反対側で第1グリッパ蓋96aを覆っている。すなわち、第1ゴムシートは、外側に配置されている。第1ゴムシートは、第1グリッパ11aとは接触しない。第1ゴムシートは、具体的には、第1グリッパ蓋96aに貼り付けられている。第1ゴムシートには、複数の貫通穴が設けられている。第1ゴムシートの複数の貫通穴の各々は、第1グリッパ蓋96aの第1貫通穴TH1の各々と重なる位置にそれぞれ設けられている。第1ゴムシートの複数の貫通穴の各々の内径は、第1グリッパ蓋96aの第1貫通穴TH1の各々の内径の各々の内径と同程度である。
複数の第1シャフト先端部97aの各々は、複数の第1シャフト根元部95aの各々にそれぞれ着脱可能かつ交換可能に構成されている。第1シャフト先端部97aは、第1グリッパ蓋96aの第1貫通穴TH1を通って第1シャフト根元部95aに着脱可能かつ交換可能である。具体的には、第1シャフト先端部97aに構成された雄ネジが第1シャフト根元部95aに構成された雌ネジに螺合されることで、第1シャフト先端部97aが第1シャフト根元部95aに着脱可能かつ交換可能である。第1シャフト先端部97aが開閉方向に沿って第1フランジ部10aに向かって押されることで、第1バネ部94aが縮む。このため、第1シャフト先端部97aは、第1グリッパ11aの外部から第1グリッパ11aの内部に移動可能である。なお、第1シャフト先端部97aは、第1バネ部94aが縮んだ状態において第1グリッパ蓋96aから第1シャフト先端部97aの先端が突出しないように構成されている。
複数の第1シャフト先端部97aは、円柱形状を有している。複数の第1シャフト先端部97aの外径の各々は、第1グリッパ蓋96aに設けられた複数の第1貫通穴TH1の各々の内径よりもそれぞれ小さい。このため、複数の第1シャフト先端部97aの各々は、第1グリッパ蓋96aに設けられた複数の第1貫通穴TH1に挿入可能である。第1シャフト先端部97aは、ワークW(図13参照)に対する把持力が作用した際に変形しない程度の強度を有する材料によって構成されている。
図12および図13に示されるように、複数の第1シャフト先端部97aは、開閉方向に移動可能に構成されている。複数の第1シャフト根元部95aは、複数の第1バネ部94aによって開閉方向に移動可能に構成されている。具体的には、ワークWが把持されていない状態において、複数の第1バネ部94aは、伸びている。また、ワークWが把持された状態において、複数の第1バネ部94aは、縮んでいる。このため、複数の第1バネ部94aが縮むことによって、ワークWが把持された状態における複数の第1シャフト先端部97aは、ワークWが把持されていない状態よりも、開閉方向に沿って第2接触部1bとは反対側に移動可能である。
図14は、第1接触部1aおよび第1先端部20aを示す側面図である。図14に示されるように、複数の第1開口部OP1および複数の第1貫通穴TH1は、第1グリッパ11aの回転軸CLを中心として周方向に等間隔に設けられている。また、複数の第1シャフト先端部97aは、第1グリッパ11aの回転軸CLを中心として周方向に等間隔に配置されている。なお、図14では、複数の第1開口部OP1の外形は、破線によって示されている。
次に、図12~図14を用いて、第2接触部1bの構成を説明する。
図12に示されるように、第2グリッパ11bの第1面11b1には、複数の第2開口部OP2が設けられている。これにより、第2グリッパ11bの内部には、図示されない複数の軸受の各々がそれぞれ配置されていてもよい。
複数の第2バネ部94bの各々は、第2グリッパ11bに接続されている。複数の第2バネ部94bの各々は、複数の第2シャフト根元部95bに対して第1接触部1aとは反対側で複数の第2シャフト根元部95bの各々にそれぞれ接続されている。複数の第2バネ部94bの各々は、複数の第2シャフト根元部95bの各々をそれぞれ第2グリッパ11bに接続している。
複数の第2シャフト根元部95bの各々は、複数の第2バネ部94bに対して第2フランジ部10bとは反対側で複数の第2バネ部94bの各々にそれぞれ接続されている。複数の第2シャフト根元部95bの各々は、複数の第2シャフト先端部97bに対して第1接触部1aとは反対側で複数の第2シャフト先端部97bの各々にそれぞれ接続されている。複数の第2シャフト先端部97bの各々は、複数の第2シャフト根元部95bの各々によって第2バネ部94bの各々にそれぞれ接続されている。
複数の第2シャフト根元部95bの各々は、円柱形状を有している。複数の第2シャフト根元部95bの各々は、複数の第2開口部OP2の各々にそれぞれ挿入されている。複数の第2シャフト根元部95bの各々の外径は、複数の第2開口部OP2の各々の内径以下である。これにより、複数の第2シャフト根元部95bの各々は、複数の第2開口部OP2の各々に挿入可能である。
なお、軸受が第2開口部OP2を通って第2グリッパ11bの内部に配置されている場合には、第2シャフト根元部95bは軸受に挿入されている。なお、この場合には、第2シャフト根元部95bの外径は軸受に挿入可能な大きさである。
複数の第2シャフト根元部95bの第1端95b1には、図示されない雌ネジが設けられていてもよい。この場合、第2シャフト根元部95bの第1端95b1には、雌ネジに螺合する図示されない雄ネジによって第2シャフト先端部97bが固定されている。複数の第2シャフト根元部95bの第2端95b2には、複数の第2バネ部94bの各々がそれぞれ接続されている。
第2グリッパ蓋96bは、第2グリッパ11bに重なるように第2グリッパ11bに接続されている。第2グリッパ蓋96bは、第2グリッパ11bと同程度の直径を有している。第2グリッパ蓋96bには、複数の第2貫通穴TH2が設けられている。複数の第2貫通穴TH2の各々は、複数の第2開口部OP2の各々にそれぞれ重なるように設けられている。複数の第2貫通穴TH2の内径は、複数の第2開口部OP2の内径よりも小さい。複数の第2貫通穴TH2の中心の各々が複数の第2開口部OP2の中心の各々に一致するように、第2グリッパ蓋96bが第2グリッパ11bに接続されている。第2グリッパ蓋96bは例えば、図示されないネジによって第2グリッパ11bに固定されている。
第2グリッパ蓋96bは、ワークW(図13参照)に対する把持力が作用した際に変形しない程度の強度を有する材料によって構成されている。第2グリッパ蓋96bの厚みは、ワークW(図13参照)に対する把持力が作用した際に変形しない程度の厚みである。
搬送装置100は、図示されない第2ゴムシートをさらに含んでいてもよい。第2ゴムシートは、第2グリッパ蓋96bに対して第2グリッパ11bとは反対側で第2グリッパ蓋96bを覆っている。すなわち、第2ゴムシートは、外側に配置されている。第2ゴムシートは、第2グリッパ11bとは接触しない。第2ゴムシートは、具体的には、第2グリッパ蓋96bに貼り付けられている。第2ゴムシートには、複数の貫通穴が設けられている。第2ゴムシートの複数の貫通穴の各々は、第2グリッパ蓋96bの第2貫通穴TH2の各々と重なる位置にそれぞれ設けられている。第2ゴムシートの複数の貫通穴の各々の内径は、第2グリッパ蓋96bの第2貫通穴TH2の各々の内径の各々の内径と同程度である。
複数の第2シャフト先端部97bの各々は、複数の第2シャフト根元部95bの各々にそれぞれ着脱可能かつ交換可能に構成されている。第2シャフト先端部97bは、第2グリッパ蓋96bの第2貫通穴TH2を通って第2シャフト根元部95bに着脱可能かつ交換可能である。具体的には、第2シャフト先端部97bに構成された雄ネジが第2シャフト根元部95bに構成された雌ネジに螺合されることで、第2シャフト先端部97bが第2シャフト根元部95bに着脱可能かつ交換可能である。第2シャフト先端部97bが開閉方向に第2フランジ部10bに向かって沿って押されることで、第2バネ部94bが縮む。このため、第2シャフト先端部97bは、第2グリッパ11bの外部から第2グリッパ11bの内部に移動可能である。なお、第2シャフト先端部97bは、第2バネ部94bが縮んだ状態において第2グリッパ蓋96bから第2シャフト先端部97bの先端が突出しないように構成されている。
複数の第2シャフト先端部97bは、円柱形状を有している。複数の第2シャフト先端部97bの外径の各々は、第2グリッパ蓋96bに設けられた複数の第2貫通穴TH2の各々の内径よりもそれぞれ小さい。このため、複数の第2シャフト先端部97bの各々は、第2グリッパ蓋96bに設けられた複数の第2貫通穴TH2に挿入可能である。第2シャフト先端部97bは、ワークW(図13参照)に対する把持力が作用した際に変形しない程度の強度を有する材料によって構成されている。
図12および図13に示されるように、複数の第2シャフト先端部97bは、開閉方向に移動可能に構成されている。複数の第2シャフト根元部95bは、複数の第2バネ部94bによって開閉方向に移動可能に構成されている。具体的には、ワークWが把持されていない状態において、複数の第2バネ部94bは、伸びている。また、ワークWが把持された状態において、複数の第2バネ部94bは、縮んでいる。このため、複数の第2バネ部94bが縮むことによって、ワークWが把持された状態における複数の第2シャフト先端部97bは、ワークWが把持されていない状態よりも、開閉方向に沿って第1接触部1aとは反対側に移動可能である。
図14は、第2接触部1bおよび第2先端部20bを示す側面図である。図14に示されるように、複数の第2開口部OP2および複数の第2貫通穴TH2は、第2グリッパ11bの回転軸CLを中心として周方向に等間隔に設けられている。また、複数の第2シャフト先端部97bは、第2グリッパ11bの回転軸CLを中心として周方向に等間隔に配置されている。なお、図14では、複数の第2開口部OP2の外形は、破線によって示されている。
次に、主に図9、図12および図13を用いて、実施の形態2に係る搬送装置100の動作を説明する。
実施の形態2に係る搬送装置100の動作は、実施の形態1の搬送装置100と比べて、吊り上げ工程S103(図10参照)において異なっている。なお、実施の形態2に係る搬送装置100の動作は、他の工程においては実施の形態1と同様である。
図9、図12および図13に示されるように、吊り上げ工程S103(図10参照)では、第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2がワークWとともにクレーン部42によって吊り上げられることで、第1接触部1a、第2接触部1b、支持部2およびワークWが上方に移動する。上述されたように、第1接触部1a、第2接触部1bおよび支持部2の自重によって、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が小さくなる。これにより、ワークWに第1接触部1aおよび第2接触部1bによる把持力が作用する。
本実施の形態では、図13に示されるように、第1バネ部94aおよび第2バネ部94bが縮むことによって、複数の第1シャフト先端部97aおよび複数の第2シャフト先端部97bは、ワークWの表面に沿うように開閉方向に沿って移動する。
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
実施の形態2に係る搬送装置100によれば、図12および図13に示されるように、複数の第1シャフト先端部97aは、開閉方向に移動可能に構成されている。複数の第2シャフト先端部97bは、開閉方向に移動可能に構成されている。このため、第1接触部1aおよび第2接触部1bがワークWを把持した際に、複数の第1シャフト先端部97aおよび複数の第2シャフト先端部97bは、ワークWの表面に沿うように開閉方向に沿って移動することができる。これにより、ワークWの表面の凹凸に第1シャフト先端部97aおよび第2シャフト先端部97bの先端が引っかかることができる。よって、第1接触部1aおよび第2接触部1bによってワークWを確実に把持することができる。
また、ワークWの表面の凹凸に第1シャフト先端部97aおよび第2シャフト先端部97bの先端が引っかかることができる。これにより、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、第1スパイク12a(図3参照)および第2スパイク12b(図3参照)が刺さらない程度の硬度を有する硬質なワークWを把持することができる。
また、ワークWの表面の凹凸に第1シャフト先端部97aおよび第2シャフト先端部97bの先端が引っかかることができる。これにより、ワークWの表面の摩擦が小さい場合でも、第1シャフト先端部97aおよび第2シャフト先端部97bがワークW表面の凹凸を捉えるため、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、ワークWを把持することができる。
図12に示されるように、複数の第1シャフト先端部97aの各々は、複数の第1シャフト根元部95aの各々にそれぞれ着脱可能かつ交換可能に構成されている。複数の第2シャフト先端部97bの各々は、複数の第2シャフト根元部95bの各々にそれぞれ着脱可能かつ交換可能に構成されている。このため、第1シャフト先端部97aおよび第2シャフト先端部97bが摩耗した場合に、摩耗した第1シャフト先端部97aおよび第2シャフト先端部97bを新たな第1シャフト先端部97aおよび第2シャフト先端部97bに交換することができる。
実施の形態3.
次に、図15~図21を用いて、実施の形態3に係る搬送装置100の構成を説明する。実施の形態3は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図15に示されるように、実施の形態3に係る搬送装置100は、主に第1接触部1aおよび第2接触部1bの構成において実施の形態2に係る搬送装置100とは異なっている。
第1接触部1aおよび第2接触部1bは、回転軸CLを中心として回転可能である状態と回転しない状態とに切替可能に構成されている。具体的には、図15に示されるように、ワークW(図16参照)が把持されていない状態では、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、回転軸CLに対して回転しない。また、図16に示されるように、ワークWが把持されている状態では、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、回転軸CLを中心として回転可能である。なお、回転軸CLを中心として回転可能である状態と回転しない状態とに切り替えるための構造については、後述される。
図15に示されるように、搬送装置100は、第1おもり部Wtaおよび第2おもり部Wtbをさらに含んでいる。第1おもり部Wtaは、上下方向に沿って回転軸CLよりも下方において第1接触部1aに取り付けられている。第2おもり部Wtbは、上下方向に沿って回転軸CLよりも下方において第2接触部1bに取り付けられている。
本実施の形態では、第1グリッパ11aの下端には、第1おもり溝GWaが設けられている。第1おもり部Wtaは、第1おもり溝GWaに取り付けられている。第2グリッパ11bの下端には、第2おもり溝GWbが設けられている。第2おもり部Wtbは、第2おもり溝GWbに取り付けられている。
第1おもり部Wtaおよび第2おもり部Wtbの密度は、第1接触部1aおよび第2接触部1bの密度よりも大きい。このため、同じ体積の第1おもり部Wtaと第1接触部1aとでは、第1おもり部Wtaの方が重い。また、同じ体積の第2おもり部Wtbと第2接触部1bとでは、第2おもり部Wtbの方が重い。
第1接触部1aおよび第2接触部1bの各々が回転可能な状態において、第1おもり部Wtaおよび第2おもり部Wtbは、第1接触部1aおよび第2接触部1bの回転軸CLの周方向に沿って最下端に配置されている。また、第1接触部1aおよび第2接触部1bの各々が回転可能な状態において、第1おもり部Wtaおよび第2おもり部Wtbが第1接触部1aおよび第2接触部1bの回転軸CLの周方向に沿って最下端よりも上方に配置された場合、第1接触部1aおよび第2接触部1bが回転する。これにより、第1おもり部Wtaおよび第2おもり部Wtbは、回転軸CLの周方向に沿って最下端に移動可能である。
複数の第1シャフト先端部97aの各々の形状は、直方体の1つの角が削られることで斜面が設けられた形状である。複数の第1シャフト先端部97aの各々は、第1斜面SAa、第1底面SBaおよび第1先端面SCaを含んでいる。第1底面SBaは、第1斜面SAaおよび第1先端面SCaと開閉方向に沿って対向している。第1底面SBaは、第1斜面SAaと隣接していない。第1底面SBaの1辺の寸法は、第1シャフト根元部95aの直径よりも小さい。第1先端面SCaは、第1斜面SAaに接続されている。第1先端面SCaは、第1底面SBaと平行に対向していることが望ましい。第1斜面SAaは、第1先端面SCaから第1底面SBaに向かって近付くように構成された面である。複数の第1シャフト先端部97aの各々の第1斜面SAaは、上下方向に沿って下方を向いて揃っている。第1シャフト先端部97aの第1斜面SAaには、第1底面SBaに連通するザグリ穴(貫通孔)が設けられていてもよい。この場合、第1シャフト先端部97aは、ザグリ穴(貫通孔)を通るネジによって第1シャフト根元部95aに固定されている。
複数の第2シャフト先端部97bの各々の形状は、直方体の1つの角が削られることで斜面が設けられた形状である。複数の第2シャフト先端部97bの各々は、第2斜面SAb、第2底面SBbおよび第2先端面SCbを含んでいる。第2底面SBbは、第2斜面SAbおよび第2先端面SCbと開閉方向に沿って対向している。第2底面SBbは、第2斜面SAbと隣接していない。第2底面SBbの1辺の寸法は、第2シャフト根元部95bの直径よりも小さい。第2先端面SCbは、第2斜面SAbに接続されている。第2先端面SCbは、第2底面SBbと平行に対向していることが望ましい。第2斜面SAbは、第2先端面SCbから第2底面SBbに向かって近付くように構成された面である。複数の第2シャフト先端部97bの各々の第2斜面SAbは、上下方向に沿って下方を向いて揃っている。第2シャフト先端部97bの第2斜面SAbには、第2底面SBbに連通するザグリ穴(貫通孔)が設けられていてもよい。この場合、第2シャフト先端部97bは、ザグリ穴(貫通孔)を通るネジによって第2シャフト根元部95bに固定されている。
図17に示されるように、複数の第1貫通穴TH1の各々に複数の第1シャフト先端部97aの各々がそれぞれ挿入可能であれば、複数の第1貫通穴TH1の各々の形状は、角穴であってもよい。また、複数の第2貫通穴TH2の各々に複数の第2シャフト先端部97bの各々がそれぞれ挿入可能であれば、複数の第2貫通穴TH2の各々の形状は、角穴であってもよい。図示されないが、複数の第1貫通穴TH1および複数の第2貫通穴TH2の形状は、例えば、丸穴であってもよい。
次に、図18~図21を用いて、実施の形態3に係る第1接触部1aおよび第2接触部1bの構成を詳細に説明する。図18~図21は、第1接触部1aおよび第1先端部20aを示す拡大断面図である。図18~図21は、第2接触部1bおよび第2先端部20bを示す拡大断面図である。図18に示されるように、本実施の形態において、第1接触部1aは、第1軸受114a、第1内側軸受115a、第1内側バネ部116a、第1凸部COaおよび第1溝部GOaをさらに含んでいる。第1軸受114aは、第1孔H1内に配置されている。第1内側軸受115aは、第1軸受114aの内部に配置されている。
第1軸部14aは、第1円筒部TPaおよび第1内側フランジ部FPaを含んでいる。第1円筒部TPaは、第1軸受114aの内部から第1軸受114aの外部に延在している。第1内側フランジ部FPaは、第1軸受114aの内部に配置されている。第1内側フランジ部FPaは、第1内側バネ部116aによって第1軸受114aに接続されている。
第2接触部1bは、第2軸受114b、第2内側軸受115b、第2内側バネ部116b、第2凸部CObおよび第2溝部GObをさらに含んでいる。第2軸受114bは、第2孔H1内に配置されている。第2内側軸受115bは、第2軸受114bの内部に配置されている。
第2軸部14bは、第2円筒部TPbおよび第2内側フランジ部FPbを含んでいる。第2円筒部TPbは、第2軸受114bの内部から第2軸受114bの外部に延在している。第2内側フランジ部FPbは、第2軸受114bの内部に配置されている。第2内側フランジ部FPbは、第2内側バネ部116bによって第2軸受114bに接続されている。
図18および図19に示されるように、第1凸部COaは、第1軸受114aの内部において回転軸CLに対して上下方向に沿って上側に配置されている。第1溝部GOaは、第1内側フランジ部FPaの上端に設けられている。第2凸部CObは、第2軸受114bの内部において回転軸CLに対して上下方向に沿って上側に配置されている。第2溝部GObは、第2内側フランジ部FPbの上端に設けられている。なお、図19では、破線は、第1円筒部TPaが第1内側フランジ部FPaに重なっている位置および第2円筒部TPbが第2内側フランジ部FPbに重なっている位置を示している。
図15および図18に示されるように、ワークW(図16参照)が把持されていない状態において、第1内側バネ部116aは、第1軸部14aを開閉方向に沿って第2接触部1bに向かって押している。これにより、第1溝部GOaと第1凸部COaとが嵌め合わせられた状態で第1溝部GOaが第1凸部COaに押し付けられている。このため、第1接触部1aは、回転しない。
また、ワークW(図16参照)が把持されていない状態において、第2内側バネ部116bは、第2軸部14bを開閉方向に沿って第1接触部1aに向かって押している。これにより、第2溝部GObと第2凸部CObとが嵌め合わせられた状態で第2溝部GObが第2凸部CObに押し付けられている。このため、第2接触部1bは、回転しない。
また、図18に示されるように第1溝部GOaと第1凸部COaとが嵌め合わせられた状態で、図15に示されるように第1シャフト先端部97aの第1斜面SAaは下方を向いている。また、第1溝部GOaと第1凸部COaとが嵌め合わせられた状態で、第1おもり部Wtaは、第1接触部1aの最下端に配置されている。第2溝部GObと第2凸部CObとが嵌め合わせられた状態で、第2シャフト先端部97bの第2斜面SAbは、下方を向いている。また、第2溝部GObと第2凸部CObとが嵌め合わせられた状態で、第2おもり部Wtbは、第2接触部1bの最下端に配置されている。
図15および図18に示されるように、第1おもり部Wtaおよび第2おもり部Wtbが最下端に配置された状態において、第1斜面SAaおよび第2斜面SAbは、下方を向いている。第1おもり部Wtaおよび第2おもり部Wtbが最下端に配置された状態において、第1凸部COa、第2凸部COb、第1溝部GOaおよび第2溝部GObは、最上端に配置されている。
図16および図20に示されるように、ワークWが把持された状態において、第1軸部14aは、第1内側バネ部116aに向かって押されている。また、ワークWが把持された状態において、第2軸部14bは、第2内側バネ部116bに向かって押されている。このため、第1凸部COaは、第1溝部GOaから離れている。これにより、第1凸部COaと第1溝部GOaとの嵌め合わせは、解除されている。同様に、第2凸部CObと第2溝部GObとの嵌め合わせは、解除されている。
図21に示されるように、ワークW(図16参照)が把持された状態において、第1軸部14aは、回転軸CLを中心として回転可能である。また、第2軸部14bは、回転軸CLを中心として回転可能である。すなわち、ワークW(図16参照)が把持された状態において、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、回転軸CLを中心として回転可能である。このため、図20に示されるように第1凸部COaと第1溝部GOaとの嵌め合わせが解除された後に、図21に示されるように第1凸部COaは上下方向に沿った最上端から下方に移動する。また、図20に示されるように第2凸部CObと第2溝部GObとの嵌め合わせが解除された後に、図21に示されるように第2凸部CObは上下方向に沿った最上端から下方に移動する。
次に、主に図15および図16を用いて、実施の形態3に係る搬送装置100の動作を説明する。
実施の形態3に係る搬送装置100の動作は、実施の形態1に係る搬送装置100と比べて、挿入工程S102(図10参照)、吊り上げ工程S103(図10参照)および解放工程S105(図10参照)において異なっている。また、実施の形態3に係る搬送装置100の他の動作は、実施の形態2に係る搬送装置100と同様である。
挿入工程S102(図10参照)では、図15および図16に示されるように、ワークWの開閉方向の寸法に応じて第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が広げられる。続いて、隣り合うワークWの間に第1接触部1aおよび第2接触部1bの各々が挿入される。第1接触部1aおよび第2接触部1bが挿入される際に、ワークWが第1シャフト先端部97aおよび第2シャフト先端部97bの斜面に接触することで、第1バネ部94aおよび第2バネ部94bが縮む。これにより、第1シャフト先端部97aが第1グリッパ11a内に移動する。また、第2シャフト先端部97bが第2グリッパ11b内に移動する。なお、第1内側バネ部116aが第1軸部14aを押した状態で第1凸部COaと第1溝部GOaとが噛み合っているため、第1接触部1aが回転することは抑制されている。また、第2接触部1bが回転することは抑制されている。
吊り上げ工程S103(図10参照)では、第1内側バネ部116aが把持力によって縮む。これにより、第1凸部COaと第1溝部GOaとの嵌め合わせが解除される。このため、第1接触部1aが回転できるようになる。また、第2内側バネ部116bが把持力によって縮む。これにより、第2凸部CObと第2溝部GObとの嵌め合わせが解除される。このため、第2接触部1bが回転できるようになる。
解放工程S105(図10参照)では、第1接触部1aおよび第2接触部1bがワークWから取り外される。続いて、ロック装置3(図1参照)が制限状態になる。これによって、第1接触部1aと第2接触部1bとの開閉方向に沿った間隔が小さくなることが抑制される。続いて、第1取手26a(図1参照)および第2取手26b(図1参照)が作業員によって把持された状態で、第1接触部1aと第2接触部1bとの間隔が広げられる。これにより、ワークWが解放される。
ワークWが解放された際に、図15に示されるように第1おもり部Wtaの重さによって第1おもり部Wtaが最下方に移動するように、第1グリッパ11aが回転する。これにより、第1凸部COaと第1溝部GOaとが再び嵌め合わせられる。また、第2おもり部Wtbの重さによって第2おもり部Wtbが最下方に移動するように、第2グリッパ11bが回転する。これにより、第2凸部CObと第2溝部GObとが再び嵌め合わせられる。また、第1斜面SAaおよび第2斜面SAbが下方を向く。
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
実施の形態3に係る搬送装置100によれば、図15および図16に示されるように、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、回転軸CLを中心として回転可能である状態と回転しない状態とに切替可能に構成されている。このため、ワークWが把持されていない状態において、第1接触部1aおよび第2接触部1bは回転軸CLに対して回転しない。よって、ワークWが把持されていない状態において、第1接触部1aの回転軸CLに対する角度(位相)と第2接触部1bの回転軸CLに対する角度(位相)が一致するように第1接触部1aおよび第2接触部1bを手動で回転させなくてもよい。仮に第1接触部1aおよび第2接触部1bを手動で回転させる必要がある場合、作業員がワークWに近付く必要がある。このため、隣り合うワークW同士の距離が近い場合には、作業員がワークWに近付けないためワークWの把持が困難である。本実施の形態によれば、第1接触部1aおよび第2接触部1bを手動で回転させなくてもよいため、隣り合うワークW同士の距離が近い場合でもワークWの把持が困難になることを抑制することがきる。
図15および図16に示されるように、第1接触部1aおよび第2接触部1bは、回転軸CLを中心として回転可能である状態と回転しない状態とに切替可能に構成されている。これにより、ワークWが把持されていない状態において、複数の第1シャフト先端部97aの各々の第1斜面SAaおよび複数の第2シャフト先端部97bの各々の第2斜面SAbが下方を向くように固定することができる。このため、第1斜面SAaおよび第2斜面SAbに沿うようにワークWを把持することができる。したがって、第1接触部1aおよび第2接触部1bによって容易にワークWを保持することができる。
図15および図16に示されるように、第1おもり部Wtaは、上下方向に沿って回転軸CLよりも下方において第1接触部1aに取り付けられている。第2おもり部Wtbは、上下方向に沿って回転軸CLよりも下方において第2接触部1bに取り付けられている。このため、ワークWが把持される際にワークWによって第1おもり部Wtaおよび第2おもり部Wtbが上方に移動した後に、第1おもり部Wtaおよび第2おもり部Wtbに作用する重力によって、第1おもり部Wtaおよび第2おもり部Wtbは下方に移動する。このため、第1接触部1aの回転軸CLに対する角度(位相)と第2接触部1bの回転軸CLに対する角度(位相)が一致するように第1接触部1aおよび第2接触部1bを手動で回転させなくてもよい。よって、隣り合うワークW同士の距離が近い場合でもワークWの把持が困難になることを抑制することがきる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。