JP7291250B2 - ヒトタウを標的とする化合物および方法 - Google Patents

ヒトタウを標的とする化合物および方法 Download PDF

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Description

本発明は、医薬の分野に属する。より特定すると、本発明は、ヒトタウに対する抗体またはそのフラグメントを含む化合物、医薬組成物、診断法および方法に関する。本発明の化合物および方法は、神経変性疾患、特に、アルツハイマー病(AD)、進行性核上性麻痺(PSP)および前頭側頭型認知症(FTD)などを含むタウオパチーの分野において有用であることが予想され、その治療およびそれに関連する診断法を含む。
タウは、中枢神経系(「CNS」)および末梢の両方で発現される、軸索微小管結合タンパク質であり、これは、微小管のアセンブリおよび安定性を促進する。CNSにおいて発現されるヒトタウの既知のアイソフォームは、ニューロン内神経原線維変化(「NFT」)の異常な形成および凝集に関与する。ADなどの神経変性疾患において、CNS NFTの密度および神経解剖学的局在は、認知症の重篤度、ニューロン欠損の程度、および全体的な疾患進行と相関する。PSPにおいて、また、CNS NFT形成が見られ、その密度もニューロン欠損の重篤度と相関する。
ADは、認知症によって特徴付けられる神経変性疾患であり、記憶、思考および行動についての問題を引き起こす。アルツハイマー病協会によれば、ADを有する推定560万人の65歳以上のアメリカ人(すなわち、およそ10人に1人)、およびさらに20万人のADを有する65歳未満のアメリカ人が存在する。アルツハイマー病協会はまた、ADを有する65歳以上のアメリカ人の数が2025年までに26%を超えて増加するとの予想を示している。このことは重大な医療支出を表しており、2019年のみで、直接的なAD関連医療費は、米国において2900億ドルに達すると推定されており、この数字には未払いの介護者の費用は含まれていない。ADの個人およびヘルスケアへの重大な影響にもかかわらず、今日までに、ADの治療のために承認された疾患修飾治療法は存在せず、そのような治療は満たされていない医療ニーズのままである。
さらに、疾患修飾治療の発見および/または開発を支援するために、ADのための信頼性の高い高感度の診断法が必要とされている。ADのために承認された診断適用は、Amyvid(登録商標)である。flourtaucipirは、現在FDA審査中のADのための診断適用である。Amyvid(登録商標)およびflortaucipirの両方は、ADおよび他の神経変性疾患の検出およびステージ分類において有用な放射性同位体神経学的イメージング剤である。さらに、患者サンプルにおけるヒトタウの残基181(配列番号1に基づく残基番号)におけるリン酸化スレオニン(「hTau-pT181」)を標的とする診断アッセイが最近開示された。しかしながら、hTau-pT181診断適用は、血液、血漿および脳脊髄液(「CSF」)アッセイにおける、患者の様々なADステージまたは患者の予後の特定などの、診断試験のために必要な感度を欠いている。したがって、血液、血漿および/またはCSFを用いた試験に適用可能な、より安価でかつより侵襲性の低い診断オプションを提供し、また、高感度で信頼性の高い診断法が必要とされている。H好ましくは、そのような診断法は、AD患者間の特定および/または区別をすることができる(例えば、ADのステージまたは予後に基づいて)。そのような診断法はまた、好ましくは、有効な治療応答間の特定および/または区別をすることができる。複数の実施形態では、そのような診断法はまた、好ましくは、さらなる診断評価の必要性がある患者、例えば、そのためにflourtaucipirおよび/またはamyvidなどの神経学的イメージングが適切である患者間の特定および/または区別をすることができる。
したがって、一実施形態では、本開示は、残基217(配列番号1に基づく残基番号)におけるスレオニンでリン酸化されたヒトタウ(「hTau-pT217」)に対する抗体、およびその医薬組成物、ならびにそのような抗体および医薬組成物を使用する方法および診断適用を提供する。さらに、本開示の一実施形態によれば、CNSにおいて発現されるヒトタウのアイソフォームに対する抗体(例えば、CNSにおいて発現されるアイソフォームを認識し、もっぱらCNSの外側で発現されるヒトタウのアイソフォームを認識しない)、およびその医薬組成物が提供される。
(原文に記載なし)
いくつかの実施形態によれば、hTau-pT217に特異的に結合する抗体が提供される。より特定の実施形態では、配列番号1の残基217におけるリン酸化スレオニンを含むヒトタウのエピトープ領域に結合する抗体が提供され、ここで、配列番号1の残基217におけるスレオニンがリン酸化されていない場合、そのような抗体はヒトタウに結合しない。本開示のさらにより特定の実施形態では、そのような抗体は、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、提供され、ここで、LCVRは、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3の相補性決定領域(CDR)を含み、HCVRは、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のCDRを含み、ここで、LCDR1は、配列番号13のアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号14のアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号15のアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号10のアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号11のアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号12のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、LCDR1は、配列番号13のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号15のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号11のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有する。本開示によって提供される抗体のいくつかの実施形態によれば、LCVRは、配列番号5のアミノ酸配列を有し、HCVRは、配列番号3のアミノ酸配列を有する。本開示によって提供される抗体のいくつかの実施形態では、LCVRは、配列番号8のアミノ酸配列を有し、HCVRは、配列番号6のアミノ酸配列を有する。いくつかのさらなる実施形態では、LCVRは、配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCVRは、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有する。なおさらなる実施形態では、LCVRは、配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCVRは、配列番号6のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有する。
本開示の実施形態によれば、ヒトタウのCNS発現アイソフォーム(例えば、CNSにおいて発現されるヒトタウの既知のアイソフォーム)に特異的に結合する抗体が提供され、そのような抗体は、もっぱらCNSの外側の領域(末梢神経系を含む)において発現されるヒトタウのアイソフォームに結合しない。特定の実施形態によれば、ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合するそのような抗体は、配列番号1の124(グルタミン)と125(アラニン)とを含むヒトタウのエピトープ領域に結合する。特定の実施形態では、そのような抗体は、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、提供され、ここで、LCVRは、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3の相補性決定領域(CDR)を含み、HCVRは、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のCDRを含み、ここで、LCDR1は、配列番号23のアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号24のアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号25のアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号20のアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号21のアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号22のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、LCDR1は、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号25のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号21のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号22のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有する。本開示によって提供される抗体のいくつかの実施形態によれば、LCVRは、配列番号17のアミノ酸配列を有し、HCVRは、配列番号19のアミノ酸配列を有する。いくつかのさらなる実施形態では、LCVRは、配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCVRは、配列番号19のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態によれば、本開示の抗体はヒト化されていてもよい。いくつかの実施形態では、本開示の抗体はIgG4重鎖を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗体はカッパ軽鎖を含む。なおさらなる実施形態によれば、本開示は、本開示の抗体と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と、を含む、医薬組成物を提供する。
なおさらなる実施形態によれば、本開示は、有効量の本開示の抗体、またはその医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、神経変性疾患を治療する方法を提供する。いくつかのそのような実施形態では、神経変性疾患はタウオパチーである。さらにより特定の実施形態では、タウオパチーは、AD、PSPおよびFTDのうちの1つである。
いくつかの実施形態によれば、本開示は、治療における使用のための本開示の抗体、またはその医薬組成物を提供する。さらに、本開示の抗体、またはその医薬組成物は、神経変性疾患の治療における使用のために提供される。いくつかのそのような実施形態では、神経変性疾患はタウオパチーである。いくつかのより特定の実施形態では、タウオパチーは、AD、PSPおよびFTDからなる群から選択される。
本開示のいくつかの実施形態によれば、本開示の抗体、またはその医薬組成物は、神経変性疾患の治療のための医薬の製造における使用のために提供される。いくつかのそのような実施形態では、神経変性疾患はタウオパチーである。さらにより特定の実施形態では、タウオパチーは、AD、PSPおよびFTDからなる群から選択される。
本開示のさらなる実施形態によれば、患者サンプルにおけるhTau-pT217を検出する方法が提供される。そのような方法は、患者サンプルを、hTau-pT217に特異的に結合する本開示の抗体と接触させるステップと、接触させるステップによって提供されるシグナルを検出するステップとを含む。
複数の実施形態によれば、ヒトタウのCNSのみで発現されるアイソフォームを検出する方法が提供される。そのような方法は、患者サンプルを、CNSにおいて発現されるヒトタウのアイソフォームに特異的に結合する(すなわち、もっぱらCNSの外側で発現されるヒトタウのアイソフォームに結合しない)本開示の抗体と接触させるステップと、接触させるステップによって提供されるシグナルを検出するステップとを含む。
いくつかの実施形態によれば、患者サンプルにおけるhTau-pT217を定量化する方法が提供される。そのような方法は、患者サンプルを、hTau-pT217に特異的に結合する本開示の抗体と接触させるステップと、接触させるステップによって提供されるシグナルを検出するステップとを含む。いくつかの実施形態では、そのような方法は、対照標準を抗体と接触させるステップと、対照標準を接触させるステップによって提供されるシグナルを検出するステップとをさらに含む。
いくつかの実施形態では、患者サンプルにおけるhTau-pT217を定量化する方法が、本開示によって提供される。そのような方法は、患者サンプルを、hTau-pT217に特異的に結合する本開示の抗体と接触させるステップと、患者サンプルを、ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する本開示の抗体と接触させるステップであって、ここで、抗体は、抗体の重複するエピトープ領域に結合せず、抗体のうちの1つは、検出可能な標識を含む、ステップと、抗体およびhTau-pT217を含む複合体の形成に際して検出可能な標識によって提供されるシグナルを検出するステップと、対照標準を抗体と接触させるステップと、抗体および対照標準を含む複合体の形成に際して検出可能な標識によって提供されるシグナルを検出するステップとを含む。
本開示のいくつかの実施形態によれば、患者を(i)神経変性疾患を有する、(ii)神経変性疾患を有するリスクがある、(iii)神経変性疾患のための治療の必要性がある、(iv)ADブラーク(Braak)ステージI、II、III、IV、VもしくはVIにある、または(v)神経学的イメージングの必要性がある、のうちの1つ以上として診断する方法が提供される。そのような実施形態によれば、そのような方法は、患者サンプルを、hTau-pT217に特異的に結合する本開示の抗体と接触させるステップと、患者サンプル中のhTau-pT217と抗体との間の結合を検出するステップとを含む。いくつかのそのような実施形態では、方法は、患者サンプルにおいて検出されるhTau-pT217のレベルが参照レベルを上回る場合に、特許を(i)神経変性疾患を有する、(ii)神経変性疾患を有するリスクがある、(iii)神経変性疾患のための治療の必要性がある、(iv)ADブラークステージI、II、III、IV、VもしくはVIにある、または(v)神経学的イメージングの必要性がある、のうちの1つとして診断するステップをさらに含む。
本開示のいくつかの実施形態では、患者における神経変性疾患を診断および治療する方法が提供される。そのような実施形態によれば、方法は、患者サンプルを、hTau-pT217に特異的に結合する本開示の抗体と接触させるステップと、患者サンプル中のhTau-pT217と抗体との間の結合を検出するステップと、神経変性疾患を有する患者を診断するステップと、治療有効量の抗ヒトタウ抗体を、診断された患者に投与するステップとを含む。いくつかの実施形態では、診断するステップは、患者サンプルにおけるhTau-pT217の存在が参照レベルを上回る場合に、患者を神経変性疾患を有するとして診断することを含む。
本開示の方法のいくつかの実施形態によれば、そのような方法は、患者サンプルにおけるhTau-pT217を定量化するステップをさらに含む。そのような実施形態では、hTau-pT217を定量化するステップは、患者サンプルにおけるhTau-pT217を参照標準に対して定量化することを含む。
本開示の方法のいくつかの実施形態によれば、患者サンプルは、血液、血漿、血清またはCSFのうちの1つである。
本開示の方法のいくつかの実施形態によれば、方法は、患者サンプルを、hTau-pT217に特異的に結合する抗体および第2の抗体と接触させるステップであって、第2の抗体は、ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する、ステップをさらに含む。いくつかのそのような方法において、抗体または第2の抗体のうちの1つは、検出可能な標識を含み、検出するステップは、抗体、第2の抗体およびhTau-pT217を含む複合体の形成に際して検出可能な標識によって提供されるシグナルを検出することを含む。いくつかのそのような実施形態によれば、抗体および第2の抗体のうちの1つは、基材上に固定化されている。本開示の方法のいくつかの実施形態では、患者サンプルを抗体と接触させるステップと、患者サンプルを第2の抗体と接触させるステップとは、同時に行われる。いくつかのより特定の実施形態によれば、第2の抗体は、本明細書に開示されるヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する本開示の抗体を含む。
本明細書で使用される場合、「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互結合された2つのHCおよび2つのLCを含む免疫グロブリン分子である。各LCおよびHCのアミノ末端部分は、その中に含まれるCDRを介した抗原認識を主に担う約100~120アミノ酸の可変領域を含む。CDRには、フレームワーク領域(「FR」)と呼ばれる、より保存された領域が散在している。各LCVRおよびHCVRは、アミノ末端からカルボキシ末端へ、以下のFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順で配置された3つのCDRおよび4つのFRで構成される。LCの3つのCDRは、「LCDR1、LCDR2、およびLCDR3」と呼ばれ、HCの3つのCDRは、「HCDR1、HCDR2、およびHCDR3」と呼ばれる。CDRは、抗原との特異的相互作用を形成する残基の大部分を含む。抗体が特定の抗原に結合する機能的能力は、6つのCDRによって大きく影響される。本発明の抗体のLCVRおよびHCVR領域内のCDRドメインへのアミノ酸の割り当ては、周知のKabat番号付け規則(Kabat,et al.,Ann.NY Acad.Sci.190:382-93(1971)、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242(1991))、およびNorth番号付け規則(North et al.,A New Clustering of Antibody CDR Loop Conformations,Journal of Molecular Biology,406:228-256(2011))に基づいている。
LCは、本開示のいくつかの実施形態によれば、カッパまたはラムダとして分類され、これらは各々、当該技術分野で既知の特定の定常領域によって特徴付けられる。HCは、本開示のいくつかの実施形態によれば、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンとして分類され、それぞれ、抗体のアイソタイプをIgG、IgM、IgA、IgD、またはIgEとして定義する。いくつかの実施形態によれば、抗体はIgG HCを含み、これは、サブクラス、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4にさらに分けられ得る。各HCのカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主に担う定常領域を定義する。特定の実施形態では、本発明の抗体は、エフェクター機能を低減する、各HCの定常領域内の1つ以上の修飾を有する。
本発明の抗体は、モノクローナル抗体である。モノクローナル抗体は、単一のコピーまたはクローン(例えば、任意の真核生物、原核生物、もしくはファージクローンを含む)に由来する抗体であり、それが産生される方法ではない。モノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ技術、組換え技術、ファージ提示技術、合成技術、例えばCDR移植、またはそのような技術または当該技術分野で既知の他の技術の組み合わせにより産生することができる。
抗体を産生および精製する方法は当該技術分野で周知であり、例えば、Harlow and Lane(1988),Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,chapters 5-8 and 15,ISBN 0-87969-314-2に見出すことができる。例えば、マウスまたはウサギをhTau-pT217で免疫化してもよく、得られた抗体を回収、精製し、当該技術分野で周知の従来の方法を使用してアミノ酸配列を決定することができる。同様に、ファージライブラリをスクリーニングしてもよく、それによって、数千のFabフラグメントをhTau-pT217との相互作用についてスクリーニングし、得られた相互作用を回収、精製し、当該技術分野で周知の従来の方法を使用してアミノ酸配列を決定することができ、それによって、最初のリード抗体を構築することができる。本開示の抗体の実施形態は、非ヒト抗体に由来するCDRを囲む1つ以上のヒトフレームワーク領域を含むように操作された抗体を含む。ヒトフレームワークの生殖系列配列は、例えば、ImMunoGeneTics(INGT)から、そのウェブサイト(http://imgt.cines.fr)を通して、またはThe Immunoglobulin FactsBook by Marie-Paule Lefranc and Gerard Lefranc,Academic Press,2001,ISBN012441351から得ることができる。
本発明の特定の実施形態では、抗体、または抗体をコードする核酸は、単離された形態で提供される。本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、細胞環境において見出される他の高分子種を含まないか、または実質的に含まない、タンパク質、ペプチド、または核酸を指す。
本開示によって提供される抗体は、患者の治療において使用され得る。より特定すると、本開示の抗体の実施形態は、AD、PSPおよびFTDを含むタウオパチーを含む、神経変性疾患または障害の治療において有用であり得る。本発明の抗体は、AD、PSPおよびFTDの治療において有用であり得るが、そのような抗体はまた、他の神経変性疾患、特にNFT形成などのタウ病態が関与する疾患の治療において有用であり得る。本明細書で互換的に使用される場合、「治療」および/または「治療すること」および/または「治療する」は、本明細書に記載の障害の進行の緩徐化、妨害、抑止、制御、停止、または逆転が存在し得るすべてのプロセスを指すことが意図されるが、すべての障害の症状の完全な排除を必ずしも示すものではない。治療は、タウ凝集形成、NFT形成およびニューロン欠損のうちの少なくとも1つの伝播の低減から利益を得る、ヒトにおける疾患または状態の治療のための本発明の抗体の投与を含み、(a)疾患のさらなる進行を阻害すること、すなわち、その発達を抑止すること、および(b)疾患を軽減すること、すなわち、疾患または障害の退縮を引き起こすか、またはその症状もしくは合併症を緩和することを含む。
本明細書で互換的に使用される場合、「患者」、「対象」、および「個体」という用語は、ヒトを指す。特定の実施形態では、患者はさらに、タウ凝集体形成、神経原線維変化形成、およびニューロン欠損のうちの少なくとも1つの伝播の低減から利益を得る疾患、障害、または状態(例えば、神経変性障害)で特徴付けられる。別の実施形態では、患者はさらに、タウ凝集体形成、NFT形成、およびニューロン欠損のうちの少なくとも1つの伝播の低減から利益を得る神経変性障害、疾患、または状態を発達させるリスクがあるとして特徴付けられる。
本明細書で使用される場合、「hTau-pT217に特異的に結合する」という用語は、配列番号1の残基217におけるリン酸化スレオニンを含むヒトタウのエピトープ領域との抗体の相互作用を指す。そのような結合は、配列番号1の残基217におけるスレオニンのリン酸化に依存する。例えば、スプライスバリアントから生じる、ヒトタウの既知のバリエーションまたはアイソフォームが存在することが理解されるべきである。そのような既知のバリアントは、配列番号1に記載のヒトタウ配列を参照して本明細書において提供されるようなリン酸化スレオニンを含む配列番号1のいくつかのアミノ酸残基についての残基番号付けの変更をもたらし得ることも理解される。
本明細書で使用される場合、「ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する」という用語は、CNSにおいて発現されるヒトタウのアイソフォームに共通の、またはその上に存在するエピトープ領域であって、そのエピトープ領域は、もっぱらCNSの外側で発現されるヒトタウのアイソフォーム上には存在しない、エピトープ領域との、本開示の抗体の相互作用を指す。ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する抗体は、もっぱらCNSの外側で発現されるヒトタウアイソフォーム(例えば、末梢神経系などの体の他の領域のみで発現されるアイソフォーム)に結合しない。いくつかの実施形態によれば、ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する抗体は、配列番号1を参照した残基番号で、残基124におけるグルタミン(Q124)と残基125におけるアラニン(A125)とを含むCNSにおいて発現されるヒトタウアイソフォームのエピトープ領域に結合するか、またはそれを認識する。例えば、スプライスバリアントから生じるヒトタウの既知のバリエーションまたはアイソフォームが存在すること、および、そのようなバリアントは、配列番号1に記載のヒトタウ配列を参照して本明細書において提供されるようなグルタミンとアラニンとを含む配列番号1を参照したいくつかのアミノ酸残基についての残基番号付けの変更をもたらし得ることが理解されるべきである。
本明細書で使用される場合、「エピトープ領域」という用語は、本発明の抗体によって全体的または部分的のいずれかで認識される抗原の別個の三次元部位を指す。エピトープ領域のアミノ酸は、ヒトタウの化学的に活性な表面群を提供し、ヒトタウの特異的三次元構造を形成し、特異的電荷特性を提供し得る。立体配座エピトープと非立体配座/直鎖状エピトープとは、立体配座エピトープ領域への結合は変性溶媒の存在下で失われるが、一方、直鎖状エピトープ領域はそうでないという点で区別され得る。
本発明の抗体は、当該技術分野で周知の方法によって調製することができ、本発明の抗体と、1つ以上の薬学的に許容される担体および/または希釈剤と、を含む、医薬組成物に組み込むことができる(例えば、一般に開業医に知られている製剤化技術の概要を提供する、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition,Loyd V.,Ed.,Pharmaceutical Press,2012)。医薬組成物に好適な担体には、本発明の抗体と組み合わせたときに分子の活性を保持し、かつ患者の免疫系と非反応性である、任意の材料が含まれる。本発明の抗体を含む医薬組成物は、親経路(例えば、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、または経皮)によって、本明細書に記載の疾患または障害のリスクがあるか、またはそれを呈する患者に投与することができる。本発明の医薬組成物は、「有効」量または「治療有効」量(本明細書で互換的に使用される)の本発明の抗体を含有する。有効量は、所望の治療結果を達成するのに必要な量(投与量および期間および投与手段で)を指す。抗体の有効量は、個体の病状、年齢、性別、および体重、ならびに抗体が個体において所望の応答を誘発する能力などの要因に応じて変動し得る。有効量はまた、本発明の抗体の任意の毒性効果または有害効果よりも治療的に有益な効果が上回る量である。
2つ以上のアミノ酸配列の文脈で、本開示において言及される、相同性パーセントは、配列比較アルゴリズム(例えば、BLASTPおよびBLASTN、または当業者が利用可能な他のアルゴリズム)を使用して、または目視検査によって測定されて、最大一致について比較および整列されたときに、特定される割合の同じアミノ酸残基を有する2つ以上の配列を指す。用途に応じて、相同性パーセントは、比較される配列の領域にわたって、例えば、機能的ドメインにわたって存在するか、あるいは比較される2つの配列の全長にわたって存在することができる。例として、配列の相同性パーセントを参照配列と比較することができる。例えば、配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列と参照配列をコンピュータに入力することができる(必要に応じて、配列アルゴリズムプログラムのパラメータとともにサブシーケンス座標をさらに指定することができる)。次に、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムのパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列の配列同一性または相同性パーセントを計算する。例示的な配列アラインメントおよび/または相同性アルゴリズムは、Smith & Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)、Needleman & Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)、Pearson & Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)、GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA(the Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group、575 Science Dr.,Madison,Wis.)を通じて利用可能であるか、または目視検査(一般的に、Ausubel et al.、下記、を参照されたい)による。配列同一性および配列類似性パーセントを決定するために好適なアルゴリズムの一例は、BLASTアルゴリズムであり、これは、Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)に記載されている。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)(www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公開されている。
本明細書で使用される場合、患者「サンプル」は、ヒトサンプルを指す。本発明における使用のためのサンプルの非限定的な供給源には、血液、血漿、血清、およびCSFが含まれる。さらに、サンプルはまた、リンパ液、生検吸引物、腹水、流体抽出物、固形組織、皮膚の外部切片、呼吸器、鼻道、腸管、および泌尿生殖器、涙、唾液、乳汁、腫瘍、臓器、細胞培養物および/または細胞培養物構成物を指し得る。
本開示はまた、本明細書に開示される方法を使用して医療専門家によって行われる対象の臨床診断、予後、またはセラノーシス(theranosis)の方法にも関する。本明細書に記載される方法は、例えば、個人、医療従事者、または第三者、例えば、対象からの情報を解釈するサービスプロバイダによって行われ得る。本明細書で説明されるように、医療専門家は、本開示の診断方法に関する情報を受け取った後に治療を開始または変更することができる。例えば、医療専門家は、治療法、治療法の変更または追加の診断評価(例えば、神経学的イメージング)を推奨し得る。
hTau-pT217に特異的に結合する本開示の抗タウ抗体を使用して、アフィニティクロマトグラフィー、免疫沈降、免疫組織化学またはELISAベースのアッセイなどの技術によって、hTau-pT217を単離、検出および/または定量化することができる。そのようなアッセイを使用して、臨床試験手順の一部として(例えば、所与の治療レジメンの有効性を決定するために)、ポリペプチドレベル(例えば、血清、血漿、血液またはCSFにおける)をモニターする診断、予後、またはセラノスティクス目的のために、hTau-pT217の発現の検出ならびに/またはその存在量および/もしくはパターンの評価をすることができる。
ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する本開示の抗タウ抗体を使用して、アフィニティクロマトグラフィー、免疫沈降、免疫組織化学またはELISAベースのアッセイなどの技術によって、CNSにおいて発現されるヒトタウのアイソフォーム(もっぱらCNSの外側で発現されるヒトタウのアイソフォームを除く)を単離および/または検出することができる。そのようなアッセイを使用して、臨床試験手順の一部として(例えば、所与の治療レジメンの有効性を決定するために)、ポリペプチドレベル(例えば、血清、血漿、血液またはCSFにおける)をモニターする診断、予後、またはセラノスティクス目的のために、ヒトタウのCNS発現アイソフォームの発現の検出ならびに/またはその存在量および/もしくはパターンの評価をすることができる。当該技術分野において理解されるように、本発明の抗体は、その検出を容易にするために、検出可能な物質または標識に結合され得る。検出可能な物質または標識の例には、様々な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、化学発光物質および放射性物質が含まれる。好適な酵素の例には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが含まれ、好適な補欠分子族複合体の例には、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが含まれ、好適な蛍光物質の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトナジニルアミン(dichlorotnazinylamine)フルオレセイン、塩化ダンシル、またはフィコエリスン(phycoerythnn)が含まれ、発光物質の例には、ルミノールが含まれ、生物発光物質の例には、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、ルテニウムおよびエクオリンが含まれ、好適な放射性物質の例には、125I、131I、35S、またはHが含まれる。本発明の抗体はまた、薬理ゲノム分析においても有用であり得る。そのような実施形態は、特定のもしくは修飾された治療手法から利益を得ることができる個体を特定するために、および/または現在の治療レジメンの有効性をモニターするために使用され得る。
本発明のアッセイによって提供されるhTau-pT217のレベルまたは測定値は、絶対値(例えば、生物学的サンプル内の濃度)または相対値(例えば、参照と比較した濃度)であり得る。本明細書で使用される場合、hTau-pT217を検出するための方法が、患者サンプルにおけるhTau-pT217のレベルまたは濃度が基準値よりも高いことを示す場合、hTau-pT217は、患者サンプルにおいて「増加した」といわれる。逆に、患者サンプルにおけるhTau-pT217レベルまたはhTau-pT217の濃度が基準値、または例えば、以前の患者サンプルにおいて測定されたhTau-pT217値よりも低い場合、hTau-pT217は、患者サンプルにおいて「減少した」といわれる。
本明細書で使用される場合、「基準値」は、特定の状態に関連する既知の、またはおおよそのhTau-pT217の濃度を指す。基準値における濃度レベルは、hTau-pT217の絶対量もしくは相対量、量の範囲、または最小量、平均量、および/もしくは中央値の量であり得る。基準値はまた、それに対して患者サンプルが比較されるhTau-pT217のベースラインとして作用し得る。
本明細書で使用される場合、「対照標準」は、本発明の方法において患者サンプルから得られた結果を比較するために使用され得るサンプルを指す。対照標準は、細胞、血液、血漿、CSF、組織または培地中にスパイクされた既知のタンパク質の濃度であり得る。対照標準における濃度レベルは、hTau-pT217の絶対量もしくは相対量、量の範囲、または最小量、平均量、および/もしくは中央値の量であり得る。対照標準はまた、それに対して患者サンプルが比較されるhTau-pT217のベースラインとして作用し得る。対照標準には、同じ患者からの濃度値、またはhTau-pT217の既知の正常な参照が含まれ得る。さらに、いくつかの実施形態では、対照標準は、hTau-pT217濃度を標準曲線の形態で表し得る。
本明細書で使用される場合、「捕捉抗体」という用語は、hTau-pT217に結合する抗体を指す。そのような実施形態では、捕捉抗体は、適切な条件下で、患者サンプルにおけるhTau-pT217に結合し、それを捕捉することができ、例えば、hTau-pT217に特異的に結合することができ(例えば、配列番号1の残基217におけるスレオニンがリン酸化されていない場合は、ヒトタウに結合しない)、その結果、捕捉抗体-hTau-pT217複合体は、サンプルの残りの部分から分離され得る。いくつかの実施形態では、捕捉抗体は、ヒトタウのCNS発現アイソフォーム(例えば、残基217におけるスレオニンでリン酸化されたhTauを含み得る)に特異的に結合する抗体であり得、hTau-pT217に特異的に結合する抗体は、「第2の(または検出)抗体」として使用される。いくつかの実施形態では、捕捉抗体は、固定化されている。いくつかの実施形態では、検出抗体は、検出可能な標識で標識されている。いくつかの実施形態では、捕捉抗体は、「サンドイッチ」イムノアッセイにおいて固定化されており、捕捉または第1の抗体は、配列番号1の残基217におけるリン酸化スレオニンを含むヒトタウのエピトープ領域に特異的に結合する。そのようなサンドイッチイムノアッセイでは、「検出(または第2の)抗体」も利用される。いくつかの実施形態によれば、検出または第2の抗体は、捕捉抗体に特異的に結合することができ、検出可能な標識で標識され得る。いくつかの実施形態では、第2の抗体の検出は、捕捉または第1の抗体によって既に結合または捕捉されているhTau-pT217に特異的に結合する。そのような実施形態では、検出抗体は、第1のまたは捕捉抗体と重複しない第2のエピトープ領域でhTau-pT217に結合し、検出可能な標識で標識され得る。いくつかのそのような実施形態では、第2の抗体は、ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する本発明の抗体である。
本明細書で使用される場合、「検出可能な標識」は、hTau-pT217に特異的に結合する本発明の抗体とhTau-pT217との間の複合体の形成を検出するために使用され得る部分、組成物または技術である。いくつかの実施形態によれば、検出可能な標識は、抗体(場合によって、捕捉または検出のいずれか)に直接的または間接的にコンジュゲートされ得る。検出可能な標識の例示的な実施形態には、ビオチン、放射性同位体、フルオロフォアまたは他の蛍光部分、および酵素部分が含まれる。
本明細書で互換的に使用される場合、「診断」または「診断する」という用語は、当業者が、患者が所与の疾患または状態に罹患しているか否かの確率(「可能性」)を推定および/または決定することができる方法を指す。本発明の場合、患者を「診断する」ことは、AD、PSPまたはFTDなどの神経学的障害を特定または診断するために、ならびに、患者(例えば、神経学的疾患もしくは障害または治療の必要性の存在もしくは発生)を、あるいは患者についての神経学的疾患に対する治療の有効性を特定するために、本発明のアッセイの結果を使用することを含む。本発明によれば、診断は、診断に到達するために、医療従事者が理解する他の臨床徴候の組み合わせに基づいてもよい。本発明のいくつかの実施形態によれば、本発明の診断適用は、患者がADブラークステージI、II、III、IV、VまたはVIにあるとして診断するために使用され得る。ADブラークステージは、当該技術分野で知られており、Braak,et al.,(2006)Acta Neuropathol 112(4):389-404に記載されている。
抗hTau-pT217抗体
本開示の抗hTau-pT217抗体、またはhTau-pT217に特異的に結合する抗体を、ハイブリドーマ方法を用いて生成する(例えば、Kohler et al.,Nature,256:495(1975)によって最初に記載されたように)。簡単に言えば、例示として、ウサギを、配列番号1によって表される、リン酸化スレオニンおよびそのようなスレオニンのN末端およびC末端の4つ以上のアミノ酸を含むペプチドで免疫化する(免疫化において使用され得ペプチドの例示は、配列番号26によって提供される)。hTau-pT217に結合する抗体を産生することができるリンパ球を単離し、ハイブリドーマ細胞を形成するのに好適な融合剤を使用して骨髄腫細胞株と融合させる(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59-103(Academic Press,1986))。ハイブリドーマを好適な培養培地(好ましくは、融合していない骨髄腫細胞の生存を阻害する1つ以上の物質を含有する)に播種し、増殖させる。次に、ハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性を、hTau-pT217および残基217(配列番号1への参照に基づく番号)におけるスレオニンでリン酸化されていない組換えタウの両方を使用するインビトロ結合アッセイ(例えば、免疫沈降、ラジオイムノアッセイ(RIA)、または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA))によって決定する。hTau-pT217に特異的に結合する抗体(例えば、配列番号1に基づく番号付けで、残基217でリン酸化されていないヒトタウに結合しない)を同定する。好ましいハイブリドーマを、限界希釈手順によりサブクローニングし、動物の腹水腫瘍としてのインビボを含む標準的な方法により増殖させることができる(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59-103(Academic Press,1986))。ハイブリドーマ(およびまたはサブクローン)によって分泌されたモノクローナル抗体を、例えば、アフィニティクロマトグラフィー(例えば、プロテインAもしくはプロテインG-Sepharose)またはイオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析などの従来の手順に従って精製する。
本発明の抗体をコードするcDNAを、従来の手順を使用して配列決定する。実質的に本明細書に記載の手順に従って生成された例示的なウサギ抗hTau-pT217抗体(「mAb A」)は、配列番号2の重鎖および配列番号4の軽鎖を含む。配列決定した抗体の相補性決定領域(CDR)または可変領域を、キメラもしくはヒト化抗体への変換において使用し得、そして/または他の哺乳動物IgG形態に変換し得る。例えば、クローンを、配列番号6の重鎖可変領域および配列番号7の重鎖および配列番号8の軽鎖可変領域および配列番号9の軽鎖を有する、例示的なウサギ可変領域、マウスIgG定常領域キメラ抗hTau-pT217抗体(「mAb B」)などのマウスIgGキメラ抗体に変換し得る。次に、結合特異性を再評価し得る。重鎖および軽鎖をコードするcDNA配列を、GS(グルタミンシンテターゼ)発現ベクター中にクローン化および操作し得る。次に、操作した免疫グロブリン発現ベクターを、CHO細胞に安定的にトランスフェクトし得る。当業者が理解するように、抗体の哺乳動物発現は、典型的にはFc領域の高度に保存されたN-グリコシル化部位でグリコシル化をもたらすであろう。安定なクローンを、hTau-pT217に特異的に結合する抗体の発現について確認し得る。陽性クローンを、バイオリアクターでの抗体産生のために無血清培養培地中に拡大し得る。抗体が分泌された培地を、従来の技術によって精製し得る。例えば、培地を、リン酸緩衝生理食塩水などの適合性のある緩衝液で平衡化されたプロテインAまたはG Sepharose FFカラムに都合よく適用し得る。カラムを洗浄して、非特異的結合成分を除去する。結合した抗体を、例えば、pH勾配によって溶出し、抗体画分を、例えば、SDS-PAGEによって検出し、次にプールする。抗体を、一般的な技術を使用して濃縮および/または滅菌濾過し得る。可溶性凝集体および多量体を、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む一般的な技術によって効果的に除去し得る。産生物を、例えば-70℃で直ちに凍結し得るか、または凍結乾燥し得る。
hTauのCNSのみで発現されるアイソフォームに特異的な抗体
ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する本開示の抗体を、ハイブリドーマ方法を用いて生成し得る(例えば、Kohler et al.,Nature、256:495(1975)によって最初に記載されたように)。簡単に言えば、例示として、非ヒト哺乳動物(例えば、マウスまたはウサギ)を、配列番号1によって表される番号付けで、残基124におけるグルタミンと残基125におけるアラニンとを含むヒトタウタンパク質(例えば、配列番号1によって与えられるhTau)、またはそのペプチドで免疫化し得る。ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する抗体を産生することができるリンパ球を単離し、ハイブリドーマ細胞を形成するのに好適な融合剤を使用して骨髄腫細胞株と融合させ得る(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59-103(Academic Press,1986))。ハイブリドーマを好適な培養培地(好ましくは、融合していない骨髄腫細胞の生存を阻害する1つ以上の物質を含有する)に播種し、増殖させ得る。次に、ハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性を、ヒトタウのCNS発現アイソフォーム(例えば、配列番号1の配列を有するペプチドおよび/またはおよびヒトタウの末梢発現アイソフォーム(例えば、配列番号1によって表される残基125におけるアラニンに隣接する残基124におけるグルタミンを含まない、配列番号27によって与えられる配列を有するペプチド)の両方に対するインビトロ結合アッセイ(例えば、免疫沈降、ラジオイムノアッセイ(RIA)、または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA))によって決定する。ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する抗体(例えば、末梢発現ヒトタウに結合しない)を同定することができる。好ましいハイブリドーマを、限界希釈手順によりサブクローニングし、動物の腹水腫瘍としてのインビボを含む標準的な方法により増殖させることができる(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59-103(Academic Press,1986))。ハイブリドーマ(およびまたはサブクローン)によって分泌されたモノクローナル抗体を、例えば、アフィニティクロマトグラフィー(例えば、プロテインAもしくはプロテインG-Sepharose)またはイオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析などの従来の手順に従って精製することができる。
本発明の抗体をコードするcDNAを、従来の手順を使用して配列決定し得る。実質的に本明細書に記載の手順に従って生成された、ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する本開示の例示的なマウス抗体(「mAb C」)は、配列番号16の重鎖および配列番号18の軽鎖を含む。配列決定した抗体の相補性決定領域(CDR)または可変領域を、キメラもしくはヒト化抗体への変換において使用し得、そして/または他の哺乳動物IgG形態に変換し、CHO細胞などのコンポーネント宿主細胞において発現させ得る。
結合キネティクスおよび親和性
ForteBioから入手可能なOctet Red96(登録商標)機器を用いて測定されるバイオレイヤー干渉法(BLI)アッセイ(25℃のHBS-EP+ランニングバッファー(GE Healthcare、10mM Hepes pH7.4+150mM NaCl+3mM EDTA+0.05%界面活性剤P20)を使用)を使用して、hTau-pT217に特異的に結合する本発明の抗体の、配列番号1のアミノ酸配列を有する組換えhTau-pT217タンパク質への結合を測定する。
記載のものを除き、すべての試薬および材料は、ForteBio(Freemont,CA)からのものである。プロテインAバイオセンサーを使用して、分析のために目的の抗体を固定化する。例示的な本発明の抗体サンプル(mAb A)を、ランニングバッファー中への希釈によって5μg/mLに調製する。組換えhTau-pT217タンパク質を、ランニングバッファー中への希釈によって、300、100、33.3、11.1、3.7、1.24、0.4115、および0(ブランク)nMの濃度に調製する。各分析は、(1)抗体サンプルをバイオセンサー上に240秒間捕捉すること、(2)抗体をロードしたバイオセンサーをランニングバッファーとともに60秒間インキュベートすることによってベースラインを確立すること、(3)抗体をロードしたバイオセンサーを系列希釈した組換えhTau-pT217タンパク質とともに300秒間インキュベートして、会合相をモニターすること、(4)バイオセンサーをランニングバッファーに戻して、解離相をモニターすることからなる。
結合データを、標準的な二重参照を使用して処理し、Data Analysis v9.0評価ソフトウェアを使用して1:1結合モデルに適合させて、会合速度(kon、M-1-1単位)、および解離速度(koff、s-1単位)を決定する。K=koff/konの関係から平衡解離定数(K)を計算し、これはモル単位でのものである。結果を表1に示す。
Figure 0007291250000001
hTau-pT217への結合特異性
hTau-pT217に特異的に結合する本発明の例示的な抗体(mAb AおよびmAb B)の特異性を、合成ペプチドを使用し、ForteBioから入手可能なOctet Red96(登録商標)機器を用いて測定する、BLIアッセイ(25℃のHBS-EP+ランニングバッファー(GE Healthcare、10mM Hepes pH7.4+150mM NaCl+3mM EDTA+0.05%界面活性剤P20)を使用)を使用して決定する。残基7におけるリン酸化スレオニン有りまたは無しの、配列番号26のN末端ビオチン標識ペプチドを、ストレプトアビジンバイオセンサー(ForteBio)に固定化する。ペプチドを、ランニングバッファー中に5μg/mLに希釈したmAb AおよびmAb BのIgGとともに300秒間インキュベートし、続いて300秒間の解離を行う。結合データを、Data Analysis v9.0評価ソフトウェアを使用して決定する。解離の終了時の各ペプチドについての結合シグナル(nm)を表2に示す。
Figure 0007291250000002
hTau-pT217イムノアッセイ
血漿におけるhTau-pT217を測定するためのイムノアッセイを、AD患者における疾患関連差異を測定するように設計する。例示として、本開示のイムノアッセイを、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームを使用してストレプトアビジンスモールスポットプレート上で実施する。mAb AまたはmAb Bのいずれかを、捕捉抗体として使用し、ビオチン化する。mAb C(ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する本開示の抗体)などのSULFO-TAG第2の抗体を、検出抗体として利用する。抗体を、製造元のプロトコルに従って、Sulfo-NHS-Biotin(Thermo Scientific、カタログ番号、21329)またはMSD GOLD SULFO-TAG NHS-Ester(MSD、カタログ番号、R91AO-1)とコンジュゲートさせる。アッセイを、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3との反応を使用してインビトロでリン酸化され、質量分析によって特徴付けられた組換えタウ(4R2N、NCBIタウv2)タンパク質を使用して較正する。サンプルを湿潤氷上で解凍し、短時間ボルテックスし、血漿をサンプルバッファー(mAb Aについては(リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.5%Tween20、5mM EDTA、5mM EGTA)、mAb については50mM HEPES、300mM NaCl、5mM EDTA、5mM EGTA、1%Triton X-100、1%MSD Blocker A、2%PEG))中で1:4希釈し、Heterophilic Blocking Reagent 1を200ug/mLの濃度に添加する(Scantibodies Inc、カタログ番号、3KC533)。キャリブレーター希釈液を、サンプルバッファーを50/50でKnock-Out Serum Replacement(Gibco、10828-010)と混合することによって作製する。
MSDスモールスポットストレプトアビジン(MSD、L45SA)でコーティングしたプレートを、プレートシェーカー上で650rpmで振とうしながらPBS中の3%BSA 200uLを用いて室温で1時間ブロックする。プレートを、200uLの洗浄バッファー(PBS+0.05%Tween 20)で3回洗浄し、0.464ug/mLのビオチン化捕捉抗体(mAb A)(DPBS+0.1%BSA+0.05%Tween20中で希釈、mAb についてはプラス2%PEG)25uLをhTau-pT217プレートに添加し、プレートシェーカー上で650rpmで振とうしながら室温で1時間インキュベートする。プレートを再度200uLの洗浄バッファーで3回洗浄し、50uLの希釈したキャリブレーターまたはサンプルをプレートに添加し、プレートシェーカー上で650rpmで振とうしながら室温で2時間インキュベートする。次に、プレートを200uLの洗浄バッファーで3回洗浄し、25uLのSULFOタグ付き検出抗体(mAb C)を0.25ug/mLで(MSD Diluent 35中で希釈、mAb についてはプラス2%PEG)hTau-pT217プレートに添加し、プレートシェーカー上で650rpmで振とうしながら室温で1時間インキュベートする。プレートを最後に200uLの洗浄バッファーで洗浄し、150uLの2X MSD Read Buffer T with Surfactant(MSD、R92TC)を各プレートに添加し、リードバッファーの添加の10分以内にMSD SQ120上で読み取る。結果を、式Y=b+((b-b)/(1+(x/bb4))を使用し、4PL、内挿のための標準曲線の重み1/yを使用して、MSDソフトウェアによって計算する。
神経学的イメージングのための予後アッセイとしてのhTau-pT217イムノアッセイ
hTau-pT217およびhTau-pT181のレベルを、AD臨床試験に登録された対象の血液において評価する。本明細書に記載のhTau-pT217イムノアッセイを使用して、2つの研究(研究1、N=42、研究2、N-185)からのAD対象の血漿におけるhTau-pT217を評価する。また、当該技術分野において以前に記載されたhTau-pT181イムノアッセイを使用して、同じ患者におけるhTau-pT181を測定する。すべての患者は、flortaucipir神経学的イメージングによって測定されるタウポジトロン断層撮影(PET)を有する。サンプルを、2つの独自の臨床試験の間に取得し(ベースラインを含む)、将来のバイオマーカー研究のために-80℃で貯蔵する。flortaucipir SUVRを、白質における参照シグナルに対して、目的の新皮質領域において決定する。flortaucipir SUVRおよび血漿のpTau(それぞれ、pT181およびpT217)の相関を、スピアマンの順位相関を用いて評価する。受信者動作特性(ROC)曲線分析には、年齢および性別を共変量として組み込んだロジスティック回帰モデルならびに、SUVR≧1.1のflortaucipir陽性カットオフを使用する。将来の認知機能低下を予測するベースラインpTauを、四分位数によってpTauを評価する混合効果モデルを使用して評価する。
hTau-pT217イムノアッセイは、表3に示すように、両方の研究においてFlortaucipir PETとの統計的に有意なより高い相関を示す(p値<0.05)。
Figure 0007291250000003
ADおよび疾患進行のための診断指標としてのhTau-pT217イムノアッセイ
記載されるイムノアッセイを使用したCSFにおけるhTau-pT217のレベルを、hTau-pT181イムノアッセイの評価に対して評価および比較する。簡単に言えば、Swedish BioFINDER研究からの、障害なしの高齢者(CU、n=65)、ADに起因する軽度認知障害を有する患者(MCI-AD、n=29)、AD認知症(n=43)および他の神経変性障害(n=57)のCSFサンプルを、hTau-pT217およびhTau-p181イムノアッセイを用いて評価する。184人の参加者が、18F-Flortaucipirポジトロン断層撮影(PET)を受けた。18F-Flortaucipirの取り込みを、タウブラークステージI~II、III~IVおよびV~VIを含むADにおけるタウ病理に関連付けられる先験的に定義された領域および下側テンプ(inferior temp)において定量化する。
CU患者では、hTau-PT217イムノアッセイおよびhTau-pT181イムノアッセイの両方は、ブラークステージI~IIで18F-Flortaucipirと相関し、AD患者では、hTau-pT217イムノアッセイおよびhTau-pT181イムノアッセイの両方は、ブラークステージIII~IVおよびV~VIでの領域において相関し、MCI患者では、hTau-pT217は、ブラークステージIII~IVおよびV~VIでの領域I~IIにおいて18F-Flortaucipirと相関し、一方、hTau-pT181は、ブラークステージI~IIでの領域においてのみ相関する。重要なことに、領域的な18F-FlortaucipirとhTau-pT217イムノアッセイとの間の相関は、3つすべての診断群において(CU、MCIおよびAD)、すべての領域にわたって(ブラークステージI~II、III~IVおよびV~VI)、hTau-pT181イムノアッセイと18F-Flortaucipirとの間の相関を上回る統計的に有意なp<0.001~0.016)改善を示す。
hTau-pT217イムノアッセイの相関係数は、すべての領域にわたって、18F-Flortaucipirについて、hTau-pT181イムノアッセイと比較して一貫してより高い、統計的に有意な(すべてp<0.001)値、hTau-pT217(0.698~0.752)対hTau-pT181(0.572~0.706)、を示す。さらに、hTau-pT217イムノアッセイは、すべての領域において、病理学的18F-Flortaucipir状態の統計的に有意な(p<0.001)より正確な予測因子であると判明する(hTau-pT217、AUC 0.890~0.929、hTau-pT181イムノアッセイ、AUC 0.859~0.904)。さらに、hTau-pT217イムノアッセイは、AD神経変性疾患の非AD神経変性疾患からの区別において、hTau-pT181イムノアッセイを上回る統計的に有意な(p=0.026)改善されたパフォーマンスを示す(hTau-pT217、AUC 0.943、hTau-pT181、AUC 0.914)。これらの結果は、hTau-pT217イムノアッセイが、18F-Flortaucipir神経学的イメージングと相関し、ADを他の神経学的障害およびステージから区別することができ、hTau-pT181イムノアッセイを上回る有意な改善を示すことを示す。
hTau-pT217イムノアッセイはタウPET SUVrと関連する
タウPET SUVrは、文献においてタウ病理と関連することが示されている。本明細書に開示されるhTau-pT217イムノアッセイは、軽度のADを有する患者からの血漿、血清およびCSFにおけるhTau-pT217を測定する研究において、タウPET SUVrと相関する。簡単に言えば、190人の対象は、ベースラインでの血漿におけるhTau-pT217イムノアッセイの実施を受ける。この190人の対象のうち、185人の患者は、タウPET SUVrアッセイの実施を受ける。データを、スピアマン検定を使用して分析し、有意な相関は、スピアマンρ=0.49および未補正p値<0.001で観察される。さらに、187人の対象は、ベースラインでの血清におけるhTau-pT217の決定を受ける。この187人の対象のうち、182人は、タウPET SUVrアッセイの実施を受ける。データを、スピアマン検定を使用して分析し、有意な相関は、スピアマンρ=0.41、未補正p値<0.001で観察される。さらに、86人の対象は、ベースラインでのCSFにおけるhTau-pT217の決定を受ける。この86人の対象のうち、29人は、タウPET SUVrアッセイの実施を受ける。データを、スピアマン検定を使用して分析し、有意な相関は、スピアマンρ=0.70、未補正p値<0.001で観察される。結果は、タウの病理を特定するための、CSF、血漿または血清において測定されるpTau217レベルの使用を支持する。
hTau-pT217イムノアッセイは軽度のAD認知状態と関連する
軽度のAD対象の血漿、血清およびCSFにおけるhTau-pT217の平均値を、上記のイムノアッセイに従って計算する。各マトリックスにおける結果を表4に示す。
Figure 0007291250000004
本明細書に開示されるhTau-pT217イムノアッセイは、軽度のAD患者の認知状態(ミニメンタルステート検査、MMSEに基づく)およびMMSEについてのプラセボに対するベースラインからの変化と関連する。hTau-pT217を、軽度のADを有する患者からの血漿、血清およびCSFにおけるイムノアッセイによって評価する。簡単に言えば、マトリックス(血漿、血清およびCSF)の各々について、hTau-pT217の測定(本明細書に記載の)およびベースラインでのMMSE評価、ならびにベースライン評価からの変化を有する対象を、スピアマン検定での有意性について評価する。hTau-pT217イムノアッセイは、血漿および血清における認知状態およびベースラインからの変化の両方と統計的に有意な関連を示す(CSFサンプル数は、統計的有意性のためには低すぎるが、データは、血清および血漿についての評価のようにサンプル数を増加すれば、CSFが、MMSEおよびベースラインからのMMSE変化の両方について統計的有意性の関連を有することが予想されるような関連を示す)。結果を表5に示す。
Figure 0007291250000005
これらの結果は、hTau-pT217の、認知の尺度であるMMSEとの横断的関連を示し、認知機能低下の将来のリスクを決定するためのhTau-pT217の有用性を示す。
hTau-pT217イムノアッセイはアミロイド状態と関連する
本明細書に開示されるhTau-pT217イムノアッセイは、アミロイド状態と関連する。簡単に言えば、ADおよびアミロイド状態(PET神経学的イメージングに基づく)既知の4つの異なる患者群からの血漿サンプルを、hTau-pT217関連について評価する:(i)未罹患高齢者アミロイド陽性(CU-A+)、(ii)未罹患高齢者アミロイド陰性(CU-A-)、(iii)高齢者アミロイド陽性AD(AD-A+)、および(iv)臨床的未罹患若齢者(CUY-A-)。各群からのサンプルを、本明細書に記載されるhTau-pT217イムノアッセイを用いて分析する。結果を表6に示す。
Figure 0007291250000006
アミロイド陽性対象の特定のためのhTau-pT217イムノアッセイの評価を、スチューデントt検定を使用した個別の群についての表6に示す結果の評価によって決定する。結果を表7に示す。
Figure 0007291250000007
本明細書において提供されるデータは、本開示のhTau-pT217アッセイが、アミロイド陽性対象を特定すること、ADのための診断法として作用し、ADに関連する対象の認知状態を決定すること、ADのリスクがある、および/またはADの初期段階にある対象を特定すること、ならびにADの進行の診断法として作用することができることを示す。データはまた、本開示のhTau-pT217アッセイが、神経学的イメージング化と相関し、血清、血漿およびCSFのマトリックスにおいて機能的であり、既知のhTau-pT181アッセイよりも優れていることを示す。
本開示の例示的な実施形態
1.配列番号1の残基217におけるスレオニンでリン酸化されたヒトタウ(「hTau-pT217」)に特異的に結合する抗体。
2.軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であって、LCVRが、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3の相補性決定領域(CDR)を含み、HCVRが、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のCDRを含み、
LCDR1は、配列番号13のアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号14のアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号15のアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号10のアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号11のアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号12のアミノ酸配列を有する、抗体。
3.軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であって、LCVRが、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3の相補性決定領域(CDR)を含み、HCVRが、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のCDRを含み、
LCDR1は、配列番号13のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号15のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号11のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有する、抗体。
4.
a.配列番号5のアミノ酸配列を有するLCVR、および配列番号3のアミノ酸配列を有するHCVR、ならびに
b.配列番号8のアミノ酸配列を有するLCVR、および配列番号6のアミノ酸配列を有するHCVR、から選択される軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む、実施形態2または3の抗体。
5.
a.配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有するLCVR、および配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有するHCVR、ならびに
b.配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有するLCVR、および配列番号6のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有するHCVR、から選択される軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む、実施形態2または3の抗体。
6.抗体がヒト化されている、実施形態1~5のいずれかの抗体。
7.抗体がIgG4重鎖を含む、実施形態1~6のいずれかの抗体。
8.抗体がカッパ軽鎖を含む、実施形態1~7のいずれかの抗体。
9.実施形態1~8のいずれか1つの抗体と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と、を含む、医薬組成物。
10.ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合する抗体。
11.抗体が、配列番号1の残基124におけるグルタミンと残基125におけるアラニンとを含むヒトタウのエピトープ領域に結合する、実施形態10の抗体。
12.軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であって、LCVRが、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3の相補性決定領域(CDR)を含み、HCVRが、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のCDRを含み、
LCDR1は、配列番号23のアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号24のアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号25のアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号20のアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号21のアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号22のアミノ酸配列を有する、抗体。
13.軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であって、LCVRが、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3の相補性決定領域(CDR)を含み、HCVRが、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のCDRを含み、
LCDR1は、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号25のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号21のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号22のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有する、抗体。
14.配列番号17のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(LCVR)、および配列番号19のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(HCVR)を含む、実施形態12または13の抗体。
15.配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(LCVR)、および配列番号19のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(HCVR)を含む、実施形態12または13の抗体。
16.抗体がヒト化されている、実施形態10~15のいずれかの抗体。
17.抗体がIgG4重鎖を含む、実施形態10~16のいずれかの抗体。
18.抗体がカッパ軽鎖を含む、実施形態10~17のいずれかの抗体。
19.実施形態10~18のいずれか1つの抗体と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と、を含む、医薬組成物。
20.神経変性疾患を治療する方法であって、有効量の、実施形態1~19のいずれか1つの抗体、またはその医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法。
21.神経変性疾患がタウオパチーである、実施形態20の方法。
22.タウオパチーが、AD、PSPおよびFTDのうちの1つである、実施形態21の方法。
23.治療における使用のための、実施形態1~19のいずれか1つの抗体、またはその医薬組成物。
24.神経変性疾患の治療における使用のための、実施形態1~19のいずれか1つの抗体、またはその医薬組成物。
25.神経変性疾患がタウオパチーである、実施形態24の抗体、またはその医薬組成物。
26.タウオパチーが、AD、PSPおよびFTDからなる群から選択される、実施形態25の抗体、またはその医薬組成物。
27.神経変性疾患の治療のための医薬の製造における使用のための、実施形態1~19のいずれか1つの抗体、またはその医薬組成物。
28.神経変性疾患がタウオパチーである、実施形態27の抗体、またはその医薬組成物。
29.タウオパチーが、AD、PSPおよびFTDからなる群から選択される、実施形態28の抗体、またはその医薬組成物。
30.患者サンプルにおけるhTau-pT217を検出する方法であって、
患者サンプルを、実施形態1~8のいずれか1つの抗体と接触させるステップと、接触させるステップによって提供されるシグナルを検出するステップと、を含む、方法。
31.患者サンプルにおけるhTau-pT217を定量化する方法であって、
患者サンプルを、実施形態1~8のいずれか1つの抗体と接触させるステップと、接触させるステップによって提供されるシグナルを検出するステップと、を含む、方法。
32.対照標準を抗体と接触させるステップと、対照標準を接触させるステップによって提供されるシグナルを検出するステップとをさらに含む、実施形態31の方法。
33.患者サンプルにおけるhTau-pT217を定量化する方法であって、患者サンプルを、実施形態1~8の抗体と接触させるステップと、患者サンプルを第2の抗体と接触させるステップであって、第2の抗体は、実施形態10~18の抗体であり、抗体および第2の抗体のうちの1つは、検出可能な標識を含む、ステップと、抗体、第2の抗体およびhTau-pT217を含む複合体の形成に際して検出可能な標識によって提供されるシグナルを検出するステップと、対照標準を抗体と接触させるステップと、対照標準を第2の抗体と接触させるステップであって、抗体および第2の抗体のうちの1つは、検出可能な標識を含む、ステップと、抗体、第2の抗体および対照標準を含む複合体の形成に際して検出可能な標識によって提供されるシグナルを検出するステップと、を含む、方法。
34.患者を(i)神経変性疾患を有する、(ii)神経変性疾患を有するリスクがある、(iii)神経変性疾患のための治療の必要性がある、または(iv)神経学的イメージングの必要性がある、のうちの1つ以上として診断する方法であって、患者サンプルを、実施形態1~8のいずれか1つの抗体と接触させるステップと、患者サンプル中のhTau-pT217と抗体との間の結合を検出するステップと、を含む、方法。
35.患者サンプルにおいて検出されるhTau-pT217のレベルが参照レベルを上回る場合に、特許を(i)神経変性疾患を有する、(ii)神経変性疾患を有するリスクがある、(iii)神経変性疾患のための治療の必要性がある、または(iv)神経学的イメージングの必要性がある、のうちの1つとして診断するステップをさらに含む、実施形態34の方法。
36.患者における神経変性疾患を診断および治療する方法であって、患者サンプルを、実施形態1~18のいずれか1つの抗体と接触させるステップと、患者サンプル中のhTau-pT217と抗体との間の結合を検出するステップと、神経変性疾患を有する患者を診断するステップと、治療有効量の抗ヒトタウ抗体を、診断された患者に投与するステップと、を含む、方法。
37.診断するステップが、患者サンプルにおけるhTau-pT217の存在が参照レベルを上回る場合に、患者を神経変性疾患を有するとして診断することを含む、実施形態36の方法。
38.患者サンプルにおけるhTau-pT217を定量化するステップをさらに含む、実施形態31~37のいずれかの方法。
39.hTau-pT217を定量化するステップが、患者サンプルにおけるhTau-pT217を参照標準に対して定量化することを含む、実施形態38の方法。
40.患者サンプルが、血液、血漿、血清またはCSFのうちの1つである、実施形態30~39のいずれかの方法。
41.患者サンプルを第2の抗体と接触させるステップをさらに含み、第2の抗体が、抗体と重複しないhTau-pT217のエピトープ領域に結合する、実施形態30~32および34~40のいずれかの方法。
42.抗体または第2の抗体のうちの1つが、検出可能な標識を含み、検出するステップが、抗体、第2の抗体およびhTau-pT217を含む複合体の形成に際して検出可能な標識によって提供されるシグナルを検出することを含む、実施形態41の方法。
43.抗体および第2の抗体のうちの1つが、基材上に固定化されている、実施形態41~42のいずれかの方法。
44.患者サンプルを抗体と接触させるステップと、患者サンプルを第2の抗体と接触させるステップとが、同時に行われる、実施形態30~43のいずれかの方法。
45.第2の抗体が、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、LCVRが、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3の相補性決定領域(CDR)を含み、HCVRが、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のCDRを含み、
LCDR1は、配列番号23のアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号24のアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号25のアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号20のアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号21のアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号22のアミノ酸配列を有する、実施形態32および41~44のいずれかの方法。
46.第2の抗体が、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、LCVRが、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3の相補性決定領域(CDR)を含み、HCVRが、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のCDRを含み、
LCDR1は、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号25のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号21のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号22のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有する、実施形態33および41~44のいずれかの方法。
47.第2の抗体が、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、LCVRが、配列番号19のアミノ酸配列を有し、HCVRが、配列番号17のアミノ酸配列を有する、実施形態46~47のいずれかの方法。
48.第2の抗体が、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、
LCVRが、配列番号19のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、HCVRが、配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有する、実施形態46~47のいずれかの方法。
49.第1の抗体と、第2の抗体と、CNSにおいて発現され、配列番号1の残基217のスレオニンでリン酸化されたヒトタウとの間で複合体を形成する方法であって、患者サンプルを第1の抗体と接触させることであって、第1の抗体は、実施形態1~8のうちの1つの抗体である、接触させることと、患者サンプルを第2の抗体と接触させることであって、第2の抗体は、実施形態10~18のうちの1つの抗体である、接触させることと、を含む、方法。
50.CNSにおいて発現され、配列番号1の残基217のスレオニンでリン酸化されたヒトタウを検出するためのアッセイであって、実施形態1~8のうちの1つの抗体と、実施形態10~18のうちの1つの抗体と、を含む、アッセイ。
51.抗体のうちの1つが、検出可能な標識を含む、実施形態50のアッセイ。
配列表
配列番号1(hTau-pT217)
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKESPLQTPTEDGSEEPGSETSDAKSTPTAEDVTAPLVDEGAPGKQAAAQPHTEIPEGTTAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIINKKLDLSNVQSKCGSKDNIKHVPGGGSVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL

配列番号2(例示的なウサギ抗hTau-pT217抗体のHC)
QSVEESGGRLVTPGTPLTLTCTVSGLSPSWYGVHWVRQAPGKGLEWIGVLRAGSHTYYAGWAKGRFAISKTSTTVALKITSPTTEDTAIYFCGSVGRGIWGPGTLVTVSLGQPKAPSVFPLAPCCGDTPSSTVTLGCLVKGYLPEPVTVTWNSGTLTNGVRTFPSVRQSSGLYSLSSVVSVTSSSQPVTCNVAHPATNTKVDKTVAPSTCSKPTCPPPELLGGPSVFIFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQDDPEVQFTWYINNEQVRTARPPLREQQFNSTIRVVSTLPIAHQDWLRGKEFKCKVHNKALPAPIEKTISKARGQPLEPKVYTMGPPREELSSRSVSLTCMINGFYPSDISVEWEKNGKAEDNYKTTPAVLDSDGSYFLYSKLSVPTSEWQRGDVFTCSVMHEALHNHYTQKSISRSPGK

配列番号3(例示的なウサギ抗hTau-pT217抗体のHCVR)
QSVEESGGRLVTPGTPLTLTCTVSGLSPSWYGVHWVRQAPGKGLEWIGVLRAGSHTYYAGWAKGRFAISKTSTTVALKITSPTTEDTAIYFCGSVGRGIWGPGTLVTVSL

配列番号4(例示的なウサギ抗hTau-pT217抗体のLC)
AQVLTQTASPVSATVGGTVTINCQASLAVYNNNYLAWYQQKPGQPPKRLIYLASSLSSGVSSHFKGSGSGTQFTLTISDVQADDAATYFCQGSYDCTIADCVAFGGGTEVVVKGDPVAPTVLIFPPAADQVATGTVTIVCVANKYFPDVTVTWEVDGTTQTTGIENSKTPQNSADNTYNLSSTLTLTSTQYNSHKEYTCKVTQGTTSVVQSFNRGDC

配列番号5(例示的なウサギ抗hTau-pT217抗体のLCVR)
AQVLTQTASPVSATVGGTVTINCQASLAVYNNNYLAWYQQKPGQPPKRLIYLASSLSSGVSSHFKGSGSGTQFTLTISDVQADDAATYFCQGSYDCTIADCVAFGGGTEVVVK

配列番号6(例示的なキメラ抗hTau-pT217抗体のHCVR)
QSVEESGGRLVTPGTPLTLTCTVSGLSPSWYGVHWVRQAPGKGLEWIGVLRAGSHTYYAGWAKGRFAISKTSTTVALKITSPTTEDTAIYFCGSVGRGIWGPGTLVTVSL

配列番号7(例示的なキメラ抗hTau-pT217抗体のHC)
QSVEESGGRLVTPGTPLTLTCTVSGLSPSWYGVHWVRQAPGKGLEWIGVLRAGSHTYYAGWAKGRFAISKTSTTVALKITSPTTEDTAIYFCGSVGRGIWGPGTLVTVSLAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVPSSTWPSETVTCNVAHPASSTKVDKKIVPRDCGCKPCICTVPEVSSVFIFPPKPKDVLTITLTPKVTCVVVDISKDDPEVQFSWFVDDVEVHTAQTQPREEQFNSTFRSVSELPIMHQDWLNGKEFKCRVNSAAFPAPIEKTISKTKGRPKAPQVYTIPPPKEQMAKDKVSLTCMITDFFPEDITVEWQWNGQPAENYKNTQPIMDTDGSYFVYSKLNVQKSNWEAGNTFTCSVLHEGLHNHHTEKSLSHSPGK

配列番号8(例示的なキメラ抗hTau-pT217抗体のLCVR)
AQVLTQTASPVSATVGGTVTINCQASLAVYNNNYLAWYQQKPGQPPKRLIYLASSLSSGVSSHFKGSGSGTQFTLTISDVQADDAATYFCQGSYDCTIADCVAFGGGTEVVVK

配列番号9(例示的なキメラ抗hTau-pT217抗体のLC)
AQVLTQTASPVSATVGGTVTINCQASLAVYNNNYLAWYQQKPGQPPKRLIYLASSLSSGVSSHFKGSGSGTQFTLTISDVQADDAATYFCQGSYDCTIADCVAFGGGTEVVVKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC

配列番号10(例示的なHCDR1)
GLSPSWYGVH

配列番号11(例示的なHCDR2)
VLRAGSHTYYAGWAKG

配列番号12(例示的なHCDR3)
VGRGI

配列番号13(例示的なLCDR1)
QASLAVYNNNYLA

配列番号14(例示的なLCDR2)
LASSLSS

配列番号15(例示的なLCDR3)
LASSLSS

配列番号16(例示的なCNSのみで発現されるヒトタウ結合抗体のHC)
QVQLQQWGAGLLKPSETLSLTCAVYGGSFSPYYWSWIRQPPDKGLEWIGEINWSGDTNYNPSLKSRVTISLDTSKNQFSLNLSSVTAADTAVYYCARSFDRWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVDVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYNSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK

配列番号17(例示的なCNSのみで発現されるヒトタウ結合抗体のHCVR)
QVQLQQWGAGLLKPSETLSLTCAVYGGSFSPYYWSWIRQPPDKGLEWIGEINWSGDTNYNPSLKSRVTISLDTSKNQFSLNLSSVTAADTAVYYCARSFDRWGQGTLVTVSS

配列番号18(例示的なCNSのみで発現されるヒトタウ結合抗体のLC)
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVRSNYFAWYQQKPGQAPRLLIYGVSRRAFGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGASLITFGQGTRLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号19(例示的なCNSのみで発現されるヒトタウ結合抗体のLCVR)
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVRSNYFAWYQQKPGQAPRLLIYGVSRRAFGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGASLITFGQGTRLEIK

配列番号20(例示的なCNSのみで発現されるヒトタウ結合抗体のHCDR1)
AVYGGSFSPYYWS

配列番号21(例示的なCNSのみで発現されるヒトタウ結合抗体のHCDR2)
EINWSGDTN

配列番号22(例示的なCNSのみで発現されるヒトタウ結合抗体のHCDR3)
ARSFDR

配列番号23(例示的なCNSのみで発現されるヒトタウ結合抗体のLCDR1)
RASQSVRSNYFA

配列番号24(例示的なCNSのみで発現されるヒトタウ結合抗体のLCDR2)
YGVSRRAF

配列番号25(例示的なCNSのみで発現されるヒトタウ結合抗体のLCDR3)
QQYGASLIT

配列番号26(例示的な免疫化のためのペプチド)
RTPSLPTPPTR
ここで、残基7におけるTはリン酸化されている

配列番号27(例示的な免疫化のためのペプチド)
AEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKESPLQT PTEDGSEEPGSETSDAKSTPTAEDVTAPLVDEGAPGKQAAAQPHTEIPE GTTAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQEPESGKVVQEGFLREPGPP GLSHQLMSGMPGAPLLPEGPREATRQP SGTGPEDTEGGRHAPELLKHQ LLGDLHQEGPPLKGAGGKE RPGSKEEVDEDRDVDESSPQ DSPPSKASPA
QDGRPPQTAAREATSIPGFPAEGAIPLPVDFLSKVSTEIPASEPDGPSVG RAKGQDAPLEFTFHVEITPNVQKEQAHSEEHLGRAAFPGAPGEGPEARGP SLGEDTKEAD LPEPSEKQPAAAPRGKPVSRVPQLKARMVS KSKDGTGSDD KKAKTSTRSSAKTLKNRPCLSPKHPTPGSSDPLIQPSSPAVCPEPPSSPKYVSSVT SRTG SSGAKEMKLKGADGKTKIAT PRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPP APKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTP SLPTPPTREP
KKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGG KVQIINKKLDLSNVQSKCGSKDNIKHVPGGGSVQIVYKPVDLSKVTSKC GSLGNIHHKPG GGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGG NKKIETHKLTFR ENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDT
SPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL

Claims (18)

  1. から採取されたサンプルにおける配列番号1の残基217におけるスレオニンでリン酸化されたヒトタウ(「hTau-pT217」)を検出する方法であって、前記方法が、
    記サンプルを、hTau-pT217に特異的に結合する第1の抗体と接触させるステップと、
    記サンプルを第2の抗体と接触させるステップであって、前記第2の抗体は、前記第1の抗体と重複しないhTau-pT217のエピトープ領域に結合する、ステップと、
    前記第1の抗体のhTau-pT217との結合を検出するステップと、を含むことを特徴とし、
    前記第2の抗体は、ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合し、前記第2の抗体は、配列番号1の残基124におけるグルタミンと残基125におけるアラニンとを含むヒトタウのエピトープ領域に結合する、方法
  2. 前記方法が、前記サンプルにおけるhTau-pT217を定量化するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法
  3. 患者を(i)神経変性疾患を有する、(ii)神経変性疾患を有するリスクがある、(iii)神経変性疾患のための治療の必要性がある、または(iv)神経学的イメージングの必要性がある、のうちの1つまたはそれ以上として診断することを補助するための方法であって、前方法が、
    患者から採取されたサンプルを、hTau-pT217に特異的に結合する第1の抗体と接触させるステップと、
    記サンプルを第2の抗体と接触させるステップであって、前記第2の抗体は、前記第1の抗体と重複しないhTau-pT217のエピトープ領域に結合する、ステップと、
    記サンプル中のhTau-pT217と前記第1の抗体との間の結合を検出するステップと、を含むことを特徴とし、
    前記第2の抗体は、ヒトタウのCNS発現アイソフォームに特異的に結合し、前記第2の抗体は、配列番号1の残基124におけるグルタミンと残基125におけるアラニンとを含むヒトタウのエピトープ領域に結合する、方法
  4. 前記方法が、前記サンプルにおいて検出されるhTau-pT217のレベルが参照レベルを上回る場合に、前記患者を(i)神経変性疾患を有する、(ii)神経変性疾患を有するリスクがある、(iii)神経変性疾患のための治療の必要性がある、または(iv)神経学的イメージングの必要性がある、のうちの1つとして診断することを補助するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法
  5. 前記方法が、前記患者を神経変性疾患を有するとして診断することを補助するステップをさらに含、前記神経変性疾患がタウオパチーである、請求項3に記載の方法
  6. 前記タウオパチーが、アルツハイマー病(AD)、進行性核上性麻痺(PSP)および前頭側頭型認知症(FTD)からなる群から選択される、請求項5に記載の方法
  7. 前記サンプルが、血液、血漿、血清またはCSFのうちの1つから採取されたものである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法
  8. 前記第1の抗体または前記第2の抗体のうちの1つが、検出可能な標識を含み、前記検出するステップが、前記第1の抗体、前記第2の抗体およびhTau-pT217を含む複合体の形成に際して前記検出可能な標識によって提供されるシグナルを検出することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法
  9. hTau-pT217に特異的に結合する前記第1の抗体が、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3の相補性決定領域(CDR)を含み、前記HCVRが、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のCDRを含み、前記CDRのアミノ酸配列が、
    (a)LCDR1は、配列番号13のアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号14のアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号15のアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号10のアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号11のアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号12のアミノ酸配列を有するか、あるいは
    (b)LCDR1は、配列番号13のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号15のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号11のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、HCDR3は、配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有することから選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法
  10. 前記第1の抗体の前記LCVRおよびHCVRが、
    a.配列番号5のアミノ酸配列を有するLCVR、および配列番号3のアミノ酸配列を有するHCVR、
    b.配列番号8のアミノ酸配列を有するLCVR、および配列番号6のアミノ酸配列を有するHCVR、
    c.配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するLCVR、および配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するHCVR、ならびに
    d.配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するLCVR、および配列番号6のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するHCVR、から選択される、請求項9に記載の方法
  11. 前記タウオパチーがアルツハイマー病(AD)である、請求項6に記載の方法
  12. 記サンプルがCSFである、請求項7に記載の方法
  13. 記サンプルが血漿である、請求項7に記載の方法
  14. 前記第1の抗体および前記第2の抗体のうちの1つが、基材上に固定化されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法
  15. 前記基材が、マイクロウェルプレートまたはビーズのうちの1つから選択される、請求項14に記載の方法
  16. 前記サンプルを前記第1の抗体と接触させる前記ステップと、前記サンプルを前記第2の抗体と接触させる前記ステップとが、同時に行われる、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法
  17. 前記検出可能な標識が、化学発光または酵素標識である、請求項8に記載の方法
  18. 前記方法が、前記患者を神経学的イメージングの必要性があるとして診断することを補助するステップをさらに含むことを特徴とし、前記神経学的イメージングがAmyvid(登録商標)またはflortaucipirである、請求項3に記載の方法
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