JP7288877B2 - 保護シート及びその設置方法 - Google Patents

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本発明は、強度及び耐切創性が高く、草刈り機などが当たっても切断ないしは破壊しにくい保護シート及びその設置方法に関する。
従来から防刃織物として、アラミド繊維等の高強度かつ高弾性繊維を用いた織物等が提案されている(特許文献1~2)。本発明者らは特許文献3~4において、特定の織物構造の多重織物及びこれを用いた積層シートを防刃衣類等に適用する提案をしている。
特許第3051449号公報 特開2002-371408号公報 特許第5156410号公報 特許第6577963号公報
前記従来技術は、防刃チョッキ、チェーンソー作業用レッグプロテクター等の防刃衣類に前記織物やシートを適用することが提案されている。
最近、高速道路ののり面(斜面)の上に光ファイバーケーブル用が樹脂製パイプの中に配置されて設置されるようになってきた。高速道路ののり面(斜面)は雑草が生い茂るため、時々草刈り作業が必要である。この作業に使用する草刈り機により、樹脂製パイプもその中の光ファイバーケーブルも切断されてしまう事故が起こるようになってきた。この樹脂製パイプは難燃性ポリエチレン樹脂を蛇腹構造に成形されており、凸部(波上部分)には鉄心が巻かれているが、凹部の前記ポリエチレン樹脂の部分に草刈り機の刃が入ると樹脂製パイプもその中の光ファイバーケーブルも切断されてしまう。従来の織物はこの問題を解決することができず、さらなる改善が要求されている。
本発明は、強度及び耐切創性が高く、草刈り機などの刃部が当たっても切断ないしは破壊しにくい保護シート及びその設置方法を提供する。
本発明の保護シートは、織物で構成される保護シートであって、前記織物は、経糸又は緯糸の一方の糸はガラス繊維フィラメント糸を芯糸とし、前記芯糸の周囲をスーパー繊維糸で被覆撚糸したカバリング糸であり、他方の糸はスーパー繊維糸又は前記カバリング糸であり、前記織物の少なくとも一方の表面には樹脂フィルムが一体化されており、前記保護シートは光ファイバーケーブル用保護シートであることを特徴とする。
本発明の保護シートの設置方法は、前記の保護シートの設置方法であって、光ファイバーケーブルが挿入されている樹脂製パイプの表面に前記保護シートを巻き付け、外側から金属ワイヤー又は樹脂製紐により縛り付けることを特徴とする。
本発明の保護シートは、織物で構成される保護シートであり、前記織物は、経糸又は緯糸の一方の糸はガラス繊維フィラメント糸を芯糸とし、前記芯糸の周囲をスーパー繊維糸で被覆撚糸したカバリング糸であり、他方の糸はスーパー繊維糸又は前記カバリング糸であり、前記織物の少なくとも一方の表面には樹脂フィルムが一体化されていることにより、草刈り機などの刃部が当たっても切断ないしは破壊しにくい保護シートを提供できる。また本発明の保護シートの設置方法は、光ファイバーケーブルが挿入されている樹脂製パイプの表面に前記保護シートを巻き付け、外側から金属ワイヤー又は樹脂製紐により縛り付けることにより、効率よく合理的に保護シートを設置できる。
図1Aは本発明の一実施形態の保護シートの模式的斜視図、図1Bは図1AのI-I線断面図である。 図2Aは本発明の一実施形態の保護シートの設置方法を示す模式的斜視図、図2Bは図2AのII-II線断面図である。 図3Aは本発明の一実施形態の織物に使用するシングルカバリング糸の模式的側面図、図3Bは同ダブルカバリング糸の模式的側面図、図3Cは別のダブルカバリング糸の模式的側面図である。 図4は同芯糸に添え糸を配置したダブルカバリング糸の模式的側面図である。 図5は本発明の一実施形態の2/1ツイル(単層)織物の組織図である。 図6は本発明の別の実施形態の2/2ツイル(単層)織物の組織図である。 図7は本発明のさらに別の実施形態の4/2ツイル(単層)織物の組織図である。
本発明は、経糸又は緯糸の一方の糸はガラス繊維フィラメント糸を芯糸とし、前記芯糸の周囲をスーパー繊維糸で被覆撚糸したカバリング糸であり、他方の糸はスーパー繊維糸又は前記カバリング糸で構成される織物を使用する。この織物は、強度も切創力も高い。少なくとも一方の表面には樹脂フィルムが一体化されている。これにより、草刈り機などの刃部が当たっても切断ないしは破壊しにくい。
前記織物は1枚でもよいし複数枚積層してもよい。織物は1枚の場合は、前記特許文献4に記載の2~5層の多重織物を使用するのが好ましく、織物を複数枚積層する場合は、前記特許文献4に記載の単層織物を使用するのが好ましい。単層織物を複数枚積層すると、軟らかく巻き付けやすく光ファイバーケーブル用保護シート等に好適である。前記複数枚積層された織物は、周囲を縫製により一体化されているのが好ましい。一体化されていると光ファイバーケーブル等に巻き付けやすい。
前記保護シートは光ファイバーケーブル用保護シートに好適である。とくに、高速道路ののり面(斜面)の上に光ファイバーケーブル用が樹脂製パイプの中に配置されて設置されている場合、雑草が生い茂るため、時々草刈り作業が必要であるが、この作業に使用する草刈り機により、光ファイバーケーブルが切断される事故を未然に防げる。光ファイバーケーブルが切断されると、修復には多額の費用がかかるため、これを防ぐのは重要である。
前記保護シートは、少なくとも外層の織物の表面に樹脂フィルムがラミネートにより一体化されているのが好ましい。これにより、表面が滑りやすくなり、草刈り機の刃物が当たっても表面を滑るだけで作業者に衝撃を与えない効果がある。樹脂フィルムは外層の織物の両面に一体化してもよいし、他の層の織物の片面又は両面に形成してもよい。外層の織物の表面にラミネート樹脂フィルムがないと、草刈り機の刃物が当たると食い込み、作業者に衝撃を与えて傷つけてしまう問題がある。また、外層の織物の表面に樹脂フィルムがラミネートにより一体化されていると、防水効果もある。樹脂フィルムは目立ちやすい着色、例えばイエロー色、オレンジ色などに着色されているのが好ましい。樹脂フィルムは塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリウレタン樹脂フィルムなどいかなる樹脂フィルムでもよい。この中でも、例えば塩化ビニル樹脂フィルムのように難燃性フィルムが好ましい。高速道路ののり面(斜面)は大きな自動車事故で火災になることもあり、難燃性があると好適である。また、外層の織物の表面の樹脂フィルムは、エンボスにより凹凸が形成されているのが好ましい。これにより取り扱い性が向上する。
前記保護シートは矩形であるのが好ましい。矩形であると光ファイバーケーブルに巻き付けやすい。また、保護シートは織物から作成するため、矩形であると無駄な部分がなくなり、歩留まりが良好となる。矩形の保護シートは、例えば幅1mの長尺織物を任意の長さにカットして作成する。このとき、光ファイバーケーブル用の樹脂製パイプの太さや巻き付け数に応じて、例えば30cm,40cm,60cmの長さにカットする。
経糸又は緯糸の一方の糸はガラス繊維フィラメント糸を芯糸とし、前記芯糸の周囲をスーパー繊維糸で被覆撚糸したカバリング糸であり、他方の糸はスーパー繊維糸又は前記カバリング糸で構成される織物を使用する。緯糸は織物製造の際に経糸と筬により大きな摩擦力を受けるため、経糸のようなカバリング糸では芯糸と被覆糸とが分離しやすいこともあるため、スーパー繊維単独糸としてもよい。なお、「スーパー繊維」は、本宮達也ら著、「繊維の百科事典」、丸善、2002年3月25日、522頁にも記載されている通り、当業者の一般的技術用語である。
前記カバリング糸は、芯糸のガラス繊維フィラメント糸にスーパー繊維糸からなる添え糸が配置されているのが好ましい。これにより、芯糸と被覆撚糸との一体性はさらに良好となり、毛羽やモケ等の織物欠点の発生が少なく、さらに良好に織物の目風を整えた織物となる。
ガラス繊維フィラメント糸の撚り撚り係数Kは500~20000)が好ましく、さらに好ましくは1000~15000)である。ガラス繊維フィラメント糸は複数本引き揃えるか、あるいは合撚して使用できる。前記において撚り係数Kは次の式で算出する。
=T×D 1/2
但し、T:糸長1メートルあたりの撚り数
:糸の繊度(単位:decitex)
ガラス繊維は粘弾性が高く、横方向からの衝撃にも強いことから好ましい。ガラス繊維糸はEガラスの場合、密度2.55g/cm、引張強度2410MPa,ヤング率69GPaであり、炭素繊維糸は東レ社製、製品名”T1000G”の場合、密度1.80g/cm、引張強度6370MPa,ヤング率297GPaであり、強度が高く、耐切創性も耐衝撃性も良好である。ガラス繊維フィラメント糸の繊度は200~2000decitexが好ましく、単繊維総本数は400~4000本程度が好ましい。
前記スーパー繊維は、強度:18cN/decitex以上、弾性率:380cN/decitex以上の高強度かつ高弾性繊維糸であるのが好ましい。具体的には、アラミド(パラ系、メタ系を含む)繊維、ポリアリレート繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキザール)(PBO)繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスチアゾール)(PBZT)繊維、高分子量ポリエチレン繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維及びポリビニルアルコール繊維から選ばれる少なくとも一つの繊維糸であるのが好ましい。これらの繊維は混合して使用することもできる。経糸と緯糸は同一であっても良いし、異なっていても良い。この中でも耐熱性の高いアラミド繊維(例えば、東レ・デュポン社製商品名“ケブラー”(登録商標)、テイジントワロン社製商品名“トワロン”(登録商標)、帝人社製商品名“テクノーラ”)、ポリアリレート繊維(例えば、クラレ社製商品名“ベクトラン”(登録商標))、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキザール)(PBO)繊維(例えば、東洋紡社製商品名“ザイロン”(登録商標))が好ましい。また、高強力、高切創性繊維として、高分子量ポリエチレン繊維(例えば、東洋紡社製商品名“イザナス”(登録商標))が好ましい。
スーパー繊維は、マルチフィラメント糸でもよいし、紡績糸を使用してもよい。マルチフィラメント糸のトータル繊度は100~3000decitex(単繊維の繊度:1~20decitex)程度が好ましい。紡績糸の場合の繊度は、綿番手で1~50番程度が好ましい。単糸で使用することもできるし、複数本引き揃えるか、あるいは合撚して使用できる。マルチフィラメント糸は加工糸でもよい。
本発明で使用する織物は、経糸又は緯糸の一方の糸はガラス繊維フィラメント糸を芯糸とし、前記芯糸の周囲をスーパー繊維糸で被覆撚糸したカバリング糸であり、他方の糸はスーパー繊維糸又は前記カバリング糸で構成される。前記カバリング糸は、芯糸と被覆撚糸との一体性を高く保つため、及び耐切創性を高く維持するために使用する。カバリング糸はシングルカバリング糸でもよいし、ダブルカバリング糸でもよいが、ダブルカバリング糸が好ましい。ダブルカバリング糸を使用すると切創力がより高くなる。
前記カバリング糸は、芯糸に対する被覆糸の撚り係数Kが2000~30000、より好ましくは3000~26000の範囲で巻き付いているのが好ましい。これにより撚り構造が強固となり、切創力はより高くなる。この結果、単層織物でもJIS-T8052における切創試験で50N以上、好ましくは60N以上の織物となる。
=T×D 1/2
但し、T:糸長1メートルあたりの撚り数
:糸の繊度(単位:decitex)
本発明で使用する織物は、単層織物又は2~5層の多重織物が好ましいが、製造コストからすると単層織物が好ましい。単層織物としては平織、綾織、朱子織等が使用できる。この中でも織物の目風がきれいな綾織(ツイル)が好ましい。綾織(ツイル)は1/2ツイル、2/1ツイル、2/2ツイル等いかなるものであっても良い。多重織物としては、両外側の経糸は最外層の緯糸1本の間を交差して配置し、内層の経糸は、厚さ方向に隣り合う2本の緯糸の間を交差して配置した織物構造が好ましい。多重織物は、断面方向から見て経糸が3~8本であり、緯糸が2~7層であっても良い。
本発明で使用する織物は、JIS-T8052における切創試験で30N以上であることが好ましく、さらに好ましくは50N以上であり、とくに好ましくは100N以上である。100Nを超えると「100N以上」という評価になるが、本発明で使用する織物は実際に「100N以上」という評価になるものが存在する。前記切創試験で30N以上であれば、耐切創性も耐衝撃性も良好である。
単層織物は、たて糸密度は50本/2.54cm以上、よこ糸密度は35本/2.54cm以上であるのが好ましい。さらに好ましくは、単層織物で、たて糸密度は50~80本/2.54cm、よこ糸密度は40~60本/2.54cmである。このようにすると単層織物でもJIS-T8052における切創試験で50N以上となる。
前記保護シートは、内層の織物のスーパー繊維が高分子量ポリエチレン繊維であり、外層の織物のスーパー繊維がポリアリレート繊維であるのが好ましい。外層の織物のスーパー繊維がポリアリレート繊維であると難燃性が高い利点があり、内層の織物のスーパー繊維が高分子量ポリエチレン繊維であると軽く、高強力で高切創性となる。
本発明の保護シートの設置方法は、光ファイバーケーブルが挿入されている樹脂製パイプの表面に前記保護シートを巻き付け、外側から金属ワイヤー又は樹脂製紐により縛り付ける。本発明の保護シートは織物であるため柔軟性があり、光ファイバーケーブルが挿入されている樹脂製パイプの表面に巻き付けやすく、長いケーブルであっても隙間なく巻き付けられる。巻き付けた後は外側から金属ワイヤー又は樹脂製紐により縛り付けるため、作業も容易である。
本発明の保護シートは、光ファイバーケーブル、電線、ガス管、水道管などの長尺物体を保護するのに好適である。
以下図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一物を示す。図1Aは本発明の一実施形態の保護シートの模式的斜視図、図1Bは図1AのI-I線断面図である。この保護シート10は、経糸又は緯糸の一方の糸はガラス繊維フィラメント糸を芯糸とし、前記芯糸の周囲をスーパー繊維糸で被覆撚糸したカバリング糸であり、他方の糸はスーパー繊維糸又は前記カバリング糸で構成される織物である。一例として3枚積層した織物10は、周囲を縫製16により一体化されている。この保護シート10は、内側(光ファイバーケーブル側)の織物11と、内層の織物12と、外側の織物13が積層され、周囲が縫製16により固定されている。縫製16の際には縁布15を介在させてもよい。外側の織物13の表面には樹脂フィルム14がラミネートにより一体化されている。樹脂フィルム14は厚さ20~600μmの塩化ビニル樹脂フィルムが好ましい。外側の織物13の表面に樹脂フィルム14をラミネートさせる際には、間に接着フィルム又は接着剤を介在させる方法、直接加圧加熱して一体化する方法、。この際には、エンボスロールを用いて表面に凹凸を形成してもよい。塩化ビニル樹脂の場合は、塩化ビニル樹脂溶液をキャスティングし、紫外線で硬化させるUVコールドラミネート加工法も採用できる。
図2Aは本発明の一実施形態の保護シートの設置方法を示す模式的斜視図、図2Bは図2AのII-II線断面図である。この保護シート10の設置方法は、光ファイバーケーブル18が挿入されている樹脂製パイプ19の表面に保護シート10を巻き付け、外側から金属ワイヤー20a,20b,20c又は樹脂製紐により縛り付ける。樹脂製パイプ19は外径50~60mm程度の既存のものを使用できる。このようにして光ファイバーケーブル保護体17とする。
図3Aは本発明の一実施形態の織物に使用するシングルカバリング糸1の模式的側面図である。このシングルカバリング糸1は、撚りを加えた2本のガラス繊維フィラメント糸を芯糸2a,2bとし、スーパー繊維からなる被覆糸3で被覆している。図3Bは同ダブルカバリング糸4の模式的側面図である。被覆糸3a,3bで被覆している。被覆糸3a,3bは撚り方向が異なっている。図3Cは別のダブルカバリング糸5の模式的側面図である。被覆糸3a,3cは撚り方向が同じである。この中でも図3Bのダブルカバリング糸4が、撚り構造が強固であるため好ましい。
図4は別の例の織物に使用するダブルカバリング糸6であり、芯糸2a,2bに添え糸7配置したダブルカバリング糸6の模式的側面図である。添え糸7はスーパー繊維糸を使用する。このようにすると芯糸と被覆糸との一体性がより高くなる。
図5は本発明の一実施形態の2/1ツイル織物(裏織り, 単層織物)の組織図である。黒の部分は経糸が表に現れている箇所であり、白の部分は裏に隠れている箇所である。図の下の数字1,2,3で1サイクルであることを示す。図6は本発明の別の実施形態の2/2ツイル(単層)織物の組織図である。数字1~4で1サイクルである。図7は本発明のさらに別の実施形態の4/2ツイル(単層)織物の組織図である。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<切創抵抗試験>
JIS-T8052 2005(防護服-機械特性-鋭利物に対する切創抵抗性試験方法)に従って測定した。なお、JIS-T8052 2005はISO13997と同一の試験方法である。この結果は切創力(N)として表示し、100N以上は「100N以上」と表示する。
(実施例1)
<織物1>
(1)経糸
経糸として、繊度675decitexのガラス繊維フィラメント糸(構成繊維本数:800本)を2本撚糸して芯糸とした。撚り数は150T/m(撚り係数K:5511)、撚り方向:Sとした。この芯糸の表面に295decitexのポリアリレート紡績糸(クラレ社製商品名“ベクトラン”)1本をZ方向に910T/m(撚り係数K:15630)で撚り掛けし、さらにもう1本をS方向に1180T/m(撚り係数K:20267)で撚り掛けし、図3Bに示すWカバリング糸を作成した。トータル繊度は2150decitexであった。
(2)緯糸
緯糸は繊度:1100decitex,単繊維本数:200本のポリアリレートフィラメント繊維糸(クラレ社製商品名“ベクトラン”,撚り数25T/M)1本を使用した。
(3)織物製造
今村機械社製、商品名“KR-Z”、ニードルレピア織物装置を用いて、経糸本数2760本、緯糸1本(緯糸はレピアシャトルにより打ち込み)、織物幅100cm、織物組織は図6に示す2/2ツイル(単層織物)、織物厚み1.48mm,単位面積当たりの質量918g/m2(経糸使用量688g/m2、緯糸使用量230g/m2)であった。得られた織物1の切創抵抗試験の結果、切創力は51.5Nであった。
(4)樹脂フィルムのラミネート
織物1の一表面にエポキシ樹脂をコーティングし、その上から140μmの塩化ビニルフィルムを加圧ロールでラミネート加工した。
<織物2>
(1)経糸・緯糸共通
繊度675decitexのガラスフィラメント糸(構成繊維本数:800本)を2本撚糸して芯糸とした。撚数は150T/m、撚り方向:Sとした。
この芯糸の表面に330decitexの超高分子量ポリエチレン繊維1本をZ方向に700T/mで撚り掛けし、さらにもう1本をS方向に700T/mで撚り掛けし、図3bと同様にWカバリング糸を作成した。トータル繊度は1344decitexであった。
(2)織物製造
今村機械社製、商品名“KR-Z”、ニードルレピア織物装置を用いて、経糸本数1665本、緯糸1本(緯糸はレピアシャットルにより打込み)、織物幅100cm、織物組織は図7に示す4/2ツイル(単層織物)、織物厚み1.24mm、単位面積当たりの質量613g/m2(経糸使用量322g/m2、緯糸使用量291g/m2)であった。得られた織物2の切創抵抗試験の結果、切創値は51.5Nであった。
<保護シート>
タテ30cm,ヨコ100cm(織物幅)にカットした織物1を1枚、樹脂フィルムのラミネート側を下側にし、その上に同寸法の織物2を2枚、合計3枚を積層し、縁布を介在させて周囲を縫製し、図1A,Bに示す保護シート10を作成した。1枚当たりの重量は650gであった。
<光ファイバーケーブルへの巻き付け試験>
外径60mm,内径50mm,厚さ2mmで,6mm間隔に凹と凸が形成されている蛇腹構造の樹脂製パイプの中に光ファイバーケーブルが配置されているケーブル体に対して図2A,Bに示すように保護シートを被覆固定した。これを草の生えている地面に置き、電動草刈り機で草を刈りながら接触させたところ、電動草刈り機の刃部は保護シートの表面で滑り、保護シートの表面は若干傷がついたが、内部に達する傷はつかなかった。草刈り作業員にショックを与えることもなく、怪我もなかった。
(比較例1)
保護シートを使用せず、樹脂製パイプの中に光ファイバーケーブルが配置されているケーブル体に対して実施例1と同様に電動草刈り機で草を刈りながら接触させたところ、電動草刈り機の刃部が樹脂製パイプの長さ方向に対して直角に当たった場合で、かつ樹脂製パイプの凹部に当たった場合、樹脂製パイプは破壊され、内部に配置した光ファイバーケーブルまで切断された。
本発明の保護シートは、光ファイバーケーブル、電線、ガス管、水道管などの長尺物体を保護するのに好適である。
1 シングルカバリング糸
2a,2b 芯糸
3,3a,3b,3c 被覆糸
4,5,6 ダブルカバリング糸
7 添え糸
10 保護シート
11 内側織物
12 内層織物
13 外側織物
14 樹脂フィルム
15 縁布
16 縫製
17 光ファイバーケーブル保護体
18 光ファイバーケーブル
19 樹脂製パイプ
20a,20b,20c 金属ワイヤー

Claims (8)

  1. 織物で構成される保護シートであって、
    前記織物は、経糸又は緯糸の一方の糸はガラス繊維フィラメント糸を芯糸とし、前記芯糸の周囲をスーパー繊維糸で被覆撚糸したカバリング糸であり、他方の糸はスーパー繊維糸又は前記カバリング糸であり、
    前記織物の少なくとも一方の表面には樹脂フィルムが一体化されており、
    前記保護シートは光ファイバーケーブル用保護シートであることを特徴とする保護シート。
  2. 前記織物は複数枚積層されており、
    前記複数枚積層された織物は、周囲を縫製により一体化されている請求項1に記載の保護シート。
  3. 前記保護シートは矩形である請求項1又は2に記載の保護シート。
  4. 前記スーパー繊維は、強度:18cN/decitex以上、弾性率:380cN/decitex以上の高強度かつ高弾性繊維糸である請求項1~のいずれかに記載の保護シート。
  5. 前記スーパー繊維糸は、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキザール)(PBO)繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスチアゾール)(PBZT)繊維、高分子量ポリエチレン繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維及びポリビニルアルコール繊維から選ばれる少なくとも一つの繊維糸である請求項1~のいずれかに記載の保護シート。
  6. 前記保護シートは、3枚の織物が積層されており、内層の織物のスーパー繊維が高分子量ポリエチレン繊維であり、外層の織物のスーパー繊維がポリアリレート繊維である請求項1~のいずれかに記載の保護シート。
  7. 前記外層の織物の表面の樹脂フィルムは、エンボスにより凹凸が形成されている請求項1~のいずれかに記載の保護シート。
  8. 請求項1~のいずれかに記載の保護シートの設置方法であって、光ファイバーケーブルが挿入されている樹脂製パイプの表面に前記保護シートを巻き付け、外側から金属ワイヤー又は樹脂製紐により縛り付けることを特徴とする保護シートの設置方法。
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