JP7288848B2 - 光透過性コンクリート体 - Google Patents

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Description

本発明は、光透過性を有する光透過性コンクリート体に関する。
例えば特許文献1には、入光端、及び出光端を有する光伝導ユニットと、光伝導ユニットを被覆し、入光端と出光端を露出させるコンクリート構造と、を備える透光性のあるコンクリート建材が開示されている。
特許文献1に開示されたような構成では、コンクリート構造を形成するために型枠内にコンクリートを打設充填する際に、コンクリートに含まれる骨材等が光伝導ユニットに当たると、光伝導ユニットが傷ついたり損傷することがある。
また、特許文献2には、コンクリート体の厚さと略同一の長さを有する複数の透明体からなる透明ユニットを、各透明体の両先端面を堰板に当接させた状態で固定し、型枠の内部に生コンクリートを打設する構成が開示されている。
特許文献2に開示されたような構成では、型枠の内部に生コンクリートを打設する際に、生コンクリートに含まれる骨材等が透明体に当たると、透明体が傷ついたり損傷することがある。
また、特許文献3には、セメント系モルタルから作った複合パネルの厚さ全体を貫通する複数の通し開口部と、通し開口部に充填された光に対して透明な材料と、を備える構成が開示されている。
特許文献3に開示されたような構成では、複合パネルを形成するために、枠組みの内部にセメント系モルタルを打設する際に、セメント系モルタルに含まれる骨材等が光に対して透明な材料に当たると、光に対して透明な材料が傷ついたり損傷することがある。
特開2007-85155号公報 特開2011-226110号公報 特表2012-511645号公報
本発明の目的は、セメント系固化材に埋設される光透過材を、周囲のセメント系固化材から効果的に保護された構造を有する、光透過性コンクリート体を提供することである。
本発明者らは、光透過性コンクリート体(建材、部材)として、型枠用セパレータに光透過性に優れた樹脂製の光透過部(光ファイバー、樹脂製パイプ)を使用することで、コンクリート部を挟んで両側に光を透過可能である点に着目して、本発明に至った。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の光透過性コンクリート体は、光透過性を有する光透過性コンクリート体であって、セメント系固化材を固化させて形成されるコンクリート部と、当該コンクリート部の内部に配置された光透過部と、を備え、当該光透過部は、透光性を有し、断面輪郭が円状に形成された樹脂製またはガラス繊維製の光透過材と、当該光透過材の外周囲を覆う外殻部と、を有しており、前記光透過材の端面が、前記コンクリート部の表面に露出している。
このような構成によれば、光透過部がコンクリート部の内部に配置されることで、コンクリート部に光を透過させることができる。よって、採光性を確保でき、構造物の設計自由度を高めることが可能となる。
また、光透過材の断面輪郭が円状に形成されていることで、コンクリート部の内部で光透過材に作用する応力や変形が、光透過材の外周面の特定箇所に局所的に作用することを防止できる。
また、コンクリート部の内部に配置される光透過部に、光透過材の外周囲を覆う外殻部を備えることで、光透過材が外殻部で保護される。加えて、外殻部を備える光透過部を、コンクリート部を形成する際の型枠のセパレータとして機能させることができる。これにより、建設現場でコンクリートを現場打ちして光透過性コンクリート体を形成できる。このようにして、セメント系固化材に埋設される光透過材を、周囲のセメント系固化材から効果的に保護可能な、光透過性コンクリート体を提供することができる。
本発明の一態様においては、本発明の光透過性コンクリート体は、前記光透過材の前記端面は、前記コンクリート部の前記表面に形成された凹部に露出している。
このような構成は、例えば、次のように形成され得る。すなわち、外殻部の端部に、光透過性コンクリート体の厚さ方向における型枠の位置を固定するための型枠位置決め部材を取り付ける。型枠位置決め部材を、コンクリート部を形成するためのコンクリートを打設して養生させた後に取り外すと、コンクリート部の互いに反対側を向く表面の各々に凹部が形成され、光透過材の端面はこの凹部に露出することになる。
このように、外殻部を備える光透過部を、コンクリート部を形成する際の型枠のセパレータとして機能させることができる。
本発明の一態様においては、本発明の光透過性コンクリート体は、前記光透過部が、両側端部にねじ部を有する。
このような構成によれば、外殻部を備える光透過部を、コンクリート部を形成する際の型枠のセパレータとして機能させる場合、光透過性コンクリート体の厚さ方向における型枠の位置を固定するための型枠位置決め部材を、光透過部の両側端部のねじ部にねじ込むことで、容易に設置することができる。
本発明によれば、セメント系固化材の内部に配置される光透過材を、周囲のセメント系固化材から効果的に保護された構造を有する、光透過性コンクリート体を提供することが可能となる。
本実施形態に係る光透過性コンクリート体からなる壁を備えた建物の一例を示す図である。 図1の光透過性コンクリート体からなる壁の断面図である。 図2の光透過性コンクリート体の製造方法の流れを示す図である。 図3の光透過性コンクリート体の製造方法における型枠組み立て工程で、型枠を組み立てた状態を示す断面図である。 図3の光透過性コンクリート体の製造方法におけるセメント系固化材の打設工程で、セメント系固化材を型枠に打設した状態を示す断面図である。 図3の光透過性コンクリート体の製造方法における脱型工程で、型枠を撤去した状態を示す断面図である。 本実施形態に係る光透過性コンクリート体の変形例を示す図であり、外殻部を金属製とした場合の断面図である。 図3の光透過性コンクリート体の製造方法の流れの変形例を示す図であり、外殻部の内側に金属製の芯材を挿入した状態を示す断面図である。 図2の光透過性コンクリート体の変形例を示す図であり、光透過材を筒状とした場合の断面図である。 図2の光透過性コンクリート体の変形例を示す図であり、光透過部の両端部を、コンクリート部の両側の主表面に直接露出させた構成を示す断面図である。
本発明は、セメント系固化材を固化させたコンクリート部と、当該コンクリート部の内部に配置された光透過部と、を備えた光透過性コンクリート体(建材、部材)である。光透過部は光を伝える伝送路であり、透光性を有する樹脂製またはガラス繊維製の光透過材と、当該光透過材の外周囲を覆い、光透過材を保護する外殻部とで構成される。光透過材は、アクリル樹脂やポリメタクリル酸メチル樹脂、あるいは、ガラス繊維製で形成される。また、外殻部は、炭素繊維強化樹脂製や金属製、またはアクリル樹脂を含む合成樹脂製の筒体である。
以下、添付図面を参照して、本発明による光透過性コンクリート体を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る光透過性コンクリート体からなる壁を備えた構造物の一例を示す図を図1に示す。図2は、図1の光透過性コンクリート体からなる壁の断面図である。
図1に示されるように、光透過性コンクリート体10からなる壁2は、建物1に備えられている。壁2は、柱3と梁4とを備えた建物1の躯体に設けられている。壁2は、互いに隣り合う柱3と、互いに上下する梁4とに囲まれた部分に設けられている。
図2に示されるように、この壁2を構成する光透過性コンクリート体10は、光透過性を有し、コンクリート部11と、光透過部12と、を備えている。コンクリート部11は、コンクリート、モルタル、繊維補強コンクリート等のセメント系固化材Cを固化させて形成され、壁2として所定の厚みを有している。
光透過性コンクリート体10のコンクリート部11には、後に説明するように、複数の凹部16が設けられている。以降、コンクリート部11の表面は、壁2の表面を形成する主表面11f、11gと、凹部16の、底面16aを含む壁面の、双方を指すものとする。
光透過部12は、コンクリート部11の両側の主表面11f、11gに沿って間隔をあけて複数個所に設けられている。本実施形態において、光透過部12は、主表面11f、11gに沿って、上下方向および水平方向にほぼ等間隔で、グリッド状に配置されている。光透過部12の配置は、これに限らず、千鳥状等、他の様々な配置としてもよい。また、光透過部12の配置数(配置密度)も、いかなるものとしてもよい。
各光透過部12は、コンクリート部11の内部に配置される。光透過部12は、光透過性コンクリート体10の厚み方向に貫通して設けられている。光透過部12は、光透過性コンクリート体10の厚み方向に直線状に延びている。光透過部12は、コンクリート部11の一方の主表面11fと、他方の主表面11gのそれぞれに、光透過部12の中心軸方向両側の端面12a、12bが露出している。
光透過部12は、光透過材13と、外殻部14と、を備える。光透過材13は、光透過部12の中心軸方向に連続して延びている。光透過材13は、中心軸に直交する断面輪郭が円状となるように、中実の、円柱状に形成されている。光透過材13は、本実施形態においては、光透過性を有した樹脂製である。このような光透過材13を形成する樹脂材料としては、例えば、高い光透過性を有する、アクリル樹脂を用いるのが好適である。光透過材13を形成する樹脂材料としては、特に、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA:光透過率92%)を用いるのが好ましい。光透過材13には、石英やガラス(光透過率90%)のほかに、他の樹脂材料として、透明セラミックス(光透過率84%)、ポリカーボネート(光透過率93%)硬質塩化ビニル樹脂(光透過率87%)セルロースナノファイバー(光透過率95%)等を用いることができる。
なお、光透過材は、光通信に使われる光ファイバー同等品が好ましいが、光透過材で失われる光の量(減衰)は、10%以上であってもよい。
外殻部14は、光透過材13の外周囲を覆うように設けられている。外殻部14は、光透過材13の外径よりも大きな内径を有した筒状で、光透過材13の保護層、強化層として機能するだけの強度を有した材料で形成されている。本実施形態では、外殻部14は、例えば、光透過材13の周囲に炭素繊維製のシートを巻き、このシートを接着剤で固定して補強することで形成される。接着剤は、溶剤が揮発して固化すると樹脂となる。つまり、外殻部14は、炭素繊維強化樹脂製である。外殻部14は、その内側に光透過材13が挿入可能となるよう、予め筒状に形成された炭素繊維強化樹脂製の筒体であってもよい。外殻部14の外周面には、円環状の止水ゴム17が設けられている。この止水ゴム17により、コンクリート部11の主表面11f、11g間における、外殻部14を伝った水の通過が抑制される。本実施形態においては、止水ゴム17は、外殻部14の両端に設けられている。
また、光透過部12の中心軸方向の両側端部には、ねじ部15が設けられている。ねじ部15は、例えば、金属製で、外殻部14の両端部の、止水ゴム17の更に外側に接合されている。ねじ部15は、円筒状で、その外周面に雄ねじ溝が形成されている。
コンクリート部11には、光透過部12の両端部の周囲に、主表面11f、11gから光透過性コンクリート体10の厚み方向内側に窪んだ凹部16が形成されている。この凹部16は、光透過性コンクリート体10の厚み方向において、主表面11f、11gに対して所定寸法内方に、主表面11f、11gと平行な底面16aを有している。本実施形態においては、底面16aは止水ゴム17の壁面により形成されている。凹部16は、底面16aの外周部から、光透過性コンクリート体10の厚み方向の外方(主表面11f、11gに近づく側)に向けて、その内径が漸次拡径するように形成されている。
各凹部16の内側には、光透過材13の端部が底面16aから突出して設けられている。外殻部14の両端部に設けられたねじ部15、及びねじ部15の内側に挿入された光透過材13の端部においては、その端面13a、13bが、凹部16の内側で、底面16aすなわちコンクリート部11の表面16aから露出している。
凹部16の内部には、光透過性を有した透明な樹脂材料からなる型枠用詰栓18が設けられている。型枠用詰栓18は、凹部16に嵌まり込むよう、凹部16を補形する円錐台形状に形成されている。型枠用詰栓18の先端部には、ねじ部15に噛み合う雌ねじ孔18hが形成されている。また、型枠用詰栓18の先端面18sには、透明の接着剤が封入された、図示されないカプセルが設けられている。型枠用詰栓18は、凹部16に嵌め込むと凹部16内でカプセルが破れ、封入されていた透明の接着剤が凹部16内に流出する。この接着剤が固化することで、型枠用詰栓18は凹部16に固定される。
このような光透過部12は、高い光透過性を有した光透過材13と、光透過性を有した型枠用詰栓18とを備えているので、コンクリート部11の一方の主表面11fと他方の主表面11gとの間で、光を透過させることができる。
次に、上記したような光透過性コンクリート体10の製造方法について説明する。
図3は、図2の光透過性コンクリート体の製造方法の流れを示す図である。図4は、図3の光透過性コンクリート体の製造方法における型枠組み立て工程で、型枠を組み立てた状態を示す断面図である。
図3に示されるように、光透過性コンクリート体10の製造方法は、型枠組み立て工程S1と、セメント系固化材の打設工程S2と、脱型工程S3と、プラグ取付工程S4と、を備えている。
型枠組み立て工程S1では、図4に示されるように、光透過性コンクリート体10を形成するための型枠20を組み立てる。型枠20は、一対の型枠板21A、21Bと、セパレータ22と、を備えている。一対の型枠板21A、21Bは、光透過性コンクリート体10のコンクリート部11の厚みに合わせた所定の間隔を空けて対向するように配置される。セパレータ22は、一対の型枠板21A,21Bの間隔を、コンクリート部11の厚みに合わせた所定の間隔に規制する。ここで、セパレータ22として、上記の光透過部12を構成する外殻部14を用いる。本実施形態では、外殻部14の内側には、予め、光透過材13を設けておく。
このような外殻部14の両端には、それぞれ、型枠位置決め部材23を取り付ける。型枠位置決め部材23は、その先端部に、ねじ部15に噛み合う雌ねじ孔23hが形成されている。型枠位置決め部材23は、基端部から先端部に向かって外径寸法が漸次小さくなる円錐台形状に形成されている。外殻部14の両端のねじ部15を、型枠位置決め部材23の雌ねじ孔23hに、止水ゴム17の位置までねじ込むことで、型枠位置決め部材23が外殻部14に装着される。一対の型枠板21A、21Bは、外殻部14の両端に装着された型枠位置決め部材23の基端部に当接するように配置される。型枠位置決め部材23の基端部には、型枠板21A、21Bに形成された貫通孔を通して型枠板21A、21bを貫通するねじ軸23sが設けられている。一対の型枠板21A、21Bの外側にそれぞれ突出したねじ軸23sに、ナット24を締結することで、一対の型枠板21A、21Bは、所定の間隔を空けて対向配置される。
図5は、図3の光透過性コンクリート体の製造方法におけるセメント系固化材の打設工程で、セメント系固化材を型枠に打設した状態を示す断面図である。図6は、図3の光透過性コンクリート体の製造方法における脱型工程で、型枠を撤去した状態を示す断面図である。
セメント系固化材の打設工程S2では、図5に示されるように、上記のようにして組み立てられた型枠20の一対の型枠板21A、21Bの間に、図中に矢印として示されるように上方から、コンクリート部11を形成するためのセメント系固化材Cを打設する。所定の養生期間を経て、セメント系固化材Cが硬化して所定の強度を発現することで、一対の型枠板21A、21Bの間にコンクリート部11が形成される。その後、脱型工程S3に移行する。
脱型工程S3では、図6に示されるように、型枠20を撤去する。これには、一対の型枠板21A、21Bの外側に設けられたナット24を、ねじ軸23sから取り外す。その後、一対の型枠板21A、21Bを、形成されたコンクリート部11から取り外す。続いて、外殻部14の両端に装着された型枠位置決め部材23を取り外す。これにより、コンクリート部11には、上記の凹部16が形成される。凹部16の内部には、光透過材13の端面13a、13bが露出(突出)している。
プラグ取付工程S4では、図2に示されるように、凹部16内に、光透過性を有した透明な樹脂材料からなる型枠用詰栓18を取り付ける。型枠用詰栓18は、凹部16内で雌ねじ孔18hをねじ部15にねじ込むことで、凹部16に嵌め込む。前述したように、型枠用詰栓18を凹部16に嵌め込むと、凹部16内でカプセルが破れ、封入されていた透明の接着剤が凹部16内に流出する。この接着剤が固化することで、型枠用詰栓18が凹部16に固定される。
このようにして、壁2を構成する光透過性コンクリート体10が形成される。
上記のように、光透過性を有する光透過性コンクリート体10の製造方法は、円筒状の外殻部14の両端に型枠位置決め部材23を装着した状態で、外殻部14の両側に、型枠位置決め部材23に当接するように一対の型枠板21A、21Bを設置する型枠組み立て工程S1と、一対の型枠板21A、21Bの間にセメント系固化材Cを打設するセメント系固化材の打設工程S2と、セメント系固化材Cを養生させた後、型枠20を撤去する脱型工程S3と、を備えている。
また、図3に示すように、この光透過性を有する光透過性コンクリート体10の製造過程における型枠組み立て工程S1では、型枠内に、外殻部14内に光透過性を有する樹脂製の光透過材13を挿入しておくようにした。
このような光透過性を有する光透過性コンクリート体10の製造方法により、上記光透過性コンクリート体10を製造することができる。この製造方法では、外殻部14を備える光透過部12を、一対の型枠板21A,21Bを所定の間隔で対向配置させるためのセパレータ22として用いることができる。このため、専用のセパレータを用いる必要が無く、光透過部12を、専用のセパレータを避けて配置する必要も無い。したがって、光透過部12の設置数やレイアウトが、専用のセパレータによって制限されるのを抑えることができる。
上述したような光透過性コンクリート体10によれば、光透過性コンクリート体10は、セメント系固化材Cを固化させて形成されるコンクリート部11と、コンクリート部11の内部に配置される光透過部12を備えている。光透過部12は、光透過性を有し、断面輪郭が円状に形成された樹脂製の光透過材13と、光透過材13の外周囲を覆う外殻部14と、を備え、光透過材13の端面13a、13bの各々が、コンクリート部11の表面(孔16の底面)16aから露出している。
このような構成によれば、光透過部12がコンクリート部11の内部に配置される(埋設される)ことで、コンクリート部11に光を透過させることができる。よって、採光性を確保でき、構造物の設計自由度を高めることができる。
また、光透過材13の断面輪郭が円状に形成され、光透過材13が透光性を有した樹脂性であるので、光透過材13に侵入して光透過材13内を伝播される光の反射面が、円形状となる。これにより、光透過材13内において、光を効率良く伝播させることができる。さらに、光透過材13の断面輪郭が円状であることで、コンクリート部11の内部で光透過材13に作用する応力や変形が、光透過材13の外周面の特定箇所に局所的に作用することを防止できる。
また、コンクリート部11の内部に配置される光透過部12に、光透過材13の外周囲を覆う外殻部14を備えることで、光透過材13が低強度、或いは低剛性であっても、外殻部14で保護される。これにより、外殻部14を備える光透過部12を、コンクリート部11を形成する際の型枠20のセパレータ22として用いることができる。したがって、建設現場でセメント系固化材Cを現場打ちして光透過性コンクリート体10を形成することも容易に行える。このようにして、セメント系固化材Cに埋設される光透過材13を、周囲のセメント系固化材Cから効果的に保護可能な、光透過性コンクリート体10を提供することができる。
また、光透過材13の端面13a、13bは、コンクリート部11の表面(主表面)111f、11gに形成された凹部16に露出している。
このような構成は、既に説明したように、次のように形成され得る。すなわ、外殻部14の端部に、光透過性コンクリート体10の厚さ方向における型枠20(一対の型枠板21A、21B)の位置を固定するための型枠位置決め部材23を取り付ける。このようにして取り付けた型枠位置決め部材23を、コンクリート部11を形成するためのセメント系固化材Cを打設して養生させた後に取り外すことによって、光透過材13の端面13a、13bが凹部16に露出することになる。
このように、外殻部14を備える光透過部12を、コンクリート部11を形成する際の型枠20のセパレータ22として機能させることができる。
特に本実施形態においては、凹部16は、外方に向けて拡径するように形成されている。
このような構成によれば、光透過材13の端面13a、13bが露出する凹部16は、外方に向けて拡径するように形成されているため、光透過材13の端面13a、13bが主表面11f、11gから内側に凹んだ凹部16の中に露出していたとしても、凹部16を構成する壁面が、光透過材13を透過しようとする光の進行を妨げにくい。
また、光透過部12は、両側端部にねじ部15を有する。
このような構成によれば、外殻部14を備える光透過部12を、コンクリート部11を形成する際の型枠20のセパレータ22として機能させる場合、光透過性コンクリート体10の厚さ方向における型枠20の位置を固定するための型枠位置決め部材23を、光透過部12の両側端部のねじ部15にねじ込むことで、容易に設置することができる。
また、コンクリート部11を形成した後には、ねじ部15に光透過性を有した型枠用詰栓18を取り付けることもできる。
(実施形態の変形例)
なお、本発明の光透過性コンクリート体は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、外殻部14として、炭素繊維製のものを用いたが、これに限らない。例えば、図7に示されるように、外殻部14mとして、筒状に形成された金属製または合成樹脂製のものを用いるようにしてもよい。この場合、各外殻部14mの内側に、上記実施形態と同様の、炭素繊維製の外殻部14を二重に備えていてもよい。
また、図8に示されるように、上記の型枠組み立て工程S1、セメント系固化材の打設工程S2、及び脱型工程S3では、外殻部14、14mの内側に、金属製の芯材19を挿入しておくようにしてもよい。これにより、セメント系固化材の打設工程S2でセメント系固化材Cを打設した際の圧力に対する光透過部12(セパレータ22)の強度を高めることができる。
この場合においては、脱型工程S3を経た後に、芯材19を外殻部14、14mから引抜き、代わりに、図2、図7に示すように、光透過材13を外殻部14、14m内に挿入することで、光透過材13を設置する。
また、図9に示されるように、光透過部12を構成する光透過材13Bは、中空に、すなわち円筒状としてもよい。この場合において、外殻部14、14mは合成樹脂製、炭素繊維製、金属製のいずれであってもよいのは、言うまでもない。
また、図10に示されるように、光透過材13の端面13a、13bは、型枠用詰栓18を設けず、コンクリート部11の主表面11f、11gに直接露出させる構成としてもよい。この場合、凹部16内は、光透過部12の両端部の周囲を覆うように、モルタル等の充填材30を充填すればよい。
上記実施形態では、コンクリート部11の内部に光透過部12を配置するに際し、コンクリート部を形成するための型枠20の内部側の、光透過部12の両端に型枠位置決め部材23を設けることで、コンクリート部11の表面に凹部16が形成されている。しかし、光透過部の位置決めを型枠20の外側に設ける型枠位置決め部材のみで行う際には、コンクリート部の表面に凹部は形成されることはなくコンクリート部の表面はフラットとなる。したがって、この場合においては、型枠用詰栓18は不要となり、光透過部がコンクリート部の内部に所定間隔置きに配置されることになる。
また、上記実施形態では、光透過部を樹脂製の光透過材と、光透過材と異なる材料で形成される外殻部とで構成しているが、光透過材と外殻部に共に樹脂材を用いて、外殻部の樹脂材のみに外側から接着剤を付与して外殻部の樹脂材の強度と剛性を高めて、光透過部を形成してもよい。
また、光透過材を外殻部で覆うことで、コンクリート部を形成するコンクリートの収縮によって生じるコンクリートと光透過材との間の隙間を外殻部の弾性変形で防ぐことができる。また、外殻部とコンクリートとが付着されるために、外殻部が摩擦力や圧縮力を負担して、光透過材の抜け出しを防止できる。
上記実施形態では、光透過材は樹脂製で形成したが、樹脂製に限定することなく、ガラス繊維製であってもよい。また、光透過材は直線状に限定することなく傾斜した棒状材であってもよい。さらに、変形例として、光透過材に高強度、高剛性の樹脂製またはガラス繊維製を用いることで、光透過材が外殻部と同一の部材で形成され、結果として光透過材と外殻部が一体として形成された形態としてもよい。
上記したような光透過性コンクリート体10は、施工現場で施工して製造するものに限らず、予め工場などで所定形状に形成する、いわゆるプレキャストコンクリート造とすることもできる。
さらに、上記光透過性コンクリート体10は、壁2に限らず、柱3や梁4、その他の各種の部材として使用することもできる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
10 光透過性コンクリート体 15 ねじ部
11 コンクリート部 16 凹部
11f、11g 主表面(表面) 16a 凹部の底面(表面)
12 光透過部 18 型枠用詰栓
13、13B 光透過材 23 型枠位置決め部材
13a、13b 光透過材の端面 C セメント系固化材
14、14m 外殻部

Claims (2)

  1. 光透過性を有する光透過性コンクリート体であって、
    セメント系固化材を固化させて形成されるコンクリート部と、
    当該コンクリート部の内部に配置された光透過部と、を備え、
    当該光透過部は、
    透光性を有し、断面輪郭が円状に形成された樹脂製またはガラス繊維製の光透過材と、
    当該光透過材の外周囲を覆う外殻部と、を有しており、
    前記光透過材の端面が、前記コンクリート部の表面に露出しており、
    前記光透過部は、両側端部にねじ部を有する
    ことを特徴とする光透過性コンクリート体。
  2. 前記光透過材の前記端面は、前記コンクリート部の前記表面に形成された凹部に露出していることを特徴とする請求項1に記載の光透過性コンクリート体。
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