JP7288399B2 - 吸水性樹脂、土壌保水材、及び農園芸材料 - Google Patents
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Description
空洞面積率[%]={吸水性樹脂の空洞部分の総断面積(B)/(吸水性樹脂の樹脂部分の総断面積(A)+吸水性樹脂の空洞部分の総断面積(B))}×100・・・(I)
本発明は、このような知見に基づき、さらに鋭意検討を重ねて完成した発明である。
項1. 水溶性エチレン性不飽和単量体の重合体により構成された吸水性樹脂であって、
X線コンピューター断層撮影法によって、前記吸水性樹脂の断面画像を観察した場合に、下記式(I)によって算出される、前記断面画像における空洞部分の面積の割合(空洞面積率)が、5%以上である、吸水性樹脂。
空洞面積率[%]={吸水性樹脂の空洞部分の総断面積(B)/(吸水性樹脂の樹脂部分の総断面積(A)+吸水性樹脂の空洞部分の総断面積(B))}×100・・・(I)
項2. 前記吸水性樹脂の水の荷重下保持率が、75%以下である、項1に記載の吸水性樹脂。
項3. 前記吸水性樹脂の形状が、顆粒状、略球状、または略球状の粒子が凝集した形状である、項1または2に記載の吸水性樹脂。
項4. 前記吸水性樹脂の空洞面積率が5~50%である、項1~3のいずれかに記載の吸水性樹脂。
項5. 項1~4のいずれかに記載の吸水性樹脂を含む、土壌保水材。
項6. 項1~4のいずれかに記載の吸水性樹脂を含む、農園芸材料。
本発明の吸水性樹脂は、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合体により構成された吸水性樹脂であって、X線コンピューター断層撮影法によって、吸水性樹脂の断面画像を観察した場合に、下記式(I)によって算出される、断面画像における空洞部分の面積の割合(空洞面積率)が、5%以上であることを特徴とする。
空洞面積率[%]={吸水性樹脂の空洞部分の総断面積(B)/(吸水性樹脂の樹脂部分の総断面積(A)+吸水性樹脂の空洞部分の総断面積(B))}×100・・・(I)
予め、JIS標準篩を用いて吸水性樹脂の粒子を分級し目開き600μmの篩を通過する目開き180μmの篩上の吸水性樹脂の粒子からランダムに4粒選択し、樹脂サンプルとする。樹脂サンプルをX線コンピューター断層撮影装置の試料台上に設置し、X線コンピューター断層撮影により断面画像データを取得する。次に、画像解析ソフトを用いて、樹脂サンプルの任意の角度の有姿や水平方向及び垂直方向の任意の断面を観察する。
本発明の吸水性樹脂は、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させることによって製造することができる。
[水溶性エチレン性不飽和単量体]
水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸(本明細書においては、「アクリル」及び「メタクリル」を合わせて「(メタ)アクリル」と表記する。以下同様)及びその塩;2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及びその塩;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の非イオン性単量体;N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和単量体及びその4級化物等が挙げられる。これらの水溶性エチレン性不飽和単量体の中でも、工業的に入手が容易であること等の観点から、(メタ)アクリル酸又はその塩、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミドが好ましく、(メタ)アクリル酸及びその塩がより好ましい。なお、これらの水溶性エチレン性不飽和単量体は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
当該重合工程に添加されるラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、t-ブチルクミルパーオキシド、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、過酸化水素等の過酸化物類、並びに、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’-アゾビス〔2-(N-フェニルアミジノ)プロパン〕2塩酸塩、2,2’-アゾビス〔2-(N-アリルアミジノ)プロパン〕2塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-〔1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル〕プロパン}2塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-〔1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’-アゾビス〔2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド〕、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)等のアゾ化合物等を挙げることができる。これらのラジカル重合開始剤の中でも、入手が容易で取り扱いやすいという観点から、好ましくは、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)2塩酸塩が挙げられる。これらラジカル重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
内部架橋剤としては、使用する水溶性エチレン性不飽和単量体の重合体を架橋できるものが挙げられ、例えば、(ポリ)エチレングリコール〔「(ポリ)」とは「ポリ」の接頭語がある場合とない場合を意味する。以下同様〕、(ポリ)プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、(ポリ)グリセリン等のジオール、トリオール等のポリオール類と(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和酸とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類;N,N-メチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド類;ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸エステル類又はトリ(メタ)アクリル酸エステル類;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類;アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、N,N’,N’’-トリアリルイソシアネート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を2個以上有する化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル等のジグリシジル化合物、トリグリシジル化合物等のポリグリシジル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α-メチルエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリン化合物;2,4-トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物等の反応性官能基を2個以上有する化合物;3-メチル-3-オキセタンメタノール、3-エチル-3-オキセタンメタノール、3-ブチル-3-オキセタンメタノール、3-メチル-3-オキセタンエタノール、3-エチル-3-オキセタンエタノール、3-ブチル-3-オキセタンエタノール等のオキセタン化合物等が挙げられる。これらの内部架橋剤の中でも、ポリグリシジル化合物を用いることが好ましく、ジグリシジルエーテル化合物を用いることがより好ましく、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテルを用いることが好ましい。これらの内部架橋剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
炭化水素分散媒としては、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2,3-ジメチルペンタン、3-エチルペンタン、n-オクタン等の炭素数6~8の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、trans-1,2-ジメチルシクロペンタン、cis-1,3-ジメチルシクロペンタン、trans-1,3-ジメチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの炭化水素分散媒の中でも、特に、工業的に入手が容易であり、品質が安定しており且つ安価である点で、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサンが好適に用いられる。これらの炭化水素分散媒は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なお、炭化水素分散媒の混合物の例としては、エクソールヘプタン(エクソンモービル社製:ヘプタン及びその異性体の炭化水素75~85質量%含有)等の市販品が挙げられる。このような混合物を用いても好適な結果を得ることができる。
(界面活性剤)
逆相懸濁重合では、水溶性エチレン性不飽和単量体の炭化水素分散媒中での分散安定性を向上させるために、分散安定剤を用いることもできる。その分散安定剤としては、界面活性剤を用いることができる。
また、逆相懸濁重合で用いられる分散安定剤としては、上述した界面活性剤と共に、高分子系分散剤を併せて用いてもよい。
吸水性樹脂の製造方法において、所望によりその他の成分を、水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水溶液に添加して逆相懸濁重合を行うようにしてもよい。その他の成分としては、増粘剤、発泡剤、連鎖移動剤等の各種の添加剤を添加することができる。
一例として、水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水溶液に対して増粘剤を添加して逆相懸濁重合を行うことができる。このように増粘剤を添加して水溶液粘度を調製することによって、逆相懸濁重合において得られる中位粒子径を制御することが可能である。
一例として、水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水溶液に対して発泡剤を添加して逆相懸濁重合を行うことができる。このように発泡剤を添加して水溶液に気泡を含有させることによって、逆相懸濁重合において得られる粒子の空洞面積率を制御することが可能である。発泡剤としては、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩等の各種発泡剤等を用いることができる。
逆相懸濁重合を行うにあたっては、例えば、分散安定剤の存在下に、水溶性エチレン性不飽和単量体を含む単量体水溶液を、炭化水素分散媒に分散させる。このとき、重合反応を開始する前であれば、分散安定剤(界面活性剤や高分子系分散剤)の添加時期は、単量体水溶液を炭化水素分散媒に分散させる前後どちらであってもよい。
本発明の吸水性樹脂は、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合して得られた内部架橋構造を有する含水ゲル状物に対して、後架橋剤で後架橋すること(後架橋反応)で得てもよい。この後架橋反応は、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合後以降に後架橋剤の存在下に行うことが好ましい。このように、重合後以降に、内部架橋構造を有する含水ゲル状物に対して後架橋反応を施すことによって、吸水性樹脂の表面近傍の架橋密度を高めて、荷重下吸水能等の諸性能を高めた吸水性樹脂を得ることができる。
本発明の吸水性樹脂の製造方法は、上述した逆相懸濁重合を行った後、系に熱等のエネルギーを外部から加えることで、水、炭化水素分散媒等を蒸留により系から除去する乾燥工程を含んでいてもよい。逆相懸濁重合後の含水ゲルから脱水を行う場合、炭化水素分散媒中に含水ゲルが分散している系を加熱することで、水と炭化水素分散媒を共沸蒸留により系外に一旦留去する。このとき、留去した炭化水素分散媒のみを系内へ返送すると、連続的な共沸蒸留が可能となる。その場合、乾燥中の系内の温度が、炭化水素分散媒との共沸温度以下に維持されるため、樹脂が劣化しにくい。引き続き、水及び炭化水素分散媒を留去することにより、吸水性樹脂の粒子が得られる。この重合後における乾燥工程の処理条件を制御して脱水量を調整することにより、得られる吸水性樹脂の諸性能を制御することが可能である。
本発明の吸水性樹脂は、高い吸水性と高い水の吐き出し性能とを兼ね備えているため、例えば、土壌保水材、農園芸材料などとして好適に使用することができる。
予め、JIS標準篩を用いて吸水性樹脂の粒子を分級し目開き600μmの篩を通過する目開き180μmの篩上の吸水性樹脂の粒子からランダムに4粒選択し、樹脂サンプルとした。樹脂サンプルをX線コンピューター断層撮影装置(Xradia社製、MicroXCT-400)の試料台上に設置し、X線コンピューター断層撮影により断面画像データを取得した。次に、画像解析ソフト(Volume Graphics社製、myVGL)を用いて、樹脂サンプルの任意の角度の有姿や水平方向及び垂直方向の任意の断面を観察した。
装置:MicroXCT-400(Xradia社)
X線管電圧:80kV
X線管電流:122μA
光学レンズ:10倍
照射時間:0.8sec
ピクセルサイズ:2.149μm
X線源-試料間距離:29.1533mm
検出器-試料間距離:7.3723mm
撮影範囲:-90°~90°
画像解析装置:myVGL2.2(Volume Graphics社)
JIS標準篩を上から、目開き850μmの篩、目開き600μmの篩、目開き500μmの篩、目開き425μmの篩、目開き300μmの篩、目開き250μmの篩、目開き150μmの篩、及び受け皿の順に組み合わせた。
500ml容のビーカーに、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)500gを量り取り、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリングなし)で攪拌回転数600rpmにて撹拌しながら、吸水性樹脂2.0±0.001gを、ママコが発生しないように分散させた。撹拌した状態で30分間放置し、吸水性樹脂を十分に膨潤させた。その後、綿袋(メンブロード60番、横100mm×縦200mm)中に注ぎ込み、綿袋の上部を輪ゴムで縛り、遠心力が167Gとなるよう設定した脱水機(国産遠心機株式会社製、品番:H-122)を用いて綿袋を1分間脱水し、脱水後の膨潤ゲルを含んだ綿袋の質量Wa(g)を測定した。吸水性樹脂を添加せずに同様の操作を行ない、綿袋の湿潤時の空質量Wb(g)を測定し、以下の式から吸水性樹脂の生理食塩水保水能を算出した。
生理食塩水保水能(g/g)=[Wa-Wb](g)/吸水性樹脂の質量(g)
水の荷重下保持率の測定は、25℃±1℃に調節した室内で行った。恒温水槽にて25℃の温度に調整した水200g(蒸留水、ADVANTEC社製RFD343HA使用)を200ml容のビーカーに入れ、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリングなし)で攪拌回転数600rpmにて攪拌しながら、吸水性樹脂0.05±0.001gを、ママコが発生しないように分散させた。撹拌した状態で60分間放置し、吸水性樹脂を十分に膨潤させた。
15分間荷重下水きり後の吸水倍率(g/g)={[W2-(W0+吸水性樹脂の質量)]/吸水性樹脂の質量}×100
水の荷重下保持率(%)={(15分間荷重下水きり後の吸水倍率)/(1分間水きり後の吸水倍率)}×100
回転子入り1000mlビーカーに、水500gを加え、マグネチックスターラーで攪拌しながら、吸水性樹脂0.3gを渦中に投入し、1時間攪拌した。攪拌後の吸水性樹脂を100メッシュのステンレス篩で濾過し、10分間水切りを行なった。水切り後の吸水性樹脂50gと市販の家庭菜園用土壌(自然応用科学株式会社製ACE(エース)花と野菜の培養土)50gを混合し、内径95mm、高さ15mmのシャーレに入れ、その上に市販の種子(カネコ種苗株式会社製スプラウトかいわれ大根)を10粒散布した。このシャーレを25℃の恒温室に7日間放置し、各種子の生育状態を観察した。そして、各種子の生育した苗の生育長さの最も長い苗2本と最も短い苗2本を除いた6本の苗の生育長さの平均を、苗の平均生育長さ(cm)とした。
(実施例1)
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、並びに、攪拌機として、翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する攪拌翼を備えた内径110mm、2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコに、炭化水素分散媒としてn-ヘプタン300gをとり、界面活性剤としてHLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、リョートーシュガーエステルS-370)0.74g、高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、ハイワックス1105A)0.74gを添加し、攪拌しつつ80℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後、50℃まで冷却した。
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、並びに、攪拌機として、翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する攪拌翼を備えた内径110mm、2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコに、炭化水素分散媒としてn-ヘプタン300gをとり、界面活性剤としてHLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、リョートーシュガーエステルS-370)0.74g、高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、ハイワックス1105A)0.74gを添加し、攪拌しつつ80℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後、50℃まで冷却した。
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、並びに、攪拌機として、翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する攪拌翼を備えた内径110mm、2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコに、炭化水素分散媒としてn-ヘプタン300gをとり、界面活性剤としてHLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、リョートーシュガーエステルS-370)0.74g、高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、ハイワックス1105A)0.74gを添加し、攪拌しつつ80℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後、50℃まで冷却した。
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、撹拌機として翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する撹拌翼(フッ素樹脂を表面にコートしたもの)を備えた内径100mmの丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコにn-ヘプタン479gをとり、界面活性剤としてのHLB9.6のヘキサグリセリンジエステル(阪本薬品工業株式会社、SYグリスターSS-5S)1.10gを添加し、50℃まで昇温して界面活性剤を溶解したのち、40℃まで冷却した。
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、並びに、攪拌機として、翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する攪拌翼を備えた内径110mm、2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコに、炭化水素分散媒としてn-ヘプタン300gをとり、界面活性剤としてHLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、リョートーシュガーエステルS-370)0.74g、高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、ハイワックス1105A)0.74gを添加し、攪拌しつつ80℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後、50℃まで冷却した。
一方、別の500mL容の三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液128.8g(1.43モル)をとり、外部より冷却しつつ、27質量%の水酸化ナトリウム水溶液159.0gを滴下して75モル%の中和を行った後、アゾ系化合物として2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩0.129g(0.475ミリモル)、および内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.0116g(0.067ミリモル)を加えて溶解し、第2段目のモノマー水溶液を調製した。
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、並びに、攪拌機として、翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する攪拌翼を備えた内径110mm、2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコに、炭化水素分散媒としてn-ヘプタン300gをとり、界面活性剤としてHLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、リョートーシュガーエステルS-370)0.74g、高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、ハイワックス1105A)0.74gを添加し、攪拌しつつ80℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後、50℃まで冷却した。
11 吸水性樹脂
w 粒子長
Claims (4)
- 水溶性エチレン性不飽和単量体の重合体により構成された吸水性樹脂であって、
前記吸収性樹脂のJIS標準篩によって測定される中位粒子径は、200~600μmであり、
X線コンピューター断層撮影法によって、前記吸水性樹脂の断面画像を観察した場合に、下記式(I)によって算出される(但し、JIS標準篩を用いて前記吸水性樹脂の粒子を分級し目開き600μmの篩を通過する目開き180μmの篩上の吸水性樹脂の粒子からランダムに4粒選択することで樹脂サンプルを選択し、前記樹脂サンプルの粒子長wの最も長くなる断面画像を1つずつ選択し、これら3つの断面画像の中から、前記樹脂サンプルの粒子長wの最も長かった断面画像を選択し、この断面画像を用いて前記空洞面積率を算出する。)、前記断面画像における空洞部分の面積の割合(空洞面積率)が、11~32%であり、
前記吸水性樹脂が、顆粒状若しくは略球状である吸水性樹脂粒子の非凝集体、または略球状の吸水性樹脂粒子の凝集体である、吸水性樹脂。
空洞面積率[%]={吸水性樹脂の空洞部分の総断面積(B)/(吸水性樹脂の樹脂部分の総断面積(A)+吸水性樹脂の空洞部分の総断面積(B))}×100・・・(I) - 前記吸水性樹脂の水の荷重下保持率が、75%以下である、請求項1に記載の吸水性樹脂。
- 請求項1又は2に記載の吸水性樹脂を含む、土壌保水材。
- 請求項1又は2に記載の吸水性樹脂を含む、農園芸材料。
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