以下、本発明に係る冷却器用容器及び冷却器について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の冷却器用容器は、冷たい物質を入れた第1容器を内側に収納可能であり、前記第1容器に送風する送風手段を着脱可能な第2容器を備え、前記第2容器は、当該第2容器の内部から風が出る吹き出し口を有するとともに、少なくとも一部が内層と外層の二重構造になっていることを特徴とする。
本発明の冷却器は、冷たい物質を入れる第1容器と、前記第1容器を内側に収納可能であり、前記第1容器に送風する送風手段を着脱可能な第2容器と、前記送風手段と、を備え、前記第2容器は、当該第2容器の内部から風が出る吹き出し口を有するとともに、少なくとも一部が内層と外層の二重構造になっていることを特徴とする。
本発明によれば、良好な冷却機能が得られ、持ち運びが可能な冷却器にすることができる。
(第1の実施形態)
本発明の冷却器用容器及び冷却器の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る冷却器用容器の一例を示す側面概略図である。図1(A)は、一方の側面から見たときの図であり、図1(B)は、他方の側面から見たときの図である。図2及び図3は、本実施形態に係る冷却器の組み立て例を示す図である。
本例の冷却器用容器は、第2容器12を備えている。第2容器12は、図1に示すように、送風手段14を装着させることが可能である。第2容器12は、例えば、図2及び図3に示すように、上側部材12aと、下側部材12bとからなる。なお、本実施形態では、上側部材、下側部材と称しているが、これらの名称は適宜変更してもよく、例えば第1部材、第2部材などと称してもよい。
図2及び図3に示すように、第2容器12は、第1容器11を内側に収納可能である。図2では、組み立ての順番を矢印で示している。図示するように、まず第1容器11を第2容器12の下側部材12bに入れ(矢印(1))、第2容器12の上側部材12aを上から被せる(矢印(2))。次いで、上側部材12aと下側部材12bとを相対的に回転させて(矢印(3))、組み立てが完成する。
なお、図3は、図2における矢印(1)を行った時点、すなわち、第1容器11を第2容器12の下側部材12bに入れた時点の状態を示している。
このように、本例では第2容器12が上側部材12aと下側部材12bからなるため、簡便に第1容器11を第2容器12の内側に収納させることができる。また、本例では、第2容器12の上側部材12aと下側部材12bを互いに回転させることで勘合する構成にしているため、非常に簡便に組み立てを行うことができる。
本例では、第2容器12の上側部材12aに送風手段14を装着しているが、本実施形態はこれに限られず、第2容器12の下側部材12bに送風手段14を装着できるようにしてもよい。
第1容器11には、冷たい物質13が入れられている。冷たい物質13としては、特に制限されるものではなく、飲料用の液体や固体であってもよいし、飲料用でなくてもよい。また、冷たい物質13は、液体であってもよいし、液体を凍らせた固体であってもよい。冷たい物質13が液体を凍らせた固体である場合、冷たい物質13が低い温度を維持しやすい。冷たい物質13が飲料用の液体である場合、適宜飲むことも可能になる。
また、冷たい物質13としては、公知の保冷剤を用いてもよい。保冷剤を用いることにより、繰返し使用できるという利点が得られる。例えば、保冷剤を入れた第1容器11を冷凍庫に保管し、内部の保冷剤を凍らせておき、使用後、再度、第1容器11を冷凍庫に保管することで繰り返し使用することができる。例えば、誤飲防止の観点から、第1容器11は密閉されており、内部に保冷剤が入れられていることが好ましい。
第1容器11及び第2容器12の材質としては、適宜選択することができ、例えば、金属、樹脂等が挙げられる。
第1容器11としては、例えば、飲料用のペットボトルを用いることができる。飲料用のペットボトルである場合、外出先で購入するなど、入手や入れ替え等がしやすいという利点がある。飲料用のペットボトルとしては、例えば450ml~600mlのものを用いることができるが、これに限られるものではない。また、用いられる飲料用のペットボトルは、丸形でもよいし、角形でもよい。第1容器11としては、飲料用のペットボトルに限られるものではない。冷却器1専用の容器であってもよい。
第1容器11及び第2容器12を上からもしくは下から見た場合の形状としては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。第1容器11及び第2容器12を上からもしくは下から見た場合の形状は、円形であってもよいし、四角形であってもよいし、その他の形状であってもよい。
図4及び図5は、本実施形態の冷却器用容器及び冷却器の断面概略図である。図4は、第2容器12の下側部材12bに第1容器11を収納した状態を示しており、図5は、図4の状態から更に、第2容器12の上側部材12aを取り付けた状態を示している。
詳細は後述するが、第2容器12は、第2容器12の内部から風が出る吹き出し口21を有している。冷却器として使用する場合、吹き出し口21から冷風が送り出される。本例では、第2容器12の上側部材12aに吹き出し口21が設けられている。吹き出し口21の配置は、適宜変更することができ、第2容器12の下側部材12bに設けられていてもよい。
吹き出し口21は、開閉可能であることが好ましい。吹き出し口21が開閉可能であることで、第2容器12の内部に外気が侵入することを抑制でき、第2容器12の内部の温度が上昇することを抑制できる。そのため、冷風を送り出す時間を長くすることができる。
吹き出し口21を開閉可能にするには、例えば、図示するように、蓋22を設ける方法が挙げられる。蓋22は、別の名称であってもよく、例えば、カバーなどの名称を用いてもよい。また、蓋22は、開く方式であってもよいし、スライド方式であってもよい。
送風手段14としては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。持ち運びの容易性を考慮すると、小型の送風手段であることが好ましい。また、送風手段14は、送風の強さを調節可能であることが好ましい。この場合、使用者の状況や希望に応じて、冷却機能を調整することができる。送風の強さの調節としては、特に制限されるものではなく、例えば3段階(弱、中、強)の調節が挙げられる。
本例における送風手段14は、例えば、回転する羽根15、ガイド16、モータ18、電源19を有している。電源19としては、例えば充電式の蓄電池にすることが好ましく、この場合、使いやすさが向上する。ただし、この構成に限られるものではなく、送風手段14を商用電源に接続して使用してもよいし、その他にも送風手段14をパソコン等に接続して使用してもよい。送風手段14としては、特に制限されるものではないが、例えばDCブラシレス扇風機を用いることができる。また、市販品を用いてもよい。
ガイド16は、例えば、羽根15に物体が接触することを防止するために設けられる。ガイド16の形状等は、図示されるものに限られず、適宜変更することができる。ガイド16は、例えば樹脂、金属等により形成される。
送風手段14は、例えば収納部32を有しており、収納部32には、例えば電源19が収納される。収納部32の構成は、本例に限られるものではなく、適宜変更することができる。収納部32に制御部などを収納してもよく、所定の制御を行うためのコンピュータ等を有していてもよい。例えば所定のプログラムを記憶する記憶部などを有していてもよく、回路などを有していてもよい。収納部32の表面に制御用のボタンを有していてもよい。
図1等に示すように、送風手段14は、空気を取り込むための取り込み口17を有していることが好ましい。送風手段14は、例えば取り込み口17から空気を取り込みつつ、第2容器12の内部に送風を行う。
勘合部33は、第2容器12の上側部材12aと下側部材12bを勘合させるために設けられる。本例における勘合部33は、第2容器12の上側部材12aと下側部材12bを相対的に回転させて両者を勘合できる形状になっている。本例における勘合部33は、例えば、スクリュー形状の溝などと称してもよい。
図5に示すように組み立てることで、本実施形態の冷却器1が使用可能な状態になる。本実施形態の冷却器1は、第1容器11、第2容器12、送風手段14を有している。本実施形態の冷却器1は、本実施形態の冷却器用容器(第2容器12)を有しているともいえる。
図示するように、送風手段14は、第2容器12が第1容器11を収納したときに、第1容器11の側面に向かって送風するよう第2容器12に装着されることが好ましい。これにより、コンパクトな冷却器1にすることができる。また、第1容器11の側面に向かって送風することで、第1容器11によって冷やされた空気を吹き出し口21から送り出すことができる。
本例では、図4及び図5に示すように、第2容器12の下側部材12bが二重構造になっている。これにより、第2容器12の内部の温度が上昇することを抑え、冷風を送風できる時間を長くすることができる。このため、本実施形態では、冷却機能を向上させた冷却器用容器及び冷却器を提供することができる。二重構造の詳細については後述する。
図6は、吹き出し口21の開閉を説明するための図である。図中、(A)は吹き出し口21が閉じた状態を示す斜視概略図、(B)は吹き出し口21が開いた状態を示す斜視概略図、(C)は吹き出し口21が閉じた状態を示す側面概略図、(D)は吹き出し口21が開いた状態を示す側面概略図である。
本例において、吹き出し口21の開閉は、蓋22により行われる。図中の(A)及び(C)のように、蓋22が閉じた状態である場合、吹き出し口21は閉じた状態になる。一方、図中の(B)及び(D)のように、蓋22が開いた状態である場合、吹き出し口21は開いた状態になる。図中の矢印は、蓋22の動きを模式的に示している。このようにして、吹き出し口21の開閉を行うことができる。吹き出し口21の配置は、図示されるものに限られず、適宜選択することができる。
図7は、図5に示す断面図における、吹き出し口21が開いた状態を示す断面概略図であり、送風手段14が稼働したときの風の流れを模式的に説明するための図である。図中、風の流れを白矢印で模式的に示している。
図示するように、送風手段14の羽根15が回転することにより、送風手段14から第2容器12の内部に風が送られる。送風手段14からの風は、第1容器11の側面に当たり、例えば、一部の風が上方に流れ、一部の風が下方に流れ、一部の風が側面に沿って流れる。下方に流れる風は、例えば、第1容器11や第2容器12に沿って下方や側方に流れる。送風手段14からの風は、第1容器11や第2容器12によって冷やされ、吹き出し口21から冷風が送り出される。すなわち、第2容器12の内部から冷風が出る。
また図示するように本例では、第2容器12は第1容器11を覆う形状であり、第1容器11を収納したときに第1容器11が第2容器12から露出しない構成になっている。これにより、第1容器11の温度上昇を抑えることができ、冷風を送り出せる時間を長くすることができる。
なお、本発明はこれに限られず、後述の実施形態のように、第1容器11の一部が第2容器12から露出する構成であってもよい。
本実施形態の冷却器1は、持ち運びが可能である。そのため、使用場所を適宜変更できるという利点が得られる。使用場所は特に限られるものではなく、屋内で使用してもよいし、屋外で使用してもよい。使用方法としては、特に限られるものではなく、図示するように、冷却器1を立てた状態で使用してもよい。また後述するように使用者の首などに掛けて使用してもよい。
図8A~図8Cは、第2容器12の下側部材12bにおける二重構造を説明するための断面概略図である。本実施形態において、第2容器12は、少なくとも一部が内層と外層の二重構造になっている。本例では、第2容器12の下側部材12bが内層23と外層24の二重構造になっている。
内層23と外層24との間は、例えば、真空である、空気層を有する、又は、断熱材が設けられていることが好ましい。この場合、第2容器12の内部の温度が上昇することを抑えることができ、冷却機能が向上する。
図8Aは、第2容器12の下側部材12bにおいて、内層23と外層24との間が真空25である場合の例である。内層23と外層24との間を真空25にすることにより、断熱性が向上し、第2容器12の内部の温度が上昇することを抑えることができる。本実施形態において真空とは、例えばJIS規格のように、通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態をいう。負圧の状態であるなどと言い換えてもよい。
内層23と外層24との間を真空25にする場合、内層23と外層24の材質としては、金属であることが好ましい。加工や断熱性の観点から、金属としてはステンレスが好ましい。この他にも、アルミニウム、銅などを用いることもできる。金属に限られず、内層23と外層24との間を真空25にできるものであれば、樹脂などを用いてもよい。真空25を形成する方法としては、適宜選択でき、例えば公知の方法を用いることができる。
図8Bは、第2容器12の下側部材12bにおいて、内層23と外層24との間が空気層26を有する場合の例である。空気層26は、大気圧と同程度の圧力の空気の他、大気圧よりも低い圧力の空気、大気圧よりも高い圧力の空気が該当する。空気層26を有する場合においても、断熱性が向上し、第2容器12の内部の温度が上昇することを抑えることができる。断熱性については、真空25の方が空気層26よりも高くすることができる。一方、内層23と外層24との間が空気層26を有する場合、内層23と外層24との間が大気と連通していてもよいため、加工をしやすいという利点がある。
内層23と外層24との間が空気層26を有する場合、内層23と外層24の材質としては、適宜選択することができ、金属、樹脂等を用いることができる。
図8Cは、第2容器12の下側部材12bにおいて、内層23と外層24との間に断熱材27が設けられている場合の例である。断熱材27が設けられていることにより、断熱性が向上し、第2容器12の内部の温度が上昇することを抑えることができる。
断熱材27としては、公知のものを用いることができる。特に制限されるものではないが、例えば、グラスウール、ロックウール、ウレタン等を用いることができる。特に制限されるものではないが、断熱性を向上させる観点から、例えば熱伝導率が0.05W/m・K以下の材料を用いることが好ましい。
外層24の更に外側に他の層を有していてもよい。例えば、内層23と外層24を金属で形成し、外層24の更に外側にその他の樹脂層を形成してもよい。この場合、使用者が金属に触れないため、使用感が良好になる場合がある。
図9A~図9Cは、第2容器12の上側部材12aにおける二重構造を説明するための断面概略図である。図9Aは、第2容器12の上側部材12aにおいて、内層23と外層24との間が真空25である場合の例である。図9Bは、第2容器12の上側部材12aにおいて、内層23と外層24との間が空気層26である場合の例である。図9Cは、第2容器12の上側部材12aにおいて、内層23と外層24との間に断熱材27が設けられている場合の例である。詳細例については、図8A~図8Cと同様にすることができるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態において、第2容器12は、少なくとも一部が内層と外層の二重構造になっている。第2容器12の上側部材12aと下側部材12bの両方がともに内層23と外層24の二重構造である場合、断熱性が更に向上し、第2容器12の内部の温度が上昇することをより抑えることができるという優れた利点が得られる。
一方、第2容器12の下側部材12bが内層23と外層24の二重構造であり、第2容器12の上側部材12aが一重構造である場合、加工が複雑になることを防止できるという利点が得られる。第2容器12の上側部材12aに吹き出し口21を設ける場合、上側部材12aが二重構造でないことにより、加工しやすくなる。また、上側部材12aが二重構造でないことにより、送風手段14からの風を取り込む領域を形成しやすくなる。
上記を考慮すると、第2容器12の材質としては、例えば以下のバリエーションが考えられる。第2容器12の上側部材12aは樹脂からなり、二重構造にはせず、第2容器12の下側部材12bは金属からなり、二重構造である。この場合、断熱性を確保しつつ、加工性を向上させることができる。
この他にも、第2容器12の上側部材12a及び下側部材12bは金属からなり、上側部材12a及び下側部材12bがともに内層23と外層24の二重構造を有する。この場合、断熱性を更に向上させることができ、冷風を送り出せる時間を長くすることができる。
また、第2容器12が不透明になる材料を用いることで、日光を遮断できるといった利点や内部の温度が上昇しにくくなるなどの利点が期待できる。
図10及び図11は、送風手段14からの風を遮断可能な開閉部材31について説明するための要部断面概略図である。図10は、送風手段14が開閉部材31を有している場合の例であり、図12は、第2容器12が開閉部材31を有している場合の例である。
図10に示す例において、送風手段14は、送風手段14からの風を遮断可能な開閉部材31を有しており、開閉部材31は、送風手段14からの風を通過させる状態(A)と、送風手段14からの風を遮断する状態(B)とに遷移する。遷移は手動であってもよいし、自動であってもよい。例えば収納部32にボタンを設けて遷移させてもよい。
図11に示す例において、第2容器12は、送風手段14からの風を遮断可能な開閉部材31を有しており、開閉部材31は、送風手段14からの風を通過させる状態(A)と、送風手段14からの風を遮断する状態(B)とに遷移する。遷移は手動であってもよいし、自動であってもよい。
図示するように、開閉部材31は、送風手段14からの風を通過させる状態から、図中の矢印の方向にスライドして、送風手段14からの風を遮断する状態に遷移する。逆の遷移も可能であり、開閉部材31は、送風手段14からの風を遮断する状態から、送風手段14からの風を通過させる状態に遷移する。
図12は、開閉部材31が送風手段14からの風を遮断する状態に遷移したときの断面概略図である。この状態の場合、第2容器12内の密閉性を高めることができる。そのため、冷却器1を使用していない場合、具体的には例えば、送風手段14の駆動を停止している場合、第2容器12内の温度上昇を抑えることができ、第1容器11の温度が上昇することを抑えることができる。そのため、開閉部材31を設けることにより、経時においても冷風を送風できる。
図13(A)は、第2容器12の上側部材12aを別の角度から見た場合の概略図であり、下側部材12b側から見た場合の概略図である。図示するように、第2容器12の上側部材12aには、下側部材12bと勘合させるための勘合部33が形成されている。また、送風手段14からの風が第2容器12の内部に送り込まれるようにするための開口が設けられている。
図13(B)は、第2容器12の内側から送風手段14側を見た場合の概略図である。図13(A)ではガイド16の図示が省略されているが、図13(B)ではガイド16が図示されている。上述したように、ガイド16が設けられていることにより、羽根15に物体が接触することを防止できる。ガイド16の形状は、図示されるものに限られず、適宜変更することができる。
図14は、第2容器12の上側部材12aと下側部材12bが勘合する際の別の勘合方式を説明するための要部断面概略図である。上記の例では、第2容器12の上側部材12aと下側部材12bを相対的に回転させて勘合させていたが、本実施形態はこれに限られない。ここで図示する例では、例えば下側部材12bに凸部を設け、上側部材12aがこの凸部を覆うように勘合する。
上記の例のように、第2容器12の上側部材12aと下側部材12bを相対的に回転させて勘合させる場合、第2容器12の密閉性を高めることができる。一方、本例のように、上側部材12aが下側部材12bの凸部を覆うように勘合することで、簡易に上側部材12aと下側部材12bを勘合させることができる。
図15は、第2容器12の上側部材12aと下側部材12bが勘合する際の更に別の勘合方式を説明するための要部断面概略図である。本例では、ヒンジ35により第2容器12の上側部材12aと下側部材12bを接続し、ヒンジ35を基点として上側部材12aが開閉する。ヒンジ35と反対側には、例えば下側部材12bに凸部を設け、上側部材12aがこの凸部を覆うように勘合する。このようにすることで、簡易に上側部材12aと下側部材12bを勘合させることができる。
図16は、送風手段14が第2容器12に対して着脱可能であることを説明するための要部断面概略図である。図中の矢印は、送風手段14が第2容器12に対する着脱方向を模式的に示している。このように、送風手段14が第2容器12に対して着脱可能であることにより、第2容器12の洗浄が行いやすくなる。また、送風手段14が交換可能になり、送風手段14の故障等に対応しやすくなる。
図16に示す例では、開閉部材31が送風手段14側に設けられているが、上述したように、開閉部材31は第2容器12側に設けられていてもよい。開閉部材31が第2容器12側に設けられている場合、送風手段14を取り外した場合でも、第2容器12内の密閉性を保つことができる。
図17は、第1容器11の他の例を示す概略図である。本例の第1容器11では、表面に溝36が形成されている。溝36の形状、配置、個数等は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。図中(A)は、溝36が不規則に形成されている場合の例である。図中(B)は、溝36が規則的に形成されており、らせんとなるように溝36が形成されている。図中(C)は、溝36が規則的に形成されており、水平方向に沿った溝となるように形成されている。
第1容器11の表面にこのような溝36が形成されていることにより、送風手段14からの風の流れを所望の方向に制御することができる。第1容器11の表面に溝36が形成されていることにより、例えば、送風手段14からの風を第2容器12の下方に誘導し、第2容器12の下方に溜まった冷気を吹き出し口21の方向に送り出しやすくなると考えられる。また、この他にも、第1容器11の表面に沿って風が流れやすくなり、より冷たい風が吹き出し口21から送られやすくなると考えられる。
通常、市販の飲料用ペットボトルは、冷却器に用いられることが想定されておらず、表面に風を当てることが想定されていないため、上記のような溝36は意図的に形成する必要がある。そのため、図17に示す第1容器11の例は、本実施形態の冷却器1に用いられるために作製されているともいえる。ここで示す第1容器11の例は、本実施形態の冷却器1に用いられた場合に、市販の飲料用ペットボトルよりも冷却機能が向上すると考えられる。
図18は、第1容器11の他の例を示す概略図である。ここで示す例において、第1容器11は密閉されており、内部に保冷剤が入れられている。このように、第1容器11の内部に入れられる冷たい物質13として、保冷剤を用いることにより、第1容器11を繰り返し使用することができるとともに、市販の飲料用ペットボトルを用いた場合よりも、冷却機能が向上する。本例では、より冷たい風を送ることができ、また冷たい風を送ることができる時間を長くすることができる。
保冷剤としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができる。例えば、水を主成分とし、高吸収性ポリマーを含むものが挙げられる。必要に応じて、防腐剤等を含んでいてもよい。また、第1容器11が密閉されていることにより、誤飲を防止することができる。
本例の第1容器11は、例えば、冷凍庫に保管して内部の保冷剤を凍らせておき、使用時に冷凍庫から取り出し、第2容器12に収納して使用する。冷却器1の使用を続けていくうちに、第1容器11の内部の保冷剤が解け、第1容器11の温度が外気と同程度になる。この場合、また第1容器11を冷凍庫に入れて内部の保冷剤を凍らせることで、繰返し使用することができる。また、一般家庭の冷凍庫を使用することができるため、使用者にとって都合が良い。
本例の第1容器11は、図18に示すように例えば円柱の形状をしている。このように円柱の形状であることにより、取り扱いのしやすさ、作製のしやすさが得られるとともに、第2容器12に収納しやすくなる。第2容器12の収納部分が円柱や円筒の形状である場合、第1容器11が円柱の形状であることにより、より隙間なく収納させることができる。
本例の第1容器11は、図18(A)、(B)に示すように、表面に溝が形成されていなくてもよいし、図18(C)、(D)に示すように、表面に溝36が形成されていてもよい。なお、図18(B)は図18(A)の断面概略図に相当し、図18(D)は図18(C)の断面概略図に相当する。
第1容器11の表面に溝36が形成されていることにより、上述した効果が得られる。例えば、送風手段14からの風の流れを制御し、冷却機能を向上させることができる。第1容器11の表面に形成される溝36としては、例えば図17に示す例のように適宜選択することができる。とりわけ、図18(C)、(D)に示すように、第1容器11は表面にらせん状の溝36が形成されていることが好ましい。このようにらせん状の溝36が形成されていることにより、送風手段14からの風を第2容器12の下方に誘導し、第2容器12の下方に溜まった冷気を吹き出し口21の方向に送り出しやすくなる。
図19は、第1容器11の他の例を示す概略図である。図示するように、第1容器11の形状は、円柱に限られず、多角柱であってもよい。図19(A)は第1容器11が三角柱の場合の例であり、図19(B)は第1容器11が四角柱(直方体)の場合の例である。このような形状の場合でも、円柱の場合と同様に、第2容器12の収納部分に収納させやすくなる。図19に示す例においても、第1容器11は密閉されており、内部に保冷剤が入れられている。上記と同様に、第1容器11の表面に溝36が形成されていてもよい。
図20は、図18(A)、(B)に示す第1容器11を第2容器12に収納して冷却器1を組み立てることを説明するための概略図である。図20は上記図3と同様の図である。図3と同様に、例えば、第2容器12の下側部材12bに第1容器11を収納し、上側部材12aを被せて回転させることで冷却器1を組み立てることができる。本例においても、簡便に冷却器1を組み立てることができる。
図21(A)は、本実施形態の冷却器1における他の使用例を説明するための図である。本実施形態の冷却器1の使用方法は、適宜選択することができ、設置して使用してもよいし、使用者が首、一方の方又は両方の肩に掛けて使用してもよい。図示するように、本例において、第2容器12は、使用者の首等に掛ける紐部材37に取り付け可能であり、本例の冷却器1は使用者の首等に掛けて使用される。首等に掛けて使用することで、例えば屋外で作業をしながら、歩きながら使用することができ、利便性が向上する。
図22は、本例の冷却器1の使用例である。使用者は、紐部材37を首や肩などに掛けて冷却器1を使用することができる。図23は、本例の冷却器1の他の使用例である。使用者は、紐部材37を一方の方に掛けて使用することができる。また、紐部材37を首や肩などに掛けた場合に、冷却器1を使用する必要はなく、持ち運びのために紐部材37を用いてもよい。
紐部材37としては、特に制限されるものではないが、例えば紐を用いることができる。首に掛ける場合に限られず、例えばリュックサックに固定できるような態様であってもよい。本実施形態の冷却器は、文字通り首に掛ける場合に限られず、肩に掛ける場合の他、手首や腕などの体の一部に掛けたり、かばん等の体以外に掛けたりして使用することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る冷却器用容器及び冷却器の他の実施形態について説明する。上記の実施形態と同様の事項については説明を省略する。
本実施形態において、第2容器12は、吹き出し口21に接続する送風延長部材40を有する。送風延長部材40は、吹き出し口21からの風が通る通路を有するとともに、該通路からの風が吹き出る開口部を有している。送風延長部材40を用いることにより、吹き出し口21からの冷風を所望の箇所に当てることができる。
図24は、本実施形態の一例を示す概略図である。図示するように、第2容器12は送風延長部材40を有している。例えば図示するように、送風延長部材40を使用者の首周りに配置することで、冷風が使用者の首に直接あたり、使用者の身体を効率的に冷却することができる。また本例でも紐部材37を用いており、これにより使用者は手で冷却器1を保持する必要がなく、例えば作業をしながら、歩きながらでも冷却器1を使用することができる。
図25は、本実施形態の詳細例を説明するための概略図である。
本例の送風延長部材40は、吹き出し口21からの風が通る送風通路部41と、送風通路部41に接続する吹き出し部42と、を有する。吹き出し部42は、送風通路部41からの風が通る通路を有するとともに、前記通路からの風が出る複数の送風開口部43を有する。
図示するように、吹き出し部42は、使用者の首44の周辺に配置可能であり、送風開口部43からの風は、例えば使用者の首44に送り出される。送風開口部43からの風は、図中の矢印で模式的に示されている。
送風延長部材40の材質としては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、金属、樹脂等が挙げられる。送風延長部材40の材質として、可撓性の有する材料を選択することにより、使用者の体型等に合わせて送風延長部材40を変形させて使用することができる。
本例の送風延長部材40では、吹き出し部42が環状になっている。これにより、使用者の首に配置しやすくなる。また本例の送風延長部材40は、調節部材46を有しており、吹き出し部42の大きさを変更することができるようになっている。このため、吹き出し部42を首に掛けた後、調節部材46で吹き出し部42の環状の大きさを調節し、使用者の首周りの大きさに適合させることができる。
本実施形態の送風延長部材40は、調節部材46を有していなくてもよい。図中の破線で示すように、送風延長部材40の吹き出し部42の一部が離間できるようにすることが好ましい。これにより、吹き出し部42の一部を離間させた状態で使用者の首周りに吹き出し部42を配置した後、離間させた吹き出し部42の一部を接続することで、使用者の首周りに吹き出し部42を環状の状態で配置させることができる。
吹き出し部42の一部を離間及び接続するには、例えば、図中の(a)、(b)に示す方式を用いることができる。図中の(a)に示す例では、吹き出し部42の一端44を凹部とし、他端45を凸部にして、凹部と凸部が勘合することで吹き出し部42を環状にすることができる。図中の(b)に示す例では、吹き出し部42の一端44をメス部とし、他端45をオス部にして、メス部とオス部が勘合することで吹き出し部42を環状にすることができる。
図26は、吹き出し部42の他の例を説明するための概略図である。図25に示す例では、吹き出し部42が環状になる例としていたが、本例では、吹き出し部42が完全に環状になるのではなく、一部が不連続になっている。この場合、使用者の首周りに吹き出し部42を配置させやすくすることができる。
図27は、送風延長部材40の他の例を説明するための概略図である。
本例の送風延長部材40では、送風通路部41と吹き出し部42が離間及び接続できるようになっている。これにより、送風通路部41と吹き出し部42を使用者の要望に応じて適宜選択することができる。例えば、送風通路部41の長さを適したものに変更することができる。
送風通路部41と吹き出し部42を離間及び接続するには、例えば、図中の(a)、(b)に示す方式を用いることができる。図中の(a)に示す例では、送風通路部41の端部に凸部を設け、吹き出し部42の端部に凹部を設けており、凸部と凹部が勘合することで送風通路部41と吹き出し部42を接続することができる。図中の(b)に示す例では、送風通路部41の端部をオス部にし、吹き出し部42の端部をメス部にして、オス部とメス部が勘合することで送風通路部41と吹き出し部42を接続することができる。
図28A及び図28Bは、吹き出し部42の他の例を説明するための概略図である。本例の吹き出し部42では、一の送風開口部が他の送風開口部と勘合可能な構成になっている。図28Aに示すように、本例の吹き出し部42は、第1送風開口部47と、第2送風開口部48とを有する。第1送風開口部47と第2送風開口部48は勘合することができ、両者が勘合することで吹き出し部42の環状の大きさを容易に変更することができる。
図28Bにおいて、(a)は第1送風開口部47と第2送風開口部48が勘合していない状態を説明するための断面概略図であり、(b)は第1送風開口部47と第2送風開口部48が勘合した状態を説明するための断面概略図である。第1送風開口部47と第2送風開口部48を勘合させるための方式としては、適宜選択することができ、本例では例えば、凸部と凹部を用いた方式にしている。図28Aにも示しているように、例えば、第1送風開口部47は開口部47aの周りに凸部47bを複数有し、第2送風開口部48は開口部48aの周りに凹部48bを複数有している。そして、第1送風開口部47の凸部47bと、第2送風開口部48の凹部48bとが勘合することにより、第1送風開口部47と第2送風開口部48を勘合させることができる。
使用者は、手で第1送風開口部47と第2送風開口部48を勘合させることができるため、吹き出し部42の環状の大きさを容易に変更することができ、使用者の体型や使用者の使用態様に適合するように調整することができる。また使用者は、手で第1送風開口部47と第2送風開口部48の勘合状態を解除することができる。
図28B(c)は、図28Aに示す吹き出し部42のうちのいくつかの第1送風開口部47と第2送風開口部48を勘合させた場合の一例を示す図である。図中、勘合していない第1送風開口部を符号47cで表し、勘合していない第2送風開口部を符号48cで表している。また図中、勘合した第1送風開口部を符号47dで表し、勘合した第2送風開口部を符号48dで表している。図示するように、吹き出し部42の環状の大きさを容易に、また任意に変更することができる。
本例では、図28B(b)に模式的に示しているように、第1送風開口部47と第2送風開口部48が勘合した状態になっても、吹き出し部42の通路を風が流れることができる。そのため、第1送風開口部47と第2送風開口部48が勘合した状態になっても、第2容器12からの送風を妨げることはない。
また、第1送風開口部47と第2送風開口部48が勘合した状態の場合、勘合部分では第1送風開口部47と第2送風開口部48を互いに風が通ることができるが、勘合部分では吹き出し部42の通路から風が漏れない、ないしは漏れにくい。そのため、第1送風開口部47と第2送風開口部48を勘合させても、送風の損失を低減することができる。
なお、本例では、第1送風開口部47は開口部の周りに凸部47bを複数有し、第2送風開口部48は開口部の周りに凹部48bを複数有する方式としているが、第1送風開口部47と第2送風開口部48が勘合できればよく、この方式に制限されない。例えば、第1送風開口部47が開口部の周りに1つの円環状の凸部を有し、第2送風開口部48が開口部の周りに1つの円環状の凹部を有する構成とし、凸部と凹部を勘合させてもよい。これらの方式以外であってもよい。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る冷却器用容器及び冷却器の他の実施形態について説明する。上記の実施形態と同様の事項については説明を省略する。
本実施形態において、第1容器11は、飲み口を有し、第2容器12は、第1容器11の飲み口を露出させるための容器開口部を有する。これにより、第1容器11に飲料用の液体を入れた場合、冷却器1を使用しながら第1容器11内の飲料用の液体を飲むことができる。
図29は、本実施形態の冷却器用容器を示す概略図である。図中の(A)及び(B)は、図1に示す例と似ている。本例においても、第2容器12に送風手段14を装着させることが可能であり、第2容器12は蓋22有しており、吹き出し口21が開閉可能である。図中の(C)は、本実施形態の冷却器用容器の斜視図であり、図示するように、第2容器12は、容器開口部51を有している。
図30は、本実施形態の冷却器1を示す概略図である。図中の(A)は側面概略図であり、図中の(B)は上から見た場合の概略図である。図示するように、第2容器12に第1容器11を収納したときに、第1容器11は容器開口部51から飲み口が露出する。
図31は、本実施形態の冷却器1を示す斜視概略図である。ここでも図示するように、第2容器12に第1容器11を収納したときに、第1容器11は容器開口部51から飲み口が露出している。図中の矢印で示しているように、蓋22が開くことで吹き出し口21が開いた状態になる。また、本実施形態においても開閉部材31を設けてもよい。
また本実施形態においても、第2容器12は、使用者の首、一方の肩又は両方の肩に掛ける紐部材37を有していてもよい。本実施形態においても、使用者は、紐部材37を首や肩などに掛けて冷却器1を使用することができる。本実施形態で紐部材37を用いた場合の例を図21(B)に示している。
図32は、本実施形態における吹き出し口21の開閉を説明するための図であり、図6と同様の図である。図中、(A)は吹き出し口21が閉じた状態を示す斜視概略図、(B)は吹き出し口21が開いた状態を示す斜視概略図、(C)は吹き出し口21が閉じた状態を示す側面概略図、(D)は吹き出し口21が開いた状態を示す側面概略図である。
本例においても、吹き出し口21の開閉は、蓋22により行われる。図中の(A)及び(C)のように、蓋22が閉じた状態である場合、吹き出し口21は閉じた状態になる。一方、図中の(B)及び(D)のように、蓋22が開いた状態である場合、吹き出し口21は開いた状態になる。図中の矢印は、蓋22の動きを模式的に示している。このようにして、吹き出し口21の開閉を行うことができる。吹き出し口21の配置は、図示されるものに限られず、適宜選択することができる。
図33は、本実施形態における吹き出し口21が開いた状態を示す断面概略図であり、送風手段14が稼働したときの風の流れを模式的に説明するための図である。この図は、図7と同様の図であり、図中、風の流れを白矢印で模式的に示している。
図示するように、本実施形態においても、送風手段14の羽根15が回転することにより、送風手段14から第2容器12の内部に風が送られる。送風手段14からの風は、第1容器11の側面に当たり、例えば、一部の風が上方に流れ、一部の風が下方に流れ、一部の風が側面に沿って流れる。下方に流れる風は、例えば、第1容器11や第2容器12に沿って下方や側方に流れる。送風手段14からの風は、第1容器11や第2容器12によって冷やされ、吹き出し口21から冷風が送り出される。すなわち、第2容器12の内部から冷風が出る。
本実施形態では、冷却器1を使用しながら第1容器11内の飲料用の液体を飲むことができるようにしており、これを実現するために容器開口部51を設けている。容器開口部51からの風の漏れや外気の侵入を考慮すると、第1の実施形態の方が冷却機能は優れている。