JP7285812B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Description
(1)本発明の態様に係る鞍乗型車両は、エンジン(11)のシリンダ(41)の下方に配置されたピボット部(5)と、前記エンジン(11)のクランクケース(40)から前記ピボット部(5)まで延びる延出部(60)と、車体フレーム(20)と前記ピボット部(5)とを連結する連結部材(8)と、前記シリンダ(41)と前記連結部材(8)との間に配置された触媒(70)と、を備え、前記ピボット部(5)の少なくとも一部は、前記触媒(70)の前方に配置され、前記触媒(70)の少なくとも一部は、前後方向から見て前記クランクケース(40)の車幅方向の範囲内(W1)に配置され、前記触媒(70)の長手方向は、車幅方向に沿っており、前記ピボット部(5)は、車幅方向に延び、前記延出部(60)は、左右一対設けられ、前記ピボット部(5)、左右一対の前記延出部(60)及び前記クランクケース(40)は、上下方向から見て矩形枠状をなす閉じた構造(65)を構成しており、前記延出部(60)は、前記延出部(60)の車幅方向内側面(60a)から車幅方向外方へ凹む凹部(61)を有する。
ピボット部の少なくとも一部が触媒の前方に配置されていることで、ピボット部が触媒の後方に配置されている場合と比較して、連結部材が揺動時に触媒に近づき過ぎることを抑制することができる。加えて、触媒の少なくとも一部が前後方向から見てクランクケースの車幅方向の範囲内に配置されていることで、触媒が前後方向から見てクランクケースの車幅方向の範囲外に配置されている場合と比較して、車幅方向外方への触媒の突出を抑制することができる。したがって、触媒と連結部材との干渉を抑制しつつ車幅方向外方への触媒の突出を抑制することができる。加えて、クランクケースから延出部が延びることで、他の場所から延出部を延ばすよりも延出部を短くすることができる。加えて、ピボット部、左右一対の延出部及びクランクケースが開断面構造を構成している場合と比較して、ピボット部、左右一対の延出部及びクランクケースを含む構造(閉断面構造)の剛性を高めることができる。上述の通り、クランクケースから延出部が延びているので、剛性を高めたい要求があるが、閉断面構造とすることで剛性を高めることができる。加えて、延出部は、延出部の車幅方向内側面から車幅方向外方へ凹む凹部を有することで、以下の効果を奏する。凹部により延出部を軽量化することができる。加えて、凹部が延出部の車幅方向外側面から車幅方向内方へ凹む場合と比較して、車幅方向外側から凹部を見えにくくすることができる。
連結部材が車幅方向から見てピボット部から前下方に向かって延びている場合と比較して、連結部材が揺動時に地面に近づき過ぎることを抑制することができる。したがって、連結部材と地面との干渉を抑制することができる。
延出部が車幅方向から見てピボット部から後方に向かって一様の上下幅で延びている場合と比較して、延出部の剛性を高めることができる。
クランクケースから延びる延出部が触媒の後方まで延び、車体フレームと連結される連結部材が触媒の後方まで延びている場合と比較して、連結部材の長さを小さくすることができるため、連結部材を軽量化することができる。加えて、連結部材の揺動範囲が必要以上に大きくならないため、連結部材と地面との干渉を抑制することができる。
図1に示すように、自動二輪車1(鞍乗型車両)は、ユニットスイング式の自動二輪車である。自動二輪車1は、運転者が足を載せる左右ステップフロアを有するスクーター型の車両である。自動二輪車1は、ハンドル2によって操向される前輪3と、動力源を含むパワーユニット10によって駆動される後輪4と、を備える。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
エンジン11は、クランクシャフト14を車幅方向に沿わせた単気筒エンジンである。図2に示すように、エンジン11は、クランクシャフト14(図1参照)を回転可能に支持しかつ収容するクランクケース40と、クランクケース40の前端部から前上方に向かって突出するシリンダ41と、を備える。
図2は、自動二輪車1が1G状態にあるときの触媒コンバータ70の周辺を含む左側面図である。ここで、1G状態は、後輪4(図1参照)が接地してリアクッション9(図1参照)が車重分だけ沈んだ状態を意味する。図2に示すように、自動二輪車1は、エンジン11の排気ポートと排気マフラ(不図示)との間に触媒コンバータ70(触媒)を配置した触媒配置構造59を備える。
連結アーム8aは、エンジン側ピボット部5から前上方に向かって延びている。
クロスメンバ8bの車幅方向外端部は、連結アーム8aの前端部に連結されている。クロスメンバ8bは、車体側ピボット中心Pv(図2参照)を軸心とする筒状に形成されている。
第二排気管82は、前面視で発電機ケース側境界線K2を跨いで車幅方向に延びている。第二排気管82は、前面視で発電機ケース側境界線K2近傍から車幅方向外側の所定範囲まで漸次縮径している。
以上説明したように、上記実施形態の自動二輪車1は、エンジン11のシリンダ41の下方に配置されたエンジン側ピボット部5と、エンジン11のクランクケース40からエンジン側ピボット部5まで延びる延出部60と、車体フレーム20とエンジン側ピボット部5とを連結する連結部材8と、シリンダ41と連結部材8との間に配置された触媒コンバータ70と、を備え、エンジン側ピボット部5の全部は、触媒コンバータ70の前方に配置され、触媒コンバータ70の全部は、前後方向から見てクランクケース40の車幅方向の範囲内W1に配置されている。
この構成によれば、エンジン側ピボット部5の全部が触媒コンバータ70の前方に配置されていることで、エンジン側ピボット部5が触媒コンバータ70の後方に配置されている場合と比較して、連結部材8が揺動時に触媒コンバータ70に近づき過ぎることを抑制することができる。加えて、触媒コンバータ70の全部が前後方向から見てクランクケース40の車幅方向の範囲内W1に配置されていることで、触媒コンバータ70が前後方向から見てクランクケース40の車幅方向の範囲外に配置されている場合と比較して、車幅方向外方への触媒コンバータ70の突出を抑制することができる。したがって、触媒コンバータ70と連結部材8との干渉を抑制しつつ車幅方向外方への触媒コンバータ70の突出を抑制することができる。加えて、クランクケース40から延出部60が延びることで、他の場所から延出部60を延ばすよりも延出部60を短くすることができる。
凹部61により延出部60を軽量化することができる。加えて、凹部61が延出部60の車幅方向外側面60bから車幅方向内方へ凹む場合と比較して、車幅方向外側から凹部61を見えにくくすることができる。
連結部材8が車幅方向から見てエンジン側ピボット部5から前下方に向かって延びている場合と比較して、連結部材8が揺動時に地面に近づき過ぎることを抑制することができる。したがって、連結部材8と地面との干渉を抑制することができる。
延出部60が車幅方向から見てエンジン側ピボット部5から後方に向かって一様の上下幅で延びている場合と比較して、延出部60の剛性を高めることができる。
クランクケース40から延びる延出部60が触媒コンバータ70の後方まで延び、車体フレーム20と連結される連結部材8が触媒コンバータ70の後方まで延びている場合と比較して、連結部材8の長さを小さくすることができるため、連結部材8を軽量化することができる。加えて、連結部材8の揺動範囲が必要以上に大きくならないため、連結部材8と地面との干渉を抑制することができる。
エンジン側ピボット部5、左右一対の延出部60及びクランクケース40が開断面構造を構成している場合と比較して、エンジン側ピボット部5、左右一対の延出部60及びクランクケース40を含む構造(閉断面構造65)の剛性を高めることができる。上述の通り、クランクケース40から延出部60が延びているので、剛性を高めたい要求があるが、閉断面構造65とすることで剛性を高めることができる。
触媒コンバータ70の長手方向が車幅方向と交差する方向に沿っている場合と比較して、触媒コンバータ70をクランクケース40の車幅方向の範囲内W1に配置しつつクランクケース40の近傍に配置しやすいため、触媒コンバータ70をより一層コンパクトに配置することができる。
延出部60の下面60cの一部が下方に突出している場合と比較して、延出部60と地面との間隔を大きくすることができる。したがって、延出部60と地面との干渉を抑制することができる。
なお、上記実施形態では、エンジン側ピボット部5の全部が触媒コンバータ70の前方に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、エンジン側ピボット部5の一部のみが触媒コンバータ70の前方に配置されていてもよい。例えば、エンジン側ピボット部5の少なくとも一部が触媒コンバータ70の前方に配置されていればよい。例えば、エンジン側ピボット中心Peが触媒コンバータ70の中心軸線C1よりも前方に配置されていればよい。例えば、エンジン側ピボット部5の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
5 エンジン側ピボット部(ピボット部)
8,108 連結部材
11 エンジン
20 車体フレーム
40 クランクケース
41 シリンダ
60 延出部
60a 延出部の車幅方向内側面
61 凹部
65 閉断面構造
70 触媒コンバータ(触媒)
W1 クランクケースの車幅方向の範囲内
Claims (4)
- エンジン(11)のシリンダ(41)の下方に配置されたピボット部(5)と、
前記エンジン(11)のクランクケース(40)から前記ピボット部(5)まで延びる延出部(60)と、
車体フレーム(20)と前記ピボット部(5)とを連結する連結部材(8)と、
前記シリンダ(41)と前記連結部材(8)との間に配置された触媒(70)と、を備え、
前記ピボット部(5)の少なくとも一部は、前記触媒(70)の前方に配置され、
前記触媒(70)の少なくとも一部は、前後方向から見て前記クランクケース(40)の車幅方向の範囲内(W1)に配置され、
前記触媒(70)の長手方向は、車幅方向に沿っており、
前記ピボット部(5)は、車幅方向に延び、
前記延出部(60)は、左右一対設けられ、
前記ピボット部(5)、左右一対の前記延出部(60)及び前記クランクケース(40)は、上下方向から見て矩形枠状をなす閉じた構造(65)を構成しており、
前記延出部(60)は、前記延出部(60)の車幅方向内側面(60a)から車幅方向外方へ凹む凹部(61)を有することを特徴とする鞍乗型車両。 - 前記連結部材(8)は、車幅方向から見て前記ピボット部(5)から前上方に向かって延びていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
- 前記延出部(60)の上端は、車幅方向から見て前記ピボット部(5)から後上方に向かって延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両。
- 前記クランクケース(40)から延びる前記延出部(60)は、前記触媒(70)よりも前方まで延び、
前記車体フレーム(20)と連結される前記連結部材(8)は、前記触媒(70)よりも前方まで延びていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
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