JP7283993B2 - 赤外線カットハードコート樹脂、及びそれを用いたハードコートフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線カット機能を有するハードコート樹脂、及びそれを用いたハードコートフィルムに関する。
近年、自動車のフロントガラスに運転者向けの走行支援情報を画像表示するヘッドアップディスプレイ(以下HUD)に対する関心が高まり、一部の車種にはその搭載が進んでいる。HUDを実現する最も一般的な方法は、表示ユニットからフロントガラスに画像を反射投影させる形態である。しかしこの方式は、表示ユニットにフロントガラスからの太陽光が集光されるため、表示ユニットを構成するLCD素子などの画像表示デバイスが高温になりやすく、熱劣化しやすいという問題があり、そのため表示ユニットへの遮熱が求められている。
ここで、画像表示デバイスから投影される画像データは、拡散板を通して拡大鏡により反射拡大され、カバーフィルムを通じてフロントガラスに表示されるため、こうしたカバーフィルムに、熱線遮蔽を有する材料として赤外線を吸収する組成物を塗布した赤外線カットフィルムを用いることが、遮熱対策として有用である。
このような遮熱フィルムとして、例えばポリエステル基材上に、多官能アクリレートとセシウム含有酸化タングステンと防眩性付与剤からなる近赤外線吸収硬化層を有した赤外線吸収フィルムが提案されている(特許文献1)。しかしながらこのフィルムに用いる樹脂組成物は、基材がポリカーボネートの場合には耐熱密着性が充分ではなく、例えば85℃の環境下で24時間放置すると密着力が低下する傾向があり、耐熱性を要求されるHUDで用いるには改善の余地があった。
特許4906283号公報
本発明は、光硬化性に優れると共に、可視光線透過率と赤外線吸収性能のバランスが取れ、またポリカーボネートフィルムとの耐熱密着性に優れる赤外線カットハードコート樹脂、及びそれを用いたハードコートフィルムを提供することにある。
請求項1記載の発明は、6官能以上の(メタ)アクリレートモノマー(a1)を含む多官能(メタ)アクリレートモノマー(A)と、赤外線吸収成分(B)と、少なくともオキシムエステル型を含む2種類の分子内開裂型光重合開始剤(C)と、を含み、前記(A)が更にエチレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレートモノマー(a2)を含み、(a1)の(A)に対する配合比率が35~80重量%であることを特徴とする赤外線カットハードコート樹脂組成物を提供する。
また請求項2記載の発明は、前記(B)がセシウム酸化タングステンであることを特徴とする請求項1記載の赤外線カットハードコート樹脂組成物を提供する。
請求項3記載の発明は、前記(a2)の(A)に対する配合比率が15~60重量%であることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の赤外線カットハードコート樹脂組成物を提供する。
また請求項4記載の発明は、更にヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1~3いずれか記載の赤外線カットハードコート樹脂組成物を提供する。
また請求項5記載の発明は、アクリル樹脂層とポリカーボネート樹脂層を有する2層構造の複合フィルム、又はポリカーボネートフィルムのいずれかより選択された基材のポリカーボネートフィルム上に、請求項1~4いずれか記載の赤外線カットハードコート樹脂層を有することを特徴とする赤外線カットハードコートフィルムを提供する。
本発明の赤外線カットハードコート樹脂組成物は、光硬化性に優れると共に、可視光線透過率と赤外線吸収性能のバランスが取れ、またポリカーボネート(以下PC)フィルムとの耐熱密着性に優れるため、耐熱性が要求される車載HUD用途の赤外線カットハードコートフィルムに用いるハードコート樹脂として有用である。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の赤外線カットハードコート樹脂組成物の構成は、多官能(メタ)アクリレートモノマー(A)と、赤外線吸収成分(B)と、少なくともオキシムエステル型を含む2種類の分子内開裂型光重合開始剤(C)である。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとの双方を包含する。
本発明で使用される多官能(メタ)アクリレートモノマー(A)は、赤外線吸収成分(B)のバインダーであり、また皮膜を構成する主要成分である。6官能以上の(メタ)アクリレート(a1)を必ず含み、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下DPHA)、カプロラクトン変性等に代表される変性DPHA、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、硬化性に優れPC基材との密着性にも優れるDPHAが好ましい。
前記(A)の固形分全体に対する配合量は15~85重量%が好ましく、18~82重量%が更に好ましく、65~80重量%が特に好ましい。15重量%以上とすることで十分な皮膜凝集力を確保することができ、85重量%以下とすることで高い可視光線透過率と赤外線吸収性能をバランス良く保つことができる。
前記(A)に対する(a1)の配合量は35~80重量%であり、40~75重量%が好ましく、45~72重量%が更に好ましい。35重量%未満では硬化性が不十分で硬化物表面にタックが残る傾向があり、80重量%超では硬化度が高くなりすぎ耐熱試験後の密着性が低下する傾向がある。
(a1)以外では、エチレンオキサイド変性(以下EO変性)された多官能(メタ)アクリレート(a2)を含むことが望ましい。EO変性されることにより硬化物の可撓性が向上し、またPCへの耐熱密着性も向上する。例えば(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(以下EO変性TMPTA)等が挙げられ、これらの中では、硬化性とPCとの密着性の点でバランスの取れたEOの繰り返し回数が1のEO変性TMPTAが特に好ましい。
前記(A)に対する(a2)の配合量は15~60重量%が好ましく、25~53重量%が更に好ましい。15重量%以上とすることで十分な耐熱密着性を確保することができ、60重量%以下とすることで充分な表面硬化性を確保できる。
前記(a1)及び(a2)以外の(A)としては、例えば2官能では(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、4.6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが、3官能ではペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが、4官能ではジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが、5官能ではジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられ単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明で使用される赤外線吸収成分(B)とは、主に近赤外線領域(750~1000nm)の特定波長領域を選択的に吸収し、バインダーと配合することにより、熱に対し強力な吸収、遮蔽効果を発揮する成分を指し、例えばセシウム酸化タングステン、スズ酸化インジウム、アンチモン酸化スズ、六ホウ化ランタン、ジイモニウム塩等が挙げられる。これらの中では、比較的低コストで吸収係数が高いセシウム酸化タングステンが好ましい。
セシウム酸化タングステンは、特に800nm~1200nmの赤外線領域を強く吸収し、化学式が一般にCs0.33WOで表記される無機ナノ微粒子である。平均粒子径は1~50nmが好ましく、5~35nmが更に好ましい。この範囲とすることで、高い可視光線透過率と赤外線吸収性能をバランス良く保つことができる。市販品のセシウム酸化タングステン系赤外線吸収剤としてはYMF02(商品名:住友金属鉱山社製、平均粒径15nm、固形分18.5%)などが挙げられる。なお平均粒子径はレーザ光による動的光散乱法に基づいて粒子径分布測定装置により測定できる。
前記(B)の固形分全体に対する配合量は5~55重量%が好ましく、8~40重量%が更に好ましく、9~25重量%が特に好ましい。5重量%以上とすることで赤外線カットによる遮熱効果を得ることができ、55重量%以下とすることで充分な日射透過率を得ることができる。
本発明で使用される光重合開始剤(C)は、紫外線や電子線などの照射でラジカルを生じ、そのラジカルが重合反応のきっかけとなるもので、少なくともオキシムエステル型を含む2種類の分子内開裂型光重合開始剤を含む。オキシムエステル型は非常に感度が高い開始剤であり、これを含むことによりPC基材への耐熱密着性を格段に向上させることが可能となる。例えばエタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-、1-(O-アセチルオキシム)や、1,2-オクタンジエン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-、2-(o-ベンゾイルオキシム)が挙げられ、市販品としてはIrgacureOXE01、OXE02、OXE03、OXE04(商品名:BASFジャパン社製)等がある。
オキシムエステル型以外の分子内開裂型光重合開始剤としては、ベンジルケタール系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系が挙げられ、重合開始剤の光吸収波長を任意に選択することによって、紫外線領域から可視光領域にいたる広い波長範囲にわたって硬化性を付与することができる。具体的にはベンジルケタール系として2.2-ジメトキシ-1.2-ジフェニルエタン-1-オンが、α-ヒドロキシアセトフェノン系として1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン及び1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オンが、α-アミノアセトフェノン系として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンが、アシルフォスフィンオキサイド系として2.4.6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド及びビス(2.4.6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドが)等があり、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中では、黄変しにくいα-ヒドロキシアセトフェノン系を含むことが好ましく、市販品としてはIrgacure184及び同2959(商品名:BASFジャパン社製、α-ヒドロキシアセトフェノン系)などがある。
前記(C)の紫外線硬化樹脂成分100重量部に対する比率は、1部~25重量部が好ましく、3~8重量部が更に好ましい。1重量部以上とすることで充分な硬化性が発現し、25重量部以下とすることで過剰添加とならず塗膜の黄変や保存性低下を防ぐことができる。また(C)全体に対するオキシムエステル型開始剤の比率は10~40重量%が好ましく、15~30重量%が更に好ましい。この範囲とすることで、PC基材に対し充分な耐熱密着性を確保することができる。
更に加えて、本発明の光硬化性樹脂組成物は、性能を損なわない範囲で必要に応じ、酸化防止剤、単官能(メタ)アクリレートモノマー、防指紋剤、紫外線吸収剤、増感剤、難燃剤、充填剤、有機微粒子、無機微粒子、分散剤、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、重合禁止剤、顔料や染料や色素などの着色剤、可塑剤などの添加剤を併用することができる。
上記酸化防止剤としては例えばフェノール系、アミン系、リン系、硫黄系などが挙げられる。これらの中では、オルト位に嵩高い置換基のついたヒンダードフェノール系が、耐熱試験後もPC基材との密着性を良好に維持できる点で好ましい。酸化防止剤の紫外線硬化樹脂成分100重量部に対する比率は、0.1部~3.0重量部が好ましく、0.3~2.0重量部が更に好ましい。0.1重量部以上とすることで耐熱試験時の基材密着性が向上し、3.0重量部以下とすることで過剰添加とならず硬化性低下を防ぐことができる。
本発明の赤外線カットハードコート層を形成するハードコート樹脂は、基材フィルムへの塗工性を向上させるため、溶剤にて固形分が10~70%に希釈される。溶剤としては、例えばエタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(以下MEK)、メチルイソブチルケトン(以下MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEA)等のエステル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下PGM)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒等があげられ、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。
本発明の赤外線カットフィルムに用いる基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィルム、アクリル(PMMA)フィルム、ポリカーボネートフィルム(以下PC)、シクロオレフィン(コ)ポリマーフィルム、ポリイミドフィルム、ポリオレフィンフィルム及びこれらの複合フィルムが例示できる。これらの中では耐候性及び透明性に優れる点でPCフィルム、及びPMMA/PC複合フィルムが好ましい。特に複合フィルムの場合は、耐候性及び硬度に優れるPMMA側をフロントガラス側に、耐熱性及び機械的強度に優れたPC側を画像素子デバイス側に用いることができ好ましい。
基材フィルムの厚みとしては、特に指定は無く随時選択が可能であるが、取り扱いの容易さや強度の点で30~500μmが好ましく、50~400μmが特に好ましい。PCフィルムの市販品としてはカーボグラスフィルム(商品名:旭硝子社製)、パンライトフィルム(商品名:帝人社製)、レキサン(商品名:SABIC社製)等が、PMMA/PCの積層フィルムとしてはテクノロイ(商品名:住友化学社製)、ユーピロン(商品名:三菱ガス化学社製)等がある。
本発明の基材フィルムには、ハードコート樹脂との密着性を向上させる目的で、プライマー処理、コロナ処理や、サンドブラスト法、溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、クロム酸処理、オゾン・紫外線照射処理などの表面の酸化処理などの表面処理を施すことができる。
本発明のハードコート樹脂を基材フィルムに塗布する方法としては、バーコーター法、アプリケーター法、カーテンコーター法、ロールコーター法、グラビアコーター法、リバースコーター法、コンマコーター法、リップコーター法、ダイコーター法など、公知の方法が適用できる。塗布膜厚としては、乾燥膜厚として一般的に1~20μmが例示されるが、特に指定はなく随時選定できる。
ハードコート樹脂を塗布した後は60~120℃で乾燥して溶剤を揮発させ、紫外線照射機を用いて硬化させる。光源としては高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、LEDランプ、無電極紫外線ランプ等の公知の光源が適用可能であり、紫外線照射条件としては、500mW/cm~3,000mW/cmの照射強度で、積算光量としては100mJ/cm~2,000mJ/cmが例示できる。
本発明のハードコートフィルムの日射透過率は30~70%が好ましく、50~70%であることが更に好ましい。この範囲とすることで、視認性と遮熱性に関して良好なバランスを取ることができる。日射透過率が30%未満では視認性が低下する傾向があり、70%超では赤外線のカット率が低く遮熱性能が充分ではない。
以下、本発明を実施例、比較例に基づき詳細に説明するが、具体例を示すものであって特にこれらに限定するものではない。なお配合量は重量部を示し、表記が無い場合は、室温は25℃相対湿度65%の条件下で測定を行った。
赤外線カット樹脂組成物
遮光ビンに(a1)としてDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)を、(a2)としてアロニックスM350(商品名:東亜合成社製、EO変性TMPTA、n=1)を、(B)としてYFM02A(商品名:住友金属鉱山社製、固形分28.4重量%、セシウム酸化タングステン含有率18.5重量%)を、光重合開始剤としてIrgacureOxe04(商品名:BASFジャパン社製、オキシムエステル系)及びIrgacure2959(商品名:BASFジャパン社製、α-ヒドロキシアセトフェノン系)を、添加剤としてIrganox1010(商品名:BASFジャパン社製、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)を表1に示す量入れ、PGMにて固形分が25~28重量%となるように希釈し、撹拌脱泡機を用いて均一になるまで15分以上撹拌して、実施例及び比較例の赤外線カットハードコート樹脂組成物を調整した。
表1
Figure 0007283993000001

ハードコートフィルムの作成
ユーピロンDF02U(商品名:三菱ガス化学社製、PMMA/PC複合フィルム、厚さ375μm)のPC側に、赤外線カットハードコート樹脂組成物を乾燥膜厚が3μmとなるように塗工し、恒温槽で80℃×1分乾燥後、メタルハライドランプで出力1,000mW/cm2、積算光量が150mJとなる様に紫外線照射し、赤外線カットハードコートフィルムを作成した。
評価方法は以下の通りとした。
表面硬化性:上記で作成したハードコートフィルム表面のタックを指触で確認し、べたつきがないものを○、べたつきがあるものを×とした。
初期密着性:上記で作成したハードコートフィルムを、旧JIS K5400に準じて、1mm角100個の碁盤目試験を行い、セロハンテープ(JIS Z1522に規定されるもの)により塗膜の剥離状態を確認した。塗膜側に貼り付けたセロハンテープを剥離した時に、剥がれたマスが0の場合を○、1マスでも剥がれた場合を×とした。
耐熱密着性:上記で作成したハードコートフィルムを、85℃の恒温槽中に24時間放置し、その後室温まで戻してから密着性評価を行い塗膜の剥離状態を確認した。塗膜側に貼り付けたセロハンテープを剥離した時に、剥がれたマスが0マスの場合を◎、10マス未満の場合を○、10~99マスを×とした。
日射透過率:日本分光社製の紫外可視光分光光度計V-770DS(測定ソフト:VWST-964)を用い、JIS A5759に準拠して試験フィルムの300-2500nmにおける分光反射率を測定し、その値から算出した。30%以上50%未満を○、50%以上70%以下を◎、30%未満又は70%超を×とした。
評価結果
表2
Figure 0007283993000002

実施例の各赤外線カットハードコートフィルムは、表面硬化性、初期密着性、耐熱密着性、日射透過率の評価項目でいずれも良好な結果を得た。
一方、(A)の配合量が少ない比較例1は表面タックが残り硬化性が劣り、(C)にオキシムエステル型を含まない比較例2は耐熱密着性が全く無く、(A)の配合量が多い比較例3は耐熱密着性が劣り、いずれも本願発明に適さないものであった。
本願発明は、紫外線等の光硬化性が良好でポリカーボネートフィルムとの耐熱密着性に優れた赤外線カットハードコート樹脂組成物であり、それを塗布したフィルムは、HUD用の赤外線カットハードコートフィルムとして有用である。


Claims (5)

  1. 6官能以上の(メタ)アクリレートモノマー(a1)を含む多官能(メタ)アクリレートモノマー(A)と、赤外線吸収成分(B)と、少なくともオキシムエステル型を含む2種類の分子内開裂型光重合開始剤(C)と、を含み、前記(A)が更にエチレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレートモノマー(a2)を含み、(a1)の(A)に対する配合比率が35~80重量%であることを特徴とする赤外線カットハードコート樹脂組成物。
  2. 前記(B)がセシウム酸化タングステンであることを特徴とする請求項1記載の赤外線カットハードコート樹脂組成物。
  3. 前記(a2)の(A)に対する配合比率が15~60重量%であることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の赤外線カットハードコート樹脂組成物。
  4. 更にヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1~3いずれか記載の赤外線カットハードコート樹脂組成物。
  5. アクリル樹脂層とポリカーボネート樹脂層を有する2層構造の複合フィルム、又はポリカーボネートフィルムのいずれかより選択された基材のポリカーボネートフィルム上に、請求項1~4いずれか記載の赤外線カットハードコート樹脂層を有することを特徴とする赤外線カットハードコートフィルム。
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