JP7283400B2 - フォームラバー用ラテックス - Google Patents

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Description

本発明は、フォームラバーの製造に用いられるフォームラバー用ラテックスに関する。
フォームラバー用ラテックスを用いて製造されたフォームラバー(ゴム発泡体)は、マットレス、パフ(化粧用スポンジ)、ロール、衝撃吸収剤等として種々の用途に使用されている。このようなフォームラバーの用途のなかでも、特にパフに用いられるフォームラバーとしては、良好な耐油性を有し、且つやわらかい感触を有することが求められている。
たとえば、特許文献1には、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体単位(a1)30~45重量%、共役ジエン単量体単位(a2)55~70重量%、並びにシアノ基含有エチレン性不飽和単量体及び共役ジエン単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体の単位(a3)0~15重量%からなる共重合体(a)のラテックス(A)と、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体単位(b1)45~65重量%、共役ジエン単量体単位(b2)35~55重量%、並びにシアノ基含有エチレン性不飽和単量体及び共役ジエン単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体の単位(b3)0~20重量%からなる共重合体(b)のラテックス(B)(但し、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体単位(b1)の量は、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体単位(a1)の量より5重量%以上大きい。)とを、共重合体(a)と共重合体(b)の重量比((共重合体(a)/共重合体(b))で、20/80~80/20の割合で混合してなるフォームラバー用共重合体ゴムラテックス組成物が開示されている。
国際公開第2009/145009号
しかしながら、ハンドリング性および成形性をより一層改善するとともに、得られるフォームラバーの化粧料に対する耐膨潤性、および、化粧料を含んだ場合の耐摩耗性をより一層改善する技術が求められている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、ハンドリング性および成形性に優れており、化粧料を含ませた場合でも変形しにくく、摩耗が少ないフォームラバーを製造することができるフォームラバー用ラテックスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を比較的多く含有するニトリル基含有共役ジエン系共重合体の粒子を用い、なおかつ、該粒子の体積累積粒径d10を適切に調整することによって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、ニトリル基含有共役ジエン系共重合体の粒子を含有するフォームラバー用ラテックスであって、前記ニトリル基含有共役ジエン系共重合体が、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位および共役ジエン単量体単位を含有し、前記エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が、40~60重量%であり、前記粒子の体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d10が、130nm以上であるフォームラバー用ラテックスが提供される。
本発明のフォームラバー用ラテックスにおいて、前記エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が、45~55重量%であることが好ましい。
本発明のフォームラバー用ラテックスにおいて、前記粒子の体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d50が、420~1500nmであることが好ましい。
本発明のフォームラバー用ラテックスは、固形分濃度が60質量%以上であることが好ましい。
本発明のフォームラバー用ラテックスは、B型粘度計を用いて、温度25℃、回転速度60rpm、回転時間60秒の条件で測定したときの粘度が、3200mPa・s以下であることが好ましい。
本発明のフォームラバー用ラテックスは、架橋剤をさらに含有することが好ましい。
また、本発明によれば、上記のフォームラバー用ラテックスから得られるフォームラバーが提供される。
本発明によれば、ハンドリング性および成形性に優れており、化粧料を含ませた場合でも変形しにくく、摩耗が少ないフォームラバーを製造することができるフォームラバー用ラテックスを提供することができる。
<フォームラバー用ラテックス>
本発明のフォームラバー用ラテックスは、ニトリル基含有共役ジエン系共重合体の粒子を含有する。
ニトリル基含有共役ジエン系共重合体
ニトリル基含有共役ジエン系共重合体は、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位および共役ジエン単量体単位を含有する共重合体であり、これらに加えて、必要に応じて用いられる、エチレン性不飽和ニトリル単量体および共役ジエン単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体により形成される他のエチレン性不飽和単量体単位を含有してもよい。
エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を含有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定されないが、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、α-シアノエチルアクリロニトリルなどが挙げられる。なかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。これらのエチレン性不飽和ニトリル単量体は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
ニトリル基含有共役ジエン系共重合体中における、エチレン性不飽和ニトリル単量体により形成されるエチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は、40~60重量%であり、好ましくは45~55重量%である。エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、優れたハンドリング性および成形性が得られ、得られるフォームラバーを、化粧料を含ませた場合でも変形しにくく、摩耗が少ないものとすることができる。エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が少なすぎると、得られるフォームラバーが化粧料を含んだ場合に、変形しやすく、摩耗しやすい。エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が多すぎると、得られるフォームラバーが硬くなりすぎ、肌触り感が悪化しやすい。
共役ジエン単量体としては、たとえば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンおよびクロロプレンなどが挙げられる。これらのなかでも、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらの共役ジエン単量体は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
ニトリル基含有共役ジエン系共重合体中における、共役ジエン単量体により形成される共役ジエン単量体単位の含有割合は、好ましくは40~60重量%未満であり、より好ましくは45~55重量%である。共役ジエン単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、一層優れたハンドリング性および成形性が得られ、得られるフォームラバーを、化粧料を含ませた場合でもより変形しにくく、より摩耗が少ないものとすることができる。
エチレン性不飽和ニトリル単量体および共役ジエン単量体と共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノまたはジメチル、フマル酸モノまたはジエチル、フマル酸モノまたはジ-n-ブチル、イタコン酸モノまたはジ-n-ブチル等のエチレン性不飽和カルボン酸のモノまたはジアルキルエステル;メトキシアクリレート、エトキシアクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド及びその誘導体;ジメチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノメチルアクリレート等のアミノ基を有するアクリレート;スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;エチレン、プロピレン等のα-オレフィン;ジシクロペンタジエン、ビニルノルボルネン等の非共役ジエン単量体などを挙げることができる。これらの単量体は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。ニトリル基含有共役ジエン系共重合体中における、その他のエチレン性不飽和単量体により形成されるその他の単量体単位の含有割合は、好ましくは40重量%以下であり、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。その他の単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、一層優れたハンドリング性および成形性が得られ、得られるフォームラバーを、化粧料を含ませた場合でもより変形しにくく、より摩耗が少ないものとすることができる。
フォームラバー用ラテックスが含有する粒子は、体積累積粒径d10(体積基準の粒子径分布において小径側から計算した累積体積が10%となる粒子径)が、130nm以上であり、好ましくは140nm以上、より好ましくは150nm以上であり、250nm以下であってよい。粒子の体積累積粒径d10を上記範囲とすることにより、優れたハンドリング性および成形性が得られ、得られるフォームラバーを、化粧料を含ませた場合でも変形しにくく、摩耗が少ないものとすることができる。体積累積粒径d10が小さすぎると、フォームラバー用ラテックスは、ハンドリング性および成形性に劣るものとなる。
また、フォームラバー用ラテックスが含有する粒子は、体積累積粒径d50(体積基準の粒子径分布において累積体積が50%となる粒子径)が、好ましくは420~1500nm、より好ましくは460~1250nm、さらに好ましくは500~1000nmである。体積累積粒径d50を上記範囲とすることにより、一層優れたハンドリング性および成形性が得られ、得られるフォームラバーを、化粧料を含ませた場合でもより変形しにくく、より摩耗が少ないものとすることができる。
フォームラバー用ラテックスの固形分濃度は、好ましくは50~70重量%以上であり、より好ましくは57重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上である。固形分濃度を上記範囲とすることにより、一層優れたハンドリング性および成形性が得られ、得られるフォームラバーを、化粧料を含ませた場合でもより変形しにくく、より摩耗が少ないものとすることができる。フォームラバー用ラテックスの固形分濃度を上記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、たとえば、フォームラバー用ラテックスを、所望の固形分濃度となるように、濃縮処理を行う方法などが挙げられる。
B型粘度計を用いて、温度25℃、回転速度60rpm、回転時間60秒の条件で測定したときの、フォームラバー用ラテックスの粘度は、好ましくは3200mPa・s以下であり、より好ましくは100~2500mPa・sであり、さらに好ましくは130~2000mPa・sである。粘度を上記範囲とすることにより、一層優れたハンドリング性および成形性が得られ、得られるフォームラバーを、化粧料を含ませた場合でもより変形しにくく、より摩耗が少ないものとすることができる。
フォームラバー用ラテックスは、たとえば、フォームラバー用ラテックス中に含まれるニトリル基含有共役ジエン系共重合体を構成する単量体を、乳化重合法により共重合し、得られた乳化液について粒子の体積累積粒径を調整する処理、および濃縮を行う製造方法などによって、製造することができる。
乳化重合法としては、従来公知の方法を採用することができる。たとえば、上述した単量体を含有してなる単量体混合物を乳化重合する際には、通常用いられる、乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、キレート剤、酸素補足剤、分子量調整剤等の重合副資材を使用することができる。これら重合副資材の添加方法は特に限定されず、初期一括添加法、分割添加法、連続添加法などいずれの方法でもよい。
乳化剤としては、特に限定されないが、たとえば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤などが挙げられる。アニオン性乳化剤としては、たとえば、牛脂脂肪酸カリウム、部分水添牛脂脂肪酸カリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩;ロジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウム、水添ロジン酸カリウム、水添ロジン酸ナトリウム等の樹脂酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。ノニオン性乳化剤としては、たとえば、ポリエチレングリコールエステル型、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体等のプルロニック(登録商標)型等の乳化剤が挙げられる。これらのなかでも、アニオン性乳化剤が好ましく、脂肪酸塩がより好ましく、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウムが特に好ましい。また、これらの乳化剤は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。乳化剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.5~5重量部である。
重合開始剤としては、特に限定されないが、たとえば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-α-クミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;などを挙げることができる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.01~10重量部、より好ましくは0.01~2重量部である。
また、過酸化物開始剤は還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することができる。この還元剤としては、特に限定されないが、硫酸第一鉄、ナフテン酸第一銅等の還元状態にある金属イオンを含有する化合物;ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の亜硫酸化合物;メタンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸化合物;ジメチルアニリン等のアミン化合物;などが挙げられる。これらの還元剤は単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。還元剤の使用量は、過酸化物100重量部に対して3~1000重量部であることが好ましい。
分子量調整剤としては、たとえば、n-ヘキシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、t-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物;アリルアルコール等のアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物;α-ベンジルオキシスチレン、α-ベンジルオキシアクリロニトリル、α-ベンジルオキシアクリルアミド、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2-エチルヘキシルチオグリコレート、α-メチルスチレンダイマー、ターピノレンなどが挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。分子量調整剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対し、好ましくは0.1~3重量部、より好ましくは0.2~2重量部、特に好ましくは0.3~1.5重量部である。
乳化重合する際に使用する水の量は、使用する全単量体100重量部に対して、80~600重量部が好ましく、100~300重量部が特に好ましい。
乳化重合反応は、連続式、回分式のいずれでもよく、重合時間等も特に限定されない。単量体の添加方法としては、たとえば、反応容器に使用する単量体を一括して添加する方法、重合の進行に従って連続的または断続的に添加する方法、単量体の一部を添加して特定の転化率まで反応させ、その後、残りの単量体を連続的または断続的に添加して重合する方法等が挙げられ、いずれの方法を採用してもよい。単量体を混合して連続的または断続的に添加する場合、混合物の組成は、一定としても、あるいは変化させてもよい。また、各単量体は、使用する各種単量体を予め混合してから反応容器に添加しても、あるいは別々に反応容器に添加してもよい。重合反応を開始した後に、単量体の一部を反応容器に添加して重合を継続する方法を用いる場合には、たとえば、エチレン性不飽和ニトリル単量体および共役ジエン単量体の一部を反応容器に添加して、重合反応を開始した後、反応容器内の重合反応率が20~65%である間に、共役ジエン単量体の残部を一括または分割して反応容器に添加し、さらに重合反応を継続する方法が挙げられる。この際においては、重合反応を開始した後に添加する共役ジエン単量体の割合は、重合に用いる共役ジエン単量体全量の20~60重量%とすることが好ましい。
さらに、乳化重合を行う際には、必要に応じて、キレート剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤等の重合副資材を用いることができ、これらは種類、使用量とも特に限定されない。
以上のように単量体混合物を乳化重合し、所定の重合転化率に達した時点で、重合系を冷却したり、重合停止剤を添加したりして、重合反応を停止する。重合を停止する際の重合転化率は、特に限定されないが、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。この重合転化率が低すぎると生産性が低下する傾向にある。重合温度は、特に限定されないが、好ましくは0~50℃、より好ましくは2~35℃である。
重合停止剤としては、特に限定されないが、たとえば、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミン硫酸塩、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ハイドロキノン誘導体、カテコール誘導体、ならびに、ヒドロキシジメチルベンゼンチオカルボン酸、ヒドロキシジエチルベンゼンジチオカルボン酸、ヒドロキシジブチルベンゼンジチオカルボン酸などの芳香族ヒドロキシジチオカルボン酸およびこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。重合停止剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.05~2重量部である。
以上のようにして重合反応を行い、乳化液を得ることができる。なお、重合反応を停止して乳化液を得た後には、必要に応じて乳化液から未反応単量体を除去してもよい。
重合反応を停止した後、さらに、得られた乳化液に含まれるニトリル基含有共役ジエン系共重合体の粒子の体積累積粒径を調整することにより、体積累積粒径d10および体積累積粒径d50を、上記の範囲に調整可能である。
体積累積粒径の調整を行う方法としては、(i)乳化液中の粒子同士を合一させることで肥大化させる、粒径肥大化処理を施す方法、(ii)乳化液に含まれる粒子を凝固させて凝固物を得た後、凝固物を有機溶媒に溶解させて溶液を得て、次いで、界面活性剤の存在下に、得られた溶液を水中で乳化し、必要により有機溶媒を除去する方法、(iii)体積累積粒径の異なる2以上の乳化液を混合する方法、などが挙げられる。
(i)の方法において、粒径肥大化処理の方法としては、特に限定されないが、たとえば、(1)重合終了後、乳化液に対して、1,3-ブタジエン等の共役ジエン化合物やトルエン等を溶剤として加え、強攪拌する方法、(2)カルボキシル基含有重合体ラテックス等の粒径肥大化剤を乳化液に添加して、強攪拌する方法などが挙げられる。
上記(1)の方法で粒径肥大化処理を行う場合には、溶剤の添加量は、乳化液中のニトリル基含有共役ジエン系共重合体100重量部に対して、好ましくは30~300重量部である。また、上記(1)の方法で粒径肥大化処理を行う場合には、攪拌の条件としては、特に限定されないが、たとえば、パドル型攪拌翼等の攪拌装置を用いて、回転速度を、好ましくは50~2,500rpmとし、攪拌時間を、好ましくは0.5~12.0時間とする方法が挙げられる。
また、粒径肥大化処理を行う際には、攪拌に伴う発泡を抑制するという観点より、乳化液に消泡剤を添加し、消泡剤の存在下で、粒径肥大化処理を行うことが好ましい。
また、粒径肥大化処理を行ってフォームラバー用ラテックスを得た後には、フォームラバー用ラテックスに対して濃縮処理を行うことにより、フォームラバー用ラテックスの固形分濃度を調整することが好ましい。濃縮処理の方法としては、特に限定されないが、たとえば、減圧蒸留、常圧蒸留、遠心分離、膜濃縮等の方法が挙げられ、これらのなかでも、減圧蒸留が好ましい。
フォームラバー用ラテックスを減圧蒸留で濃縮する場合には、濃縮処理の条件としては、圧力(ゲージ圧)が、好ましくは0.0MPa~-0.1MPa、より好ましくは-0.05MPa~-0.099MPaであり、温度が、好ましくは30~100℃、より好ましくは40~95℃である。
濃縮処理を行う際においても、濃縮時の発泡を抑制するという観点より、フォームラバー用ラテックスに消泡剤を添加し、消泡剤の存在下で、濃縮処理を行うことが好ましい。
粒径肥大化処理時および濃縮処理時に使用する消泡剤としては、特に限定されないが、たとえば、油脂系消泡剤、鉱油を基剤とする変性炭化水素油などのミネラルオイル系消泡剤、シリコーンオイル等のシリコーン系消泡剤、ポリマー系消泡剤などが挙げられ、これらのなかでも、ミネラルオイル系消泡剤、シリコーン系消泡剤が好ましい。これらの消泡剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、消泡剤は、粒径肥大化処理および濃縮処理のうち、いずれか一方の処理時にのみ添加するようにしてもよいし、両方の処理時に、同じ消泡剤または異なる消泡剤を、それぞれ添加するようにしてもよいが、少なくとも粒径肥大化処理を行う際に消泡剤を添加することで、粒径肥大化処理だけでなく、粒径肥大化処理後に行う濃縮処理においても、消泡剤によって発泡を抑制することができるようになるため好ましい。
粒径肥大化処理時および濃縮処理時に添加する消泡剤の合計の添加量は、得られるフォームラバー用ラテックス中のニトリル基含有共役ジエン系共重合体100重量部に対して、好ましくは0.001~1.0重量部、より好ましくは0.005~0.8重量部、さらに好ましくは0.005~0.6重量部である。消泡剤の添加量が0.001重量部未満であると、粒径肥大化処理を行った際に、発泡が激しくなり、粒径肥大化が適切に行われず、所望の粒子径分布が得られなくなってしまうおそれや、濃縮処理を行った際に、発泡が激しくなり、フォームラバー用ラテックスの生産性が低下するおそれがある。一方、消泡剤の添加量が1.0重量部超であると、最終的に得られるフォームラバー用ラテックス中における、消泡剤の含有量が多くなり過ぎてしまい、得られるフォームラバーのヤング率が低くなり過ぎてしまい、弾力性に劣るものとなってしまう。
(ii)の方法において、乳化液に含まれる粒子を凝固させる方法としては、たとえば、乳化液と水溶性の有機溶媒とを混合する方法、乳化液と酸とを混合する方法、乳化液と塩とを混合する方法が挙げられる。
水溶性の有機溶媒としては、ラテックス中の重合体が溶解しない溶媒を選択することがより好ましい。このようは有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等が挙げられる。酸としては、酢酸、蟻酸、リン酸、塩酸等が挙げられる。塩としては、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、塩化カリウム等が挙げられる。
(ii)の方法で用いる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルヘキシルケトン、ジイソブチルケトン、ブチルアルデヒド、プロピルアセテート、ブチルアセテート、アミルアセテート等のケトン系溶媒;エチルプロピオネート、エチルイソブチレート、ブチルブチレート等のエステル系溶媒;ジメチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;等を挙げることができる。
(ii)の方法において、界面活性剤の存在下に、得られた溶液を水中で乳化させるために、乳化機、分散機を用いることができる。また、界面活性剤の添加方法は、特に限定されず、予め溶液に添加しても、乳化操作を行っている最中に、溶液に添加してもよく、一括添加しても、分割添加してもよい。
乳化機としては、例えば、商品名:ホモジナイザー(IKA社製)、商品名:ポリトロン(キネマティカ社製)、商品名:TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機;商品名:TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、商品名:コロイドミル(神鋼パンテック社製)、商品名:スラッシャー(日本コークス工業社製)、商品名:トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、商品名:キャビトロン(ユーロテック社製)、商品名:マイルダー(太平洋機工社製)、商品名:ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機;商品名:マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、商品名:ナノマイザー(ナノマイザー社製)、商品名:APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機;膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機;商品名:バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機;商品名:超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機;等が挙げられる。乳化機による乳化操作の条件は、特に限定されず、所望の分散状態になるように、処理温度、処理時間などを適宜選定すればよい。また、攪拌速度を調整すること等によって、負荷するせん断力を調整して、体積累積粒径を所望の範囲に調整することができる。
(ii)の方法で用いる界面活性剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤などが挙げられる。アニオン性乳化剤としては、たとえば、牛脂脂肪酸カリウム、部分水添牛脂脂肪酸カリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩;ロジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウム、水添ロジン酸カリウム、水添ロジン酸ナトリウム等の樹脂酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。ノニオン性乳化剤としては、たとえば、ポリエチレングリコールエステル型、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体等のプルロニック(登録商標)型等の乳化剤が挙げられる。これらのなかでも、アニオン性乳化剤が好ましく、脂肪酸塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩がより好ましい。界面活性剤の使用量は、粒子100重量部に対して、好ましくは0.5~50重量部であり、より好ましくは0.5~30重量部、さらに好ましくは5~25重量部である。界面活性剤の使用量を適切に調整することにより、体積累積粒径を所望の範囲に調整することができる。
(ii)の方法において、有機溶媒を除去する方法としては、たとえば、減圧蒸留、常圧蒸留、水蒸気蒸留、遠心分離等の方法が挙げられる。
(iii)の方法においては、所望の体積累積粒径になるように2以上の乳化液を混合すればよく、混合方法は特に限定されない。乳化液の組み合わせも限定されず、たとえば、(i)の方法により得られた体積累積粒径の異なる2つの乳化液を混合してもよいし、(ii)の方法により得られた体積累積粒径の異なる2つの乳化液を混合してもよい。また、重合により得られた乳化液と、(i)および/または(ii)の方法により得られた乳化液とを公知の方法で混合してもよいし、(i)の方法により得られた乳化液と、(ii)の方法により得られた乳化液とを混合してもよい。
<フォームラバー用ラテックス組成物>
フォームラバー用ラテックスとしては、架橋剤等の配合剤を配合したものを用いることが好ましい。すなわち、フォームラバー用ラテックス組成物として用いることが好ましい。
架橋剤としては、たとえば、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等の硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・ジスルフィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、N,N’-ジチオ-ビス(ヘキサヒドロ-2H-アゼピノン-2)、含りんポリスルフィド、高分子多硫化物、2-(4’-モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール等の硫黄含有化合物が挙げられる。これらのなかでも、硫黄が好ましく使用できる。架橋剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の含有量は、特に限定されないが、フォームラバー用ラテックス中のニトリル基含有共役ジエン系共重合体100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部、より好ましくは0.2~3重量部である。架橋剤の含有量を上記範囲とすることにより、得られるフォームラバーの強度をより高めることができる。
また、本発明で用いるフォームラバー用ラテックスは、さらに架橋促進剤を含有することが好ましい。
架橋促進剤としては、フォームラバーの製造において通常用いられるものが使用でき、たとえば、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などのジチオカルバミン酸類およびそれらの亜鉛塩;2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2-メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2-(2,4-ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、4-モルホリニル-2-ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3-ビス(2-ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリアなどが挙げられるが、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛が好ましい。架橋促進剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋促進剤の含有量は、フォームラバー用ラテックス中のニトリル基含有共役ジエン系共重合体100重量部に対して、好ましくは0.1~5重量部であり、より好ましくは0.2~4重量部である。架橋促進剤の含有量を上記範囲とすることにより、得られるフォームラバーの強度をより高めることができる。
さらに、本発明で用いるフォームラバー用ラテックスは、酸化亜鉛を含有することが好ましい。
酸化亜鉛の含有量は、特に限定されないが、フォームラバー用ラテックス中のニトリル基含有共役ジエン系共重合体100重量部に対して、好ましくは0.5~10重量部、より好ましくは0.5~8重量部である。酸化亜鉛の含有量を上記範囲とすることにより、乳化安定性を良好なものとしながら、得られるフォームラバーの強度をより高めることができる。
本発明で用いるフォームラバー用ラテックスには、さらに、老化防止剤、着色剤、気泡安定剤等、また上記の各種配合剤をラテックスに安定して分散させるための分散剤(たとえば、NASF(ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)等)、増粘剤(たとえば、ポリアクリル酸及びそのナトリウム塩、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール等)、起泡剤としての界面活性剤(たとえば、オレイン酸カリウム等の脂肪族アルカリ石けん、ドデシル硫酸ナトリウム等の高級アルコールの硫酸塩等)を、必要に応じて配合することができる。
フォームラバー用ラテックスに各種配合剤を混合する方法としては、特に限定されないが、たとえば、上述したようにしてフォームラバー用ラテックスを得た後、ボールミル、ニーダー、ディスパー等の分散機を用いて、フォームラバー用ラテックスに、必要に応じて配合される各種配合剤を混合する方法や、上記の分散機を用いて、フォームラバー用ラテックス以外の配合成分の水性分散液を調製した後、該水性分散液を、フォームラバー用ラテックスに混合する方法などが挙げられる。
<フォームラバー>
上述したフォームラバー用ラテックスを所望の発泡倍率で発泡および凝固させることにより、フォームラバーを得ることができる。発泡には通常空気が用いられるが、炭酸アンモニウム、重炭酸ソーダ等の炭酸塩;アゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド等のガス発生物質を使用することもできる。空気を用いる場合には、フォームラバー用ラテックスを攪拌し、空気を巻き込むことで泡立てることができる。この際、たとえば、オークス発泡機、超音波発泡機、スタンドミキサー等を用いることができる。
フォームラバー用ラテックスを発泡させた後、発泡状態を固定化するために、発泡させたフォームラバー用ラテックスを、凝固させる。凝固方法は、ラテックスをゲル化し、固化させることができる方法であればよく、従来公知の方法を用いることができるが、たとえば、ヘキサフルオロ珪酸ナトリウム(珪フッ化ナトリウム)、ヘキサフルオロ珪酸カリウム(珪フッ化カリウム)、チタン珪フッ化ソーダ等のフッ化珪素化合物などの常温凝固剤を、発泡させたフォームラバー用ラテックスに添加するダンロップ法(常温凝固法);オルガノポリシロキサン、ポリビニルメチルエーテル、硫酸亜鉛アンモニウム錯塩などの感熱凝固剤を、発泡させたフォームラバー用ラテックスに添加する感熱凝固法;冷凍凝固法等が使用される。常温凝固剤、感熱凝固剤などの凝固剤の使用量は、特に限定されないが、フォームラバー用ラテックス中のニトリル基含有共役ジエン系共重合体100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部、より好ましくは0.5~8である。
そして、発泡させたフォームラバー用ラテックスについて、凝固剤を添加した後、所望の形状の型に移し、凝固を行うことで、フォームラバーを得ることができる。フォームラバー用ラテックスに架橋剤が配合されている場合には、凝固を行った後に、加熱を行い架橋させることが好ましい。架橋の条件は、好ましくは100~160℃の温度で、好ましくは15~120分の加熱処理を施す条件とすることができる。
得られたフォームラバーについては、型から取り出した後、洗浄することが好ましい。洗浄の方法としては、特に限定されないが、たとえば、洗濯機等を用い、20~70℃程度の水で、5~15分程度攪拌して洗浄する方法が挙げられる。洗浄後、水切りをし、フォームラバーの風合いを損なわないように30~90℃程度の温度で乾燥することが好ましい。このようにして得られたフォームラバーは、たとえば、所定の厚さにスライスし、所定形状に切断した後、側面を回転砥石等で研磨することによって、パフ(化粧用スポンジ)等として用いることができる。
本発明のフォームラバー用ラテックスを用いて得られるフォームラバーは、マットレス、パフ(化粧用スポンジ)、ロール、衝撃吸収剤等の各種用途に好適に用いることができる。特に、本発明のフォームラバー用ラテックスを用いて得られるフォームラバーは、パラメトキシケイ皮酸オクチル(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)等の紫外線吸収剤を含む液体化粧料を含ませた場合でも、変形しにくく、摩耗が少ないことから、液体化粧料などを含浸させるパフ(化粧用スポンジ)として好適に用いることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下において、特記しない限り「部」は重量基準である。なお、試験、評価は以下によった。
エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合
JIS K6384に従い、ケルダール法により、ニトリル基含有共役ジエン系共重合体中の窒素含量を測定することにより算出した。
体積累積粒径
光散乱回折粒径測定装置(型式「LS-13320」、ベックマンコールター社製)を用いて、フォームラバー用ラテックスの体積基準の粒子径分布を測定した。得られた体積基準の粒子径分布に基づき、体積累積粒径d10および体積累積粒径d50を求めた。
固形分濃度
アルミ皿(重量:X1)に試料2gを精秤し(重量:X2)、これを105℃の熱風乾燥器内で2時間乾燥させた。次いで、デシケーター内で冷却した後、アルミ皿ごと重量を測定し(重量:X3)、下記の計算式にしたがって、固形分濃度を算出した。
固形分濃度(重量%)=(X3-X1)×100/X2
粘度
フォームラバー用ラテックスの粘度を、粘度計(BII型粘度計(機種名:BLII)、東機産業社製)を用い、温度25℃、回転速度60rpm、回転時間60秒の条件で測定した。
ハンドリング性
フォームラバー用ラテックス100gを、80メッシュの金網(200cm)により濾過し、圧力をかけることなく、5分間の濾過を行った際の濾過量(金網を通過したラテックスの量)を測定し、以下の基準で評価した。濾過量が多いことは、ラテックスがハンドリング性(ラテックスの移送や、添加剤の配合時における取り扱い性)に優れることを意味する。
A:濾過量が90g超であった。
B:濾過量が20~90gであった。
C:濾過量が20g未満であった。
成形性
発泡、加硫等の様子を観察し、以下の基準で評価した。
A:成形可能
B-1:成形はできたが加硫中に収縮した。
B-2:成形はできたが発泡しにくかった。
C:成形不可
フォームラバーが液体化粧料を含んだときの変形のしにくさ
フォームラバーを、直径3.3cm、厚さ0.8cmの円柱状に打ち抜き、液体化粧料(ANESSA(登録商標) パーフェクトUV アクアブースター、資生堂社製)に23℃で7日間浸漬させ、浸漬前のフォームラバーの直径に対する、浸漬後のフォームラバーの直径の比率(膨潤率(%)=(浸漬後のフォームラバーの直径)/(浸漬前のフォームラバーの直径)×100)を算出し、以下の基準で評価した。
A:膨潤率が110%未満であった。
B:膨潤率が110~115%であった。
C:膨潤率が115%超であった。
フォームラバーが液体化粧料を含んだときの耐摩耗性
フォームラバーを、液体化粧料(ANESSA(登録商標) パーフェクトUV アクアブースター、資生堂社製)に浸漬させ、マーチンデール式摩耗試験機(STM633、SATRA社製)を用い、試験温度23℃、荷重9kPa、研磨輪回転数1000回における摩耗減量を計測し、以下の基準で評価した。
A:摩耗減量が30%未満であった。
B:摩耗減量が30~35%であった。
C:摩耗減量が35%超であった。
実施例1
ラテックスの製造
耐圧反応容器に、水200部、オレイン酸カリウム1.5部、アクリロニトリル55部、t-ドデシルメルカプタン0.5部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.03部、硫酸第一鉄0.003部、エチレンジアミン四酢酸・ナトリウム0.008部を添加し、十分に脱気した後、1,3-ブタジエン25部を添加した。
次いで、重合開始剤としてクメンハイドロパーオキサイド0.05部を添加して、反応温度5℃で乳化重合を開始した。重合転化率が40%に達した時点で、1,3-ブタジエンを10部添加し、重合反応を継続した。さらに、重合転化率が60%に達した時点で、1,3-ブタジエンを10部添加し、重合反応を継続した。重合転化率が80%になった時点で、ジエチルヒドロキシルアミン0.25部および水5部からなる重合停止剤溶液を添加して重合反応を停止させて乳化液を得た。
次いで、乳化液に溶剤としての1,3-ブタジエンを80部添加し、系内の温度を15℃にして、パドル型攪拌翼を用いて、回転速度1,000rpm、攪拌時間5時間の条件にて強攪拌することで、粒径肥大化処理を行った。次いで、1,3-ブタジエンを除去した後、-0.05MPa(ゲージ圧)の減圧条件下で、70℃にて濃縮処理を行い、ラテックスを得た。そして、得られたラテックスについて、上記方法にしたがって、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合、体積累積粒径およびラテックスの粘度(固形分濃度65重量%)を測定し、ラテックスのハンドリング性を評価した。結果を表1に示す。
ラテックス組成物の調製
ラテックス中のニトリル基含有共役ジエン系共重合体100部に対して、加硫系水分散液(コロイド硫黄/ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤ノクセラーEZ(大内新興化学工業社製)/チアゾール系加硫促進剤ノクセラーMZ(大内新興化学工業社製)=2/1/1(重量比)、固形分濃度50%)4部、酸化亜鉛水分散液(固形分濃度50%)3部、気泡安定剤(トリメンベース:CromptonCorp製)1部を添加し、十分に分散させることで、ラテックス組成物を得た。
フォームラバーの製造
ラテックス組成物を、スタンドミキサー(型式「ESM945」、エレクトロラックス社製)を用いて攪拌し、体積で5倍程度になるよう発泡させた後、珪フッ化ナトリウム水分散液(固形分濃度20%)1.5部を添加し、さらに1分間攪拌することで、発泡物を得た。
次いで、得られた発泡物を、成型用型枠(直径7cm、高さ8cm)に流し入れ、凝固した後、110℃で1時間加熱することで加硫し、その後、型枠から取り出して40℃の水で10分間水洗し、さらに60℃のオーブンで4時間乾燥し、高さ方向に厚みが0.8cmとなるように切断することで、円板状のフォームラバーを得た。得られたフォームラバーについて、上記方法にしたがって、フォームラバーが液体化粧料を含んだときの変形のしにくさ、フォームラバーが液体化粧料を含んだときの耐摩耗性を評価した。また、発泡から加硫の完了までの様子を確認し、上記方法にしたがって、成形性を確認した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様にして乳化液を得た。メタノール3000部を準備し、この中に、得られた乳化液を滴下して、ニトリル基含有共役ジエン系共重合体を凝固させて、クラムとした。次いで、得られたクラムを、水洗後、50℃、減圧下で乾燥することにより、ニトリル基含有共役ジエン系共重合体を得た。
次いで、得られたニトリル基含有共役ジエン系共重合体を、メチルイソブチルケトンと混合し、攪拌しながら温度を60℃に昇温して溶解して、ニトリル基含有共役ジエン系共重合体の溶液を得た。
一方、オレイン酸カリウムと水とを混合し、濃度1.0重量%の乳化剤水溶液を得た。
次に、上記ニトリル基含有共役ジエン系共重合体の溶液と、上記乳化剤水溶液とを、重量比で1:1となるように、商品名:マルチラインミキサーMS26-MMR-5.5L(佐竹化学機械工業社製)を用いて混合し、続いて、商品名:マイルダーMDN310(太平洋機工社製)を用い、1500rpmで混合及び乳化して、乳化液を得た。
次いで、乳化液を、-0.01~-0.09MPa(ゲージ圧)の減圧下で80℃に加温し、メチルイソブチルケトンを留去し、ラテックスを得た。次いで、-0.05MPa(ゲージ圧)の減圧条件下で、70℃にて濃縮処理を行い、ラテックスを得た。そして、得られたラテックスについて、上記方法にしたがって、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合、体積累積粒径およびラテックスの粘度(固形分濃度64重量%)を測定し、ラテックスのハンドリング性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、ラテックス組成物およびフォームラバーを得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例1
耐圧反応容器に、水200部、オレイン酸カリウム1.5部、アクリロニトリル38部、t-ドデシルメルカプタン0.5部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.03部、硫酸第一鉄0.003部、エチレンジアミン四酢酸・ナトリウム0.008部を添加し、十分に脱気した後、1,3-ブタジエン45部およびイソプレン17部を添加した。
次いで、重合開始剤としてクメンハイドロパーオキサイド0.05部を添加して、反応温度5℃で乳化重合を開始した。重合転化率が95%になった時点で、ジエチルヒドロキシルアミン0.25部および水5部からなる重合停止剤溶液を添加して重合反応を停止させて乳化液を得た。次いで、実施例1と同様にして、粒径肥大化処理および濃縮処理を行い、ラテックスを得た。そして、得られたラテックスについて、上記方法にしたがって、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合、体積累積粒径およびラテックスの粘度(固形分濃度65重量%)を測定し、ラテックスのハンドリング性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、ラテックス組成物およびフォームラバーを得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例3
実施例2で得られたラテックスと、比較例1で得られたラテックスとを、それぞれのラテックスが含有するニトリル基含有共役ジエン系共重合体が重量比で1:1になるように混合して、ラテックスを得た。そして、得られたラテックスについて、上記方法にしたがって、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合、体積累積粒径およびラテックスの粘度(固形分濃度65重量%)を測定し、ラテックスのハンドリング性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、ラテックス組成物およびフォームラバーを得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例4
実施例2で得られたラテックスに水を添加することにより、固形分濃度を55重量%に調整した。そして、得られたラテックスについて、上記方法にしたがって、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合、体積累積粒径およびラテックスの粘度(固形分濃度55重量%)を測定し、ラテックスのハンドリング性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、ラテックス組成物およびフォームラバーを得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例2
耐圧反応容器に、水200部、オレイン酸カリウム1.5部、アクリロニトリル60部、t-ドデシルメルカプタン0.6部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.03部、硫酸第一鉄0.003部、エチレンジアミン四酢酸・ナトリウム0.008部を添加し、十分に脱気した後、1,3-ブタジエン20部を添加した。
次いで、重合開始剤としてクメンハイドロペルオキサイド0.05部を添加して、反応温度5℃で乳化重合を開始した。重合転化率が40%に達した時点で、1,3-ブタジエンを10部添加し、重合反応を継続した。さらに、重合転化率が60%に達した時点で、1,3-ブタジエンを10部添加し、重合反応を継続した。重合転化率が80%になった時点で、ジエチルヒドロキシルアミン0.25部および水5部からなる重合停止剤溶液を添加して重合反応を停止させて乳化液を得た。
その後、得られた乳化液から未反応単量体を除去した後、上記方法にしたがって、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合、体積累積粒径を測定した。その後濃縮を行い、固形分濃度63%のラテックスを得た。そして、ラテックスのハンドリング性を評価した。結果を表1に示す。なお、ラテックスの粘度(固形分濃度63重量%)を測定しようとしたが、粘度が高すぎて、測定することができなかった。
また、実施例1と同様にして、ラテックス組成物を得て、フォームラバーを成形しようとしたが、粘度が高すぎて、成形することができなかった。
比較例3
耐圧反応容器に、水200部、オレイン酸カリウム1.5部、アクリロニトリル40部、t-ドデシルメルカプタン0.5部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.03部、硫酸第一鉄0.003部、エチレンジアミン四酢酸・ナトリウム0.008部を添加し、十分に脱気した後、1,3-ブタジエン60部を添加した。
次いで、重合開始剤としてクメンハイドロペルオキサイド0.05部を添加して、反応温度5℃で乳化重合を開始した。重合転化率が95%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミン0.25部および水5部からなる重合停止剤溶液を添加して重合反応を停止させて乳化液を得た。
その後、得られた乳化液から未反応単量体を除去した後、溶剤としての1,3-ブタジエンを80部添加し、系内の温度を15℃にして、パドル型攪拌翼を用いて1,000rpmの回転数で5時間攪拌し、粒径肥大化処理を行った。次いで、1,3-ブタジエンを除去した後、濃縮を行い、固形分濃度63%のラテックスを得た。
上記により得られたラテックスと、比較例2で得られたラテックスとを、それぞれのラテックス中に含有するニトリル基含有共役ジエン系共重合体が重量比で1:1となるよう混合して、ラテックスを得た。そして、得られたラテックスについて、上記方法にしたがって、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合、体積累積粒径およびラテックスの粘度(固形分濃度63重量%)を測定し、ラテックスのハンドリング性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、ラテックス組成物およびフォームラバーを得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例4
使用する乳化剤水溶液の濃度を4.0重量%に変更し、商品名:マイルダーMDN310(太平洋機工社製)の回転数を5000rpmに変更した以外は、実施例2と同様にして、ラテックスを得た。そして、得られたラテックスについて、上記方法にしたがって、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合、体積累積粒径およびラテックスの粘度(固形分濃度65重量%)を測定し、ラテックスのハンドリング性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、ラテックス組成物およびフォームラバーを得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007283400000001
表1に示すように、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が40~60重量%のニトリル基含有共役ジエン系共重合体の粒子であって、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d10が、130nm以上である粒子を含有するフォームラバー用ラテックスは、ハンドリング性および成形性に優れており、化粧料を含ませた場合でも変形しにくく、摩耗が少ないフォームラバーを製造することができた(実施例1~4)。また、フォームラバー用ラテックスの固形分濃度が60重量%以上であると、フォームラバー用ラテックスは、さらに成形性に優れるものであった(実施例1~3)。
一方、国際公開第2009/145009号の製造例1に開示されたラテックスのように、フォームラバー用ラテックスが含有するニトリル基含有共役ジエン系共重合体中の、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が40重量%未満であると、化粧料を含ませた場合でも変形しにくく、摩耗が少ないフォームラバーを製造することができなかった(比較例1)。
また、国際公開第2009/145009号の製造例4や実施例4に開示されたラテックスのように、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d10が、130nm未満である粒子を含有するフォームラバー用ラテックスは、成形性に劣るものであり、化粧料を含ませた場合でも変形しにくく、摩耗が少ないフォームラバーを製造することができなかった(比較例2~4)。

Claims (7)

  1. ニトリル基含有共役ジエン系共重合体の粒子を含有するフォームラバー用ラテックスであって、
    前記ニトリル基含有共役ジエン系共重合体が、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位および共役ジエン単量体単位を含有し、前記エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が、40~60重量%であり、
    前記粒子の体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d10が、130nm以上、250nm以下であり、
    パラメトキシケイ皮酸オクチル(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)の紫外線吸収剤を含む液体化粧料用パフとしてのフォームラバーに用いられる
    フォームラバー用ラテックス。
  2. 前記エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が、45~55重量%である請求項1に記載のフォームラバー用ラテックス。
  3. 前記粒子の体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d50が、420~1500nmである請求項1または2に記載のフォームラバー用ラテックス。
  4. 固形分濃度が60重量%以上である請求項1~3のいずれかに記載のフォームラバー用ラテックス。
  5. B型粘度計を用いて、温度25℃、回転速度60rpm、回転時間60秒の条件で測定したときの粘度が、3200mPa・s以下である請求項1~4のいずれかに記載のフォームラバー用ラテックス。
  6. 架橋剤をさらに含有する請求項1~5のいずれかに記載のフォームラバー用ラテックス。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載のフォームラバー用ラテックスから得られるフォームラバー。

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