JP3757605B2 - フォームラバー用共重合体ゴムラテックス及びフォームラバー - Google Patents

フォームラバー用共重合体ゴムラテックス及びフォームラバー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐油性に優れ、肌ざわり、化粧料の取り込み性および皮膚へののり(付着性)に優れた化粧用スポンジ等のフォームラバーの製造に使用される共重合体ゴムラテックスおよびこれを用いたフォームラバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
重合体ゴムラテックスを用いて製造されたフォームラバー(ゴム発泡体)は、マットレス、化粧用スポンジ(パフ)、ロール、衝撃吸収剤等として種々の用途に使用されている。
フォームラバーの用途のなかで、特にパフには、化粧料に対する良好な耐油性を有し、且つ化粧料の取り込みが容易で、化粧料の肌へののり(付着性)が良好なスポンジが求められている。
【0003】
パフに耐油性を付与するために、従来からアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)ラテックスが使用されているが、NBRラテックスを用いたパフは、肌ざわり、化粧料の取り込みおよび化粧料の肌へののりが十分でないという欠点がある。
これらの欠点を改良する方法として、肌ざわりに関しては、例えば、特開平6−14811号公報には、特定量の加硫剤、界面活性剤、増粘剤及びゲル化剤を添加したNBRラテックスを、特定攪拌条件下に特定倍率に発泡させる方法が提案されている。この方法は気泡の分散性と安定性を向上させてパフの肌ざわりを改良しようとするものであるが、肌ざわりの改良は未だ十分とはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は化粧料に対する良好な耐油性を有し、且つ化粧料の取り込み性、化粧料の肌へののりおよび肌ざわりが良好なパフの製造に特に好適なフォームラバー製造用重合体ゴムラテックスおよびこれを用いてなるフォームラバーを提供することである。
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定範囲の擬塑性粘度を有するNBRラテックスを使用することによって目的が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体15〜45重量%、共役ジエン単量体55〜85重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物を乳化重合してなる共重合体ゴムラテックスであって、固形分濃度60重量%、15℃の該共重合体ゴムラテックスの擬塑性粘度が20〜45cPであることを特徴とするフォームラバー用共重合体ゴムラテックスおよび加硫剤を配合した該共重合体ゴムラテックスを発泡させ、凝固、加硫させてなるフォームラバーが提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に発明の好ましい実施形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の共重合体ゴムラテックスは、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体、共役ジエン単量体、必要によりこれらの単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体とを乳化重合させて得られる共重合体ゴムのラテックスである。
【0007】
本発明で使用されるシアノ基含有不飽和単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シアノエチルアクリレート等が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。特に好ましいものはアクリロニトリル、メタクリロニトリルである。
シアノ基含有エチレン性不飽和単量体の使用量は、単量体混合物中15〜45重量%である。15重量%未満の使用量ではパフの耐油性が不十分となり、45重量%を超えるとパフの風合が硬くなり、肌ざわりが悪くなる。好ましくは20〜40重量%、さらに好ましくは25〜35重量%である。
【0008】
本発明で使用される共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
共役ジエン単量体の使用量は、単量体混合物中55〜85重量%である。使用量が55重量%未満ではパフの風合が硬くなり、パフの肌ざわりは悪くなる。また、85重量%を超えるとパフの耐油性が不十分となる。好ましくは60〜80重量%であり、さらに好ましくは65〜75重量%である。
【0009】
本発明で必要により使用されるシアノ基含有エチレン性不飽和単量体および共役ジエン単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノまたはジメチル、フマル酸モノまたはジエチル、フマル酸モノまたはジ−n−ブチル、イタコン酸モノまたはジ−n−ブチル等の前記エチレン性不飽和カルボン酸のモノまたはジアルキルエステル;メトキシアクリレート、エトキシアクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレート、メトキシエトキシブチルアクリレート等の前記エチレン性不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド及びその誘導体;ジメチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノメチルアクリレート等のアミノ基を有するアクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン;ジシクロペンタジエン、ビニルノルボルネン等の非共役ジエン単量体等が挙げられる。これらを必要に応じて用いる場合には、これらの少なくとも1種が本発明の効果が損なわれない範囲で、好ましくは単量体混合物中30重量%以下の範囲で使用される。
【0010】
本発明の共重合体ゴムラテックスは、上記の単量体を上記の範囲の量で共重合させて得られる共重合体ゴムのラテックスであるとともに、この共重合体ゴムラテックスの固形分濃度を60重量%に、温度を15℃に調整し、最大回転数2200rpm、加速時間20秒で測定したときの回転数2200rpmにおける擬塑性(pseudo plasticity)粘度が20〜45cPであることが重要な要件である。上記要件を満足する共重合体ゴムラテックスを用いることにより、良好な化粧性及び肌ざわりを有するパフを得ることができる。
良好な肌ざわりとは、パフを顔や指に当てた際に柔らかく、抵抗感が少なく、しっとりとした感触を与えることである。
また、化粧性とは、パフによる化粧容器からの化粧料の取り込みが容易で、パフに取り込まれた化粧料を顔等の肌に塗布する際の肌へののりが容易且つ均一で、化粧効果が十分に発現されることである。
【0011】
パフの化粧性は、パフの素材であるゴムの種類にもよるが、フォームラバーの構造(発泡状態)によって大きく変化する。即ち、フォームラバーを形成する気泡(セル)が、きめ細かく、均一であれば化粧料の取り込みが容易で、肌へののりも容易、均一となり、化粧効果は格段に向上する。
きめ細かく、均一で、しっとりとした肌ざわりのセルを形成させるためには、フォームラバーの原料である重合体ゴムラテックス含む組成物を例えば連続発泡機等により空気を混合しながら強攪拌し、きめ細かく均一な気泡を形成させ、気泡が破壊しないようにすることが必要である。
【0012】
連続発泡機の発泡部は多くの歯型を有し高速で回転する回転翼とこれと組み合わされた固定翼とから構成され、この両翼の間を該組成物と空気を通過させることによって発泡させている。このように該ラテックス組成物を発泡させる場合には、該ラテックス組成物には高速攪拌により強い剪断力が作用するから、発泡性(発泡状態)には高剪断力が作用する際の重合体ラテックスの粘性が重要な要因となる。
【0013】
本発明者は重合体ラテックスの発泡状態と種々の粘性挙動との関係について検討した結果、擬塑性粘度が上記の範囲(20〜45cP)にある上記の共重合体ゴムラテックスを用いることによってきめ細かく、均一で気泡が破壊しない発泡状態が得られることを見出した。擬塑性粘度が20cP未満では気泡の安定性が不十分で気泡は破壊し易く、45cPを超えるときめ細かく、均一な気泡を形成することが困難となる。好ましくは25〜40cPである。
本発明における擬塑性粘度(φ)は、ハーキュレス型粘度計を用い、固形分濃度が60重量%、温度15℃の重合体ゴムラテックスについて測定した値である。
【0014】
このような特徴を有する本発明の共重合体ゴムラテックスは、通常の乳化重合の手法によって得ることができる。乳化重合に使用する乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、キレート剤、酸素捕捉剤、分子量調整剤等の重合薬剤は、従来公知のそれぞれの薬剤が使用でき、特に限定されない。
例えば、乳化剤としては、通常、アニオン系またはアニオン系とノニオン(非イオン)系の乳化剤が使用される。乳化剤の使用量は、単量体混合物に対して0.5〜5重量%の範囲が好ましい。5重量%を超えると肌ざわりが悪くなる。
【0015】
アニオン系乳化剤としては、例えば、牛脂脂肪酸カリウム、部分水添牛脂脂肪酸カリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩;ロジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウム、水添ロジン酸カリウム、水添ロジン酸ナトリウム等の樹脂酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリエチレングリコールエステル型、ポリエチレングリコールエステル型、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体等のプルロニック型等の乳化剤が挙げられる。
【0016】
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等の熱分解型開始剤;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;これらと二価の鉄イオン等の還元剤とからなるレドックス系開始剤等が挙げられる。なかでもレドックス系開始剤が好ましい。
これらの開始剤の使用量は、通常、単量体混合物に対して0.01〜10重量%の範囲である。
【0017】
乳化重合反応は、連続式、回分式のいずれでもよく、重合温度も低温〜高温重合のいずれでもよいが、好ましくは0〜50℃、更に好ましくは0〜35℃である。又、単量体の添加方法(一括添加、分割添加等の)、重合時間、重合転化率等も特に限定されない。好ましい重合転化率は90%以上である。
本発明の共重合体ゴムラテックスを得る好ましい重合方法は、重合反応を行い、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等の従来公知の重合停止剤を重合系に添加して重合反応を停止させ、引き続きあるいは一旦生成した共重合体ゴムラテックスを保存した後に、公知の粒径肥大化法に従ってラテックス粒子の肥大化処理を行う方法である。
【0018】
粒径肥大化方法としては、従来公知の方法が使用出来、特に制限されない。例えば、重合途中で反応を停止させ強攪拌する方法;重合終了後共重合体ラテックスにブタジエン等の共役ジエン単量体やトルエン等の溶剤、カルボキシル基含有重合体ラテックス等の粒径肥大化剤を添加して強攪拌する方法等が挙げられる。攪拌条件は、粒径肥大化後の共重合体ラテックスの擬塑性粘度が20〜45cPとなる範囲であれば特に制限されない。
本発明の共重合体ゴムラテックスの固形分濃度は特に限定されないが、通常、50〜70重量%程度である。また、ラテックス粒子径も特に限定されないが、通常、3,000〜30,000A(オングストローム)、好ましくは4,000〜20,000A程度である。
【0019】
次に、本発明の共重合体ゴムラテックスを用いたフォームラバーの製造方法について説明する。
本発明においては、フォームラバーの製造方法自体は特に限定されず、従来公知のいずれの方法も用いることができる。
フォームラバーを製造する場合には、先ず、本発明の共重合体ゴムラテックスに、通常、加硫系、必要により凝固剤、その他の配合剤を添加した組成物を調整する。
【0020】
加硫剤は、重合体ゴムラテックスを使用する通常のフォームラバーの製造に使用される加硫系はいずれも使用することができ、特に限定されない。
加硫系としては、例えば、加硫剤としての硫黄、特にコロイド硫黄、加硫助剤としての亜鉛華/各種加硫促進剤が使用される。加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール及びその亜鉛塩、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系促進剤、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバメート系促進剤等が挙げられる。これらの加硫剤や加硫助剤の使用量は特に限定されないが、通常、共重合体ゴムラテックス(固形分)100重量部に対して、硫黄0.1〜10重量部、亜鉛華0.5〜10重量部、加硫促進剤0.1〜5重量部程度である。これらの使用量は、フォームラバー製品の要求性能を満たすように決定される。
【0021】
必要により使用される配合剤としては、例えば、各種老化防止剤、各種着色剤、泡安定剤等、また上記の各種配合剤をラテックスに安定して分散させるための分散剤、例えば、NASF(ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)等;増粘剤、例えば、ポリアクリル酸及びそのナトリウム塩、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール等;起泡剤としての界面活性剤、例えば、オレイン酸カリウム等の脂肪族アルカリ石けん、ドデシル硫酸ナトリウム等の高級アルコールの硫酸塩等を必要有効量該ラテックスに添加することができる。ゲル化剤としては後記のものが使用される。
【0022】
本発明のフォームラバーは、上記の配合剤が添加された共重合体ゴムラテックス組成物を用い、これを発泡させ、凝固、加硫させることによって得られる。発泡には通常空気が用いられるが、炭酸アンモニウム、重炭酸ソーダ等の炭酸塩;アゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド等のガス発生物質を使用することもできる。
空気を使用する場合には共重合体ゴムラテックスを攪拌し、空気を巻き込んで泡立てる。この際、例えば、オークス発泡機、超音波発泡機等が用いられる。
【0023】
所定の発泡倍率に発泡させ、次に、発泡状態を固定化するために、発泡該ラテックスを凝固させる。凝固方法は、ラテックスをゲル化し、固化させることができる方法であれば特に制限されず、従来公知の方法がいずれも使用できる。
例えば、凝固剤としてヘキサフルオロ珪酸ナトリウムや同カリウム(珪フッ化ソーダ、同カリ)、チタン珪フッ化ソーダ等のフッ化珪素化合物を起泡した該ラテックスに添加するダンロップ法(常温凝固法);該ラテックスにオルガノポリシロキサン、ポリビニルメチルエーテル、硫酸亜鉛アンモニウム錯塩等の感熱凝固剤を添加する感熱凝固法;冷凍凝固法等が使用される。凝固剤の使用量は、特に限定されないが、該ラテックス(固形分)100重量部に対し、通常、0.5〜10重量部程度である。凝固剤の添加方法も特に限定されず、例えば、発泡したラテックスに凝固剤をそのまま振りかけて添加する方法、凝固剤を水又は有機溶剤に溶解又は分散させ、これを発泡ラテックスに添加する方法等が挙げられる。
【0024】
凝固剤が添加された未だ流動性を有する発泡該ラテックス組成物を所定形状の型に移し、例えば、100〜160℃程度の温度で15〜60分程度加硫させることによりフォームラバーが得られる。型からフォームラバーを取り出し、例えば、洗濯機等を用い、20〜70℃程度の水で5〜15分間程度、攪拌しながら洗浄する。洗浄後、水切りをし、フォームラバーの風合いを損なわないように30〜90℃程度の温度で乾燥する。
得られたフォームラバーを所定の厚さにスライスし、それを所定の形状に切断し、側面を回転砥石で研磨することによりパフが製造される。
【0025】
このようにして得られる本発明のフォームラーバーは、耐油性に優れ、肌ざわり、化粧料の取り込み性及び皮膚へののりが優れている。従って、化粧用スポンジ(パフ)に好適なものである。本発明のフォームラバーの耐油性(実施例に記載の方法による)は60%以下が好ましく、更に好ましくは55%以下である。又、フォームラバーの肌ざわりは硬さ(アスカーF型硬度)と関係があり、肌ざわりの良いフォームラバーはやわらかく、該硬度の値が低いものである。好ましい該硬度は65(度)以下、更に好ましくは60(度)以下である。
【0026】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
【0027】
実施例1〜5、比較例1〜4
(1)NBRラテックスの製造
下記の重合処方に従って表1に記載の単量体混合物およびその他の重合薬剤を窒素置換した重合反応器に仕込み、攪拌しながら内容物の温度を5℃として重合反応を開始させた。20時間後に重合停止剤としてN,N−ジエチルヒドロキシルアミンを添加して転化率95%で重合反応を停止させ、NBRラテックスを得た。
これらのNBRラテックスにブタジエンをNBRラテックスの固形分重量と同量添加し、温度を15℃としてからパドル型攪拌翼で1000rpmの回転数で5時間攪拌し、粒径肥大化処理を行い、表1に記載の粒子径を有するNBRラテックスを得た。肥大化後固形分濃度を65%に濃縮して本発明および比較例のNBRラテックスを得た。下記の方法で擬塑性粘度を測定し、結果を表1に示した。
【0028】
Figure 0003757605
【0029】
擬塑性粘度の測定方法
各NBRラテックスの固形分濃度を60%、温度を15℃に調整し、ハーキュレス型回転粘度計(エスエムテー社製)で、ボブNo.B(半径1.95cm、有効長2.5cm、間隙0.05cm、形状係数0.00041cm-3)を用い、最大回転数2200rpm、加速時間20秒の条件で測定し、回転数2200rpmのときの擬塑性粘度を下記の式で計算する。
φ=9.55×Tm×S×(10/Nm)/b
φ:擬塑性粘度(cP)
b:上昇時傾き(無次元)=ln2/ln(Tm/T1/2
m:最大回転数時のトルク(dyn・cm)
1/2:最大回転数の1/2の回転数におけるトルク(dyn・cm)
S:形状係数(cm-3
m:最大回転数(rpm)
【0030】
(2)フォームラバーの作製
上記の各NBR(固形分65%)のそれぞれ100部に、コロイド硫黄分散液(固形分50%)2.6部、亜鉛華分散液(固形分50%)3.9部を添加して十分に分散させ、フォームラバー用ラテックス組成物を得た。
各ラテックス組成物を毎分1リットル、空気を毎分4リットルの流量で連続発泡機(オークスミキサー4M)に送り、室温で回転数500rpmで攪拌して発泡させ、一方、珪フッ化ソーダ分散液(固形分20%)を回転翼部から毎分92mlの流量で添加した。
【0031】
上記で得られた各発泡組成物をそれぞれ円筒形の型(直径7cm、高さ50cm)に入れ、凝固した後110℃で40分加硫させた。
型から取り出したフォームラバーを長さ方向に厚さ0.8cmにスライスし、下記の方法でフォームラバーの硬さおよび化粧性を評価した。フォームラバーの耐油性は上記のフォームラバー用組成物から作製した加硫フィルムについて測定した。以上の測定結果を表1に示す。
【0032】
硬さ(アスカーF型硬度)
高分子計器社製アスカーゴム硬度計F型を用いてフォームラバーの硬度を測定する。値が小さい程フォームラバーは柔らかく、肌ざわりが良い。
【0033】
耐油性
上記の各フォームラバー用ラテックス組成物を乾燥厚さが約0.5mmとなるようにガラス板上に流延し、風乾後ガラス板から生成フィルムを剥離し、これを110℃のオーブン中で30分加硫させた。
上記の加硫フィルムより切り取った短冊状試験片に標線を入れ、20℃のトルエン500mlに5時間浸漬し、その後取り出して線膨張度(%)を測定し、これを耐油性の尺度とする。値が小さいほど耐油性は良好である。線膨張度は下記の式で計算される。
線膨張度(%)=〔(L′−L)/L〕×100
(L′:浸漬後の標線間の長さ、L:浸漬前の標線間の長さ)
【0034】
化粧性
上記のスライスしたフォームラバーを2cm×2cmに裁断して試験片とし、
一方の面にソリッドファンデーションを均一に塗布した。
これを学振型摩耗堅牢度試験機(大栄科学精器製作所製)の摩擦子(200g)に固着させ、該試験機の試料台に固着させた黒色のラシャ紙上を10cm移動させ、フォームラバー上のソリッドファンデーションをラシャ紙に転写させ、幅2cm、長さ10cmの該転写軌跡を、幅方向および長さ方向の色の均一性を目視で観察し、均一性が良好を5点、不良を1点とする5段階法で表示する。
【0035】
【表1】
Figure 0003757605
(注)比較例3のオレイン酸カリの使用量は2部である。
(注)比較例4のオレイン酸カリの使用量は6部である。
【0036】
上記の表から明らかなように、本発明の共重合体ラテックスを用いたフォームラバーは、耐油性、肌ざわり及び化粧性に優れており、本発明の共重合体ラテックスは化粧用スポンジの製造に好適なラテックスである。一方、比較例1、2の共重合体ラテックスではアクリロニトリルが本発明範囲外であり、耐油性が劣る(比較例1)か、擬塑性粘度が本発明範囲を超え、硬度が高過ぎる(比較例2)フォームラバーしか得られない。又、比較例3、4の擬塑性粘度が本発明範囲外の共重合体ラテックスでは、硬度が高過ぎて満足できるフォームラバーは得られない。
【0037】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、耐油性に優れ、肌ざわり、化粧性に優れたパフ(化粧用スポンジ)等のフォームラバー製品の製造に好適な共重合体ゴムラテックスが提供される。
【0038】
本発明の好ましい実施態様は次の通りである。
(1)請求項1および2において、共重合体ゴムラテックスは、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体を好ましくは20〜40重量%、更に好ましくは25〜35重量%、共役ジエン単量体を好ましくは60〜80重量%、更に好ましくは65〜75重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物を乳化重合してなる共重合体ゴムラテックスである。
(2)請求項1および2において、共重合体ゴムラテックスの擬塑性粘度は好ましくは25〜40cPである。
(3)上記の(1)、(2)において、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体がアクリロニトリル、共役ジエン単量体がブタジエン及び/又はイソプレンである。
(4)上記の(1)〜(3)において、共重合可能なエチレン性不飽和単量体は、アクリル酸アルキルエステルである。
(5)上記の(1)〜(4)において、共重合体ゴムラテックスは、転化率90%以上で重合を終了させた後粒径肥大化させたものである。
(6)上記の(1)〜(5)において、フォームラバーのアスカーF型硬度は、好ましくは65(度)以下、更に好ましくは60(度)以下である。

Claims (2)

  1. シアノ基含有エチレン性不飽和単量体15〜45重量%、共役ジエン単量体55〜85重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物を乳化重合してなる共重合体ゴムラテックスであって、固形分濃度60重量%、15℃の該共重合体ゴムラテックスの擬塑性粘度が20〜45cPであることを特徴とするフォームラバー用共重合体ゴムラテックス。
  2. 加硫剤を配合した請求項1に記載の共重合体ゴムラテックスを、発泡させ、凝固、加硫させてなることを特徴とするフォームラバー。
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