JP7156283B2 - フォームラバーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡を適切に制御することができ、弾力性および耐久性に優れたフォームラバーの製造方法に関する。
重合体ラテックスを用いて製造されたフォームラバー(ゴム発泡体)は、マットレス、パフ(化粧用スポンジ)、ロール、衝撃吸収剤等として種々の用途に使用されている。このようなフォームラバーの用途のなかでも、特にパフに用いられるフォームラバーとしては、発泡状態が良好であり、均一な発泡構造を有すること、弾力性と風合いのバランスに優れていることが求められている。
たとえば、特許文献1には、固形分濃度、ゲル含有量およびムーニー粘度を特定の範囲に制御した共重合体ラテックスを用いてパフを製造する方法が開示されている。しかしながら、この特許文献1の技術では、得られるパフは、弾力性や、水性化粧料などの水分に対する耐久性に劣る場合があった。
特許第4741837号
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、発泡を適切に制御することができ、弾力性および耐久性に優れたフォームラバーを製造することのできるフォームラバーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、固形分濃度、体積累積粒径d10、および消泡剤の含有割合を特定の範囲に制御した重合体ラテックスを用いてフォームラバーを製造することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、重合体ラテックスを発泡させることで、フォームラバーを製造する方法であって、前記重合体ラテックスとして、固形分濃度が60.0重量%以上、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d10が140nm超であり、前記重合体ラテックス中の重合体100重量部に対する消泡剤の含有割合が0.001~1.0重量部であるものを用いるフォームラバーの製造方法が提供される。
本発明のフォームラバーの製造方法では、前記重合体ラテックスは、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d50が400nm以上であることが好ましい。
本発明のフォームラバーの製造方法では、前記重合体ラテックスは、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d90が1,000nm以上であることが好ましい。
本発明のフォームラバーの製造方法では、前記重合体ラテックスは、体積基準の粒子径分布に2つ以上の極大点を有するものであることが好ましい。
本発明のフォームラバーの製造方法では、前記重合体ラテックスは、体積基準の粒子径分布における最も小径側のピークの高さh1stに対する、前記粒子径分布における小径側から数えて2つ目のピークの高さh2ndの比(h2nd/h1st)が、1.8以上であることが好ましい。
本発明のフォームラバーの製造方法では、前記重合体ラテックスを構成する重合体がニトリル基含有共役ジエン系共重合体であることが好ましい。
本発明によれば、発泡を適切に制御することができ、弾力性および耐久性に優れたフォームラバーを製造することのできるフォームラバーの製造方法を提供することができる。
本発明のフォームラバーの製造方法は、重合体ラテックスとして、固形分濃度が60.0重量%以上、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d10が140nm超であり、かつ、重合体ラテックス中の重合体100重量部に対する消泡剤の含有割合が0.001~1.0重量部であるものを使用し、該重合体ラテックスを発泡させて、フォームラバーを製造する方法である。
<重合体ラテックス>
本発明で用いる重合体ラテックスは、固形分濃度が60.0重量%以上、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d10が140nm超であり、かつ、重合体ラテックス中の重合体100重量部に対する消泡剤の含有割合が0.001~1.0重量部である、重合体のラテックスである。
このような重合体ラテックスを構成する重合体としては、特に限定されないが、たとえば、ジエン系重合体、ウレタン系重合体、アクリル系重合体、フッ素系重合体、シリコーン系重合体などが挙げられる。これらのなかでも、得られるフォームラバーを弾力性および耐久性により優れたものとすることができるという点より、ジエン系重合体が好ましく、ニトリル基含有共役ジエン系共重合体が特に好ましい。また、重合体ラテックスとしては、2種以上の重合体を含むものであってもよく、たとえば、ジエン系共重合体のラテックスと、ウレタン系重合体のラテックスとをブレンドすることで得られる、ジエン系共重合体およびウレタン系重合体を含むラテックスを用いることが好ましい。この際には、ウレタン系重合体のラテックスとブレンドするジエン系共重合体のラテックスとしては、ニトリル基含有共役ジエン系共重合体のラテックスが好ましい。
ニトリル基含有共役ジエン系共重合体は、共役ジエン単量体と、エチレン性不飽和ニトリル単量体とを共重合してなる共重合体であり、これらに加えて、必要に応じて用いられる、これらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体を共重合してなる共重合体であってもよい。
共役ジエン単量体としては、たとえば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンおよびクロロプレンなどが挙げられる。これらのなかでも、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらの共役ジエン単量体は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。ニトリル基含有共役ジエン系共重合体中における、共役ジエン単量体により形成される共役ジエン単量体単位の含有割合は、好ましくは20~95重量%であり、より好ましくは30~85重量%、さらに好ましくは40~80重量%である。共役ジエン単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、得られるフォームラバーを、風合いおよび耐久性により優れたものとすることができる。また、得られるフォームラバーを、風合いおよび耐久性のバランスにより優れるものすることができるという観点より、1,3-ブタジエンおよびイソプレンの両方を使用することが好ましく、ニトリル基含有共役ジエン系共重合体中における、1,3-ブタジエン単位およびイソプレン単位の比率を、1,3-ブタジエン単位/イソプレン単位の比で5/5~9/1の範囲とすることが好ましい。
エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を含有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定されないが、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、α-シアノエチルアクリロニトリルなどが挙げられる。なかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。これらのエチレン性不飽和ニトリル単量体は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。ニトリル基含有共役ジエン系共重合体中における、エチレン性不飽和ニトリル単量体により形成されるエチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は、好ましくは5~80重量%であり、より好ましくは15~70重量%、さらに好ましくは20~60重量%である。エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、得られるフォームラバーを、風合いおよび耐久性により優れたものとすることができる。
共役ジエン単量体およびエチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノまたはジメチル、フマル酸モノまたはジエチル、フマル酸モノまたはジ-n-ブチル、イタコン酸モノまたはジ-n-ブチル等のエチレン性不飽和カルボン酸のモノまたはジアルキルエステル;メトキシアクリレート、エトキシアクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド及びその誘導体;ジメチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノメチルアクリレート等のアミノ基を有するアクリレート;スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;エチレン、プロピレン等のα-オレフィン;ジシクロペンタジエン、ビニルノルボルネン等の非共役ジエン単量体などを挙げることができる。これらの単量体は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。ニトリル基含有共役ジエン系共重合体中における、その他のエチレン性不飽和単量体により形成されるその他の単量体単位の含有割合は、好ましくは40重量%以下であり、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。その他の単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、得られるフォームラバーを、風合いおよび耐久性により優れたものとすることができる。
本発明で用いる重合体ラテックスの製造方法としては、特に限定されず、固形分濃度が60.0重量%以上、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d10が140nm超であり、かつ、重合体ラテックス中の重合体100重量部に対する消泡剤の含有割合が0.001~1.0重量部である重合体ラテックスを得ることができる方法であればよいが、たとえば、重合体ラテックス中に含まれる重合体を構成する単量体を、乳化重合法により共重合し、得られた乳化液について粒径肥大化処理、および濃縮を行う方法などが挙げられる。
乳化重合方法としては、従来公知の方法を採用することができる。たとえば、上述した単量体を含有してなる単量体混合物を乳化重合する際には、通常用いられる、乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、キレート剤、酸素補足剤、分子量調整剤等の重合副資材を使用することができる。これら重合副資材の添加方法は特に限定されず、初期一括添加法、分割添加法、連続添加法などいずれの方法でもよい。
乳化剤としては、特に限定されないが、たとえば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤などが挙げられる。アニオン性乳化剤としては、たとえば、牛脂脂肪酸カリウム、部分水添牛脂脂肪酸カリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩;ロジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウム、水添ロジン酸カリウム、水添ロジン酸ナトリウム等の樹脂酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。ノニオン性乳化剤としては、たとえば、ポリエチレングリコールエステル型、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体等のプルロニック型等の乳化剤が挙げられる。これらのなかでも、アニオン性乳化剤が好ましく、脂肪酸塩がより好ましく、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウムが特に好ましい。また、これらの乳化剤は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。乳化剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.5~5重量部である。
重合開始剤としては、特に限定されないが、たとえば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-α-クミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;などを挙げることができる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.01~10重量部、より好ましくは0.01~2重量部である。
また、過酸化物開始剤は還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することができる。この還元剤としては、特に限定されないが、硫酸第一鉄、ナフテン酸第一銅等の還元状態にある金属イオンを含有する化合物;メタンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸化合物;ジメチルアニリン等のアミン化合物;などが挙げられる。これらの還元剤は単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。還元剤の使用量は、過酸化物100重量部に対して3~1000重量部であることが好ましい。
分子量調整剤としては、たとえば、n-ヘキシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、t-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物;アリルアルコール等のアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物;α-ベンジルオキシスチレン、α-ベンジルオキシアクリロニトリル、α-ベンジルオキシアクリルアミド、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2-エチルヘキシルチオグリコレート、α-メチルスチレンダイマー、ターピノレンなどが挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。分子量調整剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対し、好ましくは0.1~3重量部、より好ましくは0.2~2重量部、特に好ましくは0.3~1.5重量部である。分子量調整剤の使用量を上記範囲とすることにより、得られるフォームラバーの強度をより向上させることができる。
乳化重合する際に使用する水の量は、使用する全単量体100重量部に対して、80~600重量部が好ましく、100~200重量部が特に好ましい。
乳化重合反応は、連続式、回分式のいずれでもよく、重合時間等も特に限定されない。単量体の添加方法としては、たとえば、反応容器に使用する単量体を一括して添加する方法、重合の進行に従って連続的または断続的に添加する方法、単量体の一部を添加して特定の転化率まで反応させ、その後、残りの単量体を連続的または断続的に添加して重合する方法等が挙げられ、いずれの方法を採用してもよい。単量体を混合して連続的または断続的に添加する場合、混合物の組成は、一定としても、あるいは変化させてもよい。また、各単量体は、使用する各種単量体を予め混合してから反応容器に添加しても、あるいは別々に反応容器に添加してもよい。なお、重合体ラテックスとして、ニトリル基含有共役ジエン系共重合体のラテックスを製造する場合において、重合反応を開始した後に、単量体の一部を反応器に添加して重合を継続する方法を用いる場合には、たとえば、エチレン性不飽和ニトリル単量体および共役ジエン単量体の一部を反応器に添加して、重合反応を開始した後、反応器内の重合反応率が20~65%である間に、共役ジエン単量体の残部を一括または分割して反応器に添加し、さらに重合反応を継続する方法が挙げられる。この際においては、重合反応を開始した後に添加する共役ジエン単量体の割合は、重合に用いる共役ジエン単量体全量の20~60重量%とすることが好ましい。
さらに、乳化重合を行う際には、必要に応じて、キレート剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤等の重合副資材を用いることができ、これらは種類、使用量とも特に限定されない。
以上のように単量体混合物を乳化重合し、所定の重合転化率に達した時点で、重合系を冷却したり、重合停止剤を添加したりして、重合反応を停止する。重合を停止する際の重合転化率は、特に限定されないが、好ましくは90重量%以上、より好ましくは93重量%以上である。この重合転化率が低すぎると生産性が低下する傾向にある。重合温度は、特に限定されないが、好ましくは0~50℃、より好ましくは5~35℃である。
重合停止剤としては、特に限定されないが、たとえば、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミン硫酸塩、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ハイドロキノン誘導体、カテコール誘導体、ならびに、ヒドロキシジメチルベンゼンチオカルボン酸、ヒドロキシジエチルベンゼンジチオカルボン酸、ヒドロキシジブチルベンゼンジチオカルボン酸などの芳香族ヒドロキシジチオカルボン酸およびこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。重合停止剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.05~2重量部である。
以上のようにして重合反応を行い、乳化液を得ることができる。なお、重合反応を停止して乳化液を得た後には、必要に応じて乳化液から未反応単量体を除去してもよい。
さらに、本発明の製造方法においては、重合反応を停止した後、得られた乳化液に対して、乳化液中の重合体粒子同士を合一させることで肥大化させる、粒径肥大化処理を施すことで、重合体ラテックスを得ることができる。粒径肥大化処理を施すことにより、得られる重合体ラテックスの粒子径分布を所望のものとなるように制御することができる。
粒径肥大化処理の方法としては、特に限定されないが、たとえば、(1)重合終了後、乳化液に対して、1,3-ブタジエン等の共役ジエン化合物やトルエン等を溶剤として加え、強撹拌する方法、(2)カルボキシル基含有重合体ラテックス等の粒径肥大化剤を乳化液に添加して、強撹拌する方法などが挙げられる。
上記(1)の方法で粒径肥大化処理を行う場合には、溶剤の添加量は、乳化液中の重合体100重量部に対して、好ましくは30~300重量部である。また、上記(1)の方法で粒径肥大化処理を行う場合には、撹拌の条件としては、特に限定されないが、たとえば、パドル型撹拌翼等の撹拌装置を用いて、回転速度を、好ましくは50~2,500rpmとし、撹拌時間を、好ましくは0.5~12.0時間とする方法が挙げられる。
また、粒径肥大化処理を行う際には、撹拌に伴う発泡を抑制するという観点より、乳化液に消泡剤を添加し、消泡剤の存在下で、粒径肥大化処理を行うことが好ましい。
また、粒径肥大化処理を行って重合体ラテックスを得た後には、重合体ラテックスに対して濃縮処理を行うことにより、重合体ラテックスの固形分濃度を調整することが好ましい。濃縮処理の方法としては、特に限定されないが、たとえば、減圧蒸留、常圧蒸留、遠心分離、膜濃縮等の方法が挙げられ、これらのなかでも、減圧蒸留が好ましい。
重合体ラテックスを減圧蒸留で濃縮する場合には、濃縮処理の条件としては、圧力が、好ましくは100~0kPa、より好ましくは95~1.0kPaであり、温度が、好ましくは30~100℃、より好ましくは40~95℃である。
濃縮処理を行う際においても、濃縮時の発泡を抑制するという観点より、重合体ラテックスに消泡剤を添加し、消泡剤の存在下で、濃縮処理を行うことが好ましい。
粒径肥大化処理時および濃縮処理時に使用する消泡剤としては、特に限定されないが、たとえば、油脂系消泡剤、鉱油を基剤とする変性炭化水素油などのミネラルオイル系消泡剤、シリコーンオイル等のシリコーン系消泡剤、ポリマー系消泡剤などが挙げられ、これらのなかでも、ミネラルオイル系消泡剤、シリコーン系消泡剤が好ましい。これらの消泡剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、消泡剤は、粒径肥大化処理および濃縮処理のうち、いずれか一方の処理時にのみ添加するようにしてもよいし、両方の処理時に、同じ消泡剤または異なる消泡剤を、それぞれ添加するようにしてもよいが、少なくとも粒径肥大化処理を行う際に消泡剤を添加することで、粒径肥大化処理だけでなく、粒径肥大化処理後に行う濃縮処理においても、消泡剤によって発泡を抑制することができるようになるため好ましい。
粒径肥大化処理時および濃縮処理時に添加する消泡剤の合計の添加量は、得られる重合体ラテックス中の重合体100重量部に対して、好ましくは0.001~1.0重量部、より好ましくは0.001~1.00重量部、さらに好ましくは0.005~0.8重量部、特に好ましくは0.005~0.6重量部、最も好ましくは0.01~0.6重量部である。消泡剤の添加量が0.001重量部未満であると、粒径肥大化処理を行った際に、発泡が激しくなり、粒径肥大化が適切に行われず、所望の粒子径分布が得られなくなってしまうおそれや、濃縮処理を行った際に、発泡が激しくなり、重合体ラテックスの生産性が低下するおそれがある。一方、消泡剤の添加量が1.0重量部超であると、最終的に得られる重合体ラテックス中における、消泡剤の含有量が多くなり過ぎてしまい、得られるフォームラバーの外観が劣るものとなり、また、得られるフォームラバーのヤング率が低くなり過ぎてしまい、弾力性に劣るものとなってしまう。
本発明の製造方法においては、重合体ラテックスを、固形分濃度が60.0重量%以上、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d10が140nm超であり、かつ、重合体ラテックス中の重合体100重量部に対する消泡剤の含有割合が0.001~1.0重量部であるものとすることにより、重合体ラテックスは、発泡の制御をより容易に行うことができるものとなるとともに、ハンドリング性にも優れたものとなり、さらには、このような重合体ラテックスを用いて得られたフォームラバーを、外観が良好であり、水に対する体積膨潤率が低く耐久性に優れ、さらにヤング率が高く弾力性にも優れたものとすることができる。
本発明で用いる重合体ラテックスの固形分濃度は、60.0重量%以上であり、好ましくは62重量%以上である。固形分濃度が低すぎると、重合体ラテックスの発泡速度が高くなりすぎて発泡の制御が困難となり、しかも、重合体ラテックスを用いて得られたフォームラバーは、気泡の直径および密度が不均一なものとなって外観に劣るものとなり、ヤング率が低く弾力性にも劣るものとなってしまう。なお、固形分濃度の上限は、特に限定されないが、重合体ラテックスのハンドリング性を良好なものとする(移送や、添加剤の配合等をより適切に行うことができる)という観点より、好ましくは70重量%以下である。重合体ラテックスの固形分濃度を上記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、たとえば、重合体ラテックスを、所望の固形分濃度となるように、上述した方法により濃縮処理を行う方法などが挙げられる。
また、本発明で用いる重合体ラテックスは、体積累積粒径d10(体積基準の粒子径分布において小径側から計算した累積体積が10%となる粒子径)が、140nm超であり、好ましくは145nm以上、より好ましくは150nm以上である。体積累積粒径d10が小さすぎると、重合体ラテックスはハンドリング性に劣るものとなってしまうとともに、得られるフォームラバーは、水に対する体積膨潤率が高く、水分に対する耐久性に劣るものとなってしまう。体積累積粒径d10を上記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、たとえば、粒径肥大化処理における処理条件を上記範囲とする方法などが挙げられる。
さらに、本発明で用いる重合体ラテックスは、消泡剤の含有割合が、重合体ラテックス中の重合体100重量部に対して、0.001~1.0重量部であり、好ましくは0.001~1.00重量部、より好ましくは0.005~0.8重量部、さらに好ましくは0.005~0.6重量部、特に好ましくは0.01~0.6重量部である。消泡剤の含有量が少なすぎると、上述したように、粒径肥大化処理における、粒径肥大化を適切に行うことができず、一方、消泡剤の含有量が多すぎると、得られるフォームラバーの外観が劣るものとなり、また、得られるフォームラバーのヤング率が低くなり過ぎてしまい、弾力性に劣るものとなってしまう。なお、本発明で用いる重合体ラテックス中における、消泡剤の含有量は、その製造工程において用いた、消泡剤の使用量とほぼ同一であるため、製造工程における消泡剤の使用量を調整することにより、その含有量を調整すればよい。
本発明によれば、固形分濃度、体積累積粒径d10、および消泡剤の含有割合が上記範囲に制御された重合体ラテックスを用いることにより、重合体ラテックスの発泡速度が適度なものとなり、発泡の制御をより容易に行うことができるとともに、重合体ラテックスのハンドリング性にも優れたものとなり、さらには、このような重合体ラテックスを用いて得られたフォームラバーは、外観が良好であり、水に対する体積膨潤率が低く耐久性に優れ、さらにヤング率が高く弾力性にも優れたものとすることができる。
なお、本発明で用いる重合体ラテックスは、体積累積粒径d10が上記範囲にあればよいが、体積累積粒径d50(体積基準の粒子径分布において累積体積が50%となる粒子径)が、好ましくは400nm以上、より好ましくは450nm以上、さらに好ましくは500nm以上である。体積累積粒径d50を上記範囲とすることにより、重合体ラテックスのハンドリング性をより向上させることができるとともに、得られるフォームラバーを、水に対する体積膨潤率が低く耐久性により優れたものとすることができる。なお、体積累積粒径d50の上限は、特に限定されないが、重合体ラテックスの粘度が低くなりすぎないように制御することができ、かつ、より適切にフォームラバーを形成することができるという観点より、好ましくは3,000nm以下である。体積累積粒径d50を上記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、たとえば、粒径肥大化処理における処理条件を上記範囲とする方法などが挙げられる。
さらに、本発明で用いる重合体ラテックスは、体積累積粒径d90(体積基準の粒子径分布において累積体積が90%となる粒子径)が、好ましくは1,000nm以上、より好ましくは1,200nm以上、さらに好ましくは1,500nm以上である。体積累積粒径d90を上記範囲とすることにより、重合体ラテックスのハンドリング性をより向上させることができるとともに、得られるフォームラバーを、水に対する体積膨潤率が低く耐久性により優れたものとすることができる。なお、体積累積粒径d90の上限は、特に限定されないが、重合体ラテックスの粘度が低くなりすぎないように制御することができ、かつ、より適切にフォームラバーを形成することができるという観点より、好ましくは20,000nm以下である。体積累積粒径d90を上記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、たとえば、粒径肥大化処理における処理条件を上記範囲とする方法などが挙げられる。
また、本発明で用いる重合体ラテックスは、体積基準の粒子径分布を測定した場合に、その体積基準の粒子径分布が、2つ以上の極大点を有することが好ましく、極大点の数が2つである(二峰性である)ことが特に好ましい。さらに、体積基準の粒子径分布が2つ以上の極大点を有する場合には、その体積基準の粒子径分布における、最も小径側のピークの高さh1stに対する、小径側から数えて2つ目のピークの高さh2ndの比(h2nd/h1st)は、好ましくは1.8以上、より好ましくは1.9以上である。この際においては、体積基準の粒子径分布が2つの極大点を有する(二峰性である)場合には、小径側のピークの高さがh1stとなり、大径側のピークの高さがh2ndとなり、これらのピークの高さの比(h2nd/h1st)を、上記範囲に制御することが好ましい。重合体ラテックスについて、体積基準の粒子径分布を上述したものとすることにより、得られる重合体ラテックスは、ハンドリング性により優れたものとなり、しかも、このような重合体ラテックスを用いて得られたフォームラバーは、水に対する体積膨潤率がより低下し、これにより、水分に対する耐久性により優れたものとすることができる。重合体ラテックスの体積基準の粒子径分布について、2つ以上の極大を有するようにする方法、およびピーク比(h2nd/h1st)を上記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、たとえば、粒径肥大化処理における処理条件を上記範囲とする方法などが挙げられる。
さらに、体積基準の粒子径分布が2つ以上の極大点を有する場合には、その体積基準の粒子径分布における、最も小径側のピークにおける粒子径d1stは、好ましくは50~700nm、より好ましくは100~600nm、さらに好ましくは150~500nmである。また、小径側から数えて2つ目のピークにおける粒子径d2ndは、好ましくは900~5,000nm、より好ましくは900~4,000nm、さらに好ましくは950~3,000nmである。この際においては、体積基準の粒子径分布が2つの極大点を有する(二峰性である)場合には、小径側のピークにおける粒子径がd1stとなり、大径側のピークにおける粒子径がd2ndとなる。粒子径d1stおよび粒子径d2ndを上記範囲とすることにより、重合体ラテックスのハンドリング性をより向上させることができるとともに、得られるフォームラバーを、水に対する体積膨潤率が低く耐久性により優れたものとすることができる。粒子径d1stおよび粒子径d2ndを上記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、たとえば、粒径肥大化処理における処理条件を上記範囲とする方法などが挙げられる。
なお、本発明で用いる重合体ラテックスとしては、上述したように、2種以上の重合体を含むものであってもよく、たとえば、ニトリル基含有共役ジエン系共重合体等のジエン系共重合体のラテックスと、ウレタン系重合体のラテックスとをブレンドすることで得られる、ジエン系共重合体およびウレタン系重合体を含むラテックスを用いることができる。この場合には、重合体ラテックス中の重合体(ジエン系共重合体およびウレタン系重合体の合計量)100重量部に対する、ウレタン系重合体の含有割合は、好ましくは5~95重量部、より好ましくは15~70重量部、さらに好ましくは15~50重量部である。
ウレタン系重合体のラテックスとしては、特に限定されないが、たとえば、活性水素含有化合物と、親水性基を有する化合物と、ポリイソシアネートとを反応させて得られる親水性基を有するウレタン樹脂の有機溶剤溶液または有機溶剤分散液に、中和剤を含む水溶液を混合して得られるラテックスが挙げられる。あるいは、ウレタン系重合体のラテックスとしては、活性水素含有化合物と、親水性基を有する化合物と、ポリイソシアネートとを反応させて得られた親水性基を有する末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに対して、中和剤およびポリアミンとを含む水溶液を混合し、ポリアミンを反応させることにより得られるラテックスであってもよい。
活性水素含有化合物としては、特に限定されないが、たとえば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリブタジエン系等のポリオレフィンポリオールなどのポリオール;ポリエステルポリオールの原料として用いられるグリコール化合物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ化合物;エチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、1,2-プロパンジアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物などが挙げられる。
親水性基を有する化合物としては、特に限定されないが、たとえば、分子内に1個以上の活性水素原子を有し、かつカルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、第4級アンモニウム塩、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、第3級アミノ基、ベタイン基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を含有するイオン性を有する化合物;分子内に1個以上の活性水素原子を有し、かつエチレンオキシドの繰り返し単位からなる基、エチレンオキシドの繰り返し単位とその他のアルキレンオキシドの繰り返し単位からなる基を含有するノニオン性の化合物などが挙げられる。
イソシアネートとしては、特に限定されないが、たとえば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジクロロ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1,5-テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
<重合体ラテックス組成物>
本発明で用いる重合体ラテックスとしては、架橋剤等の配合剤を配合したものを用いることが好ましい。すなわち、重合体ラテックス組成物として用いることが好ましい。
架橋剤としては、たとえば、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等の硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・ジスルフィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、N,N’-ジチオ-ビス(ヘキサヒドロ-2H-アゼピノン-2)、含りんポリスルフィド、高分子多硫化物、2-(4’-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の硫黄含有化合物が挙げられる。これらのなかでも、硫黄が好ましく使用できる。架橋剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の含有量は、特に限定されないが、重合体ラテックス中の重合体100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部、より好ましくは0.2~3重量部である。架橋剤の含有量を上記範囲とすることにより、得られるフォームラバーの強度をより高めることができる。
また、本発明で用いる重合体ラテックスは、さらに架橋促進剤を含有することが好ましい。
架橋促進剤としては、フォームラバーの製造において通常用いられるものが使用でき、たとえば、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などのジチオカルバミン酸類およびそれらの亜鉛塩;2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2-メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2-(2,4-ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2-(N,N-ジエチルチオ・カルバイルチオ)ベンゾチアゾール、2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2-(4′-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4-モルホニリル-2-ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3-ビス(2-ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリアなどが挙げられるが、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛が好ましい。架橋促進剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋促進剤の含有量は、重合体ラテックス中の重合体100重量部に対して、好ましくは0.1~5重量部であり、より好ましくは0.2~4重量部である。架橋促進剤の含有量を上記範囲とすることにより、得られるフォームラバーの強度をより高めることができる。
さらに、本発明で用いる重合体ラテックスは、酸化亜鉛を含有することが好ましい。
酸化亜鉛の含有量は、特に限定されないが、重合体ラテックス中の重合体100重量部に対して、好ましくは0.5~10重量部、より好ましくは0.5~8重量部である。酸化亜鉛の含有量を上記範囲とすることにより、乳化安定性を良好なものとしながら、得られるフォームラバーの強度をより高めることができる。
本発明で用いる重合体ラテックスには、さらに、老化防止剤、着色剤、気泡安定剤等、また上記の各種配合剤をラテックスに安定して分散させるための分散剤(たとえば、NASF(ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)等)、増粘剤(たとえば、ポリアクリル酸及びそのナトリウム塩、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール等)、起泡剤としての界面活性剤(たとえば、オレイン酸カリウム等の脂肪族アルカリ石けん、ドデシル硫酸ナトリウム等の高級アルコールの硫酸塩等)を、必要に応じて配合することができる。
重合体ラテックスに各種配合剤を混合する方法としては、特に限定されないが、たとえば、上述したようにして重合体ラテックスを得た後、ボールミル、ニーダー、ディスパー等の分散機を用いて、重合体ラテックスに、必要に応じて配合される各種配合剤を混合する方法や、上記の分散機を用いて、重合体ラテックス以外の配合成分の水性分散液を調製した後、該水性分散液を、重合体ラテックスに混合する方法などが挙げられる。また、重合体ラテックスを発泡させる前に、重合体ラテックスに、架橋剤を添加してもよいし、重合体ラテックスを発泡させた後、発泡させた重合体ラテックスに、架橋剤を添加してもよい。
<フォームラバー>
本発明の製造方法においては、上述した重合体ラテックスを所望の発泡倍率で発泡および凝固させることにより、フォームラバーを得ることができる。発泡には通常空気が用いられるが、炭酸アンモニウム、重炭酸ソーダ等の炭酸塩;アゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド等のガス発生物質を使用することもできる。空気を用いる場合には、重合体ラテックスを撹拌し、空気を巻き込むことで泡立てることができる。この際、たとえば、オークス発泡機、超音波発泡機等を用いることができる。
重合体ラテックスを発泡させた後、発泡状態を固定化するために、発泡させた重合体ラテックスを、凝固させる。凝固方法は、ラテックスをゲル化し、固化させることができる方法であればよく、従来公知の方法を用いることができるが、たとえば、ヘキサフルオロ珪酸ナトリウム(珪フッ化ナトリウム)、ヘキサフルオロ珪酸カリウム(珪フッ化カリウム)、チタン珪フッ化ソーダ等のフッ化珪素化合物などの常温凝固剤を、発泡させた重合体ラテックスに添加するダンロップ法(常温凝固法);オルガノポリシロキサン、ポリビニルメチルエーテル、硫酸亜鉛アンモニウム錯塩などの感熱凝固剤を、発泡させた重合体ラテックスに添加する感熱凝固法;冷凍凝固法等が使用される。常温凝固剤、感熱凝固剤などの凝固剤の使用量は、特に限定されないが、重合体ラテックス中の重合体100重量部に対して、好ましくは0.2~10重量部、より好ましくは0.5~8重量部である。
そして、発泡させた重合体ラテックスについて、凝固剤を添加した後、所望の形状の型に移し、凝固を行うことで、フォームラバーを得ることができる。重合体ラテックスに架橋剤が配合されている場合には、凝固を行った後に、加熱を行い架橋させることが好ましい。架橋の条件は、好ましくは100~160℃の温度で、好ましくは15~60分の加熱処理を施す条件とすることができる。
得られたフォームラバーについては、型から取り出した後、洗浄することが好ましい。洗浄の方法としては、特に限定されないが、たとえば、洗濯機等を用い、20~70℃程度の水で、5~15分程度撹拌して洗浄する方法が挙げられる。洗浄後、水切りをし、フォームラバーの風合いを損なわないように30~90℃程度の温度で乾燥することが好ましい。このようにして得られたフォームラバーは、たとえば、所定の厚さにスライスし、所定形状に切断した後、側面を回転砥石等で研磨することによって、パフ(化粧用スポンジ)等として用いることができる。
本発明の製造方法においては、以上のようにしてフォームラバーを得ることができる。本発明の製造方法により得られるフォームラバーは、上述した本発明の重合体ラテックスを用いて得られるものであるため、発泡状態が良好であり、しかも弾力性および耐久性に優れたものとなることから、マットレス、パフ(化粧用スポンジ)、ロール、衝撃吸収剤等の各種用途に好適に用いることができる。特に、本発明の製造方法により得られるフォームラバーは、水分に対する耐久性に優れるため、水性化粧料などを含侵させるパフ(化粧用スポンジ)として好適に用いることができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限られるものではない。以下において、特記しない限り、「部」は重量基準である。物性および特性の試験または評価方法は以下のとおりである。
重合体ラテックスの固形分濃度
アルミ皿(重量:X1)に試料2gを精秤し(重量:X2)、これを105℃の熱風乾燥器内で2時間乾燥させた。次いで、デシケーター内で冷却した後、アルミ皿ごと重量を測定し(重量:X3)、下記の計算式にしたがって、固形分濃度を算出した。
固形分濃度(重量%)=(X3-X1)×100/X2
体積基準の粒子径分布
光散乱回折粒径測定装置(型式「LS-13320」、ベックマンコールター社製)を用いて、重合体ラテックスの体積基準の粒子径分布を測定した。得られた体積基準の粒子径分布に基づき、体積累積粒径d10、体積累積粒径d50および体積累積粒径d90を求めた。また、体積基準の粒子径分布の最も小径側のピークにおける粒子径d1st、およびピーク高さh1stを求めた。さらに、体積基準の粒子径分布の小径側から数えて2つ目のピークにおける粒子径d2nd、およびピーク高さh2ndを求めた。そして、求めたピーク高さh1stおよびピーク高さh2ndに基づいて、ピーク高さの比(h2nd/h1st)を算出した。
重合体ラテックスの粘度(固形分濃度66.0重量%)
重合体ラテックスについて、固形分濃度を66.0重量%に調整し、温度25℃の条件にて、B型粘度計を使用して回転速度60rpmにて測定することにより、B型粘度を測定した。
重合体ラテックスのハンドリング性
重合体ラテックスを、200メッシュの金網により濾過し、濾過時の様子を観察して、以下の基準でハンドリング性(ラテックスの移送や、添加剤の配合時における取り扱い性)を評価した。
1:重合体ラテックスの粘度が非常に高く、濾過することが困難であった。
2:重合体ラテックスの粘度が高く、濾過の流速が低くなってしまった。
3:容易に濾過することができた。
発泡状態
ラテックス組成物の発泡を開始してから1分後の時点における、発泡したラテックス組成物の密度を測定し、測定した密度から発泡したラテックス組成物の体積(V)を求め、発泡を行う前のラテックス組成物の体積(V)に対する体積膨張率(V/V×100)を算出して、以下の基準によりラテックス組成物の発泡状態を評価した。以下の基準においては、体積膨張率が適切な範囲となっていることにより、そのラテックス組成物は、発泡速度が適度なものであり、発泡の制御をより容易に行うことができるものであると判断した。
1:体積膨張率が1,000%超であり、ラテックス組成物の発泡が速すぎて発泡の制御が困難であった。
2:体積膨張率が110~1,000%の範囲であり、ラテックス組成物の発泡の制御が容易であった。
フォームラバーの外観
フォームラバーについて、外観を目視で観察し、以下の基準で評価した。
1:気泡の直径および密度が不均一であった。
2:直径0.3mm以上の大きな気泡が多数存在した。
3:気泡の直径および密度が均一であり、直径0.3mm以上の大きな気泡がほとんど確認されなかった。
フォームラバーの体積膨潤率(線膨張度)
厚みが0.8cmの板状フォームラバーを、直径約38mmの円形に打ち抜いて試験片を得た。得られた試験片を、23℃の水道水に48時間浸漬させ、下記式により体積膨潤率(線膨張度)(%)を求めた。
線膨張度(%)=〔(L´-L)/L〕×100
(L:浸漬前の直径、L´:浸漬後の直径)
線膨張度が低いほど、水分に対する耐久性に優れているものと判断した。
フォームラバーのヤング率
フォームラバーを、30mm×30mmの形状に裁断することで、測定用サンプルを得た。そして、測定用サンプルに対し、柔さ計測システム(型式「SOFTMEASURE HG1003-SL」、堀内電機製作所社製)を用いて、ヤング率の測定を行った。具体的には、測定用サンプルに対して、柔さ計測システムに設けられた吸引台の複数の吸引孔に対応する部分に、樹脂テープを貼り付け、測定用サンプルを樹脂テープを介して吸引台上に載置し、測定用サンプルを吸引しながら、下記条件にて、測定用サンプルの表面から、球状圧子を押し込むことで測定を行った。測定は、各実施例および各比較例につき、それぞれ3つの測定サンプルを用意し、測定結果の平均値を各実施例および比較例のヤング率とした。
球状圧子:直径10mmのSUS製の球状圧子
押込速度:0.5mm/s
実施例1
重合体ラテックスの製造
耐圧反応容器に、水200部、オレイン酸カリウム1.5部、アクリロニトリル38部、t-ドデシルメルカプタン0.5部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.03部、硫酸第一鉄0.003部、エチレンジアミン四酢酸・ナトリウム0.008部を添加し、十分に脱気した後、1,3-ブタジエン45部およびイソプレン17部を添加した。
次いで、重合開始剤としてクメンハイドロパーオキサイド0.05部を添加して、反応温度5℃で乳化重合を開始した。重合転化率が95%に達した時点で、ジエチルヒドロキシアミン0.25部および水5部からなる重合停止剤溶液を添加して重合反応を停止させて乳化液を得た。
その後、得られた乳化液から未反応単量体を除去した後、消泡剤としての鉱油を基剤とする変性炭化水素油(商品名「DF714S」、星光PMC社製)0.01部を添加した。次いで、乳化液に溶剤としての1,3-ブタジエンを80部添加し、系内の温度を15℃にして、パドル型撹拌翼を用いて、回転速度1,000rpm、撹拌時間5時間の条件にて強撹拌することで、粒径肥大化処理を行った。次いで、1,3-ブタジエンを除去した後、50.0kPaの減圧条件下で、70℃にて濃縮処理を行い、固形分濃度66.4重量%の重合体ラテックスを得た。そして、得られた重合体ラテックスについて、上記方法にしたがって、体積基準の粒子径分布、重合体ラテックスの粘度(固形分濃度66.0重量%)、および重合体ラテックスのハンドリング性の各評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた重合体ラテックス中における消泡剤の含有量は、重合体ラテックスの製造に用いた消泡剤の使用量とほぼ同一であったため、表1においては、消泡剤の含有割合として、重合体ラテックスを製造する際に使用した消泡剤の使用量を記載した(後述する実施例2,3および比較例1~5も同様)。
重合体ラテックス組成物の調製
重合体ラテックス中の重合体100部に対して、加硫系水分散液(コロイド硫黄/ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤ノクセラーEZ(大内新興化学工業社製)/チアゾール系加硫促進剤ノクセラーMZ(大内新興化学工業社製)=2/1/1(重量比)、固形分濃度50%)4部、酸化亜鉛水分散液(固形分濃度50%)3部、気泡安定剤(トリメンベース:CromptonCorp製)1部を添加し、十分に分散させることで、重合体ラテックス組成物を得た。
フォームラバーの製造
重合体ラテックス組成物を、スタンドミキサー(型式「ESM945」、エレクトロラックス社製)を用いて撹拌し、体積で5倍程度になるよう発泡させた後、珪フッ化ナトリウム水分散液(固形分濃度20%)3.0部を添加し、さらに1分間撹拌することで、発泡物を得た。この際において、上記方法にしたがって、ラテックス組成物の発泡状態を評価した。結果を表1に示す。
次いで、得られた発泡物を、成型用型枠(直径7cm、高さ8cm)に流し入れ、凝固した後、110℃で1時間加熱することで加硫し、その後、型枠から取り出して40℃の水で10分間水洗し、さらに60℃のオーブンで4時間乾燥し、高さ方向に厚みが0.8cmとなるように切断することで、円板状のフォームラバーを得た。そして、得られたフォームラバーについて、上記方法にしたがって、フォームラバーの外観、フォームラバーの体積膨潤率、およびフォームラバーのヤング率の各評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2
消泡剤の使用量を0.01部から0.02部に、粒径肥大化処理の条件を、回転速度1,200rpm、撹拌時間4.8時間に、それぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして重合体ラテックスおよびフォームラバーを製造し、同様に重合体ラテックスおよびフォームラバーの評価を行った。なお、実施例2においては、濃縮処理後の重合体ラテックスの固形分濃度は66.1重量%であった。結果を表1に示す。
実施例3
消泡剤の使用量を0.01部から0.1部に、粒径肥大化処理の条件を、回転速度900rpm、撹拌時間4.5時間に、それぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして重合体ラテックスおよびフォームラバーを製造し、同様に重合体ラテックスおよびフォームラバーの評価を行った。なお、実施例3においては、濃縮処理後の重合体ラテックスの固形分濃度は66.0重量%であった。結果を表1に示す。
比較例1
粒径肥大化処理の条件を、回転速度800rpm、撹拌時間0.4時間に、それぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして重合体ラテックスおよびフォームラバーを製造し、同様に重合体ラテックスおよびフォームラバーの評価を行った。なお、比較例1においては、濃縮処理後の重合体ラテックスの固形分濃度は55.0重量%であった。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1の重合体ラテックスを固形分濃度が55.0%となるように希釈し、希釈した重合体ラテックスを用いて、実施例1と同様にしてフォームラバーを製造した。そして、希釈した重合体ラテックスおよびフォームラバーについて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1の重合体ラテックスに対して、実施例1における粒径肥大化処理前の重合体ラテックスを10重量%の濃度となるように混合して混合重合体ラテックスを得た。次いで、得られた混合重合体ラテックスを用いて、実施例1と同様にしてフォームラバーを製造した。そして、混合重合体ラテックスおよびフォームラバーについて、実施例1と同様に評価を行った。なお、比較例3においては、混合重合体ラテックスの固形分濃度は66.2重量%であった。結果を表1に示す。
比較例4
消泡剤の使用量を0.02部から0.1部に変更した以外は実施例2と同様に製造した重合体ラテックスに対して、実施例2における粒径肥大化処理前の重合体ラテックスを10重量%の濃度となるように混合して混合重合体ラテックスを得た。次いで、得られた混合重合体ラテックスを用いて、実施例1と同様にしてフォームラバーを製造した。そして、混合重合体ラテックスおよびフォームラバーについて、実施例1と同様に評価を行った。なお、比較例4においては、混合重合体ラテックスの固形分濃度は66.0重量%であった。結果を表1に示す。
比較例5
実施例2の重合体ラテックスに対して、さらに消泡剤を0.99部添加し、消泡剤を添加後の重合体ラテックスを用いて、実施例1と同様にしてフォームラバーを製造した。そして、消泡剤を添加後の重合体ラテックス、およびフォームラバーについて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007156283000001
表1に示すように、固形分濃度を60.0重量%以上、体積累積粒径d10を140nm超、重合体100重量部に対する消泡剤の含有割合を0.001~1.0重量部にそれぞれ制御した重合体ラテックスは、発泡速度が適度なものであり、発泡の制御を容易に行うことができるとともに、ハンドリング性にも優れ、しかも、このような重合体ラテックスを用いて得られたフォームラバーは、外観が良好であり、水に対する体積膨潤率が低いことから耐久性に優れ、さらにヤング率が高いことから弾力性にも優れるものであった(実施例1~3)。
一方、固形分濃度が低すぎる重合体ラテックスは、発泡速度が高すぎるため発泡の制御が困難であり、しかも、この重合体ラテックスを用いて得られたフォームラバーは、気泡の直径および密度が不均一なものとなって外観に劣るものであり、ヤング率が低いことから弾力性にも劣るものであった(比較例1,2)。
また、体積累積粒径d10が小さすぎる重合体ラテックスは、ハンドリング性に劣り、しかも、このような重合体ラテックスを用いて得られたフォームラバーは、水に対する体積膨潤率が高いことから耐久性にも劣るものであった(比較例1,3,4)。
さらに、消泡剤の含有割合が多すぎる重合体ラテックスを用いて得られたフォームラバーは、大きな気泡が多数存在して外観に劣るものであり、しかもヤング率が低いことから弾力性にも劣るものであった(比較例5)。

Claims (6)

  1. 重合体ラテックスを発泡させることで、フォームラバーを製造する方法であって、
    前記重合体ラテックスを構成する重合体を構成する単量体を乳化重合することにより得られた乳化液に対して、粒径肥大化処理を行う工程と、
    粒径肥大化処理を行った前記乳化液に対して、濃縮処理を行う工程と、を備え、
    前記重合体ラテックスとして、固形分濃度が60.0重量%以上、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d10が140nm超であり、前記重合体ラテックス中の重合体100重量部に対する消泡剤の含有割合が0.001~1.0重量部であるものを用い
    前記重合体ラテックスを構成する重合体が、共役ジエン単量体と、エチレン性不飽和ニトリル単量体とを共重合してなるニトリル基含有共役ジエン系共重合体であるフォームラバーの製造方法。
  2. 前記重合体ラテックスは、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d50が400nm以上である請求項1に記載のフォームラバーの製造方法。
  3. 前記重合体ラテックスは、体積基準の粒子径分布における体積累積粒径d90が1,000nm以上である請求項1または2に記載のフォームラバーの製造方法。
  4. 前記重合体ラテックスは、体積基準の粒子径分布において、2つ以上の極大点を有する請求項1~3のいずれかに記載のフォームラバーの製造方法。
  5. 前記重合体ラテックスは、体積基準の粒子径分布における最も小径側のピークの高さh1stに対する、前記粒子径分布における小径側から数えて2つ目のピークの高さh2ndの比(h2nd/h1st)が、1.8以上である請求項4に記載のフォームラバーの製造方法。
  6. 前記重合体ラテックスを構成する重合体がニトリル基含有共役ジエン系共重合体である請求項1~5のいずれかに記載のフォームラバーの製造方法。
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