JP7282612B2 - 制御装置及びモータ装置 - Google Patents
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制御部を効率よく放熱させるためには部品を追加する必要があり、制御部の製造コストが増大するとともに、制御部の組み立てが煩わしくなるという課題もあった。
図1は、モータ装置2を備えた電動ポンプ1の側面図であり、制御装置5を断面としている。
電動ポンプ1は、例えば図示しない自動車に搭載されているミッション等の油圧装置にオイルを供給するためのものである。
図1に示すように、電動ポンプ1は、オイルOが貯留されているオイルタンクTの内部に配置されている。電動ポンプ1は、モータ装置2と、モータ装置2と一体化され、モータ装置2によって駆動されるポンプ部3と、を備えている。
モータ装置2は、モータ部4と、モータ部4と一体的に設けられモータ部4を駆動させるための制御装置5と、を備えている。モータ部4は、いわゆる3相(U相、V相、W相)のブラシレスモータである。モータ部4は、有底筒状のモータケース6と、モータケース6の内部に収納されたステータ、及びステータに対して回転自在に支持されたロータ(いずれも図示しない)と、を備えている。
なお、以下の説明では、回転軸線C方向を単に軸方向と称し、ロータの回転方向を周方向と称し、軸方向及び周方向に直交する方向を径方向と称する。また、以下の説明では、オイルタンクTに電動ポンプ1を配置した向きで水平方向と平行で、かつ軸方向と直交する方向をX方向と表現し、上下方向と一致する方向をY方向と表現する場合がある。
ポンプ部3は、モータケース6の底部6aに取り付けられている。ポンプ部3は、モータ部4の図示しないロータに接続されている。このロータが回転することにより、ポンプ部3が駆動される。ポンプ部3が駆動されることにより、オイルタンクTに貯留されたオイルOが圧送され、さらにミッション等の油圧装置にオイルOが供給される。
制御装置5は、モータケース6のポンプ部3とは反対側の図示しない開口部に一体成形された制御ケース7と、制御ケース7内に収納されたホルダユニット10と、制御ケース7内に収納され、ホルダユニット10に支持された回路基板9と、を備えている。ポンプ部3、モータ部4、及び制御装置5は、軸方向に並んで配置されている。
ケース本体11の外側面には、コネクタ23が設けられている。コネクタ23には、図示しない外部電源が接続される。また、ケース本体11に、ホルダユニット10が収納される。ケース本体11は、軸方向からみてその外形状がモータケース6の外形状よりも大きい。ケース本体11の底部11aは、モータケース6の開口部に対応する大部分が開口されている。これによりケース本体11の内部とモータケース6の内部とが連通されている。
カバー12は、ボルト13によってケース本体11に締結固定されている。
図2は、ホルダユニット10の斜視図である。図3は、ホルダユニット10及び回路基板9を一方向からみた分解斜視図である。図4は、ホルダユニット10及び回路基板9を他方向からみた分解斜視図である。なお、図4では、樹脂ホルダ8と金属ホルダプレート70とが一体化された状態で示している。
図2から図4に示すように、ホルダユニット10は、樹脂ホルダ8と、樹脂ホルダ8に埋設されている金属ホルダプレート70、複数の信号端子71、及び複数の電源端子72と、を備えている。
樹脂ホルダ8は、樹脂により軸方向からみて略長方形で、かつX-Y平面に沿って延びる板状に形成された樹脂製のものである。換言すれば、樹脂ホルダ8の板厚方向(樹脂ホルダ8の法線方向)は軸方向と一致している。樹脂ホルダ8のほぼ四隅には、取付座27が一体成形されている。取付座27は、樹脂ホルダ8に回路基板9を締結固定するためのものである。取付座27は、軸方向に沿う略円柱状に形成されている。取付座27のモータ部4側に、ボルト21(図1参照)が螺合される雌ネジ部28が刻設されている。この雌ネジ部28が形成されている側に、回路基板9が樹脂ホルダ8と軸方向で重なるように配置される。
スイッチング素子配置部73は、回路基板9に実装された後述のスイッチング素子16が配置される箇所である。スイッチング素子配置部73には、端子配置部75寄りに、X方向に長い略長方形状の第1開口部76が形成されている。スイッチング素子配置部73における端子配置部75とは反対側には、軸方向からみて略三角状の第2開口部77が形成されている。
金属ホルダプレート70は、樹脂ホルダ8の形状に対応するように軸方向からみて略長方形で、かつX-Y平面に沿って延びる金属板である。換言すれば、金属ホルダプレート70の板厚方向(金属ホルダプレート70の法線方向)は軸方向と一致している。金属ホルダプレート70は、樹脂ホルダ8の板厚方向(軸方向)の略中央に大部分が埋設されている。金属ホルダプレート70の軸方向からみた大きさは、金属ホルダプレート70の外周部が樹脂ホルダ8の外周部からX-Y平面方向に沿って若干突出される大きさである。この樹脂ホルダ8の外周部から突出される金属ホルダプレート70の外周部91には、ほぼ四隅に、取付部92が一体成形されている。取付部92には、ボルト34が挿通されるボルト挿通孔92aが板厚方向に貫通形成されている。取付部92に挿通されるボルト34は、制御ケース7のケース本体11に締結される。これにより、ボルト34によって、ケース本体11にホルダユニット10が締結固定される。
端子配置開口部95には、金属ホルダプレート70に接触しないように複数の信号端子71、及び複数の電源端子72が配置される。
複数の電源端子72は、金属ホルダプレート70の端子配置開口部95のうち、X方向略中央よりも若干スイッチング素子配置部93寄りに配置されている。複数の電源端子72は、回路基板9に接続されるとともに、図示しないターミナルを介してモータ部4と電気的に接続される。モータ部4は3相(U相、V相、W相)構造であるので、電源端子72の本数は3本である。しかしながら、これに限られるものではなく、モータ部4の仕様に応じて電源端子72の本数は変更できる。
3本の電源端子72は、X-Y平面に沿って並んで配置されている。3本の電源端子72の基本的構成は同一であるので、以下の説明では、3本のうち1本の電源端子72のみについて説明し、必要に応じて他の2本の電源端子72について説明する。
第1中間部42は、端子配置開口部95において基板接続端部41からスイッチング素子配置部93に向かって、かつY方向に沿って延出されている。
第2中間部43は、端子配置開口部95において第1中間部42からX方向中央(コンデンサ配置部94側)に向かって、かつX方向に沿って延出されている。
第3中間部44は、端子配置開口部95において第2中間部43から枠体98に向かって、かつX-Y平面に沿って延出されている。
ターミナル接続端部45は、第3中間部44から回路基板9とは反対側(図3における上側)に向かって、かつ軸方向に沿って延出されている。
図3、図5に示すように、複数の信号端子71は、金属ホルダプレート70の端子配置開口部95のうち、X方向略中央よりもコンデンサ配置部94寄りに配置されている。複数の信号端子71は、モータ装置2に設けられている図示しない回転角度検出センサ等の検出信号を図示しない外部機器に出力したり、この外部機器からの制御信号をモータ装置2に入力したりするための端子である。信号端子71の本数は、4本である。しかしながら、これに限られるものではなく、モータ装置2に設けられたセンサ等の仕様に応じて信号端子71の本数は変更できる。
4本の信号端子71は、X-Y平面に沿って並んで配置されている。4本の信号端子71の基本的構成は同一であるので、以下の説明では、4本のうち1本の信号端子71のみについて説明し、必要に応じて他の3本の信号端子71について説明する。
第1中間部52は、基板接続端部51から枠体98を跨るように、かつY方向に沿って延出されている。
第2中間部53は、第1中間部42から回路基板9側に向かって、かつ軸方向に沿って延出されている。
第3中間部54は、第2中間部53から電源端子72側に向かって、かつX方向に沿って延出されている。
第4中間部55は、第3中間部54から回路基板9側に向かって、かつ軸方向に沿って延出されている。
コネクタ接続端部56は、第4中間部55から金属ホルダプレート70とは反対側に向かって、かつY方向に沿って延出されている。
また、各信号端子71の第2中間部53は、電源端子72から離間するに従って軸方向の長さが長くなるように形成されている。これにより、各第3中間部54が軸方向に並ぶのを可能としている。
図3、図4に示すように、電源端子72の基板接続端部41は、樹脂ホルダ8の一面8aから突出されている。また、電源端子72の基板接続端部41、及びこの基板接続端部41と第1中間部42との接続部は、樹脂ホルダ8の第1電源端子用開口部83を介して露出されている。電源端子72における第2中間部43の長手方向略中央は、樹脂ホルダ8の第2電源端子用開口部84を介して露出されている。電源端子72のターミナル接続端部45は、第3電源端子用開口部85を介して露出されている。
図3、図4に示すように、回路基板9は、樹脂ホルダ8及び金属ホルダプレート70の形状に対応するように軸方向からみて略長方形で、かつX-Y平面に沿って延びている。換言すれば、回路基板9の板厚方向(回路基板9の法線方向)は軸方向と一致している。また、軸方向からみた回路基板9の大きさは、軸方向からみた樹脂ホルダ8の大きさとほぼ同一である。回路基板9のほぼ四隅には、樹脂ホルダ8の取付座27に対応する位置に、貫通孔22が形成されている。
回路基板9のスイッチング素子配置部93には、樹脂ホルダ8とは反対側の第1面9aに、FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子(請求項における発熱素子に相当)16が複数(本実施形態では6個)実装されている。複数のスイッチング素子16は、X方向に3個並び、Y方向に2個並ぶように配置されている。
また、回路基板9のコンデンサ配置部62には、樹脂ホルダ8のコンデンサ収納凹部24に立設されている取付座25に対応する位置に、貫通孔63が形成されている。複数のコンデンサ18やチョークコイル19は、貫通孔63(取付座25)の周囲を取り囲むように、回路基板9に実装されている。
まず、樹脂ホルダ8の取付座27及び取付座25上に回路基板9を配置し、回路基板9の四隅に形成された貫通孔22に、ボルト21を挿入するとともに、回路基板9のコンデンサ配置部62に形成された貫通孔63にボルト21を挿入する。
次に、各ボルト21を取付座27に形成されている雌ネジ部28に螺合させるとともに、取付座25の雌ネジ部26に螺合させる。これにより、各取付座25,27に回路基板9が締結固定され、樹脂ホルダ8への回路基板9の取り付けが完了する。
また、コンデンサ18は、樹脂ホルダ8に回路基板9を締結固定した状態で、樹脂ホルダ8のコンデンサ収納凹部24に収納される。また、回路基板9に、電源端子72の基板接続端部41が接続されるとともに、信号端子71の基板接続端部51が接続される。
この状態では、第3電源端子用開口部85に、図示しないターミナルの端子が挿入される。この挿入された端子とターミナル接続端部45とが重ね合わさって接合される。これにより、図示しないターミナルを介し、複数の電源端子72とモータ部4とが電気的に接続される。
また、ホルダユニット10に設けられた信号端子71のコネクタ接続端部56は、コネクタ23側を向いている。そして、コネクタ23にコネクタ接続端部56が接続される。
次に、制御装置5の作用について説明する。
制御装置5を駆動させると、スイッチング素子16、コンデンサ18、チョークコイル19等が発熱される。ここで、回路基板9の第2面9bで、かつスイッチング素子16に対応する位置には、金属ホルダプレート70の接触部96bが放熱性接着剤層88を介して接触される。このため、スイッチング素子16による熱は金属ホルダプレート70へと伝達される。放熱性接着剤層88は絶縁性を有する部材であるので、例えば回路基板9のレジストを剥がした場合であっても金属ホルダプレート70(接触部96b)と回路基板9とが短絡してしまうことが防止される。
また、放熱性接着剤層88は絶縁性を有する部材であるので、例えば回路基板9のレジストを剥がした場合であっても金属ホルダプレート70(接触部96b)と回路基板9とが短絡してしまうことを防止できる。
また、ケース本体11に熱伝達率の高い金属製の金属ホルダプレート70を固定することにより、ホルダユニット10で発生した熱をケース本体11に伝達しやすくできる。
例えば、上述の実施形態では、電動ポンプ1は、例えば図示しない自動車に搭載されているミッション等の油圧装置にオイルを供給するためのものである場合について説明した。しかしながら、電動ポンプ1は自動車用に限られるものではなく、さまざまな油圧装置にオイルを供給するためのものとして使用することが可能である。
さらに、上述の実施形態では、金属ホルダプレート70の素子接触片96(接触部96b)と回路基板9とを、絶縁性を有する放熱性接着剤層88を介して接触させている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、放熱性接着剤層88に代わって絶縁性を有するさまざまな熱伝達部材を利用することができる。例えば、絶縁性を有する熱伝達シート等でもよい。
Claims (6)
- 樹脂製で板状の樹脂ホルダと、
前記樹脂ホルダに少なくとも一部が埋設され、前記樹脂ホルダから露出される露出部を有する金属製の金属ホルダプレートと、
前記樹脂ホルダの一面に固定され、発熱素子が実装された回路基板と、
前記露出部と前記回路基板の前記発熱素子が配置されている箇所との間に設けられ、前記露出部と前記回路基板の前記発熱素子が配置されている箇所とに接する絶縁性を有する熱伝達部材と、
前記樹脂ホルダに少なくとも一部が埋設され、外部機器が接続される複数の端子と、
を備え、
前記金属ホルダプレートは、前記複数の端子との接触を回避するための端子配置開口部を有し、
前記端子は、第1端部が前記端子配置開口部に挿通され、前記第1端部とは反対側端の第2端部が前記金属ホルダプレートの面方向の外側に位置するように屈曲形成されており、
前記端子は、
前記金属ホルダプレートの法線方向に沿って延出された前記第1端部と、
前記第1端部の一端から前記金属ホルダプレートの前記面方向に沿って、かつ前記金属ホルダプレートの前記面方向の外側に突出するように屈曲延出された第1中間部と、
前記第1中間部の前記第1端部とは反対側端から前記法線方向に沿って、かつ前記第1端部の突出方向と同一方向に屈曲延出された第2中間部と、
前記第2中間部の前記第1中間部とは反対側端から前記第1中間部の延出方向及び前記第2中間部の延出方向と交差する方向に屈曲延出された第3中間部と、
前記第3中間部の前記第2中間部とは反対側端から前記法線方向に沿って、かつ前記第1端部の突出方向と同一方向に屈曲延出された第4中間部と、
前記第4中間部の前記第3中間部とは反対側端から前記面方向に沿って延出された前記第2端部と、
を有することを特徴とする制御装置。 - 請求項1に記載の制御装置において、
前記発熱素子はコンデンサを有し、
前記樹脂ホルダは、前記コンデンサとの接触を回避するための逃げ部を有することを特徴とする制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の制御装置において、
前記金属ホルダプレートは、肉抜き開口部を有する
ことを特徴とする制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記複数の端子は、
前記金属ホルダプレートの一辺に沿う一方向に前記第1端部、前記第1中間部、前記第2中間部、前記第4中間部、及び前記第2端部が並んで配置されており、
前記法線方向に沿って前記第3中間部が並んで配置されていることを特徴とする制御装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記複数の端子が接続され前記外部機器であるモータ部と、を備え、
前記制御装置は、前記モータ部に前記制御装置を取り付けるための取付部を有することを特徴とするモータ装置。 - 前記金属ホルダプレートは、前記取付部を有する
ことを特徴とする請求項5に記載のモータ装置。
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