JP7281967B2 - 焼成色鉛筆芯 - Google Patents

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Description

本発明は、焼成色鉛筆芯に関する。更に詳細には、発色性に優れ、書き味が滑らかで、保存安定性に優れる、染料を含むインキが気孔中に含浸されてなる焼成色鉛筆芯に関するものである。
従来から、色鉛筆芯には種々のものが知られている。例えば、窒化ホウ素などの体質材と粘土などの結合材を主成分として有機高分子化合物などを加えた混練物を押出成型した後、高温で焼成し得られた白色芯体の気孔中に染料を含むインキを含浸させて色鉛筆芯とする方法がとられている(例えば、特許文献1~4参照)。
しかしながら、前述した色鉛筆芯は、発色濃度を向上するために、気孔率を高くして含浸するインキの量を増やすと、強度が低下したり、染料の量を多くすると、含浸するインキに用いる溶剤に十分溶解しなかったり、経時後に、溶剤が揮発したり、色目が変化したりするおそれがあった。
また、前述した色鉛筆芯をシャープペンシルやホルダーなどに使用した場合に、染料と溶剤の組み合わせによっては、経時後に、溶剤がシャープペンシルやホルダーなどの部品を腐食するおそれがあった。
特開昭51-63744号公報 特開昭61-23667号公報 実開昭61-142835号公報 特開平07-041723号公報
本発明は、書き味が滑らかで、筆跡の発色性に優れ、焼成色鉛筆芯の経時変化および焼成色鉛筆芯の筆跡の経時変化が少なく、保存安定性に優れた焼成色鉛筆芯を提供するものである。
本発明は、特定の界面活性剤と、特定のグリコールエーテルと、染料とを含むインキを焼成芯体の気孔中に含浸し、焼成色鉛筆芯とすることなどにより、前記課題が解決された。
すなわち、本発明は、
「1.体質材と無機系結合材とを含む焼成芯体の気孔中に、ポリオキシエチレン系界面活性剤と、沸点が160℃以上のグリコールエーテルと、染料とを含むインキを含浸したことを特徴とする、焼成色鉛筆芯。
2.前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン多環フェニル系界面活性剤であることを特徴とする、前記1項に記載の焼成色鉛筆芯。
3.前記界面活性剤のHLB値が15以下であることを特徴とする、前記1項または2項に記載の焼成色鉛筆芯。」に関する。
本発明によれば、焼成芯体の気孔中に、ポリオキシエチレン系界面活性剤と沸点が160℃以上のグリコールエーテルと染料とを含むインキを含浸したことにより、書き味が滑らかで、筆跡の発色性が優れた焼成色鉛筆芯となった。さらに、含浸したインキが揮発することもなく、経時後にインキの色目や物性などが変化することなく、保存安定性に優れるなど、焼成色鉛筆芯としての優れた効果を奏するものである。
本発明の焼成色鉛筆芯は、焼成芯体の気孔中に、特定の界面活性剤と特定のグリコールエーテルと染料とを含むインキを含浸させたことが、ひとつの特徴である。
本発明の焼成色鉛筆芯に用いる焼成芯体としては、体質材と無機系結合材を含んでなるが、体質材としては、酸化チタン、雲母、タルク、窒化ホウ素、アルミナ、炭酸カルシウムなど白色系のものや、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛など有色系のものなどが挙げられる。本発明においては、黒色系以外の色や蛍光色に発色する筆跡を得る場合には、白色系のものを用いるのが好ましい。特に、蛍光色の場合には、窒化ホウ素を用いると、体質材が蛍光発色を阻害せず、また、焼成色鉛筆芯の強度が高くなることから好ましい。
前記無機系結合材としては、カオリナイト系、ハロサイト系、モンモリロナイト系、セリサイト系、ベントナイト系などの粘土類、セラミックス類、ゼオライト、珪藻土、活性白土、シリカ、リン酸アルミニウム、シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどが挙げられ、これらを単独、あるいは組み合わせて用いることができる。
本発明による焼成色鉛筆芯は、焼成芯体の気孔中に、特定の界面活性剤と、特定のグリコールエーテルと、染料とを含むインキを含浸させてなるが、前記特定の界面活性剤としては、ポリオキシエチレン系界面活性剤である。ポリオキシエチレン系界面活性剤とすることで、分子中のエチレンオキサイド部分の働きにより、後述する染料の溶解性に優れ、さらに後述する沸点が160℃以上のグリコールエーテルとの相溶性に優れたインキとなるので、焼成色鉛筆芯の発色性が向上できる。
さらに、本発明による焼成色鉛筆芯をシャープペンシルに使用した場合には、金属材からなるシャープペンシルの先端開口部やチャック、芯収容筒などの部品を腐食することがない。
ポリオキシエチレン系界面活性剤としては、染料の溶解性に優れ、焼成芯体の気孔中への含浸性に優れ、さらに、焼成色鉛筆芯をシャープペンシルに使用した場合に、金属材からなるシャープペンシルの部品を腐食しづらいことを考慮すれば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテルを用いることが好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテルとしては、ポリオキシエチレンモノスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチレン化メチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルとしては、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化メチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルなどが挙げられる。
これらのポリオキシエチレン系界面活性剤は、1種または2種以上の混合物として使用してもよい。
ポリオキシエチレン系界面活性剤のうち、ポリオキシエチレン多環フェニル系界面活性剤は、特に、後述する染料の溶解性やインキとしての安定性に優れることから好ましく、さらに、焼成色鉛筆芯をシャープペンシルに使用した場合に、金属材からなるシャープペンシルの部品を腐食しづらくすることから好ましい。
本発明で用いるポリオキシエチレン多環フェニル系界面活性剤とは、分子骨格中にフェニル基を2つ以上有し、エチレンオキサイドが付加された構造を有するものであり、一般的に次式で表すことができる。また、フェニル基は置換基を有してもよい。
Figure 0007281967000001
(上式中、nは1以上である)
前記式中、Xは多環フェニル基である。
なお、ここでいう「多環フェニル基」とは、「単環芳香族炭化水素基(例えばフェニル基、フェニレン基等)を少なくとも2つ有する基」、又は「多環芳香族炭化水素基(具体的には、少なくとも2つのベンゼン環が縮合している基であり、例えば、ナフチル基、フェナントリル基等が挙げられる)を少なくとも1つ有する基」である。
前記式中の「多環フェニル基」は、例えば下記式(a)~(d)の構造を有する。
Figure 0007281967000002
Figure 0007281967000003
Figure 0007281967000004
Figure 0007281967000005
前記式(a)~(d)中、Rは、炭素数1~3の鎖状炭化水素基である。R、Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~3の鎖状炭化水素基、または式(e)で表される基である。R、Rは、独立して水素原子、炭素数1~3の鎖状炭化水素基である。xは、1~3の整数である。
Figure 0007281967000006
前記式(e)中、R、Rは、独立して水素原子または炭素数1~3の鎖状炭化水素基であり、yは1~3の整数である。
本発明で用いるポリオキシオキシアルキレン多環フェニルエーテルには、式(f)~(g)で表されるようなビスフェノール系の多環基が含まれていてもよい。
Figure 0007281967000007
Figure 0007281967000008
好ましいポリオキシエチレン多環フェニル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化メチルフェニルエーテルなどがあげられるが、後述する沸点が160℃以上のジグリコールエーテルと相溶しやすく、本発明の効果が得られやすいことを考慮すれば、次式で表す、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルが特に好ましく、より相溶しやすいフェニル基を有するジグリコールエーテルを用いることが好ましい。
Figure 0007281967000009
(上式中、R10、R11は置換または未置換スチレン基であり、nは1以上である)
前記ポリオキシエチレン多環フェニル系界面活性剤の具体的な例としては、ノイゲンEA-87、ノイゲンEA-137、ノイゲンEA-157、ノイゲンEA-167、ノイゲンEA-177、ノイゲンEA-197D、ノイゲンEA-207D(第一工業製薬株式会社)、エマルゲンA-60、エマルゲンA-90、エマルゲンA-500、エマルゲンB-66(花王株式会社)、ニューコール703、ニューコール704、ニューコール706、ニューコール707、ニューコール708、ニューコール709、ニューコール710、ニューコール711、ニューコール712、ニューコール714、ニューコール719、ニューコール723、ニューコール729、ニューコール733、ニューコール740、ニューコール747、ニューコール780、ニューコール610、ニューコール2604、ニューコール2607、ニューコール2609、ニューコール2614(日本乳化剤株式会社)などが挙げられる。
前記ポリオキシエチレン系界面活性剤のエチレンオキサイド平均付加モル数については、後述する沸点が160℃以上のグリコールエーテルとの相溶性や、染料の溶解性や安定性、ならびに焼成芯体へのインキの含浸性を考慮して、1~120が好ましく、特に、後述する沸点が160℃以上のジグリコールエーテルと相溶しやすく、本発明の効果が得られやすいことを考慮すれば、1~30モルがより好ましく、さらに、1~14モルが好ましい。
また、染料の溶解性や安定性、ならびに焼成芯体へのインキの含浸性を考慮して、常温で液体のポリオキシエチレン系界面活性剤が好ましい。
前記ポリオキシエチレン系界面活性剤のHLB値については、後述する染料の溶解性や安定性、沸点が160℃以上のグリコールエーテルとの相溶性を考慮して、HLB値19以下が好ましく、より考慮すれば、HLB値15以下がより好ましく、特に、HLB値12以下がより好ましい。
なお、本発明において、ポリオキシエチレン系界面活性剤のHLB値とは、グリフィン法から算出される値であり、下記式によって算出される。
HLB値=20×(親水基の質量%)=20×(親水基の式量の総和/界面活性剤の分子量)
本発明による焼成色鉛筆芯は、焼成芯体の気孔中に、特定の界面活性剤と、特定のグリコールエーテルと染料とを含むインキを含浸させてなるが、前記特定のグリコールエーテルとしては、沸点が160℃以上のグリコールエーテルである。沸点が160℃以上のグリコールエーテルとすることで、焼成芯体中にインキを含浸した際に、揮発することなく、焼成色鉛筆芯の発色性、書き味を落とすことなく、さらに、保存安定性も向上でき、より考慮すれば、沸点が250℃以上であることが好ましく、沸点が270℃以上であることがより好ましい。具体的には、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-3-メチルブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。経時的にインキが変化しないことから、ジグリコールエーテルが好ましく、後述する染料の溶解性やインキとしての安定性から、フェニル基を有するジグリコールエーテルが特に好ましい。具体的には、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。さらに、焼成色鉛筆芯の性能に影響を及ぼさない範囲で、沸点が160℃以下のグリコールエーテルを併用してもよい。
前記ポリオキシエチレン系界面活性剤と前記沸点が160℃以上のグリコールエーテルの配合比率としては、後述する一般染料を用いる場合には、19:1~1:4の範囲であることが好ましく、より好ましくは、9:1~2:3の範囲であり、さらに好ましくは、5:1~1:1の範囲である。ポリオキシエチレン系界面活性剤の配合比率がこの範囲より少ないと、焼成色鉛筆芯を高温環境下に長期間放置して当該焼成色鉛筆芯から前記グリコールエーテルが経時的に揮発した場合に、焼成色鉛筆芯の書き味が悪くなる傾向があり、この範囲より多いと、インキの粘度が上昇して、焼成芯体にインキが含浸され難くなり、焼成色鉛筆芯の発色性が劣る傾向がある。
また、後述する蛍光染料を用いる場合には、前記ポリオキシエチレン系界面活性剤と前記沸点が160℃以上のグリコールエーテルの配合比率としては、1:99~1:1の範囲であることが好ましい。ポリオキシエチレン系界面活性剤の配合比率がこの範囲より少ないと、インキへの蛍光染料の溶解性が低下して、焼成色鉛筆芯の発色性が劣る傾向があり、この範囲より多いと、インキの粘度が上昇して、焼成芯体にインキが含浸され難くなり、焼成色鉛筆芯の発色性が劣る傾向がある。
さらに好ましくは、5:99~2:3の範囲であり、さらに好ましくは、1:9~3:7の範囲である。この範囲にあると、インキへの蛍光染料の溶解性や、焼成芯体へのインキの含浸性が良好で、焼成色鉛筆芯の発色性が良好となる。
本発明に用いる染料としては、一般染料や蛍光染料が挙げられる。
一般染料は、前記ポリオキシエチレン系界面活性剤および沸点が160℃以上のグリコールエーテルに溶解し、発色性が高ければ、特に限定はないが、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料などや、それらの各種造塩タイプの染料等として、酸性染料と塩基性染料との造塩染料、塩基性染料と有機酸との造塩染料、酸性染料と有機アミンとの造塩染料などの種類が挙げられる。より具体的には、バリファーストブラック1802、バリファーストブラック1805、バリファーストブラック1807、バリファーストバイオレット1701、バリファーストバイオレット1704、バリファーストバイオレット1705、バリファーストブルー1601、バリファーストブルー1605、バリファーストブルー1613、バリファーストブルー1621、バリファーストブルー1631、バリファーストレッド1320、バリファーストレッド1355、バリファーストレッド1360、バリファーストイエロー1101、バリファーストイエロー1151、ニグロシンベースEXBP、ニグロシンベースEX、BASE OF BASIC DYES ROB-B、BASE OF BASIC DYES RO6G-B、BASE OF BASIC DYES VPB-B、BASE OF BASIC DYES VB-B、BASE OF BASIC DYES MVB-3(オリエント化学工業株式会社)、アイゼンスピロンブラック GMH-スペシャル、アイゼンスピロンバイオレット C-RH、アイゼンスピロンブルー GNH、アイゼンスピロンブルー 2BNH、アイゼンスピロンブルー C-RH、アイゼンスピロンレッド C-GH、アイゼンスピロンレッド C-BH、アイゼンスピロンイエロー C-GNH、アイゼンスピロンイエロー C-2GH、S.P.T.ブルー111、S.P.T.ブルーGLSH-スペシャル、S.P.T.レッド533、S.P.T.オレンジ6、S.B.N.バイオレット510、S.B.N.イエロー530、S.R.C-BH(保土谷化学工業株式会社)等が挙げられる。これらの染料は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
さらに、焼成色鉛筆芯の性能に影響を及ぼさない範囲で、筆跡の色を調整するなどのために、前記一般染料以外の染料を併用してもよい。
また、樹脂粒子を前記染料で染着した着色樹脂粒子などを用いてもよい。
本発明に用いる蛍光染料は、前記ポリオキシエチレン系界面活性剤および沸点が160℃以上のグリコールエーテルに溶解し、発色性が高ければ、特に限定はないが、具体的には、ベーシックイエロー1、同40、ベーシックレッド1、同1:1、同13、ベーシックバイオレット1、同7、同10、同11:1、ベーシックオレンジ22、ベーシックブルー7、ベーシックグリーン1、アシッドイエロー3、同7、アシッドレッド52、同77、同87、同92、アシッドブルー9、ディスパースイエロー121、同82、同83、ディスパースオレンジ11、ディスパースレッド58、ディスパースブルー7、ダイレクトイエロー85、ダイレクトオレンジ8、ダイレクトレッド9、ダイレクトブルー22、ダイレクトグリーン6、ソルベントイエロー44、ソルベントレッド49、ソルベントブルー5、ソルベントグリーン7などが挙げられる。特に、発色性、前記ポリオキシエチレン系界面活性剤およびグリコールエーテルへの溶解性、インキ安定性の観点から、前記蛍光染料の中でも、アゾメチン系、キサンテン系、トリフェニルメタン系の蛍光染料などが好ましく用いられる。
特に、アゾメチン系、キサンテン系、トリフェニルメタン系の蛍光染料との、溶解性、インキ安定性を考慮すれば、HLB値が15以下であるポリオキシエチレン系界面活性剤、沸点が160℃以上のジグリコールエーテルと併用して用いることが好ましい。
具体的には、アゾメチン系の蛍光染料としては、ベーシックイエロー1、同40、キサンテン系の蛍光染料としては、ベーシックレッド1:1、ベーシックバイオレット11:1、トリフェニルメタン系の蛍光染料としては、ベーシックバイオレット1などが特に好ましい染料として挙げられる。これらの蛍光染料は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
さらに、焼成色鉛筆芯の性能に影響を及ぼさない範囲で、筆跡の色を調整するなどのために、前記蛍光染料以外の染料を併用してもよい。
また、樹脂粒子を前記蛍光染料で染着した着色樹脂粒子などを用いてもよい。
前記染料の配合割合としては、インキ全質量に対して、10~50質量%であることが好ましい。この範囲より少ないと、染料の含有量が少なくなり、発色性が劣る傾向があり、この範囲より多いと、染料の発色性の向上が見られない傾向にあり、染料が経時的に析出するなど、インキの経時安定性や、焼成色鉛筆芯の保存安定性が劣る恐れがある。さらに好ましくは、20~45質量%であり、さらに好ましくは、25~45質量%である。前記範囲にあると、発色性も良好で、インキの経時安定性、焼成色鉛筆芯の保存安定性が良好となる。
本発明に用いるインキには、前記ポリオキシエチレン系界面活性剤と前記グリコールエーテルと前記染料の組み合わせとすることで、ポリオキシエチレン系界面活性剤およびグリコールエーテル中に十分な染料を溶解でき、染料の変色や、インキの揮発がなく、また、インキの変色や物性の変化を生じないため、焼成色鉛筆芯や筆跡の初期性能や経時性能を向上することができる。
本発明に用いるインキには、焼成色鉛筆芯の性能に影響を及ぼさない範囲で各種添加剤を用いてもよい。具体的には、ポリオキシエチレン系界面活性剤以外の界面活性剤、防腐剤、防黴剤、樹脂などが挙げられる。
また、本発明に用いる焼成芯体の気孔率は特に限定されないが、5~40%の範囲であることが好ましい。5%より小さいと含浸するインキの量が少なくなり、発色が劣る傾向や、書き味が若干ざらつく傾向があり、40%より大きいと、得られた焼成色鉛筆芯の強度が若干小さくなり、折れやすくなる傾向がある。5~40%の範囲であると、発色性も良好で、書き味が滑らかで、焼成色鉛筆芯の強度が維持できるので好ましく、より発色性、焼成色鉛筆芯の強度維持を考慮すれば、15~40%の範囲が好ましい。
なお、本発明に用いる焼成芯体の気孔率は、以下の方法により測定することが出来る。浸透性の良い液体(例えばベンジルアルコール)を芯の気孔に吸収させ、吸収された液体の容量を芯の嵩容積で除し、百分率で表したものであり、下記(数1)に示す式により求められる。
Figure 0007281967000010
本発明の焼成鉛筆芯の製造方法の一例を挙げると以下の通りである。体質材と無機系結合材を加え、さらに必要に応じて溶剤、可塑剤などを添加して混練、押出成形する。この押出成形物を、600℃以上の高温で焼成し、気孔を有する焼成芯体を得る。前記焼成芯体の気孔中に、ポリオキシエチレン系界面活性剤と、沸点が160℃以上のグリコールエーテルと、染料を含むインキを含浸して焼成色鉛筆芯とする。前記インキを含浸する方法としては、常圧含浸または減圧、加圧含浸法を用いて、含浸を行うことができる。充分に含浸させた後に、表面に付着した余分なインキを遠心分離または吹き付け洗浄などにより除去する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(実施例1)
(焼成色鉛筆芯の製造)
(1a)焼成芯体の製造
窒化ホウ素 45質量部
シリカ 45質量部
ポリビニルアルコール 10質量部
水 100質量部
上記配合物をニーダー、三本ロールにて水分を蒸発しながら加熱混練し、得られた混練物を所定の径にて押出成形を行い、成形物を得た。この成形物をアルゴンガス中において、昇温速度10℃/時間で600℃まで昇温し5時間保持し、その後、酸素雰囲気として、100℃/hrで昇温し、1100℃で1時間焼成して、気孔率が30%の焼成芯体を得た。
(1b)含浸インキの製造
ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル 50質量部
(第一工業製薬株式会社製、商品名:ノイゲンEA-87、エチレンオキサイド平均付加モル数:7、HLB値:10.6)
ジエチレングリコールモノベンジルエーテル 15質量部
黄色一般染料 35質量部
(アゾメチン系染料、ベーシックイエロー28)
上記配合物を70℃に加温しながら、均一に混合するまで攪拌をし、含浸インキ(1)を得た。
(1c)焼成色鉛筆芯の製造
上記(1a)で得られた焼成芯体を、(1b)で作製した含浸インキ(1)中に70℃に加温した状態で浸漬し、10時間保持をした。次に焼成芯体の表面をエタノールで洗浄し、表面に付着した過剰のインキを除去し、焼成色鉛筆芯を得た。
(実施例2~10、比較例1~4)
(b)含浸インキの製造
(表1)に示した配合とした以外は実施例1と同じ方法により、含浸インキ(2)~(14)を作製した。
Figure 0007281967000011
・黄色一般染料:アゾメチン系染料、ベーシックイエロー28
・赤色一般染料:キサンテン系染料、ベーシックレッド1
・青色一般染料:トリフェニルメタン系染料、ベーシックブルー7
・桃色蛍光染料:キサンテン系染料、ベーシックバイオレット11:1/ベーシックレッド1:1
・紫色蛍光染料:トリフェニルメタン系染料、ベーシックバイオレット1
・ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル
(第一工業製薬株式会社製、商品名:ノイゲンEA-87、エチレンオキサイド平均付加モル数:7、HLB値:10.6)
・ポリオキシエチレンジスチレン化メチルフェニルエーテル
(日本乳化剤株式会社製、商品名:ニューコール780、エチレンオキサイド平均付加モル数:80、HLB値:18.9)
・ソルビタンモノラウレート
(花王株式会社製、商品名:レオドールSP-L10、HLB値:8.6)
・ジエチレングリコールモノベンジルエーテル(沸点:302.0℃)
・ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(沸点:283.0℃)
・プロピレングリコールモノフェニルエーテル(沸点:242.7℃)
・エチルアルコール
(c)焼成鉛筆芯の製造
実施例1の(1a)で得られた焼成芯体と、(表1)に示した含浸インキを用いた以外は、実施例1と同じ方法により、実施例2~10、比較例1~4の焼成色鉛筆芯を得た。
実施例1~10、比較例1~4で得た焼成色鉛筆芯について、下記要領にて評価を行った。結果を(表2)に示す。
Figure 0007281967000012
発色性1(初期):焼成色鉛筆芯を用いて、上質紙(旧JIS P3201に規定される筆記用紙Aに相当するもの。化学パルプ100%を原料に抄造され、秤量範囲40~157g/m2 、白色度75.0%以上)に筆記し、その時の発色状態を目視により評価した。
○ :非常に発色が良く、蛍光色が鮮やかに視認できる。
△ :筆跡が薄く、やや発色に劣るが、蛍光色として視認可能。
× :筆記することができず、筆跡を視認できない。
書き味1(初期):焼成色鉛筆芯を用いて、前記上質紙に筆記し、その時の書き味を官能試験により評価した。
○ :滑らかに筆記可能。
△ :筆感がややざらつき重い。
× :筆感がざらつき重く、筆記できない。
発色性2(経時):製造後、25℃環境下で4週間放置した焼成色鉛筆芯を用いて、前記上質紙に筆記し、その時の発色状態を目視により評価した。
○ :初期と変わりなく非常に発色が良く、蛍光色が鮮やかに視認できる。
△ :初期と比べて筆跡が薄く、やや発色に劣るが、蛍光色として視認可能。
× :筆記することができず、筆跡を視認できない。
書き味2(経時):製造後、25℃環境下で4週間放置した焼成色鉛筆芯を用いて、前記上質紙に筆記し、その時の書き味を官能試験により評価した。
○ :滑らかに筆記可能。
△ :筆感がややざらつき重い。
× :筆感がざらつき重く、筆記できない。
実施例1~8の焼成色鉛筆芯は、経時後も初期と変わりなく、良好な発色性、書き味を有していた。さらに、インキを含浸した芯体も初期と比較して変化しておらず、焼成色鉛筆芯としての保存安定性も良好であった。実施例9の焼成色鉛筆芯においては、実施例1~8と比較すると、性能が若干劣ってはいたが、筆跡、焼成色鉛筆芯としての保存安定性において、一定の性能を保っていた。実施例10の焼成色鉛筆芯においては、実施例1~8と比較すると、経時後の発色性ならびに書き味が若干劣ってはいたが、筆跡、焼成色鉛筆芯としての保存安定性において、一定の性能を保っていた。
また、実施例1~10の焼成色鉛筆芯を、真鍮製のチャックを有し且つ該チャックを前進させて鉛筆芯を繰り出すシャープペンシルに用いたところ、焼成色鉛筆芯をチャックに保持した状態で、50℃環境下で8週間放置しても、チャックが腐食されることがなかった。
一方、比較例1においては、実施例に比較して、初期の書き味は一定の性能を保っていたが、経時後の書き味が悪く、発色性も悪く、焼成色鉛筆芯としての性能を満たしていなかった。また、比較例2~4においては、実施例に比較して、初期の性能は、満足するものか一定の性能を保っているものであったが、経時的に発色性ならびに書き味が劣り、焼成色鉛筆芯としての性能を満たしていなかった。
本発明の焼成色鉛筆芯は、発色性に優れ、書き味が滑らかで経時変化が少なく、保存安定性に優れていることから、シャープペンシル、鉛筆、プロッターペン用などの芯として利用が可能である。

Claims (2)

  1. 体質材と無機系結合材とを含む焼成芯体の気孔中に、ポリオキシエチレン系界面活性剤と、沸点が160℃以上のグリコールエーテルと、染料とを含むインキを含浸したことを特徴とする、焼成色鉛筆芯であって、前記ポリオキシエチレン系界面活性剤が、ポリオキシエチレン多環フェニル系界面活性剤である、焼成色鉛筆芯。
  2. 前記界面活性剤のHLB値が15以下であることを特徴とする、請求項に記載の焼成色鉛筆芯。
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