JP2015209508A - 焼成鉛筆芯 - Google Patents
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Abstract
【課題】平滑度が高い手帳、メモ帳等はもちろん、アート紙、コート紙、プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に対しても格段に濃く筆記可能な焼成鉛筆芯を提供する。さらには、筆記後、筆記面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易、均一に筆記面が溶解する水溶性焼成鉛筆芯をも提供する。【解決手段】開気孔中にオイルあるいは不揮発性インクを含浸してなる焼成鉛筆芯であって、前記含浸するオイルあるいは不揮発性インクに、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有してなることを特徴とする焼成鉛筆芯。【選択図】なし
Description
本発明は、主として木軸鉛筆芯、シャープペンシル用鉛筆芯等の焼成鉛筆芯に関する。
従来の焼成鉛筆芯は、黒芯の場合、粘土、天然高分子、合成高分子、ピッチ、アスファルト等結合材と、天然鱗状黒鉛、天然土状黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、窒化ホウ素等粉体に、更に必要に応じて、可塑剤、溶剤等添加剤からなる配合物を混練、押出成形後、必要に応じて、溶剤等乾燥後、非酸化雰囲気にて800℃以上の高温で加熱し、さらに鯨油、ラード、スピンドルオイル、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル等油脂類、ワックス等を含浸する方法で製造されている。
また、焼成色芯の場合、粘土、天然高分子、合成高分子、ピッチ、アスファルト等結合材と、窒化ホウ素に、更に必要に応じて、天然鱗状黒鉛、天然土状黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック等粉体、可塑剤、溶剤等添加剤からなる配合物を混練、押出成形後、必要に応じて、溶剤等乾燥後、非酸化雰囲気にて800℃以上の高温で加熱し、更に800℃以下の大気雰囲気にて加熱後、ペルヒドロポリシラザン、ポリシロキサン、ポリアルミノキサン、ポリジルコノキサン等ポリメタロキサン、シリコンキレート、アルミニウムキレート、ジルコニウムキレート等の溶液中に浸漬し、続いて非酸化雰囲気にて700℃以上の高温で加熱後、不揮発性染料インク等を含浸する方法や、粘土と、窒化ホウ素に、更に必要に応じて、天然鱗状黒鉛、天然土状黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック等粉体、溶剤等添加剤からなる配合物を水等と混練、押出成形後、必要に応じて、水分乾燥後、非酸化雰囲気にて800℃以上の高温で加熱し、更に不揮発性染料インク等を含浸する方法で製造されている。
更に、近年、滑らかな書き味と濃度向上効果を有する焼成鉛筆芯を提供するものとして、例えば、1)気孔中に、少なくともフッ素系オイルが含浸されていることを特徴とする焼成鉛筆芯(例えば、特許文献1参照)、2)焼成芯体が有する気孔中に、少なくとも特定のモノステアリン酸ポリエチレングリコール及び/又は特定のジステアリン酸ポリエチレングリコールを含浸してなる焼成鉛筆芯(例えば、特許文献2参照)、3)焼成芯体の気孔中に、少なくともポリエチレングリコールと12−ヒドロキシステアリン酸からなるインキを含浸したことを特徴とする焼成鉛筆芯(例えば、特許文献3参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1〜3を含む従来の焼成鉛筆芯は、黒芯、色芯共、通常の上質紙、コピー用紙等には濃い描線が筆記できるように改良されてきているが、アート紙、コート紙、プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に筆記する場合、表面で滑ってしまい、ほとんど描画することができず、また、少し平滑度が高い手帳、メモ帳等に筆記する場合でも、滑って薄い描線しか得られない点に課題があるものである。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、平滑度が高い手帳、メモ帳等はもちろん、アート紙、コート紙、プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に対しても格段に濃く筆記可能な焼成鉛筆芯を提供することを目的とする。さらには、筆記後、筆記面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易に、かつ、均一に筆記面が溶解する水溶性の焼成鉛筆芯をも提供することにある。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意研究を行った結果、開気孔中にオイルあるいは不揮発性インクを含浸してなる焼成鉛筆芯において、前記の含浸するオイルあるいは不揮発性インクに、特定の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することにより、上記目的の焼成鉛筆芯が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(7)に存する。
(1) 開気孔中にオイルあるいは不揮発性インクを含浸してなる焼成鉛筆芯であって、前記含浸するオイルあるいは不揮発性インクに、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする焼成鉛筆芯。
(2) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が下記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体であることを特徴とする上記(1)記載の焼成鉛筆芯。
[化1]
R2OOC−R1−COOR3 ………(I)
〔上記式(I)中のR1は炭素数12〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルカリ金属、アミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンである。〕
(3) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルであることを特徴とする上記(1)記載の焼成鉛筆芯。
(4) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の融点が60℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
(5) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の含有量が、焼成鉛筆芯全量に対して、0.1〜8質量%の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
(6) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種(A)と、焼成鉛筆芯に含浸するオイル全量あるいは不揮発性インク全量(B)との質量比(A):(B)が、3:100〜30:100の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の焼成色鉛筆芯。
(7) 焼成鉛筆芯に含浸するオイル全量あるいは不揮発性インク全量中に、融点55℃以下であり、かつHLBが15以上の界面活性剤が、40質量%以上含有されていることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
(1) 開気孔中にオイルあるいは不揮発性インクを含浸してなる焼成鉛筆芯であって、前記含浸するオイルあるいは不揮発性インクに、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする焼成鉛筆芯。
(2) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が下記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体であることを特徴とする上記(1)記載の焼成鉛筆芯。
[化1]
R2OOC−R1−COOR3 ………(I)
〔上記式(I)中のR1は炭素数12〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルカリ金属、アミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンである。〕
(3) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルであることを特徴とする上記(1)記載の焼成鉛筆芯。
(4) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の融点が60℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
(5) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の含有量が、焼成鉛筆芯全量に対して、0.1〜8質量%の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
(6) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種(A)と、焼成鉛筆芯に含浸するオイル全量あるいは不揮発性インク全量(B)との質量比(A):(B)が、3:100〜30:100の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の焼成色鉛筆芯。
(7) 焼成鉛筆芯に含浸するオイル全量あるいは不揮発性インク全量中に、融点55℃以下であり、かつHLBが15以上の界面活性剤が、40質量%以上含有されていることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
本発明によれば、平滑度が高い手帳、メモ帳等はもちろん、アート紙、コート紙、プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に対しても格段に濃く筆記可能な焼成鉛筆芯を提供される。さらには、筆記後、筆記面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易に、かつ、均一に筆記面が溶解する水溶性の焼成鉛筆芯も提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の焼成鉛筆芯は、開気孔中にオイルあるいは不揮発性インクを含浸してなる焼成鉛筆芯であって、前記含浸するオイルあるいは不揮発性インクに、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするものである。
本発明の焼成鉛筆芯は、開気孔中にオイルあるいは不揮発性インクを含浸してなる焼成鉛筆芯であって、前記含浸するオイルあるいは不揮発性インクに、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするものである。
本発明に用いる炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種は、平滑度が高い手帳、メモ帳等はもちろん、アート紙、コート紙、プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に対しても格段に濃く滑らかに描画できる成分となるものであり、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の範疇に含まれるものであれば、特に制限なく、いずれも使用できる。
用いることができる炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体としては、例えば、下記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体、炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルなどが挙げられる。
[化2]
R2OOC−R1−COOR3 ………(I)
〔上記式(I)中のR1は炭素数12〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルカリ金属、アミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンである。〕
用いることができる炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体としては、例えば、下記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体、炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルなどが挙げられる。
[化2]
R2OOC−R1−COOR3 ………(I)
〔上記式(I)中のR1は炭素数12〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルカリ金属、アミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンである。〕
上記式(I)中、R1は炭素数10〜28、好ましくは、14〜24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基である。分岐鎖を有する場合、分岐鎖は炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基など)、置換あるいは未置換のアリール基、エポキシ基、グリセリンが好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基では、「−(CH2)10−」〜「−(CH2)28−」までの直鎖状の各種、分岐鎖状の場合は「−CH〔(A)m〕−(CH2)n−CH〔(B)m〕−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+nは炭素数10〜28)、「−(CH2)x−CH〔(A)m〕−(CH2)n−CH〔(B)m〕−(CH2)y−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+n+x+yは炭素数10〜28)などが挙げられ、直鎖状のアルケニレン基としては、「−(CH2)x−C=(CH2)y−C=C−(CH2)z−」(式中、x+y+zは炭素数10〜28)、分岐鎖状の場合は「−(CH2)x−C〔(A)m〕=CH−(CH2)y−CH=C〔(A)m〕−(CH2)z−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+x+y+zは炭素数10〜28)などが挙げられる。
また、式(I)中、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)などのアルカリ金属、アンモニウム塩、アルキルアミン塩、四級アンモニウム塩、アルカノールアミン塩などのアミン塩、、エポキシ基、フェニル基、グリセリンなどが挙げられる。
上記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体は、既知であり、その製造方法も知られており、各種製造法により得たものを用いることができ、また、市販品があれば、市販品を用いることができる。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基では、「−(CH2)10−」〜「−(CH2)28−」までの直鎖状の各種、分岐鎖状の場合は「−CH〔(A)m〕−(CH2)n−CH〔(B)m〕−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+nは炭素数10〜28)、「−(CH2)x−CH〔(A)m〕−(CH2)n−CH〔(B)m〕−(CH2)y−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+n+x+yは炭素数10〜28)などが挙げられ、直鎖状のアルケニレン基としては、「−(CH2)x−C=(CH2)y−C=C−(CH2)z−」(式中、x+y+zは炭素数10〜28)、分岐鎖状の場合は「−(CH2)x−C〔(A)m〕=CH−(CH2)y−CH=C〔(A)m〕−(CH2)z−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+x+y+zは炭素数10〜28)などが挙げられる。
また、式(I)中、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)などのアルカリ金属、アンモニウム塩、アルキルアミン塩、四級アンモニウム塩、アルカノールアミン塩などのアミン塩、、エポキシ基、フェニル基、グリセリンなどが挙げられる。
上記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体は、既知であり、その製造方法も知られており、各種製造法により得たものを用いることができ、また、市販品があれば、市販品を用いることができる。
本発明に用いることができる上記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体としては、例えば、ドデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、オクタコサン二酸、エイコサン二酸ジメチル、8−エチルオクタデカン二酸、8,13−ジメチルエイコサン二酸、8,12−エイコサジエン二酸ジメチル、8,13−ジメチル−8,12−エイコサジエン二酸ビス(オキシラニルメチル)エステル、日本酸グリセリドなどの少なくとも1種(各単独、または2種以上の混合物)が挙げられ、特に好ましくは、8−エチルオクタデカン二酸、8,12−エイコサジエン二酸ジメチル、日本酸グリセリドである。なお、日本酸は炭素数20(C20)、22(C22)の二塩基酸(混合物)であり、日本酸グリセリドは2分子のグリセリンに二塩基酸が橋かけ的に結合した二分子型グリセリドであり、その合成法などは既知である。
本発明に用いる長鎖二塩基酸ジグリシジルエステルは、主鎖が炭素数12〜30、好ましくは、炭素数14〜24の長鎖脂肪族二塩基酸のジグリシジルエステルであることが望ましく、炭素数16〜22の長鎖脂肪族二塩基酸のジグリシジルエステルであることがさらに好ましい。
脂肪族二塩基酸は、飽和脂肪族二塩基酸であってもよく、不飽和脂肪族二塩基酸であってもよい。また、直鎖の脂肪族二塩基酸であってもよく、分岐を有する脂肪族二塩基酸であってもよい。分岐を有する場合、分岐は炭素数1〜8の低級アルキル基(メチル基、エチル基など)、置換あるいは未置換のアリール基、エポキシ基が好ましい。
これらの長鎖二塩基酸ジグリシジルエステルは、既知であり、その製造方法も知られており、各種製造法により得たものを用いることができ、また、市販品があれば、市販品を用いることができる。
脂肪族二塩基酸は、飽和脂肪族二塩基酸であってもよく、不飽和脂肪族二塩基酸であってもよい。また、直鎖の脂肪族二塩基酸であってもよく、分岐を有する脂肪族二塩基酸であってもよい。分岐を有する場合、分岐は炭素数1〜8の低級アルキル基(メチル基、エチル基など)、置換あるいは未置換のアリール基、エポキシ基が好ましい。
これらの長鎖二塩基酸ジグリシジルエステルは、既知であり、その製造方法も知られており、各種製造法により得たものを用いることができ、また、市販品があれば、市販品を用いることができる。
好ましい炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジグリシジルエステルとしては、例えば、ドデカン二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、エイコサ二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、8,12−イコサジエン二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、7−エチルオクタデカン二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、12−ビニル−8−オクタデセン二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、8,11−ジメチル−7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボン酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、8,9−ジフェニルヘキサデカン二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)などの少なくとも1種が挙げられる。
本発明に用いる上記炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体は、本発明の効果の更なる発現、より平滑な被描画面を描画せしめる点から、好ましくは、融点が70℃以下、更に好ましくは、60℃以下であるものが望ましい。なお、本発明に用いる上記炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体は、常温液体でも従来固形描画材に使用されてきたオイル等の液体物のように、含有することで平滑面への描画時に上滑りすることが無く、逆に着色性が向上するので、強度低下しない範囲で常温液体でも使用可能である。
本発明に用いる上記炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有量は、焼成鉛筆芯全量に対して、0.1〜8質量%(以下、単に「%」という)の範囲となるように含有せしめることが好ましく、更に好ましくは、1〜8%であることが望ましい。
この含有量が、0.1%未満であると、着色性向上効果などを含む本発明の効果を発現せず、一方、8%を超えても、それ以上着色性向上効果を含む本発明の効果は向上せず、書き味が悪くなるためである。
この含有量が、0.1%未満であると、着色性向上効果などを含む本発明の効果を発現せず、一方、8%を超えても、それ以上着色性向上効果を含む本発明の効果は向上せず、書き味が悪くなるためである。
本発明に用いる、上記炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有するオイルあるいは不揮発性インクを含浸する前の焼成鉛筆芯体は、当該オイルあるいは不揮発性インクを含浸可能な細孔径の開気孔中を有する芯体であれば、これまでに知られている黒芯、色芯などの焼成芯体が、その製法、構造等、特に限定されずに、使用することができる。
例えば、黒芯となる焼成鉛筆芯体の場合は、例えば、粘土、天然高分子、合成高分子、ピッチ、アスファルト等から選ばれる結合材と、天然鱗状黒鉛、天然土状黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、窒化ホウ素等から選ばれる粉体に、更に必要に応じて、可塑剤、溶剤等の添加剤からなる配合物を混練、押出成形後、必要に応じて、溶剤等乾燥後、非酸化雰囲気にて800℃以上の高温で加熱する製法が挙げられる。
また、色芯となる焼成鉛筆芯体の場合は、例えば、粘土、天然高分子、合成高分子、ピッチ、アスファルト等から選ばれる結合材と、窒化ホウ素に、更に必要に応じて、天然鱗状黒鉛、天然土状黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック等から選ばれる粉体、可塑剤、溶剤等添加剤からなる配合物を混練、押出成形後、必要に応じて、溶剤等乾燥後、非酸化雰囲気にて800℃以上の高温で加熱し、更に800℃以下の大気雰囲気にて加熱後、ペルヒドロポリシラザン、ポリシロキサン、ポリアルミノキサン、ポリジルコノキサン等ポリメタロキサン、シリコンキレート、アルミニウムキレート、ジルコニウムキレート等から選ばれる溶液中に浸漬し、続いて非酸化雰囲気にて700℃以上の高温で加熱し、更に不揮発性染料インク等を含浸する製法や、粘土と、窒化ホウ素に、更に必要に応じて、天然鱗状黒鉛、天然土状黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック等から選ばれる粉体、溶剤等の添加剤からなる配合物を水等と混練、押出成形後、必要に応じて、水分乾燥後、非酸化雰囲気にて800℃以上の高温で加熱し、更に不揮発性染料インク等を含浸する製法が挙げられる。
その他、本発明において、従来公知の紫外線吸収剤等各種添加剤を目標とする品質を低下させない範囲を含む本発明の効果を損なわない範囲で、上記各配合物に配合することができる。
また、色芯となる焼成鉛筆芯体の場合は、例えば、粘土、天然高分子、合成高分子、ピッチ、アスファルト等から選ばれる結合材と、窒化ホウ素に、更に必要に応じて、天然鱗状黒鉛、天然土状黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック等から選ばれる粉体、可塑剤、溶剤等添加剤からなる配合物を混練、押出成形後、必要に応じて、溶剤等乾燥後、非酸化雰囲気にて800℃以上の高温で加熱し、更に800℃以下の大気雰囲気にて加熱後、ペルヒドロポリシラザン、ポリシロキサン、ポリアルミノキサン、ポリジルコノキサン等ポリメタロキサン、シリコンキレート、アルミニウムキレート、ジルコニウムキレート等から選ばれる溶液中に浸漬し、続いて非酸化雰囲気にて700℃以上の高温で加熱し、更に不揮発性染料インク等を含浸する製法や、粘土と、窒化ホウ素に、更に必要に応じて、天然鱗状黒鉛、天然土状黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック等から選ばれる粉体、溶剤等の添加剤からなる配合物を水等と混練、押出成形後、必要に応じて、水分乾燥後、非酸化雰囲気にて800℃以上の高温で加熱し、更に不揮発性染料インク等を含浸する製法が挙げられる。
その他、本発明において、従来公知の紫外線吸収剤等各種添加剤を目標とする品質を低下させない範囲を含む本発明の効果を損なわない範囲で、上記各配合物に配合することができる。
本発明では、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体を含有せしめる効果を得るには、上述の如く、上記炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有量が、焼成鉛筆芯全量に対して、0.1〜8質量%となるように調整することが好ましく、3質量%以上の含浸物、すなわち、含浸するオイルあるいは不揮発性インクに、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有する含浸物を3質量%以上充填できる開気孔を有する芯体が好ましく、より効果を得るには5質量%以上の含浸物を充填できる開気孔を有する芯体が好ましく、更には8質量%以上の含浸物を充填できる芯体が望ましく、上限は、書き味、強度とのバランスの点から上記炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含む含浸物全体の充填率が40質量%以下となるように充填できる芯体を設計することが望ましい。
なお、上記炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体を含む含浸物を上記好ましい量で充填できる開気孔を有する芯体の調整は、用いる原料(結合材、窒化ホウ素等から選ばれる粉体、可塑剤、溶剤等の添加剤)の使用量、昇温、雰囲気等焼成条件などを好適に組み合わせて焼成することにより、所定の細孔径の開気孔を有する芯体を得ることができる。
なお、上記炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体を含む含浸物を上記好ましい量で充填できる開気孔を有する芯体の調整は、用いる原料(結合材、窒化ホウ素等から選ばれる粉体、可塑剤、溶剤等の添加剤)の使用量、昇温、雰囲気等焼成条件などを好適に組み合わせて焼成することにより、所定の細孔径の開気孔を有する芯体を得ることができる。
本発明では、上記で得られた所定の細孔径の開気孔中に、オイルあるいは不揮発性インクに、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有してなる含浸物(含漬液)を充填することにより、焼成鉛筆芯が得られることとなる。
本発明に用いるオイルとしては、例えば、鯨油、ラード、スピンドルオイル、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル等従来公知のオイルが、特に限定されずに使用することができる。
本発明に用いる不揮発性インクとしては、例えば、不揮発性液体、染料などの着色剤とも従来公知の材料が、特に限定されずに、使用可能である。
用いることができる不揮発性液体は、書き味、消去性の点で、好ましくは、オレイルアルコール、HLB15未満のポリエチレングルコール脂肪酸エステル、HLB15未満のポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましいが、描線が水で溶解可能な芯を造る場合は、HLB価15以上のポリエチレングルコール脂肪酸エステル、HLB15以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用することで水溶性が発現できる。
更に、染料の溶解性に関する筆記描線濃度の点で、オレイルアルコール、HLB15未満のポリエチレングルコールモノオレイン酸エステル、HLB15未満のポリオキシエチレンオレイルエーテルが特に好ましい。
本発明に用いる染料は、上記例示不揮発性液体または従来公知の不揮発性液体に溶解可能であれば、特に限定されず、全て用いることができる。
なお、本発明における「HLB値」は、川上法〔HLB値=7+11.7log(MW/MO)、MW:親水部分の分子量、MO:親油部分の分子量〕から求めることができる。
用いることができる不揮発性液体は、書き味、消去性の点で、好ましくは、オレイルアルコール、HLB15未満のポリエチレングルコール脂肪酸エステル、HLB15未満のポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましいが、描線が水で溶解可能な芯を造る場合は、HLB価15以上のポリエチレングルコール脂肪酸エステル、HLB15以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用することで水溶性が発現できる。
更に、染料の溶解性に関する筆記描線濃度の点で、オレイルアルコール、HLB15未満のポリエチレングルコールモノオレイン酸エステル、HLB15未満のポリオキシエチレンオレイルエーテルが特に好ましい。
本発明に用いる染料は、上記例示不揮発性液体または従来公知の不揮発性液体に溶解可能であれば、特に限定されず、全て用いることができる。
なお、本発明における「HLB値」は、川上法〔HLB値=7+11.7log(MW/MO)、MW:親水部分の分子量、MO:親油部分の分子量〕から求めることができる。
本発明において、芯に含浸するオイル全量あるいは不揮発性インク全量中に、融点55℃以下であり、かつHLB15以上の界面活性剤を40%以上含有することで、筆記後、筆記面を水を含ませた筆等でなぞると、容易、均一に筆記面が溶解する水溶性の焼成鉛筆芯とすることが可能となる。
用いることができる融点55℃以下であり、かつHLB価15以上の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(モノステアリン酸PEG)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどの少なくとも1種が挙げられる。
用いることができる融点55℃以下であり、かつHLB価15以上の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(モノステアリン酸PEG)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどの少なくとも1種が挙げられる。
本発明において、更に好ましくは、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体(A)と、芯に含浸するオイル全量あるいは不揮発性液体インク全量(B)との質量比、(A):(B)が3:100〜30:100の範囲であることが望ましい。
この質量比(A):(B)が3:100未満では、着色性向上効果が発現せず、一方、16:100を超えても、それ以上着色性は向上せず、書き味が悪くなることがある。
この質量比(A):(B)が3:100未満では、着色性向上効果が発現せず、一方、16:100を超えても、それ以上着色性は向上せず、書き味が悪くなることがある。
本発明で得られる焼成鉛筆芯は、主として、焼成鉛筆芯を木軸に装填した木軸鉛筆芯、シャープペンシル用焼成鉛筆芯として、更に、筆記後、筆記面を水を含ませた筆等でなぞると、容易に、かつ、均一に筆記面が溶解する水溶性の焼成鉛筆芯として使用に供されることとなる。
このように構成される本発明の焼成鉛筆芯は、開気孔中にオイルあるいは不揮発性インクを含浸してなる焼成鉛筆芯であって、前記含浸するオイルあるいは不揮発性インクに、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することにより、好ましくは、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体を上記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体、及び/又は炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルとしたり、また、これらの炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の融点が60℃以下のものを使用したり、更に、これらの含有量を、焼成鉛筆芯全量に対して、0.1〜8%の範囲としたり、更にまた、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種(A)と、芯に含浸するオイル全量あるいは不揮発性液体インク全量(B)との質量比、(A):(B)が3:100〜30:100の範囲とすることにより、平滑度が高い手帳、メモ帳等はもちろん、アート紙、コート紙、プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に対しても格段に濃く筆記可能な焼成鉛筆芯が得られることになる。
さらには、筆記後、筆記面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易に、かつ、均一に筆記面が溶解する水溶性焼成鉛筆芯が得られることになる。
さらには、筆記後、筆記面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易に、かつ、均一に筆記面が溶解する水溶性焼成鉛筆芯が得られることになる。
このように構成される本発明の焼成鉛筆芯は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。
次に、実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何等限定されるものではない。
〔実施例1〜4及び比較例1〜3〕
(実施例1)
芯体配合組成物
天然鱗状黒鉛 44%
塩化ビニル樹脂 40%
ジオクチルフタレート(DOP) 15%
オレイン酸アミド 1%
上記芯体配合組成物をニーダーで加熱混合、分散し、次に2本ロールで混練した後、ペレタイズ、押出成形し、大気中にてDOPを加熱除去して、窒素雰囲気中にて1000℃で加熱した。
含浸液配合組成
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB9.5) 85%
8,13−ジメチルエイコサン二酸(常温液体) 15%
上記1000℃加熱後、室温に冷却した芯体を、120℃で上記含浸液に浸漬し、24時間放置した後、取り出して余剰液を除去し、直径0.56mmのシャープペンシル用焼成鉛筆芯を得た。
含浸液全体では、12.1%含浸されたので、この実施例1の炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率は、約1.8%であった。
なお、得られた焼成鉛筆芯に上記含浸液の率を、以下の式で算出した上で、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率を含浸液配合組成から算出した(以下の実施例においても同様)。
炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率計算式;
含有率(%)=〔{(含浸後の芯体重量)−(含浸後前の芯体重量)}÷(含浸後の芯体重量)×(含浸液中の本発明の二塩基酸及びその誘導体比率)÷(含浸液全体)〕×100
(実施例1)
芯体配合組成物
天然鱗状黒鉛 44%
塩化ビニル樹脂 40%
ジオクチルフタレート(DOP) 15%
オレイン酸アミド 1%
上記芯体配合組成物をニーダーで加熱混合、分散し、次に2本ロールで混練した後、ペレタイズ、押出成形し、大気中にてDOPを加熱除去して、窒素雰囲気中にて1000℃で加熱した。
含浸液配合組成
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB9.5) 85%
8,13−ジメチルエイコサン二酸(常温液体) 15%
上記1000℃加熱後、室温に冷却した芯体を、120℃で上記含浸液に浸漬し、24時間放置した後、取り出して余剰液を除去し、直径0.56mmのシャープペンシル用焼成鉛筆芯を得た。
含浸液全体では、12.1%含浸されたので、この実施例1の炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率は、約1.8%であった。
なお、得られた焼成鉛筆芯に上記含浸液の率を、以下の式で算出した上で、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率を含浸液配合組成から算出した(以下の実施例においても同様)。
炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率計算式;
含有率(%)=〔{(含浸後の芯体重量)−(含浸後前の芯体重量)}÷(含浸後の芯体重量)×(含浸液中の本発明の二塩基酸及びその誘導体比率)÷(含浸液全体)〕×100
(実施例2)
上記実施例1と同配合、同製法にて1000℃加熱後室温に冷却した芯体を、120℃で以下の配合組成である含浸液中に浸漬し、24時間放置した後、取り出して余剰液を除去し、直径0.56mmのシャープペンシル用焼成鉛筆芯を得た。
含浸液配合組成
α−オレフィンオリゴマー 80%
8,13−ジメチル−8,12−エイコサジエン二酸ビス(オキシラニルメチル)エステル
(常温液体) 20%
含浸液全体では、11.5%含浸されたので、この実施例2の炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率は、2.3%であった。
上記実施例1と同配合、同製法にて1000℃加熱後室温に冷却した芯体を、120℃で以下の配合組成である含浸液中に浸漬し、24時間放置した後、取り出して余剰液を除去し、直径0.56mmのシャープペンシル用焼成鉛筆芯を得た。
含浸液配合組成
α−オレフィンオリゴマー 80%
8,13−ジメチル−8,12−エイコサジエン二酸ビス(オキシラニルメチル)エステル
(常温液体) 20%
含浸液全体では、11.5%含浸されたので、この実施例2の炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率は、2.3%であった。
(実施例3)
芯体配合組成物
六方晶窒化ホウ素 40%
塩化ビニル樹脂 44%
ジオクチルフタレート(DOP) 15%
オレイン酸アミド 1%
上記芯体配合組成物をニーダーで加熱混合、分散し、次に2本ロールで混練した後、ペレタイズ、押出成形し、大気中にてDOPを加熱除去して、窒素雰囲気中1000℃、大気中700℃の順に加熱した。室温に冷却後、ペルヒドロポリシラザン液を含浸し、再度、窒素雰囲気中にて1250℃で加熱した。
含浸液配合組成
オレイルアルコール 51%
8−エチルオクタデカン二酸(常温ペースト状) 9%
エチルアルコール 25%
塩基性赤色染料 15%
上記1250℃加熱後、室温に冷却した芯体を、100℃で上記含浸液に浸漬し、24時間放置した後、取り出してエチルアルコールを乾燥除去し、直径0.56mmのシャープペンシル用焼成赤色鉛筆芯を得た。
含浸液全体では、20.5%含浸されたので、この実施例3の炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率は、約1.8%であった。
芯体配合組成物
六方晶窒化ホウ素 40%
塩化ビニル樹脂 44%
ジオクチルフタレート(DOP) 15%
オレイン酸アミド 1%
上記芯体配合組成物をニーダーで加熱混合、分散し、次に2本ロールで混練した後、ペレタイズ、押出成形し、大気中にてDOPを加熱除去して、窒素雰囲気中1000℃、大気中700℃の順に加熱した。室温に冷却後、ペルヒドロポリシラザン液を含浸し、再度、窒素雰囲気中にて1250℃で加熱した。
含浸液配合組成
オレイルアルコール 51%
8−エチルオクタデカン二酸(常温ペースト状) 9%
エチルアルコール 25%
塩基性赤色染料 15%
上記1250℃加熱後、室温に冷却した芯体を、100℃で上記含浸液に浸漬し、24時間放置した後、取り出してエチルアルコールを乾燥除去し、直径0.56mmのシャープペンシル用焼成赤色鉛筆芯を得た。
含浸液全体では、20.5%含浸されたので、この実施例3の炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率は、約1.8%であった。
(実施例4)
芯体配合組成物
天然鱗状黒鉛 68%
天然ハロイサイト 29%
アラビアガム 3%
上記芯体配合組成物に同重量の水を添加し、をミキサーで加熱混合、分散し、次に2本ロールで水分調整した後、プランジャー型成形機で押出成形し、大気中にて水分を加熱除去して、非酸化雰囲気中にて1100℃で加熱した。
含浸液配合組成
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB9.5) 35%
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB19.5) 50%
8,12−エイコサジエン二酸ジメチル(融点30℃) 15%
上記1100℃加熱後後室温に冷却した芯体を、120℃で上記含浸液に浸漬し、24時間放置した後、取り出して余剰液を除去し、直径2.0mmの木軸用焼成鉛筆芯を得た。
含浸液全体では、10.2%含浸されたので、この実施例4の炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率は、約1.5%であった。
芯体配合組成物
天然鱗状黒鉛 68%
天然ハロイサイト 29%
アラビアガム 3%
上記芯体配合組成物に同重量の水を添加し、をミキサーで加熱混合、分散し、次に2本ロールで水分調整した後、プランジャー型成形機で押出成形し、大気中にて水分を加熱除去して、非酸化雰囲気中にて1100℃で加熱した。
含浸液配合組成
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB9.5) 35%
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB19.5) 50%
8,12−エイコサジエン二酸ジメチル(融点30℃) 15%
上記1100℃加熱後後室温に冷却した芯体を、120℃で上記含浸液に浸漬し、24時間放置した後、取り出して余剰液を除去し、直径2.0mmの木軸用焼成鉛筆芯を得た。
含浸液全体では、10.2%含浸されたので、この実施例4の炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有率は、約1.5%であった。
(比較例1)
上記実施例1と同配合、同製法にて1000℃加熱後室温に冷却した芯体を、120℃でポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB9.5)中に浸漬し、24時間放置した後、取り出して余剰液を除去し、直径0.56mmのシャープペンシル用焼成鉛筆芯を得た。
上記実施例1と同配合、同製法にて1000℃加熱後室温に冷却した芯体を、120℃でポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB9.5)中に浸漬し、24時間放置した後、取り出して余剰液を除去し、直径0.56mmのシャープペンシル用焼成鉛筆芯を得た。
(比較例2)
含浸液配合組成
オレイルアルコール 60%
エチルアルコール 25%
塩基性赤色染料 15%
上記実施例3と同配合、同製法にて1250℃加熱後室温に冷却した芯体を、100℃で上記含浸液に浸漬し、24時間放置した後、取り出してエチルアルコールを乾燥除去し、直径0.56mmのシャープペンシル用焼成赤色鉛筆芯を得た。
含浸液配合組成
オレイルアルコール 60%
エチルアルコール 25%
塩基性赤色染料 15%
上記実施例3と同配合、同製法にて1250℃加熱後室温に冷却した芯体を、100℃で上記含浸液に浸漬し、24時間放置した後、取り出してエチルアルコールを乾燥除去し、直径0.56mmのシャープペンシル用焼成赤色鉛筆芯を得た。
(比較例3)
含浸液配合組成
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB9.5) 50%
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB19.5) 50%
上記実施例4と同配合、同製法にて1100℃加熱後室温に冷却した芯体を、120℃で上記含浸液に浸せきし、24時間放置した後、取り出して余剰液を除去し、直径2.0mmの木軸用焼成鉛筆芯を得た。
含浸液配合組成
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB9.5) 50%
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB19.5) 50%
上記実施例4と同配合、同製法にて1100℃加熱後室温に冷却した芯体を、120℃で上記含浸液に浸せきし、24時間放置した後、取り出して余剰液を除去し、直径2.0mmの木軸用焼成鉛筆芯を得た。
上記実施例1〜4、及び、比較例1〜3の固形描画材について、コピー用紙、アート紙、PETフィルムに描画する際の着色性およびコピー用紙描線の消去性、溶解性について、評価、確認した。これらの結果を下記表1に示す。
(1)着色性の評価方法
コピー用紙、アート紙、PETフィルムに筆記し、その時の着色性をA〜Eの5段階で評価した。5段階評価中、Aが最も描線が濃く、Eが最も描線が薄い、もしくは描けない。
コピー用紙、アート紙、PETフィルムに筆記し、その時の着色性をA〜Eの5段階で評価した。5段階評価中、Aが最も描線が濃く、Eが最も描線が薄い、もしくは描けない。
(2)消しゴム消去性の評価方法
コピー用紙にレコード式画線機で6m筆記し、その描線部分をφ7に切削した三菱鉛筆社製消しゴムEP−105に垂直方面に10Nの荷重を掛け、3回擦過し、その消去前後の明度L*を測定し、以下の式より消去率を算出した。
消去率(%)=(消去後L*−消去前L*)÷消去後L*×100
コピー用紙にレコード式画線機で6m筆記し、その描線部分をφ7に切削した三菱鉛筆社製消しゴムEP−105に垂直方面に10Nの荷重を掛け、3回擦過し、その消去前後の明度L*を測定し、以下の式より消去率を算出した。
消去率(%)=(消去後L*−消去前L*)÷消去後L*×100
(3)溶解性の評価方法
実施例4及び比較例3に関して、上記(1)でコピー用紙、アート紙、書いた描線を、水を含ませた絵筆でなぞり、その時の溶解性をA〜Eの5段階で評価した。Aが最も良く溶け、Eが最も溶けが悪い。
実施例4及び比較例3に関して、上記(1)でコピー用紙、アート紙、書いた描線を、水を含ませた絵筆でなぞり、その時の溶解性をA〜Eの5段階で評価した。Aが最も良く溶け、Eが最も溶けが悪い。
表1に示したとおり、本発明となる実施例1〜4は、いずれも良好な結果であった。すなわち、平滑面にも良好に筆記でき、かつコピー紙等普通の紙に筆記した場合も、本発明の範囲外の従来芯である比較例1〜3と同等の消去性であった。
これに対して、本発明の範囲外である比較例1〜3の試験結果はいくつか品質項目が劣る結果となった。比較例1〜3は、二塩基酸を含有しないため、平滑面コピー紙では良好に筆記できたが、平滑面では滑って濃く筆記できなかった。
また、比較例3は、さらに水に溶解性を評価したが、筆記が可能なコピー紙では、描線が溶解できたが、アート紙では、筆記描線が非常に薄く、溶解性の確認ができず、E評価とした。
これに対して、本発明の範囲外である比較例1〜3の試験結果はいくつか品質項目が劣る結果となった。比較例1〜3は、二塩基酸を含有しないため、平滑面コピー紙では良好に筆記できたが、平滑面では滑って濃く筆記できなかった。
また、比較例3は、さらに水に溶解性を評価したが、筆記が可能なコピー紙では、描線が溶解できたが、アート紙では、筆記描線が非常に薄く、溶解性の確認ができず、E評価とした。
平滑度が高い手帳、メモ帳等はもちろん、アート紙、コート紙、プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に対しても格段に濃く筆記可能な焼成鉛筆芯が得られる。
さらには、筆記後、筆記面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易、均一に筆記面が溶解する水溶性の焼成鉛筆芯も得られる。
さらには、筆記後、筆記面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易、均一に筆記面が溶解する水溶性の焼成鉛筆芯も得られる。
Claims (7)
- 開気孔中にオイルあるいは不揮発性インクを含浸してなる焼成鉛筆芯であって、前記含浸するオイルあるいは不揮発性インクに、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする焼成鉛筆芯。
- 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が下記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体であることを特徴とする請求項1記載の焼成鉛筆芯。
[化1]
R2OOC−R1−COOR3 ………(I)
〔上記式(I)中のR1は炭素数12〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルカリ金属、アミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンである。〕 - 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルであることを特徴とする請求項1記載の焼成鉛筆芯。
- 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の融点が60℃以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
- 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の含有量が、焼成鉛筆芯全量に対して、0.1〜8質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
- 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種(A)と、焼成鉛筆芯に含浸するオイル全量あるいは不揮発性インク全量(B)との質量比(A):(B)が、3:100〜30:100の範囲であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の焼成色鉛筆芯。
- 焼成鉛筆芯に含浸するオイル全量あるいは不揮発性インク全量中に、融点55℃以下であり、かつHLBが15以上の界面活性剤が、40質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
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Cited By (3)
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JP2017115088A (ja) * | 2015-12-25 | 2017-06-29 | 株式会社トンボ鉛筆 | 鉛筆芯 |
JP2020193305A (ja) * | 2019-05-30 | 2020-12-03 | 株式会社パイロットコーポレーション | 焼成色鉛筆芯 |
JP2021070724A (ja) * | 2019-10-29 | 2021-05-06 | 株式会社パイロットコーポレーション | 色鉛筆芯 |
-
2014
- 2014-04-28 JP JP2014092443A patent/JP2015209508A/ja active Pending
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